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自動変速機のクラッチ構造 - ジヤトコ・トランステクノロジー株式会社
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発明の名称 自動変速機のクラッチ構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−221254(P2001−221254A)
公開日 平成13年8月17日(2001.8.17)
出願番号 特願2000−26746(P2000−26746)
出願日 平成12年2月3日(2000.2.3)
代理人 【識別番号】100086450
【弁理士】
【氏名又は名称】菊谷 公男 (外2名)
【テーマコード(参考)】
3J057
【Fターム(参考)】
3J057 AA05 BB04 CA01 DA01 DA10 GA11 GA64 HH01 JJ04 
発明者 チェ ヒョンヨン
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 クラッチドラムとクラッチハブ間に設けた摩擦板をピストンで押圧してクラッチドラムとクラッチハブを締結するようにしたクラッチにおいて、前記クラッチドラムが、外方から内方へ順次に結合された第1部材、第2部材および第3部材から構成され、前記第1部材は前記摩擦板と噛み合うスプラインを備えるドラム部と該ドラム部の一端から内径方向へ延びる縦壁とが一体成形され、第2部材は、前記ピストンの外周部の摺動面を形成する第1円筒部、ピストンの内周部の摺動面を形成する第2円筒部、および第1円筒部と第2円筒部を結ぶ第1円盤部とが一体成形されて、ピストンの油圧室を形成し、第3部材は、前記第2部材の第2円筒部より小径で同軸の第3円筒部を有して、前記クラッチドラムが筒状の支持軸を第2円筒部と第3円筒部で挟んで支持されていることを特徴とする自動変速機のクラッチ構造。
【請求項2】 前記第1部材の縦壁が第2部材の第1の円盤部から第1円筒部への曲がり角に溶接されて、第1の円盤部と縦壁が径方向に略一直線に延びていることを特徴とする請求項1記載の自動変速機のクラッチ構造。
【請求項3】 前記第2部材の第1円筒部の長さが前記ピストンの要求ストロークに対応する限度に設定され、前記ピストンは、第1円筒部の先端近傍を横切って外径方向へ延びる延長部を備えていることを特徴とする請求項2記載の自動変速機のクラッチ構造。
【請求項4】 前記延長部は、前記第1円筒部の先端近傍を横切ったあと前記第1部材の縦壁側へオフセットするとともに、外径端に前記摩擦板方向へ延びる押圧部を有することを特徴とする請求項3記載の自動変速機のクラッチ構造。
【請求項5】 前記ピストンの前記縦壁と反対側には軸方向に延びるフランジが形成され、ピストンを付勢するリターンスプリングを支持するスプリング受けが前記フランジの内周面と前記第2部材の第2円筒部の外周面の間に設けられ、前記第2部材の第1円筒部の内周面とピストンのフランジの内周面とが略同径とされて、ピストンの両面における受圧面積を略等しくしていることを特徴とする請求項3または4記載の自動変速機のクラッチ構造。
【請求項6】 前記支持軸と第3部材の第3円筒部の間にはブッシュが設けられ、該ブッシュにより支持軸とクラッチドラム間の空間に油路を画成していることを特徴とする請求項1記載の自動変速機のクラッチ構造。
【請求項7】 前記第2部材は第2円筒部の端部から内径方向に延びる第2円盤部を有し、前記第3部材は第3円筒部の端部から外径方向に延びる第3円盤部を有して、第2部材と第3部材は、第2円盤部と第3円盤部とを前記第2円筒部と第3円筒部間の径方向中間部で溶接して結合されていることを特徴とする請求項1または6記載の自動変速機のクラッチ構造。
【請求項8】 前記第1部材のドラム部の外周には、ブレーキを構成するブレーキバンドが配置されていることを特徴とする請求項1記載の自動変速機のクラッチ構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の変速機構におけるクラッチ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】車両等に搭載される自動変速機では、遊星歯車機構と締結要素としての複数のクラッチ等を組み合わせ、これらの締結・解放の組合せによって複数の変速段を実現している。そのクラッチは一方の回転部材に連結したクラッチドラムと他の連結部材につながるハブの間に複数枚の摩擦板を配し、摩擦板の押圧・解除によりクラッチドラムとハブ間を締結・解放する。
