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発明の名称 多翼ファン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−115997(P2001−115997A)
公開日 平成13年4月27日(2001.4.27)
出願番号 特願平11−292055
出願日 平成11年10月14日(1999.10.14)
代理人 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
発明者 甲斐 融 / 大森 和也
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 片側に吸込口を形成するベルマウス状で、羽根内径と同等の内径の吸込オリフィスと吐出口を有する渦巻き状のケーシング内部に、環状の側板と、この側板側に凸となる略円錐台形状の絞り部を有する主板によって挟むように取り付けられた複数のブレードを備え、このブレード入口部およびブレード出口部の一部または全部を、主板側のブレード出口部が側板側のブレード出口部よりも回転方向(周方向)に前進した状態で前記主板側から前記側板側に向かって、順次ひねることで異なった入口角度および出口角度を有する多翼ファン。
【請求項2】 主板の絞り部の略側面部に複数個の穴を有する請求項1記載の多翼ファン。
【請求項3】 側板側から主板側へブレードの軸方向幅の30%から50%の領域の補助ブレードを増加させた請求項1または2記載の多翼ファン。
【請求項4】 ブレード入口部の一部または全部が、前記主板から前記側板に向かって羽根内径が大きくなるテーパ形状を有する請求項1、2または3記載の多翼ファン。
【請求項5】 吸込オリフィスの内径を羽根外径と羽根内径の間に位置する内径に拡大し、この吸込オリフィスの内径と同等の内径である側板を有した請求項1,2,3または4記載の多翼ファン。
【請求項6】 ブレードの軸方向幅における側板から主板側へ軸方向幅の5%から10%かつ、ブレードの径方向幅における羽根内径から羽根外径へ径方向幅の20%から50%の領域を削除し、羽根外径と羽根内径の間に位置する内径に拡大した吸込オリフィスのR形状の終端部を多翼ファン側に前記領域内まで延長した請求項1,2,3または4記載の多翼ファン。
【請求項7】 ブレードの軸方向幅における側板から主板側へ軸方向幅の5%から10%かつ、ブレードの径方向幅における羽根内径から羽根外径へ径方向幅の20%から50%の領域を削除し、内径が羽根外径と羽根内径の間に位置し、内径側がベルマウス状のR形状である側板を有する請求項1,2,3または4記載の多翼ファン。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、換気送風および空気調和機器に使用される多翼ファンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、居住および非居住空間で使用される換気送風機器および空気調和機器において、設置スペースの減少に伴う送風ユニットの小型化が要求される一方、騒音、空力性能の向上した多翼ファンが要求されている。
【0003】以下、この種の多翼ファンについて、図16から図21を参照しながら説明する。
【0004】図に示すように、片側に吸込口101を形成するベルマウス状で羽根内径D1と同等の内径の吸込オリフィス102と吐出口103を有する渦巻き状のケーシング104内部に、環状の側板105と、この側板105側に凸となる略円錐台形状の絞り部106を有する主板107によって、ブレード入口部108の入口角度θ1およびブレード出口部109の出口角度θ2が側板105側から主板107側まで同一の複数のブレード110が挟むように取り付けられた多翼ファン111が、ケーシング104に取り付けられたモータ112のシャフト113に連結された構成になっている。
