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発明の名称 無段変速機の油圧制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−263473(P2001−263473A)
公開日 平成13年9月26日(2001.9.26)
出願番号 特願2000−78651(P2000−78651)
出願日 平成12年3月21日(2000.3.21)
代理人 【識別番号】100086450
【弁理士】
【氏名又は名称】菊谷 公男 (外2名)
【テーマコード(参考)】
3J552
【Fターム(参考)】
3J552 MA07 MA12 NA01 NB01 NB08 PA12 PA54 PA70 QA14C QA24C QB04 QB07 RB07 RB17 RB22 SA36 SA52 TA01 TB03 VA32Z VA37Z VA53Y VA62Z VA74Y VB01W VC01Z VC02W VC03Z VD02Z 
発明者 新祖 良秀 / 宮川 喜一 / 榊原 賢
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 油圧を供給されて溝幅を変更可能の1対の可変プーリと該可変プーリ間に掛け渡されたベルトからなる変速機構部と、油圧を供給する油圧ポンプと、該油圧ポンプからの油圧を所定のライン圧に調圧するライン圧制御手段と、運転状態に基づいて変速指令を出力する変速制御手段と前記変速指令に基づいてライン圧を元圧とした油圧を前記変速機構部の可変プーリへ供給する変速制御弁とを備える無段変速機の油圧制御装置において、前記変速制御手段は、前記所定のライン圧として、所定の低車速領域においては通常走行時のライン圧特性に対して高い値を設定する低速時ライン圧特性に基づくライン圧を前記ライン圧制御手段へ指令することを特徴とする無段変速機の油圧制御装置。
【請求項2】 前記低速時ライン圧特性が、入力トルクに対する一次関数で表わされることを特徴とする請求項1記載の無段変速機の油圧制御装置。
【請求項3】 前記一次関数で表わされる直線の始点がクリープトルク値に対応する点であることを特徴とする請求項2記載の無段変速機の油圧制御装置。
【請求項4】 前記所定の低車速領域が、前記変速制御弁のオープン制御領域に対応するものであることを特徴とする請求項1、2または3記載の無段変速機の油圧制御装置。
【請求項5】 前記変速制御手段は、車速が前記所定の低車速領域を越えて通常走行時のライン圧特性に基づく低いライン圧へ移行する際、減少度合いを制限したライン圧を指令することを特徴とする請求項1、2、3または4記載の無段変速機の油圧制御装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等用のVベルトを用いた無段変速機、とくにその油圧制御装置における改良に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用に適した無段変速機として、例えば特開平11−82725号公報に開示されたようなVベルトを用いた無段変速機がある。これは、トルクコンバータを介してエンジン側に連結されたプライマリプーリと車軸側に連結されたセカンダリプーリの間にVベルトを掛け渡し、プライマリプーリの溝幅を油圧により可変制御するものである。すなわち、プライマリプーリとセカンダリプーリにはそれぞれ第1、第2シリンダ室が付設され、セカンダリプーリの第2シリンダ室にはライン圧が常時供給され、プライマリプーリの第1シリンダ室へはライン圧を元圧としてこれを変速制御弁で調圧した油圧が供給される。そして、走行中は、第1シリンダ室への油圧によりプライマリプーリの溝幅が変更されることにより、変速比が変化する。この間、ライン圧は入力トルクに対応して所定の範囲で変化され、Vベルトに対する推力(挟持圧力)を制御するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような無段変速機を搭載した車両が、例えば上り坂などでストール発進したような場合、エンジン回転が吹き上がる現象が発生し、その後大きなショックが生じるという不具合がある。
【0004】これは、上述のようにライン圧は走行中の入力トルクに対応して制御され、ベルトのすべりが生じない値に設定されているにもかかわらず、ストール発進時にはベルトのすべりが発生しており、ショックはそのすべっているベルトがプーリと締結した瞬間の衝撃によるものである。さらにそのすべりの原因は、低速時は入出力回転数の検出が困難であるために変速制御弁がオープン制御とされる結果、ライン圧が常時供給されるセカンダリプーリはともかくとして、変速制御弁を介して供給されるプライマリプーリへの油圧の不安定にあると考えられる。
