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発明の名称 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−330336(P2001−330336A)
公開日 平成13年11月30日(2001.11.30)
出願番号 特願2000−149077(P2000−149077)
出願日 平成12年5月19日(2000.5.19)
代理人 【識別番号】100080045
【弁理士】
【氏名又は名称】石黒 健二
【テーマコード(参考)】
3L093
【Fターム(参考)】
3L093 NN05 QQ05 
発明者 丸橋 勤
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】水素吸蔵合金と熱媒体の熱交換を行う複数の熱交換器と、温度の異なる熱媒体を前記複数の熱交換器に切り替えて供給する熱媒体切替手段と、を備え、熱媒体と熱交換して水素吸蔵合金の水素の吸蔵と放出とを行わせ、水素の放出時に生じる吸熱作用や水素の吸蔵時に生じる放熱作用を利用して冷熱や温熱を得る水素吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、前記熱媒体切替手段は、1つあるいは複数の第1ポート、および複数の第2ポートを備えるバルブボディと、このバルブボディ内でストローク移動して、前記第1ポートと前記第2ポートの連通状態の切り替えを行う往復動切替弁体と、を備える熱媒体切替弁を備え、前記バルブボディは、前記第1ポートと前記第2ポートとが、前記往復動切替弁体の1ストローク移動分以上ずれた位置に配置され、前記往復動切替弁体は、内部に熱媒体を流す中空部が設けられたことを特徴とする水素吸蔵合金を利用した熱利用システム。
【請求項2】請求項1の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムは、前記往復動切替弁体の移動時に、前記熱媒体切替弁によって切り替えられる熱媒体の流れを停止させる停止手段を備えることを特徴とする水素吸蔵合金を利用した熱利用システム。
【請求項3】請求項2の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、前記停止手段は、熱媒体の流れを停止させる時期、あるいは熱媒体の流れを再開させる時期を、熱媒体の種類等に応じて決定するように設けられたことを特徴とする水素吸蔵合金を利用した熱利用システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金の水素の吸蔵と放出とを繰り返して行わせて、水素の放出時に生じる吸熱作用を利用して冷熱を得る、あるいは水素の吸蔵時に生じる放熱作用を利用して温熱を得る水素吸蔵合金を利用した熱利用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金を利用した熱利用システム(例えば、冷却装置)は、水素吸蔵合金を加熱するための加熱用熱媒体(以下、加熱水とする)、水素吸蔵合金を冷却するための冷却用熱媒体(以下、放熱水とする)、水素吸蔵合金によって冷却される冷熱出力用熱媒体(以下、冷熱出力水とする)、水素吸蔵合金の水素吸蔵および水素放出を抑制するための抑制用熱媒体(以下、抑制水)など、複数の熱媒体を切り替えて、水素吸蔵合金と熱交換している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】熱媒体を切り替えて熱交換器に供給する熱媒体切替手段として、図1(a)に示すように、往復動切替弁体100の移動位置に応じて、第1ポート101から供給される熱媒体を、A、B、Cのいずれかの第2ポート102に切り替える熱媒体切替弁を用いることを考察した場合、熱媒体供給側の第1ポート101と、熱媒体排出側の第2ポート102とが、往復動切替弁体100の1ストローク移動分内で一致するように設けたとする。すると、図1(a)に示すように、例えば、第2ポート102のAを選択した状態では、選択されていない第2ポート102のB、Cにおいて熱媒体のリークが発生してしまう{図1(b)、(c)参照}。
【0004】そこで、図1(d)、(e)に示すように、第1ポート101と第2ポート102とを、往復動切替弁体100の1ストローク移動分以上ずらすことにより、熱媒体のリークを防ぐことができる。しかし、上記図1(a)タイプでは、往復動切替弁体100の弁長が往復動切替弁体100の11ストローク分であったものが、図1(d)タイプでは、往復動切替弁体100の弁長が往復動切替弁体100の13ストローク分になり、長くなってしまう。なお、この明細書中に示す1ストローク分とは、複数段階に切り替わる往復動切替弁体100の1段のストローク長を示すものとする。
【0005】このように往復動切替弁体100の弁長が長くなると、熱媒体切替手段の体格が大きくなってしまう。また、往復動切替弁体100の周囲に装着されるシール材103の数を減らして往復動切替弁体100の移動抵抗を小さくする要求がある。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、熱媒体切替弁における往復動切替弁体の弁長を短縮するとともに、シール材の数を少なくして往復動切替弁体の移動抵抗を低減させて、往復動切替弁体が選択していないポートにおける熱媒体のリークを防ぐことのできる水素吸蔵合金を利用した熱利用システムの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムは、上記の目的を達成するために、次の技術的手段を採用した。