【0005】上記構成により、シャフト113に駆動力を与えて多翼ファン111を回転させることにより、吸込空気114は、吸込オリフィス102の吸込口101を通過し、ブレード入口部108へ流入しブレード110間で昇圧され、ブレード出口部109から流出して更に渦巻き状のケーシング104を通る際に徐々に動圧が静圧に変換され、吐出口103へ吐出されることになる。そして、この多翼ファン111は、吐出口103に連結される吐出ダクトの長さによって、多翼ファン111に対する負荷(静圧)が変化し、大風量・低静圧域から小風量・高静圧域まで様々な動作点を有することとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の多翼ファンでは、大流量・低静圧域の動作点では、主流が主板側に偏って流れるため有効仕事領域が狭く、主板側のブレード間の流速が早くなりブレード表面の剥離が発生しやすく全圧効率が低く、騒音が大きいという課題があり、また主板が側板側に凸形状となる絞り形状であるため、主板側のブレードへ流れが流入する際、流速が増速した状態でブレード入口部に流入しやすく、ブレード入口部での衝突、剥離現象及びブレード表面での剥離現象とそれに伴う乱流騒音の発生を促進しやすいという課題がある。
【0007】また、小流量・高静圧域の動作点では、主流が主板側のブレードから側板側のブレードへ移行するが、ブレードの入口角度が主板側から側板側まで同一の場合、流入角度とブレードの入口角度との差が大きくなり、ブレード入口部での衝突及び剥離現象とそれに伴う騒音が発生しやすいという課題があり、また主流が主板側のブレードから側板側のブレードへ移行するため、主板側のブレードの全周域において、ブレードから流出した流れが、主板の裏側に逆流しよどんだ状態で滞留するので、主板側のブレードが有効な仕事をせず空力性能が低下するという課題があり、また特に側板側のブレードが舌部付近を通過する際、ブレード出口部から入口部への逆流現象が発生しやすく、サージングを引き起こす原因となっているという課題がある。
【0008】このような上記課題に対し、大風量・低静圧域から小風量・高静圧域までの多翼ファンの動作範囲において、空力性能が向上し、低騒音であることが要求されている。
【0009】本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、大流量・低静圧域の動作点において、ブレード入口部での衝突・剥離現象を軽減すると共に主板に偏る主流範囲を側板側へ拡大し、主板側のブレードにおけるブレード間の流速増加を緩和し剥離に伴う乱流騒音を低減することのでき、またブレード入口部に流入する流れの流速を減少させ、ブレード入口部及びブレード表面での衝突、剥離現象とそれに伴う騒音発生の促進を防ぐことのでき、また小流量・高静圧域の動作点において、側板側のブレード入口部の入口角度と流入角度の差を小さくすることで、ブレード入口部での衝突・剥離現象及びそれに伴う乱流騒音を低減することのでき、また主板側のブレードの仕事量を増加させ空力性能の低下を防ぐことのでき、また舌部付近の逆流現象を防止し、サージングを発生しにくくすることのできる多翼ファンを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の多翼ファンは、上記目的を達成するために、片側に吸込口を形成するベルマウス状で、羽根内径と同等の内径を有する吸込オリフィスと吐出口を有する渦巻き状のケーシング内部に、環状の側板と、この側板側に凸となる略円錐台形状の絞り部を有する主板によって挟むように取り付けられた複数のブレードを備え、このブレード入口部およびブレード出口部の一部または全部を、主板側のブレード出口部が側板側のブレード出口部よりも回転方向(周方向)に前進した状態で前記主板側から前記側板側に向かって、順次ひねることで異なった入口角度および出口角度を有することを特徴とする。
【0011】本発明によれば、大流量・低静圧域の動作点において、ブレード入口部での衝突・剥離現象を軽減すると共に主板に偏る主流範囲を側板側へ拡大し、主板側のブレードにおけるブレード間の流速増加を緩和し剥離に伴う乱流騒音を低減することのでき、また小流量・高静圧域の動作点において、側板側のブレード入口部の入口角度と流入角度の差を小さくすることで、ブレード入口部での衝突・剥離現象及びそれに伴う乱流騒音を低減することのできる多翼ファンが得られる。
【0012】また他の手段は、主板の絞り部の略側面部に複数個の穴を有することを特徴とする。
