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発明の名称 容量可変型圧縮機用制御弁
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−20857(P2001−20857A)
公開日 平成13年1月23日(2001.1.23)
出願番号 特願平11−189979
出願日 平成11年7月5日(1999.7.5)
代理人 【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄 (外1名)
【テーマコード(参考)】
3H045
3H076
【Fターム(参考)】
3H045 AA04 AA12 AA25 BA12 BA13 BA18 CA05 DA19 EA27 EA44 
3H076 AA06 BB40 BB41 CC16 CC20 CC44 CC82 CC85 CC92 CC93 CC97
発明者 水藤 健 / 西村 健太 / 稲次 賢志 / 松原 亮 / 金子 守男 / 大河原 一郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 圧縮機の吸入ポートとクランク室とを連通する連通路を有する弁ハウジングと、前記弁ハウジング内に設けられて前記連通路を開閉するボール弁体と、前記ボール弁体を閉弁方向へ付勢するばねと、前記ボール弁体を自動求心ボールとして当該ボール弁体と直接的に接続され、圧縮機の吸入圧力を及ぼされて前記ボール弁体を開弁方向へ駆動する圧力応動装置と、前記弁ハウジングに摺動可能に嵌合し、一端にて前記ボール弁体と接合され、他端に圧縮機の吐出圧力の導入口を有し、内部通路を通して圧縮機の吐出圧力を前記ボール弁体の背面に開弁方向の力として作用させる吐出圧力導入中空管体と、を有していることを特徴とする容量可変型圧縮機用制御弁。
【請求項2】 前記吐出圧力導入中空管体は前記弁ハウジングに形成された嵌合孔に摺動可能に嵌合しており、外径寸法と前記ボール弁体に圧縮機の吐出圧力を及ぼす受圧面部の有効径とが等しいことを特徴とする請求項1に記載の容量可変型圧縮機用制御弁。
【請求項3】 前記吐出圧力導入中空管体は前記弁ハウジングに固定されたガイド筒体の外周部に摺動可能に嵌合していることを特徴とする請求項1に記載の容量可変型圧縮機用制御弁。
【請求項4】 前記吐出圧力導入中空管体を介して前記ボール弁体を開弁方向に付勢する弁体付勢手段をさらに備えることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の容量可変型圧縮機用制御弁。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、容量可変型圧縮機用制御弁に関し、特に、車載空調装置などにて使用される斜板式容量可変型圧縮機のための容量制御弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】斜板式容量可変型圧縮機のための容量制御弁として、特公平3−53474号公報、実公平6−17010号公報、特開平8−177735号公報に示されている容量制御弁が従来より知られている。
【0003】この容量制御弁は、基本的には、斜板を内蔵した圧縮機のクランク室の圧力の上昇に応じて吐出容量を低減し、クランク室の圧力の低下に応じて吐出容量を増大する容量可変型圧縮機において、圧縮機の吸入ポートとクランク室とを連通する連通路を、圧縮機の吸入圧力に応動する圧力応動装置の開弁力と閉弁ばねのばね力との平衡関係により駆動される弁体により開閉し、クランク室に対して供給する圧縮機の吸入圧力を制御する制御弁であり、更に、圧縮機の吐出圧力を開弁方向に及ぼし、前記弁体の開閉動作点を吐出圧力に応じて偏移させ、外気負荷(吐出圧力)に相関した容量制御を行うよう構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来の容量制御弁は、いずれも、一応、所期の目的を達成するが、しかし、部品点数、組付工数が増えたりし、また、圧縮機ハウジングに直接組み込むものでは、容量制御弁の各部に吸入圧力や吐出圧力を導くための通路構造が複雑になったり、圧縮機ハウジングにおける配置位置の自由度が制限されたりし、これらのことについて充分に満足できるものではない。