(請求項1の手段)水素吸蔵合金を利用した熱利用システムは、水素吸蔵合金と熱媒体の熱交換を行う複数の熱交換器と、温度の異なる熱媒体を前記複数の熱交換器に切り替えて供給する熱媒体切替手段と、を備え、熱媒体と熱交換して水素吸蔵合金の水素の吸蔵と放出とを行わせ、水素の放出時に生じる吸熱作用や水素の吸蔵時に生じる放熱作用を利用して冷熱や温熱を得るものであって、前記熱媒体切替手段は、1つあるいは複数の第1ポート、および複数の第2ポートを備えるバルブボディと、このバルブボディ内でストローク移動して、前記第1ポートと前記第2ポートの連通状態の切り替えを行う往復動切替弁体と、を備える熱媒体切替弁を備え、前記バルブボディは、前記第1ポートと前記第2ポートとが、前記往復動切替弁体の1ストローク移動分以上ずれた位置に配置され、前記往復動切替弁体は、内部に熱媒体を流す中空部が設けられたことを特徴とする。
【0008】(請求項2の手段)請求項1の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムは、前記往復動切替弁体の移動時に、前記熱媒体切替弁によって切り替えられる熱媒体の流れを停止させる停止手段を備えることを特徴とする。
【0009】(請求項3の手段)請求項2の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、前記停止手段は、熱媒体の流れを停止させる時期、あるいは熱媒体の流れを再開させる時期を、熱媒体の種類等に応じて決定するように設けられたことを特徴とする。
【0010】
【発明の作用および効果】(請求項1の作用および効果)熱媒体切替弁を構成するバルブボディの第1ポートと第2ポートとは、往復動切替弁体の1ストローク移動分以上ずれて配置されることにより、往復動切替弁体によって選択されていない第1ポートと第2ポートとの間における熱媒体のリークを防ぐことができる。また、往復動切替弁体の内部に熱媒体を流す中空部が設けられたことにより、往復動切替弁体によって選択されている第1ポートと第2ポートとの間において、中空部がバイパスの役割を果たすため、往復動切替弁体の弁長を短縮することができる。さらに、往復動切替弁体の中空部がバイパス機能を果たすことにより、シール材の数を少なくすることができ、往復動切替弁体の移動抵抗を低減させることができる。
【0011】(請求項2の作用および効果)往復動切替弁体の移動時、熱媒体切替弁によって切り替えられる熱媒体の流れが停止手段によって停止されるため、往復動切替弁体の移動中において、往復動切替弁体によって切り替えられる熱媒体が、第1ポートと第2ポートとの間でリークするのを防ぐことができる。このため、往復動切替弁体の弁長を短縮できるとともに、シール材の数も少なくできる。
【0012】(請求項3の作用および効果)停止手段が熱媒体の流れを停止させる時期、あるいは熱媒体の流れを再開させる時期を決定するものであるため、複数種類の熱媒体の切り替えを行う際、水素吸蔵合金間の水素移動を効率的に行わせるために、複数種類の熱媒体の供給タイミングを変えるいわゆる位相制御を、停止手段によって容易に実施できる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、実施例および変形例に基づき説明する。
〔実施例の構成〕この実施例を図1〜図16を用いて説明する。水素平衡温度が異なる複数種(この実施例では3種)の水素吸蔵合金が封入されたセルSは、図2に示すように薄型に設けられて、図3に示すように積層されて使用されるものであり、例えば冷房装置として使用する場合は、セルSの内部に封入した水素吸蔵合金の水素放出作用によって生じた吸熱によって、セルSに沿って流れる冷熱出力用熱媒体(例えば、水)を冷却し、その冷却された冷熱出力用熱媒体で室内に吹き出される空気を冷却して室内を冷房するものである。
【0014】この実施例では、2段サイクルを示すものであり、薄型に設けられたセルSの積層体グループGが、連続した出力を出すために3つ用いられる。つまり、水素駆動を行う積層体グループGと、第1冷熱出力を行う積層体グループGと、第2冷熱出力を行う積層体グループGとが用いられるものであり、水素駆動部α→第1冷熱出力部β→第2冷熱出力部γが順次繰り返して実行されることで、連続した出力が得られる。そして、3つの積層体グループGは、図4に示す第1〜第3熱交換ユニット1a〜1c内にそれぞれ組み込まれるものである。
【0015】2段サイクルを構成するセルSは、1つのセルSの内部に水素平衡温度が異なる3種の水素吸蔵合金が封入される。この3種の水素吸蔵合金は、高温合金HM(同一平衡水素圧で水素平衡温度が最も高い高温度水素吸蔵合金の粉末)と、中温合金MM(中温度水素吸蔵合金の粉末)と、低温合金LM(同一平衡水素圧で水素平衡温度が最も低い低温度水素吸蔵合金の粉末)とに分類されるものであり、図2に示すように、1つの薄型のセルS内に3つの層に分かれて封入される。つまり、セルSの内部には、高温合金HMによる第1の層S1 と、中温合金MMによる第2の層S2 と、低温合金LMによる第3の層S3 とが設けられる。なお、各合金種の関係を図5のPT冷凍サイクル線図を用いて説明すると、水素吸蔵合金の特性が、相対的に高温側(図示左側)にあるのが高温合金HM、低温側(図示右側)にあるのが低温合金LM、両者の中間にあるのが中温合金MMである。
【0016】1つのセルSの内部の3つの層S1 、S2 、S3 は、図2に示すように、仕切手段2によって仕切られている。この仕切手段2は、各層S1 、S2 、S3 間の水素移動を可能とし、且つ各層S1 、S2 、S3 間の水素吸蔵合金の移動を阻止するものである。この実施例の仕切手段2は、各層S1 、S2 、S3 に亘って配置されたパイプフィルタ3が複数貫通配置されるものであり、このパイプフィルタ3によって各層S1 、S2 、S3 間の水素移動を可能にしている。このパイプフィルタ3は、セルSの内部の全域にほぼムラなく配置されている。パイプフィルタ3は、水素が素通りできるパイプ状のフィルタであり、パイプに形成された多数の微小穴によって水素が素通りでき、且つ水素吸蔵合金がパイプ内に進入するのを阻止するように設けられている。この微小穴は、金属パイプにエッチング処理して形成されたものである。
