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発明の名称 自動変速機の故障検出装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−50382(P2001−50382A)
公開日 平成13年2月23日(2001.2.23)
出願番号 特願平11−223337
出願日 平成11年8月6日(1999.8.6)
代理人 【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟 (外1名)
【テーマコード(参考)】
3J052
【Fターム(参考)】
3J052 AA08 CA31 DA03 DA04 DA06 FB34 GC13 GC23 GC41 GC43 GC46 GC72 GC73 GC74 HA02 KA02 LA01 
発明者 天野 光男 / 二渡 徹
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 複数の係合要素を有し、この係合要素の締結/解放の組み合わせを油圧制御手段にて選択される変速歯車機構により多段変速を行う自動変速機において、油圧制御手段の中に変速歯車機構がインターロックするのを防止する油圧切換手段を備えており、ギヤ段を判定するギヤ段判定手段と、油圧切換手段の故障検出の開始を判断する開始判断手段と、開始判断手段にて開始と判断された場合に、ギヤ段毎に締結の組み合わせとして選択される係合要素以外の係合要素を記憶する記憶手段と、該記憶手段より選択される係合してはいけないはずの係合要素に対して、締結する信号を意図的に出力する油圧切換手段の検査手段とを備え、該検査手段によって、ギヤ段毎に選択される係合要素以外の係合要素に圧力が伝達されているか否かにより前記油圧切換手段が異常側にあるか否かを判断する油圧切換手段の異常判定手段と、を有することを特徴とする自動変速機の故障検出装置。
【請求項2】 請求項1に記載の自動変速機の故障検出装置において、前記油圧切換手段の状態を検知する方法として、油圧回路中に設けられた圧力スイッチを使用することを特徴とする自動変速機の故障検出装置。
【請求項3】 請求項2に記載の自動変速機の故障検出装置において、前記圧力スイッチがONとなる条件として、係合要素が締結するために必要な最低の圧力よりも少し高く、かつ最大の圧力よりも低い圧力に設定することを特徴とする自動変速機の故障検出装置。
【請求項4】 請求項1に記載の自動変速機の故障検出装置において、前記開始判断手段において、油圧切換手段の故障検出を開始する条件として、変速中あるいはセレクト中は禁止し、それ以外の時に開始することを特徴とする自動変速機の故障検出装置。
【請求項5】 請求項1に記載の自動変速機の故障検出装置において、前記開始判断手段として、油圧切換手段の故障検出を開始する条件として、所定のギヤ段で一回だけ行うことを特徴とする自動変速機の故障検出装置。
【請求項6】 請求項1に記載の自動変速機の故障検出装置において、前記開始判断手段において、油圧切換手段の故障検出を開始する条件として、所定油温以上のときにのみ行うことを特徴とする自動変速機の故障検出装置。
【請求項7】 請求項1に記載の自動変速機の故障検出装置において、前記開始判断手段において、油圧切換手段の故障検出を開始する条件として、所定車速以上のときにのみ行うことを特徴とする自動変速機の故障検出装置。
【請求項8】 請求項1に記載の自動変速機の故障検出装置において、前記開始判断手段において、油圧切換手段の故障検出を開始する条件として、前進走行レンジにのみ行うことを特徴とする自動変速機の故障検出装置。
【請求項9】 請求項1に記載の自動変速機の故障検出装置において、油圧切換手段の故障検出を行っている途中で、変速又はセレクトが発生した場合は、そのときの故障検知を一旦中止することを特徴とする自動変速機の故障検出装置。
【請求項10】 請求項1に記載の油圧切換手段の異常判定手段において、検出された油圧切替弁の状態が所定時間連続して異常状態を保った際に異常と判断することを特徴とする自動変速機の故障検出装置。
