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発明の名称 自動変速機の制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−90829(P2001−90829A)
公開日 平成13年4月3日(2001.4.3)
出願番号 特願平11−267280
出願日 平成11年9月21日(1999.9.21)
代理人 【識別番号】100086450
【弁理士】
【氏名又は名称】菊谷 公男 (外2名)
【テーマコード(参考)】
3J052
【Fターム(参考)】
3J052 AA04 BB02 BB17 DA02 DA06 FB27 FB31 FB32 HA02 KA01 LA01 
発明者 海津 謙一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 複数の摩擦締結要素の締結または開放の組み合わせにより複数の前進変速段を実現するため、前記摩擦締結要素の締結または開放を制御する信号圧を給排する複数の変速段選択信号圧発生手段と、自動変速または手動変速により選択された変速段に応じて前記変速段選択信号圧発生手段を制御する変速制御手段を備える自動変速機の制御装置において、複数の前進変速段は、少なくも最低速変速段を含む複数の前進変速段からなる低変速段組と、該低変速段組より高い複数の前進変速段からなる高変速段組から構成され、前記複数の変速段選択信号圧発生手段は、前記変速制御手段の機能停止時には、低変速段組の中の所定の変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生し、高変速段組の中の所定の変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生する高変速段信号圧発生手段と、前記変速制御手段が低変速段組に属する変速段を選択時に、変速制御手段の機能が停止すると、前記変速段選択信号圧発生手段から供給される信号圧を前記摩擦締結要素に供給する低変速段フェイルセーフ手段と、前記変速制御手段が高変速段組に属する変速段を選択時に、変速制御手段の機能が停止すると、前記高変速段信号圧発生手段から供給される信号圧を前記摩擦締結要素へ供給する高変速段フェイルセーフ手段を備えることを特徴とする自動変速機の制御装置。
【請求項2】 複数の摩擦締結要素の締結または開放の組み合わせにより複数の前進変速段を実現するため、前記摩擦締結要素の締結または開放を制御する信号圧を給排する複数の変速段選択信号圧発生手段と、自動変速または手動変速により選択された変速段に応じて前記変速段選択信号圧発生手段を制御する変速制御手段を備える自動変速機の制御装置において、複数の前進変速段は、少なくも最低速変速段を含む複数の前進変速段からなる低変速段組と、該低変速段組より高い複数の前進変速段からなる高変速段組から構成され、前記複数の変速段選択信号圧発生手段は、前記変速制御手段の機能停止時には、低変速段組の中の所定の変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生し、高変速段組の中の所定の変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生する高変速段信号圧発生手段と、第1の切り換え位置では前記複数の変速段選択信号圧発生手段から発生された信号圧を前記摩擦締結要素に供給し、第2の切り換え位置では前記高変速段信号圧発生手段から発生された信号圧を前記摩擦締結要素に供給するフェイルセーフ弁と、該フェイルセーフ弁の切り換え位置を制御する高変速段記憶信号圧を給排する高変速段記憶弁と、前記高変速段記憶弁に高変速段記憶信号圧の元圧を給排する高変速段記憶キャンセル弁と、前記変速制御手段の正常動作時には前記フェイルセーフ弁へ正常動作信号圧を供給し、前記変速制御手段の機能停止時には正常動作信号圧の供給を停止する異常検知手段を有し、前記高変速段記憶弁は、前記変速制御手段が高変速段組に属する変速段を選択時には、前記高変速段記憶信号圧を供給し、また前記高変速段記憶信号圧により切り換え状態を自己保持することにより前記高変速段記憶信号圧の供給状態を記憶し、前記変速制御手段が高変速段組に属する変速段を選択しているときに、変速制御手段の機能が停止しても、前記高変速段記憶信号圧の供給を継続し、前記高変速段記憶キャンセル弁は、前記変速制御手段が低変速段組に属する変速段を選択時には、前記高変速段記憶信号圧の元圧の供給を停止することにより、前記高変速段記憶弁における切り換え状態の自己保持を解消し、前記高変速段記憶信号圧の供給状態の記憶をキャンセルし、前記フェイルセーフ弁は、前記正常動作信号圧のみが供給されている時または前記正常動作信号圧および前記高変速段記憶信号圧の両者が供給されていない時には、第1の切り換え位置となり、前記高変速段記憶信号圧のみが供給されれば、第2の切り換え位置となることを特徴とする自動変速機の制御装置。
【請求項3】 前記複数の変速段選択信号圧発生手段は、前記変速制御手段の機能停止時には、低変速段組の中で最も高い変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生することを特徴とする請求項1または2記載の自動変速機の制御装置。
【請求項4】 複数の摩擦締結要素の締結または開放の組み合わせにより複数の前進変速段を実現するため、前記摩擦締結要素の締結または開放を制御する信号圧を給排する複数の変速段選択信号圧発生手段と、自動変速または手動変速により選択された変速段に応じて前記変速段選択信号圧発生手段を制御する変速制御手段を備える自動変速機の制御装置において、複数の前進変速段は、少なくも最低速変速段を含む複数の前進変速段からなる低変速段組と、該低変速段組より高い複数の前進変速段からなる高変速段組から構成され、前記複数の変速段選択信号圧発生手段は、前記変速制御手段の機能停止時には、低変速段組の中で最も高い変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生し、高変速段組の中で最も高い変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生する高変速段信号圧発生手段と、第1のシフト位置では前記複数の変速段選択信号圧発生手段から発生された信号圧を前記摩擦締結要素に供給し、第2のシフト位置では高変速段信号圧発生手段から発生された信号圧を前記摩擦締結要素に供給するフェイルセーフシフトバルブと、フェイルセーフシフトバルブのシフト位置を制御する高変速段記憶信号圧を給排する高変速段記憶シフトバルブと、前記高変速段記憶シフトバルブに高変速段記憶信号圧の元圧を給排する高変速段記憶キャンセルシフトバルブと、前記変速制御手段の正常動作時には前記フェイルセーフシフトバルブと前記高変速段記憶キャンセルシフトバルブへシフト位置を制御する正常動作信号圧を供給し、前記変速制御手段の機能停止時には正常動作信号圧の供給を停止する異常検知手段と、前記変速制御手段が高変速段組に属する変速段を選択時には、前記高変速段記憶シフトバルブと前記高変速段記憶キャンセルシフトバルブへシフト位置を制御する高変速段選択信号圧を供給する高変速段選択信号圧発生手段を有し、前記高変速段記憶キャンセルシフトバルブは、前記正常動作信号圧および高変速段選択信号圧の両方の信号圧が供給された時、または両方の信号圧が供給されなかった時には、前記高変速段記憶信号圧の元圧を前記高変速段記憶シフトバルブへ供給し、前記高変速段記憶シフトバルブは、前記高変速段記憶信号圧により高変速段記憶シフトバルブ自身のシフト位置をも制御するものであり、高変速段選択信号圧および高変速段記憶信号圧の元圧が供給されている時、または高変速段選択信号圧および高変速段記憶信号圧の元圧が供給されている状態から高変速段選択信号圧の供給が停止された状態へ移行した時には、前記高変速段記憶信号圧を前記フェイルセーフシフトバルブへ供給し、前記フェイルセーフシフトバルブは、前記正常動作信号圧のみが供給されている時、または前記正常動作信号圧および前記高変速段記憶信号圧の両者が供給されていない時には、第1のシフト位置となり、正常動作信号圧が供給されず前記高変速段記憶信号圧のみが供給されていれば、第2のシフト位置となることを特徴とする自動変速機の制御装置。
