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発明の名称 自動変速機の制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−12591(P2001−12591A)
公開日 平成13年1月16日(2001.1.16)
出願番号 特願平11−180788
出願日 平成11年6月25日(1999.6.25)
代理人 【識別番号】100086450
【弁理士】
【氏名又は名称】菊谷 公男 (外2名)
【テーマコード(参考)】
3J052
【Fターム(参考)】
3J052 AA01 AA07 CA01 DA06 DB01 FB02 FB03 FB27 FB34 HA02 HA03 KA02 LA01 
発明者 米山 信行
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 車両の走行状態に応じて、変速段を自動的に選択する自動変速レンジと、手動操作で切り換え可能で、少なくも最低速段でエンジンブレーキ走行を行う低速段エンジンブレーキレンジを備えた手動設定レンジを有する自動変速機の制御装置において、変速機構の動力伝達経路を選択的に切り換える摩擦締結要素に給排する作動圧を制御する作動圧制御回路を有し、該作動圧制御回路は、変速段に応じて、前記摩擦締結要素に作動圧を給排する給排路を切り換える複数のシフトバルブと、前記シフトバルブのシフト位置を制御する信号圧を給排する第1信号圧発生手段と、選択された変速段に応じて、前記第1信号圧発生手段を制御する変速制御手段と、手動操作により低速段エンジンブレーキレンジが設定された場合には、低速レンジ信号圧を供給する第2信号圧発生手段と、前記変速制御手段にフェールが発生し、かつ前記第2信号圧発生手段から低速レンジ信号圧が供給されている場合には、エンジンブレーキ走行を行う最低速段を達成する第1フェールレンジ達成手段と、前記変速制御手段にフェールが発生し、かつ前記第2信号圧発生手段から低速レンジ信号圧が供給されていない場合には、低速段ではない所定の変速段を達成する第2フェールレンジ達成手段を備えることを特徴とする。
【請求項2】 車両の走行状態に応じて変速段を自動的に選択する自動変速レンジと、手動操作で切り換え可能で、少なくも最低速段でエンジンブレーキ走行を行う低速段エンジンブレーキレンジを備えた手動設定レンジを有する自動変速機の制御装置において、前記変速段を設定するための摩擦締結要素に送る油圧を供給する油路の連通状態を切り換える第1のシフトバルブ、第2のシフトバルブおよび第3のシフトバルブと、前記第1のシフトバルブの連通状態を切り換えるための油圧を供給する第1の切り換え油路と、該第1の切り換え油路に接続され、オン状態で第1の切り換え油路に油圧を供給するオン、オフ制御の第1のソレノイドバルブと、前記第2のシフトバルブの連通状態を切り換えるための油圧を供給する第2の切り換え油路と、正常動作時には、オン状態で第2の切り換え油路に油圧を供給するオン、オフ制御の第2のソレノイドバルブと、前記第3のシフトバルブの連通状態を切り換えるための油圧を供給する第3の切り換え油路と、正常動作時には、オン状態で第3の切り換え油路に油圧を供給するオン、オフ制御の第3のソレノイドバルブと、設定されたレンジに応じて前記第1のソレノイドバルブ、第2のソレノイドバルブおよび第3のソレノイドバルブのオン、オフ状態を制御し、自動変速レンジにおいて最低速段が選択された場合には、前記第1のソレノイドバルブ、第2のソレノイドバルブおよび第3のソレノイドバルブをオン状態とし、エンジンブレーキ走行を行う最低速段が選択された場合には、前記第1のソレノイドバルブをオフ状態に、前記第2のソレノイドバルブおよび第3のソレノイドバルブをオン状態に制御し、かつ正常動作時には第1のソレノイドバルブ、第2のソレノイドバルブおよび第3のソレノイドバルブの少なくも一つをオン状態に制御する変速制御部と、手動操作により油圧源を各油路に選択的に連通させるマニュアルバルブと、前記低速段エンジンブレーキレンジが設定された場合にマニュアルバルブから油圧が供給される第1の油路と、前記第2の切り換え油路および第3の切り換え油路に接続される第2の油路を備え、第1のソレノイドバルブ、第2のソレノイドバルブおよび第3のソレノイドバルブがすべてオフ状態となった場合には、第1の油路と第2の油路を連通するフェールセーフバルブを備え、前記第1のシフトバルブ、第2のシフトバルブおよび第3のシフトバルブは、第1の切り換え油路、第2の切り換え油路、および第3の切り換え油路のすべてに油圧が供給されない場合には、低速段ではない所定の変速段が設定されるように、前記摩擦締結要素が接続されていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用の自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用の自動変速機の制御装置としては、例えば、特開平4−351356号公報に開示されたものがあり、トルクコンバータと同一軸線上に構成された主変速機とこれに平行に配置された副変速機からなる自動変速機において、遊星歯車機構、クラッチ、ブレーキおよびワンウエイクラッチ等の摩擦締結要素を開放または係合させることにより、複数の変速段を実現している。
