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発明の名称 流体圧アクチュエータ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−241405(P2001−241405A)
公開日 平成13年9月7日(2001.9.7)
出願番号 特願2000−389919(P2000−389919)
出願日 平成12年12月22日(2000.12.22)
代理人 【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
【テーマコード(参考)】
3H081
【Fターム(参考)】
3H081 AA05 BB01 BB03 CC25 CC26 DD02 DD22 EE29 
発明者 山本 太
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 軸方向に延びる貫通孔(1a)及びこの貫通孔(1a)の軸方向中間部に連通する開口部(1b)が開設されたシリンダ本体(1)と、前記貫通孔(1a)の内周に配置され前記開口部(1b)の両側で軸方向移動される一対のピストン(2L,2R)と、前記貫通孔(1a)の内周に前記一対のピストン(2L,2R)間に位置して軸方向移動自在に配置されたピストンロッド(3)と、このピストンロッド(3)に設けられ前記開口部(1b)を軸方向移動自在に貫通して外部へ突出された係合部材(8)と、前記貫通孔(1a)の内周面と前記ピストンロッド(3)の外周面との間に介装された複数の転動体(41)と、を備えることを特徴とする流体圧アクチュエータ。
【請求項2】 一対のピストン(2L,2R)の内部にそれぞれ配置されたマグネット(22)と、前記各ピストン(2L,2R)の外周面に設けられた複数の環状突起(25)と、シリンダ本体(1)の貫通孔(1a)の内周面と前記各環状突起(25)の外周端部との間に磁力により保持される磁性流体(7)とを備え、前記一対のピストン(2L,2R)がピストンロッド(3)の軸方向両側に係着されたことを特徴とする請求項1に記載の流体圧アクチュエータ。
【請求項3】 シリンダ本体(1)における貫通孔(1a)が、軸方向中間に位置する第一の円筒部材(11)と、その軸方向両側に接合されピストン(2L,2R)の移動領域にそれぞれ位置する一対の第二の円筒部材(12L,12R)によって形成され、前記ピストン(2L,2R)がそれぞれ非磁性体の軸部材(31)によって所要の距離をおいてピストンロッド(3)の軸方向両側に係着され、前記第一の円筒部材(11)が前記第二の円筒部材(12L,12R)より硬質の材料からなり、前記第二の円筒部材(12L,12R)が前記第一の円筒部材(11)より残留磁化の小さい材料からなり、前記ピストンロッド(3)が前記軸部材(31)より硬質の材料からなることを特徴とする請求項2に記載の流体圧アクチュエータ。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機器の駆動や物体の搬送、押圧コントロール、あるいはテンションコントロール等の手段として利用される流体圧アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】ワーク等の搬送手段として用いられている流体圧アクチュエータは、圧力流体の作用下にテーブル部材を直線的に往復運動させることにより、前記テーブル部材に載置されたワークを搬送するもので、その典型的な従来技術が、例えば特開平8−100807号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来技術による流体圧アクチュエータにおいては、ピストンと、シリンダ本体の貫通孔が面で接触しているので、流体圧の導入によってピストンが移動する際に、ピストンロッド等の自重や、シリンダ推力によるモーメントによって、ピストンの外周面が前記貫通孔の内周面に押し付けられ、大きな摩擦抵抗を発生する。また、ピストンの外周部に装着され前記貫通孔の内周面との間で適当な締め代をもって介在するシール部材は、ピストンが移動する際に、前記締め代によって大きな摩擦抵抗を発生する。通常、前記シール部材はゴム状弾性材料からなるものであるため摩擦抵抗が大きく、この摩擦抵抗は時間と共に増加することが知られている。