【請求項11】 請求項10に記載の油圧切換手段の異常判定手段において、検出された油圧切替弁の状態が所定時間連続して異常状態を保った際に故障カウンタを一回カウントアップし、このカウンタが所定のメモリに格納された回数以上となった場合に異常と判定することを特徴とする自動変速機の故障検出装置。
【請求項12】 請求項11に記載の油圧切換手段の異常判定手段において、故障カウンタが所定回数に満たす前に一度でも正常と判断した場合は、カウンタをクリアすることを特徴とする自動変速機の故障検出装置。
【請求項13】 請求項1に記載の油圧切換手段の異常判定手段において、異常と判定された場合に運転者警告を行うことを特徴とする自動変速機の故障検出装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧回路を簡素化すると共に、構成部品点数を削減し、コントロールバルブボディの小型化が達成される締結圧直接電子制御による自動変速機の油圧制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、締結圧直接電子制御による自動変速機の油圧制御装置としては、例えば、特開平8−121586号公報に記載の装置が知られている。
【0003】この従来公報には、Dレンジ1速時に締結され、Dレンジ2,3,4速時に解放されるLRブレーキのフェールセーフ弁として、図10に示すように、Dレンジ2,4速時に締結される2NDブレーキ圧P2NDと、Dレンジ3,4速時に締結されるODクラッチ圧PODを用い、2NDブレーキ圧P2NDとODクラッチ圧PODとのいずれか少なくとも一方の油圧が発生しているDレンジ2,3,4速時にLRブレーキへの油圧を強制的にドレーンする手段が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の自動変速機の油圧制御装置にあっては、第1スプール51がスティックしたか否かを検出する手段がないため、第1スプール51が左側でスティックしたとすると、このスティック状態で、もしもLRブレーキ圧の油圧系統に異常が発生し、油圧が発生するような場合には第1スプール51のスティックによりLRブレーキが締結されてインターロックしてしまうという問題があった。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、変速制御に悪影響を及ぼすこともフェール時にインターロックを発生することもない最適なタイミングにて締結要素圧を強制ドレーンさせるフェールセーフ作動を達成するとともに、このフェールセーフ作動が常に確実に達成されていることをチェックすることができる自動変速機の故障検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、図1のクレーム対応図に示すように、複数の係合要素cを有し、この係合要素cの締結/解放の組み合わせを油圧制御手段dにて選択される変速歯車機構bにより多段変速を行う自動変速機aにおいて、油圧制御手段dの中に変速歯車機構bがインターロックするのを防止する油圧切替手段eを備えており、ギヤ段を判定するギヤ段判定手段iと、油圧切換手段eの故障検出の開始を判断する開始判断手段hと、開始判断手段hにて開始と判断された場合に、ギヤ段毎に選択される係合要素以外の係合要素を記憶する記憶手段jと、該記憶手段jより選択される係合してはいけないはずの係合要素に対して、締結する信号を意図的に出力する油圧切換手段の検査手段kとを備え、前記検査手段kによって、ギヤ段毎に選択される係合要素以外のの係合要素に圧力が伝達されているか否かにより油圧切換手段eが異常側にあるか否かを判断する油圧切換手段の異常判定手段lとを有することを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の自動変速機の故障検出装置において、前記油圧切換手段dの状態を検知する方法として、油圧回路中に設けられた圧力スイッチを使用することを特徴とする。
【0008】請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の自動変速機の故障検出装置において、前記圧力スイッチがONとなる条件として、係合要素cが締結するために必要な最低の圧力よりも少し高く、かつ最大の圧力よりも低い圧力に設定することを特徴とする。
