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発明の名称 パッキン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−295928(P2001−295928A)
公開日 平成13年10月26日(2001.10.26)
出願番号 特願2000−114627(P2000−114627)
出願日 平成12年4月17日(2000.4.17)
代理人 【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
【テーマコード(参考)】
3J006
3J040
【Fターム(参考)】
3J006 AB02 CA01 
3J040 AA01 AA13 BA01 EA02 EA16 FA05 HA15
発明者 山口 正
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 内周側の取付部材と外周側の相手部材との間であって軸方向一方から正圧または負圧が作用する箇所に装着されるパッキン(1)であって、前記取付部材の外周に嵌着されるゴム状弾性材製の環状の基部(2)と、前記基部(2)の外周側に一体成形されるとともに前記相手部材に密接するリップ部(3)とを有し、前記リップ部(3)は、その基端部(3a)から先端部(3b)へかけて前記圧力側から反圧力側へ徐々に傾斜するように形成され、前記相手部材に密接する前記リップ部(3)の先端部(3b)に、前記圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に拡大するテーパー面(4)が設けられていることを特徴とするパッキン。
【請求項2】 内周側の取付部材と外周側の相手部材との間であって軸方向一方から正圧または負圧が作用する箇所に装着されるパッキン(21)であって、前記取付部材の外周に嵌着されるゴム状弾性材製の環状の基部(22)と、前記基部(22)の外周側に一体成形されるとともに前記相手部材に密接するリップ部(23)と、前記基部(22)の反圧力側に一体成形されるとともに前記リップ部(23)の根元部(23a)よりも反圧力側に突出する環状の突起部(27)とを有し、前記基部(22)および突起部(27)の内周面に、前記圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に縮小するテーパー面(29)が設けられ、前記リップ部(23)は、その基端部(23a)から先端部(23b)へかけて前記圧力側から反圧力側へ徐々に傾斜するように形成され、前記相手部材に密接する前記リップ部(23)の先端部(23b)に、軸方向にストレートな円筒面(24)が設けられていることを特徴とするパッキン。
【請求項3】 内周側の取付部材と外周側の相手部材との間であって軸方向一方から正圧または負圧が作用する箇所に装着されるパッキン(21)であって、前記取付部材の外周に嵌着されるゴム状弾性材製の環状の基部(22)と、前記基部(22)の外周側に一体成形されるとともに前記相手部材に密接するリップ部(23)と、前記基部(22)の反圧力側に一体成形されるとともに前記リップ部(23)の根元部(23a)よりも反圧力側に突出する環状の反圧力側突起部(27)と、前記基部(22)の圧力側に一体成形されるとともに前記リップ部(23)の根元部(23a)よりも圧力側に突出する環状の圧力側突起部(28)とを有し、前記基部(22)、反圧力側突起部(27)および圧力側突起部(28)の内周面に、前記圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に縮小するテーパー面(29)が設けられ、前記リップ部(23)は、その基端部(23a)から先端部(23b)へかけて前記圧力側から反圧力側へ徐々に傾斜するように形成され、前記相手部材に密接する前記リップ部(23)の先端部(23b)に、軸方向にストレートな円筒面(24)が設けられていることを特徴とするパッキン。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密封装置の一種であるパッキンに係り、特に、装着状態にある当該パッキンに対してその軸方向一方から正圧が作用する場合でも負圧が作用する場合でも確実にシール作用をなすことが可能なリップパッキンに関するものである。本発明のパッキンは樹脂製のハウジングのシールとして用いられ、例えばインジェクタ等に使用される。