【0013】そして本発明によれば、大流量・低静圧域の動作点においてブレード入口部に流入する流れの流速を減少させ、ブレード入口部及びブレード表面での衝突、剥離現象とそれに伴う騒音発生の促進を防ぐことのでき、また小流量・高静圧域の動作点において主板側のブレードの仕事量を増加させ空力性能の低下を防ぐことのできる多翼ファンが得られる。
【0014】また他の手段は、側板側から主板側へブレードの軸方向幅の30%から50%の領域の補助ブレードを増加させたことを特徴とする。
【0015】そして本発明によれば、小流量・高静圧域の動作点において舌部付近の逆流現象を防止し、サージングを発生しにくくすることのできる多翼ファンが得られる。
【0016】また他の手段は、ブレード入口部の一部または全部が、前記主板から前記側板に向かって羽根内径が大きくなるテーパ形状を有することを特徴としている。
【0017】そして本発明によれば、大流量・低静圧域の動作点において、ブレード入口部での衝突・剥離現象を軽減すると共に主板に偏る主流範囲を側板側へ拡大し、主板側のブレードにおけるブレード間の流速増加を緩和し剥離に伴う乱流騒音を低減することのできる多翼ファンが得られる。
【0018】また他の手段は、吸込オリフィスの内径を羽根外径と羽根内径の間に位置する内径に拡大し、この吸込オリフィスの内径と同等の内径である側板を有することを特徴とする。
【0019】そして本発明によれば、特に大流量・低静圧域の動作点においてブレード入口部に流入する流れの流速を減少させ、ブレード入口部及びブレード表面での衝突、剥離現象とそれに伴う騒音発生の促進を防ぐことのできる多翼ファンが得られる。
【0020】また他の手段は、ブレードの軸方向幅における側板から主板側へ軸方向幅の5%から10%かつ、ブレードの径方向幅における羽根内径から羽根外径へ径方向幅の20%から50%の領域を削除し、羽根外径と羽根内径の間に位置する内径に拡大した吸込オリフィスのR形状の終端部を多翼ファン側に前記領域内まで延長したことを特徴としている。
【0021】そして本発明によれば、特に小流量・高静圧域の動作点において、舌部付近の逆流現象を防止し、サージングを発生しにくくすることのできる多翼ファンが得られる。
【0022】また他の手段は、ブレードの軸方向幅における側板から主板側へ軸方向幅の5%から10%かつ、ブレードの径方向幅における羽根内径から羽根外径へ径方向幅の20%から50%の領域を削除し、内径が羽根外径と羽根内径の間に位置し、内径側がベルマウス状のR形状である側板を有することを特徴としている。
【0023】そして本発明によれば、大風量・低静圧域から小風量・高静圧域までの全域において、舌部付近のケーシングから多翼ファンへの直接の逆流現象を防止することのできる多翼ファンが得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明は、片側に吸込口を形成するベルマウス状で、羽根内径と同等の内径を有する吸込オリフィスと吐出口を有する渦巻き状のケーシング内部に、環状の側板と、この側板側に凸となる略円錐台形状の絞り部を有する主板によって挟むように取り付けられた複数のブレードを備え、このブレード入口部およびブレード出口部の一部または全部を、主板側のブレード出口部が側板側のブレード出口部よりも回転方向(周方向)に前進した状態で前記主板側から前記側板側に向かって、順次ひねることで異なった入口角度および出口角度を有する構成としたものであり、大風量・低静圧域において、主板側のブレード入口部に傾斜して流入する主流は、主板側のブレード出口部が側板側のブレード出口部よりも回転方向(周方向)に前進しているので、ブレード間において径方向へ速度が転向しやすくなり、ブレード出口部での有効仕事領域が拡大し、ブレード間の流速を相対的に低減でき、ブレード表面上の剥離及び境界層発達を抑制できる。また、側板側のブレード入口部へ流入する若干の流れに対してもブレードの入口角度を小さくできるので流入角度に対する差異は少なくブレード入口部での衝突・剥離減少を軽減できる。また、小風量・高静圧域において、側板側のブレード入口部へ小さい流入角度で流入する主流に対してもブレードの入口角度を小さく設定できるので、流入角度に対する差異は少なくブレード入口部での衝突・剥離減少が軽減するという作用を有する。