【0004】また、移動テーブルとレール部材は、ボールベアリングを介してレール部材の長手方向相対変位自在に連結されており、ボールベアリングは摩擦抵抗が極めて小さいものである。しかし、それにも拘らず、上述した摩擦抵抗によって、流体圧アクチュエータとしての軽快な動作が損なわれている。したがって、通常のワークの搬送や、クランプ等の用途には何ら問題なく使用可能であるが、テンションコントロールあるいは押圧力コントロール等における高精度な力の制御や低速動作を要求されるような用途では、使用することができないといった問題が指摘される。
【0005】本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたもので、その主な技術的課題とするところは、ピストンがシリンダ本体の貫通孔内を移動する際の摩擦抵抗を小さくし、高精度での力制御や、低速動作が可能な流体圧アクチュエータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した技術的課題は、本発明によって有効に解決することができる。すなわち請求項1の発明に係る流体圧アクチュエータは、軸方向に延びる貫通孔及びこの貫通孔の軸方向中間部に連通する開口部が開設されたシリンダ本体と、前記貫通孔の内周に配置され前記開口部の両側で軸方向移動される一対のピストンと、前記貫通孔の内周に前記一対のピストン間に位置して軸方向移動自在に配置されたピストンロッドと、このピストンロッドに設けられ前記開口部を軸方向移動自在に貫通して外部へ突出された係合部材と、前記貫通孔の内周面と前記ピストンロッドの外周面との間に介装された複数の転動体とを備えるものである。
【0007】請求項2の発明に係る流体圧アクチュエータは、請求項1の構成において、一対のピストンの内部にそれぞれ配置されたマグネットと、前記各ピストンの外周面に設けられた複数の環状突起と、シリンダ本体の貫通孔の内周面と前記各環状突起の外周端部との間に磁力により保持される磁性流体とを備え、前記一対のピストンがピストンロッドの軸方向両側に係着される。
【0008】請求項3の発明に係る流体圧アクチュエータは、請求項2の構成において、シリンダ本体における貫通孔が、軸方向中間に位置する第一の円筒部材と、その軸方向両側に接合されピストンの移動領域にそれぞれ位置する一対の第二の円筒部材によって形成され、前記ピストンがそれぞれ非磁性体の軸部材によって所要の距離をおいてピストンロッドの軸方向両側に係着され、前記第一の円筒部材が前記第二の円筒部材より硬質の材料からなり、前記第二の円筒部材が前記第一の円筒部材より残留磁化の小さい材料からなり、前記ピストンロッドが前記軸部材より硬質の材料からなるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】図1乃至図6は、本発明に係る流体圧アクチュエータを示すものである。これらの図において、符号1はシリンダ本体、2L,2Rはこのシリンダ本体1の貫通孔1aに軸方向移動自在に内挿されピストンロッド3を介して互いに一体的に連結された一対のピストン、4は前記貫通孔1aの内周面とピストンロッド3との間に介在された有限軌道式のリニアベアリング、5は前記シリンダ本体1の外周に一体的に設けられたシリンダ外周部材としてのレール部材、6は前記ピストン2L,2Rにより前記レール部材5に案内されつつ移動されるテーブル部材である。
【0010】シリンダ本体1は、その軸方向中間に位置する第一の円筒部材11と、その軸方向両側に接合されピストン2L,2Rの移動領域にそれぞれ位置する一対の第二の円筒部材12L,12Rとで軸方向に連続した貫通孔1aが形成され、この貫通孔1aの両端開口部、言い換えれば前記第二の円筒部材12L,12Rにおける外端開口部に、閉止部材13L,13Rが嵌合された構造を有し、第二の円筒部材12L,12Rと閉止部材13L,13Rとの嵌合面は、それぞれOリング14によって密封されている。また、前記第一の円筒部材11には、上側となる円周方向一部に、前記貫通孔1aに連通する開口部1bが開設されている。
【0011】シリンダ本体1における貫通孔1aは、前記第一の円筒部材11と第二の円筒部材12L,12Rとを圧入によって互いに結合した後、その内周にホーニング加工を施すことによって、連続した円筒面状に形成されたものである。
