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発明の名称 転動体の潤滑機能を備えた直線案内装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−248637(P2001−248637A)
公開日 平成13年9月14日(2001.9.14)
出願番号 特願2000−60231(P2000−60231)
出願日 平成12年3月6日(2000.3.6)
代理人 【識別番号】100082739
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 勝夫 (外3名)
【テーマコード(参考)】
3J101
3J104
【Fターム(参考)】
3J101 AA02 AA64 CA08 CA13 FA32 GA31 
3J104 AA03 AA23 AA36 AA65 AA74 AA76 BA14 BA24 BA33 CA24 DA05 EA01
発明者 児玉 華都子
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 長手方向に沿ってボール転走溝が形成された軌道レールと、上記ボール転走溝との間でボールが荷重を負荷しながら転走する負荷転走溝が形成されると共にこの負荷転走溝に平行にボールが無負荷状態で転走するボール戻し孔が形成されたスライドブロックと、上記負荷転走溝を転走し終えたボールを上記ボール戻し孔に送り込むU字型の方向転換路を備えると共にかかるスライドブロックの前後両端面に固定されてボールの無限循環路を形成するエンドキャップと、から構成された直線案内装置において、上記ボール戻し孔の内周面にはその長手方向に沿って潤滑剤の拡散溝を形成すると共にこの拡散溝を覆うようにして潤滑剤の塗布体を設ける一方、上記エンドキャップには上記拡散溝に潤滑剤を供給するための供給通路を形成したことを特徴とする直線案内装置。
【請求項2】 上記嵌合溝として機能するスリットが長手方向に沿って形成されると共に上記ボールが無負荷状態で通過するボール戻しパイプを上記ボール戻し孔に嵌合させると共に、このパイプの内周面には上記スリットに重なるようにして潤滑剤の塗布体を固定したことを特徴とする請求項1記載の直線案内装置。
【請求項3】 上記ボール戻し孔に嵌合させたボール戻しバイプの両端がスライドブロックの両端面から僅かに突出し、かかる突出部位がエンドキャップの方向転換路の一端開口の周囲に嵌合することにより、ボール戻しパイプのスリットとエンドキャップの供給通路とが連結されることを特徴とする請求項2記載の直線案内装置。
【請求項4】 上記ボール戻しパイプはスリット及びこのスリットと対向する位置で一対のパイプ半体に分割されており、これらパイプ半体は上記スリットを覆うようにして各パイプ半体に固定された塗布体によって結合されていることを特徴とする請求項2記載の直線案内装置。
【請求項5】 上記ボール戻しパイプの一方の端部には位置決め突起が形成される一方、上記スライドブロックのボール戻し孔の一方の開口縁部には上記位置決め突起が嵌合する位置決め溝が形成されていることを特徴とする請求項2記載の直線案内装置。
【請求項6】 上記供給通路がエンドキャップのスライドブロック側の端面に形成された油送溝であり、かかる油送溝の一端がエンドキャップを貫通する供給孔に、他端がボール戻し孔の拡散溝に開放されていることを特徴とする請求項1又は2記載の直線案内装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば工作機械等の直線案内部においてテーブル等の可動体をベッド等の固定部上で案内する目的で使用され、無限循環する多数のボールを備えた摺動台が軌道レールに沿って自在に往復動可能な直線案内装置に係り、詳細には、摺動台内において無限循環するボールを確実に且つ長期にわたって潤滑するための構成の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の直線案内装置としては、ベッド等の固定部に配設されると共にボールの転走溝が形成された軌道レールと、多数のボールを介してこの軌道レールに組み付けられ、テーブル等の可動体を支持しながら上記軌道レールに沿って移動する摺動台とから構成されるものが知られている。
【0003】また、上記摺動台は、ボールを介して軌道レールの転走溝と対向する負荷転走溝及びこの負荷転走溝と平行なボール戻し孔を有し、上記ボールの転動に伴い軌道レールに沿って移動自在なスライドブロックと、このスライドブロックの前後両端面に夫々固定されると共に、該スライドブロックの負荷転走溝と軌道レールの転走溝との間から抜け出たボールを上記ボール戻し孔に向けて案内するU字型の方向転換路を有する一対のエンドキャップとから構成されており、上記エンドキャップをスライドブロックの前後両端面に固定することで上記負荷転走溝とボール戻し孔の端部間とが方向転換路で連結され、ボールの無限循環路が摺動台内に完成するようになっている。