【0017】セルSは、プレス成形された一対のプレートをろう付けや溶接等により接合して構成されるものであり、セルSの内部には上述のように3つの層S1 、S2 、S3 に分けられた水素吸蔵合金(高温合金HM、中温合金MM、低温合金LM)を収容する3つの合金収容室が形成され、各合金収容室の表面には熱媒体が流れる熱媒体通路が形成される。この熱媒体通路は、各層S1 、S2 、S3 の水素吸蔵合金毎に対応し、独立して熱媒体を流すように設けられるものである。言い換えると、それぞれの熱交換ユニット1a〜1cの内部は、各層S1 、S2 、S3毎に区切られて熱媒体が流れるように設けられている。
【0018】つまり、各熱交換ユニット1a〜1cは、高温合金HMと熱媒体とを熱交換する高温合金熱交換器Saと、中温合金MMと熱媒体とを熱交換する中温合金熱交換器Sbと、低温合金LMと熱媒体とを熱交換する低温合金熱交換器Scとから構成されるものである。そして、この実施例では3つの熱交換ユニット1a〜1cが用いられるため、高温合金熱交換器Sa、中温合金熱交換器Sb、低温合金熱交換器Scがそれぞれ3つづつ、合計9つの熱交換器が用いられるものである。
【0019】なお、合金収容室を形成する部分のプレートは、波状に形成されており、熱媒体と水素吸蔵合金との熱交換効率を向上するように設けられている。また、各層S1 、S2 、S3 を仕切る仕切手段2は、貫通配置されたパイプフィルタ3に帯状に形成されており、その帯状部分には、各層の熱の伝達を抑制するための断熱穴2aが形成されている。
【0020】2段サイクルは、高温合金HMから低温合金LMへ水素を移動させる水素駆動部αと、低温合金LMから中温合金MMへ水素を移動させる第1冷熱出力部βと、中温合金MMから高温合金HMへ水素を移動させる第2冷熱出力部γとから構成される。
【0021】水素駆動部αは、高温合金熱交換器Saへ加熱水(水素吸蔵合金を加熱して水素を放出させるための加熱用熱媒体の一例)を流して加熱水と高温合金HMとを熱交換して高温合金HMを加熱するとともに、低温合金熱交換器Scへ放熱水(水素吸蔵合金を冷却して水素を吸蔵させるための放熱用熱媒体の一例)を流して放熱水と低温合金LMとを熱交換して低温合金LMを冷却することで、高温合金HMから低温合金LMへ水素を移動させるものである。この時、中温合金熱交換器Sbへ抑制用熱媒体を流して中温合金MMと抑制水(水素吸蔵合金の水素の吸蔵および放出を抑制するための抑制用熱媒体の一例)とを熱交換させて、その中温合金MMを収容する合金収容室の内圧を上昇させ、中温合金MMが水素を放出するように設定されている。
【0022】第1冷熱出力部βは、中温合金熱交換器Sbへ放熱水を流して放熱水と中温合金MMとを熱交換して中温合金MMを冷却することで、低温合金LMから中温合金MMへ水素を移動させるものである。この時、高温合金熱交換器Saへ抑制水を流して高温合金HMと抑制水とを熱交換させて、高温合金HMの水素の吸蔵と放出とを抑制する。また、この時、低温合金熱交換器Scへ冷熱出力水(水素吸蔵合金が水素を放出する際に生じる吸熱作用を利用して冷熱を得るための冷熱出力用熱媒体の一例)を流すことで低温合金LMは室内空気を冷房して冷熱が奪われた冷熱出力水と熱交換されるが、その冷熱出力水の温度(例えば10℃〜13℃くらい)では、低温合金LMは水素を放出するように設けられている。
【0023】第2冷熱出力部γは、高温合金熱交換器Saへ放熱水を流して放熱水と高温合金HMとを熱交換して高温合金HMを冷却することで、中温合金MMと低温合金LMから高温合金HMへ水素を移動させるものである。この時、低温合金熱交換器Scおよび中温合金熱交換器Sbへ冷熱出力水を流すことで中温合金MMおよび低温合金LMは室内空気を冷房して冷熱が奪われた冷熱出力水と熱交換されるが、その冷熱出力水の温度(例えば7℃〜13℃くらい)では、中温合金MMおよび低温合金LMは水素を放出するように設けられている。
【0024】ここで、第1、第2冷熱出力部β、γで低温合金LMおよび中温合金MMに熱交換される冷熱出力水は、低温合金LMおよび中温合金MMが水素を放出する際に熱が奪われて冷房に適した低温になる。上記で示した加熱水は、図示しない加熱手段(例えば、燃焼装置)によって加熱されるものである。抑制水は、加熱水の一部を用いたものである(図6の熱媒体回路図参照)。放熱水は、外気と熱交換されて冷却されるものであり、例えばクーリングタワー等の放熱器を使用して放熱水を冷却するように設けられている。
【0025】上記で示した水素駆動部α、第1冷熱出力部β、第2冷熱出力部γは、各層S1 、S2 、S3 の水素吸蔵合金(高温合金HM、中温合金MM、低温合金LM)と熱交換される熱媒体を切り替えることによって実行されるものであり、熱媒体の切り替えは、図4に示す熱媒体切替手段5によって成される。つまり、この熱媒体切替手段5による熱媒体の切り替えによって、3つの積層体グループGが水素駆動部α→第1冷熱出力部β→第2冷熱出力部γをそれぞれ1段づつずらして実行するように設けられている。
【0026】この熱媒体切替手段5の構造を図1および図7〜図15を用いて説明する。熱媒体切替手段5は、温度の異なる各熱媒体(加熱水、放熱水、抑制水、冷熱出力水)と、各熱交換器(高温合金熱交換器Sa、中温合金熱交換器Sb、低温合金熱交換器Sc)とを個別に対応させた冷媒個別対応択一弁タイプのものである。
【0027】この冷媒個別対応択一弁タイプは、第1〜第3熱交換ユニット1a〜1cにおけるそれぞれの高温合金熱交換器Saに対して熱媒体の切り替えを行う高温合金用切替ユニット5aと、第1〜第3熱交換ユニット1a〜1cにおけるそれぞれの中温合金熱交換器Sbに対して熱媒体の切り替えを行う中温合金用切替ユニット5bと、第1〜第3熱交換ユニット1a〜1cにおけるそれぞれの低温合金熱交換器Scに対して熱媒体の切り替えを行う低温合金用切替ユニット5cとを備える。
