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発明の名称 ゲートバルブ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−304432(P2001−304432A)
公開日 平成13年10月31日(2001.10.31)
出願番号 特願2000−126313(P2000−126313)
出願日 平成12年4月21日(2000.4.21)
代理人 【識別番号】100094053
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 隆久
【テーマコード(参考)】
3H053
3H056
3H063
3H066
【Fターム(参考)】
3H053 AA02 AA25 AA26 AA33 BD01 BD03 BD10 DA09 
3H056 AA05 BB02 BB22 BB32 BB33 BB49 CA01 CD04 GG02 GG14
3H063 AA04 BB02 BB22 BB32 BB33 BB39 BB45 DA15 DB18 DC01 EE11 GG02 GG15
3H066 AA03 BA18 BA19 BA38
発明者 大澤 芳夫 / 森 浩一 / 田村 譲
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】気密室内に設けられ当該気密室の開口部を開閉可能でかつ前記開口部に対して傾動することにより当該開口部を密封可能な弁体と、一端部に前記弁体が固定され、前記弁体が開口部を開閉する所定の直動方向に移動可能に保持され、かつ、所定の傾動軸を中心に傾動可能に保持された弁ロッドと、前記弁ロッドと前記気密室との間を移動可能にシールするシーリング手段と、前記弁体の前記開口部を閉じる向きの直動を当該弁体が開口部を閉じた閉位置で規制する規制手段と、供給される直動力を傾動力に変換し、前記閉位置で直動が規制された弁ロッドを前記弁体が前記開口部を密封する向きに前記傾動軸を中心に傾動させる傾動用カム機構と、前記傾動用カム機構とは独立に設けられ、前記開口部を開く向きの直動力の供給に応じて前記開口部を密封した状態にある前記弁体の当該密封を解除する向きに前記弁ロッドを前記傾動軸を中心に傾動させる密封解除用カム機構と、前記傾動用カム機構および密封解除用カム機構に直動力を供給する駆動手段とを有するゲートバルブ。
【請求項2】前記傾動用カム機構は、転動体と、前記転動体の転動面を当該転動体が回転自在に保持する保持面を備え、前記駆動手段によって駆動される転動体保持部材と、前記転動体保持部材に対向して配置され、前記転動体が転がり前記弁ロッドを傾動させるカム面を備え、前記弁ロッド側に連結された傾動用カム部材と、前記転動体保持部材に回転自在に保持された転動体の転動面の一部に対向する対向面を備え、当該転動面と対向面との間に形成される隙間に潤滑剤を保持する潤滑剤保持部材とを有する請求項1に記載のゲートバルブ。
【請求項3】前記密封解除用カム機構は、ローラ部材と、前記ローラ部材を回転自在に支持する支持部材と、前記ローラ部材が転動するカム面を備えた密封解除用カム部材とを有する請求項1または2に記載のゲートバルブ。
【請求項4】前記ローラ部材および支持部材は、前記弁ロッド側に設けられ、前記密封解除用カム部材は前記駆動手段側に設けられている請求項3に記載のゲートバルブ。
【請求項5】前記シーリング手段は、一端が前記弁ロッドに固定され、他端が前記気密室側に固定された伸縮自在のシールべローズ部と、前記弁ロッドが挿入され、前記弁ロッドの傾動を許容しつつ前記気密室で発生したダストの前記シールべローズへの侵入を防ぐダストシール部とを有する請求項1〜4のいずれかに記載のゲートバルブ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、半導体装置の製造工程等に用いられる真空処理室の開口部を開閉可能でかつ密封可能なゲートバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程におけるドライエッチング工程やスパッタリング工程やエピタキシャルウェハ形成工程等においては、例えば図16に示すような、複数の真空処理室が接続されたマルチチャンバ構成の真空処理装置が使用される。図16の真空処理装置301は、ウェハWの搬出入が行われる搬送室302の外周に、各種の処理を行う複数の真空処理室305が接続可能となっている。ウェハWの搬送室302と各真空処理室305との間の移動は、ゲートGを通じて行われる。ゲートGの開閉および密封は、図示しないゲートバルブによって行われる。
【0003】図16の真空処理装置301では、ウェハWを、搬出入路304の搬出入口303を通じて図示しない搬送装置によって搬送室302内に搬入し、搬送室302内に設けられた真空搬送ロボット307によって保持する。ウェハWが真空搬送ロボット307によって保持されると、搬出入口303を閉じ、搬送室302内を真空引きする。このとき、上記の各ゲートバルブは各ゲートを密封した状態となっている。搬送室302内の真空引きが完了すると、各ゲートバルブを駆動してゲートGを開き、真空搬送ロボット307によってウェハWを所定の真空処理室に搬送する。当該真空処理室において、処理を行うために、各ゲートバルブを駆動してゲートGを閉じ、ウェハWの所定の処理を行う。ウェハWの所定の処理が完了したら、ゲートバルブを駆動してゲートGを開き、再度真空搬送ロボット307によってウェハWを当該真空処理室から取出し、搬出入口303を通じて真空処理装置301外に自動的に搬出される。