【請求項5】 前記変速制御手段は、機能停止時には、すべての出力が非通電状態となり、前記異常検知手段は、非通電状態において信号圧を供給しないノーマルロウ型のソレノイドバルブであることを特徴とする請求項2、3または4記載の自動変速機の制御装置。
【請求項6】 前記変速制御手段は、機能停止時には、すべての出力が非通電状態となり、前記複数の変速段選択信号圧発生手段は、非通電状態において油圧を供給するノーマルハイ型のソレノイドバルブと非通電状態において信号圧を供給しないノーマルロウ型のソレノイドバルブから構成され、前記ノーマルハイ型のソレノイドは、低変速段組の中で最も高い変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生することを特徴とする請求項3または4記載の自動変速機の制御装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用の自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用の自動変速機の制御装置としては、例えば、トルクコンバータと同一軸線上に構成された主変速機とこれに平行に配置された副変速機からなる自動変速機において、遊星歯車機構を備え、クラッチ、ブレーキおよびワンウエイクラッチ等の摩擦締結機構を締結または開放させることにより、複数の変速段を実現する制御装置が知られている。
【0003】これらの制御装置では、オートマチック トランスミッション コントロールユニット(以下ATCUと記載)により、走行状態に適した変速段を算出し、制御装置内のソレノイドバルブをオン、オフ制御し、ソレノイドバルブを介して供給される油圧をシフトバルブ等から構成される油圧回路を介して摩擦締結機構に給排することにより、変速段を切り換えている。
【0004】上記のように構成される制御装置では、ATCUに故障が生じた場合などには、変速段設定用のソレノイドバルブが制御不可能になり、特定の変速段に変速段が固定されてしまうことがある。このため、従来の自動変速機の制御装置では、故障発生時には、故障発生後の走行性を確保するために、中間変速段または低変速段に移行するように油圧回路が設計されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年低消費エネルギー化等へ対応策として、走行特性を細かく制御するために、変速段の増加が進み、5速変速が可能な自動変速機が既に実用化され、6速変速が可能な自動変速機も検討されている。このため、第6速や第5速の高速段で走行中に故障が生じた時に、高速段から中間変速段である第3速や、低速段である第2速に変速段が移行すると、急激なダウンシフトにより走行性が悪化する恐れがある。
【0006】故障発生時に高速段から、中間変速段や低速段への変速段への移行を防止するためには、走行中の変速段に係わらず、故障発生時には最高速変速段へシフトアップするように、制御装置を構成することも考えられるが、やはり低速段で走行中に、急に最高速段へシフトアップしてしまった場合には、走行性が悪化する恐れがある。本発明は、自動変速機の制御装置において改良を進め、走行中に故障が生じた場合でも、走行性が悪化することのない自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の発明では、複数の摩擦締結要素の締結または開放の組み合わせにより複数の前進変速段を実現するため、摩擦締結要素の締結または開放を制御する信号圧を給排する複数の変速段選択信号圧発生手段と、自動変速または手動変速により選択された変速段に応じて変速段選択信号圧発生手段を制御する変速制御手段を備える自動変速機の制御装置において、複数の前進変速段は、少なくも最低速変速段を含む複数の前進変速段からなる低変速段組と、該低変速段組より高い複数の前進変速段からなる高変速段組から構成され、複数の変速段選択信号圧発生手段は、変速制御手段の機能停止時には、低変速段組の中の所定の変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生し、高変速段組の中の所定の変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生する高変速段信号圧発生手段と、変速制御手段が低変速段組に属する変速段を選択時に、変速制御手段の機能が停止すると、変速段選択信号圧発生手段から供給される信号圧を摩擦締結要素に供給する低変速段フェイルセーフ手段と、変速制御手段が高変速段組に属する変速段を選択時に、変速制御手段の機能が停止すると、高変速段信号圧発生手段から供給される信号圧を摩擦締結要素へ供給する高変速段フェイルセーフ手段とを備えるものとした。
【0008】請求項2記載の本発明では、複数の摩擦締結要素の締結または開放の組み合わせにより複数の前進変速段を実現するため、摩擦締結要素の締結または開放を制御する信号圧を給排する複数の変速段選択信号圧発生手段と、自動変速または手動変速により選択された変速段に応じて変速段選択信号圧発生手段を制御する変速制御手段を備える自動変速機の制御装置において、複数の前進変速段は、少なくも最低速変速段を含む複数の前進変速段からなる低変速段組と、該低変速段組より高い複数の前進変速段からなる高変速段組から構成され、複数の変速段選択信号圧発生手段は、変速制御手段の機能停止時には、低変速段組の中の所定の変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生し、高変速段組の中の所定の変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生する高変速段信号圧発生手段と、第1の切り換え位置では複数の変速段選択信号圧発生手段から発生された信号圧を摩擦締結要素に供給し、第2の切り換え位置では高変速段信号圧発生手段から発生された信号圧を摩擦締結要素に供給するフェイルセーフ弁と、フェイルセーフ弁の切り換え位置を制御する高変速段記憶信号圧を給排する高変速段記憶弁と、高変速段記憶弁に高変速段記憶信号圧の元圧を給排する高変速段記憶キャンセル弁と、変速制御手段の正常動作時にはフェイルセーフ弁へ正常動作信号圧を供給し、変速制御手段の機能停止時には正常動作信号圧の供給を停止する異常検知手段を有し、高変速段記憶弁は、変速制御手段が高変速段組に属する変速段を選択時には、高変速段記憶信号圧を供給し、また高変速段記憶信号圧により切り換え状態を自己保持することにより高変速段記憶信号圧の供給状態を記憶し、変速制御手段が高変速段組に属する変速段を選択しているときに、変速制御手段の機能が停止しても、高変速段記憶信号圧の供給を継続し、高変速段記憶キャンセル弁は、変速制御手段が低変速段組に属する変速段を選択時には、高変速段記憶信号圧の元圧の供給を停止することにより、高変速段記憶弁における切り換え状態の自己保持を解消し、高変速段記憶信号圧の供給状態の記憶をキャンセルし、フェイルセーフ弁は、正常動作信号圧のみが供給されている時または正常動作信号圧および高変速段記憶信号圧の両者が供給されていない時には、第1の切り換え位置となり、高変速段記憶信号圧のみが供給されれば、第2の切り換え位置となるものとした。
【0009】請求項3記載の本発明では、複数の変速段選択信号圧発生手段は、変速制御手段の機能停止時には、低変速段組の中で最も高い変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生するものとした。