【0003】このような自動変速機の制御装置では、オートマチック トランスミッションコントロール ユニット(以下ATCUと記載)により、走行状態に適した変速段を算出し、制御装置内のソレノイドバルブをオン、オフ制御し、ソレノイドバルブを介して供給される油圧によりシフトバルブを切り換え動作させ、そのシフトバルブにより、摩擦締結要素に油圧を給排することにより、変速段を切り換えている。通常の制御装置には、運転者の手動によるセレクト操作により、駐車レンジ、後退レンジ(以下Rレンジと記載)、中立レンジ、自動変速レンジ(以下Dレンジと記載)、前進3速以下で走行する3レンジ、前進2速以下で走行する2レンジ、前進1速のみで走行する1レンジ等が設けられている。、【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の自動変速機の制御装置では、Dレンジでは、低速段ではエンジンからの逆機動力を開放し、エンジンブレーキを作動させない構成として、高速段から低速段への自動変速時の変速ショックを防止している。しかしながら、例えばATCUに故障が生じた場合などには、変速段設定用のソレノイドバルブが制御不可能になり、変速段を切り換えるシフトバルブの状態が固定されてしまうことがある。
【0005】また、ATCUに故障が生じ、変速段が高速段に固定してしまった場合等には、走行中であれば、走行継続可能であるが、いったん停車してしまった場合には、発進することが難しかった。本発明は、従来の上記自動変速機の制御装置において、さらに改良を進め、走行中に故障が生じた場合でも、変速ショックを生じることがなく、かつ一旦停車した後に、容易に発進可能である自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1記載の発明では、車両の走行状態に応じて、変速段を自動的に選択する自動変速レンジと、手動操作で切り換え可能で、少なくも最低速段でエンジンブレーキ走行を行う低速段エンジンブレーキレンジを備えた手動設定レンジを有する自動変速機の制御装置において、変速機構の動力伝達経路を選択的に切り換える摩擦締結要素に給排する作動圧を制御する作動圧制御回路を有し、作動圧制御回路は、変速段に応じて、摩擦締結要素に作動圧を給排する給排路を切り換える複数のシフトバルブと、シフトバルブのシフト位置を制御する信号圧を給排する第1信号圧発生手段と、選択された変速段に応じて、第1信号圧発生手段を制御する変速制御手段と、手動操作により低速段エンジンブレーキレンジが設定された場合には、低速レンジ信号圧を供給する第2信号圧発生手段と、変速制御手段にフェールが発生し、かつ第2信号圧発生手段から低速レンジ信号圧が供給されている場合には、エンジンブレーキ走行を行う最低速段を達成する第1フェールレンジ達成手段と、変速制御手段にフェールが発生し、かつ第2信号圧発生手段から低速レンジ信号圧が供給されていない場合には、低速段ではない所定の変速段を達成する第2フェールレンジ達成手段を備えるものとした。
【0007】このため、低速段エンジンブレーキレンジ以外のレンジを設定して走行している時に、変速制御手段であるコントロールユニット等に故障が生じても、この場合には第2信号圧発生手段から低速レンジ信号圧が供給されていないため、第2フェールレンジ達成手段により、低速段ではない所定の変速段が達成されるため、エンジンブレーキ走行を行う最低速段に移行することはないので、変速ショックが生じることはない。また、低速段エンジンブレーキレンジを設定して走行している時に、変速制御手段であるコントロールユニット等に故障が生じた場合には、第2信号圧発生手段から低速レンジ信号圧が供給されているため、第1フェールレンジ達成手段により、エンジンブレーキ走行を行う最低速段が達成される。
【0008】また、コントロールユニット等に故障が生じて、一旦停止した場合でも、低速段エンジンブレーキレンジを設定することにより、エンジンブレーキ走行を行う最低速段へ変速段を設定でき、容易に車両を発進させることができる。したがって、コントロールユニット等に故障が生じても、低速段エンジンブレーキレンジ設定し、エンジンブレーキ走行を行う最低速段で車両を発進させたのち、車速が大きくなったところで、他のレンジへ切り換えることにより、低速段ではない所定の変速段で走行でき、自車走行による移動が可能となる。
