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発明の名称 自動変速機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−116124(P2001−116124A)
公開日 平成13年4月27日(2001.4.27)
出願番号 特願平11−297574
出願日 平成11年10月20日(1999.10.20)
代理人 【識別番号】100086450
【弁理士】
【氏名又は名称】菊谷 公男 (外2名)
【テーマコード(参考)】
3J028
3J057
3J063
【Fターム(参考)】
3J028 EA07 EA25 EB13 EB35 EB37 EB66 FB06 FC13 FC17 FC25 FC62 FD01 FD25 GA01 HA13 HA14 HA16 
3J057 BB04 CA01 HH01
3J063 AA01 AB12 AB53 AC04 BA01 BA03 BA04 BA05 BB41 CA01 CB04 CB06 CD13 CD17 CD25 CD26 CD32 CD34 CD63 XA37
発明者 リー グンチョル
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 遊星歯車機構とクラッチを備え、クラッチドラムと隣接する回転部材とがスプライン噛み合いにより一体に回転可能の連結構造を有して、複数の変速段を実現する自動変速機において、前記クラッチドラムと回転部材の一方に形成された第1のスプラインが切り上がり部を有し、クラッチドラムが所定量軸方向に変位したとき、クラッチドラムと回転部材の他方に形成された第2のスプラインの角部が前記切り上がり部の傾斜面に当接することにより前記クラッチドラムが位置規制されるように構成されていることを特徴とする自動変速機。
【請求項2】 前記回転部材が遊星歯車機構のピニオンを支持するキャリアであって、その内周面に前記第2のスプラインが形成され、前記クラッチドラムのハブ部の端部外周面に前記第1のスプラインが形成されていることを特徴とする請求項1記載の自動変速機。
【請求項3】 ピニオンを軸方向両側で支持する2つのキャリアを備えた遊星歯車機構と、クラッチとを備え、複数の変速段を実現する自動変速機において、前記クラッチは、ドラム部と内筒のハブ部とを有して前記遊星歯車機構に軸方向に隣接するクラッチドラムを備え、前記ハブ部の端部外周面には切り上がり部を有する第1のスプラインが形成され、前記2つのキャリアのうち前記クラッチドラムから遠い方のキャリアは、その軸方向変位の一方向を隣接する第1の部材に規制されるとともに、他方向を前記遊星歯車機構のサンギアに規制され、前記クラッチドラムに近い方のキャリアは、その内周面に形成した第2のスプラインを前記ハブ部の第1のスプラインに嵌合させて、クラッチドラムと一体回転可能に結合し、前記クラッチドラムは、その軸方向変位の一方向を隣接する第2の部材に規制されるとともに、他方向は前記第2のスプラインの角部が前記切り上がり部の傾斜面に当接することにより規制されることを特徴とする自動変速機。
【請求項4】 前記クラッチドラム内には、摩擦板を押圧するピストンが配されるとともに、スプリング受けで支持されピストンを付勢するリターンスプリングが設けられ、クラッチドラムの前記ハブ部には、前記切り上がり部の傾斜面の外径側終端に隣接して前記スプリング受けを支持するスナップリング用のリング溝が形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の自動変速機。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊星歯車機構とクラッチなど締結要素を備えて複数の変速段を実現する自動変速機、とくにそのクラッチドラムと隣接部材の結合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】車両等に搭載される自動変速機では、遊星歯車機構と締結要素としての複数のクラッチあるいはブレーキとを組み合わせ、これらクラッチおよびブレーキの締結・解放の組合せによって複数の変速段を実現している。そのため、自動変速機内部では、遊星歯車機構と締結要素、ならびにこれらの各部材を連結する多数の回転部材が互いに隣接して配置されている。これらの隣接する各部品は、それぞれ正常な機能を発揮し、また互いに接触することのないように、相互間に所定の間隙を確保して位置規制する必要がある。
