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発明の名称 容量可変型圧縮機用制御弁
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−193640(P2001−193640A)
公開日 平成13年7月17日(2001.7.17)
出願番号 特願平11−374861
出願日 平成11年12月28日(1999.12.28)
代理人 【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄 (外1名)
【テーマコード(参考)】
3H045
3H056
3H059
3H076
【Fターム(参考)】
3H045 AA04 AA10 AA27 BA19 CA01 CA02 DA25 EA33 
3H056 AA01 BB32 BB50 CA13 DD10 EE01 GG11 GG13
3H059 AA08 CD05 CD11 CE07 CF14 DD01 DD07 DD13 FF12 FF15 FF16
3H076 AA06 BB33 BB38 CC20 CC41 CC84 CC85 CC91
発明者 大河原 一郎 / 横田 健久 / 中村 要一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 容量可変型圧縮機の吸入ポートとクランク室とを連通する通路の開度を弁体の弁軸方向の移動により調整して容量可変型圧縮機の容量制御を行う容量可変型圧縮機用制御弁において、前記弁体の一方の側に当該弁体と離接可能に配置され、容量可変型圧縮機の吸入圧力に感応し、吸入圧力の低下に応じて伸長して前記弁体を閉弁方向に移動させる感圧手段と、前記弁体の他方の側に配置され、励磁されることにより前記弁体を開弁方向に駆動するソレノイド手段と、前記弁体を閉弁方向に駆動する付勢手段と、を有していることを特徴とする容量可変型圧縮機用制御弁。
【請求項2】 容量可変型圧縮機の吐出圧力が前記弁体に開弁方向に作用するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の容量可変型圧縮機用制御弁。
【請求項3】 前記弁体はボール弁体と当該ボール弁体の前記他方の側に固定接続されたロッドとにより構成され、前記ロッドによって前記ソレノイド手段のプランジャと連結され、前記感圧手段はベローズにより構成され、前記ボール弁体が前記一方の側にて前記ベローズの一方の端面に離接可能に対向していることを特徴とする請求項1または2に記載の容量可変型圧縮機用制御弁。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、容量可変型圧縮機用制御弁に関し、特に、車載空調装置などにて使用される斜板式容量可変型圧縮機のための容量制御弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】斜板式容量可変型圧縮機のための容量制御弁として、特開昭63−16177号公報に示されているように、容量可変型圧縮機の吸入ポートとクランク室とを連通する通路の開度を弁体の弁軸方向の移動により調整して容量可変型圧縮機の容量制御を行う容量可変型圧縮機用制御弁であって、容量可変型圧縮機の吸入圧力に感応し、吸入圧力の低下に応じて伸長して弁体を閉弁方向に移動させるベローズのような感圧手段と、前記感圧手段に可変荷重を与えるソレノイド手段とを有し、ソレノイド手段の発生荷重に応じて感圧手段の設定圧を可変設定する設定圧可変式の容量制御弁が従来より知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】夏場の高負荷時等、圧縮機の吸入圧力が高い時に、エンジン負荷低減等のために、圧縮機を完全なアンロード状態にしたい場合には、容量制御弁を全閉状態にする必要があり、上述のような従来の容量制御弁では、感圧手段(ベローズ)と弁体とが一体構造になっていて、常に感圧手段の影響を受けるため、容量制御弁を全閉状態にするためには、ベローズ内部のばねのばね力をかなり強くしなければならず、弁体を開弁方向に駆動するソレノイド手段が感圧手段と同じ側にあるため、ソレノイド手段がベローズ内部のばねのばね力に対抗して弁体を開弁駆動するためには、相当大きい吸引力を発生する大型のソレノイド手段が必要になるという問題点がある。