【0004】上記のような真空処理装置301におけるゲートGを開閉しかつ密封可能なゲートバルブ306の構造として、例えば、図17および図18に示すような構造が知られている。図17において、搬送室202は、ゲートGを通じて真空処理室203と連通している。このゲートGの開閉をゲートバルブ201によって行うが、ゲートバルブ201は、ゲートGの開閉および密封を行う弁体205と、この弁体205が一端部に固定され直動可能にかつ所定の軸208を中心に傾斜可能に保持されている弁ロッド206と、搬送室202と弁ロッド206との間をシーリングするシールベローズ207と、弁ロッド206を直動および傾動させる図示しない駆動手段とを有している。ゲートバルブ201は、図17においては、ゲートGを開いた状態にある。ゲートGを閉じかつ密封するには、図18に示すように、弁ロッド206を直動させて弁体205がゲートGを閉じる位置まで移動し、弁ロッド206を軸208を中心に傾斜させることにより行う。この結果、弁体205がゲートGの外周に設けられたOリング204を押圧しゲートGが密封される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したような構造のゲートバルブ201においては、たとえば、直動手段としてのエアシリンダと弁ロッド206との間をカム機構を介して連結することで弁ロッド206の傾動を行うものが知られている。このようなカム機構を用いたゲートバルブとして、たとえば、日本国特許第2613171号公報に開示されたものがある。上記の特許第2613171号公報に開示されたゲートバルブのカム機構は、エアシリンダによって直線的に駆動されるヨークと弁ロッドの下端部に固定されたブロックとを連結する、ピンおよび当該ピンと係合する傾斜長孔からなる。この構成のカム機構では、傾斜長孔に対してピンが摺動することにより、弁ロッドを傾斜させる傾動力を発生させる。
【0006】また、カム機構を用いたゲートバルブとして、たとえば、米国特許5,120,019号に開示されたものが知られている。この米国特許5,120,019号に開示されたカム機構は、エアシリンダによって直動されるカム面を備えたカムプレートと、弁ロッドに回転自在に設けられたローラからなるカムフォロワとからなり、直動するカムプレートのカム面にローラが係合することにより弁ロッドが傾動する構成となっている。
【0007】しかしながら、特許第2613171号公報に開示されたカム機構の構成では、ピンは傾斜長孔の内周面を摺動するため、両者の間には滑り摩擦が発生し、騒音が発生しやすく静粛性に乏しいという不利益が存在した。また、ピンと傾斜長孔の内周面との間に滑り摩擦が発生するため、カム機構を駆動する駆動手段としてのエアシリンダの出力を大きくする必要があったり、カム機構が滑らかに動作しにくかったり、ピンと傾斜長孔の内周面が摩耗しやすく長期間安定した動作を保証できない等の不利益が存在した。
【0008】一方、米国特許5,120,019号に開示された構成のカム機構では、カムフォロワとしてのローラはカムプレートのカム面に対して転動するため、滑り摩擦が発生しにくく、主に転がり摩擦が発生する。このため、カム機構の動作は、比較的滑らかであり、静粛性にも優れているが、ローラを支軸によって回転自在に指示する必要があり、構造が複雑となり、ローラと支軸との間の軸受が必要であり、この軸受には大きなラジアル荷重が加わるため軸受の信頼性に問題があった。また、ローラの直径を小さくすることにも限界があり、小型化の観点からは不利な構成であった。
【0009】本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、構造が簡素化、小型化され安価であり、動きがスムーズで高速動作することができ、静粛性に富み、信頼性の高いカム機構を備えたゲートバルブを提供することを目的とする。さらに、本発明は、弁体による開口部の密封状態の解除動作を確実に行うことができるゲートバルブを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のゲートバルブは、気密室内に設けられ当該気密室の開口部を開閉可能でかつ前記開口部に対して傾動することにより当該開口部を密封可能な弁体と、一端部に前記弁体が固定され、前記弁体が開口部を開閉する所定の直動方向に移動可能に保持され、かつ、所定の傾動軸を中心に傾動可能に保持された弁ロッドと、前記弁ロッドと前記気密室との間を移動可能にシールするシーリング手段と、前記弁体の前記開口部を閉じる向きの直動を当該弁体が開口部を閉じた閉位置で規制する規制手段と、供給される直動力を傾動力に変換し、前記閉位置で直動が規制された弁ロッドを前記弁体が前記開口部を密封する向きに前記傾動軸を中心に傾動させる傾動用カム機構と、前記傾動用カム機構とは独立に設けられ、前記開口部を開く向きの直動力の供給に応じて前記開口部を密封した状態にある前記弁体の当該密封を解除する向きに前記弁ロッドを前記傾動軸を中心に傾動させる密封解除用カム機構と、前記傾動用カム機構および密封解除用カム機構に直動力を供給する駆動手段とを有する。