【0002】
【従来の技術】例えば軸とこの軸を挿通する軸孔を備えたハウジングとの間であってかつハウジングの寸法精度のバラツキが大きな箇所に装着されるシールとして一般にリップパッキンが使用されており、この種の用途に使用されるリップパッキンは上記寸法精度のバラツキに対する追随性を向上させるために、リップ部が変形し易い形状(追随し易い形状および寸法)に形成されている。したがって、そのカバーのためセルフシール機能によりバックアップがなされるよう、リップ部にシール方向性が設定されている。
【0003】しかしながら、近年、使用環境もさまざまになり、耐圧方向が正圧および負圧の両方となる場合があり、更にハウジングの軽量化(樹脂化)によりハウジングの寸法精度もますます低下している。
【0004】このように軸方向の一方から正圧および負圧の両方が作用する環境にはリップパッキンではなくスクイーズパッキンを使用するのが一般的であるが、スクイーズパッキンによると、ハウジングの寸法精度のバラツキに対する追随性を向上させるために、その装着時におけるつぶし率(巾心(基準寸法)でのつぶし率、最大つぶし率)を大きく設定する必要があり、このようにつぶし率を大きく設定すると、挿入荷重の増大により装着性が低下したり、過圧縮によりパッキンが破損したりする等の不都合が発生することがある。
【0005】一方、リップパッキンにおいては、その挿入荷重はスクイーズパッキンに比べて小さいものの、上記したようにシールに方向性が設定されるために、正圧および負圧両方向からのシールをなすことができない。
【0006】しかしながら、上記したように装着性の問題等からスクイーズパッキンでは対応することができないために、どうしてもスクイーズタイプではなくリップタイプのパッキンにおいて、正圧および負圧両方向からの加圧に対してシール可能な形状ないし構造を検討する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑みて、装着状態にあるパッキンの軸方向一方から正圧が作用する場合でも負圧が作用するでも確実にシール作用をなすことが可能なリップパッキンを提供することを目的とする。また、従来のリップパッキンよりも正圧および負圧に対する耐圧性を有し、ハウジングの寸法精度のバラツキに追随することができ、シール性を向上させることが可能なリップパッキンを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるパッキンは、内周側の取付部材と外周側の相手部材との間であって軸方向一方から正圧または負圧が作用する箇所に装着されるパッキンであって、前記取付部材の外周に嵌着されるゴム状弾性材製の環状の基部と、前記基部の外周側に一体成形されるとともに前記相手部材に密接するリップ部とを有し、前記リップ部は、その基端部から先端部へかけて前記圧力側から反圧力側へ徐々に傾斜するように形成され、前記相手部材に密接する前記リップ部の先端部に、前記圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に拡大するテーパー面が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の請求項2によるパッキンは、内周側の取付部材と外周側の相手部材との間であって軸方向一方から正圧または負圧が作用する箇所に装着されるパッキンであって、前記取付部材の外周に嵌着されるゴム状弾性材製の環状の基部と、前記基部の外周側に一体成形されるとともに前記相手部材に密接するリップ部と、前記基部の反圧力側に一体成形されるとともに前記リップ部の根元部よりも反圧力側に突出する環状の突起部とを有し、前記基部および突起部の内周面に、前記圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に縮小するテーパー面が設けられ、前記リップ部は、その基端部から先端部へかけて前記圧力側から反圧力側へ徐々に傾斜するように形成され、前記相手部材に密接する前記リップ部の先端部に、軸方向にストレートな円筒面が設けられていることを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の請求項3によるパッキンは、内周側の取付部材と外周側の相手部材との間であって軸方向一方から正圧または負圧が作用する箇所に装着されるパッキンであって、前記取付部材の外周に嵌着されるゴム