【0010】請求項4記載の本発明では、複数の摩擦締結要素の締結または開放の組み合わせにより複数の前進変速段を実現するため、摩擦締結要素の締結または開放を制御する信号圧を給排する複数の変速段選択信号圧発生手段と、自動変速または手動変速により選択された変速段に応じて変速段選択信号圧発生手段を制御する変速制御手段を備える自動変速機の制御装置において、複数の前進変速段は、少なくも最低速変速段を含む複数の前進変速段からなる低変速段組と、該低変速段組より高い複数の前進変速段からなる高変速段組から構成され、複数の変速段選択信号圧発生手段は、変速制御手段の機能停止時には、低変速段組の中で最も高い変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生し、高変速段組の中で最も高い変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生する高変速段信号圧発生手段と、第1のシフト位置では複数の変速段選択信号圧発生手段から発生された信号圧を摩擦締結要素に供給し、第2のシフト位置では高変速段信号圧発生手段から発生された信号圧を摩擦締結要素に供給するフェイルセーフシフトバルブと、フェイルセーフシフトバルブのシフト位置を制御する高変速段記憶信号圧を給排する高変速段記憶シフトバルブと、高変速段記憶シフトバルブに高変速段記憶信号圧の元圧を給排する高変速段記憶キャンセルシフトバルブと、変速制御手段の正常動作時にはフェイルセーフシフトバルブと高変速段記憶キャンセルシフトバルブへシフト位置を制御する正常動作信号圧を供給し、変速制御手段の機能停止時には正常動作信号圧の供給を停止する異常検知手段と、変速制御手段が高変速段組に属する変速段を選択時には、高変速段記憶シフトバルブと高変速段記憶キャンセルシフトバルブへシフト位置を制御する高変速段選択信号圧を供給する高変速段選択信号圧発生手段を有し、高変速段記憶キャンセルシフトバルブは、正常動作信号圧および高変速段選択信号圧の両方の信号圧が供給された時、または両方の信号圧が供給されなかった時には、高変速段記憶信号圧の元圧を高変速段記憶シフトバルブへ供給し、高変速段記憶シフトバルブは、高変速段記憶信号圧により高変速段記憶シフトバルブ自身のシフト位置をも制御するものであり、高変速段選択信号圧および高変速段記憶信号圧の元圧が供給されている時、または高変速段選択信号圧および高変速段記憶信号圧の元圧が供給されている状態から高変速段選択信号圧の供給が停止された状態へ移行した時には、高変速段記憶信号圧をフェイルセーフシフトバルブへ供給し、フェイルセーフシフトバルブは、正常動作信号圧のみが供給されている時、または正常動作信号圧および高変速段記憶信号圧の両者が供給されていない時には、第1のシフト位置となり、正常動作信号圧が供給されず高変速段記憶信号圧のみが供給されていれば、第2のシフト位置となるものとした。
【0011】請求項5記載の発明では、変速制御手段は、機能停止時には、すべての出力が非通電状態となり、異常検知手段は、非通電状態において信号圧を供給しないノーマルロウ型のソレノイドバルブとすることもできる。
【0012】請求項6記載の発明では、変速制御手段は、機能停止時には、すべての出力が非通電状態となり、複数の変速段選択信号圧発生手段は、非通電状態において信号圧を供給するノーマルハイ型のソレノイドバルブと非通電状態において信号圧を供給しないノーマルロウ型のソレノイドバルブから構成され、ノーマルハイ型のソレノイドは、低変速段組の中で最も高い変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生するものとすることもできる。
【0013】上記のような構成により、請求項1記載の本発明では、低変速段組に属する変速段で走行中には、変速制御手段の機能が停止した場合には、低変速段フェイルセーフ手段により、変速段選択信号圧発生手段から出力される信号圧が摩擦締結要素へ供給される。変速制御手段の機能停止時には、変速段選択信号圧発生手段は低変速段組の中の所定の変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生しているので、この低変速段組の所定の変速段が締結される。
【0014】高変速段組に属する変速段で走行中には、変速制御手段の機能が停止した場合には、高変速段フェイルセーフ手段により、高変速段信号圧発生手段から出力される信号圧が摩擦締結要素へ供給される。変速制御手段の機能停止時には、高変速段信号圧発生手段は高変速段組の中の所定の変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生しているので、この高低変速段組の所定の変速段が締結される。
【0015】請求項3記載の本発明では、低変速段組に属する変速段で走行中には、異常検知手段から正常動作信号圧がフェイルセーフ弁に供給され、フェイルセーフ弁が第1の切り換え位置となる。この時に、変速制御手段の機能が停止すると、異常検知手段から正常動作信号圧の供給が停止する。一方、高変速段記憶弁からは、高変速段記憶信号圧がフェイルセーフ弁に供給されていない。このため、フェイルセーフ弁に、正常動作信号圧も高変速段記憶信号圧も供給されず、フェイルセーフ弁は第1の切り換え位置のまま固定される。
【0016】フェイルセーフ弁は第1の切り換え位置では、変速段選択信号圧発生手段から発生された信号圧を摩擦締結要素に供給するが、変速制御手段が正常に動作していないので、変速段選択信号圧発生手段からは、低変速段組の中の所定の変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧が発生されている。このため、摩擦締結要素は低変速段組の中の所定の変速段が選択されるように締結される。したがって、低変速段組に属する変速段で走行中に、変速制御手段の動作が正常に機能しなくなった時には、低変速段組に属する変速段に変速段が切り換えられ、固定される。
【0017】また、高変速段組に属する変速段で走行中には、異常検知手段から正常動作信号圧がフェイルセーフ弁に供給され、フェイルセーフ弁が第1の切り換え位置となる。このときには、高変速段記憶キャンセル弁は、高変速段記憶弁へ、高変速段記憶信号圧の元圧を供給する。高変速段記憶弁では、高変速段記憶信号圧をフェイルセーフ弁へ供給し、また高変速段記憶信号圧により切り換え状態を自己保持する。しかし、フェイルセーフ弁には、異常検知手段から正常動作信号圧が供給されているため、フェイルセーフ弁の切り換え位置が第1の切り換え位置から変化することはない。
【0018】しかし、変速制御手段の機能が停止すると、異常検知手段から正常動作信号圧の供給が停止する。このため、フェイルセーフ弁には、正常動作信号圧が供給されない。一方、高変速段記憶キャンセル弁は、高変速段記憶弁へ、高変速段記憶信号圧の元圧を供給しているので、高変速段記憶弁では、高変速段記憶信号圧をフェイルセーフ弁へ供給し、また高変速段記憶信号圧により切り換え状態を自己保持する。このため、フェイルセーフ弁においては、高変速段記憶信号圧のみが供給される状態となり、フェイルセーフ弁は第2の切り換え位置に切り換えられる。
【0019】フェイルセーフ弁は第2の切り換え位置においては、高変速段信号圧発生手段から発生された信号圧を摩擦締結要素に供給するため、摩擦締結要素は高変速段組の中の所定の変速段が選択されるように締結される。したがって、高変速段組に属する変速段で走行中に、変速制御手段の動作が正常に機能しなくなった時には、変速段が高変速段組に属する所定変速段に切り換って固定される。
【0020】なお、高変速段記憶キャンセル弁は、高変速段組の変速段から低変速段組の変速段に切り換えられたときに、高変速段記憶信号圧の元圧の供給を停止し、高変速段記憶弁の自己保持状態をキャンセルする。これにより、高変速段組の変速段から低変速段組の変速段に切り換えられたときに、高変速段記憶弁は高変速段記憶信号圧の出力を停止する。