【0028】高温合金用切替ユニット5aは、第1熱交換ユニット1aの高温合金熱交換器Sa、第2熱交換ユニット1bの高温合金熱交換器Sa、第3熱交換ユニット1cの高温合金熱交換器Saに対して熱媒体の切り替えを行うものであり、各熱交換器の両側に、加熱水切替用のaタイプ弁11、抑制水切替用のbタイプ弁12、放熱水切替用のcタイプ弁13がそれぞれ配置される。なお、このa、b、cタイプ弁11、12、13は、熱媒体切替弁に相当するものである。なお、aタイプ弁11は、図7(a)に示すものであり、bタイプ弁12は、図7(b)に示すものであり、cタイプ弁13は、図7(c)に示すものであり、以下にその構造を説明する。
【0029】aタイプ弁11は、図1(f)、図7(a)に示すように、aタイプバルブボディ14と、内部に熱媒体を流す中空部9が設けられ、その周囲に複数のシール材(Oリング)10が装着されたaタイプ中空弁15とから構成される。なお、このaタイプ中空弁15および後述するb、cタイプ中空弁20、25は、往復動切替弁体に相当するものである。aタイプバルブボディ14は、加熱水循環経路16(図6参照)に接続される図8(a−1)に示す2つの外部加熱水分配・収集用の第1ポート17と、高温合金熱交換器Sa側に接続される図8(a−3)に示す3つのセル側加熱水供給・排出用の第2ポート18とを備えるものであり、第1ポート17と第2ポート18とは、aタイプ中空弁15の1ストローク移動分以上ずれた位置に設けられている。aタイプ中空弁15は、図8(a−2)に示すものであり、aタイプバルブボディ14内で3つの停止位置のいずれかに停止して、第1ポート17と第2ポート18の連通の切り替えを、内部の中空部9を介して行うものである。
【0030】具体的には、第1停止位置では図9(a−1)に示すように第1熱交換ユニット1aの高温合金熱交換器Saへ加熱水の供給(あるいは排出)を行い、第2停止位置(中間停止位置)では図9(a−2)に示すように第3熱交換ユニット1cの高温合金熱交換器Saへ加熱水の供給(あるいは排出)を行い、第3停止位置では図9(a−3)に示すように第2熱交換ユニット1bの高温合金熱交換器Saへ加熱水の供給(あるいは排出)を行うものである。
【0031】bタイプ弁12は、図7(b)に示すように、bタイプバルブボディ19と、内部に熱媒体を流す中空部9が設けられ、その周囲に複数のシール材(Oリング)10が装着されたbタイプ中空弁20とから構成される。bタイプバルブボディ19は、抑制水循環経路16a(図6参照)に接続される図8(b−1)に示す2つの外部抑制水分配・収集用の第1ポート22と、高温合金熱交換器Sa側に接続される図8(b−3)に示す3つのセル側抑制水供給・排出用の第2ポート23とを備えるものであり、第1ポート22と第2ポート23とは、bタイプ中空弁20の1ストローク移動分以上ずれた位置に設けられている。bタイプ中空弁20は、図8(b−2)に示すものであり、bタイプバルブボディ19内で3つの停止位置のいずれかに停止して、第1ポート22と第2ポート23の連通の切り替えを、内部の中空部9を介して行うものである。
【0032】具体的には、第1停止位置では図9(b−1)に示すように第2熱交換ユニット1bの高温合金熱交換器Saへ抑制水の供給(あるいは排出)を行い、第2停止位置では図9(b−2)に示すように第1熱交換ユニット1aの高温合金熱交換器Saへ抑制水の供給(あるいは排出)を行い、第3停止位置では図9(b−3)に示すように第3熱交換ユニット1cの高温合金熱交換器Saへ抑制水の供給(あるいは排出)を行うものである。
【0033】cタイプ弁13は、図7(c)に示すように、cタイプバルブボディ24と、内部に熱媒体を流す中空部9が設けられ、その周囲に複数のシール材(Oリング)10が装着されたcタイプ中空弁25とから構成される。cタイプバルブボディ24は、放熱水循環経路21(図6参照)に接続される図8(c−1)に示す2つの外部放熱水分配・収集用の第1ポート26と、高温合金熱交換器Sa側に接続される図8(c−3)に示す3つのセル側放熱水供給・排出用の第2ポート27とを備えるものであり、第1ポート26と第2ポート27とは、cタイプ中空弁25の1ストローク移動分以上ずれた位置に設けられている。cタイプ中空弁25は、図8(c−2)に示すものであり、cタイプバルブボディ24内で3つの停止位置のいずれかに停止して、第1ポート26と、第2ポート27の連通の切り替えを、内部の中空部9を介して行うものである。
【0034】具体的には、第1停止位置では図9(c−1)に示すように第3熱交換ユニット1cの高温合金熱交換器Saへ放熱水の供給(あるいは排出)を行い、第2停止位置では図9(c−2)に示すように第2熱交換ユニット1bの高温合金熱交換器Saへ放熱水の供給(あるいは排出)を行い、第3停止位置では図9(c−3)に示すように第1熱交換ユニット1aの高温合金熱交換器Saへ放熱水の供給(あるいは排出)を行うものである。
【0035】中温合金用切替ユニット5bは、上述した高温合金用切替ユニット5aと同じ構造のものであり、高温合金用切替ユニット5aで切り替えた熱媒体が加熱水・抑制水・放熱水であったものを、抑制水・放熱水・冷熱出力水に置き換えたものである。
【0036】低温合金用切替ユニット5cも、上述した高温合金用切替ユニット5aと同じ構造のものであり、高温合金用切替ユニット5aで切り替えた熱媒体が加熱水・抑制水・放熱水であったものを、放熱水・冷熱出力水・戻り冷熱出力水に置き換えたものである。なお、この戻り冷熱出力水とは、図6に示すように、第2冷熱出力部γの低温合金LMと熱交換される冷熱出力水であり、第1冷熱出力部βの低温合金LMおよび第2冷熱出力部γの中温合金MMと熱交換される冷熱出力水に対して区別したものである。