【0011】好適には、前記傾動用カム機構は、転動体と、前記転動体の転動面を当該転動体が回転自在に保持する保持面を備え、前記駆動手段によって駆動される転動体保持部材と、前記転動体保持部材に対向して配置され、前記転動体が転がり前記弁ロッドを傾動させるカム面を備え、前記弁ロッド側に連結された傾動用カム部材と、前記転動体保持部材に回転自在に保持された転動体の転動面の一部に対向する対向面を備え、当該転動面と対向面との間に形成される隙間に潤滑剤を保持する潤滑剤保持部材とを有する。
【0012】好適には、前記密封解除用カム機構は、ローラ部材と、前記ローラ部材を回転自在に支持する支持部材と、前記ローラ部材が転動するカム面を備えた密封解除用カム部材とを有する。
【0013】前記ローラ部材および支持部材は、前記弁ロッド側に設けられ、前記密封解除用カム部材は前記駆動手段側に設けられている。
【0014】さらに好適には、前記シーリング手段は、一端が前記弁ロッドに固定され、他端が前記気密室側に固定された伸縮自在のシールべローズ部と、前記弁ロッドが挿入され、前記弁ロッドの傾動を許容しつつ前記気密室で発生したダストの前記シールべローズへの侵入を防ぐダストシール部とを有する。
【0015】本発明では、転動体保持部材を駆動手段によって弁体が開口部を閉じる方向に直動させると、弁ロッドは当該方向に移動し、閉位置で直動が規制される。さらに、転動体保持部材を駆動すると、転動体保持部材の保持面に回転自在に保持された転動体は、傾動用カム部材のカム面を転がりながら移動する。これにより、弁ロッドは傾動し、開口部は弁体によって密封される。
【0016】このとき、転動体は、転動体保持部材の保持面に対して回転するので当該保持面との間に滑り摩擦が生じ、傾動用カム部材のカム面との間には転がり摩擦が生じる。一方、潤滑剤保持部材の対向面と転動体の転動面の一部との間では潤滑剤が保持されているため、転動体がカム面を転がると、転動体は対向面に対して回転する。転動体が対向面に対して回転すると、転動面には潤滑剤が付着し、転動面の全周に潤滑剤が付着した状態となる。このため、転動体と傾動用カム部材のカム面との間は潤滑され、両者の間の転がり摩擦は軽減される。さらに、転動体と転動体保持部材の保持面との間にも、転動面に付着した潤滑剤が供給され、転動面と保持面との間が潤滑され滑り摩擦が軽減される。
【0017】また、開口部は弁体によって密封された状態から、気密室の開口部を開く向きに弁ロッドを駆動すると、密封解除用カム機構が動作する。具体的には、密封解除用カム部材のカム面を支持部材に回転自在に支持されたローラ部材が転動することによって、弁ロッドが開口部の密封を解除する向きに強制的に傾動させられる。このため、弁体と開口部との間に設けられるシール部材が熱等によって固着した場合や、気密室と大気との間に弁体を開口部に押し付けるように作用する圧力差がある場合であっても、弁体による開口部の密封状態を確実に解除することができる。
【0018】さらに、本発明では、シール手段をシールベローズとダストシールとによって構成している。たとえば、気密室内で発生した蒸着成分や破損した製品の一部等からなるダストがシールベローズ内に侵入し、シールベローズの伸縮部に挟みこまれると、シールベローズにクラック等が発生し易くなり、シール機能を果たせなくなることがあるが、ダストシールによってシールベローズ内へのダストの侵入を防ぐことで、このような不利益の発生を抑制できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るゲートバルブの構成を示す断面図であり、図2は図1のA−A線方向の断面図である。図1および図2に示すゲートバルブ1は、弁体2と、連結部材4を介して弁体2と連結された弁ロッド6と、シールベローズ10と、ダストシール部90と、傾動用カム機構部31と、密封解除用カム機構部70と、エアシリンダ60と、コイルばね80とを備えている。ここで、弁体2は本発明の弁体、弁ロッド6は本発明の弁ロッド、シールベローズ10およびダストシール部90は本発明のシーリング手段、傾動用カム機構部31は本発明の傾動用カム機構、密封解除用カム機構部70は本発明の密封解除用カム機構、エアシリンダ60は本発明の駆動手段のそれぞれ一具体例に対応している。
【0020】弁体2は、平板状の部材から形成され、気密室50の開口部51を開閉可能でかつ開口部51に対して傾動することにより開口部51をOリング2aを介して密封することができる。本実施形態においては、弁体2として平板状の部材を示しているが、開口部が曲面形状を有する場合にこれに合せた形状とすることも可能である。また、弁体2の形成材料としては、極力パーティクルを発生せず、ガス等を放出しない金属材料等の材料が望ましい。弁体2と連結部材4との連結は、例えばボルトによって行われる。なお、Oリング2aは、弁体2に形成された脱落防止用のいわゆるアリ溝2bに嵌入されている。
【0021】弁ロッド6は、一端に連結部材4を介して弁体2が固定され、気密室50の取り付け部52の挿入孔52aおよび当該取り付け部52にOリング8bを介して取り付けられた取り付け部材8の挿入孔8aから気密室外に突出するように設けられている。取り付け部材8は外周に嵌合するリング状の固定部材9によって取り付け部52に固定されている。さらに、弁ロッド6は、他端側が保持部材41に連結され、保持部材41よって保持されている、保持部材41は支軸41aを中心に回転自在になっていることから、弁ロッド6も支軸41aを中心に傾斜可能となっている。この支軸41aが本発明の傾動軸の一具体例に対応している。また、弁ロッド6と連結部材4との連結は、例えば溶接によって行われる。弁ロッド6の形成材料としては、極力パーティクルを発生せず、ガス等を放出しない金属材料等の材料が望ましい。