【0004】この直線案内装置を使用するに当たっては、ボールそれ自体の摩耗やこれが転走する軌道レールの転走溝あるいは摺動台の負荷転走溝の摩耗を抑え、該摺動台の高精度の運動を長期にわたって維持する観点から、かかるボールや上記負荷転走溝等に対して定期的あるいは連続的に潤滑剤を供給する必要がある。
【0005】このため、特開平10−78032号公報に開示される直線案内装置では、ボールの潤滑機能を備えた循環チューブを上記ボール戻し孔に対して組み込み、ボールがこの循環チューブ内を無負荷状態で転走する際に、かかるボールの表面に対して潤滑剤が塗布されるように構成している。上記チューブは円筒状の補強体及びこの補強体に組み込まれた含油樹脂から構成されており、この補強体には含油樹脂を固定するための長孔が円周方向に所定の間隔をおいて複数形成されている。上記含油樹脂は潤滑剤としてのパラフィン系鉱油をポリエチレン樹脂と混合したものであり、射出成形によって補強体の長孔内に注入され該補強体と一体化されている。従って、この含油樹脂からは潤滑剤が経時的に循環チューブ内に滲み出し、かかる循環チューブ内を通って無限循環するボールの表面に対して潤滑剤が塗布されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この循環チューブ内に固定された含油樹脂は潤滑剤を練り込むんだ状態で成形されたものであり、含油樹脂に対して後から潤滑剤を補給することは不可能である。このため、軌道レールに対する摺動台の累積走行距離が大きくなり、含油樹脂内に保持されていた潤滑剤が消尽してしまうと、潤滑剤を補給することはできず、循環チューブそのものを交換しなければならない。従って、かかる循環チューブは一定期間毎に交換しなければならず、かかる交換に当たってはエンドキャップをスライドブロックから取り外す等、摺動台の分解が必要とされることから、その交換作業が大変面倒で且つ時間のかかるものとなってしまう。また、循環チューブのみを交換せずに、かかる循環チューブが組み込まれた摺動台そのものを交換してしまうことも可能であるが、その場合でも摺動台に取り付けられていたテーブル等の可動体は一時的に撤去する必要が生じ、やはり交換作業に労力及び時間が必要とされる。
【0007】また、循環チューブに固定されている含油樹脂を大型化すれば、かかる含油樹脂に多量の潤滑剤を保持させることができ、循環チューブの交換サイクルを長期化することも可能であるが、その場合にはスライドブロックに形成されているボール戻し孔の内径を大きくする必要が生じ、スライドブロックの大型化や外力に対する剛性の低下が懸念される。
【0008】本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、摺動台内で無限循環しているボールを確実に潤滑することが可能であると共に、外部から容易に潤滑剤を補給することができ、面倒な保守作業を行うことなく長期にわたって安定した性能を発揮することが可能な直線案内装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の直線案内装置は、長手方向に沿ってボール転走溝が形成された軌道レールと、上記ボール転走溝との間でボールが荷重を負荷しながら転走する負荷転走溝が形成されると共にこの負荷転走溝に平行にボールが無負荷状態で転走するボール戻し孔が形成されたスライドブロックと、上記負荷転走溝を転走し終えたボールを上記ボール戻し孔に送り込むU字型の方向転換路を備えると共にかかるスライドブロックの前後両端面に固定されてボールの無限循環路を形成するエンドキャップとから構成され、上記ボール戻し孔の内周面にはその長手方向に沿って潤滑剤の拡散溝を形成すると共にこの拡散溝を覆うようにして潤滑剤の塗布体を設ける一方、上記エンドキャップには上記拡散溝に潤滑剤を供給するための供給通路を形成したことを特徴とするものである。
【0010】このような技術的手段によれば、エンドキャップに形成された供給通路に対して外部から潤滑剤を供給してやると、かかる潤滑剤がスライドブロックのボール戻し孔に形成された拡散溝に流入し、潤滑剤は拡散溝に沿ってボール戻し孔の長手方向に拡がる。この拡散溝は潤滑剤の塗布体によって覆われていることから、拡散溝内の潤滑剤は塗布体に吸収され、ボール戻し孔の内部を転走するボールが塗布体に摺接すると、かかる塗布体からボールに対して潤滑剤が供給される。これにより、無限循環するボール列、ひいてはボールが転走するスライドブロックの負荷転走溝及び軌道レールのボール転走溝を確実に循環することができる。このとき、上記拡散溝はボール戻し孔の長手方向に沿って形成されていることから、供給通路から拡散溝に流れ込んだ潤滑剤はボール戻し孔の端部から長手方向の中央にまで拡がり、ボール戻し孔の長手方向の全長にわたってボールの潤滑が行われることになる。このように、本発明の直線案内装置では、外部から供給した潤滑剤がボール戻し孔内に設けられた塗布体に吸収され、かかる塗布体を介してボールに潤滑剤を供給しているので、定期的に外部から潤滑剤を補給しさえすれば、部品交換等の面倒な作業を行うことなく、長期にわたって直線案内装置の使用を続けることができるものである。