【0003】このようなクラッチが自動変速機では一般に複数組設けられているが、そのなかで、要求される伝達トルクが大きい場合には、これに対応して摩擦板が変速機ケースの外壁近傍に配置されて回転軸からの距離を大きく確保するようになっている。したがって、摩擦板を内側に収容するクラッチドラムも外径が大きくなる。クラッチドラムはその軽量化のため板材からの成形加工により製作されるが、大サイズのクラッチドラムは、例えば特公平6−19191号公報に開示されているように、分割して製作される。
【0004】この公報開示の装置では、図5に示すように、クラッチドラム150は、縦壁151とドラム部152と内筒153からなっている。縦壁151は外周に軸方向に延びるフランジ部154を備え、中心に穴155を有する。また、ドラム部152は端部が縦壁151のフランジ部154に重ねられ、円筒状に軸方向に延びている。内筒153は一端が縦壁の穴155の縁に結合されて、ドラム部152と同方向に延びる第1の筒部156と、第1の筒部の他端部に縦壁157を介して連なり、第1の筒部156より小径でさらに軸方向に延びる第2筒部158からなる。
【0005】縦壁151とドラム部152は縦壁のフランジ部154の基部で外部から溶接結合され、内筒153は第1の筒部156の一端を縦壁151の穴155に差し込み、穴155の周縁にそって外部から溶接結合されている。第1の筒部156は変速機ケース160の軸方向に突出する固定側部材161上に回転可能に支持され、第2筒部158は回転軸164にスプライン結合されている。
【0006】縦壁151と内筒153で区画される空間にはフランジ部154の内周面と第1の筒部156の外周面をピストン165の摺動面とするシリンダ159が形成され、ピストン165が摩擦板166を押圧するようになっている。第1の筒部156にはシリンダ159とピストン165で形成される油圧室に開口する油孔167が設けられ、固定側部材161には油孔167に連通するようにリング溝168が形成されてオイルが供給されるようになっている。リング溝168の軸方向両側にはシールリング169が設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような従来のクラッチドラムでは、ドラム部152が重なったフランジ部154がピストン165の摺動面となっているので、ピストン165のストローク長さを確保するためフランジ部154に所定の軸方向長さを必要とし、その結果、摩擦板166を縦壁151側に近寄せるには限度がある。そのため、クラッチ全体の軸方向長さの低減が困難であるという問題がある。
【0008】また、固定側部材161に対してこのクラッチドラム150の内筒153は、その第1の筒部156を固定側部材161の外周に嵌め合わせてあるだけであるから、シールリング169から第1の筒部156へ作用する力によって縦壁151およびこれに連なるドラム部152が倒れる可能性があり、これに対する余裕も見込まなければならない。さらに、縦壁151と内筒153がシリンダ159の油圧室を形成する部分である縦壁の穴155の周縁で溶接結合されているので、溶接品質によっては結合部位からのオイル漏れが発生する可能性もある。
【0009】また、油路170から内筒153の内側空間へオイルを導くようにしているが、第2筒部158と回転軸164との連結がスプライン結合のため、そのスプライン部は当該スプラインの大径合わせまたは歯面合わせとされているので、歯面あるいは径のいずれかに隙間ができて、上記空間からスプライン部を通過して軸方向へオイルが漏れやすいという問題も有している。