状弾性材製の環状の基部と、前記基部の外周側に一体成形されるとともに前記相手部材に密接するリップ部と、前記基部の反圧力側に一体成形されるとともに前記リップ部の根元部よりも反圧力側に突出する環状の反圧力側突起部と、前記基部の圧力側に一体成形されるとともに前記リップ部の根元部よりも圧力側に突出する環状の圧力側突起部とを有し、前記基部、反圧力側突起部および圧力側突起部の内周面に、前記圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に縮小するテーパー面が設けられ、前記リップ部は、その基端部から先端部へかけて前記圧力側から反圧力側へ徐々に傾斜するように形成され、前記相手部材に密接する前記リップ部の先端部に、軸方向にストレートな円筒面が設けられていることを特徴とするものである。
【0011】上記構成を備えた本発明の請求項1によるパッキンにおいては、リップ部がその基端部から先端部へかけて圧力側から反圧力側へ徐々に傾斜するように形成されるとともに、このリップ部の先端部に圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に拡大するテーパー面が設けられているために、当該パッキンに対して圧力側から正圧が作用すると、この正圧によりリップ部が押圧されて、テーパー面を備えたリップ部の先端部が相手部材の内周面に突き刺さるような角度で進入する。したがって、リップ部の相手部材に対する密接力が増大して摺動抵抗が増大するために、リップ部が変形しにくい状態が実現され、これにより必要なシール性を確保することが可能となる。リップ部の相手部材に対する密接力および摺動抵抗は、ある程度までの圧力の範囲では、当該パッキンに作用する正圧の大きさに応じて大きくなる。
【0012】また、当該パッキンに対して同じ圧力側から負圧が作用したときには、この負圧によりリップ部が吸引されて、リップ部の先端部が相手部材の内周面に強く押し付けられるために、やはり必要なシール性を確保することが可能となる。
【0013】上記したようにハウジング等の相手部材の寸法精度が低い場合にシール性を確保すべくリップ部の剛性を低くすると、このリップ部に作用する圧力によってリップ部が変形し、本来のシール性が低下する虞がある。そこで、本発明は上記構成によりリップ部の摺動抵抗を増大させてリップ先端位置の変化を少なくし、これにより必要なシール性を確保する。
【0014】また、上記構成を備えた本発明の請求項2によるパッキンにおいては、基部の反圧力側に突起部が設けられ、基部および突起部の内周面に圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に縮小するテーパー面が設けられ、リップがその基端部から先端部へかけて圧力側から反圧力側へ徐々に傾斜するように形成されるとともに、このリップ部の先端部に軸方向にストレートな円筒面が設けられているために、当該パッキンを取付部材の外周に嵌着すると、基部および突起部の内周面に設けられたテーパー部が取付部材の外周面に沿って円筒面状に変形するように基部および突起部が変形し、これに応じてリップ部の傾斜角度が変化し、リップ部の先端部に設けられた軸方向にストレートな円筒面が圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に拡大するテーパー面状に変形し、このように変形した姿勢でリップ部が相手部材に密接する。したがって、このように変形した姿勢のパッキンに対して圧力側から正圧が作用すると、この正圧によりリップ部が押圧されて、テーパー面状に変形したリップ部の先端部が相手部材の内周面に突き刺さるような角度で進入する。したがって、リップ部の相手部材に対する密接力が増大して摺動抵抗が増大するために、リップ部が変形しにくい状態が実現され、これにより必要なシール性を確保することが可能となる。リップ部の相手部材に対する密接力および摺動抵抗は、ある程度までの圧力の範囲では、当該パッキンに作用する正圧の大きさに応じて大きくなる。
【0015】また、当該パッキンに対して同じ圧力側から負圧が作用すると、この負圧によりリップ部が吸引されて、リップ部の先端部が相手部材の内周面に強く押し付けられるために、やはり必要なシール性を確保することが可能となる。
