米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 機械工学 -> テイエチケー株式会社

発明の名称 直線運動装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−214932(P2001−214932A)
公開日 平成13年8月10日(2001.8.10)
出願番号 特願2000−27333(P2000−27333)
出願日 平成12年1月31日(2000.1.31)
代理人 【識別番号】100083839
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男 (外1名)
【テーマコード(参考)】
3J104
【Fターム(参考)】
3J104 AA02 AA23 BA24 CA13 DA02 DA11 DA12 DA14 DA17 
発明者 川口 隆啓
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 転動体転走面を有する軌道軸と、この転動体転走面に対応する負荷転走面を含む転動体循環路を有して、前記軌道軸に相対運動自在に組みつけられたスライド部材と、前記転動体循環路内に配列収容されて、前記軌道軸に対する前記スライド部材の相対運動に併せて循環する複数の転動体とを備える直線運動装置において、前記スライド部材は、方向転換路を形成する方向転換路形成部材を有し、この方向転換路形成部材に、前記転動体を前記転動体転走面から掬い上げる掬い上げ部を形成し、前記軌道軸の前記転動体転走面に、前記転動体転走面に沿って延びると共に前記転動体転走面よりも掘り下げた溝を形成し、この溝に前記掬い上げ部を挿入したことを特徴とする直線運動装置。
【請求項2】 前記掬い上げ部の先端は、前記方向転換路の外周面を形成する円弧の中心点から前記軌道軸の前記負荷転走面に対して延びる仮想垂線との交点、または交点よりも前記スライド部材の内方側に位置することを特徴とする請求項1に記載の直線運動装置。
【請求項3】 前記掬い上げ部は、前記転動体転走面を転がる前記転動体を掬い上げ始める掬い上げ点にて、前記転動体を、前記方向転換路の外周面を形成する円弧の接線方向に掬い上げることを特徴とする請求項1または2に記載の直線運動装置。
【請求項4】 前記掬い上げ部の、前記転動体転走面を転がる前記転動体を掬い上げ始める掬い上げ点は、荷重が負荷されていない箇所に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の直線運動装置。
【請求項5】 前記掬い上げ部は、前記溝に挿入されるリブを有し、該リブによって補強されていることを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載の直線運動装置。
【請求項6】 前記掬い上げ部の、前記掬い上げ点よりも先端側に、前記転動体を導き入れるように勾配をつけたことを特徴とする請求項3ないし5いずれかに記載の直線運動装置。
【請求項7】 前記掬い上げ部は、樹脂からなり、前記方向転換路形成部材と一体に成形されることを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載の直線運動装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールを介して直線運動を案内する直線運動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】直線運動装置は、軌道レールと、この軌道レールに複数の転動体としてのボールを介して移動自在に設けられる移動ブロックとを備えた構成となっている。軌道レールには、ボールが転がるボール転走溝が形成される。移動ブロックは、ボール転走溝に対応する負荷転走溝、およびボール転走溝に平行して設けられた無負荷戻し通路を備えたブロック本体と、このブロック本体の両側に設けられ、負荷転走路と無負荷戻し通路間を連通する方向転換路を形成するエンドプレートとを備えている。そして、図14に示すように、エンドプレート1の掬い上げ部2で負荷転走路3を転がるボール4を掬い上げる。ボール4は、方向転換路5で方向を変え、無負荷戻し通路6に入る。無負荷戻し通路6を通過したボール4は、反対側のエンドプレートで再び方向を変えて負荷転走路に戻される。