【0009】請求項4に記載の発明では、請求項1に記載の自動変速機の故障検出装置において、前記開始判断手段hにおいて、油圧切換手段dの故障検出を開始する条件として、変速中あるいはセレクト中は禁止し、それ以外の時に開始することを特徴とする。
【0010】請求項5に記載の発明では、請求項1に記載の自動変速機の故障検出装置において、前記開始判断手段hとして、油圧切換手段eの故障検出を開始する条件として、所定のギヤ段で一回だけ行うことを特徴とする。
【0011】請求項6に記載の発明では、請求項1に記載の自動変速機の故障検出装置において、前記開始判断手段hにおいて、油圧切換手段eの故障検出を開始する条件として、所定油温以上のときにのみ行うことを特徴とする。
【0012】請求項7に記載の発明では、請求項1に記載の自動変速機の故障検出装置において、前記開始判断手段hにおいて、油圧切換手段eの故障検出を開始する条件として、所定車速以上のときにのみ行うことを特徴とする。
【0013】請求項8に記載の発明では、請求項1に記載の自動変速機の故障検出装置において、前記開始判断手段hにおいて、油圧切換手段eの故障検出を開始する条件として、前進走行レンジにのみ行うことを特徴とする。
【0014】請求項9に記載の発明では、請求項1に記載の自動変速機の故障検出装置において、油圧切換手段eの故障検出を行っている途中で、変速又はセレクトが発生した場合は、そのときの故障検知を一旦中止することを特徴とする。
【0015】請求項10に記載の発明では、請求項1に記載の油圧切換手段の異常判定手段lにおいて、検出された油圧切替弁の状態が所定時間連続して異常状態を保った際に異常と判断することを特徴とする。
【0016】請求項11に記載の発明では、請求項10に記載の油圧切換手段の異常判定手段において、検出された油圧切替弁の状態が所定時間連続して異常状態を保った際に故障カウンタを一回カウントアップし、このカウンタが所定のメモリに格納された回数以上となった場合に異常と判定することを特徴とする。
【0017】請求項12に記載の発明では、請求項11に記載の油圧切換手段の異常判定手段において、故障カウンタが所定回数に満たす前に一度でも正常と判断した場合は、カウンタをクリアすることを特徴とする。
【0018】請求項13に記載の発明では、請求項1に記載の油圧切換手段の異常判定手段において、異常と判定された場合に運転者警告を行うことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)実施の形態1は請求項1〜13に記載の発明に対応する自動変速機の故障検出装置である。
【0020】まず、構成を説明する。
【0021】図2は実施の形態1の油圧制御装置が適用された自動変速機のギヤトレーンの一例を示す図で、Eはエンジン出力軸、Iはトランスミッション入力軸、Oはトランスミッション出力軸で、前記エンジン出力軸Eとトランスミッション入力軸Iとの間にはトルクコンバータT/Cが介装され、トランスミッション入力軸Iとトランスミッション出力軸Oの間には第1遊星歯車組G1と第2遊星歯車組G2が介装されている。第1遊星歯車組G1は、第1ピニオンP1,第1キャリアC1,第1サンギヤS1,第1リングギヤR1よりなる単純遊星歯車組で、第2遊星歯車組G2は、第2ピニオンP2,第2キャリアC2,第2サンギヤS2,第2リングギヤR2よりなる単純遊星歯車組である。
【0022】前記トランスミッション入力軸Iと第2サンギヤS2とは直結され、トランスミッション入力軸Iと第1サンギヤS1とを連結するメンバの途中にはリバースクラッチR/Cが設けられ、また、このメンバをケースに固定可能とする多板ブレーキ構造による2−4ブレーキ2-4/Bが設けられている。トランスミッション入力軸Iと第1キャリアC1とを連結するメンバの途中にはハイクラッチH/Cが設けられている。第1キャリアC1と第2リングギヤR2とを連結するメンバの途中にはロークラッチL/Cが設けられ、また、このメンバをケースに固定可能とする多板ブレーキ構造によるロー&リバースブレーキL&R/Bが設けられ、ロー&リバースブレーキL&R/Bと並列にワンウェイクラッチOWCが設けられている。第1リングギヤR1と第2キャリアC2とは直結され、第2キャリアC2にはトランスミッション出力軸Oが連結されている。