【0012】シリンダ本体1は、第一及び第二の円筒部材11,12L,12Rに相当する部分を磁性体金属で単一の部材として製作しても良いが、その軸方向中間部分は所要の強度が要求されるため、本実施形態においては、第一の円筒部材11は、例えば熱処理が施された高炭素クロム軸受鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼等の硬質の材料で製作され、熱処理の必要のない第二の円筒部材12L,12Rは、後述する磁性流体による良好なシール性を得るため、例えば残留磁化の小さい電磁ステンレス鋼等で製作されている。
【0013】シリンダ本体1の貫通孔1aの内周空間は、その軸方向両端の閉止部材13L,13Rと一対のピストン2L,2Rとの間にシリンダ室10L,10Rが、また前記ピストン2L,2R間に中間室10Cが画成される。前記閉止部材13L,13Rには、それぞれ、前記シリンダ室10L,10Rに向けて開口したオリフィス13a、及びこのオリフィス13aから外部へ向けて延びる配管ポート13bが設けられている。前記各配管ポート13b,13bは、図示されていない配管及び切換弁を介して圧縮空気供給源に接続される。
【0014】ピストン2L,2Rは、それぞれ互いに軸方向に対峙した、磁性体からなる一対の環状のピストン部材21,21と、このピストン部材21,21間に挟持され軸方向に着磁された環状のマグネット22で構成され、ピストンロッド3の軸方向両端から同軸的に突設された軸部材31,31に結合されている。詳しくは、ピストン部材21,21及びマグネット22は、前記軸部材31に外挿されると共に、その基部側の外周段差面31aと、先端に嵌着した軸用止め輪32によって固定されている。
【0015】また、図6に示されるように、各ピストン2L,2Rにおけるピストン部材21,21と軸部材31との間、及びピストン部材21,21とマグネット22との間は、それぞれOリング23,24で密封され、ピストン2L,2Rの内部のマグネット22へ、後述する磁性流体7等が侵入するのを防止している。
【0016】ピストンロッド3は、シリンダ本体1における第一の円筒部材11と同じく例えば熱処理が施された高炭素クロム軸受鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼等の硬質の材料によって、ピストン2L,2Rにおけるピストン部材21より適宜小径の円柱状に製作されており、その軸方向中央部には、その軸心と直交する方向に貫通した係合孔3aが開設されている。この係合孔3aは、後述する係合部材8が挿入されるものである。
【0017】ピストンロッド3の軸方向両端に基部を螺合された軸部材31,31は、例えばSUS303等の非磁性材料で製作されている。この軸部材31,31は、ピストンロッド3に螺合された後、旋削によって軸端加工を行い、仕上げ加工として、ピストンロッド3を基準に、外径がセンタレス研削盤で研削仕上げを施されたものである。
【0018】ピストン2L,2Rにおける各ピストン部材21の外周には複数の環状突起25が形成されている。図6に拡大して示されるように、前記各環状突起25と、シリンダ本体1における貫通孔1aを構成する第二の円筒部材12L,12Rの内周面との間の半径方向隙間Gには、磁性流体7が充填されている。この磁性流体7は、図6に多数の矢印φで示されるような、マグネット22の磁気回路によって、前記各環状突起25と第二の円筒部材12との間に保持され、前記半径方向隙間Gを密封するものである。
【0019】シリンダ本体1における貫通孔1aを構成する第一の円筒部材11の内周面と、ピストンロッド3の外周面との間には、多数の転動体41が介在されており、これによって、当該流体圧アクチュエータを大型化することなく有限軌道式リニアベアリング4が構成されている。詳しくは、これらの転動体41は、図4及び図5に示されるように、前記第一の円筒部材11とピストンロッド3との間に軸方向移動自在に挿入された筒状の保持器42の円形窓部に転動自在に保持され、これによって、軸方向に所定間隔で並んだ複数の転動体41からなる4条の転動体列が、円周方向等間隔で配置された構成となっている。前記保持器42には、その上部で互いに隣接する2条の転動体列の間に位置して、軸方向へ延びる開口部42aが開設されている。