【0009】また、請求項2記載の発明では、車両の走行状態に応じて変速段を自動的に選択する自動変速レンジと、手動操作で切り換え可能で、少なくも最低速段でエンジンブレーキ走行を行う低速段エンジンブレーキレンジを備えた手動設定レンジを有する自動変速機の制御装置において、変速段を設定するための摩擦締結要素に送る油圧を供給する油路の連通状態を切り換える第1のシフトバルブ、第2のシフトバルブおよび第3のシフトバルブと、前記第1のシフトバルブの連通状態を切り換えるための油圧を供給する第1の切り換え油路と、第1の切り換え油路に接続され、オン状態で第1の切り換え油路に油圧を供給するオン、オフ制御の第1のソレノイドバルブと、第2のシフトバルブの連通状態を切り換えるための油圧を供給する第2の切り換え油路と、正常動作時には、オン状態で第2の切り換え油路に油圧を供給するオン、オフ制御の第2のソレノイドバルブと、第3のシフトバルブの連通状態を切り換えるための油圧を供給する第3の切り換え油路と、正常動作時には、オン状態で第3の切り換え油路に油圧を供給するオン、オフ制御の第3のソレノイドバルブと、設定されたレンジに応じて前記第1のソレノイドバルブ、第2のソレノイドバルブおよび第3のソレノイドバルブのオン、オフ状態を制御し、自動変速レンジにおいて1速が選択された場合には、前記第1のソレノイドバルブ、第2のソレノイドバルブおよび第3のソレノイドバルブをオン状態とし、エンジンブレーキ走行を行う最低速段が選択された場合には、第1のソレノイドバルブをオフ状態に、前記第2のソレノイドバルブおよび第3のソレノイドバルブをオン状態に制御し、かつ正常動作時には第1のソレノイドバルブ、第2のソレノイドバルブおよび第3のソレノイドバルブの少なくも一つをオン状態に制御する変速制御部と、手動操作により油圧源を各油路に選択的に連通させるマニュアルバルブと、低速段エンジンブレーキレンジが設定された場合にマニュアルバルブから油圧が供給される第1の油路と、第2の切り換え油路および第3の切り換え油路に接続される第2の油路を備え、第1のソレノイドバルブ、第2のソレノイドバルブおよび第3のソレノイドバルブがすべてオフ状態となった場合には、第1の油路と第2の油路を連通するフェールセーフバルブを備え、第1のシフトバルブ、第2のシフトバルブおよび第3のシフトバルブは、第1の切り換え油路、第2の切り換え油路、および第3の切り換え油路のすべてに油圧が供給されない場合には、低速段ではない所定の変速段が設定されるように、摩擦締結要素が接続されているものとする。
【0010】このため、自動変速レンジまたは手動設定レンジの低速段エンジンブレーキレンジ以外のレンジで走行中に、第1のソレノイドバルブ、第2のソレノイドバルブおよび第3のソレノイドバルブがすべてオフ状態になった場合には、第1の切り換え油路、第2の切り換え油路および第3の切り換え油路へ油圧が供給されないため、低速段ではない変速段が設定されるため、自動変速レンジや手動設定レンジの低速段エンジンブレーキレンジ以外のレンジでを設定して走行中に、コントロールユニット等に故障が生じても、エンジンブレーキ走行を行う最低速段に移行することはないので、変速ショックが生じることはない。また、低速段エンジンブレーキレンジで走行中に、変速段を切り換えるためのソレノイドバルブがすべてオフ状態になった場合には、マニュアルバルブから供給される油圧が、第1の油路、フェールセーフバルブ、第2の油路を介して、第2の切り換え油路および第3の切り換え油路へ供給されるため、エンジンブレーキ走行を行う最低速段へ移行する。
【0011】さらに、コントロールユニット等に故障が生じて、一旦停車しても、低速段エンジンブレーキレンジを設定することにより、エンジンブレーキ走行を行う最低速段へ変速段を設定でき、容易に発進させることができる。したがって、コントロールユニット等に故障が生じても、低速段エンジンブレーキレンジを設定して、車両を発進させたのち、車速が大きくなったところで、他のレンジへ切り換えることにより、低速段ではない変速段で走行でき、自車走行による移動が可能となる。
【0012】また、正常動作状態では、第1のソレノイドバルブ、第2のソレノイドバルブおよび第3のソレノイドバルブがすべてオン状態になるときは、自動変速レンジにより1速が選択された場合すなわちエンジンブレーキが作動しない最低速段が選択された場合である。最低速段以外が選択された場合には、必ず、1つ以上のソレノイドバルブがオフ状態である。このため、例えば断線等により、本来オン状態に制御されているソレノイドバルブのひとつががオフ状態になったとしても、その場合には2つ以上のソレノイドバルブがオフ状態になる。したがって、最低速段以外の変速段で走行中に、本来オン状態であるソレノイドバルブのひとつがオフ状態になってしまっても、エンジンブレーキが作動する1速へ移行することはなく、変速ショックが生じることはない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。はじめに、本実施例における車両用自動変速機の動力伝達機構について説明する。図1は、本実施例を適用した前進5速後退1速の自動変速機の動力伝達機構のスケルトン図である。この動力伝達機構は、トルクコンバータ10、主変速機構12および、副変速機構14および車輪を駆動するファイナルドライブ機構16を有している。主変速機構12はトルクコンバータ10と同一軸線上に構成され、副変速機構14は、主変速機構12と平行に配置されている。