【0023】図3はリバースレンジ(以下、Rレンジ)とドライブレンジ(以下、Dレンジ)における各ギヤ段での締結論理表を示す図(締結を〇印で示す)である。
【0024】Rレンジ時には、リバースクラッチR/Cとロー&リバースブレーキL&R/Bが締結される。Dレンジ1速時にはロークラッチL/Cが締結され、Dレンジ2速時にはロークラッチL/Cと2−4ブレーキ2-4/Bが締結され、Dレンジ3速時にはロークラッチL/CとハイクラッチH/Cが締結され、Dレンジ4速時にはハイクラッチH/Cと2−4ブレーキ2-4/Bが締結される。なお、ローレンジ(以下、Lレンジ)におけるHOLDモードの1速時(1速エンブレ時)にはロークラッチL/Cとロー&リバースブレーキL&R/Bが締結される。
【0025】図4は実施の形態1の油圧制御装置が適用された自動変速機の変速制御系を示す図で、1はライン圧油路、2はマニュアルバルブ、3はDレンジ圧油路、4はRレンジ圧油路であり、マニュアルバルブ2はセレクト操作により切り換えられるバルブで、Dレンジではライン圧油路1とDレンジ圧油路3とが接続され、Rレンジではライン圧油路1とRレンジ圧油路4とが接続される。
【0026】5はパイロットバルブ、6はパイロット圧油路であり、パイロットバルブ5は、ライン圧油路1からのライン圧を一定のパイロット圧に減圧制御する。
【0027】7はデューティ制御型のロークラッチソレノイドで、ロークラッチアンプバルブ8に対して制御圧を供給し、このロークラッチアンプバルブ8においてDレンジ圧からロークラッチ圧を作り出し、ロークラッチ圧油路9を介してロークラッチL/Cへ導く。
【0028】10はデューティ制御型のハイクラッチソレノイドで、ハイクラッチアンプバルブ11に対して制御圧を供給し、このハイクラッチアンプバルブ11においてDレンジ圧からハイクラッチ圧を作り出し、ハイクラッチ圧油路12を介してハイクラッチH/Cへ導く。このハイクラッチ圧油路12上にはハイクラッチ油圧スイッチ13が設けられており、ハイクラッチに油圧が供給されると同時にこのハイクラッチ油圧スイッチ13にも油圧が供給されスイッチONとなる。
【0029】14はデューティ制御型の2−4ブレーキソレノイドで、2−4ブレーキアンプバルブ15に対して制御圧を供給し、この2−4ブレーキアンプバルブ15においてDレンジ圧PD から2−4ブレーキ圧を作り出し、2−4ブレーキ圧油路16を介して2−4ブレーキ2-4/Bへ導く。この2−4ブレーキ圧油路16上には2−4ブレーキ油圧スイッチ17が設けられており、2−4ブレーキに油圧が供給されると同時にこの2−4ブレーキ油圧スイッチ17にも油圧が供給されスイッチONとなる。
【0030】18はロー&リバースブレーキソレノイド18で、ロー&リバースブレーキアンプバルブ19に対して制御圧を供給し、このロー&リバースブレーキアンプバルブ19においてライン圧からロー&リバースブレーキ圧を作り出し、ロー&リバースブレーキ圧油路20を介してロー&リバースブレーキL&R/Bへ導く。
【0031】22はON/OFF型のプレッシャコントロールソレノイドで、ライン圧を高圧と低圧の2段階に切り換える。
【0032】23はデューティ型のロックアップソレノイドで、ロックアップクラッチの締結と解放を制御する。
【0033】24はATコントロールユニットで、入力情報に基づいて変速制御を含む各種の制御演算処理を行ない、その処理結果により各ソレノイド7,10,14,18,22,23に対してソレノイド駆動電流を出力する。
【0034】25は2−4ブレーキ第1フェールセーフ弁で、スプールの一端側に常時作用するフェールプレッシャ圧PFP(ドライブレンジの高速段で締結させるハイクラッチH/Cの最大圧と同値の油圧)と、スプールの他端側に作用するロークラッチ圧PL/Cとを作動信号圧とする油圧作動弁である。26は2−4ブレーキ第2フェールセーフ弁で、スプールの一端側に常時作用するフェールプレッシャー圧PFPと、スプールの他端側に作用するハイクラッチ圧PH/Cとを作動信号圧とする油圧作動弁である。ロークラッチ圧とハイクラッチ圧とが同時に発生するDレンジ3速時において、2−4ブレーキ第2フェールセーフ弁26にハイクラッチ圧がかかることでロークラッチ圧が2−4B第1フェールセーフ弁25にかかり、これによりDレンジ圧をドレーンすることで、2−4ブレーキ圧を強制的にドレーンする。