【0005】圧力応動装置として、ダイヤフラム装置やベローズ装置等があり、これら圧力応動装置による駆動力は、弁体に対して軸力として作用する必要があり、さもないと、弁体の移動に対してこじりが生じ、弁体の開閉移動の円滑性が損なわれる。このため、従来の容量制御弁では、弁体と圧力応動装置との間に、ばねや自動求心ボールを設けなくてはならず、部品点数、組付工数の増加を招く。
【0006】この発明は、上述の如き問題点に着目してなされたものであり、特別な自動求心ボール等を必要とすることがなく、構造簡単にして、部品点数、組付工数を増加することがなく、また、圧縮機ハウジング組込式のものとして、通路構造を複雑にすることがなく、圧縮機ハウジングにおける配置位置の自由度に優れた容量可変型圧縮機用制御弁を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的を達成するため、請求項1記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁は、圧縮機の吸入ポートとクランク室とを連通する連通路を有する弁ハウジングと、前記弁ハウジング内に設けられて前記連通路を開閉するボール弁体と、前記ボール弁体を閉弁方向へ付勢するばねと、前記ボール弁体を自動求心ボールとして当該ボール弁体と直接的に接続され、圧縮機の吸入圧力を及ぼされて前記ボール弁体を開弁方向へ駆動する圧力応動装置と、前記弁ハウジングに摺動可能に嵌合し、一端にて前記ボール弁体と接合され、他端に圧縮機の吐出圧力の導入口を有し、内部通路を通して圧縮機の吐出圧力を前記ボール弁体の背面に開弁方向の力として作用させる吐出圧力導入中空管体と有しているものである。
【0008】請求項2記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁は、前記吐出圧力導入中空管体は前記弁ハウジングに形成された嵌合孔に摺動可能に嵌合しており、外径寸法と前記ボール弁体に圧縮機の吐出圧力を及ぼす受圧面部の有効径とが等しいものである。
【0009】請求項3記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁は、前記吐出圧力導入中空管体は前記弁ハウジングに固定されたガイド筒体の外周部に摺動可能に嵌合しているものである。
【0010】請求項4記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁は、前記吐出圧力導入中空管体を介して前記ボール弁体を開弁方向に付勢する弁体付勢手段をさらに備えるものである。
【0011】請求項1の発明による容量可変型圧縮機用制御弁によれば、圧縮機の吐出圧力が吐出圧力導入中空管体によってボール弁体に直接作用し、システム負荷特性に相関する圧縮機吐出圧力に応じた高圧影響特性(吐出圧力影響特性)が設定される。また、ボール弁体を自動求心ボールとして、ボール弁体が直接的に圧力応動装置と接続され、特別な自動求心ボール等を必要としない構造になっている。
【0012】請求項2の発明による容量可変型圧縮機用制御弁によれば、嵌合孔に摺動可能に嵌合している吐出圧力導入中空管体の吐出圧力導入口側の端面にも圧縮機の吐出圧力が作用するが、吐出圧力導入中空管体の外径寸法とボール弁体の受圧面部の有効径とが等しいから、吐出圧力導入中空管体の吐出圧力導入口側の端面に作用する圧縮機の吐出圧力がキャンセルされる。
【0013】請求項3の発明による容量可変型圧縮機用制御弁によれば、吐出圧力導入中空管体の端面に圧縮機の吐出圧力が作用することがなく、吐出圧力導入中空管体の有効径と外径寸法とを合わせる必要がない。
【0014】請求項4記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁によれば、弁体付勢手段の付勢力により吐出圧力導入中空管体を介してボール弁体が開弁方向に付勢されるから、ボール弁体及び圧力応動装置の耐振動性が向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】(実施の形態1)図1は本発明による制御弁を組み込まれた容量可変型圧縮機を、図2はこの本発明による容量制御弁の実施の形態1を各々示している。
【0017】図1に示されているように、斜板式容量可変型圧縮機1は、圧縮機ハウジング2により画定されたクランク室3と、各々一方のストロークエンド部にてクランク室3に連通している複数個のシリンダ室4とを有している。シリンダ室4の各々にはピストン5が軸線方向に摺動自在に嵌合しており、各ピストン5のクランク室3側にはピストンロッド6の一端が連結されている。