【0005】そこで、対策としてライン圧を通常走行中の入力トルクに対応する必要値よりも一律に高い値に設定することが考えられるが、これでは、負荷が小さいときはライン圧も低くて済むにもかかわらず、プーリとベルト間の摩擦損失を常時増大させることとなる。その結果また、ポンプ負荷も常時大きくなってしまうという問題がある。したがって本発明は、通常走行時の摩擦損失やポンプ負荷の増大を招くことなく、ストール発進の際にもベルトのすべりが発生しないようにした無段変速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1の本発明は、油圧を供給されて溝幅を変更可能の1対の可変プーリと該可変プーリ間に掛け渡されたベルトからなる変速機構部と、油圧を供給する油圧ポンプと、該油圧ポンプからの油圧を所定のライン圧に調圧するライン圧制御手段と、運転状態に基づいて変速指令を出力する変速制御手段と、変速指令に基づいてライン圧を元圧とした油圧を変速機構部の可変プーリへ供給する変速制御弁とを備える無段変速機の油圧制御装置において、変速制御手段は、所定のライン圧として、所定の低車速領域においては通常走行時のライン圧特性に対して高い値を設定する低速時ライン圧特性に基づくライン圧をライン圧制御手段へ指令するものとした。低車速においてライン圧を増大させるので、ベルトに対する挟持圧力が確保され、上り坂でストール発進を行ってもベルトのすべりが発生しない。
【0007】請求項2の発明は、低速時ライン圧特性を入力トルクに対する一次関数で表わされるものとしたものである。一次関数により、入力トルクが小さいときのライン圧は入力トルクが大きいときよりも相対的に低く、必要量に対応した適正な値とされるので油圧ポンプの負荷が小さい。
【0008】請求項3の発明は、一次関数で表わされる直線の始点をクリープトルク値に対応する点としたものである。クリープトルク値以上でのみライン圧を通常より増大させるので、それより低い極低速時には油圧ポンプの回転上昇もなく、騒音が抑えられる。
【0009】請求項4の発明は、上記所定の低車速領域を変速制御弁のオープン制御領域に対応させたものである。可変プーリへの油圧が不安定になりやすいオープン制御時にライン圧が増大されるので、最適な領域で確実にベルトのすべりが防止される。
【0010】請求項5の発明は、変速制御手段が、車速が所定の低車速領域を越えて通常走行時のライン圧特性に基づく低いライン圧へ移行する際、減少度合いを制限したライン圧を指令するようにしたものである。ライン圧が急激に低下することによって発生し得るベルトのすべりも防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施例により説明する。まず、図1は実施例における無段変速機の概略構成を示し、図2はその油圧制御回路を示す。プライマリプーリ16とセカンダリプーリ26の間にVベルト24を掛け渡した変速機構部10が、ロックアップクラッチ11を備えるトルクコンバータ12を介して図示しないエンジンに連結されている。プライマリプーリ16は、トルクコンバータ12の出力軸と一体に回転する固定円錐板18と、これに対向する可動円錐板22とでV字状のプーリ溝を形成し、可動円錐板22の背面に油圧を及ぼし可動円錐板を軸方向に変位させる第1シリンダ室20を備えている。
【0012】セカンダリプーリ26は、車軸側への出力軸と一体に回転する固定円錐板30と、これに対向する可動円錐板34とでV字状のプーリ溝を形成している。可動円錐板34は図示しないリターンスプリングでプーリ溝の溝幅を狭める方向に付勢されるとともに、その背面に油圧を及ぼし可動円錐板34を軸方向に変位させる第2シリンダ室32を備えている。
【0013】変速機構部10はCVTコントロールユニット1からの信号に基づいて油圧コントロールバルブ3により制御される。第2シリンダ室32には油圧コントロールバルブ3からライン圧が常時供給される。油圧コントロールバルブはさらに変速制御弁63を備え、ライン圧を元圧として調圧された油圧を第1シリンダ室20に供給するようになっている。なお、第1シリンダ室20の受圧面積は第2シリンダ室32の受圧面積よりも大きく設定されている。