【0021】請求項3記載の本発明では、低変速段組に属する変速段で走行中には、変速制御手段の機能が停止した場合には、変速段選択信号圧発生手段は低変速段組の中の最も高い変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を発生しているので、低変速段組の中の最も高い変速段が締結される。
【0022】請求項4記載の本発明では、低変速段組に属する変速段で走行中に、異常検知手段から正常動作信号圧がフェイルセーフシフトバルブに供給され、フェイルセーフシフトバルブが第1のシフト位置にシフトされる。この時に、変速制御手段の機能が停止すると、異常検知手段から正常動作信号圧の供給が停止する。一方、高変速段記憶シフトバルブからは、高変速段記憶信号圧がフェイルセーフシフトバルブにも高変速段記憶シフトバルブ自身にも供給されていない。このため、フェイルセーフシフトバルブには、正常動作信号圧も高変速段記憶信号圧も供給されていないので、フェイルセーフシフトバルブは第1のシフト位置のまま固定される。
【0023】フェイルセーフシフトバルブは第1のシフト位置のときには、変速段選択信号圧発生手段から発生された信号圧を摩擦締結要素に供給するが、変速制御手段が正常に動作していないので、変速段選択信号圧発生手段からは、低変速段組の中で、最も高い変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧が発生されている。このため、摩擦締結要素は低変速段組の中で、最も高い変速段が選択されるように締結される。したがって、低変速段組に属する変速段で走行中に、変速制御手段の動作が正常に機能しなくなった時には、低変速段組に属する変速段の中の最も高い変速段に変速段が切り換り、固定される。
【0024】また、高変速段組に属する変速段で走行中に、異常検知手段から正常動作信号圧がフェイルセーフシフトバルブに供給され、フェイルセーフシフトバルブが第1のシフト位置にシフトされる。このときには、高変速段選択信号圧発生手段から高変速段選択信号圧が、高変速段記憶キャンセルシフトバルブへ供給されているため、高変速段記憶キャンセルシフトバルブは、高変速段記憶シフトバルブへ、高変速段記憶信号圧の元圧を供給する。
【0025】高変速段記憶シフトバルブでは、高変速段選択信号圧発生手段から高変速段選択信号圧が供給され、高変速段記憶信号圧の元圧も供給されているので、高変速段記憶信号圧をフェイルセーフシフトバルブへ供給する。しかし、フェイルセーフシフトバルブには、異常検知手段から正常動作信号圧が供給されているため、フェイルセーフシフトバルブのシフト位置が第1のシフト位置から変化することはない。
【0026】しかし、変速制御手段の機能が停止すると、異常検知手段から正常動作信号圧の供給が停止する。このため、フェイルセーフシフトバルブには、正常動作信号圧が供給されない。一方、高変速段記憶シフトバルブでは、高変速段選択信号圧発生手段から高変速段選択信号圧が供給され、高変速段記憶信号圧の元圧も供給されているので、高変速段記憶信号圧をフェイルセーフシフトバルブへ供給する。このため、フェイルセーフシフトバルブには、高変速段記憶信号圧のみが供給される状態となり、フェイルセーフシフトバルブは第2のシフト位置にシフトする。
【0027】フェイルセーフシフトバルブが第2のシフト位置にシフトされると、高変速段信号圧発生手段から発生された信号圧を摩擦締結要素に供給するため、摩擦締結要素は最高速変速段が選択されるように締結される。したがって、高変速段組に属する変速段で走行中に、変速制御手段の動作が正常に機能しなくなった時には、変速段が最高速変速段に切り換り、固定される。
【0028】なお、高変速段記憶キャンセルシフトバルブは、高変速段組の変速段から低変速段組の変速段に切り換えられたときに、高変速段記憶信号圧の元圧の供給を停止し、高変速段記憶シフトバルブの自己保持状態をキャンセルする。これにより、高変速段組の変速段から低変速段組の変速段に切り換えられたときに、高変速段記憶シフトバルブは、高変速段記憶信号圧の出力を停止する。
【0029】また、異常検知手段としてノーマルロウ型のソレノイドバルブを用いれば、簡単な回路構成で、変速制御手段の機能が停止してすべての出力が非通電状態となった場合に、正常動作信号圧の供給を停止することができる。さらに、複数の変速段選択信号圧発生手段を、ノーマルハイ型のソレノイドバルブとノーマルロウ型のソレノイドバルブから構成し、低変速段組の中で最も高い変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧をノーマルハイ型のソレノイドにより供給することにより、簡単な回路構成で、変速制御手段の機能が停止してすべての出力が非通電状態となったときに、低変速段組の中で最も高い変速段で締結される摩擦締結要素に供給する信号圧を供給することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。本実施例は、前進6速後退1速の自動変速機に適用される。図1は本発明が適用される実施例における変速機構を示すスケルトン図である。トランスミッションケースに支持された入力軸INの軸線にそって、トルクコンバータに接続される入力側から順に第1の遊星歯車機構G1と第2の遊星歯車機構G2が設けられる。なお、図では各部材が軸線に関して対称に構成されるので、軸線より下半部は図示省略してある。
【0031】第1の遊星歯車機構G1はシングルピニオン型、第2の遊星歯車機構G2はラビニオ型で、いずれも公知の構成である。第1の遊星歯車機構G1は、第1サンギヤS1、第1ピニオンP1、第1キャリアD1および第1リングギヤR1からなり、第1キャリアにより回転可能に支持された第1ピニオンP1が第1サンギヤS1と第1リングギヤR1の間に位置してそれぞれと噛み合っている。
【0032】第2の遊星歯車機構G2は、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3、第2ピニオンP2と第3ピニオンP3、第2キャリアD2および第2リングギヤR2からなる。第2ピニオンP2と第3ピニオンP3は第2キャリアD2に回転可能に支持されるとともに互いに噛み合い、第2ピニオンP2はさらに第2サンギヤS2と第2リングギヤR2の間に位置してそれぞれと噛み合っている。さらに、第3ピニオンP3は第3サンギヤS3と噛み合っている。
【0033】入力軸INは第1回転メンバM1により第1の遊星歯車機構G1の第1リングギヤR1と一体的に連結され、また第2回転メンバM2により第3クラッチC3を介して第2の遊星歯車機構G2の第2キャリアD2と連結可能となっている。第1の遊星歯車機構G1の第1サンギヤS1は第4メンバM4によりトランスミッションケースに固定されている。第1キャリアD1は、第3回転メンバM3から順に、第1クラッチC1、第5回転メンバM5を介して第2の遊星歯車機構G2の第3サンギヤS3と連結可能となっている。
【0034】第2の遊星歯車機構G2の第2サンギヤS2は、第6回転メンバM6により第2クラッチC2を介して第3回転メンバM3と連結可能となっている。第6回転メンバM6はまた、第2ブレーキB2によりトランスミッションケースに固定可能である。第2の遊星歯車機構G2の第2キャリアD2には第7回転メンバM7が一体的に接続され、第7回転メンバM7は、並列に設けられた第1ブレーキB1とワンウエイクラッチOW1によりトランスミッションケースに固定可能となっている。ワンウエイクラッチOW1は、入力軸INの回転と逆方向の回転入力に対して締結、すなわち第7回転メンバM7を固定する。そして、第2の遊星歯車機構G2の第2リングギヤR2に第8回転メンバM8を介して出力ギヤOUTが一体的に連結されている。
【0035】上記構成において、締結要素としての第1〜第3クラッチC1〜C3、第1、第2ブレーキB1、B2およびワンウエイクラッチOW1のうちの2個の締結により、図2に示すように前進6速、後進1段の変速段が得られる。図中、○が締結される締結要素を示す。
