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発明の名称 水素吸蔵合金を利用した熱利用システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−296071(P2001−296071A)
公開日 平成13年10月26日(2001.10.26)
出願番号 特願2000−112165(P2000−112165)
出願日 平成12年4月13日(2000.4.13)
代理人 【識別番号】100080045
【弁理士】
【氏名又は名称】石黒 健二
【テーマコード(参考)】
3L093
【Fターム(参考)】
3L093 NN05 PP11 
発明者 神野 秀幸
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】水素吸蔵合金の水素の放出時の吸熱、あるいは水素の吸蔵時の放熱を利用した水素吸蔵合金を利用した熱利用システムであって、高温側の水素吸蔵合金は、加熱されることにより熱を低温部側へ移動させる伝熱手段を介して加熱されることを特徴とする水素吸蔵合金を利用した熱利用システム。
【請求項2】請求項1の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、前記伝熱手段は、低圧の伝熱パイプ内に熱媒体が封入されてなるヒートパイプであることを特徴とする水素吸蔵合金を利用した熱利用システム。
【請求項3】請求項1または請求項2の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、前記伝熱手段は、燃料の燃焼によって熱を発生する燃焼器によって加熱され、その受熱した熱を前記高温側の水素吸蔵合金に伝えるように設けられたことを特徴とする水素吸蔵合金を利用した熱利用システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金の水素の吸蔵と放出とを繰り返して行わせ、水素の放出時に生じる吸熱作用を利用して冷熱出力を得る、あるいは水素の吸蔵時に生じる放熱作用を利用して熱出力を得る水素吸蔵合金を利用した熱利用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】水素吸蔵合金を利用した熱利用システムは、同一平衡水素圧で水素平衡温度が異なる高温、低温度水素吸蔵合金(以下、高温、低温合金)をそれぞれ封入する独立した容器を備え、各容器を水素通路で連通した構造を採用しており、高温合金から低温合金へ水素移動を行う際は高温合金を加熱し、低温合金から高温合金へ水素移動を行う際は高温合金を冷却するように設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高温合金を加熱する手段として、直接、燃焼器から発生する燃焼ガスで加熱することが考えられるが、燃焼ガスによって直接容器を加熱すると、容器内の高温合金が高温になりすぎて劣化する不具合が生じてしまう。具体的には、水素吸蔵合金は粉末状であるため、容器内において伝熱性が悪く、燃焼ガスで直接的に加熱されると、容器の内部の合金が高温になる前に、容器に近い側の高温合金が高温になりすぎてしまい、容器に近い側の高温合金が劣化してしまう。
【0004】そこで、従来では、エチレングリコール水溶液などの液体熱媒体を使用して間接的に高温合金を加熱していた。つまり、燃焼器の燃焼ガスで液体熱媒体を加熱し、その加熱された液体熱媒体をポンプで高温合金に導き、加熱された液体熱媒体によって高温合金を加熱するように設けていた。しかし、水溶液を熱媒体として利用しているため、高温合金を加熱するための液体熱媒体を循環する循環経路が必要になるとともに、そのためのポンプが必要になる不具合がある。
【0005】
【発明の目的】本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温合金を加熱するための液体熱媒体を循環する循環経路およびそのためのポンプを不要とした簡素な構造の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムの提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔請求項1の手段〕水素吸蔵合金を利用した熱利用システムは、水素吸蔵合金の水素の放出時の吸熱、あるいは水素の吸蔵時の放熱を利用したものであって、高温側の水素吸蔵合金は、加熱されることにより熱を低温部側へ移動させる伝熱手段を介して加熱されることを特徴とする。