【0011】本発明においては、上記拡散溝をボール戻し孔の内周面に対して直接形成しても良いが、かかるボール戻し孔の長手方向に沿って溝を刻設する加工には手間がかかることから、内径がボール直径よりも僅かに大きなパイプの長手方向に沿ってスリットを形成すると共に、かかるパイプの内周面にはスリットに重なるようにして潤滑剤の塗布体を固定し、このパイプをボール戻しパイプとしてボール戻し孔の内部に嵌合させるのが好ましい。このようにすれば、ボール戻しパイプに形成されたスリットが拡散溝として機能するので、上記拡散溝を具備したボール戻し孔を容易に形成することができる。
【0012】また、このようにボール戻しパイプを用いる場合には、ボール戻し孔内に嵌合させたボール戻しパイプの両端をスライドブロックの両端から僅かに突出させ、かかる突出部位をエンドキャップに形成された方向転換路の一端開口に嵌合させるのが好ましい。このように構成すれば、エンドキャップに対するボール戻しパイプの位置決めが正確となり、エンドキャップ側に形成された潤滑剤の供給通路とボール戻しパイプのスリットとを確実に連結して、これらの間における潤滑油の漏出を防止することが可能となる。
【0013】更に、上記ボール戻し孔の内周面に対して塗布体を装着する作業も困難であることから、前述の如くボール戻しパイプの内周面に対して塗布体を装着し、この後にボール戻しパイプをスライドブロックに嵌合させるようにすれば、ボール戻し孔に対する塗布体の装着作業を容易化する上でも効果的である。このとき、ボール戻しパイプに対する塗布体の装着作業を容易化するという観点からすれば、かかるボール戻しパイプは上記スリット及びこのスリットと対向する位置で一対のパイプ半体に分割されているのが好ましく、このようにボール戻しパイプが周方向に二分割されていれば、これらパイプ半体を互いに拡開させることにより、塗布体をボール戻しパイプの内周面に容易に固定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明の直線案内装置を詳細に説明する。図1は本発明を適用した直線案内装置の一例を示す切り欠き斜視図である。この直線案内装置は、長手方向に沿ってボールの転走面11a,11bが形成された軌道レール1と、転動体としての多数のボール3を介してこの軌道レール1に係合すると共に内部に該ボール3の無限循環路を備えた摺動台2と、この摺動台2の移動方向の前後両端面に装着されると共に軌道レール1の上面及び両側面に密着するシール部材5とから構成されており、かかるボール3の循環に伴って上記摺動台2が軌道レール1上を往復運動するように構成されている。
【0015】上記軌道レール1は長手方向に垂直な縦断面が略矩形状に形成されており、固定ボルトを挿通させるための取り付け孔10が長手方向に適宜間隔をおいて貫通形成されている。また、軌道レール1の上面には上記取り付け孔10を挟むようにして2条のボール転走溝11aが形成される一方、両側面にも1条のボール転走溝11bが夫々形成されており、これら4条のボール転走溝はボール3の球面の曲率よりも僅かに大きな曲率で深溝状に形成されている。
【0016】図1及び図2に示すように、上記摺動台2は、テーブル等の可動体(図示せず)の取付け面20を備えたスライドブロック21と、このスライドブロック21の前後両端面に固定された一対のエンドキャップ22,22とから構成されており、軌道レール1の上部が遊嵌する凹所を下面側に備えて断面略サドル状に形成されている。尚、図2はスライドブロックからエンドキャップを取り外した状態を示す分解斜視図である。
【0017】図3は上記スライドブロック21の正面断面図である。この図に示すように、上記スライドブロック21は、上記取り付け面20が形成された基部21a及びこの基部21aの両端から垂下する一対のスカート部21b,21bを備えて断面略サドル状に形成されており、各スカート部21bの内側面及び基部21aの下面側には軌道レール1のボール転走溝11a,11bと夫々対向する4条の負荷転走溝23が形成されている。ボール3はこれら負荷転走溝23と軌道レールのボール転走溝11a,11bとの間で荷重を負荷しながら転走し、これによって摺動台2が軌道レール1上を移動することになる。