【0037】上記に示した高温合金用切替ユニット5a、中温合金用切替ユニット5b、低温合金用切替ユニット5cにおける各aタイプ弁11、bタイプ弁12、cタイプ弁13が、第1停止位置→第2停止位置→第3停止位置を繰り返す。この時、第1停止位置では、第1熱交換ユニット1aが水素駆動部α、第2熱交換ユニット1bが第1冷熱出力部β、第3熱交換ユニット1cが第2冷熱出力部γを行う。第2停止位置では、第1熱交換ユニット1aが第1冷熱出力部β、第2熱交換ユニット1bが第2冷熱出力部γ、第3熱交換ユニット1cが水素駆動部αを行う。第3停止位置では、第1熱交換ユニット1aが第2冷熱出力部γ、第2熱交換ユニット1bが水素駆動部α、第3熱交換ユニット1cが第1冷熱出力部βを行う。
【0038】この第1停止位置→第2停止位置→第3停止位置における各熱交換ユニット1a〜1cの状態および使用される熱媒体の種類の関係を、図10(a)、(b)に示す。
【0039】この実施例に使用される熱媒体切替弁(a、b、cタイプ弁11、12、13)は、温度の異なる熱媒体にそれぞれ対応して複数設けられている。そして、それぞれの熱媒体切替弁は、切り替えられることによって複数の熱交換器へ熱媒体を切り替えて供給する。このため、図11、図12に示すように、高温合金熱交換器Saに対し、加熱水を切り替えるaタイプ弁11がセル入口側とセル出口側とで2組、抑制水を切り替えるbタイプ弁12がセル入口側とセル出口側とで2組、放熱水を切り替えるcタイプ弁13がセル入口側とセル出口側とで2組が用いられている。また、中温合金熱交換器Sbに対しては、抑制水を切り替えるaタイプ弁11がセル入口側とセル出口側とで2組、放熱水を切り替えるbタイプ弁12がセル入口側とセル出口側とで2組、冷熱出力水を切り替えるcタイプ弁13がセル入口側とセル出口側とで2組が用いられている。さらに、低温合金熱交換器Scに対しては、放熱水を切り替えるaタイプ弁11がセル入口側とセル出口側とで2組、冷熱出力水を切り替えるbタイプ弁12がセル入口側とセル出口側とで2組、戻り冷熱出力水を切り替えるcタイプ弁13がセル入口側とセル出口側とで2組が用いられている。つまり、熱媒体切替弁の数は、合計18組用いられている。
【0040】上述したように、aタイプ中空弁15、bタイプ中空弁20、cタイプ中空弁25は、それぞれ第1、第2、第3停止位置の3つの位置に停止するように設けられている。aタイプ中空弁15、bタイプ中空弁20、cタイプ中空弁25は、それぞれ放熱水の流体圧によって駆動されるものであり、それぞれを中間位置(第2停止位置)に停止させるため、それぞれに親弁30が配置されている(図13参照)。なお、放熱水は、各熱交換ユニット1a〜1cと、図示しない放熱器とを循環するものであり、図14に示す放熱水循環経路21に配置された放熱水循環ポンプPにより駆動されるものである。
【0041】aタイプ中空弁15、bタイプ中空弁20、cタイプ中空弁25を第1、第2、第3停止位置の3つの位置に停止させる手段を図14を用いて説明する。なお、ここでは、a、b、cタイプ中空弁15、20、25を1つのモデル弁(以下、往復動切替弁体31)として説明し、a、b、cタイプバルブボディ14、19、24を1つのバルブボディ32として説明する。そして、a、b、cタイプ弁11、12、13を1つの熱媒体切替弁29として説明するものである。往復動切替弁体31を第1、第2、第3停止位置の3つの位置に停止させるために、往復動切替弁体31の一端側(図示上側)には、往復動切替弁体31より大径の親弁30が配置されている。
【0042】親弁30および往復動切替弁体31を収容するバルブボディ32には、往復動切替弁体31の下端に連通する下端ポート32a、親弁30の下端(往復動切替弁体31の上端でもある)に連通する中間ポート32b、親弁30の上端に連通する上端ポート32cが設けられており、下端ポート32a、中間ポート32b、上端ポート32cに対する放熱水の供給および排出状態によって、図15に示すように、親弁30の停止位置および往復動切替弁体31の停止位置が決定される。つまり、往復動切替弁体31の反親弁30側のバルブボディ内と、親弁30の往復動切替弁体31側のバルブボディ32内と、親弁30の反往復動切替弁体31側のバルブボディ32内とにおける流体の圧力差により、往復動切替弁体31を、第1、第2、第3停止位置の3つの停止位置に設定するように設けられている。
【0043】下端ポート32aには、親弁30の往復動切替弁体31側のバルブボディ32内の圧力を正圧と負圧とに切り替える下端電磁弁33が接続されている。この下端電磁弁33は、通電OFF で下端ポート32aを放熱水循環ポンプPの吸引側(負圧側)に接続し、通電ONで下端ポート32aを放熱水循環ポンプPの吐出側(正圧側)に接続するものであって、バネ33aによって復帰する電磁ソレノイド33bと、バネ33aおよび電磁ソレノイド33bによってスライドする正負切替弁33cとから構成される。
【0044】中間ポート32bには、親弁30の往復動切替弁体31側のバルブボディ32内の圧力を正圧と負圧とに切り替える中間電磁弁34が接続されている。この中間電磁弁34は、通電OFF で中間ポート32bを放熱水循環ポンプPの吐出側(正圧側)に接続し、通電ONで中間ポート32bを放熱水循環ポンプPの吸引側(負圧側)に接続するものであって、バネ34aによって復帰する電磁ソレノイド34bと、バネ34aおよび電磁ソレノイド34bによってスライドする正負切替弁34cとから構成される。
【0045】上端ポート32cには、親弁30の反往復動切替弁体31側のバルブボディ内の圧力を正圧と負圧とに切り替える上端電磁弁35が接続されている。この上端電磁弁35は、通電OFF で上端ポート32cを放熱水循環ポンプPの吸引側(負圧側)に接続し、通電ONで上端ポート32cを放熱水循環ポンプPの吐出側(正圧側)に接続するものであって、バネ35aによって復帰する電磁ソレノイド35bと、バネ35aおよび電磁ソレノイド35bによってスライドする正負切替弁35cとから構成される。