【0003】このような位置規制のためには、相対回転確保のためスラストベアリングなどが設けられ、これによって上記の間隙が確保されているのが多い。例えば特開昭63−270967号公報に開示された変速機においても、クラッチ装置(26)のクラッチドラム(35)はタービンシャフト(12)と一体回転するためタービンシャフト(12)とスプラインなど噛み合いによって連結されているが、このような噛み合いではクラッチドラム(35)が軸方向に変位する。そこで、その軸方向位置を規制するために、一方では連結部材(39)との間にスラストベアリング(40)が設けられ、他方でもタービンシャフト(12)との噛み合い部近傍で隣接部材との間にスラストベアリングが設けられている。このほか、クラッチドラムのドラム部にスナップリングを嵌め込み、そのスナップリングで相手方部材を挟んで変位規制することも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のように軸方向の位置規制のため、両側双方にそれぞれスラストベアリングを設けることは、まずスラストベアリングを配置するスペースも確保しなければならないという問題を生じるとともに、部品増加によるコスト増と組み付け工数の増大が生じる。また、スナップリングで位置規制するものも、摩擦板との噛み合い部に加えて、相手方部材を挟むスナップリングを嵌め込む溝を形成するために、クラッチドラムに所定の軸方向長さを必要とするとともに、部品点数の増大を生じる。
【0005】したがって、本発明は、コスト、工数の増大を招くことなく、しかもサイズを大きくすることなく、クラッチドラムなど回転部材の軸方向変位が抑えられるようにした自動変速機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、遊星歯車機構とクラッチを備え、クラッチドラムと隣接する回転部材とがスプライン噛み合いにより一体に回転可能の連結構造を有して、複数の変速段を実現する自動変速機において、クラッチドラムと回転部材の一方に形成された第1のスプラインが切り上がり部を有し、クラッチドラムが所定量軸方向に変位したとき、クラッチドラムと回転部材の他方に形成された第2のスプラインの角部が上記の切り上がり部に当接することによりクラッチドラムが位置規制されるように構成されているものとした。スナップリング等を要せず、軸方向サイズの増大を招かない。
【0007】とくに、上記の回転部材が遊星歯車機構のピニオンを支持するキャリアである場合、その内周面に第2のスプラインを形成し、第1のスプラインをクラッチドラムのハブ部の端部外周面に形成することができる。クラッチドラムが遊星歯車機構側へ変位すると、ハブ部外周面の第1のスプラインの切り上がり部がキャリア内周面の第2のスプラインの角部と当接して規制される。切り上がり部はスプラインの加工に付随して形成されるので、特別の加工も要しない。さらに、ハブ部にスナップリング用のリング溝を形成するとき、切り上がり部の傾斜面の外径側終端に隣接させることにより、クラッチドラムのハブ部の長さを短くできる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施例により説明する。まず、図1は本発明が適用される実施例における変速機構を示すスケルトン図である。トランスミッションケースに支持された入力軸INの軸線にそって、トルクコンバータに接続される入力側から順に第1の遊星歯車機構G1と第2の遊星歯車機構G2が設けられる。なお、図では各部材が軸線に関して対称に構成されるので、軸線より下半部は図示省略してある。
【0009】第1の遊星歯車機構G1はシングルピニオン型、第2の遊星歯車機構G2はラビニオ型で、いずれも公知の構成である。第1の遊星歯車機構G1は、第1サンギヤS1、第1ピニオンP1、第1キャリアD1および第1リングギヤR1からなり、第1キャリアD1により回転可能に支持された第1ピニオンP1が第1サンギヤS1と第1リングギヤR1の間に位置してそれぞれと噛み合っている。