【0022】シールベローズ10は、気密室50の室内側と弁ロッド6との間をシーリングする部材であり、弁ロッド6の直動および傾動に伴って伸縮可能となっている。また、シールベローズ10は、金属材料から形成され、取り付け部材8の端部に気密状態を保って、例えば溶接等の接合手段によって固定されている。シールベローズ10の他端部は、弁ロッド6に嵌合固定された固定リング部材11に、例えば溶接等の接合手段によって固定されている。なお、固定リング部材11と弁ロッド6との間にはOリング11aが介在している。これにより、弁ロッド6が直動および傾動しても、上記の気密室をシーリングすることができ、外部からパーティクル等の汚染物質が侵入するのを防止することができる。なお、シールベローズ10は、たとえば、金属材料から形成されている。
【0023】ダストシール部90は、取り付け部52の挿入孔52aの気密室内側に形成された嵌合凹部52bに嵌合固定されており、弁ロッド6の傾動を許容しつつ気密室50内で発生したダストのシールべローズ10内部への侵入を防ぐように機能する。なお、図1および図2は、ダストシール部90の配置のみを示している。上記の取り付け部52の挿入孔52aの直径は、弁ロッド6の傾動を受容する必要があるため、弁ロッド6の軸径よりも必然的に大きくする必要があり、比較的大きな隙間が存在する。気密室50で発生したウェーハ粉砕片や気密室50に堆積した蒸着材料等がこの隙間通じてシールベローズ10内に侵入することがあり、これを挟み込んだシールベローズ10が破壊することがある。本実施形態では、挿入孔52aにダストシール部90を設けることによって、上記の隙間を通じてウェーハ粉砕片や蒸着材料等のダストがシールベローズ10に侵入するのを防いでいる。
【0024】図3は、ダストシール部90の具体的構成を示す断面図であり、図4はダストシール部90を構成する各部品を分解した状態を示す図である。図3および図4に示すように、ダストシール部90は、フレックスブッシュ91と、シール部材92と、スラストジョイント93と、Oリング94と、スラストワッシャ95と、カバー96と、ボルト97とを備える。
【0025】ダストシール部90おいて、フレックスブッシュ91は取り付け部52の挿入孔52aの気密室50側に形成された嵌合凹部52bに嵌め込まれる。このフレックスブッシュ91の筒状部91aの弁ロッド6の挿入孔91bの直径は、弁ロッド6の直径よりも若干大きく形成されている。フレックスブッシュ91の筒状部91aの外周にシール部材92の内周のリップ部92aが嵌め込まれる。シール部材92の外周には、スラストジョイント93の内周が嵌め込まれる。スラストジョイント93の外周の溝93aには、Oリング94が嵌め込まれる。カバー96は、スラストワッシャ95を介してスラストジョイント93の一端面に置かれ、ボルト97によって、取り付け部52の気密室50側の面に固定される。
【0026】弁ロッド6とフレックスブッシュ91との間には、微小な隙間が設けられ、弁ロッド6が単に直動方向に移動する場合には、弁ロッド6とフレックスブッシュ91とは摺動しない。弁ロッド6が傾動した場合には、フレックスブッシュ91の筒状部91aと弁ロッド6とが接触し、フレックスブッシュ91が弁ロッド6の動きに追従するが、Oリング94およびシール部材92のリップ部92aの弾性によりフレックスブッシュ91の動きを吸収する。したがって、弁ロッド6が傾動状態から復帰して傾動していない状態となると、フレックスブッシュ91は弁ロッド6に対して略一定位置に復帰する。このように、フレックスブッシュ91が存在することで、気密室50で発生した、ウェーハの破片や蒸着材料等のダストがシールベローズ10内に侵入するのを防ぐことができる。
【0027】また、気密室50側とシールベローズ10の内部側とにおいては、シールベローズ10の伸縮により、空気のポンピングが行われる。このため、取り付け部52には、気密室50側とシールベローズ10の内部側とを連通する通気孔52dが形成されている。このような構成とすることにより、ダストシール部90を設けても、シールベローズ10に不要な圧力がかからず、シールベローズ10が変形することがない。
【0028】保持部材41は、有底の円筒状の部材であり、有底部には弁ロッド6を嵌合挿入する挿入孔41cが形成され、外周には互いに対向する位置に支軸41aがそれぞれ形成されている。保持部材41は、円筒状の部材であることから、弁ロッド6の直動によって伸縮するシールベローズ10を内部に収容可能となっている。保持部材41に形成された各支軸41aは、軸受部材43によって回転自在に保持されている。これにより、保持部材41は、支軸41aを中心に傾動可能になっており、弁ロッド6も傾動可能になっている。
【0029】支軸41aを回転自在に保持する軸受部材43は、エアシリンダ60の側面に形成された溝状のレール55に移動自在に保持されている。これにより、保持部材41は直動方向B1およびB2に沿って移動自在になっており、弁ロッド6は直動方向B1およびB2に移動自在となっている。