【0018】圧縮機ハウジング2は駆動軸7を回転可能に支持しており、駆動軸7は、プーリ8に掛け渡された図示されていない駆動ベルトにより図示されていないエンジンと駆動連結され、エンジンによって回転駆動される。
【0019】駆動軸7はクランク室3内においてウオブル板(斜板)9を公知の連繋機構(図示省略)により取付角度変更可能にトルク伝達関係にて連結されており、ウオブル板9のシリンダ室4側の板面にはピストンロッド6が軸力伝達可能に係合している。
【0020】ウオブル板9が傾斜状態にて駆動軸7により回転駆動されることにより、各シリンダ室4のピストン5がウオブル板9の傾斜角に応じたストロークをもって往復動し、その傾斜角がクランク室圧力Pcと各シリンダ室4の吸入圧力(圧縮機吸入圧力)Psとの差圧に応じて自動調整される。
【0021】この場合、圧縮機1は、クランク室圧力Pcの上昇に応じてウオブル板9の傾斜角が減少してピストン5のストロークが低減することにより吐出容量を低減し、クランク室圧力Pcの低下に応じてウオブル板9の傾斜角が増大してピストン5のストロークが増大することにより吐出容量を増大し、クランク室圧力Pcが吸入圧力Psに実質的に等しい圧力になることによってフルロード運転状態になる。
【0022】各シリンダ室4には各々一方向弁による吸入弁12、吐出弁13を有する吸入ポート14と吐出ポート15とが形成されており、各シリンダ室4の吸入ポート14は吸入通路16によって吸入接続ポート17に連通し、吐出ポート15は吐出通路18によって吐出接続ポート19に連通しており、吸入接続ポート17と吐出接続ポート19とに、蒸発器20、膨張弁21、凝縮器22などを含む冷凍サイクル用循環管路が接続されている。
【0023】圧縮機ハウジング2には有底孔による制御弁受入孔23が形成されており、この制御弁受入孔23内にこの発明による制御弁30が挿入固定されている。
【0024】制御弁30は、制御弁受入孔23に挿入される円柱状の弁ハウジング31を有している。
【0025】図2に示されているように、弁ハウジング31には、弁ハウジング31の中間部を径方向に横切って各々延在するクランク室側通路32および吸入ポート側通路33と、弁ハウジング31の内部であってクランク室側通路32と吸入ポート側通路33との間に存在する弁室34とが形成されている。また、弁ハウジング31の外周部にはクランク室側通路32のための環状周溝35と吸入ポート側通路33のための環状周溝36が形成されている。
【0026】弁室34にはボール弁体37が配置されており、ボール弁体37は弁座部38に選択的に着座することによりクランク室側通路32と吸入ポート側通路33との連通、遮断を行う。
【0027】弁ハウジング31の一端部(下端部)にはベローズ収容ケース39がかしめ結合されている。
【0028】ベローズ収容ケース39内には圧力応動装置である密閉構造のベローズ装置40が配置されている。ベローズ装置40は、一端に端板43を一体に有している蛇腹状のベローズ本体41と、ベローズ本体41の他端を閉じる端板42により構成され、内部は真空圧になっている。ベローズ本体41内の端板42と端板43との間にはベローズ装置40を伸張方向(閉弁方向)に付勢する圧縮コイルばね44(請求項中のばねに相当)が設けられている。また、ベローズ本体41内の端板43側には当金部材45が設けられており、当金部材45のストッパ面部45aと端板42のストッパ面部42aとの当接により、ベローズ装置40の最大収縮量が規定されている。
【0029】ベローズ収容ケース39には調整ねじ部材46がねじ係合しており、調整ねじ部材46は、当該調整ねじ部材46の軸心部に配置されたボール47と端板42のストッパ面部42aの軸心部(ベローズ中心)に形成された球面状窪み42bとによる球面継手構造により、ベローズ装置40の一端を保持している。すなわち、ベローズ装置40とベローズ収容ケース39とが調整ねじ部材46を介して球面継手構造によって球面接続されている。
【0030】ベローズ装置40は端板43の軸心部(ベローズ中心)に形成された球面状窪み43aにて球面継手式にボール弁体37に直接接続されており、ベローズ装置40の伸縮がボール弁体37に軸力として伝えられようになっている。
【0031】ベローズ収納ケース39は吸入ポート側通路33と連通し、ベローズ装置40は吸入ポート側通路33よりベローズ収納ケース39内に導入される吸入圧力とベローズ内圧との差圧に応じて伸縮する。