【0035】27はロー&リバースブレーキ第1フェールセーフ弁、28はロー&リバースブレーキ第2フェールセーフ弁で、スプールの一端側に常時作用するフェールプレッシャ圧PFPと、スプールの他端側に作用するハイクラッチ圧PH/C及び2−4ブレーキ圧P2-4/Bとを作動信号圧とする油圧作動弁である。ハイクラッチ圧PH/Cと2−4ブレーキ圧P2-4/Bのいずれか一方または両方の油圧が発生するDレンジ2,3,4速時、ライン圧を強制的にドレーンすることでロー&リバースブレーキ圧をドレーンする。
【0036】図5は実施の形態1の油圧制御装置が適用された自動変速機の電子制御系を示す示すブロック図であり、エンジンコントロールユニット29からATコントロールユニット24に対しては、シリアル通信によりスロットル開度THとエンジン回転数Neが入力され、また、両コントロールユニット24,29間では、トルクダウン通信が行われる。パワートレインに設けられたタービン回転センサ30及び出力軸回転センサ38からはタービン回転数Ntと出力軸回転数Noが入力される。インヒビタースイッチ31からはレンジ信号が入力され、ホールドスイッチ32からはホールドスイッチ信号が入力される。コントロールバルブユニットに設けられたハイクラッチ油圧スイッチ13と2−4ブレーキ油圧スイッチ17とロー&リバースブレーキスイッチ21からはそれぞれの締結要素への油圧供給状態を示すスイッチ信号が入力され、油温センサ36からは油温信号が入力される。
【0037】ATコントロールユニット24からは、コントロールバルブユニットに設けられた各ソレノイド7,10,14,18,22,23に対してソレノイド駆動電流が出力され、また、インスツルメントパネルに設けられたスピードメータ37に対してスピード表示信号が出力される。
【0038】次に、作用を説明する。
【0039】[故障検出処理]図6に実施の形態1における故障検出処理のフローチャートを示す。以下、各ステップについて説明する。
【0040】ステップ101では、車速、スロットル、セレクトポジション情報(レンジ)によりギヤ段を判定する。
【0041】ステップ102では、変速中であるかセレクト中であるかを判定し、YESであればこの処理を終了し、NOであればステップ103へ進む。
【0042】ステップ103では、所定のギヤ段となった直後かどうかを判定し、NOであればこの処理を終了し、YESであればステップ104へ進む。
【0043】ステップ104では、前進走行レンジかどうかを判定し、NOであればこの処理を終了し、YESであればステップ105へ進む。
【0044】ステップ105では、所定車速以上かどうかを判定し、NOであれあればこの処理を終了し、YESであればステップ106へ進む。
【0045】ステップ106では、所定油温以上かどうかを判定し、NOであればこの処理を終了し、YESであればステップ107へ進む。
【0046】ステップ107では、フェイルセーフ弁の故障を検知する場合のソレノイド出力表より締結しないはずのクラッチに締結信号(ソレノイド通電(中間値))を出力する。
【0047】ステップ108では、締結しないはずのクラッチの油圧スイッチがONかどうかを判定し、NOであればステップ111に進み、YESであればステップ110へ進む。
【0048】ステップ109では、締結しないはずのクラッチの油圧スイッチON状態から所定時間が経過したかどうかを判定し、NOであればステップ112へ進み、YESであればステップ110へ進む。
【0049】ステップ110では、ステップ108,109の条件を満足すると、故障カウンタを一回カウントアップする。
【0050】ステップ111では、ステップ108の油圧スイッチ条件を満足しない場合には、故障カウンタを故障カウンタ=0として、ステップ112へ進む。
【0051】ステップ112では、故障カウント数が、予め設定された所定回数以上となったかどうかを判定し、YESであればステップ113へ進み、NOであればステップ114へ進む。
【0052】ステップ113では、フェールセーフ弁の故障と判断し、ステップ115へ進む。
【0053】ステップ114では、フェールセーフ弁が正常と判定する。