【0030】レール55の気密室50側の端部には、ストッパ部材12がそれぞれ設けられている。なお、ストッパ部材12は、本発明の規制手段の一具体例に対応している。ストッパ部材12は、直動方向B1、すなわち、弁体2が開口部51を閉じる向きに直動するとき、軸受部材43が当接して、保持部材41(弁ロッド6)の直動を規制する。ストッパ部材12は、軸受部材43との衝突による衝撃を緩和するため、たとえば、樹脂材料で形成することができる。
【0031】エアシリンダ60は、弁ロッド6に関して対称な位置にそれぞれ配置されている。これらのエアシリンダ60は、気密室50の取り付け板52の外側面にボルト等の締結手段によって固定されている。エアシリンダ60は、圧縮空気によって伸縮するピストンロッド61を内蔵しており、これらのピストンロッド61は、連結板30にそれぞれ固定されている。エアシリンダ60のピストンロッド61は、直動方向B1およびB2に伸縮し、これにより、連結板30も直動方向B1およびB2に直動する。
【0032】コイルばね80は、保持部材41と連結板30との間に介在しこれらを連結しており、保持部材41の支持軸41aを中心とする傾動を弾性的に許容しつつ当該保持部材41と連結板30との相対位置関係を一定に維持する弾性部材として作用する。このコイルばね80は、保持部材41の端部に形成された固定用溝部41hに一端が嵌合固定されており、他端が連結板30に形成された固定用溝部30aに嵌合固定されている。
【0033】密封解除用カム機構密封解除用カム機構部70は、B1およびB2で示す直動方向に関して保持部材41の両側部に設けられ、弁体2が開口部51を開く向きの直動力の供給に応じて弁体2の密封を解除する向きに弁ロッド6を傾動させる。図5は、図1に示す密封解除用カム機構部70を拡大した断面図であり、図6は図5の矢印B−B方向の断面図である。
【0034】図5および図6に示すように、密封解除用カム機構部70は、ガイド部材71と、保持部材41に形成された凹部41d内に設けられたピン状の支持部材78と、支持部材78に回転自在に支持されたローラ部材79とを備える。ここで、ガイド部材71は本発明の密封解除用カム部材の一具体例、支持部材78は本発明の支持部材、ローラ部材79は本発明のローラ部材のそれぞれ一具体例に対応している。
【0035】ガイド部材71は、連結板30に下端部71aがボルトBLによって連結されており、図中の上端部に保持部材に対向するように突出する2つの突出部72を備えており、これら突出部72が保持部材41の側面に形成された凹部41dに収容されている。突出部72の互いに対向する面は、B1およびB2で示す直動方向に沿った平面部72bとこの平面部72bに連続する傾斜面部72aとからなる。一方の突出部72の平面部72bおよび傾斜面部72aがカム面72cを構成している。このカム面72cは、弁体2が開口部51を密封する際に、傾動動作に影響を与えない形状に形成されており、かつ、弁体2による開口部51の密封が完了した状態で、傾斜面部72aがローラ部材79に接近または接触した状態になるような形状に形成されている。また、突出部72の下端面は、ガイド部材71がB2の向きに直動したときに、保持部材41の凹部41dの下側側面41eに当接する当接面となっている。すなわち、この突出部72の当接面72dは、ガイド部材71が矢印B2の向きに直動したとき、保持部材41をガイド部材71とともに、B2の向きに直動させる。
【0036】ガイド部材71の2つの突出部72の下端部に隣接してスラストワッシャ74が埋め込まれている。このスラストワッシャ74は、たとえば、黄銅にカーボンを含有させた材料等の摺動抵抗に低い材料から形成され、保持部材41に対向する対向面74aと保持部材41の側面41fが接触しており、この対向面74aがB1およびB2方向の直動に応じて摺動する。
【0037】保持部材41の凹部41dの下側面41eの一部には、衝撃干渉部材76が設けられており、この衝撃干渉部材76は、たとえば、ゴム材料、合成樹脂材料等の衝撃緩和性能に優れた材料から形成されている。衝撃干渉部材76は、ガイド部材71がB2の向きに直動し、突出部72の当接面72dが保持部材41の凹部41dの下側面41eに衝突したときの衝撃を緩和させる役割を果たす。
【0038】支持部材78は、保持部材41の凹部41d内に形成されたねじ穴に螺合固定されている。ローラ部材79は、支持部材78に回転自在に支持されており、ガイド部材71の突出部72のカム面72c上を転動する。また、ローラ部材79の直径は、2つの突出部72の平面部72b間の距離よりも若干小さい。ローラ部材79は2つの突出部72の平面部72b間に位置することにより、これら平面部72bに係合し、保持部材41の傾動が規制され、弁ロッド6が直立した状態が保持される。
【0039】傾動用カム機構傾動用カム機構部31は、上記の保持部材41と連結板30との間に設けられており、連結板30を通じてエアシリンダ60から供給される直動力によって弁ロッド6を直動させ、かつ、供給される直動力を傾動力に変換して弁体2が開口部51を閉じた閉位置で直動が規制された弁ロッド6を、弁体2が開口部51を密封する向きに支軸41aを中心に傾動させる。
【0040】図7は、傾動用カム機構部31の具体的構造を示す断面図である。図7において、傾動用カム機構部31は、保持部材41の下端部に固定されたカム部材32と、ローラ部材35と、連結板30のカム部材32に対向する位置に固定されたローラ保持部材38と、ローラ保持部材38に設けられた潤滑剤保持部材101とを備える。