【0032】弁ハウジング31の他端部(上端部)には弁ハウジング31の中心部を軸線方向に貫通する嵌合孔48が形成されている。嵌合孔48には吐出圧力導入中空管体49が軸線方向に摺動可能に嵌合している。吐出圧力導入中空管体49は一端(下端)をボール弁体37と溶接等により接合されている。吐出圧力導入中空管体49の他端側(上端側)は、嵌合孔48内にあり、圧縮機1の吐出圧力Pdの導入口49cをなしている。吐出圧力導入中空管体49はボール弁体37との接合部(下端部)において拡径され、吐出圧力導入中空管体49の外径寸法Daと、吐出圧力導入中空管体49よりボール弁体37に及ぼす圧力の受圧面部37aの有効径Dbとが互いに等しくなっている。
【0033】吐出圧力導入中空管体49の拡径部49aと弁ハウジング31との間にはボール弁体37を開弁方向に付勢する圧縮コイルばね50(請求項中の弁体付勢手段に相当)が設けられている。
【0034】尚、前記圧縮コイルばね50のばね荷重は、ボール弁体37の弁開時において、ボール弁体37及びベローズ装置40が圧縮機1の運転中の振動によりガタつくことがないような値に設定されている。
【0035】上述の構成による制御弁30は、図1に示されているように、圧縮機ハウジング2の制御弁受入孔23に挿入固定され、クランク室側通路32、環状周溝35はクランク室圧力通路24によってクランク室3に連通し、吸入ポート側通路33、環状周溝36は吸入圧力通路25によって吸入ポート14に連通し、嵌合孔48は吐出圧力通路26によって吐出ポート15に連通している。
【0036】なお、クランク室圧力通路24、吸入圧力通路25、吐出圧力通路26は、圧縮機ハウジング2の内部に形成されている圧力通路である。
【0037】次に上述の構成よりなる制御弁30の動作を説明する。
【0038】圧縮機1の吸入圧力Psが、吸入ポート14より吸入圧力通路25を経て環状周溝36、吸入ポート側通路33に至り、これより更に、ベローズ収納ケース39内に入り、ベローズ装置40に作用する。これにより、ベローズ装置40は、圧縮機1の吸入圧力Psとベローズ内圧との差圧に応じて伸縮し、吸入圧力Psの増大に伴い圧縮コイルばね44のばね力に抗して収縮する。ボール弁体37は、吐出圧力導入中空管体49によって導入される圧縮機の吐出圧力Pdが受圧面部37aに作用することと、圧縮コイルばね50のばね力によって開弁方向に付勢されているから、吸入圧力Psの増大によるベローズ装置40の収縮により開弁する。
【0039】受圧面部37aに補正圧として作用する吐出圧Pdを一定とすると、ボール弁体37は、ベローズ装置40に作用する吸入圧力Psによる開弁力と圧縮コイルばね44のばね力による閉弁力との平衡関係により開閉駆動される。
【0040】従って、吸入圧力Psが圧縮コイルばね44の設定荷重により決まる制御弁設定圧(基準設定圧力Pss)以下であると、圧縮コイルばね44のばね力によってボール弁体37が閉弁移動し、弁座部38に着座して閉弁する。これにより、クランク室3に対する吸入圧力Psの供給が停止され、クランク室圧力Pcが上昇し、圧縮機1はアンロード運転状態になる。
【0041】これに対し、吸入圧力Psが制御弁設定圧(基準設定圧力Pss)以上になると、圧縮コイルばね44のばね力に抗してボール弁体37が開弁移動し、弁座部38より離間して開弁する。これにより、クランク室3に対して吸入圧力Psが供給され、クランク室圧力Pcが吸入圧力Psと同じ圧力になり、圧縮機1はフルロード運転状態になる。
【0042】上述のように、受圧面部37aに補正圧として作用する吐出圧Pdを一定にした場合には、すなわち、高圧補正を行わない場合には、圧縮機1は、図3にて破線により示されているように、吸入圧力Psが基準設定圧力Pssで一定となる容量制御運転となる。
【0043】ボール弁体37の受圧面部37aには補正圧として吐出圧力導入中空管体49に導入された圧縮機1の吐出圧力Pdが直接作用し、受圧面部37aの有効面積をAhとすると、Ah・Pdによる開弁力がボール弁体37に付加される。
【0044】なお、嵌合孔48に摺動可能に嵌合している吐出圧力導入中空管体49の導入口49c側の端面49bにも圧縮機1の吐出圧力Pdが作用するが、吐出圧力導入中空管体49の外径寸法Daとボール弁体37の受圧面部37aの有効径Dbとが等しいから、吐出圧力導入中空管体49の端面49bに作用する圧縮機1の吐出圧力Pdはキャンセルされる。
【0045】ボール弁体37には吐出圧力Pdに相関するAh・Pdによる開弁力が作用するから、基準吐出圧力Pdsにおけるバランス状態にて基準設定圧力Pssを設定しておくと、吐出圧力Pdの低下(吐出圧力Pd<基準吐出圧力Pds)により開弁に必要な吸入圧力Psが高くなり、吐出圧力Pdの上昇(吐出圧力Pd>基準吐出圧力Pds)により開弁に必要な吸入圧力Psが低くなる。