【0007】〔請求項2の手段〕請求項1の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、前記伝熱手段は、低圧の伝熱パイプ内に熱媒体が封入されてなるヒートパイプであることを特徴とする。
【0008】〔請求項3の手段〕請求項1または請求項2の水素吸蔵合金を利用した熱利用システムにおいて、前記伝熱手段は、燃料の燃焼によって熱を発生する燃焼器によって加熱され、その受熱した熱を前記高温側の水素吸蔵合金に伝えるように設けられたことを特徴とする。
【0009】
【発明の作用および効果】〔請求項1の作用および効果〕高温側の水素吸蔵合金は、ヒートパイプや、銅等の伝熱性および耐熱性に優れた伝熱金属等の伝熱手段を介して加熱される構造であるため、直接加熱のように水素吸蔵合金の劣化を招く不具合がなく、また、従来用いていた高温合金を加熱するための液体熱媒体を循環する循環経路およびそのためのポンプが不要となる。このため、水素吸蔵合金を利用した熱利用システムの構造を簡素にできるとともに、コストを抑えることができる。
【0010】また、従来、液体熱媒体として水を用いた場合では、100℃以上の高温を得るのは困難であったが、ヒートパイプや伝熱金属等の伝熱手段を用いたことにより100℃以上の高温を容易に得ることができる。つまり、100℃以上の温度で高温側の水素吸蔵合金を加熱することができ、水素吸蔵サイクルの効率ロスを低減できる。
【0011】〔請求項2の作用および効果〕伝熱手段としてヒートパイプを用いたことにより、熱を効率的に高温側の水素吸蔵合金に伝えることができる。つまり、伝熱手段としてヒートパイプを用いたことにより、熱の伝達ロスを抑えることができる。
【0012】〔請求項3の作用および効果〕伝熱手段を加熱する手段として燃焼器を用いたことにより、家庭用、工業用、商業用など、水素吸蔵合金を利用した熱利用システムの設置場所の自由度が大きくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、2つの実施例と変形例に基づき説明する。
〔第1実施例の構成〕この実施例は、本発明を空調装置に適用したもので、この実施例を図1〜図4を用いて説明する。なお、図1は空調システムの概略図、図2は高温合金を封入する合金容器の断面図、図3は空調システムにおける室外機の内部配置を示す概略図、図4はPT冷凍サイクル線図を示すものである。
【0014】本実施例の空調装置の概略構成を、図1を用いて説明する。本実施例の適用される空調装置は、大別して、水素吸蔵合金を用いたヒートポンプサイクル1と、水素吸蔵合金を加熱するための燃焼装置2と、熱媒体(この実施例では水)の熱を大気中に放出する放熱器3と、冷却された熱媒体によって室内を冷房する室内空調機4と、搭載された各電気機能部品を制御する制御装置(図示しない)とから構成される。
【0015】なお、ヒートポンプサイクル1、燃焼装置2、放熱器3および制御装置は、室外機OUとして室外に設置されるものであり、室内には室内空調機4が配置される。また、本実施例に示す空調装置は、1つの室外機OUに対して、1つの室内空調機4が接続される例を示すが、複数の室内空調機4が接続可能な所謂マルチエアコンであっても良い。
【0016】本実施例のヒートポンプサイクル1は、図1に示すように、水素吸蔵合金(後述する高温合金HM)が封入された第1合金容器S1 、水素吸蔵合金(後述する低温合金LM)が封入された第2合金容器S2 、第1合金容器S1 内と第2合金容器S2 内とを連通する水素通路管S3 を備えるセルユニットSを複数用いる。なお、この実施例では、4個のセルユニットSを用いた例を示す。