【0016】また、基部および突起部の内周面にテーパー面が設けられているために、当該パッキンは取付部材に対する面圧を増大させることが可能となり、また、突起部がリップ部の根元部よりも反圧力側に突出するように形成されているために、当該パッキンに正圧が作用したときに、この突起部が支えとなって、リップ部の回転を抑え、リップ部の相手部材に対する面圧を増大させることが可能となる。
【0017】また、上記構成を備えた本発明の請求項3によるパッキンにおいては、基部の反圧力側に反圧力側突起部が設けられ、基部の圧力側に圧力側突起部が設けられ、基部、反圧力側突起部および圧力側突起部の内周面に圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に縮小するテーパー面が設けられ、リップがその基端部から先端部へかけて圧力側から反圧力側へ徐々に傾斜するように形成されるとともに、このリップ部の先端部に軸方向にストレートな円筒面が設けられているために、当該パッキンを取付部材の外周に嵌着すると、基部、反圧力側突起部および圧力側突起部の内周面に設けられたテーパー部が取付部材の外周面に沿って円筒面状に変形するように基部、反圧力側突起部および圧力側突起部が変形し、これに応じてリップ部の傾斜角度が変化し、リップ部の先端部に設けられた軸方向にストレートな円筒面が圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に拡大するテーパー面状に変形し、このように変形した姿勢でリップ部が相手部材に密接する。したがって、このように変形した姿勢のパッキンに対して圧力側から正圧が作用すると、この正圧によりリップ部が押圧されて、テーパー面状に変形したリップ部の先端部が相手部材の内周面に突き刺さるような角度で進入する。したがって、リップ部の相手部材に対する密接力が増大して摺動抵抗が増大するために、リップ部が変形しにくい状態が実現され、これにより必要なシール性を確保することが可能となる。リップ部の相手部材に対する密接力および摺動抵抗は、当該パッキンに作用する正圧の大きさに応じて大きくなる。
【0018】また、当該パッキンに対して同じ圧力側から負圧が作用すると、この負圧によりリップ部が吸引されて、リップ部の先端部が相手部材の内周面に強く押し付けられるために、やはり必要なシール性を確保することが可能となる。
【0019】また、基部、反圧力側突起部および圧力側突起部の内周面にテーパー面が設けられているために、当該パッキンの取付部材に対する面圧を増大させることが可能となり、また、反圧力側突起部がリップ部の根元部よりも反圧力側に突出するように形成されているために、当該パッキンに正圧が作用したときに、この突起部が支えとなって、リップ部の回転を抑え、リップ部の相手部材に対する面圧を増大させることが可能となる。また、圧力側突起部がリップ部の根元部よりも圧力側に突出するように形成されているために、当該パッキンに負圧が作用したときも、この突起部が支えとなって、リップ部の回転を抑えることが可能となる。
【0020】また併せて、本発明は以下の内容を有している。
【0021】すなわち、リップタイプのシールを基本形状として、【0022】■ 内径側の端部に突起部(凸部とも称する)を設け、内径面をテーパ付きとする。この突起部で内径部の面圧を増大させ、端部に突起部を配置することにより正圧時にリップ部の回転を抑え、リップ部の面圧を増大させる。
【0023】■ リップ先端に円筒面(ストレート部とも称する)を設け、リップ先端部の移動抵抗をつけ、リップ部を更に動きづらくする。ストレート部は内径テーパと平行ではなく、内径面が軸に抱き付いたときに、外側ハウジング面に鋭角になるように設定し、正圧がかかってリップ先端ストレート部が圧力方向へ移動するときに、ハウジング内径面に突き刺さるような角度で進入して、より抵抗をつける。
【0024】■ ハウジングの寸法のバラツキが大きいために、最小つぶし時と最大つぶし時とで圧縮率幅が大きく、リップ部もこのバラツキに追随させる必要がある。本来リップ部は圧力を受けても変形しづらい形状が良いことが多いが、その一方で最大つぶし時に変形し易い形状でなくてはならない。リップ部の剛性を上げるためにリップ部の厚みを徐々に厚くしてゆく構造では根元部が太くなり過ぎ、最大圧縮時にリップ部が変形できずに極端な応力がかかる。変形追随性を優先して耐圧性を向上させるために、正圧時は上記■および■項の内容で対応可能であるが、負圧時の耐圧性向上が必要であるために、リップ部より負圧方向側に変形受け止めの部分を設け、リップと滑らかなアールで徐々に肉盛りを施す。