【0046】具体的な往復動切替弁体31の駆動を図15を参照して説明する。下端電磁弁33をOFF 、中間電磁弁34をOFF 、上端電磁弁35をOFF することにより、下端ポート32aが放熱水循環ポンプPの負圧側に接続され、中間ポート32bが放熱水循環ポンプPの正圧側に接続され、上端ポート32cが放熱水循環ポンプPの負圧側に接続される。これにより、往復動切替弁体31が下側へ駆動されて第1停止位置に停止する{図15(a)参照}。
【0047】下端電磁弁33をON、中間電磁弁34をON、上端電磁弁35をONすることにより、下端ポート32aが放熱水循環ポンプPの正圧側に接続され、中間ポート32bが放熱水循環ポンプPの負圧側に接続され、上端ポート32cが放熱水循環ポンプPの正圧側に接続される。これにより、往復動切替弁体31が上側へ駆動されるが、駆動力の大きい親弁30が下側に駆動されて停止するため、往復動切替弁体31は親弁30に規制されて中間位置(第2停止位置)で停止する{図15(b)参照}。
【0048】下端電磁弁33をON、中間電磁弁34をON、上端電磁弁35をOFF することにより、上記の第2停止位置の状態から上端ポート32cのみが放熱水循環ポンプPの負圧側に接続される。これにより、駆動力の大きい親弁30が上側に駆動されて停止するため、往復動切替弁体31がさらに上側へ駆動されて、第3停止位置で停止する{図15(c)参照}。
【0049】続いて、下端電磁弁33をOFF 、中間電磁弁34をON、上端電磁弁35をONすることにより、上端ポート32cが放熱水循環ポンプPの正圧側に接続され、下端ポート32a、中間ポート32bが放熱水循環ポンプPの負圧側に接続される。これにより、駆動力の大きい親弁30が下側に駆動されて往復動切替弁体31を下側(中間位置)に押し戻す{図15(d)参照}。その後、上記の接続を繰り返すことで、往復動切替弁体31が第1停止位置→第2停止位置→第3停止位置を順次繰り返す。なお、下端電磁弁33、中間電磁弁34、上端電磁弁35の通電は、図示しない制御装置により、上述した接続が得られるように通電制御される。
【0050】一方、図16に示すように、加熱水循環経路16、放熱水循環経路21、冷熱出力水循環経路37のそれぞれには、上述した往復動切替弁体31が、停止位置(第1、第2、第3停止位置のいずれか)から次の停止位置(第1、第2、第3停止位置のいずれか)に移動する際に、熱媒体切替弁29によって切り替えられる熱媒体の流れを停止させる停止弁36(停止手段に相当する)が配置されている。このように、往復動切替弁体31が、停止位置から次の停止位置へ移動する際に、熱媒体の流れが停止されることによって、往復動切替弁体31の移動中、往復動切替弁体31によって切り替えられる熱媒体が、熱媒体切替弁29において混流するのを阻止するものである。
【0051】また、各停止弁36は、熱媒体の切り替えを行う際、合金間の水素移動を効率的に行わせるために、複数種類の熱媒体の供給タイミングを変える、いわゆる位相制御にも用いられるものである。具体的には、停止弁36によって、熱媒体の流れを停止させる時期、あるいは熱媒体の流れを再開させる時期を熱媒体の種類等に応じてずらすように設定されるものであり、この実施例では水素吸蔵用の放熱水を他の熱媒体よりも先に供給を開始して吸蔵状態にしておき、少し遅れて水素放出用の熱媒体(加熱水や冷熱出力水)を供給して水素の移動速度を速める吸蔵優先位相制御を行うものである。なお、水素放出用の熱媒体(加熱水や冷熱出力水)を他の熱媒体よりも先に供給を開始して放出状態にしておき、少し遅れて水素吸蔵用の熱媒体(放熱水)を供給して水素の移動速度を速める放出優先位相制御を行うように設けても良い。この実施例に示すように、位相制御を各往復動切替弁体31の切り替えによって行うのではなく、加熱水循環経路16、放熱水循環経路21、冷熱出力水循環経路37のそれぞれに設けられた停止弁36によってまとめて行えるため、位相制御を容易に実施することができる。
【0052】停止弁36は、図16に示すように、熱媒体循環経路(加熱水循環経路16、放熱水循環経路21、冷熱出力水循環経路37)の連通あるいは遮断を行う遮断弁体36aと、この遮断弁体36aの一端に配置された弁体復帰用のバネ36bと、遮断弁体36aを駆動するための駆動手段38とから構成される。
【0053】この駆動手段38は、遮断弁体36aの他端側(復帰用のバネ36bとは逆側)に放熱水の正圧(放熱水循環ポンプPの下流側圧力)を印加することで、遮断弁体36aを駆動して停止弁36を作動させるものであり、正圧と排圧とを切り替える正排切替弁体38aと、この正排切替弁体38aを駆動する電磁ソレノイド38bとから構成される。
【0054】この電磁ソレノイド38bは、図示しない制御装置によって通電制御されるものであり、この電磁ソレノイド38bの通電時期によって、熱媒体切替弁29の切り替え時に熱媒体の流れを停止させるとともに、位相制御を実施するものであるため、位相制御における位相角を容易に変更することができる。
【0055】なお、この実施例では、電磁ソレノイド38bの作動によって遮断弁体36aを間接的に駆動する例を示したが、図17に示すように、遮断弁体36aを電磁ソレノイド38bで直接的に駆動するように構成しても良い。また、サイクルの運転状態に応じて電磁ソレノイド38bの通電時期を制御装置によって変化させることにより、位相角を適切に変化させて効率を向上させても良い。