【0020】上記有限軌道式リニアベアリング4は、ピストンロッド3を介して、その両側のピストン2L,2Rを、シリンダ本体1における貫通孔1aを構成する第二の円筒部材12L,12Rの内周面に対して非接触状態に支持するものである。そして、シリンダ部材1に対してピストンロッド3が軸方向に相対移動されると、両者間で転動体41が転動し、これに伴って、保持器42もピストンロッド3及びシリンダ部材1に対して軸方向へ相対移動する。そしてその軸方向移動量は、ピストンロッド3とシリンダ部材1の相対移動量の1/2である。
【0021】また、このリニアベアリング4における転動体41としては、外径が0.5〜1μm刻みで用意されている市販のボールベアリング用のボールを使用しているので、この転動体41の外径によって、シリンダ本体1の第一の円筒部材11の内周面(貫通孔1a)及びピストンロッド3の外周面との隙間を零にしたり、あるいは前記転動体41を僅かに潰した状態に設定することができる。
【0022】レール部材5及びテーブル部材6は、それぞれ軽量で耐蝕性及び加工性に優れた、アルミニウム合金の押出材に所要の機械加工及び表面処理を施して製作されている。
【0023】レール部材5の上面には、長手方向全長にわたって直線的に連続したレール本体部51が突出形成されており、その下側には、前記長手方向に、シリンダ保持孔5aが貫通形成されている。また、前記レール本体部51の上面における長手方向中央部には、前記シリンダ保持孔5aと交差する開口部5bが開設され、この開口部5bは、シリンダ本体1の第一の円筒部材11に開設された開口部1bと対応する長孔状に形成されている。更に、前記レール本体部51の両側の肩部52,52には、当該流体圧アクチュエータを設備機器等に取り付けるための複数の取付孔52aがそれぞれ設けられている。
【0024】シリンダ本体1は、レール部材5のシリンダ保持孔5aに嵌入されると共に、両端の閉止部材13L,13Rの外周段差部が、それぞれ前記シリンダ保持孔5aの開口端部内周に嵌着された孔用止め輪53で係止されることによって、固定されている。この状態において、レール部材5の開口部5bは、シリンダ本体1の開口部1bと重なっており、すなわちシリンダ本体1の内周空間における両ピストン2L,2R間の中間室10Cが、前記開口部1b,5bを介して外部へ開放されている。
【0025】テーブル部材6は、レール部材5におけるレール本体部51に跨乗配置されており、すなわちその移動方向に対して直交する方向の断面形状が、下面に前記レール本体部51に遊嵌可能な案内凹部6aを有する逆凹字形を呈する。このテーブル部材6の上面には、図示されていないツールや治具等を連結するための複数の螺子孔6bが設けられている。
【0026】テーブル部材6の天板中央部には螺子孔6cが開設され、この螺子孔6cには、棒状の係合部材8が、その上端に形成された雄螺子部8aにおいて螺着されている。この係合部材8は、前記テーブル部材6の案内凹部6aから下方へ垂直に延在され、レール部材5の開口部5b、シリンダ本体1(第一の円筒部材11)の開口部1b及びリニアベアリング4の保持器42の開口部42aを上下に貫通して、ピストンロッド3の係合孔3aに挿通されている。
【0027】シリンダ本体1(第一の円筒部材11)の開口部1b及びレール部材5の開口部5bは、シリンダ室10L,10Rへの作動流体(圧縮空気)の給排によるピストン2L,2R及びピストンロッド3の一体的な軸方向往復動作に伴う係合部材8の移動を許容するものであり、リニアベアリング4の保持器42の開口部42aは、前記動作に伴うシリンダ本体1及びピストンロッド3と保持器42の軸方向相対移動を許容するものである。そして、レール部材5の開口部5bは、シリンダ本体1の開口部1bよりも若干短く形成されており、係合部材8が前記開口部5bの長手方向いずれかの端壁に当接することで、前記テーブル部材6の移動終端位置が規制されるようになっている。
【0028】レール部材5におけるレール本体部51の両側面には、それぞれ前記長手方向全長にわたって延びる凹溝51aが形成されている。一方、前記レール本体部51に跨乗配置されたテーブル部材6の案内凹部6aにおける両内側面には、それぞれ前記凹溝51aと対応する凹溝6dが、テーブル部材6の移動方向全長にわたって形成されている。前記各凹溝51a,6d内には、上下各一対のレール側ベアリングレース91,91及びテーブル側ベアリングレース92,92が配置され、これらベアリングレース91,91,92,92の間に所要数の転動体93が転動自在に介装され、これによって、テーブル部材6をレール本体部51に沿って往復移動可能に支持する第二の有限軌道式リニアベアリング9が構成されている。