【0046】即ち、吐出圧力PdがPd´にまで低下すると、開弁力はAh(Pd−Pd´)分、小さくなり、この開弁力とベローズ装置40の有効受圧面積Adとの比率から、開弁圧がAh(Pd−Pd´)/Adに応じて上昇する圧力特性が得られる。
【0047】このことは下式により示され、受圧面部37aの有効面積Ahを決定する吐出圧力導入中空管体49の有効径を選定することにより目的とする高圧影響特性が得られる。
Ps=Pss−Ah(Pd−Pds)/Ad【0048】これにより、図3に実線により示されているように、吐出圧力Pdの増加に比例して吸入圧力Psが低下する制御特性が得られ、システム負荷特性に相関する吐出圧力Pdにより容量制御圧縮機の制御特性を合わすことができる。
【0049】このことは、冷媒回路システムにおいては、蒸発負荷と凝縮負荷とは比例関係にあり、蒸発負荷は冷媒循環量に比例し、蒸発器内圧力損失は冷媒循環量に比例すると云うことにおいて、効率よい省エネルギシステムとする容量制御圧縮機の容量制御に叶うことになる。
【0050】また、ボール弁体37がベローズ装置40と直接接続され、ボール弁体37が弁体−圧力応動装置間の球面継手の自動求心ボールとして作用するから、特別な自動求心ボール等を必要とすることなく、ベローズ装置40の駆動力がボール弁体37に軸力として良好に作用する。
【0051】(実施の形態2)図4はこの発明による容量可変型圧縮機用制御弁の実施の形態2を示している。なお、図3において、図2に対応する部分は、図2に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0052】この実施の形態では、実施の形態1の嵌合孔(48)に相当する孔51にガイド筒体52が挿入固定されており、ガイド筒体52の外周部に吐出圧力導入中空管体49が摺動可能に嵌合している。
【0053】この実施の形態でも、ボール弁体37の受圧面部37aには補正圧として吐出圧力導入中空管体49に導入された圧縮機1の吐出圧力Pdが直接作用し、実施の形態1と同等の作用、効果が得られ、実運転時の制御弁特性を吐出圧力Pdに相関した特性とすることができる。
【0054】なお、この実施の形態では、吐出圧力導入中空管体49の端面49aに圧縮機1の吐出圧力Pdが作用することがないから、吐出圧力導入中空管体49の有効径と外径寸法とを合わせる必要がない。
【0055】なお、この実施の形態でも、ボール弁体37はベローズ装置40と直接接続され、ボール弁体37が弁体−圧力応動装置間の球面継手の自動求心ボールとして作用するから、特別な自動求心ボール等を必要とすることなく、ベローズ装置40の駆動力がボール弁体37に軸力として良好に作用する。
【0056】上述の何れの実施の形態においても、圧力応動装置は密閉構造のベローズ装置40としたが、圧力応動装置は、ベローズ装置40に限られることはなく、ダイヤフラム装置等であってもよく、圧力応動装置をダイヤフラム装置で構成した容量可変型圧縮機用制御弁を実施の形態1に適用した実施の形態を実施の形態3として以下に説明する。
【0057】(実施の形態3)図5はこの本発明による容量制御弁の実施の形態3を示している。なお、図5において、図2に対応する部分は、図2に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0058】ダイヤフラム装置60は、弁ハウジング31の下端部にかしめ結合された皿状の上蓋61と、ダイヤフラム62を挟んで上蓋61と結合された皿状の下蓋63と、下蓋63にかしめ結合された円筒状のばね箱64と、ばね箱64にねじ係合した調整ねじ65とを有している。
【0059】ダイヤフラム62は、弁ハウジング31側にダイヤフラム室66を、ばね箱64側に密閉室67を各々画定しており、ダイヤフラム室66側にてボール弁体37の保持体68と接続されている。
【0060】ダイヤフラム62の密閉室67側には当金69、ボール70、ばね受け部材71が順に設けられており、ばね受け部材71と調整ねじ65との間には、ダイヤフラム62を介してボール弁体37を閉弁方向(上向き)へ付勢する圧縮コイルばね72が設けられている。
【0061】ダイヤフラム室66は弁室34と連通しており、弁室34に導かれる吸入圧力Psを与えられる。
【0062】この実施の形態でも、吐出圧力導入中空管体49等の構成は実施の形態1の同等に構成されているから、実施の形態3において実施の形態1と同等の作用、効果が得られる。
