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発明の名称 無段変速機の制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−263475(P2001−263475A)
公開日 平成13年9月26日(2001.9.26)
出願番号 特願2000−78652(P2000−78652)
出願日 平成12年3月21日(2000.3.21)
代理人 【識別番号】100086450
【弁理士】
【氏名又は名称】菊谷 公男 (外2名)
【テーマコード(参考)】
3J552
【Fターム(参考)】
3J552 MA07 MA14 NA01 NB08 PA12 PB02 PB08 QA14C QA24C QA30A QB07 RC01 SA36 SA52 SB16 TB01 VA12W VA12X VA32Z VA37Z VA48Z VA74Y VB01Z 
発明者 新祖 良秀 / 宮川 喜一 / 榊原 賢
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 油圧を供給されて溝幅を変更可能の1対の可変プーリと該可変プーリ間に掛け渡されたベルトからなる変速機構部と、電動モータに駆動されて油圧を供給する油圧ポンプと、該油圧ポンプからの油圧を所定のライン圧に調圧するライン圧制御手段と、運転状態に基づいて変速指令を出力する変速制御手段と前記変速指令に基づいてライン圧を元圧とした油圧を前記変速機構部の可変プーリへ供給する変速制御弁とを備える無段変速機の制御装置において、前記電動モータの故障情報を保持する故障情報保持手段を有して、前記変速制御手段は、運転開始に当たって前回の運転時に電動モータの故障があった旨の故障情報が前記故障情報保持手段に保持されているときは、あらかじめ定めた変速指令を出力して、まず前記変速制御弁を介して前記可変プーリに油圧を充填させることを特徴とする無段変速機の制御装置。
【請求項2】 それぞれ第1および第2シリンダ室が付設され油圧を供給されて溝幅を変更可能のプライマリプーリとセカンダリプーリ間にベルトを掛け渡して構成された変速機構部と、電動モータに駆動されて油圧を供給する油圧ポンプと、油圧ポンプからの油圧を所定のライン圧に調圧するとともに、該ライン圧を第2シリンダ室へ常時供給するライン圧制御手段とアクチュエータに駆動されてライン圧を元圧とした油圧を第1シリンダ室へ供給する変速制御弁と、運転状態に基づいてアクチュエータを制御する変速指令を出力する変速制御手段とを備える無段変速機の制御装置において、前記電動モータの故障情報を保持する故障情報保持手段を有して、前記変速制御手段は、運転開始に当たって前回の運転時に電動モータの故障があった旨の故障情報が前記故障情報保持手段に保持されているときは、高速側の変速比を得る変速指令を出力して、まず前記プライマリプーリの第1シリンダ室に油圧を充填させることを特徴とする無段変速機の制御装置。
【請求項3】 前記第1シリンダ室への油圧の充填は、前記高速側の変速比を得る変速指令を所定時間保持することにより行なわれることを特徴とする請求項2記載の無段変速機の制御装置。
【請求項4】 それぞれ第1および第2シリンダ室が付設され油圧を供給されて溝幅を変更可能のプライマリプーリとセカンダリプーリ間にベルトを掛け渡して構成された変速機構部と、電動モータに駆動されて油圧を供給する油圧ポンプと、油圧ポンプからの油圧を所定のライン圧に調圧するとともに、該ライン圧を第2シリンダ室へ常時供給するライン圧制御手段とアクチュエータに駆動されてライン圧を元圧とした油圧を第1シリンダ室へ供給する変速制御弁と、運転状態に基づいてアクチュエータを制御する変速指令を出力する変速制御手段とを備え、車両に搭載された無段変速機の制御装置において、前記電動モータの故障情報を保持する故障情報保持手段を有して、前記変速制御手段は、運転開始に当たって前回の運転時に電動モータの故障があった旨の故障情報が前記故障情報保持手段に保持されているときは、発進前に高速側の変速比を得る変速指令を所定時間出力して、前記プライマリプーリの第1シリンダ室に油圧を充填させ、発進後所定の車速に達してから運転状態に基づく通常の変速比を目標とする変速指令に移ることを特徴とする無段変速機の制御装置。