【0041】ここで、ローラ部材35は本発明の転動体、ローラ保持部材38は本発明の転動体保持部材、カム部材32は本発明の傾動用カム部材、潤滑剤保持部材101は本発明の潤滑剤保持部材のそれぞれ一具体例に対応している。
【0042】カム部材32は、滑らかに連続する曲面および平面からなる所定形状のカム面32aを備えている。このカム面32aは、たとえば、ローラ35を保持可能な凹状曲面からなる保持部32bと、ローラ35が転がることによって弁ロッド6(保持部材41)に所要の傾動力を発生させるような曲面からなる傾斜面部32cと、直動方向B1およびB2に沿った平面からなる平面部32dとから構成されている。したがって、カム面32a上のローラ35の転動によって、カム部材32とローラ保持部材38との直動方向B1およびB2の相対位置関係が変化するとともに、傾動方向C1およびC2の方向の相対位置関係も変化し、カム面32aは弁ロッド6を保持部材41の支軸41aを中心に傾動させる。
【0043】ローラ35は、円柱体からなり、円柱面からなる転動面35aを備えている。このローラ35は、上記のカム部材32のカム面32aを転がり、かつ、ローラ保持部材38の保持面38aを摺動しながら回転し、また、大きな荷重が印加される。このため、ローラ35には、強度が比較的高く、耐磨耗性の高い金属材料を使用することが好ましい。なお、ローラ35の軸方向の両端部には、図示しないリング部材が嵌合固定されており、これらのリング部材がローラ保持部材38に係合することで、ローラ35はローラ保持部材38の保持面38aに対して軸方向の移動が規制されている。
【0044】図8は、ローラ保持部材38の構造を示す図であって、(a)は断面図であり、(b)は(a)に示すローラ保持部材38を矢印D1方向から見た上面図であり、(c)は(a)に示すローラ保持部材38を矢印D2方向から見た底面図である。
【0045】図8に示すように、ローラ保持部材38は、ローラ35の転動面35aを保持する保持面38aを備えており、ローラ35はこの保持面38aによってRの向きに回転自在に保持されている。また、ローラ保持部材38は、底面にはねじ穴38dが形成されており、このねじ穴38dにボルトを螺合することで、ローラ保持部材38は連結板30に固定される。ローラ保持部材38が連結板30に固定されていることにより、直動方向B1およびB2に直接駆動される。また、ローラ保持部材38の側面には、上記の潤滑剤保持部材101を固定するためのねじ穴38cが形成されている。
【0046】ローラ保持部材38の保持面38aは、図8(b)に示すように、ローラ35の回転方向Rに沿って形成された複数条の溝部38bを備える。この溝部38bは、潤滑剤保持部材101によって保持された潤滑剤Gを滞留させるためのものである。
【0047】図9は、潤滑剤保持部材101の構造を示す図であって、(a)は断面図であり、(b)は(a)に示す潤滑剤保持部材101を矢印D方向から見た底面図であり、(c)は(a)の円A内の拡大図である。図9において、潤滑剤保持部材101は断面が略L字状の部材からなる。この潤滑剤保持部材101は、L字状の部材の一辺に形成された貫通穴101dを通じてローラ保持部材38のねじ穴38cにボルトを螺合させることにより、ローラ保持部材38に固定される。また、潤滑剤保持部材101の、L字状部材の他辺の一面は、ローラ35の転動面35aの一部に対向する対向面101aとなっており、この対向面101aとローラ35の転動面35aとの間に形成される隙間に潤滑剤Gを保持する。
【0048】潤滑剤保持部材101の対向面101a先端部には、当該対向面101aから突出する突出部101cが形成されている。潤滑剤保持部材101の対向面101a先端部には、突出部101cに隣接してローラ35の転動面35aに対して窪んだ凹部101bが形成されている。潤滑剤保持部材101の突出部101cおよび凹部101bは、図9(b)から分かるように、ローラ35の転動面35aの母線に沿って伸びており、ローラ35の転動面35aの軸方向の略全域に対向している。潤滑剤保持部材101の突出部101cおよび凹部101bは、その凹凸によって潤滑剤Gを保持する潤滑剤保持領域を構成している。
【0049】図7に示すように、潤滑剤Gは、潤滑剤保持部材101の対向面101a、突出部101cおよび凹部101bとローラ35の転動面35aとの間に形成される隙間に保持される。すなわち、潤滑剤保持部材101の対向面101a先端部にローラ35の転動面35aに近接する突出部101cを設けることで、ローラ35が図7に示すR2の向きに回転したとき、対向面101aとローラ35の転動面35aとの間の隙間に保持された潤滑剤Gが大量にローラ35の転動面35aに付着して運ばれるのを防ぐ。潤滑剤保持部材101の対向面101aの突出部101cは、ローラ35の転動面35aに付着する潤滑剤Gの付着量を規制し、付着量が一定になるように機能している。
【0050】また、潤滑剤保持部材101の対向面101aに突出部101cおよび凹部101bを設けることで、対向面101aがフラットな場合と比べて、より多い量の潤滑剤Gが保持可能となっている。
【0051】潤滑剤Gは、たとえば、半固体状の潤滑剤からなる、たとえば、グリースを使用する。すなわち、潤滑剤Gに液体と固体の中間状態にあるものを使用することで、潤滑剤保持部材101の対向面101aとローラ35の転動面35aとの隙間に保持することが可能となる。