【0029】詳しくは、凹溝51a,6dは、それぞれ溝幅方向(上下方向)の両隅部が、長手方向と直交する断面(以下、横断面という)が円弧形の円弧状凹面となっており、この凹溝51a,6d内に配置された上下各一対、計4本のベアリングレース91,92は横断面が略D形の棒状をなすものであって、すなわちその表面は横断面円弧形の円弧状凸面及び平面部からなり、前記円弧状凸面は凹溝51a,6dにおける上下の円弧状凹面と互いに接触している。また、前記各円弧状凹面は、ベアリングレース91,92の円弧状凸面と同一の曲率半径又は僅かに大きい曲率半径で形成されている。
【0030】レール側ベアリングレース91,91とテーブル側ベアリングレース92,92の間に介在する複数の転動体93は、互いに適当な間隔を保持された状態にあり、各ベアリングレース91,92の平面部と接触している。凹溝51aの底部に配置されたレール側ベアリングレース91の長手方向両端には、それぞれ鍋小ネジ94が装着され、これによって、軸方向位置が決められている。また、テーブル部材6の両端部にはそれぞれ端板61が鍋小ネジ62で固定されており、これによって前記転動体93の脱落が防止されている。
【0031】上記第二の有限軌道式リニアベアリング9における転動体93としては、リニアベアリング4の転動体41と同様、外径が0.5〜1μm刻みで用意されている市販のボールベアリング用のボールを使用しているので、この転動体93の外径によって、凹溝51a,6dとベアリングレース91,92との隙間、及びベアリングレース91,92と転動体93との隙間を零にしたり、あるいは前記転動体93を僅かに潰した状態に設定することができる。
【0032】ベアリングレース91,92は、所要の強度を確保するため、高炭素クロム軸受鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼など硬質の材料で製作されたものであって、熱処理後、研磨によって精密な仕上げ加工を施されており、これによって、第二のリニアベアリング9による精密な直線移動を可能とするばかりでなく、剛性が向上して、大きな外力を支持することができる。
【0033】上記第二の有限軌道式リニアベアリング9は、レール部材5上をテーブル部材6が移動するのに伴って、レール側ベアリングレース91,91とテーブル側ベアリングレース92,92との間で転動体93が転動し、これによってテーブル部材6を円滑に移動可能な状態に支持するものである。
【0034】次に、以上のように構成された本実施形態の流体圧アクチュエータの作動について説明する。
【0035】図1,図2及び図4においては、図示されていない切換弁により、圧縮空気供給源からの圧縮空気を、閉止部材13Lに開設された配管ポート13b及びオリフィス13aを介して、シリンダ室10Lへ供給すると共に、他方のシリンダ室10Rを閉止部材13Rに開設されたオリフィス13a、配管ポート13b及び図示されていない切換弁を介して大気開放した状態にある。このため、ピストンロッド3を介して互いに一体的に動作する一対のピストン2L,2Rは、シリンダ本体1の貫通孔1a内の相対的に低圧であるシリンダ室10R側に移動し、ピストンロッド3の係合孔3aに挿通・係合された係合部材8が、レール部材5の開口部5bにおける図中右側の端壁に当接しており、レール部材5のレール本体部51に跨乗配置されたテーブル部材6が、前記係合部材8と開口部5bの端壁との当接により規定される図中右側の移動終端位置にある。
【0036】図1,図2及び図4に示された状態から、切換弁の切換操作によって、閉止部材13Rに開設された配管ポート13b及びオリフィス13aを介して、シリンダ室10Rに圧縮空気を供給すると共に、シリンダ室10L内の圧縮空気を、閉止部材13Lに開設されたオリフィス13a及び配管ポート13bと、切換弁を介して大気中に開放すると、二個一組のピストン2L,2R及びその間のピストンロッド3が、シリンダ本体1の貫通孔1a内を相対的に低圧になるシリンダ室10L側に移動し、これに伴い、係合部材8を介してピストンロッド3に係合されたテーブル部材6が、レール部材5のレール本体部51に案内されながら図中左側へ移動する。そして係合部材8が開口部5bの図中左側の端壁に当接した時点で移動終端位置に達し、前記移動が停止する。