【請求項5】 前記電動モータがモータコントロールユニットにより制御され、前記故障情報保持手段は、前記モータコントロールユニットから入力する故障情報に基づいて強電フェイルフラグを記憶する変速制御手段の内部メモリであって、前記強電フェイルフラグは前記所定の車速に達したあとリセットされることを特徴とする請求項4記載の無段変速機の制御装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等用のVベルトを用いた無段変速機、とくにその変速制御にかかる改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、環境保護ならびに燃料消費対策として、内燃エンジン(以下、エンジンと呼ぶ)と電動モータを組み合わせたいわゆるハイブリッド車両が検討され、これにVベルトを用いた無段変速機を組み合わせることが提案されている。このVベルト式無段変速機は、可変プーリであるプライマリプーリとセカンダリプーリの間にVベルトを掛け渡し、プライマリプーリの溝幅を油圧により可変制御するようにしている。
【0003】すなわち、図5に示すように、プライマリプーリ16とセカンダリプーリ26にはそれぞれ第1、第2シリンダ室20、32が付設され、セカンダリプーリの第2シリンダ室32にはライン圧が常時供給され、プライマリプーリの第1シリンダ室20へはライン圧を元圧としてこれを変速制御弁63で調圧した油圧が供給される。そして、第1シリンダ室20への油圧によりプライマリプーリ16の溝幅が変更されることにより、変速比が変化する。この間、ライン圧は所定の範囲で変化され、Vベルト24に対する推力(挟持圧力)を制御するようになっている。
【0004】第1シリンダ室20への油圧はライン圧を元圧として変速制御弁63がステップモータ64で駆動されることにより制御される。すなわち、変速制御弁63は第1シリンダ室20と連通するプライマリポート63P、ライン圧が供給されるライン圧ポート63L、およびドレインポート63Tを備え、プライマリプーリ16の可動円錐板22とステップモータの位置に応じてスライドするスプール63aを有している。スプール63aの変位によってプライマリポート63Pがライン圧ポート63Lまたはドレインポート63Tに選択的に連通して、第1シリンダ室20の油圧が制御される。
【0005】なお、プライマリプーリ16へ供給されるオイルは第1シリンダ室20へ制御油圧として供給されるとともに、オリフィスを経てプライマリプーリ16のベアリング14へ潤滑用としても供給される。この種の無段変速機は、例えば特開平11−82725号公報にも開示されている。
【0006】さて、ハイブリッド車両では大容量のバッテリが搭載され、動力系統の種々の部位において電動モータを利用しやすい環境となるので、エンジン各部の潤滑用ならびに無段変速機の作動用としての油圧ポンプも電動モータで駆動するのが、安定したポンプ回転が得られる点で好ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、油圧ポンプを電動モータで駆動する構成とした場合、車両走行中にその電動モータの電源系統に故障が発生すると、油圧ポンプはその機能を停止してライン圧供給も停止する。この場合、当該故障の発生について警報等が行なわれ、車両を停止させて回復処理を行なうが、その後車両の運転を再開しても、変速が正常に行なわれないという現象が生じることが考えられる。
【0008】調査によれば、可変プーリとVベルト間のすべりが発生していることに原因があることが判明した。したがって本発明は、油圧ポンプを駆動する電動モータの電源系統に故障が発生して一旦油圧が停止した場合にも、可変プーリとVベルト間にすべりが発生することがないようにしたVベルト式無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記のすべりについてさらに研究したところ、油圧ポンプの停止によりライン圧供給が停止すると、車両の減速に応じてステップモータはLo(低速側変速比)側へ制御されるが、油圧回路内の残留油圧が徐々に抜けるため、セカンダリプーリの第2シリンダ室32内の油圧も低下してゆき、最Loまで完全に戻りきれずに車両が停止してしまう。
【0010】そして、時間経過とともにプライマリプーリの第1シリンダ室20内の油圧がさらに低下を続け、また、ベアリング14へもオイルを供給している場合には漏れも加わって、第1シリンダ室20内のオイルは減少してしまう。そのため、電動モータの電源系統の故障が回復されてからの走行再開時には、変速は最Loから開始できずに、またプーリのVベルトに対する挟持圧力がほとんどなくなっており、しかも油圧供給も少ない状態での開始となるので、この時点でプーリとVベルト間のすべりが発生することが判明した。