【0010】第2の遊星歯車機構G2は、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3、第2ピニオンP2と第3ピニオンP3、第2キャリアD2および第2リングギヤR2からなる。第2ピニオンP2と第3ピニオンP3は第2キャリアD2に回転可能に支持されるとともに互いに噛み合い、第2ピニオンP2はさらに第2サンギヤS2と第2リングギヤR2の間に位置してそれぞれと噛み合っている。さらに、第3ピニオンP3は第3サンギヤS3と噛み合っている。
【0011】入力軸INは第1回転メンバM1により第1の遊星歯車機構G1の第1リングギヤR1と一体的に連結され、また第2回転メンバM2により第3クラッチC3を介して第2の遊星歯車機構G2の第2キャリアD2と連結可能となっている。第1の遊星歯車機構G1の第1サンギヤS1は第4メンバM4によりトランスミッションケースに固定されている。第1キャリアD1は、第3回転メンバM3から順に、第1クラッチC1、第5回転メンバM5を介して第2の遊星歯車機構G2の第3サンギヤS3と連結可能となっている。
【0012】第2の遊星歯車機構G2の第2サンギヤS2は、第6回転メンバM6により第2クラッチC2を介して第3回転メンバM3と連結可能となっている。第6回転メンバM6はまた、第2ブレーキB2によりトランスミッションケースに固定可能である。第2の遊星歯車機構G2の第2キャリアD2には第7回転メンバM7が一体的に接続され、第7回転メンバM7は、並列に設けられた第1ブレーキB1とワンウエイクラッチOWCによりトランスミッションケースに固定可能となっている。
【0013】ワンウエイクラッチOWCは、入力軸INの回転と逆方向の回転入力に対して締結、すなわち第7回転メンバM7を固定する。そして、第2の遊星歯車機構G2の第2リングギヤR2に第8回転メンバM8を介して出力ギヤOUTが一体的に連結されている。
【0014】上記構成において、締結要素としての第1〜第3クラッチC1〜C3、第1、第2ブレーキB1、B2およびワンウエイクラッチOWCのうちの2個の締結により、図2のように前進6速、後進1段の変速段が得られる。図中、○が締結される締結要素を示す。
【0015】この変速作用の概略を次に説明する。 まず、前進第1速の選択にあたっては、図3の(a)に示すように、第1クラッチC1を締結する。なお、図中作動している遊星歯車機構、締結要素および回転メンバは太い実線で示してある。 以降の図においても同様である。第1の遊星歯車機構G1の第1リングギヤR1に第1回転メンバM1を経て入力された入力軸INの回転は、第1キャリアD1に減速されて出力され、その回転が第1クラッチC1(および第3、第5回転メンバ)を経て第2の遊星歯車機構G2の第3サンギヤS3に伝達される。
【0016】第2の遊星歯車機構G2の第1キャリアD1は、第7回転メンバM7を介してワンウエイクラッチOWCで逆方向回転を阻止されるから、第2の遊星歯車機構G2は第2リングギヤR2を第3サンギヤS3の回転に対して減速させる。これにより、第2リングギヤR2と一体の出力ギヤOUTに第1速が得られる。
【0017】つぎに前進第2速の選択にあたっては、第1速の状態から図3の(b)に示すように、さらに第2ブレーキB2を締結する。これにより、入力軸INの回転は同じく第2の遊星歯車機構G2の第3サンギヤS3に伝達されるとともに、第2ブレーキB2の締結により、第6回転メンバM6を介して第2サンギヤS2が固定される。この固定された第2サンギヤS2上を第2ピニオンP2が転動する結果、第2リングギヤR2と一体の出力ギヤOUTには第1速よりも増速された第2速が得られる。
【0018】前進第3速の選択にあたっては、第2速の状態から第2ブレーキB2の締結を開放し、図4の(c)に示すように、第2クラッチC2を締結する。第5回転メンバM5と第6回転メンバM6がそれぞれ第1クラッチC1、第2クラッチC2を介してともに第3回転メンバM3に連結され、第2の遊星歯車機構G2において第2サンギヤS2および第3サンギヤS3が一体に回転する。これにより、第2ピニオンP2と第3ピニオンP3がロックされる結果、第2リングギヤR2と一体の出力ギヤOUTが第1の遊星歯車機構G1の第1キャリアD1(第2サンギヤS2および第3サンギヤS3)と同一速度で回転する第3速が得られる。