したがって、本発明は上記の問題点に鑑み、クラッチ全体の軸方向長さを低減でき、またオイル漏れのおそれもなく、さらにはクラッチドラム周りの油路画成も容易な自動変速機のクラッチ構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1の本発明は、クラッチドラムとクラッチハブ間に設けた摩擦板をピストンで押圧してクラッチドラムとクラッチハブを締結するようにしたクラッチにおいて、クラッチドラムが、外方から内方へ順次に結合された第1部材、第2部材および第3部材から構成され、第1部材は摩擦板と噛み合うスプラインを備えるドラム部と該ドラム部の一端から内径方向へ延びる縦壁とが一体成形され、第2部材は、ピストンの外周部の摺動面を形成する第1円筒部、ピストンの内周部の摺動面を形成する第2円筒部、および第1円筒部と第2円筒部を結ぶ第1円盤部とが一体成形されて、ピストンの油圧室を形成し、第3部材は、第2部材の第2円筒部より小径で同軸の第3円筒部を有して、クラッチドラムが筒状の支持軸を第2円筒部と第3円筒部で挟んで支持されているものとした。
【0011】まず、ピストンが収納されるシリンダが、第1円筒部と第1の円盤部と第2円筒部とが一体成形された第2部材で形成されるので、クラッチドラムを複数部材から構成してもシリンダ側にオイル漏れの発生することがない。また、クラッチドラムの第2円筒部と第3円筒部が支持軸を外径側と内径側の両方から挟むので、クラッチドラムの倒れを防止し、姿勢保持の精度が向上する。
【0012】請求項2の発明は、とくにクラッチドラムの第1部材の縦壁が第2部材の第1の円盤部から第1円筒部への曲がり角に溶接されて、第1の円盤部と縦壁が径方向に略一直線に延びているものとした。ピストンの摺動面を形成する第1円筒部を含んで第1の円盤部からドラム部までを一体成形する場合にはドラム部が第1円筒部の先端から始まることになるが、それと比較して、ドラム部が軸方向第1の円盤部位置から始まるので、クラッチドラムの全長を短縮することができる。
【0013】請求項3の発明は、クラッチドラムの第2部材の第1円筒部の長さがピストンの要求ストロークに対応する限度に設定され、ピストンは、第1円筒部の先端近傍を横切って外径方向へ延びる延長部を備えているものとした。摩擦板を延長部で押圧可能な外径側へ配置することにより、ピストンの背面側にキャンセル圧室を設けることができる。
【0014】請求項4の発明は、ピストンの延長部が第1円筒部の先端近傍を横切ったあと第1部材の縦壁側へオフセットするとともに、外径端に摩擦板方向へ延びる押圧部を有するものとした。延長部が縦壁側へオフセットすることにより、摩擦板および摩擦板と噛み合うクラッチハブを縦壁側へ寄せることができ、クラッチの軸方向サイズが短縮される。
【0015】請求項5の発明は、ピストンの上記縦壁と反対側に軸方向に延びるフランジが形成され、ピストンを付勢するリターンスプリングを支持するスプリング受けがフランジの内周面と第2部材の第2円筒部の外周面の間に設けられ、第2部材の第1円筒部の内周面とピストンのフランジの内周面とが略同径とされて、ピストンの両面における受圧面積を略等しくしているものとした。ピストンを挟む圧力室とキャンセル圧室における各受圧面積が略等しいので、応答性の良いキャンセル効果が得られる。
【0016】請求項6の発明は、支持軸とクラッチドラムの第3部材の第3円筒部の間にブッシュが設けられ、該ブッシュにより支持軸とクラッチドラム間の空間に油路を画成しているものとした。ブッシュの存在により、ブッシュを越えての軸方向のオイルの流れが阻止されるから、油路に通じる潤滑必要部位へ効率よくオイルが供給される。
【0017】請求項7の発明は、クラッチドラムの第2部材が第2円筒部の端部から内径方向に延びる第2円盤部を有し、第3部材が第3円筒部の端部から外径方向に延びる第3円盤部を有して、第2部材と第3部材が、第2円盤部と第3円盤部とをとくに第2円筒部と第3円筒部間の径方向中間部で溶接して結合されているものとした。溶接部位を第2円筒部および第3円筒部の近傍から外れたところとしているので、熱歪みにより第2円筒部や第3円筒部の真円度が損なわれるおそれがない。
【0018】請求項8の発明は、第1部材のドラム部の外周にブレーキを構成するブレーキバンドが配置されているものとした。第1部材はドラム部と縦壁とが一体成形されて、溶接部がないのでブレーキバンドはドラム部の全幅にわたって配置することができ、ドラム部外周面が有効に活用される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施例により説明する。まず、図1は本発明が適用される実施例における変速機構を示すスケルトン図である。トランスミッションケースに支持された入力軸INの軸線にそって、トルクコンバータTに接続される入力側から順に第1の遊星歯車機構G1と第2の遊星歯車機構G2が設けられる。なお、図では各部材が軸線に関して対称に構成されるので、軸線より下半部は図示省略してある。