【0004】この発明は、上述の如き問題点に着目してなされたものであり、比較的弱いばね力によって全閉状態(完全なアンロード状態)にすることができ、これに応じてソレノイド手段を小型化でき、また高圧補正も行うことができる容量可変型圧縮機用制御弁を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的を達成するため、請求項1記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁は、容量可変型圧縮機の吸入ポートとクランク室とを連通する通路の開度を弁体の弁軸方向の移動により調整して容量可変型圧縮機の容量制御を行う容量可変型圧縮機用制御弁において、前記弁体の一方の側に当該弁体と離接可能に配置され、容量可変型圧縮機の吸入圧力に感応し、吸入圧力の低下に応じて伸長して前記弁体を閉弁方向に移動させる感圧手段と、前記弁体の他方の側に配置され、励磁されることにより前記弁体を開弁方向に駆動するソレノイド手段と、前記弁体を閉弁方向に駆動する付勢手段とを有しているものである。
【0006】請求項2記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁は、容量可変型圧縮機の吐出圧力が前記弁体に開弁方向に作用するよう構成されているものである。
【0007】請求項3記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁は、前記弁体がボール弁体と当該ボール弁体の前記他方の側に固定接続されたロッドとにより構成され、前記ロッドによって前記ソレノイド手段のプランジャと連結され、前記感圧手段はベローズにより構成され、前記ボール弁体が前記一方の側にて前記ベローズの一方の端面に離接可能に対向しているものである。
【0008】請求項1の発明による容量可変型圧縮機用制御弁によれば、ソレノイド手段が励磁されている場合には、ソレノイド手段が発生する開弁方向の駆動力と吸入圧力に感応する感圧手段による閉弁方向の駆動力との平衡関係によって弁体の開度が決まり、その開度に応じてクランク室より吸入ポート側へ流れる流体圧流量が調整され、容量可変型圧縮機の容量制御が行われれる。ソレノイド手段が消磁されると、弁体が付勢手段により感圧手段より切り離されて閉弁駆動され、感圧手段の感応動作とは無関係に付勢手段の付勢力によって全閉状態が得られる。
【0009】請求項2の発明による容量可変型圧縮機用制御弁によれば、容量可変型圧縮機の吐出圧力が弁体に開弁方向に作用し、吐出圧力対応の設定値補正(高圧補正)が行われる。
【0010】請求項3の発明による容量可変型圧縮機用制御弁によれば、ロッドによって弁体がソレノイド手段のプランジャと連結され、弁体はボール弁体をもってベローズの一方の端面に離接可能に対向する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】(実施の形態1)図1は本発明による実施の形態1の容量可変型圧縮機用制御弁を組み込まれた容量可変型圧縮機を、図2はこの本発明による容量可変型圧縮機用制御弁の実施の形態1を示している。
【0013】斜板式容量可変型圧縮機1は、圧縮機ハウジング2により画定されたクランク室3と、各々一方のストロークエンド部にてクランク室3に連通している複数個のシリンダ室4とを有している。シリンダ室4の各々にはピストン5が軸線方向に摺動自在に嵌合しており、各ピストン5のクランク室3側にはピストンロッド6の一端が連結されている。
【0014】圧縮機ハウジング2は駆動軸7を回転可能に支持しており、駆動軸7は、プーリ8に掛け渡された図示されていない駆動ベルトにより図示されていないエンジンと駆動連結され、エンジンによって回転駆動される。
【0015】駆動軸7はクランク室4内においてウオブル板(斜板)9を公知の連繋機構(図示省略)により取付角度変更可能にトルク伝達関係にて連結されており、ウオブル板9のシリンダ室4側の板面にはピスントロッド6が軸力伝達可能に係合している。
【0016】ウオブル板9が傾斜状態にて駆動軸7により回転駆動されることにより、各シリンダ室4のピストン5がウオブル板9の傾斜角に応じたストロークをもって往復動し、その傾斜角がクランク室圧力Pcと各シリンダ室4の吸入圧力(圧縮機吸入圧力)Psとの差圧に応じて自動調整される。
【0017】この場合、圧縮機1は、クランク室圧力Pcの上昇に応じてウオブル板9の傾斜角が減少してピストン5のストロークが低減することにより吐出容量を低減し、クランク室圧力Pcの低下に応じてウオブル板9の傾斜角が増大してピストン5のストロークが増大することにより吐出容量を増大し、クランク室圧力Pcが吸入圧力Psに実質的に等しい圧力になることによってフルロード運転状態になる。