【0003】また、図15に示すように、エンドプレート7にボール8を保持する保持器9を取り付け、この保持器9でボール8を掬い上げる直線運動装置も知られている。この保持器9は、線材からなり、中間部に直線部分9aを有し、両端に半円弧状の曲がり部分9bを有する。エンドプレート7に半円弧状の溝を形成し、この溝に保持器9の曲がり部分9bを嵌めている。また、ボール転走溝10に逃げ溝11を形成し、この逃げ溝11に保持器9の直線部分9aを入れている。ボール8は、移動ブロックの端部において、保持器9に案内されて方向転換路12に入り、無負荷戻し通路13を通って反対側の方向転換路を通って再び負荷転走路14に戻る。保持器9は、移動ブロックを軌道レールから取り外した際にボール8が脱落するのを防止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のエンドプレート1でボール4を掬い上げる直線運動装置にあっては、移動ブロックと軌道レールとが互いに接触しないように、エンドプレート1の掬い上げ部2とボール転走溝15との間には隙間W1が開けられる。ボール転走溝15の底を転がるボールは、この隙間W1があるため、掬い上げ部2にぶつかって始めて掬い上げられる。すなわち、隙間W1の部分が段差になり、ボール4の円滑な動きが妨げられる。また、掬い上げ部2は、ボール4を掬い上げ易くするようにその先端を尖がらせているので、掬い上げ部2の肉厚が薄くなる。この薄肉のところにボール4が衝突するので、掬い上げ部2の変形、摩耗が起こり易くなる。特に、移動ブロックを加減速させたり、高速移動させた場合、ボール4が移動ブロックの速度の半分で掬い上げ部2に衝突するので、質量を有するボール4が荷重として掬い上げ部2にかかり、掬い上げ部2が破損してしまうおそれがある。また、ボール4が掬い上げ部4に衝突するため、衝突音の発生が避けられなかった。
【0005】従来の保持器9でボール8を掬い上げる直線運動装置にあっては、負荷転走路14でボール8を滑らかに転がすためには、ボール8を、保持器9に接触させることなく回転させなければならない。このため、保持器9とボール8との間には、図16に示すように、必ず隙間W2を開けなければならない。保持器9は、直線部分9aに単一の円弧の曲がり部分9bをつなげた構成なので、負荷転走路14からボール8を掬い上げる際に、この隙間W2があるために、ボール8を方向転換路の円弧の接線方向に掬い上げることができずに、ボール8の急激な角度変化を伴てしまう。このように、この直線運動装置では、ボール8の軌道に急激な角度変化が生じるので、ボール8を円滑に移動することができない。
【0006】そこで、本発明は、転動体を円滑に動かし、静粛性が高く、しかも転動体の掬い上げ部の強度を上げることができる直線運動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものでない。
【0008】上記課題を解決するために、本発明者は、軌道軸(21)に転動体転走面(21a)よりも掘り下げた溝(25)を形成し、方向転換路形成部材(28)の掬い上げ部(39)をこの溝(25)に落とし込み、溝(25)内に入っている掬い上げ部(39)で転動体を掬い上げた。具体的には、本発明は、転動体転走面(21a)を有する軌道軸(21)と、この転動体転走面(21a)に対応する負荷転走面(22a)を含む転動体循環路を有して、前記軌道軸(21)に相対運動自在に組みつけられたスライド部材(23)と、前記転動体循環路内に配列収容されて、前記軌道軸(21)に対する前記スライド部材(23)の相対運動に併せて循環する複数の転動体(24)とを備える直線運動装置において、前記スライド部材(23)は、方向転換路(35)を形成する方向転換路形成部材(28)を有し、該方向転換路形成部材(28)に、転動体(24)を転動体転走面(21a)から掬い上げる掬い上げ部(39)を形成し、前記軌道軸(21)の前記転動体転走面(21a)に、前記転動体転走面(21a)に沿って延びると共に該転動体転走面(21a)よりも掘り下げた溝(25)を形成し、この溝(25)に前記方向転換路形成部材(28)の前記掬い上げ部(39)を挿入したことを特徴とする直線運動装置により、上述した課題を解決した。