【0020】第1の遊星歯車機構G1はシングルピニオン型、第2の遊星歯車機構G2はラビニオ型で、いずれも公知の構成である。第1の遊星歯車機構G1は、第1サンギヤS1、第1ピニオンP1、第1キャリアD1および第1リングギヤR1からなり、第1キャリアD1により回転可能に支持された第1ピニオンP1が第1サンギヤS1と第1リングギヤR1の間に位置してそれぞれと噛み合っている。
【0021】第2の遊星歯車機構G2は、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3、第2ピニオンP2と第3ピニオンP3、第2キャリアD2および第2リングギヤR2からなる。第2ピニオンP2と第3ピニオンP3は第2キャリアD2に回転可能に支持されるとともに互いに噛み合い、第2ピニオンP2はさらに第2サンギヤS2と第2リングギヤR2の間に位置してそれぞれと噛み合っている。さらに、第3ピニオンP3は第3サンギヤS3と噛み合っている。
【0022】入力軸INは第1回転メンバM1により第1の遊星歯車機構G1の第1リングギヤR1と一体的に連結され、また第2回転メンバM2により第3クラッチC3を介して第2の遊星歯車機構G2の第2キャリアD2と連結可能となっている。第1の遊星歯車機構G1の第1サンギヤS1は第4メンバM4によりトランスミッションケースに固定されている。第1キャリアD1は、第3回転メンバM3から順に、第1クラッチC1、第5回転メンバM5を介して第2の遊星歯車機構G2の第3サンギヤS3と連結可能となっている。
【0023】第2の遊星歯車機構G2の第2サンギヤS2は、第6回転メンバM6により第2クラッチC2を介して第3回転メンバM3と連結可能となっている。第6回転メンバM6はまた、第2ブレーキB2によりトランスミッションケースに固定可能である。第2の遊星歯車機構G2の第2キャリアD2には第7回転メンバM7が一体的に接続され、第7回転メンバM7は、並列に設けられた第1ブレーキB1とワンウエイクラッチによりトランスミッションケースに固定可能となっている。ワンウエイクラッチは、入力軸INの回転と逆方向の回転入力に対して締結、すなわち第7回転メンバM7を固定する。そして、第2の遊星歯車機構G2の第2リングギヤR2に第8回転メンバM8を介して出力ギヤOUTが一体的に連結されている。
【0024】上記構成において、締結要素としての第1〜第3クラッチC1〜C3、第1、第2ブレーキB1、B2およびワンウエイクラッチのうちの2個の締結により、図2のように前進6速、後進1段の変速段が得られる。図中、○が締結される締結要素を示す。なお、各変速段における回転伝達経路の詳細は、特願平11−297574号の記載を引用して、ここでは省略する。
【0025】図3は、上記変速機構における第1の遊星歯車機構G1、第1および第2クラッチC1、C2まわりの具体的構造を示す断面図である。トランスミッションケース1の図示しないトルクコンバータ側のポンプカバー4から突出筒部6が延び、この突出筒部6を貫通してステータシャフト7が固定されている。このステータシャフト7に入力軸10(IN)が支持されている。また、トランスミッションケース1からは中間隔壁2が延びており、その中央部に軸方向両側へ延び入力軸10その他が貫通する突出部21、22を備えている。
【0026】ポンプカバー4から中間隔壁2へ向かう軸方向上、ステータシャフト7の端部に対応する位置に第1の遊星歯車機構G1が配置され、その第1サンギヤS1がステータシャフト7の先端部とスプライン結合している。ポンプカバー4と中間隔壁2とで画成される空間には、第1の遊星歯車機構G1とポンプカバー4の間に第1クラッチC1が配置されるとともに、第1の遊星歯車機構G1を挟んで第1クラッチC1と反対側には第2クラッチC2が配置されている。
【0027】第1の遊星歯車機構G1の第1リングギヤR1は、中央に筒部31を備える円盤部材30の外周縁に溶接結合され、筒部31が入力軸10とスプライン結合している。また、第1ピニオンP1は第1キャリアD1を構成する第1キャリアプレート41および第2キャリアプレート42に支持されている。円盤部材30と第1キャリアプレート41の間、および第1キャリアプレート41と第1サンギヤS1の間にはそれぞれスラストベアリング13、14が設けられている。さらに、第1サンギヤS1とポンプカバー4の突出筒部6の端面の間にはスラストワッシャ12が設けられている。