【0014】トルクコンバータ10には、ロックアップ機構11が付設され、図示省略されたエンジンからの回転力が入力され、またトルクコンバータ10からの出力は軸20により主変速機構12に入力される。主変速機構12は、第1遊星歯車機構G1、第2遊星歯車機構G2、リバースクラッチC1、ハイクラッチC2、ロウクラッチC3、ロウリバースブレーキB1、2−4ブレーキB2およびロウワンウェイクラッチOC1を備え、軸20から入力される回転力を軸22に変速して出力している。
【0015】第1遊星歯車機構G1は、軸20上に配置され、サンギアS1と、インターナルギアR1と、サンギアS1およびインターナルギアR1と同時にかみ合うピニオンギアP1と、ピニオンギアP1を支持するキャリアPC1から構成されている。また、第2遊星歯車機構G2も軸20上に配置され、サンギアS2と、インターナルギアR2と、サンギアS2およびインターナルギアR2と同時にかみ合うピニオンギアP2と、ピニオンギアP2を支持するキャリアPC2から構成されている。
【0016】リバースクラッチC1、ハイクラッチC2、ロウクラッチC3、ロウリバースブレーキB1、2−4ブレーキB2およびロウワンウェイクラッチOC1を種々の組み合わせで作動させることにより、第1遊星歯車機構G1および第2遊星歯車機構G2の各要素の回転状態を変え、軸20の回転速度に対する軸22の回転速度を変えることができる。軸22には、一体に取り付けられた主出力ギア24が設けられ、副変速機構14に連結された副入力ギア28とかみ合っている。
【0017】副変速機構14は、第3遊星歯車機構G3、ダイレクトクラッチC4、リダクションブレーキB3およびリダクションワンウェイクラッチOC2を備え、副入力ギア28から入力される回転力を軸32に変速して出力している。第3遊星歯車機構G3は、サンギアS3と、副入力ギア28と一体に連結されるインターナルギアR3と、サンギアS3およびインターナルギアR3と同時にかみ合うピニオンギアP3と、ピニオンギアP3を支持し、軸32と一体に回転するように連結されたキャリアPC3から構成されている。
【0018】ダイレクトクラッチC4、リダクションブレーキB3およびリダクションワンウェイクラッチOC2を、種々の組み合わせで作動させることにより、第3遊星歯車機構G3の各要素の回転状態を変え、副入力ギア28から入力された回転速度に対する軸32の回転速度を変えることができる。軸32には、一体に取り付けられた副出力ギア34が設けられ、ファイナルドライブ機構16と一体に回転するように連結されたファイナルギア36とかみ合っている。
【0019】エンジンから上記自動変速機に入力される回転力は、トルクコンバータ10、軸20、主変速機構12、主出力ギア24、副入力ギア28、副変速機構14、軸32、副出力ギア34、ファイナルギア36およびファイナルドライブ機構16を順次伝達される。その間に、各クラッチおよびブレーキ等を図2に示すような組み合わせで、作動させることにより、前進5速後退1速の変速を行わせることができる。丸印は締結状態を示している。また、ソレノイドバルブのオン、オフ状態と変速段の関係については後述する。
【0020】なおシフトレバーを介したセレクト操作によりシフトポジションとしてDレンジが設定された場合には前進5速の変速を行わせることができる。5速から2速までは、エンジンブレーキ走行を行うが、1速が自動選択された場合には、逆駆動力が開放されたエンジンブレーキ走行を行わない1速が設定される。3レンジを設定した場合には、3速以下の前進3速の変速が可能であり、全ての変速段でエンジンブレーキ走行を行う。低速段エンジンブレーキレンジである2レンジを設定した場合には、2速以下の前進2速の変速が可能であり、全ての変速段でエンジンブレーキ走行を行う。低速段エンジンブレーキレンジである1レンジを設定した場合には、エンジンブレーキ走行を行う1速で走行する。Rレンジを設定した場合には後退1速で走行する。
【0021】次に、上記動力伝達機構の油圧制御回路のうち本発明に直接関連する部分を取り出して図3に示す。この油圧制御回路は、ハイクラッチC2、ロウクラッチC3、ダイレクトクラッチC4、2−4ブレーキB2およびリダクションブレーキB3に供給する油圧を制御し、締結および非締結を制御する3つのシフトバルブVA、VBおよびVCと、ロウリバースブレーキB1に供給する油圧を制御するリバースインヒビットバルブVDとフェールセーフ動作用のフェールセーフバルブVEと、ソレノイドバルブSA、ソレノイドバルブSB、ソレノイドバルブSCおよびロウクラッチタイミングバルブSDと各ソレノイドバルブのオン、オフを制御するATCU41とマニュアルバルブ42と油路50〜92から構成されている。
【0022】各シフトバルブはバルブ端面に作用する油圧の給排により切り換り、油路の連通状態を変化させている。各ソレノイドバルブは、ATCU41によりオン、オフ制御され、シフトバルブのバルブ端面に作用する油圧の給排を制御している。