【0036】この変速作用の概略を次に説明する。 まず、前進第1速の選択にあたっては、図3の(a)に示すように、第1クラッチC1を締結する。なお、図中作動している締結要素および回転メンバは太い実線で示してある。以降の図においても同様である。第1の遊星歯車機構G1の第1リングギヤR1に第1回転メンバM1を経て入力された入力軸INの回転は、第1キャリアD1に減速されて出力され、その回転が第1クラッチC1(および第3、第5回転メンバM3、M5)を経て第2の遊星歯車機構G2の第3サンギヤS3に伝達される。
【0037】第2の遊星歯車機構G2の第2キャリアD2は、第7回転メンバM7を介してワンウエイクラッチOW1で逆方向回転を阻止されるから、第2の遊星歯車機構G2は第2リングギヤR2を第3サンギヤS3の回転に対して減速させる。これにより、第2リングギヤR2と一体の出力ギヤOUTに第1速が得られる。
【0038】つぎに前進第2速の選択にあたっては、第1速の状態から図3の(b)に示すように、さらに第2ブレーキB2を締結する。これにより、入力軸INの回転は同じく第2の遊星歯車機構G2の第3サンギヤS3に伝達されるとともに、第2ブレーキB2の締結により、第6回転メンバM6を介して第2サンギヤS2が固定される。この固定された第2サンギヤS2上を第2ピニオンP2が転動する結果、第2リングギヤR2と一体の出力ギヤOUTには第1速よりも増速された第2速が得られる。
【0039】前進第3速の選択にあたっては、第2速の状態から第2ブレーキB2の締結を開放し、図4の(a)に示すように、第2クラッチC2を締結する。第5回転メンバM5と第6回転メンバM6がそれぞれ第1クラッチC1、第2クラッチC2を介してともに第3回転メンバM3に連結され、第2の遊星歯車機構G2において第2サンギヤS2および第3サンギヤS3が一体に回転する。これにより、第2ピニオンP2と第3ピニオンP3がロックされる結果、第2リングギヤR2と一体の出力ギヤOUTが第1の遊星歯車機構G1の第1キャリア(第2サンギヤS2および第3サンギヤS3)と同一速度で回転する第3速が得られる。
【0040】前進第4速のためには、上記第3速の状態から第2クラッチC2の締結を開放するとともに、図4の(b)に示すように、第3クラッチC3を締結する。これにより、第1の遊星歯車機構G1を経て入力軸回転に対して減速されている第2の遊星歯車機構G2の第3サンギヤS3に対して、その第2キャリアD2が第2回転メンバM2を介して入力軸INと同一回転となる。そのため、第2ピニオンP2の自転方向は第2リングギヤR2を逆方向へ付勢する方向であるが、第2リングギヤR2は第3サンギヤS3よりも高回転となり、出力ギヤOUTには第1の遊星歯車機構G1の第1キャリアD1の回転よりは高い第4速が得られる。
【0041】前進第5速の選択にあたっては、第4速の状態から第1クラッチC1を開放し、図5の(a)に示すように、第2クラッチC2を締結状態とする。第1の遊星歯車機構G1において入力軸回転が減速された第1キャリアD1の回転が第2クラッチC2を経て第2の遊星歯車機構G2の第2サンギヤS2に伝達されるに対して、その第2キャリアD2が入力軸INと同一回転となる。これにより、第2の遊星歯車機構G2において第2サンギヤS2上を当該第2サンギヤS2と同方向に転動する第2ピニオンP2が第2リングギヤR2を増速する方向に回転し、出力ギヤOUTが第4速に比較してさらに増速された第5速が得られる。
【0042】前進第6速の選択にあたっては、第5速の状態から第2クラッチC2を開放し、図5の(b)示すように、第2ブレーキB2を締結状態とする。ここでは、第2の遊星歯車機構G2の第2キャリアD2が入力軸INと同一回転する一方、第2ブレーキB2により第2サンギヤS2が固定されるので、第2キャリアD2上の第2ピニオンP2の回転が第5速よりさらに高くなる。これにより、第2リングギヤR2と一体の出力ギヤOUTには第5速よりも増速された第6速が得られる。
【0043】後進段の選択にあたっては、図6に示すように、第2クラッチC2と第1ブレーキB1を締結する。第1の遊星歯車機構G1において入力軸回転が減速された第1キャリアD1の回転が、第2クラッチC2を経て第2の遊星歯車機構G2の第2サンギヤS2に伝達される。一方、第2ピニオンP2を支持する第2キャリアD2は第7回転メンバM7を介して第1ブレーキB1により固定される。これにより、第2の遊星歯車機構G2のリングギヤR2は第2サンギヤS2に対して逆転し、出力ギヤOUTに後進段が得られる。なお、各遊星歯車機構におけるサンギヤ、リングギヤ等の歯数比は、搭載する車両等の特性に応じて各変速段の変速比配分が最適となるよう設定される。
【0044】次に、上記動力伝達機構の油圧制御回路のうち本発明に直接関連する部分を取り出して図7に示す。本実施例の制御回路は、ATCU41と通常動作時に変速段を切り換えるソレノイドバルブSA、ソレノイドバルブSB、ソレノイドバルブSCおよびソレノイドバルブSDと、ATCU41の動作状態を検知する異常検知ソレノイドバルブSEと、フェイルセーフ動作用のフェイルセーフシフトバルブVAと、フェイルセーフ動作時に低変速段組に属する第1速、第2速または第3速で走行中か、または高変速段組に属する第4速、第5速または第6速で走行中かを検知するための高変速段記憶シフトバルブVBおよび高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCと、パイロット圧(以下P圧と記載)を供給するパイロットバルブ42と、前進変速段が選択された場合にドライブ圧(以下D圧と記載)を供給するマニュアルバルブ43から構成されている。
【0045】この制御回路は、ATCU41が走行状態に適した変速段を算出し、摩擦締結要素の締結または開放を制御する信号圧としての油圧を給排するソレノイドバルブをハイ、ロウ制御することにより変速段を切り換える、直動タイプの油圧制御回路である。通常の変速段切り換えは、ATCU41の制御により、第1クラッチC1の締結および非締結(開放)を制御するソレノイドバルブSA、第2クラッチC2の締結および非締結を制御するソレノイドバルブSB、第2ブレーキB2の締結および非締結を制御するソレノイドバルブSCおよび第3クラッチC3の締結および非締結を制御するソレノイドバルブSDの各ソレノイドバルブのハイ、ロウ状態を図8に示すように、変速段に応じて切り換えることにより行なわれる。各ソレノイドバルブから出力される油圧は、ソレノイドバルブ自身の油圧制御機能により、適宜適切な圧力に制御されている。
【0046】まず、個々のシフトバルブにおける油路の連通状態を説明する。各シフトバルブはバルブ端面に作用する油圧の給排によりシフト位置が切り換り、油路の連通状態を変化させている。フェイルセーフシフトバルブVAには、図中右方向に押す力として、バルブ端面にスプリング力および油路50を介して供給される油圧が作用し、図中左方向に押す力としては、油路51を介して供給される油圧が作用する。スプリング力は、予め油路51の油圧>スプリング力となるように設定されている。また、詳細は後述するが、油路50および油路51に供給される油圧はどちらもP圧であり、同一油圧である。
【0047】まず、油路51に油圧が供給されない場合には、油路50に油圧が供給されているか否かに係わらず、スプリング力により、フェイルセーフシフトバルブVAは右側にシフトされ第1のシフト位置となる。油路51に油圧が供給された場合でも、油路50に油圧が供給されている場合には、油路51の油圧と油路50の油圧が打ち消し合ってしまい、スプリング力により、フェイルセーフシフトバルブVAは右側にシフトされ第1のシフト位置となる。油路51に油圧が供給され、かつ油路50に油圧が供給されていない場合には、フェイルセーフシフトバルブVAは左側にシフトされ第2のシフト位置となる。
【0048】第1のシフト位置では、フェイルセーフシフトバルブVAの上下の油路は図7に実線で示すように連通する。すなわち、油路52は油路53と、油路54は油路55と、油路56は油路57と、油路58は油路59と連通する。フェイルセーフシフトバルブVAが左側にシフトされた第2のシフト位置では、フェイルセーフシフトバルブVAの上下の油路は破線のように連通する。すなわち、油路52および油路54はドレーンポート(図中×印)よりドレーンされ、油路56は油路60と連通し、油路58は油路61と連通する。