【0028】第1クラッチC1のクラッチドラム50は、第1部材55と第2部材51から構成されている。第2部材51は、内筒のハブ部52と、ハブ部52から外方へ延びる円盤部53と、円盤部53に連なる外筒54からなる。第1部材55は、第2部材51の円盤部53から外筒54への曲がり角に接合してさらに外方へ延びる縦壁56と、縦壁56に連なるドラム部57からなる。
【0029】ハブ部52がブッシュ58を介してポンプカバー4の突出筒部6に支持されている。クラッチドラム50のハブ部52の端部は、第1の遊星歯車機構G1の第2キャリアプレート42とスプライン結合によって連結されている。円盤部53とポンプカバー4の間にはスラストベアリング15が設けられている。
【0030】第2部材の円盤部53から外筒54にかかる角部には、段付き59が形成され、この段付きに第1部材55の縦壁56の内径縁が突き当て溶接されている。これにより、第1部材の縦壁56は第2部材51の円盤部53を外方へ延ばした格好で、両者は略一直線となっている。
【0031】ドラム部57は第1の遊星歯車機構G1側へ延びている。ドラム部57の内側には対向してクラッチハブ60が設けられ、ドラム部57内周とクラッチハブ60外周に形成されたスプライン61、62に複数の摩擦板63が交互に噛み合っている。クラッチハブ60の内径は、第2部材の外筒54の外径と略同等となっている。
【0032】クラッチドラム50の第2部材51には、ハブ部52外周面と外筒54内周面の間にリング状シリンダ64が形成され、シリンダ64内にピストン65が摺動可能に配置されている。シリンダ64とピストン65の間に形成される油圧室へのオイル供給によって、ピストン65が軸方向にストロークして摩擦板63を押圧可能となっている。また、ハブ部52外周にはスプリング受け66がスナップリング67で取り付けられ、ピストン65とスプリング受け66の間にリターンスプリング68が設けられている。
【0033】ピストン65のスプリング受け66側にはフランジ69が延びて、スプリング受け66の摺動面となっており、ピストン65とスプリング受け66の間にキャンセル圧室が形成される。外筒54の内周面とフランジ69の内周面は略同径で、油圧室とキャンセル圧室におけるピストン65の各受圧面積が等しくなっている。
【0034】ピストン65はさらに、第2部材51の円盤部53に着座している状態で外筒54の先端直近の部位から径方向外方へ延びる延長部74を備えている。延長部74は、外筒54の先端部を横切ったあと第1部材の縦壁56側へオフセットして、クラッチハブ60の端部との間に軸方向所定の間隙を形成している。そして、延長部74の外径端から摩擦板63へ折り返して押圧部75が延びている。外筒54の先端は、オフセットした延長部74との干渉を避けて図中上角が切り欠かれている。外筒54の内周面はその先端までシリンダ64としてピストン65の摺動面となっており、先端の下角には最小限の面取りを施してある。
【0035】第1クラッチC1のクラッチハブ60は第1の遊星歯車機構G1の外側を延びて、回転部材70の円盤部71に連なっている。回転部材70はその筒部72が中間隔壁2を貫通して入力軸10上を軸方向に延び、筒部72の先端が後述する第3部材100の筒部(第3円筒部)102よりも突出して第2の遊星歯車機構G2の図示しない第3サンギヤS3とスプライン結合する。回転部材70は第5回転メンバを構成している。
【0036】第2クラッチC2のクラッチドラム80は、第1部材85、第2部材81および第3部材100から構成されている。第2部材81は、内筒のハブ部(第2円筒部)82と、ハブ部82の一端から外方へ延びる円盤部83と、円盤部83に連なる外筒(第1円筒部)84と、ハブ部82の他端から内方へ延びる内側円盤部89からなる。
【0037】第1部材85は、第2部材81の円盤部83に接合してさらに外方へ延びる縦壁86と、縦壁86に連なるドラム部87からなる。第3部材100は、第2部材81の内側円盤部89に接合する円盤部101と、軸方向に延びる筒部102からなる。