【0037】上述の動作においては、有限軌道式リニアベアリング4が、ピストンロッド3を介して、その両側のピストン2L,2Rを、シリンダ本体1における貫通孔1aを構成する第二の円筒部材12L,12Rの内周面に対して非接触状態に支持しており、かつ第二の有限軌道式リニアベアリング9が、テーブル部材6をレール部材5上に円滑に移動可能な状態に支持しているので、移動に伴う摩擦抵抗が極めて小さいものとなる。
【0038】これを、更に詳しく説明すると、有限軌道式リニアベアリング4における各転動体41は、前記シリンダ本体1における第一の円筒部材11の内周面及び前記ピストンロッド3の外周面に点接触しており、また、第二の有限軌道式リニアベアリング9の各転動体93は、ベアリングレース91,92に点接触している。そして、例えば従来技術において用いられている循環式リニアベアリングの場合は、反転路で転動体同士が干渉したり、反転路と無負荷ボール孔との段差で転動体の引っ掛かりがあるのに対し、図示の実施形態による有限軌道式リニアベアリング4,9は、そのようなことがないので、摩擦抵抗が極めて小さい。
【0039】また、上述のように、各ピストン2L,2Rにおける環状突起25の外周縁と、シリンダ本体1における第二の円筒部材12L,12Rの内周面は、僅かな隙間Gを介して互いに非接触状態に保持されており、前記隙間Gにマグネット22の磁気回路により保持された磁性流体7は、ピストン2L,2Rが軸方向移動すると、これに伴って前記磁気回路も移動するため、前記隙間Gを塞いだ状態で前記ピストン2L,2Rに追従する。
【0040】磁性流体7は液体状であるため、有限軌道式リニアベアリング4及び第二の有限軌道式リニアベアリング9における転動体41,93の転がり摩擦抵抗と比較しても無視できるほど小さい。したがって、ピストン2L,2Rの移動に伴う摺動抵抗は著しく小さい。
【0041】ピストン2L,2Rからのシリンダ推力を、係合部材8を介して外部のテーブル部材6へ伝達するピストンロッド3が、有限軌道式リニアベアリング4の内周に配置されているので、このピストンロッド3はシリンダ本体1の貫通孔1aに対して偏心することがない。しかも前記有限軌道式リニアベアリング4は、一対のピストン2L,2R間の軸方向中央部に位置するため、ピストン2L,2Rと、貫通孔1aを構成するシリンダ本体1の第二の円筒部材12L,12Rとの間の半径方向隙間も、シリンダ推力やマグネット22の磁力等によって変化することがない。
【0042】なお、ピストンロッド3の軸方向長さは、ストロークに応じて長くなるので、これに応じて有限軌道式リニアベアリング4の全長を延ばしたり、転動体41の軸方向の数を増やしたりすれば、軸受性能を更に向上することができる。
【0043】第一の円筒部材11及びピストンロッド3は、先に説明したように、第二の円筒部材12L,12Rよりも硬質の、熱処理が施された高炭素クロム軸受鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼等で製作されているので、転動体41との接触部に比較的大きな力が作用しても容易に変形せず、したがって、容易にピストンロッド3とシリンダ本体1との相対偏心を生じない。更に、ピストン2L,2Rとシリンダ部材1の貫通孔1aとの偏心量は、ピストン2L,2Rとピストンロッド3との偏心量に等しいので、極めて小さいものとなる。
【0044】これらの理由から、ピストン2L,2Rの環状突起25とシリンダ部材1の貫通孔1aとの半径方向隙間を小さく設定することができ、その結果、磁性流体7の保持力が高まり、この磁性流体7によるシール性能を向上することができる。