【0011】この知見に基づいて、請求項1の本発明は、油圧を供給されて溝幅を変更可能の1対の可変プーリと該可変プーリ間に掛け渡されたベルトからなる変速機構部と、電動モータに駆動されて油圧を供給する油圧ポンプと、該油圧ポンプからの油圧を所定のライン圧に調圧するライン圧制御手段と、運転状態に基づいて変速指令を出力する変速制御手段と、変速指令に基づいてライン圧を元圧とした油圧を変速機構部の可変プーリへ供給する変速制御弁とを備える無段変速機の制御装置において、電動モータの故障情報を保持する故障情報保持手段を有して、変速制御手段は、運転開始に当たって前回の運転時に電動モータの故障があった旨の故障情報が故障情報保持手段に保持されているときは、あらかじめ定めた変速指令を出力して、まず変速制御弁を介して可変プーリに油圧を充填させるものとした。前回運転時に電動モータの故障が発生しているとき変速制御弁を通して油圧が可変プーリに充填されるから、可変プーリ内の油圧がなくなってすべり防止が必要なとき油圧充填の制御が行なわれ、プーリとベルト間のすべりが防止される。
【0012】請求項2の発明は、可変プーリへの油圧供給の構成をより具体化したもので、それぞれ第1および第2シリンダ室が付設され油圧を供給されて溝幅を変更可能のプライマリプーリとセカンダリプーリ間にベルトを掛け渡して構成された変速機構部と、電動モータに駆動されて油圧を供給する油圧ポンプと、油圧ポンプからの油圧を所定のライン圧に調圧するとともに、該ライン圧を第2シリンダ室へ常時供給するライン圧制御手段と、アクチュエータに駆動されてライン圧を元圧とした油圧を第1シリンダ室へ供給する変速制御弁と、運転状態に基づいてアクチュエータを制御する変速指令を出力する変速制御手段とを備える無段変速機の制御装置において、電動モータの故障情報を保持する故障情報保持手段を有して、変速制御手段は、運転開始に当たって前回の運転時に電動モータの故障があった旨の故障情報が故障情報保持手段に保持されているときは、高速側の変速比を得る変速指令を出力して、まずプライマリプーリの第1シリンダ室に油圧を充填させるものとしている。高速側への変速指令に基づいて変速制御弁が油圧を第1シリンダ室へ充填するので、これによりプライマリプーリの溝幅が狭まって、プライマリプーリ、セカンダリプーリとベルト間の遊びがなくなり、すべりが防止される。
【0013】請求項3の発明は、とくに第1シリンダ室への油圧の充填が高速側の変速比を得る変速指令を所定時間保持することにより行なわれるものとした。あらかじめ所定時間を実験で求めておき、当該所定時間だけ変速指令を保持することで確実に充填される。
【0014】請求項4の発明は、請求項2の無段変速機が車両に搭載されている場合において、変速制御手段は、運転開始に当たって前回の運転時に電動モータの故障があった旨の故障情報が故障情報保持手段に保持されているときは、発進前に高速側の変速比を得る変速指令を所定時間出力して、プライマリプーリの第1シリンダ室に油圧を充填させ、発進後所定の車速に達してから運転状態に基づく通常の変速比を目標とする変速指令に移るものとしたものである。入出力回転数などの検出が安定となる所定の車速になってから通常の変速比制御に移るので、制御の不安定を招くことなくすべり防止の制御から移行できる。
【0015】請求項5の発明は、請求項4の場合において、電動モータがモータコントロールユニットにより制御され、故障情報保持手段がモータコントロールユニットから入力する故障情報に基づいて強電フェイルフラグを記憶する変速制御手段の内部メモリであって、強電フェイルフラグは上記所定の車速に達したあとリセットされるものとした。変速制御手段内に前回故障の情報を保持しているから、他の制御装置からの指令等を待つことなく迅速にすべり防止の制御が実行できるとともに、制御実行後は故障情報としての強電フェイルフラグがリセットされるので次回走行時に不要にすべり防止の制御が繰り返されることがない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施例により説明する。まず、図1は実施例のVベルト式無段変速機が搭載されるハイブリッド車両のシステム概要を示す。エンジン90の出力軸に電磁クラッチ91を介して主モータ92のロータの一端が連結され、主モータ92のロータの他端と車軸94の間に可変プーリ(プライマリプーリ16、セカンダリプーリ26)とVベルト24からなる変速機構部10が設けられている。