【0019】前進第4速のためには、上記第3速の状態から第2クラッチC2の締結を開放するとともに、図4の(d)に示すように、第3クラッチC3を締結する。これにより、第1の遊星歯車機構G1を経て入力軸回転に対して減速されている第2の遊星歯車機構G2の第3サンギヤS3に対して、その第2キャリアD2が第2回転メンバM2を介して入力軸INと同一回転となる。そのため、第2ピニオンP2の自転方向は第2リングギヤR2を逆方向へ付勢する方向であるが、第2リングギヤR2は第3サンギヤS3よりも高回転となり、出力ギヤOUTには第1の遊星歯車機構G1の第1キャリアD1の回転よりは高い第4速が得られる。
【0020】前進第5速の選択にあたっては、第4速の状態から第1クラッチC1を開放し、図5の(e)に示すように、第2クラッチC2を締結状態とする。第1の遊星歯車機構G1において入力軸回転が減速された第1キャリアD1の回転が第2クラッチC2を経て第2の遊星歯車機構G2の第2サンギヤS2に伝達されるに対して、その第2キャリアD2が入力軸INと同一回転となる。これにより、第2の遊星歯車機構G2において第2サンギヤS2上を当該第2サンギヤS2と同方向に転動する第2ピニオンP2が第2リングギヤR2を増速する方向に回転し、出力ギヤOUTが第4速に比較してさらに増速された第5速が得られる。
【0021】前進第6速の選択にあたっては、第5速の状態から第2クラッチC2を開放し、図5の(f)に示すように、第2ブレーキB2を締結状態とする。ここでは、第2の遊星歯車機構G2の第2キャリアD2が入力軸INと同一回転する一方、第2ブレーキB2により第2サンギヤS2が固定されるので、第2キャリアD2上の第2ピニオンP2の回転が第5速よりさらに高くなる。これにより、第2リングギヤR2と一体の出力ギヤOUTには第5速よりも増速された第6速が得られる。
【0022】後進段の選択にあたっては、図6に示すように、第2クラッチC2と第1ブレーキB1を締結する。第1の遊星歯車機構G1において入力軸回転が減速された第1キャリアD1の回転が、第2クラッチC2を経て第2の遊星歯車機構G2の第2サンギヤS2に伝達される。一方、第2ピニオンP2を支持する第2キャリアD2は第7回転メンバM7を介して第1ブレーキB1により固定される。これにより、第2の遊星歯車機構G2のリングギヤは第2サンギヤS2に対して逆転し、出力ギヤOUTに後進段が得られる。なお、各遊星歯車機構におけるサンギヤ、リングギヤ等の歯数比は、搭載する車両等の特性に応じて各変速段の変速比配分が最適となるよう設定される。
【0023】図7は、第1の遊星歯車機構G1と第1クラッチC1まわりの具体的構造を示す断面図である。トランスミッションケース1のトルクコンバータ側に、オイルポンプケース3とポンプカバー4が取り付けられて、トランスミッションケース1の固定側隔壁を形成し、この固定側隔壁から所定の間隔をおいてトランスミッションケース1と一体の中間隔壁2が設けられている。ポンプカバー4からは突出筒部6が延びており、この突出筒部6を貫通して、入力軸INを支持するステータシャフト7が固定されている。
【0024】ポンプカバー4から中間隔壁2へ向かう軸方向上、ステータシャフト7の端部に対応する位置に第1の遊星歯車機構G1が配置され、その第1サンギヤS1がステータシャフト7の先端部とスプライン結合している。ポンプカバー4と中間隔壁2とで画成される空間には、第1の遊星歯車機構G1とポンプカバー4の間に第1クラッチC1が配置されるとともに、第1の遊星歯車機構G1を挟んで第1クラッチC1と反対側には第2クラッチC2が配置されている。
【0025】第1の遊星歯車機構G1の第1リングギヤR1は、中央に筒部31を備える円盤部材30の外周縁に溶接結合され、筒部31が入力軸INとスプライン結合している。筒部31の先端はステータシャフト7の端部と対向している。また、第1ピニオンP1は第1キャリアD1を構成するキャリアA41およびキャリアB42に支持されている。円盤部材30は第1回転メンバM1に該当し、ステータシャフト7は第4メンバM4に該当している。
【0026】円盤部材30とキャリアA41の間、およびキャリアA41と第1サンギヤS1の間にはそれぞれスラストベアリング13、14が設けられている。さらに、第1サンギヤS1とポンプカバー4の突出筒部6の端面の間にはスラストワッシャ33が設けられている。