【0025】また、主板の絞り部の略側面部に複数個の穴を有する構成としたものであり、大風量・低静圧域において、主板の絞り部近傍の通風路が拡大され、主板側のブレードに流入しやすくなると共に流速が減速されるのでブレード入口部及びブレード表面での衝突、剥離現象とそれに伴う騒音発生の促進を防ぐことができる。また、小風量・高静圧域において、主板の裏側に滞留するよどみを再度ブレードに流入させることで、主板側のブレードの仕事量が増加するという作用を有する。
【0026】また、側板側から主板側へブレードの軸方向幅の30%から50%の領域の補助ブレードを増加させた構成としたものであり、舌部近傍におけるケーシングから多翼ファンへの逆流現象を促進する側板側のブレード表面における剥離に伴う逆流渦、境界層の発達を防止することで、サージングの発生が抑制されるという作用を有する。
【0027】また、ブレード入口部の一部または全部が、前記主板から前記側板に向かって羽根内径が大きくなるテーパ形状を有する構成としたものであり、側板側の羽根内径および吸込オリフィスの内径が大きくなるので、特に大風量・低静圧域において、吸込オリフィスの吸込口を通過する際の軸方向流速が減速され、ブレード入口部に流入する際の径方向流れが促進され、主板側のブレードの有効仕事領域が側板側へ拡大される。したがって、ブレード間の流速を相対的に低減でき、ブレード表面上の剥離及び境界層発達がより抑制されるという作用を有する。
【0028】また、吸込オリフィスの内径を羽根外径と羽根内径の間に位置する内径に拡大し、この吸込オリフィスの内径と同等の内径である側板を有した構成としたものであり、特に大風量・低静圧域において、吸込オリフィスのR形状表面付近を流れる一部の流れは、強制的に側板側のブレード終端部へ流入するので主板側のブレードへ流入する流量は相対的に減少・減速し、主板側のブレード入口部での衝突・剥離現象がより軽減されるという作用を有する。
【0029】また、ブレードの軸方向幅における側板から主板側へ軸方向幅の5%から10%かつ、ブレードの径方向幅における羽根内径から羽根外径へ径方向幅の20%から50%の領域を削除し、羽根外径と羽根内径の間に位置する内径に拡大した吸込オリフィスのR形状の終端部を多翼ファン側に前記領域内まで延長した構成としたものであり、特に小風量・高静圧域において、側板側のブレード終端部から強制的に流入する流れの影響で、舌部付近を通過する際のケーシングから多翼ファンへの逆流現象の防止がより促進される作用を有する。
【0030】また、ブレードの軸方向幅における側板から主板側へ軸方向幅の5%から10%かつ、ブレードの径方向幅における羽根内径から羽根外径へ径方向幅の20%から50%の領域を削除し、内径が羽根外径と羽根内径の間に位置し、内径側がベルマウス状のR形状である側板を有する構成としたものであり、風量・静圧特性のほぼ全域において、ケーシングから多翼ファンへ直接逆流しない吸込オリフィスの内壁(ケーシング内部側)を沿って逆流し、再度、側板側のブレード終端部に流入する二次的な循環流れを形成し、この循環流れを効果的に利用することで、ケーシングから多翼ファンへ直接逆流しようとする流れが抑制されるという作用を有する。
【0031】以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0032】なお、従来例と同一箇所については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0033】
【実施例】(実施例1)図1から図6に示すように、片側に吸込口101を形成するベルマウス状で、羽根内径と同等の内径の吸込オリフィス102と吐出口103を有する渦巻き状のケーシング104内部に、環状の側板105と、この側板側に凸となる略円錐台形状の絞り部106を有する主板107によって挟むように取り付けられた複数のブレード1を備え、このブレード入口部2およびブレード出口部3の一部または全部を、主板107側のブレード出口部3aが側板側のブレード出口部3bよりも回転方向R(周方向)に前進した状態で主板107側から側板105側に向かって、順次ひねることで異なった入口角度β1および出口角度β2を有する構成となっている。