【0009】この発明によれば、負荷転走路(41)を転がる転動体(24)を、転動体転走面(21a)よりも下方で掬い上げることができ、これにより、例えば方向転換路(34)の円弧の接線方向に掬い上げることができるようになるので、掬い上げ部(39)で転動体(24)の軌道に段差を付けることなく、転動体(24)を円滑に移動することができる。また、転動体転走面(21a)よりも掘り下げたところに掬い上げ部(39)を挿入しているので、掬い上げ部(39)の肉厚が増し、その強度が上がり、高速の直線運動を案内しても掬い上げ部(39)が破損してしまうのを防止できる。
【0010】また、本発明は、前記掬い上げ部(39)の先端(39a)が、前記方向転換路(35)の外周面(35a)を形成する円弧の中心点(O)から前記軌道軸(21)の前記負荷転走面(21a)に対して延びる仮想垂線(L)との交点(Q)、または交点(Q)よりも前記スライド部材(23)の内方側に位置することを特徴とする。
【0011】一般に、方向転換路は、負荷転走路(41)から方向転換路(35)へと転動体(24)がスムーズに移行するように半円に形成される。この発明によれば、掬い上げ部(39)の先端(39a)が前記交点(Q)または前記交点(Q)よりも前記スライド部材(23)の内方側に位置するので、交点(Q)と転動体(24)を掬い上げ始める掬い上げ点(P)とを一致することができ、ひいては、掬い上げ点(P)で方向転換路(35)の外周面(35a)を形成する円弧の接線方向と負荷転走路(41)の延びる方向とを一致することができ、転動体(24)をスムーズに掬い上げることができる。
【0012】また、本発明は、前記掬い上げ部(39)は、前記転動体転走面(21a)を転がる転動体を掬い上げ始める掬い上げ点(P)にて、前記方向転換路の外周面を形成する円弧の接線方向に掬い上げることを特徴とする。
【0013】この発明によれば、掬い上げ点(P)にて、転動体(24)を方向転換路(41)の接線方向(42)に掬い上げるので、転動体(24)の軌道に段差や急激な方向転換が生じることがなく、転動体(24)が円滑に転がる。そのため、衝突音が低く抑えられる。
【0014】また、本発明は、前記掬い上げ部(39)の、前記転動体転走面(21a)を転がる前記転動体(24)を掬い上げ始める掬い上げ点(P)は、荷重が負荷されていない箇所に設けられていることを特徴とする。
【0015】この発明によれば、掬い上げ点(P)が、荷重が負荷されていない箇所に設けられているので、負荷域である負荷転走路(41)から無負荷域である方向転換路(35)への転動体の移行をスムーズに行うことができ、また、転動体(24)の掬い上げもスムーズに行うことができる。
【0016】また、本発明は、前記掬い上げ部(39)は、前記溝(25)に挿入されるリブ(40)を有し、該リブ(40)によって補強されることを特徴とする。
【0017】この発明によれば、転動体(24)を掬い上げる際、掬い上げ部(39)を撓ませる荷重が加わるが、掬い上げ部(39)は、リブ構造で強度を上げているため、リブ(40)に支えられて撓むことがない。
【0018】また、本発明は、前記掬い上げ部(39)の、掬い上げ点(P)よりも先端側に、前記転動体(24)を導き入れるように勾配をつけたことを特徴とする。
【0019】この発明によれば、掬い上げ点(P)の位置が部品同士の組付け誤差や製造による寸法誤差等により多少変化しても、掬い上げ部(39)がこの誤差を吸収して転動体(24)を確実に掬い上げる。
【0020】さらに、本発明は、前記掬い上げ部(39)は、樹脂からなり、前記方向転換路形成部材(28)と一体に成形されることを特徴とする。
【0021】この発明によれば、部品点数が少なくなり、組立てが容易になるので、コストを低減することができる。また、樹脂が転動体(24)を掬い上げる際の衝突音を和らげ、より一層装置の静粛性が向上する。なお、樹脂には合成樹脂等を用い、成形には射出成形等を用いることができる。