【0045】また、ピストンロッド3の軸方向両端に突設された軸部材31,31は非磁性材料で製作されており、ピストン2L,2Rと、磁性体からなるピストンロッド3は、この軸部材31を介して軸方向に所要の距離が保たれているため、前記ピストン2L,2R内の各マグネット22からの磁束がシリンダ外部や軸部材31及びピストンロッド3等へ漏れない。更に、第二の円筒部材12L,12Rが残留磁化の小さい電磁ステンレス鋼で製作されているので、第一の円筒部材11及び転動体41の磁化が防がれている。したがって、ピストン2L,2Rの環状突起25と貫通孔1aとの間での磁気回路による磁性流体7の保持力を向上させることができ、この点からも優れたシール性が実現される。しかも上述のように、各マグネット22からの磁束が軸部材31及びピストンロッド3へ漏れないため、有限軌道式リニアベアリング4の転動体41に磁性流体の磁気粉が介入して付着することがなく、したがってこの有限軌道式リニアベアリング4の耐久寿命の低下を防止することができる。
【0046】シリンダ本体1の内周面とピストン2L,2Rとの間でのシリンダ室10L,10Rのシール手段として、エアベアリングを採用した場合、このエアベアリングは、半径方向の隙間が数μm以下でないと機能しないが、磁性流体7によるシールの場合は、数十μmの半径方向隙間でもある程度の圧力に耐えることができる。このため、前記シリンダ本体1(第二の円筒部材12L,12R)の内周面や、ピストン2L,2Rの外径を高精度に仕上げたり、現合で組み立てたりする必要がなく、したがって生産性も良い。
【0047】また、磁性流体7は液体状であることによって、シリンダ室10L,10Rに導入された圧縮空気の漏れが確実に防止される。このため、前記シリンダ室10L,10Rから外部へ圧縮空気が噴出するようなことがないので、クリーンルーム等でも使用することができ、上述のように摩擦抵抗が著しく小さいことによって、駆動エネルギの損失が少なく、結果として、環境保全にも貢献することができる。しかも、エアベアリングの場合のように、前記シリンダ室10L,10Rに供給する圧縮空気の質を特別に管理する必要がない。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明に係る流体圧アクチュエータによると、一対のピストン間の中間位置で、シリンダ本体とピストンロッドとの間に転動体を介在させることによって、当該流体圧アクチュエータを大型化させることなく、前記ピストンロッド及びその両側のピストンをシリンダ本体の貫通孔に対して同心的に支持するリニアベアリングを構成することができる。このため、シリンダ本体の貫通孔とピストンとの間の半径方向隙間が、シリンダ推力等によって変化せず、前記ピストンを前記貫通孔に対して非接触状態に保持することができる。
【0049】請求項2の発明に係る流体圧アクチュエータによると、ピストンと貫通孔との間は磁性流体でシールされるので、ゴム材等からなる従来のピストンシールを用いた場合に比較して、ピストン移動の際の摺動抵抗が著しく小さくなる。したがって、通常のワークの搬送や、クランプ等の用途には何ら問題なく使用可能であることは勿論、テンションコントロールあるいは押圧力コントロール等のように、高精度な力の制御や低速動作を要求されるような用途でも、使用することができる。
【0050】また、上述のように、ピストン外周のシール手段として液体である磁性流体を用い、しかも、上記転動体によるリニアベアリング機構によって、シリンダ本体の貫通孔とピストンとの間の半径方向隙間を小さく保つことができるので、磁気回路による磁性流体の保持力を大きくして、シール対象の圧縮空気に対する耐圧性を高めることができ、シリンダ室からの圧縮空気の漏れを完全に阻止することができる。
【0051】請求項3の発明に係る流体圧アクチュエータによると、シリンダ本体及びピストンロッドにおいて転動体と接触する部分を硬質にしたので、シリンダ本体とピストンロッドとの相対偏心を生じることがなく、また、各マグネットからの磁束がピストンロッドへ漏れず、シリンダ本体における転動体との接触部分である第一の円筒部材が磁化されることもないので、転動体に磁性流体の磁気粉が介入して付着することがなく、耐久寿命の低下を防止することができる。
【0052】それらの結果、本発明の流体圧アクチュエータは、クリーンルーム等でも使用することができ、シリンダ室に供給する圧縮空気の質を特別に管理する必要もない。しかも、上述のように摩擦抵抗が著しく小さいことによって、駆動エネルギの損失が少ないため、環境保全にも貢献することができる。




 

 


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