【0034】上記構成により、大風量・低静圧域において、主板107側のブレード入口部2aに傾斜して流入する主流4は、主板107側のブレード出口部3aが側板105側のブレード出口部3bよりも回転方向R(周方向)に前進しているので、ブレード1間において径方向へ速度が転向しやすくなり、ブレード出口部3aでの有効仕事領域が拡大し、ブレード1間の流速を相対的に低減でき、ブレード1負圧面上の剥離及び境界層発達を抑制でき翼素効率が向上する。また、側板105側のブレード入口部2bへ流入する若干の流れ5に対してもブレード1の入口角度β1を小さくできるので流入角度α1に対する差異は少なくブレード入口部2bでの衝突・剥離減少を軽減できる。その結果、図5に示すように、特に800Hzから4000Hzにおける乱流騒音が低減できることとなる。また、小風量・高静圧域において、側板105側のブレード入口部2bへ小さい流入角度α2で流入する主流6に対してもブレード1の入口角度β1を小さく設定できるので、流入角度α2に対する差異は少なくブレード入口部2aでの衝突・剥離減少が軽減し、それに伴い乱流騒音が低減できることとなる。そして、図6に示すように、同一モータを用い、同一電圧時の空力特性は従来例に比し、向上することとなる。
【0035】なお、羽根外径D2に対し、ブレード1の軸方向幅Hが羽根外径D2の50%以下の場合、ブレード入口部2およびブレード出口部3の全部を、主板107側から側板105側に向かって、順次ひねることが望ましい。その時の入口角度β1は主板107側から側板105側に向かって、徐々に小さくなるように設定し、出口角度β2は主板107側から側板105側に向かって徐々に大きくなるようにすることが望ましい。
【0036】また、羽根外径D2に対し、ブレード1の軸方向幅Hが羽根外径D2の50%以上の場合、ブレード全軸方向幅Hに対し側板105側から主板107側へ50%から70%の範囲のブレード入口部2およびブレード出口部3をひねることが望ましい。
【0037】また、主板107が絞り部106を有しない平らな主板であってもその作用効果に差異は生じない。
【0038】(実施例2)以下、実施例1と同一箇所については、その詳細な説明は省略する。
【0039】図7から図9に示すように、主板107の絞り部106の略側面部に複数個の穴7を有する構成となっている。
【0040】上記構成により、大風量・低静圧域において、主板107の絞り部106近傍の通風空間8が拡大され、主板107側のブレード入口部2aに流入しやすくなると共に流速が減速されるのでブレード入口部2a及びブレード1表面での衝突、剥離現象とそれに伴う乱流騒音発生を防ぐことができる。また、小風量・高静圧域において、主板107の裏側に滞留するよどみ9を再度ブレード1に流入させることで、主板107側のブレード1の仕事量が増加する。
【0041】その結果、空力性能の低下を防止し、衝突・剥離現象によって発生する乱流騒音を低減できることとなる。
【0042】なお、穴7の開口端部10は回転方向Rに対し、図9に示すような形状を形成すると更に良い。
【0043】なお、穴の個数および配列は、少なくとも2個以上で軸対称状に配列されることが望ましい。
【0044】(実施例3)図10から図11に示すように、側板105側から主板107側へ、ブレードの軸方向幅Hの30%から50%の領域の補助ブレードZを増加させた構成となっている。
【0045】上記構成により、舌部11近傍におけるケーシング104内からブレード1への逆流現象を促進する側板105側のブレード1表面における剥離に伴う逆流渦、境界層の発達をブレード間隔Lが狭くなることで防止でき、サージングの発生が抑制され、空力性能が向上すると共に乱流騒音を低減できることとなる。
【0046】なお、増加させる補助ブレードZの枚数は主板107側のブレードの2倍が望ましい。
【0047】(実施例4)図12に示すように、ブレード入口部2の一部または全部が、主板107から側板105に向かって羽根内径D1が大きくなるテーパ形状12を有する構成となっている。