【0022】なお、前記転動体転走面(21a)を、2つの円弧からなるゴシックアーチ溝から構成し、前記溝(25)を該ゴシックアーチ溝の中心に形成してもよい。いわゆるゴシックアーチ溝の場合、転動体としてのボール(24)は、ゴシックアーチ溝の両側と2点で接触する。一方、ゴシックアーチ溝の底は、ボール(24)と接触することがない。したがって、底に前記溝(25)を形成すると、ゴシックアーチ溝とボール(24)との接触構造に影響を及ぼすことがない。
【0023】また、前記転動体転走面(21a)を、単一の円弧からなるサーキュラーアーク溝から構成し、前記溝(25)を該サーキュラーアーク溝の両側に形成してもよい。いわゆるサーキュラーアーク溝の場合、転動体としてのボール(24)は、サーキュラーアーク溝の底と一点で接触する。したがって、サーキュラーアーク溝の両側に前記溝(25)を形成することで、サーキュラーアーク溝と溝(25)との接触構造に影響を及ぼすことがない。
【0024】
【発明の実施の形態】図1ないし図3は、本発明の第1の実施形態における直線運動装置を示すものである。この直線運動装置は、ベッドまたはサドル等の固定部上でテーブル等の可動体を案内するもので、固定部上に配設されると共に長手方向に沿って転動体転走面としてのボール転走溝21aが形成された軌道レール21(軌道軸)と、軌道レール21のボール転走溝21aに対応する負荷転走面としての負荷転走溝22aを含むボール循環路(転動体循環路)が形成されて該軌道レール21に相対運動自在に組みつけられた移動ブロック23(スライド部材)と、該ボール循環路内に配列収容されて、軌道レール21に対する移動ブロック23の相対運動に併せて循環する転動体としての複数のボール24とを備える。
【0025】軌道レール21は、細長く延ばされ、断面略四角形状をなす。軌道レール21の左右両側面には、長手方向の全長にわたってボール24が転がる際の軌道になるボール転走溝21aが形成される。2つのボール転走溝21aは、左右に1条ずつ設けられているが、その条数は直線運動装置の用途等に応じて種々変更され得る。このボール転走溝21aの断面形状は、2つの円弧からなるいわゆるゴシックアーチ溝に形成され(図10(a)参照)、ボール24とボール転走溝21aとはボール転走溝21aの両側の2点で接触する。ボール転走溝21aの底には、ボール転走溝21aの長手方向に延びる溝25が形成される。溝25の断面形状は、円弧状であってもよいし、矩形状であってもよい。軌道レール21には、固定部に取り付けるためのねじ穴26が形成される。なお、図示の軌道レール21は直線状であるが、曲線状のレールが使用されることもある。
【0026】移動ブロック23は、ブロック本体27とその両端に配置され、方向転換路を形成する一対の方向転換路形成部材としてのエンドプレート28とをボルトで相互に組み合わせて概略構成される。ブロック本体27は、軌道レール21の上面と対向する水平部27aと、軌道レール21の左右側面と対向する一対の支持脚部28bとを備えた断面コ字形状のブロック体である。左右の支持脚部28bの内側面にボール転走溝21aにそれぞれ対向する2条の負荷転走溝22aが設けられる。各支持脚部27bには、ボール転走溝21aと平行にトンネル状の2本のボール戻し通路29が設けられている。ブロック本体27は、その上面に本装置による案内対象を固定するためのねじ穴30が形成される。また、移動ブロック23には、ボール24を潤滑するための給油口32が設けられ、移動ブロック23の両端には、移動ブロック23内を防塵する防塵プレート31が取付けられる。なお、ブロック本体27には、移動ブロック23が軌道レール21から抜き取られた際の負荷転走路からのボールの脱落を防止するために、負荷転走溝22aを挟むようにボール保持部を形成してもよい。