【0017】水素吸蔵合金は、水素平衡圧力が異なる2種を用いたもので、第1合金容器S1 内には同一平衡水素圧で水素平衡温度が高い高温度水素吸蔵合金(以下、高温合金HM)の粉末が封入されたものであり、第2合金容器S2 内には同一平衡水素圧で水素平衡温度が低い低温度水素吸蔵合金(以下、低温合金LM)の粉末が封入されたものである。なお、高温合金HMおよび低温合金LMの関係を図4のPT冷凍サイクル線図を用いて説明すると、水素吸蔵合金の特性が、相対的に高温側(図示左側)にあるのが高温合金HM、低温側(図示右側)にあるのが低温合金LMである。
【0018】セルユニットSを説明する。セルユニットSを構成する第1、第2合金容器S1 、S2 および水素通路管S3 は、ステンレスあるいは銅など、水素透過の無い金属を用いて設けられたものである。この第1、第2合金容器S1 、S2 の構造を、図2を用いて説明する。なお、図2(a)は第1合金容器S1 の断面図、図2(b)はA−A線に沿う断面図、図2(c)はB視図を示すものである。
【0019】第1合金容器S1 は、水素吸蔵合金を封入する円筒容器であり、その中央には燃焼装置2によって一端側が加熱されるヒートパイプ5(伝熱手段に相当する)の他端側が挿入配置されている。ヒートパイプ5は、低圧の伝熱パイプ内に適量の熱媒体が封入された周知構造のものである。なお、このヒートパイプ5は、燃焼ガスにさらされて加熱される部分に多数のフィンからなるフィンブロック6がろう付けされたものであり、燃焼ガスの熱が効率的にヒートパイプ5に伝わるように設けられている。
【0020】また、第1合金容器S1 には、熱媒体を貫流させるための熱媒体貫流管7が貫通配置されており、この実施例ではヒートパイプ5の周囲に熱媒体貫流管7が等間隔で4本配置された例を示す。各熱媒体貫流管7の周囲にも、多数のフィンからなるフィンブロック8がろう付けされており、熱媒体と水素吸蔵合金との熱交換効率の向上が図られている。なお、このフィンブロック8の各フィンは、中央においてヒートパイプ5を挿入するポケット管9の周囲にも接合されるものであり、ヒートパイプ5の熱が効率的に水素吸蔵合金に伝わるように設けられている。
【0021】さらに、第1合金容器S1 の端部には、水素通路管S3 および合金充填管10とが接合されている。合金充填管10は、内部に粉末状の水素吸蔵合金を充填し、真空引きを行い、活性化処理を施し、その後に水素を高圧充填したのちキャップ10aを用いて密封されるものである。なお、第1合金容器S1 の各接合部分は、例えばステンレスと銅とを溶材としたTIG溶接によって接合されるものである。
【0022】一方、第2合金容器S2 は、第1合金容器S1 のヒートパイプ5がないものであって、他の構成は同じものである。
【0023】4個のセルユニットSは、第1組と第2組とに分けられる。各組はそれぞれ2個のセルユニットSからなるものであり、図3に示すように、それぞれの組で第1合金容器S1 が上下に隣接配置されるものである。なお、図3(a)は室外機OUの内部構造を示す側面図、図3(b)は室外機OUの内部構造を示す正面図を示すものである。一方、燃焼装置2も、第1組の第1合金容器S1 のヒートパイプ5を加熱するための第1燃焼器11と、第2組の第1合金容器S1 のヒートパイプ5を加熱するための第2燃焼器12とから構成される。
【0024】第1、第2燃焼器11、12は、燃料であるガスを燃焼して熱を発生させ、発生した熱によってヒートパイプ5を加熱するもので、第1燃焼器11はガスの燃焼を行う第1ガスバーナ11a、第1ガス開閉弁11bを備えた第1ガス供給回路11c、第1ガスバーナ11aで発生した燃焼ガスを第1組のヒートパイプ5に導く第1燃焼排気通路11dおよび図示しないスパーカ等から構成される。第2燃焼器12も、第1燃焼器11と同様、ガスの燃焼を行う第2ガスバーナ12a、第2ガス開閉弁12bを備えた第2ガス供給回路12c、第2ガスバーナ12aで発生した燃焼ガスを第2組のヒートパイプ5に導く第2燃焼排気通路12dおよび図示しないスパーカ等から構成される。なお、第1、第2燃焼器11、12は、共通の燃焼ファンFを備え、この燃焼ファンFによって燃焼用の空気が供給される。
【0025】ヒートポンプサイクル1は、第1合金容器S1 内の水素を強制的に第2合金容器S2 内に移動させるH/L水素駆動と、第2合金容器S2 内に移動した水素を再び第1合金容器S1 に移動させるL/H水素駆動とを交互に行うものであり、その切り替えは第1、第2燃焼器11、12の燃焼切り替えによって実行される。なお、切り替えられるタイミングはヒートポンプサイクル1の出力に応じて3〜10分ほどに設定されるものである。