【0023】個々のシフトバルブにおける油路の連通状態を説明する。まず、シフトバルブVAには、図中下方向に押す力として、スプリング力が上側のバルブ端面に作用し、上方向に押す力としては、下側のバルブ端面に油路50を介して供給される油圧が作用する。まず、油路50に油圧が供給されると、シフトバルブVAは上方向に押し上げられ第1の状態となり、シフトバルブVAの左右の油路を実線のように連通する。すなわち、油路51は油路58と、油路52は油路59と、油路54は油路60と、油路56は油路62と連通する。油路61はドレインポート(図中×印)よりドレインされる。
【0024】シフトバルブVAの油路50に油圧が供給されていない場合には、スプリング力によりシフトバルブAは下方向に押し下げられる第2の状態となり、シフトバルブVAの左右の油路は破線のように連通する。すなわち、油路52は油路58と連通し、油路53は油路59と連通し、油路55は油路61と連通し、油路57は油路62と連通する。油路60はドレインされる。油路58は2−4ブレーキB2に接続され、油路59はハイクラッチC2に接続され、油路60はダイレクトクラッチC4に接続されている。また、油路61は、シフトバルブVCに接続され、油路62はシフトバルブVBに接続されている。
【0025】次に、シフトバルブVBには、下方向に押す力として、スプリング力が作用し、上方向に押す力として、油路63に供給される油圧が作用する。まず、油路63に油圧が供給されると、シフトバルブVBが押し上げられる第1の状態となり、実線に示すように、油路64は油路67と、油路65は油路68と、油路66は油路70と連通する。油路69はドレインされる。
【0026】シフトバルブVBの油路63に油圧が供給されていない場合には、シフトバルブVBは下方向に押し下げられる第2の状態となり、破線で示すように、油路62は油路68と連通し、油路66は油路69と連通する。油路67および油路70はドレインされる。油路67は油路75および油路77に接続され、油路68はリダクションブレーキB3に接続されている。また、油路69は、油路80を介して油路52および油路54に接続され、また油路69は油路74に接続されている。油路70はロウクラッチC3に接続されている。
【0027】次に、シフトバルブVCには、下方向に押す力として、スプリング力が作用し、上方向に押す力として、油路71に供給される油圧が作用する。まず、油路71に油圧が供給されると、シフトバルブVCが押し上げられる第1の状態となり、実線に示すように、油路72は油路74と、油路61は油路64と連通する。シフトバルブVCの油路71に油圧が供給されていない場合には、シフトバルブVCは下方向に押し下げられる第2の状態となり、破線で示すように、油路73は油路74と連通する。油路64はドレインされる。油路74は油路51および油路53に接続されている。
【0028】リバースインヒビットバルブVDには、下方向に押す力として、油路75に供給される油圧および油路78に供給される油圧が作用し、上方向に押す力として、スプリング力が作用する。まず、油路75または油路78に油圧が供給されると、リバースインヒビットバルブVDが押し下げられ、実線で示すように、油路77は油路79と連通する。リバースインヒビットバルブVDの油路75にも油路78にも油圧が供給されていない場合には、リバースインヒビットバルブVDは押し上げられ、破線で示すように、油路76は油路79と連通する。油路78はロウクラッチタイミングソレノイドバルブSDに接続され、油路79はロウリバースブレーキB1に接続されている。
【0029】また、油路55、油路66および油路73は、マニュアルバルブ42に接続され、運転者によりDレンジ、3レンジ、2レンジまたは1レンジが設定された場合には、Dレンジ圧(図中Dと記載)が供給される。油路56および油路76もマニュアルバルブ42に接続され、Rレンジが設定された場合には、Rレンジ圧(図中Rと記載)が供給される。また、油路57および油路65は図示省略したパイロットバルブに接続され、常時パイロットバルブにより調圧されたパイロット圧(図中Pと記載)が供給されている。なお、ロウクラッチタイミングソレノイドバルブSDは変速段として前進段が設定されている間は常時オン状態に保たれ、リバースインヒビットバルブVDを下方向に押し下げ、油路76に供給されるRレンジ圧が、ロウリバースブレーキB1へ供給されることを妨げている。
【0030】フェールセーフバルブVEには、図中左方向に押す力としては、油路81に供給される油圧が作用し、右方向に押す力としては、油路82、油路83および油路84に供給される油圧が作用する。油路82または油路83に供給される油圧による作用力はスプリングによりバルブ端面に伝えられ、油路82、油路83または油路84のどれかひとつの油路に油圧が供給された場合には、フェールセーフバルブVEは右側にシフトし、油路82、油路83および84のすべてに油圧が供給されない場合のみ、フェールセーフバルブVEは左側にシフトする。