【0027】図4乃至図8はエンドプレートを示したものである。図4はエンドプレートの斜視図、図5はエンドプレートの正面図、図6はエンドプレートの側面図、図7はエンドプレートをブロック本体側からみた図、図8は、図7のA−A線断面図である。このエンドプレート28は、図4および図5に示すように、ボール転走溝21aおよび負荷転走溝22aで構成される負荷転走路とボール戻し通路29とを連通して、円弧状の方向転換路を形成する。エンドプレート28もブロック本体27の断面形状に倣ったコ字形状をなし、軌道レール21の上面と対向する水平部27aと、軌道レール21の左右側面と対向する一対の支持脚部27bとを備える。エンドプレート28には、方向転換路35の外周を構成する外周案内部36が形成される(図8参照)。一方、方向転換路35の内周を構成するアーチ状の内周案内部37は、ブロック本体27の両端に取付けられている(図9参照)。エンドプレート28をブロック本体27に嵌め合わせたとき、内周案内部37と外周案内部36とを位置決めできるように、支持脚部28bには挿入溝38が形成される(図7参照)。なお、図7中、左側の支持脚部28bは、内周案内部37が挿入されていて、右側の支持脚部28bは内周案内部28bが挿入されていない状態を示している。
【0028】図4に示すように、エンドプレート28の外周案内部36のボール転走溝21aに対向する位置には、ボール転走溝21aを転がるボール24を掬い上げる掬い上げ部39が形成される。掬い上げ部39は、樹脂からなり、エンドプレート28と一体に成形される。掬い上げ部39の正面形状は、ボール転走溝21aに合わせて円弧状に形成されている(図5および図7参照)。掬い上げ部39には、リブ40が形成される。このリブ40は、上記軌道レール21の溝25よりも若干小さい断面形状を有し、エンドプレート28を軌道レール21に嵌め合わせたとき、溝25に挿入されるようになっている。リブ40は、掬い上げ部39の全長にわたって形成され、エンドプレート28の端よりもブロック本体27側に出っ張っている(図6および図8参照)。リブ40を設けることで、掬い上げ部39の肉厚を増すことができ、掬い上げ部39の強度が増す。また、掬い上げ部39は樹脂で成形されているので、樹脂がボール24を掬い上げる際の衝突音を和らげる。
【0029】図9は、エンドプレート28をブロック本体27に組み合わせて、掬い上げ部39でボール24を掬い上げる状態を示したものである。図9に示すように、掬い上げ部39の先端39aは、方向転換路35の外周面35aを形成する円弧の中心点Oから軌道レール21のボール転走溝21aに対して延びる仮想垂線Lとの交点Q、または交点Qよりもブロック本体27の内方側に位置する。方向転換路35は半円に形成され、掬い上げ部39のボールを掬い上げ始める掬い上げ点Pは、交点Qと一致する。掬い上げ点Pでは、方向転換路35の外周面35aを形成する円弧の接線方向と負荷転走路41の延びる方向とは一致する。なお、この実施形態では、この点Pおよび点Qは、ブロック本体27の負荷転走路41の終点上にも位置している。また、掬い上げ点Pよりも先端側には、ボール24を掬い上げ部39に導き入れるように、ブロック本体27に向って角度α下方を向く勾配がつけられる。また、図10に示すように、掬い上げ部39の断面形状は、掬い上げ点P付近ではリブ40の断面形状のみの形状になっていて(図中(a))、掬い上げが進むに連れてリブ40の上側が円弧状に張り出す形状になっている(図中(b))。
【0030】図9に示すように、移動ブロック23が軌道レール21に沿って移動するのに伴って、ボール24は、移動ブロック23からの負荷を受けつつ負荷転走路41を転がり運動する。ボール24は、負荷転走路41の端まで転がると、掬い上げ部39の先端側に導かれて掬い上げ点Pに移動する。ボール24が掬い上げ点Pを通過すると、ボール24は掬い上げられ始める。この掬い上げ点Pでは、ボール24を方向転換路35の接線方向に掬い上げるので、ボール24の軌道に段差や急激な方向転換が生じることがなく、ボール24を円滑に掬い上げることができる。また、ボール24を掬い上げる際、掬い上げ部39を図9中矢印方向に撓ませるような荷重が加わるが、掬い上げ部39はリブ40で強度を上げているため、リブ40に支えられて撓むことがない。その後、ボール24は、方向転換路35内に導かれ、円弧状の方向転換路35に沿って移動し、戻し通路29へ導かれ、さらに反対側の方向転換路35を経由して負荷転走路41の一端に戻される。