【0018】各シリンダ室4には各々一方向弁による吸入弁、吐出弁(図示省略)を有する吸入ポート10と吐出ポート11とが形成されており、各シリンダ室4の吸入ポート10は吸入通路12によって吸入接続ポート14に連通し、吐出ポート11は吐出通路13によって吐出接続ポート15に連通しており、吸入接続ポート14と吐出接続ポート15とに、蒸発器、膨張弁、凝縮器(放熱器)を含む冷凍サイクル装置の冷凍サイクル用循環管路(図示省略)が接続されている。
【0019】圧縮機ハウジング2には有底孔構造の制御弁受入孔16が形成されており、この制御弁受入孔16内にこの発明による容量可変型圧縮機用制御弁20が挿入固定されている。
【0020】制御弁20は、制御弁受入孔16内に挿入される円柱状の弁ハウジング21を有している。
【0021】弁ハウジング21には、弁ハウジング21の上側中間部を径方向に横切って延在するクランク室側通路22と、弁ハウジング21の下部側に形成されたベローズ収容弁室23と、ベローズ収容弁室23に開口する吸入圧導入ポート24と、ベローズ収容弁室23とクランク室側通路22とを連通接続する弁ポート25および弁座部26とが形成されている。
【0022】ベローズ収容弁室23にはボール弁体27が配置されており、ボール弁体27は、弁座部26に選択的に着座することにより弁ポート25を開閉し、弁軸方向(上下方向)の移動量に応じて弁ポート25の開度、換言すれば、クランク室側通路22とベローズ収容弁室23との連通度を定量的に調整設定する。
【0023】ベローズ収容弁室23には感圧手段である密閉構造のベローズ28が配置されている。ベローズ28は、弁ハウジング21のねじ部21aにねじ係合して一方のエンド部材をなす調整ねじ部材29と、他方の端面部(上端面部)30aを一体に有する蛇腹状のベローズ本体30と、ベローズ本体30内の端面部30a側に設けられたストッパ部材31と、ベローズ28を伸長方向に付勢する圧縮コイルばね(ベローズ内部ばね)32とを有し、端面部30aにてボール弁体27の一方の側に離接可能に対向している。換言すれば、ボール弁体27が下底面側にてベローズ28の一方の端面部30aに離接可能に対向している。
【0024】ボール弁体27の他方の側(上側)には弁軸方向に延在するロッド33の先端側の小径部33aが溶接等により固定接続されており、ロッド33は大径部33bにて弁ハウジング21に形成されたロッド案内孔34に摺動可能に係合している。
【0025】弁ハウジング21の上端部(ボール弁体27の他方の側)にはソレノイド取付部材35が固定装着されており、ソレノイド取付部材35にソレノイド装置36が取り付けられている。ソレノイド装置36は、ソレノイド取付部材35に固定されたプランジャチューブ37および外函38と、プランジャチューブ37および外函38に固定された磁気ガイド部材39と、プランジャチューブ37内に図にて上下方向に移動可能に配置されたプランジャ40と、ソレノイド取付部材35に一体構成された吸引子41と、磁気ガイド部材39とプランジャ40との間に設けられたプランジャばね42と、プランジャチューブ37の外側に設けられたコイル部43とにより構成されており、プランジャ40にロッド33が固定連結されている。なお、プランジャ40には圧力バランス通路40aが貫通形成されている。
【0026】ロッド33の中間部にはスナップリング44が固定されており、スナップリング44とソレノイド取付部材35との間にボール弁体27を閉弁方向に駆動する付勢手段である閉弁ばね45が取り付けられている。
【0027】上述の構成による容量可変型圧縮機用制御弁20は圧縮機ハウジング2に形成された制御弁受入孔16内に挿入固定され、クランク室側通路22は圧縮機ハウジング2に形成されたクランク室圧力通路17によってクランク室3に連通し、吸入圧力導入ポート24は圧縮機ハウジング2に形成された吸入圧力通路18によって吸入ポート10に連通している。なお、圧縮機ハウジング2には、クランク室3と吐出ポート11とを連通するオリフィス通路2aが形成されている。
【0028】次に上述の構成よりなる容量可変型圧縮機用制御弁20の動作を説明する。
【0029】圧縮機1の吸入圧力Psが、吸入ポート10より吸入圧力通路18を経て吸入圧力導入ポート24よりベローズ収納弁室23内に入り、ベローズ28に作用する。これにより、ベローズ28は、圧縮機1の吸入圧力Psとベローズ内圧(真空圧)との差圧に応じて伸縮する。
【0030】ソレノイド装置36のコイル部43に対する通電によってソレノイド装置36が励磁されると、プランジャ40が吸引子41に磁気的に吸引され、その吸引力に応じてロッド33を介してボール弁体27が閉弁ばね45のばね力に抗して開弁方向に駆動され、ボール弁体27がベローズ28の上端面部30aに当接する。