【0014】第1シリンダ室20にかかる油圧が変速制御弁63により制御されてプライマリプーリ16の溝幅を変える一方、第2シリンダ室32へはライン圧が供給されて、Vベルト24に対する挟持圧力を制御して変速が行なわれ、Vベルト24と各プーリ16、26との接触摩擦力に応じて、駆動力の伝達がなされる。これを回転数でみれば、プライマリプーリ16の溝幅を広げて、Vベルト24の接触半径が小でセカンダリプーリ26側の接触半径が大のプーリ比Lowのときには、変速比が大きくなってエンジン側回転数が減速されて車軸側へ出力されることとなる。逆のプーリ比Hiでは小さな変速比で出力される。この間、プライマリプーリ16とセカンダリプーリ26の接触半径比に対応して変速比が連続的に変化する。
【0015】油圧コントロールバルブ3では、電動モータ81で駆動される油圧ポンプ80からの油圧をライン圧レギュレータ60で調圧したライン圧が、上述のように、第2シリンダ室32へ常時供給されるとともに、変速制御弁63へ供給される。第1シリンダ室20への油圧はライン圧を元圧として変速制御弁63がステップモータ64で駆動されることにより制御される。油圧コントロールバルブ3は、さらにライン圧ソレノイド4、プレッシャモディファイヤ62、パイロット弁61を備える。
【0016】CVTコントロールユニット1は、通常走行中、通常ライン圧特性に基づいてライン圧をフィードバック制御する。すなわち、インヒビタスイッチ8からのセレクト位置信号に加え、走行中のスロットル開度センサ5からのスロットル開度(アクセルペダル開度)TV0およびエンジン回転数Neに基づいて算出されるエンジントルクをもとに、トルクコンバータ12を経て変速機構部10に入力する入力トルクを求め、この入力トルクに対応して通常ライン圧特性により必要なライン圧を求める。そして、これに対応したデューティ比信号を油圧指令としてライン圧ソレノイド4へ出力するとともに、変速指令をステップモータ64へ出力する。ステップモータ64は例えば200ステップの範囲内で目標の変速比に対応して20〜170ステップの位置が選択されるようになっている。
【0017】ライン圧ソレノイド4はパイロット弁61からの油圧をCVTコントロールユニット1からのデューティ比信号に応じてプレッシャモディファイヤ62側へ供給し、ライン圧レギュレータ60は油圧ポンプ80からの油圧をプレッシャモディファイヤ62から出力される油圧に応じたライン圧に設定する。ライン圧はこうして必要な伝達駆動力の大きさに応じて所定の範囲で変化されて出力される。なお、必要なライン圧の生成を可能とするため、電動モータの回転もCVTコントロールユニット1により制御され、油圧ポンプの出力も可変となっている。ここでは、CVTコントロールユニット1が変速制御手段を構成し、ライン圧ソレノイド4、プレッシャモディファイヤ62、パイロット弁61およびライン圧レギュレータ60がライン圧制御手段を構成している。
【0018】変速制御弁63はプライマリプーリ16の可動円錐板22とステップモータ64間に掛け渡された変速リンク67の変位に応じてスプール63aが駆動され、ライン圧レギュレータ60からのライン圧を調整して第1シリンダ室20へ供給する。溝幅がステップモータ64の位置に対応した幅になると、可動円錐板22と連動した変速リンク67の変位により第1シリンダ室20への油圧供給が停止する。これにより、プライマリプーリ16の溝幅が可変制御されて所定の変速比が得られる。
【0019】CVTコントロールユニット1には、プライマリプーリ16およびセカンダリプーリ26の入力、出力回転数Npri、Nsecを検出する第1回転数センサ6および第2回転数センサ7が接続され、通常走行時、これらの検出信号に基づいて変速機構部10における実変速比を求め、フィードバック制御を行なう。
【0020】ここで、本実施例では、入力トルクに対するライン圧特性が車速によって切替え制御されるようになっている。すなわち、CVTコントロールユニット1は、前述の通常のフィードバック制御に適用する走行状態に対応する通常ライン圧特性に加えて、低速時ライン圧特性を備えている。図3は、これらのライン圧特性を示す。低速時ライン圧特性Bは通常ライン圧特性Aに対して傾斜の大きい一次関数の直線となっており、基本的には通常ライン圧特性によるよりも高いライン圧を設定するようになっており、その始点Xはクリープトルク値としてある。
【0021】図4は、CVTコントロールユニット1によるライン圧制御の流れを示すフローチャートである。まずステップ101で、CVTコントロールユニット1では後述する前回値を保存する内部メモリをクリアしてから、ステップ102において入力トルクを算出する。ステップ103では、通常ライン圧特性に基づいて必要ライン圧を算出する。