【0038】第1部材85の縦壁86は、第2部材81の円盤部83から外筒84の曲がり角に溶接されて、円盤部83と縦壁86は断面上径方向に略一直線に延びている。第2部材81と第3部材100とは、内側円盤部89の内周縁と円盤部101の外周縁とが溶接されて、内側円盤部89と円盤部101も同じく径方向に略一直線に延びている。
【0039】第2部材81のハブ部82はスリーブ88を介して中間隔壁2の突出部22に支持されている。さらに、第3部材100は中間隔壁2の突出部22を貫通して配置されているが、その筒部102と突出部22の間にはブッシュ11が設けられている。
【0040】ドラム部87の内側には対向してクラッチハブ90が設けられ、ドラム部87内周とクラッチハブ90外周に形成されたスプライン91、92に複数の摩擦板93が交互に噛み合っている。クラッチハブ90は第1クラッチC1のクラッチハブ60の外側を延びて、端部に外方へ延びる立ち上がり部94を有している。この立ち上がり部94が第1クラッチC1のクラッチドラム50のドラム部57端部に係合して、第2クラッチC2のクラッチハブ90はクラッチドラム50と一体に回転する。なお、クラッチドラム80のドラム部87の外周面には、第2ブレーキB2を構成するブレーキバンド8が係合可能に配置されている。
【0041】第3部材100は、入力軸10にそって延びる回転部材70上に支持され、軸方向に延びる筒部102の先端は第2の遊星歯車機構G2の第2サンギヤS2と連結する。第3部材100は第6回転メンバを構成している。
【0042】クラッチドラム80の第2部材81には、ハブ部82外周面と外筒84内周面の間にリング状シリンダ95が形成され、シリンダ95内にピストン96が摺動可能に配置されている。シリンダ95とピストン96の間に形成される油圧室へのオイル供給によって、ピストン96が軸方向にストロークして摩擦板93を押圧可能となっている。また、ハブ部82外周にはスプリング受け98がスナップリング99(図4参照)で取り付けられ、ピストン96とスプリング受け98の間にリターンスプリング97が設けられている。
【0043】ピストン96のスプリング受け98側にはフランジ110が延びて、スプリング受け98の外周縁のシールリップの摺動面となっており、ピストン96とスプリング受け98の間にキャンセル圧室が形成される。外筒84の内周面とフランジ110の内周面は略同径で、油圧室とキャンセル圧室におけるピストン96の各受圧面積が等しくなっている。
【0044】ピストン96はさらに、第2部材81の円盤部83に着座している状態で外筒84の先端直近の部位から径方向外方へ延びる延長部112を備えている。延長部112は、外筒84の先端部を横切ったあと第1部材の縦壁86側へオフセットして、クラッチハブ90の端部との間に軸方向所定の間隙を形成している。そして、延長部112の外径端から摩擦板93へ向けて押圧部113が延びている。外筒84の先端は、オフセットした延長部112との干渉を避けて図中上角が切り欠かれている。外筒84の内周面はその先端までシリンダ95としてピストン96の摺動面となっており、先端の下角には最小限の面取りを施してある。
【0045】中間隔壁2の突出部22の端面と第3部材100の円盤部101の間にはスラストベアリング16が設けられ、また、円盤部101と回転部材70の円盤部71の間、および円盤部71と円盤部材30の間にもそれぞれスラストベアリング17、18が設けられている。
【0046】中間隔壁2の突出部21の外周には出力ギヤ115を支持する複列のボールベアリング117が設けられている。ねじ部を突出部21の内径側にねじ込んだナット118が、その鍔部119でワッシャを介してボールベアリング117のインナレースを中間隔壁2の壁面に押圧している。
【0047】第2の遊星歯車機構G2の第2リングギヤR2は出力ギヤ115側に延びて円環部材120と溶接接続し、出力ギヤ115は第2の遊星歯車機構G2側に延びる突出部116を有する。そして、突出部116の外周と円環部材120の内周とがスプライン結合して、第2リングギヤR2と出力ギヤ115とが連結されている。ここで円環部材120は第8回転メンバを構成している。
【0048】入力軸10にはその軸心に油通路122が形成され、油通路122から各ベアリングや噛み合い部へ潤滑油を供給するための油孔が設けられている。油穴123からのオイルは、回転部材70の筒部72に設けた油穴124およびクラッチドラム80の筒部102に設けた油穴125を経由して、第2サンギヤS2とナット118間のスラストベアリング19を潤滑する。