【0048】上記構成により、側板105側の羽根内径D1および吸込オリフィス102の内径が大きくなるので、特に大風量・低静圧域において、吸込オリフィス102の吸込口101を通過する際の軸方向流速が減速され、ブレード入口部2に流入する際の径方向流れが促進され、主板107側のブレード1の有効仕事領域が側板105側へ拡大される。したがって、ブレード1間の流速を相対的に低減でき、ブレード表面上の剥離及び境界層発達がより抑制され、空力性能が向上し、ブレード1間から発生する乱流騒音を低減できることとなる。
【0049】なお、羽根外径D2に対し、ブレード1の軸方向幅Hが羽根外径D2の50%以下の場合、ブレード入口部3の全部をテーパ形状にすることが望ましい。
【0050】また、羽根外径D2に対し、ブレード1の軸方向幅Hが羽根外径D2の50%以上の場合、側板105から主板107へ向かって、ブレード全軸方向幅Hの40%から60%のブレード入口部3をテーパ形状にすることが望ましい。
【0051】(実施例5)図13に示すように、吸込オリフィス13の内径を羽根外径D2と羽根内径D1の間に位置する内径Doに拡大し、この吸込オリフィス13の内径Doと同等の内径である側板14を有した構成となっている。
【0052】上記構成により、特に大風量・低静圧域において、吸込オリフィス13のベルマウス状のR形状表面付近を流れる一部の流れ15は、強制的に側板14側のブレード終端部16へ流入するので主板107側のブレード1へ流入する流量は相対的に減少・減速し、主板107側のブレード入口部3aでの衝突・剥離現象がより軽減され、空力性能が向上し、ブレード1間の乱流騒音の発生を軽減できることとなる。
【0053】(実施例6)図14に示すように、ブレード1の軸方向幅Hにおける側板105側から主板107側へ軸方向幅Hの5%から10%かつブレード1の径方向幅Wにおける羽根内径D1から羽根外径D2へ径方向幅Wの20%から50%の領域17を削除し、羽根外径D2と羽根内径D1の間に位置する内径Doに拡大した吸込オリフィス18のR形状の終端部19を多翼ファン側に領域17内まで延長した構成となっている。
【0054】上記構成により、特に小風量・高静圧域において、側板105側のブレード終端部16から強制的に流入する流れ15の影響で、舌部11付近を通過する際のケーシング104内から多翼ファンへの直接的な逆流現象の防止がより促進されることとなる。
【0055】(実施例7)図15に示すように、ブレードの軸方向幅Hにおける側板20側から主板107側へ軸方向幅Hの5%から10%かつ、ブレード1の径方向幅Wにおける羽根内径D1から羽根外径D2へ径方向幅Wの20%から50%の領域17を削除し、内径が羽根外径D2と羽根内径D1の間に位置し、内径側がベルマウス状のR形状である側板20を有する構成となっている。
【0056】上記構成により、風量・静圧特性のほぼ全域において、ケーシング104から多翼ファンへ直接逆流しない吸込オリフィスの内壁(ケーシング内部側)を沿って逆流し、再度、側板20側のブレード終端部16に流入する二次的な循環流れ21を形成し、この循環流れ21を効果的に利用することで、ケーシング104内から多翼ファンへ直接逆流しようとする流れが抑制されることとなる。
【0057】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、大流量・低静圧域の動作点において、ブレード入口部での衝突・剥離現象を軽減すると共に主板に偏る主流範囲を側板側へ拡大し、主板側のブレードにおけるブレード間の流速増加を緩和し剥離に伴う乱流騒音を低減することのでき、またブレード入口部に流入する流れの流速を減少させ、ブレード入口部及びブレード表面での衝突、剥離現象とそれに伴う騒音発生の促進を防ぐことのできるという効果のある多翼ファンを提供できる。
【0058】また、小流量・高静圧域の動作点において、側板側のブレード入口部の入口角度と流入角度の差を小さくすることで、ブレード入口部での衝突・剥離現象及びそれに伴う乱流騒音を低減することのでき、また主板側のブレードの仕事量を増加させ空力性能の低下を防ぐことのでき、また舌部付近の逆流現象を防止し、サージングを発生しにくくすることのできるという効果のある多翼ファンを提供できる。




 

 


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