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発明の名称 往復動シール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−200936(P2001−200936A)
公開日 平成13年7月27日(2001.7.27)
出願番号 特願2000−10047(P2000−10047)
出願日 平成12年1月13日(2000.1.13)
代理人 【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信 (外1名)
【テーマコード(参考)】
3J042
【Fターム(参考)】
3J042 AA06 BA04 CA17 
発明者 安斉 博 / 難波 竹巳
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】互いに相対的に往復動自在に組み付けられた2部材間の環状隙間をシールする往復動シールであって、一方の部材側に設けられ、往復動方向の一端側にN極,他端側にS極となるように磁界を発生する磁界発生部材と、その一端側が前記磁界発生部材のN極側およびS極側にそれぞれ固定され、かつ、その他端側の先端面同士が対向し合う一対の磁極部材と、該一対の磁極部材の対向する先端面間に保持されると共に、他方の部材表面に摺接する磁性流体と、を備えたことを特徴とする往復動シール。
【請求項2】前記磁極部材の他端側の先端の断面形状が矩形状であることを特徴とする請求項1に記載の往復動シール。
【請求項3】前記磁極部材の他端側の先端の断面形状が円弧状であることを特徴とする請求項1に記載の往復動シール。
【請求項4】前記磁極部材の他端側の先端が先端に向かうにつれて細くなる先細形状であることを特徴とする請求項1に記載の往復動シール。
【請求項5】前記磁極部材の他端側の先端が2部材のうち他方の部材側に偏るように配置されることを特徴とする請求項1に記載の往復動シール。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに相対的に往復動を行う2部材間の環状隙間をシールするための往復動シールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の往復動シールとして、低摺動抵抗を実現するべく、様々なシールが知られている。
【0003】従来から知られている構成としては、例えば、含油シリコーンゴム製のシール,シリコーンゴムにPTFE(ポリ四ふっ化エチレン樹脂)をコーティングしたシール,含油シリコーンゴムを金具に焼き付けたシール、あるいは、PTFEをコーティングしたシリコーンゴムを金具に焼き付けたシールなどがある。
【0004】従来技術に係る往復動シールの一例として、上記PTFEをコーティングしたシリコーンゴムを金具に焼き付けたシールを例に図6および図7を参照して説明する。
【0005】図6は従来技術に係る往復動シールの装着時の様子を示す模式的断面図であり、図7はその軸偏心時の様子を示す模式的断面図である。
【0006】往復動シール100は、互いに相対的に往復動する、例えば図に示すような内筒と外筒間の環状隙間をシールするためのものである。
【0007】そして、図に示すように、往復動シール100は、概略、PTFEがコーティングされたシリコーンゴム製のリングからなるシールリップ部101と、金具としての金属製のリングからなる補強部102と、から構成されており、これらシールリップ部101と補強部102とは接着されている。
【0008】ここで、シールリップ部101のシール内径端は、内筒200の外径に対して少し小さ目の径に設けられており、使用時には、シール内径に内筒200を挿入することによって、シールリップ部101がL字形に変形し、その復元力で内筒200の表面に密着することで、ダスト等に対する密封性を持たせている。
【0009】このように、従来の往復動シールは、シールリップ部に対し、含油としたり、PTFEをコーティングすることによって、摺動抵抗の低下を図っていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0011】近年、往復動シールが使用される種々の機器は、小型化が進み、かつ多機能化を実現している。その一方で、機器本体の電源からの電力量は限られているため、各ユニット毎に省電力化を図っている。
【0012】そのような中で、従来の往復動シールでは、含油としたり、PTFEをコーティングして、いかに摺動抵抗の低下を図っても、固体同士の接触による摺動のため、その低減効果には限界があった。
【0013】このように、シールの摺動抵抗が大きいために、往復動部材(筒)を往復移動させる際に比較的大きな電力を消費してしまっていた。