【0017】変速機構部10にはCVTコントロールユニット(CVTCU)1により制御される油圧コントロールバルブ3が接続され、油圧コントロールバルブ3には電動モータ81で駆動される油圧ポンプ80から油圧が供給されて、無段変速機110を構成している。 エンジン90にはスタータモータ95が付設されている。主モータ92、スタータモータ95、および電動モータ81はそれぞれ電源としてバッテリ85に接続されている。
【0018】エンジン90はエンジンコントロールユニット(ECU)101により制御され、主モータ92、スタータモータ95および電動モータ81はモータコントロールユニット(MCU)102により制御され、バッテリ85はバッテリコントロールユニット(BCU)103により制御され、また電磁クラッチ91はクラッチコントロールユニット(CCU)104により制御される。そして、CVTコントロールユニット1を含むこれらの各コントロールユニットは制御ネットワーク105を通じてハイブリッドコントロールユニット100に接続され、統合制御されるようになっている。
【0019】モータコントロールユニット102は、主モータ92および電動モータ81については、PWM制御により図示省略のインバータを介して駆動する。なお、主モータ92とスタータモータ95は車両走行中の制御状態によって、発電状態にもなり、回生エネルギーをバッテリ85へ供給する。
【0020】上記構成により、例えば発進時は電磁クラッチ91を遮断して主モータ92による駆動とすることにより、滑らかにかつ未燃ガスの排出なしの発進ができ、また大出力必要時には電磁クラッチ91を締結してエンジン90の駆動と主モータ92の駆動の併用が選択でき、あるいは、エンジン90の駆動中に主モータ92から回生エネルギーを得ることもできる。
【0021】車両走行中、主モータ92や油圧ポンプ80用の電動モータ81の駆動系統に故障が発生したときは、モータコントロールユニット102から強電フェイル信号がCVTコントロールユニット1へ送出され、CVTコントロールユニット1はこの信号を受けて強電フェイルフラグを立てる。このフラグはCVTコントロールユニット1の電源が切断された状態でも、故障情報保持手段としての内部メモリ107に記憶されて保持されるようになっている。なお、強電フェイル信号については、故障発生時にモータコントロールユニット102からハイブリッドコントロールユニット100へ出力されるリレーカット信号、あるいはモータコントロールユニット102内における電動モータ81へのPWM停止信号を代用することもできる。
【0022】つぎに、図2は無段変速機の概略構成を示し、図3はその油圧制御回路を示す。変速機構部10は、プライマリプーリ16とセカンダリプーリ26の間にVベルト24を掛け渡して構成され、プライマリプーリ16は、主モータのロータと一体に回転する固定円錐板18と、これに対向する可動円錐板22とでV字状のプーリ溝を形成し、可動円錐板22の背面に油圧を及ぼし可動円錐板を軸方向に変位させる第1シリンダ室20を備えている。
【0023】セカンダリプーリ26は、車軸側への出力軸と一体に回転する固定円錐板30と、これに対向する可動円錐板34とでV字状のプーリ溝を形成している。可動円錐板34は図示しないリターンスプリングでプーリ溝の溝幅を狭める方向に付勢されるとともに、その背面に油圧を及ぼし可動円錐板34を軸方向に変位させる第2シリンダ室32を備えている。
【0024】変速機構部10はCVTコントロールユニット1からの信号に基づいて油圧コントロールバルブ3により制御される。第2シリンダ室32には油圧コントロールバルブ3からライン圧が常時供給される。油圧コントロールバルブはさらに変速制御弁63を備え、ライン圧を元圧として調圧された油圧を第1シリンダ室20に供給するようになっている。なお、第1シリンダ室20の受圧面積は第2シリンダ室32の受圧面積よりも大きく設定されている。