【0049】油穴126からのオイルは、回転部材70(円盤部71)と円盤部材30間のスラストベアリング18を潤滑する。また、回転部材70の筒部72に設けた油穴127を経由して、クラッチドラム80の第3部材100(円盤部101)と回転部材70(円盤部71)間のスラストベアリング17潤滑する。さらに第3部材100の筒部102に設けた油穴128を経由して、ブッシュ11を潤滑するとともに、第3部材100の円盤部101と突出部22の端面間のスラストベアリング16を潤滑する。油穴129からのオイルはスラストベアリング13を潤滑するとともに、スラストベアリング14を経由して第1ピニオンP1と第1サンギヤS1の噛み合い部を潤滑する。
【0050】油穴130は、ステータシャフト7に設けた油穴130から第1サンギヤS1と突出筒部6間のスラストワッシャ12を経由して、第1ピニオンP1と第1サンギヤS1の噛み合い部、ならびにクラッチドラムのハブ部52とスリーブ58間を潤滑する。上記した各スラストベアリングや噛み合い部等を潤滑したオイルは、さらに外方へ流れて、必要個所を潤滑する。
【0051】つぎに、図4はクラッチドラム80の支持部と出力ギヤ115のベアリング潤滑構造部分を示す拡大図である。中間隔壁2には、出力ギヤ115を支持するボールベアリング117に対応する径位置に油穴140が貫通して設けられている。中間隔壁2の突出部22には、その端面からスリーブ88を支持する外周面にわたって連通する油溝141、142が形成され、端面上の油溝141は径方向中心に向かっている。
【0052】油溝142は中間隔壁2の壁面を油穴140にまで延びた油溝143につながっている。この突出部22の端面から油穴140に至る油溝141、142、143は、トランスミッションケース1製作の際の鋳抜きによって形成することができる。突出部22の外周面の油溝142は、ブッシュ88にカバーされて閉断面の油路となっている。
【0053】これにより、入力軸10の油通路122から油孔126、127、128を経由して突出部22と回転部材クラッチドラム80の筒部102間の空間に導かれたオイルは、油溝141、142、143を通って中間隔壁2の油穴140に至り、ここから突出部21側へ導かれて、出力ギヤ115を支持するボールベアリング117を潤滑する。この際、オイルは筒部102と突出部22の間に設けられたブッシュ11も潤滑するが、このブッシュ11によって図中左方への流れはほとんど阻止され、油孔128から筒部102の外周側へ導かれたオイルはスラストベアリング16および油溝141、142、143へ流れ、出力ギヤ115のボールベアリング117へ効率よく供給される。
【0054】本実施例は以上のように構成され、クラッチドラム50、80がドラム部と縦壁を含む外側の第1部材55、85とハブ部と円盤部を含む内側の第2部材51、81との少なくも2部材からなり、第2部材のみで摩擦板を押圧するピストン65、96のためのシリンダ64、95が形成されるとともに、第1部材の縦壁56、86と第2部材の円盤部53、83とが略一直線になるように溶接結合されているので、溶接不良等による油圧室のオイル漏れが発生することがない。
【0055】そして、ドラム部と噛み合う摩擦板63、93の径位置にはピストンストロークのため所定の長さの摺動面を要するシリンダがないので、摩擦板を縦壁56、86側へ寄せることができる。そして摩擦板の径位置まで外径方向へ延ばしたピストンの延長部74、112は、シリンダを形成する外筒54、84の先端部を横切ったあと第1部材の縦壁56、86側へいったんオフセットしたあと摩擦板63、93方向へ折り返しているので、摩擦板と噛み合う相手方クラッチハブ60、90も同様に縦壁側へ寄せることができる。これにより、ドラム部57、87の軸方向長さを短縮することができる。