【0018】また、スライドブロック21の基部21a及び各スカート部21bには各負荷転走溝23に対応するボール戻し孔24が夫々穿設されており、これらボール戻し孔24は上記エンドキャップ22に形成された略U字型の方向転換路25によって負荷転走溝23と連通連結されている。すなわち、この方向転換路25はスライドブロック21の負荷転走溝23を転走し終えたボール3を掬い上げて上記ボール戻し孔24へ送り込む一方、このボール戻し孔24から負荷転走溝23へボール3を送り出すように構成されている。従って、これらエンドキャップ22を取付ボルト27を用いてスライドブロック21に固定することにより、上記摺動台2にボール3の無限循環路が形成されるようになっている。尚、エンドキャップ22は硬質合成樹脂の射出成形によって製作されており、かかる射出成形によって略U字型の方向転換路25をエンドキャップ22に具備させることは困難であることから、射出成形時には半円型の溝のみをエンドキャップ22に形成し、この溝の中央に対して別途成形した半円状のRピース26を嵌合させることによってU字型の方向転換路25を完成させている。
【0019】更に、図4は上記エンドキャップ22のスライドブロツクに接する裏面側を示した背面図である。このエンドキャップ22の中央には潤滑剤を供給するための貫通孔29が形成されており、この貫通孔29に対してエンドキャップ22の正面側から供給ニップル28が装着されている(図1参照)。また、エンドキャップ22の裏面側には上記貫通孔29から連続する複数の油送溝30が形成されており、各油送溝30は方向転換路25の一端開口、すなわちスライドブロック21のボール戻し孔24と接続される開口に向けて伸びている。このエンドキャップ22をスライドブロック21に対して固定した状態では、上記貫通孔29及び油送溝30はスライドブロック21の端面によって覆われてしまうことから、供給ニップル28を介して貫通孔29に供給した潤滑剤は該貫通孔29に連結された油送溝30に流れ込み、これらの油送溝30を介して各方向転換路25の開口へ送り込まれる。つまり、これら貫通孔29及び油送溝30が本発明の供給通路を構成している。
【0020】一方、上記スライドブロック21のボール戻し孔24には図5及び図6に示すような円筒状のボール戻しパイプ4が嵌合しており、ボール3はこのボール戻しパイプ4内を無負荷状態で転走するように構成されている。このボール戻しパイプ4には長手方向に沿って一条のスリット40が形成されており、ボール戻しパイプ4をスライドブロック21のボール戻し孔24に嵌合させると、かかるボール戻し孔24の内周面の長手方向に沿って溝を形成したのと同じ効果が得られるようになっている。すなわち、ボール戻しパイプ4に形成されたスリット40が本発明における拡散溝に相当する。また、ボール戻しパイプ4の内周面には上記スリット40を覆うようにして潤滑剤の塗布体41が設けられている。この塗布体41は潤滑剤を吸収して保持すると共にボール戻しパイプ4内を転走するボール3に対して潤滑剤を塗布する目的で設けられており、例えばフェルト等の繊維交絡体から形成されている。塗布体41が設けられたボール戻しパイプ4の内径dはボール3の直径と同一又は該直径よりも僅かに大きく形成されており、パイプ4内に転がり込んだボール3が軽く塗布体41に触れる程度で転走し得るようになっている。
【0021】また、このボール戻しパイプ4は上記スリット40及びこのスリット40と対向する位置で一対のパイプ半体42,42に分割されており、上記塗布体41をボール戻しパイプ4内に組み込み易いように配慮されている。図7に示すように、各パイプ半体42の周方向の一端には塗布体41の端部を固定するための差し込み溝43が形成されており、一枚の塗布体41の両端を一対のパイプ半体42の差し込み溝43に対して夫々固定することにより、これらパイプ半体42が相互に結合されるようになっている。図8は塗布体41をパイプ半体42に固定した様子を示すものであり、この状態から矢線方向にパイプ半体42を閉じることによってボール戻しパイプ4が完成し、そのままボール戻し孔24に挿入することが可能となる。
【0022】ボール戻しパイプ4はスライドブロック21の全長よりも僅かに長く形成されており、かかるボール戻しパイプ4をスライドブロック21のボール戻し孔24内に挿入した状態では、図9に示すように、ボール戻しパイプ4の端部がスライドブロック21の端面から僅かに突出するようになっている。一方、図4に示すように、エンドキャップ22の裏面側には方向転換路25の開口を囲むようにして環状溝31が形成されており、エンドキャップ22をスライドブロック21に固定すると、図10に示すように、スライドブロック21の端面から突出したボール戻しパイプ4の端部が上記環状溝31に嵌まり込むようになっている。