【0026】なお、H/L水素駆動は、第1合金容器S1 内の高温合金HMをヒートパイプ5を介して140℃ほどに加熱するとともに、放熱器3で40℃ほどに放熱された熱媒体(以下、冷却水)によって第2合金容器S2 内の低温合金LMを冷却して、第1合金容器S1 内の水素を第2合金容器S2 内に移動させるものである。また、L/H水素駆動は、室内空調機4から戻ってきた13℃ほどの熱媒体(以下、冷温水)によって第2合金容器S2 内の低温合金LMを加熱するとともに、自分自身が冷却される冷媒になる。放熱器3で40℃ほどに放熱された冷却水によって第1合金容器S1 内の高温合金HMを冷却して、第2合金容器S2 内の水素を第1合金容器S1 内に移動させるものである。
【0027】図1に示す符号13は、冷却水を循環させるための冷却水循環路を示すものであり、途中に設けられた冷却水ポンプP1 によって40℃〜45℃ほどの冷却水が循環する。この冷却水循環路13には、放熱器3で放熱された約40℃の冷却水を、第1組の第2合金容器S2 と第2組の第1合金容器S1 に送る第1切替状態{図1(a)参照}と、第1組の第1合金容器S1 と第2組の第2合金容器S2 に送る第2切替状態{図1(b)参照}とに切り替えるための冷却水切替弁14が4つ設けられている。また、冷却水循環路13には、冷却水補充用の冷却水シスターン15が接続されている。
【0028】また、図1に示す符号16は、冷温水を循環させるための冷温水循環路を示すものであり、途中に設けられた冷温水ポンプP2 によって7℃〜13℃ほどの冷温水が循環する。この冷温水循環路16には、室内空調機4で放熱されて温度上昇した約13℃の冷温水を、第2組の第2合金容器S2 に送る第1切替状態{図1(a)参照}と、第1組の第2合金容器S2 に送る第2切替状態{図1(b)参照}とに切り替えるための冷温水切替弁17が2つ設けられている。また、冷温水循環路16には、冷温水補充用の冷温水シスターン18が接続されている。
【0029】放熱器3は、図3に示すように、冷却水が空気に触れずに熱交換する密閉型の熱交換器である。この放熱器3は、供給される冷却水と外気とを強制的に熱交換するもので、放熱ファン19を備える。なお、放熱器3として蒸発型の冷却塔を用いても良い。
【0030】室内空調機4は、上述のように室内に配置されるもので、この室内空調機4に供給される冷温水と室内空気とを強制的に熱交換し、熱交換後の空気を室内に吹き出させるための図示しない室内ファンを備える。
【0031】制御装置は、室内空調機4に設けられたコントローラ(図示しない)からの操作指示や、複数設けられた各センサの入力信号に応じて、上述の冷却水ポンプP1 、冷温水ポンプP2 、冷却水切替弁14、冷温水切替弁17、放熱ファン19などの電気機能部品、および燃焼装置2の電気機能部品(第1、第2ガス開閉弁11b、12b、燃焼ファンF、図示しないスパーカ等)を制御するとともに、室内空調機4の室内ファンへ作動指示を与えるものである。
【0032】(冷房運転の作動説明)上記の空調装置による冷房運転の作動を、図4のPT冷凍サイクル線図を参照して説明する。冷房運転が室内空調機4のコントローラによって指示されると、制御装置によって、放熱ファン19、冷却水ポンプP1 、冷温水ポンプP2 を作動し、且つ第1、第2燃焼器11、12の切替制御、冷却水切替弁14と冷温水切替弁17の切替制御を行うとともに、室内空調機4の室内ファンをONする。
【0033】第1、第2燃焼器11、12の燃焼切替に応じて、冷却水切替弁14および冷温水切替弁17が第1切替状態と第2切替状態とに切り替えられる。具体的には、第1燃焼器11がONで第2燃焼器12がOFF の時に第1切替状態{図1(a)参照}に設定されて、第1組のセルユニットがH/L水素駆動を行い、第2組のセルユニットがL/H水素駆動を行う。そして、第1燃焼器11がOFF で第2燃焼器12がONの時に第2切替状態{図1(b)参照}に設定されて、第2組のセルユニットがH/L水素駆動を行い、第1組のセルユニットがL/H水素駆動を行う。