【0056】また、ピストン65、96の摩擦板押圧部をシリンダの摺動面からそのまま軸方向に延ばさず、外径方向へ延ばしているので、リターンスプリングのスプリング受け66、98の外径を大きくして、ピストンのキャンセル圧室の受圧面積を油圧室の受圧面積と同等にすることができ、バランスの良い応答性の高いピストン制御が可能となる。すなわち、スプリング受け66、98は遠心キャンセルピストンとして機能するが、換言すれば第2部材の第1円筒部の径を変えるだけで遠心キャンセルピストンの径と整合させることができ、バランスの良いピストン制御が得られる。さらに、第1部材55、85と第2部材51、81はそのドラム部とハブ部間の径方向中間位置で溶接しているので、従来例のように最外径部で溶接するものに比較して、熱歪みによる真円度の低下が防止される。
【0057】とくに、クラッチドラム80では、第2部材81にさらに内側の第3部材100が結合されて、筒部102がハブ部82と同じ側に折り返され、ハブ部がスリーブ88を介して中間隔壁の突出部22の外周に支持されるとともに、筒部がブッシュ11を介して筒状の支持軸である突出部22の内周に支持されているので、スリーブの反力がハブ部に作用する方向とブッシュの反力が筒部に作用する方向とが釣り合って、クラッチドラムの倒れも発生しない。
【0058】なお、突出部22と筒部102の間にブッシュ11が設けられていることによって、ブッシュを越えてのオイルの流れが阻止され、油孔128から突出部端面と円盤部101間の空間への油路が画成され、スラストベアリング16やスリーブ88等へオイルが適正に誘導される。
【0059】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、クラッチドラムがドラム部と内径方向へ延びる縦壁を有する第1部材と、第1円筒部と第1の円盤部と第2円筒部とが一体成形された第2部材とからなり、第1円筒部の内周面と第2円筒部の外周面を摺動面として形成されるシリンダに摩擦板を押圧するピストンが配置されているものとしたので、シリンダが一体成形された第2部材で形成され、クラッチドラムを複数部材から構成してもシリンダ側にオイル漏れの発生することがないという効果を有する。
【0060】クラッチドラムは第1部材および第2部材に加えてさらに第2部材の第2円筒部より小径で同軸の第3円筒部を有する第3部材とから構成し、クラッチドラムが筒状の支持軸を第2円筒部と第3円筒部で挟んで支持されているので、クラッチドラムの倒れを防止し、姿勢保持の精度が向上する。
【0061】また、とくにクラッチドラムの第1部材の縦壁が第2部材の第1の円盤部から第1円筒部への曲がり角に溶接されて、第1の円盤部と縦壁が径方向に略一直線に延びているものとすることにより、クラッチドラムの全長を短縮することができる。
【0062】さらに、クラッチドラムの第2部材の第1円筒部の長さがピストンの要求ストロークに対応する限度に設定され、ピストンは、第1円筒部の先端近傍を横切って外径方向へ延びる延長部を備えているものとすることにより、摩擦板を延長部で押圧可能な外径側へ配置でき、ピストンの背面側にキャンセル圧室を設けることができる。そして、ピストンの延長部が第1円筒部の先端近傍を横切ったあと第1部材の縦壁側へオフセットするとともに、外径端に摩擦板方向へ延びる押圧部を有するものとすることにより、摩擦板およびクラッチハブを縦壁側へ寄せることができ、クラッチの軸方向サイズが短縮される。
【0063】また、ピストンの上記縦壁と反対側に軸方向に延びるフランジが形成され、ピストンを付勢するリターンスプリングを支持するスプリング受けがフランジの内周面と第2部材の第2円筒部の外周面の間に設けられ、第2部材の第1円筒部の内周面とピストンのフランジの内周面とが略同径とされて、ピストンの両面における受圧面積を略等しくすることにより、応答性の良いキャンセル効果が得られる。
【0064】さらにまた、クラッチドラムの第2円筒部を支持する支持軸と第3部材の第3円筒部の間にブッシュを設け、該ブッシュにより支持軸とクラッチドラム間の空間に油路を画成することにより、ブッシュを越えての軸方向のオイルの流れが阻止されるから、油路に通じる潤滑必要部位へ効率よくオイルが供給される。
【0065】クラッチドラムの第2部材が第2円筒部の端部から内径方向に延びる第2円盤部を有し、第3部材が第3円筒部の端部から外径方向に延びる第3円盤部を有して、第2円盤部と第3円盤部とをとくに第2円筒部と第3円筒部間の径方向中間部で溶接して結合することにより、熱歪みにより第2円筒部や第3円筒部の真円度が損なわれるおそれもなくなる。




 

 


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