【0054】ステップ115では、故障したとして運転者に警告を行う。
【0055】[ロー&リバースブレーキフェールセーフ弁の故障判定]上記処理をロー&リバースブレーキ第1フェールセーフ弁27及びロー&リバースブレーキ第2フェールセーフ弁28の故障判定に適用した場合について詳述する。
【0056】車速、スロットル、セレクトポジション情報によりギヤ段を判定し、変速中もしくはセレクト中でないことを確認する。これは、変速中、もしくはセレクト中においては、油圧が安定しないため異常の検出が困難であることによる。
【0057】次に、所定のギヤ段となった直後で、前進走行レンジ(この場合2速、3速、4速時)であることを確認するのは、以下の理由による。
【0058】すなわち、2−4ブレーキとロー&リバースブレーキを同時に締結、あるいはハイクラッチとロー&リバースブレーキを同時に締結するとインターロックしてしまうため、これを防止するために2−4ブレーキ圧が発生しているか、もしくはハイクラッチ圧が発生している時にはロー&リバースブレーキ第1及び第2フェールセーフ弁27,28によりロー&リバースブレーキ圧を強制的にドレーンする状態とする。つまり、ギヤ段が2速、3速、4速時には、ロー&リバースブレーキソレノイド18を作動させ、ロー&リバースブレーキを締結させようとしても、フェールセーフ弁27,28が正常であればロー&リバースブレーキは必ず締結されない。
【0059】以上の条件を満たしたとき、図7に示すように2速、3速、4速時においてロー&リバースブレーキソレノイド18に締結指令信号を出力する。このとき出力する通電量及び通電時間の関係を図8に示す。
【0060】図8について説明すると、横軸は時間、縦軸は油圧と表記してあるが、これは、ソレノイドに対してOFF出力をさせると、通常の油圧のかかった状態であればこのぐらいの油圧を発生するという意味での油圧である。よって、2速、3速、4速時においては、ロー&リバースブレーキ第1及び第2フェールセーフ弁27,28が正常に動作していれば、ロー&リバースブレーキに油圧が供給されることはない。
【0061】この前提に基づいて詳述すると、aは油圧スイッチが入らない圧力、bは油圧スイッチが必ず入る圧力である。ここで出力されるロー&リバースブレーキ油圧スイッチ21が入る圧力とは、ロー&リバースブレーキが締結するために必要な最低の圧力よりも少し高い程度の圧力である。よって、仮に油圧が発生してもクラッチを引きずる程度なのでインターロックにはいたらず、故障を検出することができる。cはチャタリング時間より長い時間(DUTY周期による油振の影響を排除可能な時間)、dはランプ圧、eはディレイ時間、fはランプ時間タイムアウトである。ここで、ランプ時間タイムアウトfとは、ランプ圧dの傾きが小さい場合に、いつまでも制御を終了できなくなることを防ぐためのもので、fの時間を経過してもbの油圧に到達しない場合、強制的にbの油圧としてcの領域に移行するためのものである。
【0062】上記cの状態でロー&リバースブレーキ油圧スイッチ21がOFF→ONとなり、さらに30ms継続してONを検出したとき、1回異常と判定し、2回連続して異常判定した場合、フェールセーフ弁の故障と判定し、運転者警告を行うものである。ここで、2回連続して故障検知して異常判定させたのは、誤検知を防止するためである。また、cの途中でロー&リバースブレーキ油圧スイッチ21がON→OFF信号を検知したときも、誤検知を防止するため1回とカウントしない。また、この処理を実行中に変速、又はセレクト制御が行われるときは、故障検知処理を終了し、他の制御を優先する。
【0063】また、同一ギヤ段である間は各フェールセーフ弁が勝手に逆方向にスティックしに行くことはないため、そのギヤ段となってから不定期に何度も故障検出処理を行う必要がなく、初めだけ確認すればよい。
【0064】この故障判定処理により、具体的にロー&リバースブレーキフェールセーフ弁27,28の故障検出を見てみると、3速の状態では2−4ブレーキ圧P2-4/Bが印加されず、ハイクラッチ圧PH/Cが印加されることによってライン圧がドレーンされている。この段階でロー&リバースブレーキソレノイド18を通電させる。このときの通電量は前述の油圧スイッチがONになる程度の圧力である。このとき、ロー&リバースブレーキ油圧スイッチ21がONになるとロー&リバースブレーキ第1フェールセーフ弁27の故障であると判定し、運転者警告を行う。