【0049】油路52は第1クラッチC1に接続され、油路54は第2クラッチC2に接続され、油路56は第2ブレーキB2に接続され、油路58は第3クラッチC3に接続されている。油路53は、ソレノイドバルブSAに接続され、油路55はソレノイドバルブSBに接続され、油路57はソレノイドバルブSCに接続され、油路59はソレノイドバルブSDに接続されている。また油路60および油路61には、マニュアルバルブ43からD圧が供給されている。
【0050】高変速段記憶シフトバルブVBには、図7中右方向に押す力として、バルブ端面に油路63および油路64を介して供給される油圧が作用し、図中左方向に押す力としては、スプリング力が作用する。高変速段記憶シフトバルブVBに作用する油圧およびスプリング力は、予め油路63の油圧>スプリング力油路64の油圧>スプリング力となるように設定されている。
【0051】このため、油路63または油路64に油圧が供給された場合には、高変速段記憶シフトバルブVBは図中右側にシフトされる。油路63と油路64のどちらにも油圧が供給されない場合には、スプリング力により、高変速段記憶シフトバルブVBは図中左側にシフトされる。高変速段記憶シフトバルブVBが右側にシフトされると、油路51は図7中実線で示すように油路65と連通する。高変速段記憶シフトバルブVBが左側にシフトされると破線に示すように油路51はドレーンされる。
【0052】高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCには、図中右方向に押す力として、スプリング力および油路67を介して供給される油圧が作用し、左方向に押す力としては、油路68を介して供給される油圧が作用する。高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCに作用する油圧およびスプリング力は、予め油路67の油圧+スプリング力>油路68の油圧油路68の油圧>スプリング力となるように設定されている。
【0053】このため、油路68に油圧が供給されない場合には、油路67に油圧が供給されているか否かに係わらず、スプリング力により高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCは右側にシフトされる。油路68に油圧が供給された場合でも、油路67に油圧が供給されていると、高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCは右側にシフトされる。
【0054】油路68に油圧が供給され、かつ油路67に油圧が供給されていない場合には、高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCは左側にシフトされる。高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCが右側にシフトされると、油路65は図中実線で示すように油路69と連通する。左側にシフトされると、破線で示すように油路65はドレーンされる。油路69はパイロットバルブ42に接続されている。
【0055】ソレノイドバルブSA、ソレノイドバルブSB、ソレノイドバルブSCおよびソレノイドバルブSDには、元圧として図示省略したオイルポンプおよびプレッシャーレギュレータにより生成されるライン圧が供給され、ATCU41の制御により、油圧を給排している。ソレノイドバルブSAおよびソレノイドバルブSBは、ノーマルハイ(N/H)型のソレノイドバルブであり、通電されていない場合には、ライン圧を供給し、通電されると、ライン圧の供給を停止する。ソレノイドバルブSCおよびソレノイドバルブSDは、ノーマルロウ(N/L)型のソレノイドバルブであり、通電されていない場合には、ライン圧の供給を停止し、通電されるとライン圧を供給する。
【0056】異常検知ソレノイドバルブSEには、元圧としてパイロットバルブ42から、油路69および油路70を介して、P圧が供給されているノーマルロウ型のソレノイドバルブであり、ATCU41により通電されるとP圧を油路50に供給する。通電されていない場合には、P圧の供給を停止する。ATCU41は、運転者による走行レンジの選択情報や、走行状態に応じて適切な変速段を選択し、選択した変速段に応じてソレノイドバルブSA、ソレノイドバルブSB、ソレノイドバルブSCおよびソレノイドバルブSDの通電、非通電状態を制御する。また、前進変速段が選択されている場合には、常に異常検知ソレノイドバルブSEを通電状態に制御する。
【0057】パイロットバルブ42は、元圧としてライン圧が供給され、所定の油圧を有するP圧を油路69および油路70に供給している。元圧がライン圧であるため、エンジンが停止された場合には、油路69へのP圧の供給は停止される。マニュアルバルブ43は、運転者により前進レンジが選択されると、D圧を供給する。
【0058】なお、フェイルセーフシフトバルブVA、高変速段記憶シフトバルブVBおよび異常検知ソレノイドバルブSEは、発明の低変速段フェイルセーフ手段および高変速段フェイルセーフ手段を構成する。特に、フェイルセーフシフトバルブVAは発明のフェイルセーフ弁を構成し、高変速段記憶シフトバルブVBは高変速段記憶弁を、高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCは高変速段記憶キャンセル弁を構成する。また、ATCU41は発明の変速制御手段を構成し、異常検知ソレノイドバルブSEは異常検知手段を構成する。
【0059】また、ソレノイドバルブSA、ソレノイドバルブSB、ソレノイドバルブSCおよびソレノイドバルブSDは発明の変速段選択信号圧発生手段を構成し、特にソレノイドバルブSDは発明の高変速段選択信号圧発生手段を兼ねている。またマニュアルバルブ43は発明の高変速段信号圧発生手段を構成する。
【0060】次にまず、正常な制御が行われている時の油圧の供給状態を説明する。図9は、変速段として第1速、第2速または第3速が選択されている場合の油圧の供給状態を示す図である。図2に示すように、第1速では第1クラッチC1のみが締結すればよいので、ATCU41により、ノーマルハイ型のソレノイドバルブであるソレノイドバルブSAは非通電状態に制御され油路53に油圧を供給する。
【0061】同じくノーマルハイ型のソレノイドバルブであるソレノイドバルブSBは通電状態に制御され油路55には油圧は供給されない。ソレノイドバルブSCおよびソレノイドバルブSDは、ノーマルロウ型であるので、ATCU41により、非通電状態に制御され、油路57および油路59にも油圧は供給されない。
【0062】第2速では第1クラッチC1および第2ブレーキB2が締結すればよいので、ATCU41により、ソレノイドバルブSAは非通電状態に制御され油路53に油圧を供給し、ソレノイドバルブSCは通電状態に制御され、油路57に油圧を供給する。また、ATCU41により、ソレノイドバルブSBは通電状態に制御され油路55には油圧は供給されず、ソレノイドバルブSDは、非通電状態に制御され油路59にも油圧は供給されない。
【0063】第3速では第1クラッチC1および第2クラッチC2が締結すればよいので、ATCU41により、ソレノイドバルブSAおよびソレノイドバルブSBは非通電状態に制御され油路53および油路55には油圧が供給される。また、ソレノイドバルブSCおよびソレノイドバルブSDは非通電状態に制御され油路57および油路59には、油圧は供給されない。
【0064】パイロットバルブ42から油路69および油路70に、P圧が供給されている。ATCU41が正常に動作している場合には、ノーマルロウ型のソレノイドバルブである異常検知ソレノイドバルブSEは通電状態に制御されているので、油路50および油路68には、P圧が供給されている。