【0034】H/L水素駆動のセルユニットSは、ヒートパイプ5の伝熱により第1合金容器S1 が140℃に加熱(図4の■)され、第2合金容器S2 が40℃に冷却(図4の■)されることにより、第1合金容器S1 の高温合金HMが水素を放出し、第2合金容器S2 の低温合金LMが水素を吸蔵する。
【0035】一方、L/H水素駆動のセルユニットSは、第1合金容器S1 が40℃に冷却されて内圧が低下するため、第2合金容器S2 の低温合金LMが水素を放出し(図4の■)、第1合金容器S1 の高温合金HMが水素を吸蔵する(図4の■)。第2合金容器S2 内の低温合金LMが水素を放出する際に吸熱作用が発生し、冷温水から熱を奪う。この結果、冷温水の温度が、例えば13℃から7℃に低下する。そして、熱を奪われた低温の冷温水は、冷温水循環路16を介して室内空調機4に供給されて、室内に吹き出される空気と熱交換されて室内を冷房する。
【0036】〔実施例の効果〕上記の作動で示したように、第1合金容器S1 内に封入される高温合金HMは、ヒートパイプ5(伝熱手段)を介して加熱される構造であるため、極めて温度の高い燃焼ガスによる直接加熱のように、第1合金容器S1 や高温合金HMの劣化を招く不具合がない。また、従来用いていた高温合金HMを加熱するための液体熱媒体を循環する循環経路およびそのためのポンプが不要となる。このため、水素吸蔵合金を利用した空調装置の構造を簡素にできるとともに、コストを抑えることができる。
【0037】また、従来、液体熱媒体として水を用いた場合では、100℃以上の高温を得るのは困難であったが、ヒートパイプ5(伝熱手段)を用いたことにより100℃より温度の高い、例えば140℃などの任意温度の高温を容易に得ることができる。このように、この実施例では、140℃の高温で高温合金HMを加熱することができるため、ヒートポンプサイクル1の効率を向上できる。
【0038】〔第2実施例〕図5は空調装置の概略構成図である。上記の第1実施例では、冷房運転のみの空調装置を例に示したが、この第2実施例では、冷却水循環経路および冷温水循環経路にそれぞれ冷暖房切替用の四方弁20を設け、冷房運転の他に、暖房運転も可能にしたものである。冷房運転時の四方弁20は、第1実施例と同じ循環経路に切り替えられ、冷却された冷温水が室内空調機4に導かれて室内冷房を行う。これに対し、暖房運転時の四方弁20は、室内空調機4と放熱器3の役割を冷房時とは逆にして(室内空調機4で放熱)、加熱された冷却水を室内空調機4に導いて室内暖房を行うものである。
【0039】また、この実施例の冷却水循環路13には、蓄熱槽21および蓄熱槽切替弁22が接続されており、外部へ放熱する熱を他に利用することで、総合COP(熱効率)を向上させるように設けられている。なお、室内空調機4の他に、床暖房マット、浴室乾燥機などに接続し、加熱水の供給によって床暖房や浴室乾燥などを行うように設けても良い。
【0040】〔変形例〕上記の実施例では、伝熱手段の一例として、ヒートパイプ5を例に示したが、銅、ステンレスなどの単一伝熱金属、あるいは複合金属材料(例えば、銅やアルミニウムにステンレスを被覆したもの)等を伝熱手段として用いても良い。上記の実施例では、ヒートポンプサイクル1によって得られた熱媒体(実施例中では冷温水)で室内を冷房する例を示したが、冷蔵運転や冷凍運転に用いるなど、他の冷却装置に適用しても良い。
【0041】上記の実施例では、伝熱手段(実施例中ではヒートパイプ5)を加熱する加熱手段として、ガスを燃焼するガス燃焼器を用いたが、石油を燃焼する石油燃焼器など、他の燃焼器を用いても良いし、内燃機関の排熱を利用した加熱手段、ボイラーによる蒸気、電気ヒータを用いた加熱手段など、他の加熱手段を用いても良い。なお、内燃機関の排熱を利用する際は、車両用に用いることもできる。
【0042】上記の実施例では、1つのセルユニットSに2つの合金容器を設けて1段サイクルを構成した例を示したが、1つのセルユニットSに3つ以上の合金容器を設けて2段サイクル以上の構成を採用しても良い。上記の実施例では、熱媒体の一例として、水道水などの水を用いたが、不凍液やオイルなど他の液体の熱媒体を用いても良いし、空気など気体の熱媒体を用いても良い。




 

 


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