【0065】同様に、2速時において、ハイクラッチ圧PH/Cが印加されず、2−4ブレーキ圧P2-4/Bが印加されることによってライン圧がドレーンされている。この段階で2−4ブレーキソレノイド17を通電させる。このとき、2−4ブレーキ油圧スイッチ17がOFF→ONになるとロー&リバースブレーキ第2フェールセーフ弁28の故障であると判定し、運転者警告を行う。
【0066】[2−4ブレーキフェールセーフ弁の故障判定]上記処理を2−4ブレーキ第1及び第2フェールセーフ弁25,26の故障判定に適用した場合について詳述する。但し、基本的な処理の流れは前述のロー&リバースブレーキ第1及び第2フェールセーフ弁27,28と同様であるため、異なる点についてのみ説明する。
【0067】所定のギヤ段となった直後で、前進走行レンジ(この場合3速時)であることを確認するのは、以下の理由による。
【0068】すなわち、2−4ブレーキとハイクラッチとロークラッチを同時に締結するとインターロックしてしまうため、これを防止するためにハイクラッチ圧PH/C及びロークラッチ圧PL/Cが同時に発生している時には、2−4ブレーキ第1及び第2フェールセーフ弁25,26により2−4ブレーキ圧は強制的にドレーンされている。つまり、ギヤ段が3速時においては、2−4ブレーキソレノイド14を作動させ、2−4ブレーキを締結させようとしても、フェールセーフ弁25,26が正常であれば2−4ブレーキは必ず締結されない。
【0069】以上の条件を満たしたとき、図9に示すように3速時において2−4ブレーキソレノイド14に締結指令信号を出力する。
【0070】この故障判定処理により、具体的に2−4ブレーキフェールセーフ弁25,26の故障検出を見てみると、3速の状態では2−4ブレーキ圧P2-4/Bが印加されず、ハイクラッチ圧PH/Cが印加されることによってロークラッチ圧PL/Cが2−4ブレーキ第1フェールセーフ弁25に印加される。このロークラッチ圧PL/Cの印加により2−4ブレーキ第1フェールセーフ弁25においてDレンジ圧がドレーンされる。この段階で2−4ブレーキソレノイド14を通電させる。このときの通電量は前述の油圧スイッチがONになる程度の圧力である。このとき、2−4ブレーキ油圧スイッチ17がONになると2−4ブレーキ第1もしくは第2フェールセーフ弁25,26の故障であると判定し、運転者警告を行う。
【0071】これらの故障検出により、もし、各ソレノイドが断線したとしてもインターロックを起こさないよう、各フェールセーフ弁が確実に作動していることを常に検知することで、従来、スリーピングフェールであったものが検知可能となり、さらに運転者に警告を行うことで別の故障発生時に一重故障のフェールセーフを行うことで起こりうるインターロック等の頻度を減らすことが可能となり、安全性の向上を図ることができる。
【0072】(その他の実施の形態)実施の形態1では、フェールセーフ弁として2本の弁による例を示したが、請求項1記載の構成を備えていれば1本の弁による例でも、また3本以上の弁による構成でも良い。
【0073】
【発明の効果】請求項1記載の発明にあっては、ギヤ段毎に選択される締結しないはずの係合要素に対して、意図的に締結信号を出力することで、油圧切換手段が異常側にあるか否かを検知することにより、油圧切換手段の故障を積極的に検知することが可能となり、従来はスリーピングフェールであったものが、故障検知できるという効果が得られる。
【0074】請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機の故障検出装置において、油圧切換手段の状態を検知する方法として、油圧回路中に設けられた圧力スイッチを使用することとしたため、故障検知をするための特別な構成を設ける必要がないという効果が得られる。
【0075】請求項3記載の発明にあっては、請求項2記載の自動変速機の故障検出装置において、圧力スイッチがONとなる条件として、係合要素が締結するために必要な最低の圧力よりも少し高く、かつ最大の圧力よりも低い圧力に設定したことにより、仮に、油圧切換手段に異常が発生しており、締結しないはずの係合要素に圧力が供給されたとしても、係合要素が引きずる程度の圧力ですむため、インターロックを起こすことがない。