【0025】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0026】第一実施例・・・図1は、本発明の第一実施例に係るパッキン1の半裁断面を示しており、当該パッキン1は以下のように構成されている。尚、当該パッキン1は内周側の取付部材である軸(図示せず、図2参照)と外周側の相手部材であるハウジング(図示せず)との間であって軸方向一方(図上下方)から正圧または負圧が作用する箇所に装着されるゴム状弾性材製のリップタイプパッキンである。軸の外周面およびハウジングの内周面はそれぞれ、軸方向にストレートな円筒面状に形成されている。
【0027】当該パッキン1は先ず、軸の外周に嵌着される環状の基部2を有しており、この基部2の外周側に、ハウジングの軸孔内周面に密接するリップ部3が一体成形されており、このリップ部3がその基端部3aから先端部3bへかけて圧力側(図上下側)Aから反圧力側(図上上側)Bへ徐々に傾斜するように形成されている。
【0028】ハウジングの内周面に密接するリップ部3の先端部3bに、圧力側Aから反圧力側Bへかけて径寸法が徐々に拡大するテーパー面4が設けられている。このテーパー面4は、圧力側Aから反圧力側Bへかけてその径寸法が徐々に拡大するように形成された結果、当該パッキン1の中心軸線0に対して所定角度θ傾斜しており、また所定の幅wを備えている。このテーパー面4の圧力側Aおよび反圧力側Bにはそれぞれ円弧状面5,6が設けられている。
【0029】また、基部2の反圧力側Bに、リップ部3の根元部3aよりも反圧力側Bに突出する環状の反圧力側突起部7が一体成形されており、基部2の圧力側Aには、リップ部3の根元部3aよりも圧力側Aに突出する環状の圧力側突起部8が一体成形されている。この基部2、反圧力側突起部7および圧力側突起部8の内周面は軸方向にストレートな円筒面9とされており、この円筒面9の圧力側Aおよび反圧力側Bにはそれぞれ円弧状面10,11が設けられている。
【0030】上記構成のパッキン1を軸12の外周に嵌着すると図2に示すようになり、当該パッキン1によれば、以下の作用効果が奏される。
【0031】すなわち、当該パッキン1が軸12とハウジング(図示せず)との間であって圧力側Aから正圧と負圧とが交互にまたはランダムに作用する箇所に装着された場合、先ず、当該パッキン1に対して圧力側Aから正圧が作用すると、この正圧によりリップ部3が押圧され、テーパー面4を備えたリップ部3の先端部3bがハウジングの内周面に突き刺さるような角度で進入する。したがって、リップ部3のハウジング内周面に対する密接力が増大し、摺動抵抗が増大するために、リップ部3が変形しにくい状態が実現され、これにより必要なシール性を確保することができる。また、当該パッキン1に対して同じく圧力側Aから正圧に代わって負圧が作用すると、この負圧によりリップ部3が吸引され、リップ部3の先端部3bがハウジングの内周面に強く押し付けられ、これによりやはり必要なシール性を確保することができる。したがって、ハウジングの寸法精度のバラツキを吸収すべくリップ部3の剛性を低く設定しても、リップ部3が変形しにくく、優れたシール性を発揮することができる。
【0032】また、反圧力側突起部7がリップ部3の根元部3aより反圧力側Bに突出するように形成されているために、当該パッキン1に正圧が作用したときに、この突起部7が支えとなって、リップ部3の回転を抑え、リップ部3のハウジング内周面に対する面圧を増大させることができる。また、圧力側突起部8がリップ部3の根元部3aより圧力側Aに突出するように形成されているために、当該パッキン1に負圧が作用したときも、この突起部8が支えとなって、リップ部3の回転を抑えることができる。したがって、当該パッキン1の安定した姿勢が維持されてリップ部3の変形が抑えられるために、これによっても優れたシール性を発揮することができる。
【0033】第二実施例・・・図3は、本発明の第二実施例に係るパッキン21の半裁断面を示しており、当該パッキン21は以下のように構成されている。尚、当該パッキン21は内周側の取付部材である軸(図示せず、図4参照)と外周側の相手部材であるハウジング(図示せず)との間であって軸方向一方(図上下方)から正圧または負圧が作用する箇所に装着されるゴム状弾性材製のリップタイプパッキンである。軸の外周面およびハウジングの内周面はそれぞれ、軸方向にストレートな円筒面状に形成されている。