【0014】一方、筒が往復動する際には、筒の偏心量によってシール設置スペースが変化するため、偏心量が大きい場合には、例えば往復動シール全体がゴムでできていても、シール設置スペースが狭いところでは押しつぶされ、またスペースが広いところでは隙間が生じ、漏れが起こってしまう。
【0015】このため、従来、機器の小型化を図る場合であっても、図6に示すように、往復動シールの外径側に偏心量と同等以上のスペースSを設ける必要があった。このスペースSを設けることによって、偏心時には、偏心した分をスペースSにより吸収することで、シールの機能を損なわないようにしていた。
【0016】このように、従来技術の場合には、摺動抵抗の低減に限界があり、また、省スペース化にも限度があった。
【0017】ところで、本出願人は、既に本出願人が出願した特願平11−150559号により、上記のような問題を解決するための技術を提案している。
【0018】この技術は、磁性流体を利用したシールであり、磁性流体によってシールすることにより、上記従来技術のように固体同士で摺接させる場合に比べて摺動抵抗を飛躍的に低減することができるため、往復動部材を往復移動させる際の電力消費量を低減することができると共に、2部材の偏心によってシール設置スペースが変化した場合でも、磁性流体が磁場分布に追随して2部材間の隙間を適正に埋めることにより、偏心追随性が向上するため、従来技術のような偏心量に対応したスペースが必要なくなり、省スペース化を図ることができるというものである。
【0019】しかし、この特願平11−150559号に提案した技術の場合には、中空円板状の磁極により、その外周の先端面を、磁性流体を摺接させる部材側に向けて配置する構成であったために、一対の磁極間に保持させる磁性流体を、シール性を発揮できる程度に適正に保持させるためには、磁性流体の量を比較的多く必要とするという課題を残していた。
【0020】本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、少量の磁性流体によりシール性を保ちつつ、摺動抵抗の低減と省スペース化を可能とする往復動シールを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明にあっては、互いに相対的に往復動自在に組み付けられた2部材間の環状隙間をシールする往復動シールであって、一方の部材側に設けられ、往復動方向の一端側にN極,他端側にS極となるように磁界を発生する磁界発生部材と、その一端側が前記磁界発生部材のN極側およびS極側にそれぞれ固定され、かつ、その他端側の先端面同士が対向し合う一対の磁極部材と、該一対の磁極部材の対向する先端面間に保持されると共に、他方の部材表面に摺接する磁性流体と、を備えたことを特徴とする。
【0022】従って、一対の磁極部材の他端側の先端面同士が対向しているため、これらの間の磁束が効率的に集中するため、少量の磁性流体でも確実に保持される。また、磁性流体によって他方の部材表面に摺接させるため、摺動抵抗が低減され、かつ、2部材の偏心による偏心追随性に優れる。
【0023】前記磁極部材の他端側の先端の断面形状が矩形状であるとよい。
【0024】前記磁極部材の他端側の先端の断面形状が円弧状であるとよい。
【0025】これにより、磁束をより集中させることができる。
【0026】前記磁極部材の他端側の先端が先端に向かうにつれて細くなる先細形状であることも好適である。
【0027】これにより、磁束をより集中させることができる。
【0028】前記磁極部材の他端側の先端が2部材のうち他方の部材側に偏るように配置されるとよい。
【0029】これにより、他方の部材側に磁束が偏り、他方の部材表面に十分に磁性流体を摺接させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0031】図1を参照して、本発明の実施の形態に係る往復動シールについて説明する。図1は本発明の実施の形態に係る往復動シールの装着状態を示す模式的断面図である。
【0032】往復動シール1は、互いに相対的に往復動自在に組み付けられた2部材間の環状隙間をシールするものであり、図1には、その一例として、互いに相対的に往復動する、外筒13(一方の部材)と内筒14(他方の部材)との間の環状隙間をシールするための往復動シールについて示している。
【0033】往復動シール1は、概略、磁界発生部材としての磁石2と、この磁石2の軸方向(往復動方向)の両端側にそれぞれ固定される一対の磁極部材3,5と、これら一対の磁極部材3,5によって形成される磁界により保持される磁性流体4と、から構成される。
【0034】ここで、磁石2は環状の形状であり、往復動方向の一端側にN極,他端側にS極となるように、外筒13の内周側に形成された環状溝内に設けられている。なお、磁石2としては、例えば、金属,磁性粉を充填した有機材料、又は電磁石等からなるものを用いることができる。