【0022】続いてステップ104において、現在の車速が設定車速V以下であるかどうかをチェックする。設定車速Vは、変速制御のオープン制御領域に属する5km/h程度の低車速としてある。設定車速V以下であるときは、ステップ105で、低速時ライン圧特性を選択し、入力トルクに対応するライン圧を算出する。そして、ステップ106において、低速時ライン圧特性によるライン圧と先のステップ103で求めた通常ライン圧特性によるライン圧とを比較して、大きい方の算出値を選択し、これを油圧指令値とする。
【0023】つぎに、ステップ104のチェックで車速が設定車速を越えているときは、ステップ107に進んで、内部メモリに保存されている前回値とステップ103または106で求めたライン圧の差が所定値ΔP以内であるかどうかをチェックする。差が所定値以内であるときはステップ109へ進む。差が所定値を越えているときは、ステップ107からステップ108へ進み、油圧指令値=前回値−Pdに補正してから、ステップ109へ進む。ステップ109では、ステップ107を経たライン圧またはステップ108で補正された値を油圧指令値として出力する。ステップ110では内部メモリの前回値を上記出力された油圧指令値で更新する。
【0024】こうして、発進状態近傍の低車速時には、通常ライン圧特性に対して傾斜の大きい一次関数の低速時ライン圧特性に基づくライン圧が設定され、低車速領域を抜けたあと通常ライン圧特性によるライン圧が設定されるようになる。また、通常ライン圧特性に移行する際には、ステップ107、108によってライン圧の減少率が制限され、設定されるライン圧が極端に低くなる場合でも急減しない。
【0025】実施例は以上のように構成され、発進時を含む低車速のときに入力トルクに対するライン圧を増大させるようにしたので、変速制御弁のオープン制御状態でプライマリプーリへの油圧が不安定になってもVベルトに対する挟持圧力が確保されるので、ストール発進を行ってもベルトのすべりが発生しない。また、低速時ライン圧特性を一次関数としたので、入力トルクが小さいときのライン圧は入力トルクが大きいときに比較してその増大量が低く、必要量に対応した適正な値とされるので、油圧ポンプの負荷も小さい。
【0026】さらに、一次関数の直線の始点がクリープトルク値となっているので、それ以下ではライン圧増大のため油圧ポンプの回転を上昇させることもなく、騒音が抑えられる。また、車速が上昇後設定される通常ライン圧特性によるライン圧への落差が大きいときはその減少度合いを制限するようにしたので、ライン圧が急激に低下することによって懸念されるベルトのすべりも防止される。
【0027】なお、実施例では、変速機構部への入力トルクをCVTコントロールユニット1において算出するようにしているが、例えばパワトレーンにエンジンと駆動モータを備えたハイブリッド車両などにおいて、エンジンや駆動モータ、ならびに無段変速機が統合制御ユニットに接続されているときは、入力トルクは統合制御ユニットからの入力トルク指令としてCVTコントロールユニットに受けることができる。
【0028】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、油圧を供給されて溝幅を変更可能の可変プーリにベルトを掛け渡した変速機構部を備え、変速制御弁でライン圧を元圧とした油圧を可変プーリへ供給するようにした無段変速機の油圧制御装置において、所定の低車速領域ではライン圧の設定を通常走行時のライン圧特性に対して高い値を設定する低速時ライン圧特性に基づくものとしたので、ベルトに対する挟持圧力が確保され、上り坂でストール発進を行ってもベルトのすべりが発生せず、したがってその後の急激なベルト締結によるショックも防止されるという効果を有する。
【0029】とくに、低速時ライン圧特性を入力トルクに対する一次関数で表わされるものとすることにより、入力トルクにしたがって適正量だけライン圧が増大され、油圧ポンプの負荷が小さいという利点が得られる。
【0030】さらに、一次関数で表わされる直線の始点をクリープトルク値に対応する点とすることにより、クリープトルク値より低い極低速時には油圧ポンプの回転上昇もなく、騒音が抑えられる。
【0031】また、低速時ライン圧特性を適用する所定の低車速領域を変速制御弁のオープン制御領域に対応させることにより、可変プーリへの油圧が不安定になりやすいオープン制御時にライン圧が増大され、最適な領域で確実にベルトのすべりが防止される。
【0032】さらにまた、車速が所定の低車速領域を越えて通常走行時のライン圧特性に基づく低いライン圧へ移行する際のライン圧の減少度合いを制限することにより、ライン圧が急激に低下することによって発生し得るベルトのすべりも防止される。




 

 


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