【0025】第1シリンダ室20にかかる油圧が変速制御弁63により制御されてプライマリプーリ16の溝幅を変える一方、第2シリンダ室32へはライン圧が供給されて、Vベルト24に対する挟持圧力を制御して変速が行なわれ、Vベルト24と各プーリ16、26との接触摩擦力に応じて、駆動力の伝達がなされる。これを回転数でみれば、プライマリプーリ16の溝幅を広げて、Vベルト24の接触半径が小でセカンダリプーリ26側の接触半径が大のプーリ比Lowのときには、変速比が大きくなってエンジン側回転数が減速されて車軸側へ出力されることとなる。逆のプーリ比Hiでは小さな変速比で出力される。この間、プライマリプーリ16とセカンダリプーリ26の接触半径比に対応して変速比が連続的に変化する。
【0026】油圧コントロールバルブ3では、油圧ポンプ80からの油圧をライン圧レギュレータ60で調圧したライン圧が、上述のように、第2シリンダ室32へ常時供給されるとともに、変速制御弁63へ供給される。第1シリンダ室20への油圧はライン圧を元圧として変速制御弁63がステップモータ64で駆動されることにより制御される。油圧コントロールバルブ3は、さらにライン圧ソレノイド4、プレッシャモディファイヤ62、パイロット弁61を備える。
【0027】CVTコントロールユニット1は、ハイブリッドコントロールユニットからの入力トルク指令および入力回転数指令に基づいて必要なライン圧を求め、これに対応したデューティ比信号を油圧指令としてライン圧ソレノイド4へ出力するとともに、変速指令をステップモータ64へ出力する。ステップモータ64は直線変位を出力とするよう構成され、例えば200ステップの範囲内で目標の変速比に対応して20〜170ステップの位置が選択されるようになっている。
【0028】ライン圧ソレノイド4はパイロット弁61からの油圧をCVTコントロールユニット1からのデューティ比信号に応じてプレッシャモディファイヤ62側へ供給し、ライン圧レギュレータ60は油圧ポンプ80からの油圧をプレッシャモディファイヤ62から出力される油圧に応じたライン圧に設定する。ライン圧はこうして必要な伝達駆動力の大きさに応じて所定の範囲で変化されて出力される。ここでは、CVTコントロールユニット1が変速制御手段を構成し、ライン圧ソレノイド4、プレッシャモディファイヤ62、パイロット弁61およびライン圧レギュレータ60がライン圧制御手段を構成している。
【0029】変速制御弁63はプライマリプーリ16の可動円錐板22とステップモータ64間に掛け渡された変速リンク67の変位に応じてスプール63aが駆動され、ライン圧レギュレータ60からのライン圧を調整して第1シリンダ室20へ供給する。溝幅がステップモータ64の位置に対応した幅になると、可動円錐板22と連動した変速リンク67の変位により第1シリンダ室20への油圧供給が停止する。これにより、プライマリプーリ16の溝幅が可変制御されて所定の変速比が得られる。なお、変速制御弁63の構成は、図5に示したものと同じである。
【0030】CVTコントロールユニット1へは、プライマリプーリ16およびセカンダリプーリ26の入力、出力回転数Npri、Nsecを検出する第1回転数センサ6および第2回転数センサ7が接続され、これらの検出信号に基づいて変速機構部10における実変速比が求められる。
【0031】CVTコントロールユニット1は無段変速機の起動にあたって、強電フェイルフラグの有無に対応した変速制御を行う。図4は、起動時の変速制御の流れを示すフローチャートである。車両の運転再開のためまずイグニションスイッチがオンされると、ステップ101において、CVTコントロールユニット1では強電フェイルフラグが立っているかどうかをチェックする。強電フェイルフラグが立っているときは、ステップ102で目標変速比をHi側、好ましくは変速比1に設定して、ステップモータ64を駆動する。
【0032】ステップ103では、イグニションオンからの経過時間が所定の設定時間T0に達したかどうかをチェックし、T0経過までは変速比1を保持する。設定時間T0は、プライマリプーリ16の第1シリンダ室20へオイルが充填されるに必要な値として5秒程度とされ、温度による粘度の変化も考慮して、温度が低いときはさらに長めに設定される。
【0033】時間T0が経過すると、ステップ104へ進み、CVTコントロールユニット1からハイブリッドコントロールユニット100へ準備完了信号を送出する。この準備完了信号を受けて、ハイブリッドコントロールユニット100が発進許可の信号をエンジンコントロールユニット101やモータコントロールユニット102、クラッチコントロールユニット104へ発して、車両が走行可能となる。