【0031】また、図10(a)に示すように、ボール転走溝21aを2つの円弧からなるゴシックアーチ溝から構成した場合、ボール24は、ゴシックアーチ溝の両側と2点で接触する。ボール24は、ゴシックアーチ溝の底と接触することがないので、底に前記溝25を形成すると、ゴシックアーチ溝とボール24との接触構造に影響を及ぼすことがない。
【0032】図11は、ボール転走溝21aおよび掬い上げ部39の他の例を示したものである。ボール転走溝を単一の円弧からなるサーキュラーアーク溝から構成した場合、ボール24は、ボール転走溝の底の一点Lで接触する。この図に示すように、サーキュラーアーク溝の両側を掘り下げて前記溝25を形成することで、ボール24とサーキュラーアーク溝との接触構造に影響を及ぼすことを防止することができる。そして、この両側の溝25に掬い上げ部39を挿入することで、上述のようなボール24を円滑に循環することができ、しかも強度をアップできる掬い上げ部が得られる。
【0033】図12は、ボール24を掬い上げる掬い上げ点Pを、荷重が負荷されていない箇所に設けた例を示す。掬い上げ点Pは、方向転換路35の外周面35aを形成する半径Rの円弧の中心点Oから軌道レール21に対して延びる仮想垂線との交点と一致する。そして、掬い上げ点Pは、荷重が負荷されている負荷転走路41の終点Rよりもブロック本体27の外側、すなわち荷重が負荷されていない箇所に設けられている。掬い上げ点Pが、荷重が負荷されていない箇所に設けられていると、負荷域である負荷転走路41から無負荷域である方向転換路35へのボール24の移行をスムーズに行うことができ、また、ボール24の掬い上げもスムーズに行うことができる。
【0034】また、ブロック本体27に形成された負荷転走溝22bの両端に、端部に近づくにつれて漸次過重を解放するようにクラウニング設けることでも同様の効果を得ることができる。
【0035】なお、本実施例では、移動ブロック23と軌道レール21との相対運動が直線的になされるが、相対運動が曲線的になされる構成の案内装置にも本発明は適用可能である。また、前述の実施例においては、転動体としてボール24が使用されているが、ローラの適用ももちろん可能である。さらに、ボール列を回転摺動自在に保持するリテーナを設けてもよいし、各ボール間にボールを回転摺動自在に保持するスペーサを設けてもよい。
【0036】図13は、本発明の第2の実施形態における直線運動装置を示したものである。この直線運動装置は、ボールスプライン装置と呼ばれ、軌道軸としてのスプライン軸51と、そのスプライン軸51に多数のボール52を介して移動自在に取付けられたスライド部材としての外筒53とを有している。
【0037】スプライン軸51は、真円の円柱形状をなし、その表面には、ボール52の軌道となり、スプライン軸51の軸線方向に延びる転動体転走面としてのボール転走溝51aが形成される。このボール転走溝51aは、複数条、例えば6条形成される。ボール転走溝51aの断面形状は、単一の円弧からなるいわゆるサーキュラーアーク溝に形成され(図11参照)、ボール52とボール転走溝51aとはボール転走溝51aの底の一点Lで接触する。そして、ボール転走溝51aの両側には、ボール転走溝51aよりも掘り下げるとともにボール転走溝51aの長手方向に延びる溝25が形成される。
【0038】スプライン軸51に取付けられる外筒53は、ボール転走溝51aに対応する負荷転走面としての負荷転走溝53aを有する。サーキット状のボール循環路内には、スプライン軸51に対する外筒53の相対的な直線運動に併せて循環する複数のボール52が配列・収納される。外筒53に形成した負荷転走溝53aとスプライン軸51に形成したボール転走溝51aとの間で負荷転走路54が形成される。負荷転走路54の隣には荷重から開放されたボール52が転走する無負荷戻し通路55が形成されている。外筒53には、複数のボール52…をスプライン軸51の軸線方向に整列・保持する保持器56が組み込まれる。外筒53の軸線方向の両端には、保持器56を一体で保持すべく止め輪57が設けられる。