【0034】当該パッキン1は先ず、軸の外周に嵌着される環状の基部22を有しており、この基部22の外周側に、ハウジングの軸孔内周面に密接するリップ部23が一体成形されており、このリップ部23がその基端部23aから先端部23bへかけて圧力側(図上下側)Aから反圧力側(図上上側)Bへ徐々に傾斜するように形成されている。
【0035】ハウジングの内周面に密接するリップ部23の先端部23bに、軸方向にストレートな円筒面24が設けられており、この円筒面24は所定の幅wを備えている。この円筒面24の圧力側Aおよび反圧力側Bにはそれぞれ円弧状面25,26が設けられている。
【0036】基部22の反圧力側Bに、リップ部23の根元部23aよりも反圧力側Bに突出する環状の反圧力側突起部27が一体成形されており、基部22の圧力側Aには、リップ部23の根元部23aよりも圧力側Aに突出する環状の圧力側突起部28が一体成形されている。また、この基部22、反圧力側突起部27および圧力側突起部28の内周面には、圧力側Aから反圧力側Bへかけて径寸法が徐々に縮小するテーパー面29が設けられており、このテーパー面29は、圧力側Aから反圧力側Bへかけてその径寸法が徐々に縮小するように形成された結果、当該パッキン21の中心軸線0に対して所定角度θ傾斜している。このテーパー面29の圧力側Aおよび反圧力側Bにはそれぞれ円弧状面30,31が設けられている。
【0037】上記構成のパッキン21を軸32の外周に嵌着すると図4に示すようになり、当該パッキン21によれば、以下の作用効果が奏される。
【0038】すなわち、当該パッキン21が軸32とハウジング(図示せず)との間であって圧力側Aから正圧と負圧とが交互にまたはランダムに作用する箇所に装着されると、基部22、反圧力側突起部27および圧力側突起部28の内周面に設けられたテーパー部29が軸32の外周面に倣って円筒面状に変形するように基部22、反圧力側突起部27および圧力側突起部28が変形し、これに応じてリップ部23の傾斜角度が変化し、リップ部23の先端部23bに設けられた軸方向にストレートな円筒面24が圧力側Aから反圧力側Bへかけて径寸法が徐々に拡大するテーパー面状に変形し、このように変形した姿勢でリップ部23が軸32に密接する。
【0039】そして、このように変形した姿勢の当該パッキン21に対して圧力側Aから正圧が作用すると、この正圧によりリップ部23が押圧され、円筒面24がテーパー面状に変形したリップ部23の先端部23bがハウジングの内周面に突き刺さるような角度で進入する。したがって、リップ部23のハウジング内周面に対する密接力が増大し、摺動抵抗が増大するために、リップ部23が変形しにくい状態が実現され、これにより必要なシール性を確保することができる。また、当該パッキン21に対して同じく圧力側Aから正圧に代わって負圧が作用すると、この負圧によりリップ部23が吸引され、リップ部23の先端部23bがハウジングの内周面に強く押し付けられ、これによりやはり必要なシール性を確保することできる。したがって、ハウジングの寸法精度のバラツキを吸収すべくリップ部23の剛性を低く設定しても、リップ部23が変形しにくく、優れたシール性を発揮することができる。
【0040】また、基部22、反圧力側突起部27および圧力側突起部28の内周面にテーパー面29が設けられているために、当該パッキン21の軸32に対する面圧を増大させることができる。また、反圧力側突起部27がリップ部23の根元部23aより反圧力側Bに突出するように形成されているために、当該パッキン21に正圧が作用したときに、この突起部27が支えとなって、リップ部23の回転を抑え、リップ部23のハウジング内周面に対する面圧を増大させることができる。また、圧力側突起部28がリップ部23の根元部23aより圧力側Aに突出するように形成されているために、当該パッキン21に負圧が作用したときも、この突起部28が支えとなって、リップ部23の回転を抑えることができる。したがって、当該パッキン21の安定した姿勢が維持されてリップ部23の変形が抑えられるために、これによっても優れたシール性を発揮することができる。
【0041】第三実施例・・・尚、上記第二実施例では、圧力側突起部28のボリュームを大きく設定するためにこの突起部28の外周部に比較的大きな肉盛り部28aを形成しているが、第三実施例として図5に示すパッキン21のように、この肉盛り部28aは比較的小さなものであっても良く、何れにしてもこの突起部28とリップ部23とは滑らかな曲線をもって連結されている。図5のパッキン21のその他の構成および作用効果は当該第二実施例と同じであるため、その説明を省略する。