【0031】これにより、ソレノイド装置36が励磁されている場合には、ソレノイド装置36が発生する開弁方向の駆動力と吸入圧力Psに感応するベローズ28による閉弁方向の駆動力との平衡関係によってボール弁体27の開度が決まり、その開度に応じてクランク室3より吸入ポート10側へ流れる流体圧流量が調整され、クランク室圧力Pcが調整されて圧縮機1の容量制御が行われれる。
【0032】ソレノイド装置36のコイル部43に対する通電が停止されてソレノイド装置36が消磁されると、閉弁ばね45のばね力によってボール弁体27がロッド33と共に上方へ移動し、ベローズ28より切り離されて弁座部26に着座する。これにより、ベローズ28の感応動作とは無関係に閉弁ばね45のばね力によって全閉状態が得られる。
【0033】この場合、比較的弱いばね力(閉弁ばね45のばね力)によって全閉状態(完全なアンロード状態)にすることができ、これに応じてソレノイド装置36を小型化することができる。
【0034】上述の構成による容量可変型圧縮機用制御弁20は、高圧影響を受けないタイプのものであり、この容量可変型圧縮機用制御弁20の使用では、夏場と冬場の室外温度負荷の相違を補償するために、吐出圧センサにより吐出圧力Pdを検出して制御系で高圧補正を行うことができる。
【0035】(実施の形態2)図3は本発明による実施の形態2の容量可変型圧縮機用制御弁を組み込まれた容量可変型圧縮機を、図4はこの本発明による容量可変型圧縮機用制御弁の実施の形態2を示している。なお、図3、図4において、図1、図2に対応する部分は、図1、図2に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0036】この実施の形態では、制御弁20の弁ハウジング21のソレノイド装置36側に吐出ポート側通路46が追加形成されている。吐出ポート側通路46はロッド33の外周面とロッド案内孔34の内周面との間の間隙や圧力バランス通路40aによりプランジャ室47に連通しており、圧縮機ハウジング2に形成された吐出圧力通路19によって吐出ポート側通路46に導かれる圧縮機1の吐出圧力Pdがロッド33を介してボール弁体27を開弁方向に付勢するようにロッド33に作用する構造になっている。
【0037】これにより、容量可変型圧縮機1の吐出圧力Pdがボール弁体27に開弁方向に作用し、吐出圧力対応の設定値補正(高圧補正)が行われる。この容量可変型圧縮機用制御弁20の使用では、夏場と冬場の室外温度負荷の相違の補償を制御弁20自体で行うことができ、吐出圧センサによる吐出圧力Pdの検出を必要としない。
【0038】なお、この実施の形態でも、前述の実施の形態と同様に、ソレノイド装置36のコイル部43に対する通電が停止されてソレノイド装置36が消磁されると、閉弁ばね45のばね力によってボール弁体27がロッド33と共に上方へ移動し、ベローズ28より切り離されて弁座部26に着座し、ベローズ28の感応動作とは無関係に閉弁ばね45のばね力によって全閉状態が得られるから、比較的弱いばね力(閉弁ばね45のばね力)によって全閉状態(完全なアンロード状態)にすることができ、これに応じてソレノイド装置36を小型化することができる。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、請求項1記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁によれば、ソレノイド手段が消磁されると、弁体が付勢手段により感圧手段より切り離されて閉弁駆動され、感圧手段の感応動作とは無関係に付勢手段の付勢力によって全閉状態が得られるから、比較的弱い付勢手段によって全閉状態(完全なアンロード状態)を得ることができ、これに応じてソレノイド手段を小型化することができる。
【0040】請求項2記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁によれば、容量可変型圧縮機の吐出圧力が弁体に開弁方向に作用し、吐出圧力対応の設定値補正(高圧補正)が行われるから、夏場と冬場の室外温度負荷の相違の補償を制御弁自体で行うことができる。
【0041】請求項3の発明による容量可変型圧縮機用制御弁によれば、ロッドによって弁体がソレノイド手段のプランジャと連結され、弁体はボール弁体をもってベローズの一方の端面に離接可能に対向し、ソレノイド手段が消磁されると、ボール弁体が付勢手段の付勢力によってベローズの一方の端面より離れてベローズの感応動作とは無関係に全閉状態が得られるから、比較的弱い付勢手段によって全閉状態(完全なアンロード状態)を得ることができ、これに応じてソレノイド手段を小型化することができる。




 

 


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