【0031】フェールセーフバルブVEが右側にシフトした場合には、実線で示すように、油路63は油路85と連通し、油路71は油路86と連通する。フェールセーフバルブVEが左側にシフトした場合には、破線で示すように、油路63は油路87と連通し、油路71は油路88と連通する。油路82は油路89を介してソレノイドバルブSAに接続され、油路83および油路85は油路90を介してソレノイドバルブSBに接続されている。また、油路84および油路86は油路91を介してソレノイドバルブSCに接続されている。油路81には図示省略したパイロットバルブからパイロット圧が供給されている。油路87および油路88は油路92を介してマニュアルバルブ42に接続され、油路92にはシフトポジションとして2レンジまたは1レンジが設定された場合のみ、低速段レンジ圧である1−2レンジ圧が供給される。
【0032】なお、シフトバルブVA、シフトバルブVBおよびシフトバルブVCは請求項1記載のシフトバルブであり、特にシフトバルブVAは請求項2記載の第1のシフトバルブを構成し、シフトバルブVBは第2のシフトバルブを、シフトバルブVCは第3のシフトバルブを構成する。ソレノイドバルブSA、ソレノイドバルブSBおよびソレノイドバルブSCは請求項1記載の第1信号圧発生手段を構成し、特に、ソレノイドバルブSAは請求項2記載の第1のソレノイドバルブを、ソレノイドバルブSBは第2のソレノイドバルブを、ソレノイドバルブSCは第3のソレノイドバルブを構成する。マニュアルバルブ42は、請求項1記載の第2信号圧発生手段を構成する。ATCU41は請求項1記載の変速制御手段および請求項2記載の変速制御部を構成する。
【0033】また、リバースインヒビットバルブVD、フェールセーフバルブVEおよび油路50、油路63、油路71、油路55、61、64、67、75、77、油路66、70、油路65、68、油路81〜油路92は請求項1記載の第1フェールレンジ達成手段を構成する。フェールセイフバルブVEおよび油路50、油路63、油路71、油路57、62、68、油路66、69、52、58、油路73、74、53、59、油路81〜油路92は請求項1記載の第2フェールレンジ達成手段を構成する。また、油路50、油路63および油路71は、請求項2記載の切り換え油路を構成し、特に油路50は第1の切り換え油路を、油路63は第2の切り換え油路を、油路71は第3の切り換え油路を構成する。さらに、油路87および油路88は第1の油路を油路63および油路71は第2の油路を構成する。
【0034】ATCU41は、運転者が手動操作によりシフトポジションとしてDレンジを設定した場合には、走行状態により変速段を自動的に選択するDレンジで作動し、前進5速のなかから、走行状態に応じて適切な変速段を選択し、選択した変速段に応じてソレノイドバルブSA、SBおよびSCのオン、オフ状態を制御する。また、運転者が3レンジを設定した場合には、3速以下の前進3速のなかから、走行状態に応じて適切な変速段を選択し、2レンジを設定した場合には、2速以下の前進2速のなかから、走行状態に応じて適切な変速段を選択し、選択した変速段に応じてソレノイドバルブSA、SBおよびSCのオン、オフ状態を制御する。運転者が1レンジを設定した場合には、1速になるように、ソレノイドバルブSA、SBおよびSCのオン、オフ状態を制御する。
【0035】まず、正常な制御が行われている時の油圧の供給状態を説明する。図2に示すように、ATCU4が正常に動作している場合には、ソレノイドバルブSA、SBおよびSCのすべてをオフ状態に制御することはないため、フェールセーバルブVEは右側にシフトし、ソレノイドバルブSBから供給される油圧は油路63に供給され、またソレノイドバルブSCから供給される油圧は油路71に供給される。すなわち、ソレノイドバルブSA、SBおよびSCのオン、オフ状態により、シフトバルブVA、VBおよびVCの油路の連通状態は切り換る。
【0036】図4は、Dレンジで第1速が選択された場合の油圧の供給状態を示している。ソレノイドバルブSA、SBおよびSCはATCU41により、すべてオン状態に制御され、シフトバルブVA、VBおよびVCはすべて上側に押し上げられた第1の状態となる。Dレンジ圧およびパイロット圧は供給されている。この場合には、油路65に供給されたパイロット圧は、シフトバルブVB、油路68を介してリダクションブレーキB3へ供給され、リダクションブレーキB3は締結される。また、油路66に供給されたDレンジ圧はシフトバルブVB、油路70を介してロウクラッチC3に供給され、ロウクラッチC3は締結される。ロウリバースブレーキB1、2−4ブレーキB2、ハイクラッチC2およびダイレクトクラッチC4に接続された油路は、油圧が供給されている油路と連通されていないため、油圧が供給されず、ロウリバースブレーキB1、2−4ブレーキB2、ハイクラッチC2およびダイレクトクラッチC4は開放されている。
【0037】図5は、Dレンジ、3レンジおよび2レンジで2速が選択された場合の油圧の供給状態を示している。ソレノイドバルブSAおよびSBは、オン状態に制御されソレノイドバルブSCはオフ状態に制御される。そのため、シフトバルブVAおよびVBは、上側に押し上げられた第1の状態となり、シフトバルブVCは、下側に押し下げられた第2の状態となる。この場合にも、油路65に供給されたパイロット圧は、リダクションブレーキB3へ供給され、リダクションブレーキB3は締結され、油路66に供給されたDレンジ圧はロウクラッチC3に供給され、ロウクラッチC3も締結される。また、油路73に供給されたDレンジ圧は、シフトバルブVC、油路74、油路51、シフトバルブVAおよび油路58を介して2−4ブレーキB2に供給され、2−4ブレーキB2も締結される。