【0052】潤滑剤保持部材101は、たとえば、ジュラコン等の樹脂材料や金属材料から形成され、樹脂材料の場合には成形加工され、金属材料の場合には切削加工したものを用いる。
【0053】次に、上記構成のゲートバルブ1の動作について説明する。図1および図2に示したゲートバルブ1の状態は、開口部51を開いた状態であるが、この状態から、エアシリンダ60を駆動して、ローラ保持部材38を開口部51を閉じる直動方向B1に直動させる。
【0054】エアシリンダ60の駆動によって、弁体2は、図10および図11に示すように、直動方向B1に向かって開口部51を閉じる位置まで移動する。この状態では、弁体2は開口部51を密封していない。なお、図11は、図10のA−A線方向の断面図である。この弁体2の直動方向B1に向かう移動の際には、ローラ保持部材38はローラ35を介してカム部材32を押圧する。ローラ35は、図7に示したように、カム部材32のカム面32aの保持部32bに保持された状態である。また、ローラ保持部材38を高速で移動させたような場合であっても、上記コイルばね80の弾性力によって、ローラ35の保持状態は保たれ、解除されることはない。また、ローラ保持部材38からローラ35への推進力は、カム部材32の保持部32bに直接伝達されるため、弁ロッド6を高速に移動させることが可能である。
【0055】一方、密封解除用カム機構部70は、弁体2の直動方向B1に向かう移動の際には、図12に示すように、ガイド部材71に形成された2つの突出部72の平面部72bに挟まれた状態にある。このため、保持部材41の支持軸41aを中心とする傾動動作は規制され、弁ロッド6は直立した状態にある。
【0056】ローラ保持部材38が移動して、弁ロッド6が所定の位置に到達すると、保持部材41の支軸41aを支持している軸受部材43がストッパ部材12に当接し、保持部材41の直動方向B1への直動が規制される。すなわち、弁ロッド6の直動方向B1への直動が規制される。保持部材41の直動方向B1への直動が規制された状態でさらにエアシリンダ60からの直動力が供給されると、傾動用カム機構部31が動作して図13に示すように、弁ロッド6は弁体2が開口部51を密封する向きに向けて傾動する。
【0057】保持部材41の直動方向B1への直動が規制された状態でさらにエアシリンダ60によってローラ保持部材38が直動方向B1に押されると、図14に示すように、ローラ保持部材38の保持面38aに保持されたローラ35は、コイルバネ80の弾性力に抗してカム部材32の保持部32bから傾斜面部32cに向かって転がり始める。
【0058】ローラ35がカム部材32のカム面32aの保持部32bから傾斜面部32cに向かって転がり始めると、ローラ保持部材38の保持面38a上で図14に示すR1の向きに回転する。すなわち、ローラ35の転動面35aは、保持面38aに対して摺動する。
【0059】ローラ35が矢印R1の向きに回転すると、潤滑剤保持部101とローラ35の転動面35aとの間で保持された潤滑剤Gがローラ35の転動面35aに塗布される。ローラ35の転動面35aに塗布される潤滑剤Gの量は、潤滑剤保持部101の突出部101cの作用によって、略一定に制限される。
【0060】ローラ35の転動面35aに潤滑剤Gが付着すると、ローラ35の転動面35aとローラ保持部材38の保持面38aとの間は、潤滑される。
【0061】このとき、ローラ35の転動面35aに付着した潤滑剤Gは、ローラ35の転動面35aとローラ保持部材38の保持面38aとの間を潤滑するとともに、ローラ保持部材38の保持面38aに形成された溝部38bに次第に溜まり、この溝部38bに滞留する。このため、ローラ35の転動面35aとローラ保持部材38の保持面38aとの間には、常に、潤滑剤Gが供給される状態になる。
【0062】このように、ローラ35の転動面35aとローラ保持部材38の保持面38aとの間に安定的に潤滑剤Gが供給されることで、転動面35aと保持面38aとの間の滑り摩擦が軽減される。ローラ35の転動面35aは、カム部材32のカム面32aに強い力で押し付けられるため、この反力により、ローラ35の転動面35aはローラ保持部材38の保持面38aに強い力で押し付けられるが、転動面35aと保持面38aとの間に十分量でかつ安定した潤滑剤Gが常に供給されるため、滑り摩擦による転動面35aおよび保持面38aの摩耗や騒音、振動の発生が大幅に抑制される。
【0063】ローラ35がカム部材32の平面部32dまで転がると、図14に示すように、コイルばね80は、直動方向B1およびB2に関して圧縮され、かつ、弁ロッド6の傾動方向C1およびC2にも変形し、連結板30と保持部材41との間には、直動方向B1およびB2と傾動方向C1およびC2にコイルばね80の復元力が作用する。
【0064】ローラ35がローラ保持部材38のカム面32aを転がると、弁ロッド6が傾斜し、図13に示したように、弁体2に設けたOリング2aが開口部51の外周に押圧され、Oリング2aが押しつぶされる。このとき、エアシリンダ60によるローラ保持部材38に対する直動力は、カム部材32の傾斜面部32cのくさび効果によって増幅され、弁体2のOリング2aを押しつぶす力は当該直動力の、例えば10倍程度となる。これにより、弁体2がOリング2aを十分に押しつぶすことができ、開口部51の密封が良好に行われることになる。