【0042】また、本願発明者らは、本発明に係るパッキンについて、以下のような考察を行なっている。
【0043】■パッキン21内周のテーパー面29の有無とリップ部23の面圧との関係上記第二および第三実施例に係るパッキン21と、図6に示す第一比較例に係るパッキン21との正圧作用時におけるリップ部23の面圧分布を算出したところ、第二実施例に係るパッキン21は図7、第三実施例に係るパッキン21は図8、第一比較例に係るパッキン21は図9の各グラフに示す結果を得た。図6の第一比較例に係るパッキン21は、その内周面を軸方向にストレートな円筒面とした点で第二および第三実施例に係るパッキン21と相違している。この測定結果から分かるように、パッキン21の内周面に上記構成のテーパー面29を設けた方(第二および第三実施例)が、テーパー面を設けない場合(第一比較例)よりもリップ部23の面圧が高くなることが判明した。
【0044】■圧力側突起部28の大小と負圧作用時の変形状態との関係上記第二実施例に係るパッキン21と、図10に示す第二比較例に係るパッキン21の負圧作用時における変形状態を見たところ、第二実施例に係るパッキン21は図11、第二比較例に係るパッキン21は図12の各図に示す姿勢となった。図10の第二比較例に係るパッキン21は、その圧力側突起部28のボリューム(軸方向長さ)を第二実施例に係るパッキン21よりも一回り小さくしたものである。この結果から分かるように、圧力側突起部28のボリュームの大きい方(第二実施例)が、ボリュームの小さい方(第二比較例)よりも変形しづらいことが判明した。
【0045】■リップ根元部28aの大小と最大圧縮時の変形状態との関係上記第二実施例に係るパッキン21と、図13に示す第三比較例に係るパッキン21の最大圧縮時における変形状態を見たところ、第二実施例に係るパッキン21は図14、第三比較例に係るパッキン21は図15の各図に示す姿勢となった。図13の第三比較例に係るパッキン21は、そのリップ部23の根元部23aの厚さを第二実施例に係るパッキン21よりも大きくしたものである。この結果から分かるように、リップ部23の根元部23aの厚さが大きいとリップ部23が反圧力側突起部27に接触し、折れ曲がり部32に局部的に大きな応力が発生し、パッキン21が破損し易いことが判明した。
【0046】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。
【0047】すなわち先ず、上記構成を備えた本発明の請求項1によるパッキンにおいては、リップ部がその基端部から先端部へかけて圧力側から反圧力側へ徐々に傾斜するように形成されるとともに、このリップ部の先端部に圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に拡大するテーパー面が設けられているために、当該パッキンに対して圧力側から正圧が作用すると、この正圧によりリップ部が押圧され、テーパー面を備えたリップ部の先端部が相手部材の内周面に突き刺さるような角度で進入する。したがって、リップ部の相手部材に対する密接力が増大し、摺動抵抗が増大するために、リップ部が変形しにくい状態が実現され、これにより必要なシール性を確保することができる。また、当該パッキンに対して同じ圧力側から負圧が作用すると、この負圧によりリップ部が吸引され、リップ部の先端部がハウジングの内周面に強く押し付けられ、これにより必要なシール性を確保することができる。したがって、ハウジングの寸法精度のバラツキを吸収すべくリップ部の剛性を低く設定しても、リップ部が変形しにくく、優れたシール性を発揮することができる。
【0048】また、上記構成を備えた本発明の請求項2によるパッキンにおいては、基部の反圧力側に突起部が設けられ、基部および突起部の内周面に圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に縮小するテーパー面が設けられ、リップがその基端部から先端部へかけて圧力側から反圧力側へ徐々に傾斜するように形成されるとともに、このリップ部の先端部に軸方向にストレートな円筒面が設けられているために、当該パッキンを取付部材の外周に嵌着すると、基部および突起部の内周面に設けられたテーパー部が取付部材の外周面に沿って円筒面状に変形するように基部および突起部が変形し、これに応じてリップ部の傾斜角度が変化し、リップ部の先端部に設けられた軸方向にストレートな円筒面が圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に拡大するテーパー面状に変形し、このように変形した姿勢でリップ部が相手部材に密接する。