【0065】また低速段である1速、第2速または第3速では、ノーマルロウ型のソレノイドバルブであるソレノイドバルブSDは非通電状態に制御され、油路64および油路67には油圧が供給されていない。このため、高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCにおいては、油路67には油圧が供給されず、油路68には油圧が供給され、高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCは左側にシフトし、油路65はドレインされる。
【0066】高変速段記憶シフトバルブVBにおいては、油路64にも油路63にも油圧が供給されていないため、高変速段記憶シフトバルブVBは左側にシフトし、油路51もドレインされる。したがって、フェイルセーフシフトバルブVAにおいては、油路51に油圧が供給されないので、フェイルセーフシフトバルブVAは右側にシフトされる第1のシフト位置となり、油路52は油路53と、油路54は油路55と、油路56は油路57と、油路58は油路59と連通し、ソレノイドバルブSA、ソレノイドバルブSB、ソレノイドバルブSCおよびソレノイドバルブSDは、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第2ブレーキB2および第3クラッチC3と接続される。
【0067】図10は、第4速、第5速または第6速が選択されている場合の油圧の供給状態を示す図である。図2に示すように、第4速では第1クラッチC1と第3クラッチC3が締結すればよいので、ATCU41により、ソレノイドバルブSAは非通電状態に、ソレノイドバルブSDは通電状態に制御され、油路53および油路59に油圧が供給される。ソレノイドバルブSBは通電状態に、ソレノイドバルブSCは非通電状態に制御され、油路55および油路57には油圧が供給されない。
【0068】第5速では第2クラッチC2と第3クラッチC3が締結すればよいので、ATCU41により、ソレノイドバルブSBは非通電状態に、ソレノイドバルブSDは通電状態に制御され、油路55および油路59に油圧が供給される。ソレノイドバルブSAは通電状態に、ソレノイドバルブSCは非通電状態に制御され、油路53および油路57には油圧が供給されない。第6速では第2ブレーキB2と第3クラッチC3が締結すればよいので、ATCU41により、ソレノイドバルブSCおよびソレノイドバルブSDは通電状態に制御され、油路57および油路59に油圧が供給される。ソレノイドバルブSAおよびソレノイドバルブSBは通電状態に制御され、油路53および油路55には油圧が供給されない。
【0069】ATCU41が正常に動作していれば、異常検知ソレノイドバルブSEは通電状態に制御され、油路50および油路68には、P圧が供給されている。また第4速、第5速または第6速が選択された場合には、ノーマルロウ型のソレノイドバルブであるソレノイドバルブSDは通電状態に制御されているため、油路64および油路67には油圧が供給される。このため、高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCにおいては、油路67および油路68に油圧が供給され、この場合には、高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCは右側にシフトするので、油路65は油路69と連通し、油路65にはP圧が供給される。
【0070】高変速段記憶シフトバルブVBにおいては、油路64には油圧が供給されるため、高変速段記憶シフトバルブVBは右にシフトし、油路51は油路65と連通され、油路51にはP圧が供給される。また、油路51から油路63にもP圧が供給され、後述するATCU41の機能停止時に、フェイルセーフ動作を行うために、高変速段記憶シフトバルブVBのシフト位置を固定する。
【0071】フェイルセーフシフトバルブVAにおいては、油路51にパイロット圧が供給されるが、油路50にもパイロット圧が供給されているため、油圧の作用は打ち消され、スプリング力により、フェイルセーフシフトバルブVAは右側にシフトし、ソレノイドバルブSA、ソレノイドバルブSB、ソレノイドバルブSCおよびソレノイドバルブSDは、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第2ブレーキB2および第3クラッチC3と接続される。
【0072】次に、ATCU41に異常が生じ、機能が停止した場合に行なわれるフェイルセーフ動作時の油圧の供給状態を説明する。まず低変速段である、第1速、第2速または第3速が選択されていた場合に、ATCU41の機能が停止した場合の油圧の供給状態を図11に示す。ATCU41の機能が停止してしまった場合には、本来ATCU41から通電または非通電されることにより、ハイまたはロウ状態に制御されていたソレノイドバルブSA、ソレノイドバルブSB、ソレノイドバルブSCおよびソレノイドバルブSDは、すべて非通電状態に固定されてしまう。
【0073】そのため、ノーマルハイ型のソレノイドバルブであるソレノイドバルブSAおよびソレノイドバルブSBは、非通電状態ではハイ状態となり、油路53および油路55に油圧を供給する。ノーマルロウ型のソレノイドバルブであるソレノイドバルブSCおよびソレノイドバルブSDは、非通電状態ではロウになり、油路57および油路59には油圧が供給されない。
【0074】エンジンは動作しているため、パイロットバルブ42から油路69および油路70に、P圧が供給されている。しかし、ATCU41の機能停止時には、ノーマルロウ型のソレノイドバルブである異常検知ソレノイドバルブSEも非通電状態となり、異常検知ソレノイドバルブSEはロウ状態に固定されてしまうため、油路50および油路68には、P圧が供給されない。
【0075】このため、高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCにおいては、油路67にも油路68にも油圧は供給されず、高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCは右側にシフトし、油路65は油路69と連通し、油路65にはP圧が供給される。高変速段記憶シフトバルブVBにおいては、油路64にも油路63にも油圧が供給されていないため、高変速段記憶シフトバルブVBは左側にシフトし、油路51はドレインされる。
【0076】したがって、フェイルセーフシフトバルブVAにおいては、油路51に油圧が供給されないので、フェイルセーフシフトバルブVAは右側にシフトした第1のシフト位置となり、ソレノイドバルブSA、ソレノイドバルブSB、ソレノイドバルブSCおよびソレノイドバルブSDは、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第2ブレーキB2および第3クラッチC3と接続される。このとき、油路53および油路55には油圧が供給されているため、第1クラッチC1および第2クラッチC2は締結され、正常動作時における第3速の状態となる。したがって、第1速、第2速または第3速で走行中にATCU41の機能が停止した場合には、変速段は第3速に固定される。
【0077】次に、高変速段である第4速、第5速または第6速が選択されていた場合に、ATCU41の機能が停止した場合の油圧の供給状態を図12に示す。低変速段が選択されていた場合と同様に、ソレノイドバルブSA、ソレノイドバルブSB、ソレノイドバルブSCおよびソレノイドバルブSDは、すべて非通電状態に固定されてしまい、油路53および油路55に油圧が供給され、油路57および油路59には油圧が供給されない。また、異常検知ソレノイドバルブSEも非通電となり、油路50および油路68には、P圧が供給されない。