【0056】次に、熱媒体切替手段5の切り替え作動を説明する。18個の往復動切替弁体31(6本のaタイプ中空弁15、6本のbタイプ中空弁20、6本のcタイプ中空弁25)が第1停止位置に設定された状態では、上述したように、第1熱交換ユニット1aが水素駆動部αに設定され、第2熱交換ユニット1bが第1冷熱出力部βに設定され、第3熱交換ユニット1cが第2冷熱出力部γに設定される。次に、18個の往復動切替弁体31が第2停止位置に設定された状態では、第1熱交換ユニット1aが第1冷熱出力部βに設定され、第2熱交換ユニット1bが第2冷熱出力部γに設定され、第3熱交換ユニット1cが水素駆動部αに設定される。次に、18個の往復動切替弁体31が第3停止位置に設定された状態では、第1熱交換ユニット1aが第2冷熱出力部γに設定され、第2熱交換ユニット1bが水素駆動部αに設定され、第3熱交換ユニット1cが第1冷熱出力部βに設定される。
【0057】つまり、18個の往復動切替弁体31が第1→第2→第3停止位置に順次切り替わることにより、第1熱交換ユニット1aが水素駆動部α→第1冷熱出力部β→第2冷熱出力部γに順次切り替わり、第2熱交換ユニット1bが第1冷熱出力部β→第2冷熱出力部γ→水素駆動部αに順次切り替わり、第3熱交換ユニット1cが第2冷熱出力部γ→水素駆動部α→第1冷熱出力部βに順次切り替わるものである。
【0058】次に、水素駆動部α、第1冷熱出力部β、第2冷熱出力部γの各作動を数値(図6参照)を用いた一例と、図5に示すPT冷凍サイクル線図を用いて説明する。水素駆動部αに切り替えられた積層体グループGは、高温合金HMが加熱水と熱交換され、中温合金MMが抑制水と熱交換され、低温合金LMが放熱水と熱交換される。高温合金HMが加熱水(95℃)と熱交換されることにより、高温合金HMを収容する合金収容室の内圧が上昇し、高温合金HMが水素を放出(図5の■)する。中温合金MMが抑制水(65℃)と熱交換されることにより、中温合金MMを収容する合金収容室の内圧が上昇し、中温合金MMが水素を放出(図5の■’)する。低温合金LMが放熱水(32℃)と熱交換されることにより、低温合金LMを収容する合金収容室の内圧が下がり、低温合金LMが水素を吸蔵(図5の■)する。そして、水素駆動部αが実行された積層体グループGは、熱媒体切替手段5によって第1冷熱出力部βへ切り替えられる。
【0059】第1冷熱出力部βに切り替えられた積層体グループGは、高温合金HMが抑制水と熱交換され、中温合金MMが放熱水と熱交換され、低温合金LMが冷熱出力水と熱交換される。高温合金HMが抑制水(65℃)と熱交換されることにより、高温合金HMを収容する合金収容室の内圧が高温合金HMが水素の吸蔵および放出を行わない圧力に設定される。中温合金MMが放熱水(33℃)と熱交換されることにより、中温合金MMを収容する合金収容室の内圧が下がり、中温合金MMが水素を吸蔵(図5の■)し、低温合金LMが水素を放出(図5の■)する。低温合金LMが水素を放出するため、低温合金LMの合金収容室内で吸熱が生じ、低温合金LMと熱交換された冷熱出力水が例えば7℃に冷やされる。なお、低温合金LMは、第2冷熱出力部γで冷却された冷熱出力水の温度(例えば10℃くらい)では、低温合金LMを収容する合金収容室の内圧が中温合金MMを収容する合金収容室の内圧より高くなるように設けられている。そして、第1冷熱出力部βが実行された積層体グループGは、熱媒体切替手段5によって第2冷熱出力部γへ切り替えられる。
【0060】第2冷熱出力部γに切り替えられた積層体グループGは、高温合金HMが放熱水と熱交換され、中温合金MMおよび低温合金LMが冷熱出力水と熱交換される。高温合金HMが放熱水(35℃)と熱交換されることにより、高温合金HMを収容する合金収容室の内圧が下がり、高温合金HMが水素を吸蔵(図5の■)する。中温合金MMが水素を放出(図5の■)するとともに、低温合金LMも水素を放出(図5の■’)するため、中温合金MMおよび低温合金LMの合金収容室内で吸熱が生じ、中温合金MMおよび低温合金LMと熱交換された冷熱出力水が例えば10℃に冷やされる。なお、中温合金MMは、室内空気と熱交換して温度上昇した冷熱出力水の温度が13℃くらいでは、中温合金MMを収容する合金収容室の内圧が高温合金HMを収容する合金収容室の内圧より高くなるように設けられている。そして、第2冷熱出力部γが実行された積層体グループGは、熱媒体切替手段5によって水素駆動部αへ切り替えられる。
【0061】なお、第1、第2冷熱出力部β、γで低温合金LMおよび中温合金MMが水素を放出する際に熱が奪われて低温(7℃)になった冷熱出力水は、図示しない室内空調機の室内熱交換器に供給されて、室内に吹き出される空気と熱交換されて室内を冷房する。
【0062】〔実施例の効果〕往復動切替弁であるaタイプ弁11を構成するaタイプバルブボディ14は、2つの第1ポート17と、3つの第2ポート18が、aタイプ中空弁15の1ストローク移動分以上ずれた位置に設けられている。このため、aタイプ中空弁15によって連通が選択されていない第1ポート17と第2ポート18との間における熱媒体のリークを防ぐことができる。また、aタイプ中空弁15は、3つの停止位置のいずれかに停止して、第1ポート17と、第2ポート18の連通の切り替えを、内部の中空部9を介して行うものである。この中空部9が、aタイプ中空弁15によって連通が選択されている第1ポート17と第2ポート18との間においてバイパスの役割を果たすため、aタイプ中空弁15の弁長を短縮することができる。さらに、aタイプ中空弁15が、停止位置(第1、第2、第3停止位置のいずれか)から次の停止位置(第1、第2、第3停止位置のいずれか)に移動する際、停止弁36が熱媒体の流れを停止させるため、aタイプ中空弁15の移動中、aタイプ中空弁15によって切り替えられる熱媒体が、aタイプ弁11において混流しない。