【0038】図6は、Dレンジおよび3レンジで3速が選択された場合の油圧の供給状態を示している。ソレノイドバルブSAおよびSCはオフ状態に制御され、シフトバルブVAおよびVCは、第2の状態となり、ソレノイドバルブSBはオン状態に制御され、シフトバルブVBは第1の状態となる。この場合にも、油路65に供給されたパイロット圧は、リダクションブレーキB3へ供給され、リダクションブレーキB3は締結され、油路66に供給されたDレンジ圧はロウクラッチC3に供給され、ロウクラッチC3も締結される。また、油路73に供給されたDレンジ圧は、シフトバルブVC、油路74、油路53、シフトバルブVAおよび油路59を介してハイクラッチC2に供給され、ハイクラッチC2も締結される。
【0039】図7は、Dレンジで4速が選択された場合の油圧の供給状態を示している。ソレノイドバルブSAおよびSBはオフ状態に制御され、シフトバルブVAおよびVBは、第2の状態となり、ソレノイドバルブSCはオン状態に制御され、シフトバルブVCは第1の状態となる。この場合には、油路57に供給されたパイロット圧は、シフトバルブVA、油路62、シフトバルブVBおよび油路68を介して、リダクションブレーキB3へ供給され、リダクションブレーキB3は締結される。
【0040】また、油路66に供給されたDレンジ圧は、シフトバルブVB、油路69、油路80、油路52、シフトバルブVAおよび油路58を介して2−4ブレーキB2に供給され、2−4ブレーキB2も締結される。また、油路69に供給されたDレンジ圧は、油路72、シフトバルブVC、油路74、油路53、シフトバルブVAおよび油路59を介してハイクラッチC2に供給され、ハイクラッチC2も締結される。
【0041】図8は、Dレンジで5速が選択された場合の油圧の供給状態を示している。ソレノイドバルブSAおよびSCはオン状態に制御され、シフトバルブVAおよびVCは、第1の状態となり、ソレノイドバルブSBはオフ状態に制御され、シフトバルブVBは第2の状態となる。この場合には、油路66に供給されたDレンジ圧は、シフトバルブVB、油路69、油路80、油路52、シフトバルブVAおよび油路59を介してハイクラッチC2に供給され、ハイクラッチC2は締結される。
【0042】また、油路80に供給されたDレンジ圧は、油路54、シフトバルブVAおよび油路60を介してダイレクトクラッチC4に供給され、ダイレクトクラッチC4も締結される。さらに、油路69に供給されたDレンジ圧は、油路72、シフトバルブVC、油路74、油路51、シフトバルブVAおよび油路58を介して2−4ブレーキB2に供給され、2−4ブレーキB2も締結される。
【0043】図9は、セレクト操作により、2レンジまたは1レンジが設定され、エンジンブレーキが作動する1速が選択された場合の油圧の供給状態を示している。ソレノイドバルブSAはオフ状態に制御され、シフトバルブVAは第2の状態となり、ソレノイドバルブSBおよびSCはオン状態に制御され、シフトバルブVBおよびVCは第1の状態となる。
【0044】この場合には、油路65に供給されたパイロット圧は、シフトバルブVB、油路68を介してリダクションブレーキB3へ供給され、リダクションブレーキB3は締結される。また、油路66に供給されたDレンジ圧はシフトバルブVB、油路70を介してロウクラッチC3に供給され、ロウクラッチC3は締結される。さらに、油路55に供給されたDレンジ圧は、シフトバルブVA、油路61、シフトバルブVC、油路64、シフトバルブVB、油路67、油路77、シフトバルブVDおよび油路79を介してロウリバースブレーキB1に供給され、ロウリバースブレーキB1は締結される。
【0045】次に制御動作に故障が生じた場合の油圧の供給状態を説明する。まず、ATCU41に故障が生じ、ソレノイドバルブSA、SBおよびSCがすべてオフ状態になってしまった場合の油圧の供給状態を説明する。図10は、Dレンジまたは3レンジで走行中に、ソレノイドバルブSA、SBおよびSCがすべてオフ状態になってしまった場合の油圧の供給状態を示している。フェールセーフバルブVEは左側にシフトし、油路88は油路71と、油路87は油路63と連通する。しかし、油路87および油路88に接続された油路92に、マニュアルバルブ42から油圧が供給されるのは、1レンジまたは2レンジが設定された場合のみなので、油路87および油路88には油圧は供給されず、シフトバルブVA、VBおよびVCはすべて第2の状態となる。