【0023】また、図11に示すように、エンドキャップ22側の環状溝31にはボール戻しパイプ4のスリット40に嵌合する位置決め突起32が形成されており、環状溝31に嵌まり込んだボール戻しパイプ4が周方向に回転し得ないように構成されている。エンドキャップ22に形成された油送溝30はこの位置決め突起32を介して方向転換路25に開放されており、ボール戻しパイプ4の端部を環状溝31に嵌め込んだ状態では、油送溝30の端部がボール戻しパイプ4の塗布体に突き当たると共に、上記スリット40に開放されるようになっている。尚、図11中における一点鎖線はスライドブロック21のボール戻し孔24の内周面を示しており、ボール戻し孔24の内周面と塗布体41との間には上記スリット40に対応したトンネル状の通路が形成されていることになる。
【0024】以上のように構成された本実施例の直線案内装置では、前述の供給ニップル28からエンドキャップ22の貫通孔29に潤滑剤を送り込むと、かかる潤滑剤は貫通孔29から各油送溝30を介してボール戻しパイプ4のスリット40、すなわち本発明の拡散溝へと流れ込む。このスリット(拡散溝)40は塗布体41に覆われていることから、スリット40に流れ込んだ潤滑剤は塗布体41に吸収され、かかる塗布体41はある程度の量の潤滑剤を含浸した状態で保持する。また、上記スリット(拡散溝)40はボール戻し孔24の全長にわたって形成されていることから、潤滑剤は該スリット40を通じてボール戻し孔24の奥まで流入することになり、ボール戻し孔24内の塗布体41は略均一に潤滑剤を含浸することになる。
【0025】このため、摺動台2が軌道レール1上を移動し、ボール3がエンドキャップ22の方向転換路25及びスライドブロック21のボール戻し孔24を介して無限循環すると、かかるボール3はボール戻し孔24の内部を無負荷状態で転走する際に、上記塗布体41によって潤滑剤を塗布されることになり、潤滑剤が付着したボール3が軌道レール1のボール転走溝11a,11b及びスライドブロック21の負荷転走溝23を転走することによって、これらボール転走溝11a,11b及び負荷転走溝23をも潤滑することが可能となる。
【0026】そして、軌道レールに対する摺動台の累積走行距離が増加し、当初から塗布体に含浸されていた潤滑剤が消尽してしまっても、エンドキャップに装着された供給ニップルから潤滑剤を注入することにより、塗布体に対して潤滑剤を再含浸させてやることが可能となる。従って、一定期間毎に潤滑剤の注入を行いさえすれば、ボールや転走溝に対する潤滑が途切れることはなく、摺動台からテーブルを取り外したり、摺動台そのものを分解する等の面倒な作業を行うことなく、長期にわたって良好な状態で直線案内装置を使い続けることができるものである。
【0027】図12は上記ボール戻しパイプの他の例を示すものである。同図に示すボール戻しパイプ6では、その一端の外周面上に位置決め突起60が形成されており、この位置決め突起60がスライドブロック21のボール戻し孔24の一方の開口縁部に形成された位置決め溝に嵌まり込むように構成されている。このため、スライドブロック21のボール戻し孔24に挿入されたボール戻しパイプ6は、エンドキャップ22をスライドブロック21に対して固定せずとも、その周方向及び長手方向の双方に関して位置決めされるので、図5に示したボール戻しパイプ4を用いる場合と比較して、スライドブロック21に対するエンドキャップ22の装着を容易に行うことができるものである。尚、その他の構成は図5に示したボール戻しパイプ4と同じなので、図12中に同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0028】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の直線案内装置によれば、エンドキャップに形成された供給通路に対して外部から潤滑剤を供給してやると、かかる潤滑剤がスライドブロックのボール戻し孔に形成された拡散溝に流入し、潤滑剤は拡散溝に沿ってボール戻し孔の長手方向に拡がる。この拡散溝は潤滑剤の塗布体によって覆われていることから、拡散溝内の潤滑剤は塗布体に吸収され、ボール戻し孔の内部を転走するボールが塗布体に摺接すると、かかる塗布体からボールに対して潤滑剤が供給される。これにより、無限循環するボール列、ひいてはボールが転走するスライドブロックの負荷転走溝及び軌道レールのボール転走溝を確実に循環することができる。このとき、上記拡散溝はボール戻し孔の長手方向に沿って形成されていることから、供給通路から拡散溝に流れ込んだ潤滑剤はボール戻し孔の端部から長手方向の中央にまで拡がり、ボール戻し孔の長手方向の全長にわたってボールの潤滑が行われることになる。




 

 


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