【0063】また、bタイプ弁12を構成するbタイプバルブボディ19は、2つの第1ポート22と、3つの第2ポート23が、bタイプ中空弁20の1ストローク移動分以上ずれた位置に設けられている。このため、bタイプ中空弁20によって連通が選択されていない第1ポート22と第2ポート23との間における熱媒体のリークを防ぐことができる。また、bタイプ中空弁20は、3つの停止位置のいずれかに停止して、第1ポート22と第2ポート23の連通の切り替えを、内部の中空部9を介して行うものである。この中空部9が、bタイプ中空弁20によって連通が選択されている第1ポート22と第2ポート23との間においてバイパスの役割を果たすため、bタイプ中空弁20の弁長を短縮することができる。さらに、bタイプ中空弁20が、停止位置(第1、第2、第3停止位置のいずれか)から次の停止位置(第1、第2、第3停止位置のいずれか)に移動する際、停止弁36が熱媒体の流れを停止させるため、bタイプ中空弁20の移動中、bタイプ中空弁20によって切り替えられる熱媒体が、bタイプ弁12において混流しない。
【0064】さらに、cタイプ弁13を構成するcタイプバルブボディ24は、2つの第1ポート26と、3つの第2ポート27が、cタイプ中空弁25の1ストローク移動分以上ずれた位置に設けられている。このため、cタイプ中空弁25によって連通が選択されていない第1ポート26と第2ポート27との間における熱媒体のリークを防ぐことができる。また、cタイプ中空弁25は、3つの停止位置のいずれかに停止して、第1ポート26と第2ポート27の連通の切り替えを、内部の中空部9を介して行うものである。この中空部9が、cタイプ中空弁25によって連通が選択されている第1ポート26と第2ポート27との間においてバイパスの役割を果たすため、cタイプ中空弁25の弁長を短縮することができる。さらに、cタイプ中空弁25が、停止位置(第1、第2、第3停止位置のいずれか)から次の停止位置(第1、第2、第3停止位置のいずれか)に移動する際、停止弁36が熱媒体の流れを停止させるため、cタイプ中空弁25の移動中、cタイプ中空弁25によって切り替えられる熱媒体が、cタイプ弁13において混流しない。
【0065】上述したように、aタイプ中空弁15、bタイプ中空弁20、cタイプ中空弁25のそれぞれに中空部9を設けるとともに、aタイプ中空弁15、bタイプ中空弁20、cタイプ中空弁25の移動時に、停止弁36が熱媒体の流れを停止することにより、aタイプ中空弁15、bタイプ中空弁20、cタイプ中空弁25の各弁長を、11ストローク分に短縮できるとともに、シール材10の数を8つに少なくすることができる。
【0066】ここで、この実施例では、aタイプ中空弁15、bタイプ中空弁20、cタイプ中空弁25がそれぞれ6本づつ、合計18本が用いられているため、熱媒体切替手段5を小型、軽量化できる。また、各aタイプ中空弁15、各bタイプ中空弁20、各cタイプ中空弁25のシール材10の数が8つと少ないため、シール材10による移動抵抗を小さく抑えることができ、放熱水の圧力によって、各aタイプ中空弁15、各bタイプ中空弁20、各cタイプ中空弁25をスムーズ、且つ確実に切り替えることができる。
【0067】〔変形例〕上記の実施例では、抑制用熱媒体(抑制水)、放熱用熱媒体(放熱水)、冷熱出力用熱媒体(冷熱出力水)を各熱交換器に対して直列供給する例を示したが、図18に示すように並列供給するように設けても良いし、直列供給を行う部分と並列供給を行う部分とを混在して用いても良い。なお、直列供給と並列供給の変更は、バルブボディ32側における熱媒体の接続回路の変更によって行うことができる。全て直列供給の場合におけるバルブボディ32側の熱媒体接続回路の一例を図19に示し、全て並列供給の場合におけるバルブボディ32側の熱媒体接続回路の一例を図20に示す。
【0068】上記の実施例では、熱媒体切替弁29の往復動切替弁体31、停止弁36の遮断弁体36aを駆動する熱媒体の一例として、放熱用熱媒体(放熱水)を用いた例を示したが、加熱用熱媒体(加熱水)や冷熱出力用熱媒体(冷熱出力水)を用いても良い。
【0069】上記の実施例では、熱媒体切替手段5の一例として、各熱媒体(加熱水、放熱水、抑制水、冷熱出力水)と、各熱交換器(高温合金熱交換器Sa、中温合金熱交換器Sb、低温合金熱交換器Sc)とを個別に対応させた冷媒個別対応択一弁タイプの例を示したが、各熱交換器(高温合金熱交換器Sa、中温合金熱交換器Sb、低温合金熱交換器Sc)に対応して熱媒体を切り替える部分セル対応切替弁タイプや、各熱交換ユニット毎(第1〜第3熱交換ユニット1a〜1c毎)に対応して熱媒体を切り替える出力セル対応切替弁タイプに本発明を適用しても良い。
【0070】ここで、部分セル対応切替弁タイプ(2段サイクル)における往復動切替弁体(中空弁)の停止位置に対する熱媒体の供給切替状態を図21に示す。また、部分セル対応切替弁タイプ(2段サイクル)における往復動切替弁のイメージを図22に示す。また、出力セル対応切替弁タイプ(2段サイクル)における往復動切替弁体(中空弁)の停止位置に対する熱媒体の供給切替状態を図23に示す。また、出力セル対応切替弁タイプ(2段サイクル)における往復動切替弁のイメージを図24に示す。
【0071】上記の実施例では、室内を冷房する例を示したが、冷熱出力用熱媒体で冷蔵運転や冷凍運転に用いるなど、他の冷却装置として用いても良い。上記の実施例では、室内を冷房する例を示したが、冷暖房装置に適用しても良い。具体的な一例を示すと、燃焼装置で加熱された加熱水を室内空調機の室内熱交換器に導いて室内暖房を行うように設けても良い。また、燃焼装置で加熱された加熱水を床暖房マット、浴室乾燥機などに接続し、加熱水の供給によって床暖房、浴室暖房などを行うように設けても良い。
【0072】上記の実施例では、1サイクルで2段の冷熱出力を得る2段サイクルに本発明を適用した例を示したが、1段サイクルや、3段以上のサイクルに本発明を適用しても良い。上記の実施例では、各熱媒体の一例として水を用いたが、不凍液やオイルなど他の液体の熱媒体を用いても良いし、空気、蒸気、ガスなど気体性の熱媒体を用いても良い。




 

 


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