【0063】また、ボール弁体37は保持体68を介してダイヤフラム装置60と直接的に接続され、この場合も、ボール弁体37が弁体−圧力応動装置間の球面継手の自動求心ボールとして作用するから、特別な自動求心ボール等を必要とすることなく、ベローズ装置40の駆動力がボール弁体37に軸力として良好に作用する。
【0064】尚、上述した各実施形態では、吐出圧力導入中空管体49の一端(下端)をボール弁体37と溶接等により接合するものとしたが、圧縮コイルばね50の付勢力により吐出圧力導入中空管体49の一端(下端)をボール弁体37に圧接させるようにしてもよい。
【0065】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、請求項1記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁によれば、圧縮機の吸入ポートとクランク室とを連通する連通路を有する弁ハウジングと、前記弁ハウジング内に設けられて前記連通路を開閉するボール弁体と、前記ボール弁体を閉弁方向へ付勢するばねと、前記ボール弁体を自動求心ボールとして当該ボール弁体と直接的に接続され、圧縮機の吸入圧力を及ぼされて前記ボール弁体を開弁方向へ駆動する圧力応動装置と、前記弁ハウジングに摺動可能に嵌合し、一端にて前記ボール弁体と接合され、他端に圧縮機の吐出圧力の導入口を有し、内部通路を通して圧縮機の吐出圧力を前記ボール弁体の背面に開弁方向の力として作用させる吐出圧力導入中空管体と有しているものとした。
【0066】このため、圧縮機の吐出圧力が吐出圧力導入中空管体によってボール弁体に直接作用し、システム負荷特性に相関する圧縮機吐出圧力に応じた高圧影響特性(吐出圧力影響特性)が設定される。この場合、吐出圧力導入中空管体の有効径の設定により任意の高圧影響特性が得られ、この高圧影響特性は吐出圧力導入中空管体の有効径の選定により自由度を高く設定できる。
【0067】また、圧縮機の吐出圧力が吐出圧力導入中空管体によってボール弁体に直接作用するから、従来のものに比して部品点数、組付工数を削減でき、圧縮機ハウジングに直接組み込む場合において容量制御弁の各部に吸入圧力や吐出圧力を導くための通路構造を複雑にしたり、圧縮機ハウジングにおける配置位置の自由度を制限されることがない。
【0068】また、ボール弁体が圧力応動装置と直接的に接続され、ボール弁体が弁体−圧力応動装置間の球面継手の自動求心ボールとして作用するから、特別な自動求心ボール等を必要とすることなく、圧力応動装置の駆動力がボール弁体に軸力として良好に作用するから、このことによっても部品点数、組付工数を削減できる。
【0069】請求項2記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁によれば、前記吐出圧力導入中空管体は前記弁ハウジングに形成された嵌合孔に摺動可能に嵌合しており、外径寸法と前記ボール弁体に圧縮機の吐出圧力を及ぼす受圧面部の有効径とが等しいものとした。
【0070】このため、嵌合孔に摺動可能に嵌合している吐出圧力導入中空管体の吐出圧力導入口側の端面にも圧縮機の吐出圧力が作用するが、吐出圧力導入中空管体の外径寸法とボール弁体の受圧面部の有効径とが等しいから、吐出圧力導入中空管体の吐出圧力導入口側の端面に作用する圧縮機の吐出圧力がキャンセルされ、所要の高圧影響特性が得られる。
【0071】請求項3記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁によれば、前記吐出圧力導入中空管体は前記弁ハウジングに固定されたガイド筒体の外周部に摺動可能に嵌合しているものとした。
【0072】このため、吐出圧力導入中空管体の端面に圧縮機の吐出圧力が作用することがなく、吐出圧力導入中空管体の有効径と外径寸法とを合わせることなく所要の高圧影響特性が得られる。
【0073】請求項4記載の発明による容量可変型圧縮機用制御弁によれば、前記吐出圧力導入中空管体を介して前記ボール弁体を開弁方向に付勢する弁体付勢手段をさらに備えるものとした。
【0074】このため、吐出圧力導入中空管体を介してボール弁体を開弁方向に付勢する弁体付勢手段の付勢力により、ボール弁体及び圧力応動装置の耐振動性が向上し、静粛で安定した容量制御動作が得られる。




 

 


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