【0039】保持器56は、外筒53に一体に組み込まれ、スプライン軸51が貫通可能なように略円筒状に形成されている。この保持器56の外表面には、サーキット状のボール循環路が形成されている。この保持器56は、負荷転走路54では外筒53とスプライン軸51との間を転がるボール54を両側から保持し、無負荷戻し通路55では、外筒53との間でボール54を保持し、外筒53をスプライン軸51から抜いた際にボール54が脱落するのを防止している。保持器56には、負荷転走路54を転がるボール54を掬い上げる掬い上げ部39が形成される。掬い上げ部39は、ボール転走溝の両側に掘り下げて形成した溝25に挿入される(図11参照)。このボールスプライン装置において、保持器56は、上述の方向転換路を形成する方向転換路形成部材としての役割も有している。
【0040】スプライン軸51に対して外筒53を相対的に移動させると、ボール54は、負荷転走路54で荷重を受けながら転走する。負荷転走路54を転走したボール54は、保持器6に形成した掬い上げ部(図11参照)で掬い上げられる。ボール54を掬い上げ始める掬い上げ点では、ボール54を方向転換路の円弧の接線方向に掬い上げる。このため、ボール54の軌道に段差や急激な方向転換が生じることがなく、ボール54を円滑に掬い上げることができる。また、ボール54を掬い上げる際、掬い上げ部39を撓ませるような荷重が加わるが、掬い上げ部39は、溝25に挿入したリブで強度を上げているため撓むことがない。そして、ボール54は、負荷転走路54の両端に設けた一方のリターン通路58で徐々に方向を変えられ、無負荷戻し通路55に移動する。無負荷戻し通路55では、ボール54は負荷転走路54と逆方向に移動する。無負荷戻し通路55を移動するボール54は、他方のリターン通路58で再び方向を変えられ、掬い上げ部39から再び負荷転走路54内に戻される。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、軌道軸に転動体転走面よりも掘り下げた溝を形成し、方向転換路形成部材の掬い上げ部をこの溝に落とし込み、溝内に入っている掬い上げ部で転動体を掬い上げたので、負荷転走路を転がる転動体を、転動体転走面よりも下方で掬い上げることができ、これにより、例えば方向転換路の円弧の接線方向に掬い上げることができるようになるので、掬い上げ部で転動体の軌道に段差を付けることなく、転動体を円滑に移動することができる。また、転動体転走面よりも掘り下げたところに掬い上げ部を挿入しているので、掬い上げ部の肉厚を増すことができ、その強度を上げることができる。
【0042】また、本発明によれば、掬い上げ部の先端が、前記方向転換路の外周面を形成する円弧の中心点から前記軌道軸の前記負荷転走面に対して延びる仮想垂線との前記交点または前記交点よりも前記スライド部材の内方側に位置するので、交点と転動体を掬い上げ始める掬い上げ点とを一致することができ、ひいては、掬い上げ点で方向転換路の外周面を形成する円弧の接線方向と負荷転走路の延びる方向とを一致することができ、転動体をスムーズに掬い上げることができる。
【0043】また、本発明によれば、掬い上げ点にて、転動体を方向転換路の接線方向に掬い上げるので、転動体の軌道に段差や急激な方向転換が生じることがなく、転動体を円滑に転がすことができる。
【0044】また、発明によれば、掬い上げ点Pが、荷重が負荷されていない箇所に設けられているので、負荷域である負荷転走路41から無負荷域である方向転換路35への転動体の移行をスムーズに行うことができ、また、転動体24の掬い上げもスムーズに行うことができる。
【0045】また、本発明によれば、転動体を掬い上げる際、掬い上げ部を撓ませる荷重が加わるが、掬い上げ部は、リブ構造で強度を上げているため、リブに支えられて撓むことがない。
【0046】また、本発明によれば、掬い上げ点よりも先端側に、前記転動体を導き入れるように勾配をつけたので、転動体の軌道に誤差が生じても、掬い上げ部がこの誤差を吸収して転動体を確実に掬い上げる。
【0047】さらに、本発明は、前記掬い上げ部を樹脂で前記エンドプレートと一体に成形したので、部品点数が少なくなり、組立てが容易になる。また、樹脂が転動体を掬い上げる際の衝突音を和らげ、装置の静粛性が向上する。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013