【0027】第1クラッチC1のクラッチドラム50は、内筒のハブ部52とハブ部から外方へ延びる円盤部53と円盤部に連なる外筒54からなるインナ部材51と、インナ部材51の円盤部53に接合してさらに外方へ延びる縦壁56と縦壁に連なるドラム部57からなるアウタ部材55で構成され、ハブ部52がスリーブ58を介してポンプカバー4の突出筒部6に支持されている。また、円盤部53とポンプカバー4の間にはスラストベアリング15が設けられている。ドラム部57は第1の遊星歯車機構G1側へ延びている。ドラム部57の内側には対向してハブ60が設けられ、ドラム部57内周とハブ60外周に形成されたスプライン61、62に複数の摩擦板63が交互に噛み合っている。
【0028】クラッチドラム50のインナ部材51には、ハブ部52外周面と外筒54内周面の間にリング状シリンダ64が形成され、ピストン65が軸方向にストロークして摩擦板63を押圧可能となっている。また、ハブ部52外周にはスプリング受け67がスナップリング68で取り付けられ、ピストン65とスプリング受け67の間にリターンスプリング66が設けられている。第1クラッチC1のハブ60は第1の遊星歯車機構G1の外側を延びて、回転部材70の円盤部71に連なっている。回転部材70は、入力軸IN上に支持され軸方向に延びる筒部72により図示しない第2の遊星歯車機構G2の第3サンギヤS3と連結する。この回転部材70は第5回転メンバに該当する。
【0029】第2クラッチC2のクラッチドラム80は、内筒のハブ部82とハブ部から外方へ延びる円盤部83と円盤部に連なる外筒84からなるインナ部材81と、インナ部材81の円盤部83に接合してさらに外方へ延びる縦壁86と縦壁に連なるドラム部87からなるアウタ部材85で構成されている。中間隔壁2は軸方向両側へ延びる突出部21、22を備え、突出部21、22に形成された軸穴23を入力軸INが貫通している。クラッチドラム80のハブ部82はスリーブ88を介して突出部22に支持されている。
【0030】ドラム部87の内側には対向してハブ90が設けられ、ドラム部87内周とハブ90外周に形成されたスプライン91、92に複数の摩擦板93が交互に噛み合っている。ハブ90は第1クラッチC1のハブ60の外側を延びて、端部に外方へ延びる立ち上がり部94を有している。この立ち上がり部94が第1クラッチのクラッチドラム50のドラム部57の端部に係合して、第2クラッチC2のハブ90は第1クラッチのクラッチドラム50と一体に回転する。
【0031】クラッチドラム80のインナ部材81には、ハブ部82外周面と外筒84内周面の間にリング状シリンダ95が形成され、ピストン96が軸方向にストロークして摩擦板93を押圧可能となっている。また、ハブ部82外周にはスプリング受け98がスナップリング99で取り付けられ、ピストン96とスプリング受け98の間にリターンスプリング97が設けられている。
【0032】クラッチドラム80のハブ部82は回転部材100の円盤部101に連なっている。回転部材100は、入力軸INにそって延びる回転部材70上に支持され、軸方向に延びる筒部102により図示しない第2の遊星歯車機構G2の第2サンギヤS2と連結する。回転部材100は第6回転メンバに該当する。なお、クラッチドラム80のドラム部87の外周面には、第2ブレーキB2を構成するブレーキバンド104が係合可能に配置されている。
【0033】中間隔壁2の突出部22の端面と回転部材100の円盤部101の間にはスラストベアリング16が設けられ、また、円盤部101と回転部材70の円盤部71の間、および円盤部71と円盤部材30の間にもそれぞれスラストベアリング17、18が設けられている。
【0034】第1の遊星歯車機構G1のキャリアB42は、クラッチドラム50のハブ部52とスプライン結合によって連結される。図8はキャリアB42とハブ部52の結合部の詳細を示す拡大図である。キャリアB42の内径部44はピニオンシャフト10を支持するシャフト支持部43の厚さよりも軸方向に長寸に形成され、内周面にスプライン45が形成されている。一方、クラッチドラム50のハブ部52の先端部外周面にはスプライン45と噛み合うスプライン75が形成されている。
【0035】ハブ部52のスプライン75はスプリング受け67を規制するスナップリング68の取付部を略そのまま延長したハブ部先端部にプレス形成したもので、スプライン終端には傾斜面の切り上がり部77を有している。そして、クラッチドラム50はその設定位置から所定量中間隔壁2側へ変位したとき、そのハブ部52のスプラインの切り上がり部77がキャリアBの内径部44の角部46に当接するようになっている。