【0065】一方、弁体2の傾動が行われると、密封解除用カム機構部70では、保持部材41の傾動に応じて、ガイド部材71の突出部72と、保持部材41の両側面の凹部41d内に設けられた支持部材78およびこの支持部材78に回転自在に支持されたローラ部材79との相対的な位置関係は、図15に示すように変化する。すなわち、図15に示すように、保持部材41の傾動およびガイド部材71のB1方向の直動によってローラ部材79は、ガイド部材71の一方の突出部72の平面部72bから離隔していき、弁体2(保持部材41)の傾動動作が完了した時に、ガイド部材71の一方の突出部72の傾斜面部72aに接近または接触した状態となる。
【0066】気密室50の開口部51を開く動作は、エアシリンダ60を上記とは逆向きに駆動する、すなわち、ピストンロッド61をエアシリンダ60ら伸ばすことによって行う。エアシリンダ60を弁体2が開口部51を開く向き、すなわち、B2の向きに駆動すると、図15において、連結板30がB2の向きに直動する。連結板30がB2の向きに直動すると、ガイド部材71の一方の突出部72のカム面72cにローラ部材79が接触する。これにより、ローラ部材79は、カム面72cの傾斜面部72a上を転がり、このローラ部材79は図15に示す矢印の向きに回転する。このローラ部材79のカム面72cの傾斜面部72a上の転動によって、弁体2(保持部材41)には、強制的に開口部51の弁体2による密封を解除する方向の力が作用する。また、同時に、コイルばね80の復元力も開口部51の弁体2による密封を解除する方向の力として作用する。
【0067】このため、たとえば、Oリング2aが熱等によって開口部51の周囲に固着した場合や、気密室50と大気との間に弁体2を開口部51側に押し付けるように作用する圧力差がある場合であっても、確実に弁体2の開口部51の密封を解除させることができる。
【0068】弁体2の開口部51の密封状態を強制的に解除すると、ローラ部材79は、図12に示した位置に移動する。この状態になると、ガイド部材71の2つの突出部72の当接面72dが保持部材41の凹部41dの下側面41eに当接する。続けてエアシリンダ60を開口部51を開く方向、すなわち、B2の向きに直動させると、保持部材41はガイド部材71の当接面72dによってB2の向きに引っ張られ、開口部51が開口する。
【0069】一方、傾動用カム機構部31では、上記の弁体2の開口部51の密封状態の強制的な解除によって、ローラ35はカム部材32の平面部32dに位置する状態から、コイルばね80の復元力によって、傾斜面部32cを転がって再度保持部32bに保持され、弁ロッド6は直立する。このときにも、ローラ35はローラ保持部材38の保持面38a上を上記のR1とは逆向きに回転し、ローラ35の転動面35aには潤滑剤Gが付着する。
【0070】以上のように、本実施形態に係るゲートバルブでは、弁ロッド6を傾動させる傾動用カム機構31にローラ35を使用し、ローラ35の転動面35aをローラ保持部材38の保持面38aで回転自在に保持し、カム部材32のカム面32aを転動させる構成としている。さらに、ローラ保持部材38の保持面38aを摺動するローラ35の転動面35aに対して、潤滑剤保持部材101によって潤滑剤Gを安定的、かつ、十分に供給できる構成としている。本実施形態のゲートバルブでは、上記構成としているため、傾動用カム機構31に、弁体2の開口部51の密封状態を強制的に解除させる機能を併せ持たせることは構造的な制限によって困難であり、このため、傾動用カム機構31とは独立に、密封解除用カム機構70を設け、弁体2の開口部51の密封状態を強制的に解除する構成としている。
【0071】また、本実施形態によれば、密封解除用カム機構部70のローラ部材79を回転自在に支持し、ガイド部材71に形成されたカム面72c上を転動させる構成としたため、ローラ部材79の摩擦による摩耗が低減され、また、弁体2の開口部51の密封解除動作時の振動や騒音の発生を低減できる。
【0072】また、本実施形態に係るゲートバルブによれば、気密室50と弁ロッド6との間を単にシールベローズ10によってシールするだけでなく、気密室50と弁ロッド6との間にダストシール部90を設け、気密室50側から発生するダストがシールベローズ10内に侵入するのを防止している。このため、シールベローズ10のダストの挟み込みによる破損、破壊を抑制でき、シールベローズ10の信頼性を高めることができる。
【0073】本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態では、カム部材32を弁ロッド6(保持部材41)に連結し、ローラ保持部材38を連結板30を介してエアシリンダ60により直接駆動する構成としたが、たとえば、ローラ保持部材38を弁ロッド6(保持部材41)に直接連結し、カム部材32をエアシリンダ60により直接駆動する構成とすることも可能である。さらに、上述した実施形態では、転動体としてローラ35の場合について説明したが、たとえば球体を用いることも可能である。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、ゲートバルブのカム機構を、構造を簡素化、小型化、低コスト化でき、動きをスムーズで高速にすることができ、静粛性に富み、信頼性の高いものとすることができる。また、本発明によれば、弁体による気密室の開口部の密封を確実に解除することができる。




 

 


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