【0046】この場合には、油路57に供給されたパイロット圧は、シフトバルブVA、油路62、シフトバルブVBおよび油路68を介して、リダクションブレーキB3へ供給され、リダクションブレーキB3は締結される。また、油路66に供給されたDレンジ圧は、シフトバルブVB、油路69、油路80、油路52、シフトバルブVAおよび油路58を介して2−4ブレーキB2に供給され、2−4ブレーキB2も締結される。また、油路73に供給されたDレンジ圧は、シフトバルブVC、油路74、油路53、シフトバルブVAおよび油路59を介してハイクラッチC2に供給され、ハイクラッチC2も締結される。すなわち、2−4ブレーキB2、リダクションブレーキB3およびハイクラッチC2が締結され、正常動作時における4速の状態となる。
【0047】図11は、セレクト操作により、2レンジまたは1レンジが設定されて走行中にATCU41に故障が生じた場合の油圧の供給状態を示している。図10の場合と同様に、フェールセーフバルブVEは左側にシフトし、油路88は油路71と、油路87は油路63と連通する。油路87および油路88に接続された油路92に、マニュアルバルブ42から1−2レンジ圧が供給されているため、油路87および油路88には油圧が供給され、シフトバルブVBおよびVCは第1の状態となる。このとき、シフトバルブVAは第2の状態であるためエンジンブレーキの作動している1速が選択された場合と同様の油圧の供給状態となる。
【0048】上記のような動作により、Dレンジまたは3レンジで走行中に、ソレノイドバルブSA、SBおよびSCがすべてオフ状態になった場合には、油路50、油路63および油路71のすべてに油圧が供給されず、シフトバルブVA、VBおよびVCのすべてが第2の状態となり、4速に切り換り、エンジンブレーキの作動している第1速に移行することはないので、変速ショックが生じることはない。また、2レンジまたは1レンジが設定されて走行中に、ATCU41に故障が生じて、ソレノイドバルブSA、SおよびSCがすべてオフ状態になった場合には、マニュアルバルブ42から供給される1−2レンジ圧が、油路63および油路71を介してシフトバルブVBおよびVCに作用し、シフトバルブVBおよびVCを第1の状態とするため、エンジンブレーキ走行を行う1速が設定される。
【0049】従って、一旦停車した場合でも、2レンジまたは1レンジを設定することにより、エンジンブレーキ走行を行う1速へ変速段を設定できるので、容易に発進させることができる。したがって、コントロールユニット等に故障が生じても、2レンジまたは1レンジを設定して、エンジンブレーキ走行を行う1速で、車両を発進させたのち、車速が大きくなったところで、他のレンジへ切り換え、4速で走行でき、自車走行による移動が可能となる。
【0050】また、正常動作状態では、ソレノイドバルブSA、SBおよびSCがすべてオン状態になるときは、Dレンジにより1速が選択された場合すなわちエンジンブレーキが作動しない1速で走行している場合である。1速以外が選択された場合には、必ず、1つ以上のソレノイドバルブがオフ状態である。このため、例えば断線等により、本来オン状態に制御されているソレノイドバルブのひとつがオフ状態になったとすれば、その場合には2つ以上のソレノイドバルブがオフ状態になる。したがって、1速以外の変速段で走行中に、本来オン状態であるソレノイドバルブのひとつがオフ状態になってしまっても、1速以外の変速段へ移行するため、変速ショックが生じることはない。
【0051】なお、図12に示すように、ソレノイドバルブSAがオン状態で、ソレノイドバルブSBおよびSCがオフ状態になった場合には、油路66に供給されたDレンジ圧は、シフトバルブVB、油路69、油路80、油路52、シフトバルブVAおよび油路59を介してハイクラッチC2に供給され、ハイクラッチC2は締結される。また、油路80に供給されたDレンジ圧は、油路54、シフトバルブVAおよび油路60を介してダイレクトクラッチC4に供給され、ダイレクトクラッチC4も締結される。
【0052】さらに、油路73に供給されたDレンジ圧は、シフトバルブVC、油路74、油路51、シフトバルブVAおよび油路58を介して2−4ブレーキB2に供給され、2−4ブレーキB2も締結される。すなわち、2−4ブレーキB2、ハイクラッチC2およびダイレクトクラッチC4が締結され、正常動作時における5速の状態となる。
【0053】したがって、本来オン状態に制御されているソレノイドバルブのひとつがオフ状態になったとしても、既存の他の変速段へ移行し、インターロック等の不具合が生じることはない。また、3個のソレノイドバルブおよびシフトバルブを用いるのみで、変速段を自動する選択する自動変速レンジと、手動操作で切り換え可能な手動設定レンジを設定できる構成としたので、自動変速機の制御装置の小型化および油圧回路構成の簡単化を実現することができる。
【0054】なお、本実施例においては、Dレンジ、3レンジ、2レンジおよび1レンジを備えた自動変速機の制御装置に本発明を適用したが、これに限定されるわけではなく、Dレンジおよび1レンジのみを有する制御装置や、Dレンジ、3レンジ、2レンジに加えて、手動で変速段を選択するレンジを備えたものでもよい。




 

 


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