したがって、このように変形した姿勢のパッキンに対して圧力側から正圧が作用すると、この正圧によりリップ部が押圧され、テーパー面状に変形したリップ部の先端部が相手部材の内周面に突き刺さるような角度で進入する。したがって、リップ部の相手部材に対する密接力が増大し、摺動抵抗が増大するために、リップ部が変形しにくい状態が実現され、これにより必要なシール性を確保することができる。また、当該パッキンに対して同じ圧力側から負圧が作用すると、この負圧によりリップ部が吸引され、リップ部の先端部が相手部材の内周面に強く押し付けられ、これにより必要なシール性を確保することができる。したがって、ハウジングの寸法精度のバラツキを吸収すべくリップ部の剛性を低く設定しても、リップ部が変形しにくく、優れたシール性を発揮することができる。
【0049】また、基部および突起部の内周面にテーパー面が設けられているために、当該パッキンの取付部材に対する面圧を増大させることができる。また、突起部がリップ部の根元部より反圧力側に突出するように形成されているために、当該パッキンに正圧が作用したときに、この突起部が支えとなって、リップ部の回転を抑え、リップ部のハウジング内周面に対する面圧を増大させることができる。したがって、これらのことからも優れたシール性を発揮することができる。
【0050】また、上記構成を備えた本発明の請求項3によるパッキンにおいては、基部の反圧力側に反圧力側突起部が設けられ、基部の圧力側に圧力側突起部が設けられ、基部、反圧力側突起部および圧力側突起部の内周面に圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に縮小するテーパー面が設けられ、リップがその基端部から先端部へかけて圧力側から反圧力側へ徐々に傾斜するように形成されるとともに、このリップ部の先端部に軸方向にストレートな円筒面が設けられているために、当該パッキンを取付部材の外周に嵌着すると、基部、反圧力側突起部および圧力側突起部の内周面に設けられたテーパー部が取付部材の外周面に沿って円筒面状に変形するように基部、反圧力側突起部および圧力側突起部が変形し、これに応じてリップ部の傾斜角度が変化し、リップ部の先端部に設けられた軸方向にストレートな円筒面が圧力側から反圧力側へかけて径寸法が徐々に拡大するテーパー面状に変形し、このように変形した姿勢でリップ部が相手部材に密接する。したがって、このように変形した姿勢のパッキンに対して圧力側から正圧が作用すると、この正圧によりリップ部が押圧され、テーパー面状に変形したリップ部の先端部が相手部材の内周面に突き刺さるような角度で進入する。したがって、リップ部の相手部材に対する密接力が増大して摺動抵抗が増大するために、リップ部が変形しにくい状態が実現され、これにより必要なシール性を確保することができる。また、当該パッキンに対して同じ圧力側から負圧が作用すると、この負圧によりリップ部が吸引され、リップ部の先端部が相手部材の内周面に強く押し付けられ、これにより必要なシール性を確保することができる。したがって、ハウジングの寸法精度のバラツキを吸収すべくリップ部の剛性を低く設定しても、リップ部が変形しにくく、優れたシール性を発揮することができる。
【0051】また、基部、反圧力側突起部および圧力側突起部の内周面にテーパー面が設けられているために、当該パッキンの取付部材に対する面圧を増大させることができ、また、反圧力側突起部がリップ部の根元部よりも反圧力側に突出するように形成されているために、当該パッキンに正圧が作用したときに、この突起部が支えとなって、リップ部の回転を抑え、リップ部の相手部材に対する面圧を増大させることができる。また、圧力側突起部がリップ部の根元部よりも圧力側に突出するように形成されているために、当該パッキンに負圧が作用したときも、この突起部が支えとなって、リップ部の回転を抑えることができる。したがって、当該パッキンの安定した姿勢が維持されてリップ部の変形が抑えられるために、これによっても優れたシール性を発揮することができる。




 

 


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