【0076】請求項4記載の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機の故障検出装置において、油圧切換手段の故障検出を開始する条件として、変速中あるいはセレクト中は禁止し、それ以外の時に開始することとしたことにより、通常の変速制御を妨げることがない。
【0077】請求項5記載の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機の故障検出装置において、油圧切換手段の故障検出を開始する条件として、所定のギヤ段で、1回だけ行うこととしたことにより、そのギヤ段となってから不定期に何度も故障検出処理を行う必要がない。これは、同一ギヤ段である間は油圧切換手段において油圧変化がないため、勝手に逆方向にスティックしに行くことはないからである。
【0078】請求項6記載の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機の検出装置において、油圧切換手段の故障検出を開始する条件として、所定油温以上のときにのみ行うこととしたことにより、油温が低い状態における油圧の不安定な要素により誤検知等を防止することができる。
【0079】請求項7記載の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機の故障検出装置において、油圧切換手段の故障検出を開始する条件として、所定車速以上のときにのみ行うこととしたことにより、低車速時におけるソレノイド作動音等の発生を防止することができる。
【0080】請求項8記載の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機の故障検出装置において、油圧切換手段の故障検出を開始する条件として、前進走行レンジにのみ行うこととしたことにより、インターロックを起こす可能性のある係合要素が締結されていないため、油圧切換手段に異常が発生していなければ、走行状態に何ら問題を起こすことなく故障検知処理を行うことができるという効果が得られる。
【0081】請求項9記載の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機の故障検出装置において、変速又はセレクトが発生した場合は、そのときの故障検知を一旦中止することとしたことにより、通常の走行時における変速制御を妨げることなく故障検出処理を行うことができる。
【0082】請求項10記載の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機の故障検出装置において、異常判定手段において検出された油圧切換弁の状態が所定時間連続して異常状態を保った際に異常と判断することとしたことにより、油圧が不安定な状態での誤検知を防止することができる。
【0083】請求項11記載の発明にあっては、請求項10記載の自動変速機の故障検出装置において、検出された油圧切換弁の状態が所定時間連続して異常状態を保った際に故障カウンタを1回カウントアップし、このカウンタが所定のメモリに格納された回数以上となった場合に異常と判定することとしたことにより、誤検知を防止することができる。
【0084】請求項12記載の発明にあっては、請求項11記載の自動変速機の故障検出装置において、故障カウンタが所定回数に満たす前に一度でも正常と判断した場合は、カウンタをクリアすることとしたことにより、誤検知を防止することができる。
【0085】請求項13記載の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機の故障検出装置において、異常判定手段において、異常と判定された場合に運転者警告を行うこととしたことにより、従来は別の故障発生時に一重故障のフェールセーフを行うことで起こりうるインターロック等の頻度を減少させることが可能となり、これにより安全性の向上を図ることができる。




 

 


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