【0036】キャリアB42は、ピニオンシャフト10、キャリアA41を経て、スラストベアリング13、18、17、16により中間隔壁2方向への変位が規制されているから、これにより、クラッチドラム50は中間隔壁2方向への変位が適正に規制される。なお、キャリアBの角部46はスプラインの切り上がり部77の傾斜面に当たるので、その接触時のハブ部52に生じる曲げ応力は垂直に当たる場合よりも緩和される。一方、クラッチドラム50のポンプカバー4側への変位はスラストベアリング15によって規制される。
【0037】またキャリアB42のポンプカバー4方向への位置規制は、キャリアA41、スラストベアリング14、第1サンギヤS1、そして突出筒部6の端面に当接するスラストワッシャ33により行なわれる。キャリアB42の内径部44とハブ部52のスプライン結合部は第3回転メンバに該当している。駆動力の伝達は多くの変速段において、第1リングギヤR1入力、キャリアB42出力となって、スプライン45、75を経てクラッチドラム50に伝達されるから、クラッチドラム50はエンジン回転より低回転となり、バーストしにくい。
【0038】なお、この実施例では、図9にさらに拡大して示すように、ハブ部52の先端部において、スナップリング68を嵌め込むリング溝59は切り上がり部77の傾斜面の終端に極く近接した位置に形成してある。ここでは、切り上がり部77が傾斜面を形成しているため、リング溝59のエッジと切り上がり部の終端が近接していても、リング溝59の底部とスプライン75の谷径部との距離Wが長いので、スナップリング68がスプリング受け67から大きな力を受けても確実に当該スナップリングを保持でき、またリング溝59の底部にクラックが生じることもない。
【0039】本実施例は以上のように構成され、第1の遊星歯車機構G1のピニオンP1のキャリアB42とクラッチドラム50とがスプライン結合される自動変速機において、クラッチドラムのハブ部52に形成するスプライン75が切り上がり部77を有するものとし、クラッチドラム50とキャリアB42が相対変位したとき切り上がり部77がキャリアのスプラインが形成される内径部44に当接するようにしたので、少なくも軸方向の一方においては直接クラッチドラムに接するスラストベアリングなどを設ける必要なしにクラッチドラム50の変位を規制することができる。
【0040】また、切り上がり部はスプライン加工の際に付随して形成されるから、特別な加工も要せず、部品コストならびに工数が低減する。そして、スナップリング68用のリング溝59を切り上がり部77の傾斜面の終端に極く近接して形成できるので、クラッチドラムのハブ部52の長さを短くでき、その結果全体の軸方向寸法を短縮できる。
【0041】なお、実施例では、第1、第2の遊星歯車機構G1、G2と第1、第2、第3クラッチC1、C2、C3等を有して前進6速を得る自動変速機における第1の遊星歯車機構G1のキャリアと第1クラッチC1のクラッチドラムとの連結部に適用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、スプライン結合される種々の隣接部材間に適用することができる。
【0042】
【発明の効果】以上のとおり、本発明は、クラッチドラムと回転部材の一方に形成された第1のスプラインが切り上がり部を有し、クラッチドラムが所定量軸方向に変位したとき、クラッチドラムと回転部材の他方に形成された第2のスプラインの角部が上記の切り上がり部の傾斜面に当接することによりクラッチドラムが位置規制されるものとしたので、従来のようにスラストベアリングやスナップリング等による軸方向サイズの増大を招くことなく、また部品コストならびに工数を増大させることなく、クラッチドラムの変位規制ができるという効果を有する。
【0043】とくに、回転部材として遊星歯車機構のピニオンを支持するキャリアとクラッチドラムを連結する場合は、キャリアの内周面に第2のスプラインを形成し、第1のスプラインをクラッチドラムのハブ部の端部外周面に形成することにより、切り上がり部が第1のスプラインの加工に付随して形成されるので、加工も簡単である。さらに、ハブ部にスナップリング用のリング溝を形成するとき、切り上がり部の傾斜面の外径側終端に隣接させることにより、クラッチドラムのハブ部の長さを短くでき、その結果全体の軸方向寸法を短縮できる。




 

 


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