【0078】このため、高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCにおいては、油路67にも油路68にも油圧は供給されず、高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCは右側にシフトし、油路65は油路69と連通し、油路65にはP圧が供給される。もし、ATCU41が正常動作していた時の選択変速段が低変速段であったならば、ATCU41の機能停止時には、左側にシフトしていた高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCが、右側にシフトすることになるが、ATCU41が正常動作していた時の選択変速段が高変速段であるので、ATCU41の機能停止時には、図10に示すように右側にシフトしていた高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCのシフト位置が変化せず、そのまま右側に固定されることとなる。
【0079】従って、ATCU41の機能が停止しても、油路51へのP圧の供給が継続される。高変速段記憶シフトバルブVBにおいては、油路63に油圧が供給され続けている。すなわち、ATCU41が正常に動作していたときに、図10に示すように油路51を介して油路63から高変速段記憶シフトバルブVBに作用していたP圧は、ATCU41の動作が停止しても、高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCのシフト位置が右側に固定されているため、供給が妨げられることがないので、高変速段記憶シフトバルブVBは、右側に固定され続ける。
【0080】このため、フェイルセーフシフトバルブVAでは、油路50には油圧が供給されず、油路51に油圧が供給されるため、左側にシフトする第2のシフト位置となる。このときには、油路52および油路54はドレーンされ、油路56は油路60と連通し、油路58は油路61と連通する。油路60および油路61には、マニュアルバルブ43からD圧が供給されているため、第2ブレーキB2および第3クラッチC3は締結され、正常動作時における第6速の状態となる。したがって、第4速、第5速または第6速で走行中にATCU41の機能が停止した場合には、変速段は第6速に固定される。
【0081】また、P圧の供給が停止された場合、すなわち一旦エンジンを停止して、パイロットバルブ42の供給するライン圧の供給を停止した場合には、再度エンジンを始動させたときには、図11に示す油圧の供給状態となり、第3速に固定されるため、容易に発進させることができる。なお、第4速から第3速へシフトダウンされる場合には、高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCにおいて油路67からの油圧の供給が停止するため、高変速段記憶キャンセルシフトバルブVCのシフト位置が右側から左側へシフトし、油路65へのP圧の供給が停止され、高変速段記憶シフトバルブVBのシフト位置が固定されることはなく、正常な動作が確保される。
【0082】上記のような動作により、第1速、第2速または第3速で走行している場合に、ATCU41の機能が停止した場合には、第3速に変速段が切換わり、第4速、第5速または第6速で走行中に、ATCU41の機能が停止した場合には、第6速に変速段が切換わるので、ATCU41の機能が停止した場合でも、ダウンシフトすることはなく、走行性が悪化することが防止される。
【0083】また、ノーマルロウ型の異常検知ソレノイドバルブSEにより、ATCU41の機能停止を検知し、摩擦締結要素を直動するソレノイドとして、ノーマルハイ型のソレノイドバルブとノーマルロウ型のソレノイドバルブを使用することにより、簡単な回路構成で、フェイルセーフ動作を行うことができ、低コスト化が可能となる。
【0084】なお、ATCU41の機能停止時とは、ATCU41本体に何らかの異常が生じたため機能が停止した場合、また図示省略した検知装置により、周辺機器の異常が検知され、ATCU41の機能が停止された場合を含んでいる。また、本実施例においては、各ソレノイドバルブから出力される油圧は、ソレノイドバルブ自身の調圧機能により、適宜適切な圧力に調圧されているが、これに限られるわけではなく、調圧機能を有するバルブとオン、オフ切り換えソレノイドを組み合わせて用いることもでき、廉価な回路素子により制御装置を製造できるので、製造コストを減少できる。
【0085】
【発明の効果】請求項1記載の本発明では、低変速段組に属する変速段で走行中に故障が生じて変速制御手段の機能が停止した場合には、低変速段フェイルセーフ手段により、変速段選択信号圧発生手段から発生された低変速段組の中の所定の変速段が締結される信号圧が摩擦締結要素に供給され、変速段が低変速段組に属する所定の変速段に固定される。
【0086】また、高変速段組に属する変速段で走行中に、変速制御手段の機能が停止すると、高変速段フェイルセーフ手段により、高変速段信号圧発生手段から発生された高変速段組の中の所定の変速段が締結される信号圧が摩擦締結要素に供給され、変速段が高変速段組に属する所定の変速段に固定される。
【0087】このため、低変速段で走行中でも、高変速段で走行中でも、変速制御手段の機能停止時には、走行していた変速段で固定、または同じ変速段組に属する変速段に切換わって変速段を固定するので、高変速段組に属する変速段から低変速段組に属する変速段組にダウンシフトすることも、低変速段組に属する変速段から高変速段組に属する変速段にシフトアップすることもなく、走行性が悪化することが防止される。
【0088】請求項2記載の本発明では、低変速段組に属する変速段で走行中に故障が生じて変速制御手段の機能が停止した場合には、異常検知手段からの正常動作信号圧の出力が停止され、フェイルセーフ弁には正常動作信号圧も高変速段記憶信号圧も供給されず、第1の切り換え位置のまま固定される。このため、変速段選択信号圧発生手段から発生された、低変速段組の中の所定の変速段が締結される信号圧が摩擦締結要素に供給され、変速段が低変速段組に属する所定の変速段に固定される。
【0089】また、高変速段組に属する変速段で走行中に、変速制御手段の機能が停止すると、フェイルセーフ弁には、正常動作信号圧が供給されず、高変速段記憶信号圧のみが供給される状態となり、フェイルセーフ弁は第2の切り換え位置に切り換えられ、高変速段信号圧発生手段から発生された高変速段組の中の所定の変速段が締結される信号圧が摩擦締結要素に供給され、変速段が高変速段組に属する所定の変速段に固定される。
【0090】このため、低変速段で走行中でも、高変速段で走行中でも、変速制御手段の機能停止時には、走行していた変速段で固定、または同じ変速段組に属する変速段に切換わって変速段を固定するので、高変速段から低変速段にダウンシフトすることも、低変速段から高変速段にシフトアップすることもなく、走行性が悪化することが防止される。
【0091】さらに、変速制御手段の機能停止時には、変速段選択信号圧発生手段は、低変速段組の中で最も高い変速段が締結される信号圧を発生する構成とすることにより、低変速段組に属する変速段で走行中に変速制御手段の機能が停止した場合には、低変速段組に属する変速段の中の最も高い変速段に変速段が切り換えられ、固定される。
【0092】このため、低変速段組に属する変速段においては、ダウンシフトにより走行性能が大きく変化するが、低変速段で走行中に、変速制御手段の機能が停止した場合には、走行していた変速段で固定、またはシフトアップした変速段に切換わって変速段を固定するので、ダウンシフトすることはなく、一層走行性の悪化が防止できる。
【0093】また、異常検知手段をノーマルロウ型のソレノイドバルブで構成することにより、簡単な回路構成で、上記効果を得ることができ、低コスト化が可能となる。さらに、変速段選択信号圧発生手段を、ノーマルハイ型のソレノイドバルブとノーマルロウ型のソレノイドバルブから構成することにより、より簡単な回路構成で、上記効果を得ることができ、一層低コスト化が可能となる。




 

 


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