【0034】次のステップ105では、走行開始した車両の車速が所定値Sに達したかどうかをチェックする。所定値Sは、第1、第2回転数センサ6、7による回転数の検出が安定する値とし、例えば5km/hに設定される。車速が所定値Sに達すると、ステップ106に進んで、強電フェイルフラグをリセットしたあと、ステップ107で、変速比1を保持していたステップモータ64の位置(ステップ数)を解除して、ハイブリッドコントロールユニット100からの入力トルク指令および入力回転数指令に基づく通常の変速制御に入る。なお、ステップ101のチェックで強電フェイルフラグが立っていないときは、直接ステップ107に進み、Lo側から始まる通常の変速制御を行う。
【0035】実施例は以上のように構成され、運転開始にあたって、前回走行時に油圧ポンプ80の電動モータ81の電源系統に故障があったことを示す強電フェイルフラグが立っているときは、変速比をしばらく1に固定することにより変速制御弁63を開き状態にし、空となっている可能性のあるプライマリプーリ16の第1シリンダ室20にまず油圧を充填してから、発進を許可してプーリの回転を許すものとしたので、Vベルト24に対する挟持圧力が確保されてプーリとVベルト間のすべり発生が防止される。また、発進後は回転数検出が安定する所定値Sの車速に達するまで上記変速比1を保持するので、制御の不安定を招くことなく通常制御に移ることができる。
【0036】実施例はハイブリッド車両に搭載されたVベルト式無段変速機について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、種々の形態の車両において電動モータで駆動される油圧ポンプから油圧を供給される可変プーリを用いた無段変速機に適用することができる。
【0037】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、油圧を供給されて溝幅を変更可能の可変プーリにベルトを掛け渡した変速機構部を備え、油圧を供給する油圧ポンプが電動モータで駆動される無段変速機の制御装置において、電動モータの故障情報を保持する故障情報保持手段を有して、運転開始に当たって前回の運転時に電動モータの故障があった旨の故障情報が故障情報保持手段に保持されているときに、あらかじめ定めた変速指令を出力して、まず変速制御弁を介して可変プーリに油圧を充填させるものとしたので、電動モータの故障により可変プーリ内の油圧がなくなっているときは油圧充填の制御が行なわれてプーリとベルト間のすべりが防止され、故障発生がなかったときは最初から通常制御で発進できる。
【0038】とくに、変速機構部がそれぞれ第1および第2シリンダ室が付設され油圧を供給されて溝幅を変更可能のプライマリプーリとセカンダリプーリ間にベルトを掛け渡して構成され、変速制御弁がアクチュエータに駆動されてライン圧を元圧とした油圧を第1シリンダ室へ供給する場合において、電動モータの故障があった旨の故障情報が故障情報保持手段に保持されているときは、高速側の変速比を得る変速指令を出力して、まずプライマリプーリの第1シリンダ室に油圧を充填させるものとしたときには、高速側への変速指令に基づいて変速制御弁が油圧を第1シリンダ室へ充填するので、これによりプライマリプーリの溝幅が狭まって、プライマリプーリ、セカンダリプーリとベルト間の遊びがなくなり、すべりが防止される。
【0039】また、第1シリンダ室への油圧の充填にあたっては、高速側の変速比を得る変速指令を所定時間保持することにより確実に充填される。さらに、無段変速機が車両に搭載されている場合において、発進前に高速側の変速比を得る変速指令を所定時間出力して、プライマリプーリの第1シリンダ室に油圧を充填させてから発進後、所定の車速に達したとき運転状態に基づく通常の変速比を目標とする変速指令に移るものとすることにより、制御の不安定を招くことなくすべり防止の制御から通常制御へ移行できる。
【0040】また、電動モータがモータコントロールユニットにより制御される場合に、モータコントロールユニットから入力する故障情報が強電フェイルフラグとして変速制御手段の内部メモリに記憶されるようにし、これが上記所定の車速に達したあとリセットされるものとすることにより、他の制御装置からの指令等を待つことなく迅速にすべり防止の制御が実行されるとともに、次回走行時にまで不要にすべり防止の制御が繰り返されることがない。




 

 


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