【0035】また、この磁石2のN極側とS極側に、それぞれ磁極部材3,磁極部材5が備えられており、すなわち、磁極部材3の一端側は磁石2のN極側に固定されており、磁極部材5の一端側は磁石2のS極側に固定されており、これら一対の磁極部材3,5により磁石2を挟んだ状態で外筒13の内周側に形成された環状溝内に設置されている。
【0036】なお、磁極部材3,5としては、たとえば、金属又は磁性金属粉を充填した有機材料などからなるものを用いることができる。
【0037】そして、これら磁極部材3,5の他端側は外筒13の内周表面に対して、内筒14側に突出しており、この突出する高さは、外筒13と内筒14との間に偏心が生じた場合でも、その突出した部分が、内筒14の外周面に当接しないように設定される。
【0038】また、磁極部材3,磁極部材5は、その断面形状(軸芯を通るように切断した断面形状)がL字形状であり、磁極部材3の他端側の先端面と、磁極部材5の他端側の先端面とは対向するように設けられている。なお、図示のように軸(往復動方向)に略垂直な仮想面を介して対向するように設けられている。
【0039】これら磁石2,磁極部材3および磁極部材5によって形成される磁場分布にしたがって、各磁極部材3,磁極部材5の対向する先端面間に磁性流体4が磁気的に保持され、磁石2,磁極部材3,磁性流体4および磁極部材5によって磁気回路が形成される。
【0040】そして、往復動シール1の内周側に内筒14を装着すると、磁性流体4は流体であるので、固体である内筒14の外周面形状に合わせて変形し、内筒14と外筒13との間の環状隙間を完全に塞ぐ状態となる。
【0041】以上のような構成により、内筒14と外筒13とが相対的に往復移動した場合には、磁性流体4と内筒14の外周表面との間で摺接するが、流体と固体との間の摺接であるので、その摺動抵抗を飛躍的に低減することができる。
【0042】また、内筒14と外筒13との間に偏心が生じた場合でも、磁性流体4が磁場分布にしたがって適正に追随するため、偏心追随性に優れており、シール性能を維持することができ、従来のように偏心に対応させるためのスペースを必要とすることなく、省スペース化を可能とする。
【0043】そして、磁極部材3の他端側の先端面と、磁極部材5の他端側の先端面とを対向させたことによって、この対向面間の磁束を効率良く集中させることができ、その結果シール性能を維持するのに必要な磁性流体4の量を低減させることが可能となる。
【0044】なお、図1に示した例では、互いに相対的に往復動自在に組み付けられた2部材のうち一方の部材としての外筒13側に磁石2および一対の磁極部材3,5を設け、他方の部材としての内筒14側に磁性流体4を摺接させる構成を示したが、これとは逆に、図3に示すように、2部材のうち一方の部材としての内筒14側に磁石2および一対の磁極部材3,5を設け、他方の部材としての外筒13側に磁性流体4を摺接させる構成としても同様の効果を得ることは言うまでもない。
【0045】また、上記図示の例では、磁極部材を断面L字形状とすることによって、一対の磁極部材の先端面同士を対向させる構成を示したが、このような形状に限ることはなく、例えば、特に図示はしないが、アーム状に湾曲させた形状として、先端面同士を対向させるようにしても良い。
【0046】また、上記図示の例では、磁極部材の対向させる先端の断面形状を矩形状とした構成を示したが、このような形状に限ることはなく、例えば、特に図示はしないが、この断面形状を円弧状とすれば、対向面間の磁束をより集中させることができ、シール性能を維持するのに必要な磁性流体4の量を一層低減させることが可能となる。
【0047】また、特に図示はしないが、この対向させる先端を、先端に向かうにつれて細くなる先細形状にし、かつ、その先端が摺接させる側の部材(図1の場合には内筒14,図3の場合には外筒13)に偏るように配置させることで、対向面間の磁束をより集中させることができると共に、摺接面付近に磁束を偏らせることができるため、より少量の磁性流体4によってシール性能を維持することができる。
【0048】以上説明した実施の形態に基づいて作製した試料と、比較のために作製した試料とを、実験により比較した結果について、以下に示す。
【0049】まず、図4を参照して、比較例について簡単に説明する。図4は比較例に係る往復動シールの装着状態を示す模式的断面図である。
【0050】比較例に係る往復動シールは、上記実施の形態に係る往復動シールと基本的構成は同一であるが、磁極部材の形状のみ異なる構成となっている。
【0051】すなわち、比較例に係る往復動シールの場合にも、磁石2のN極側とS極側に、それぞれ磁極部材6,磁極部材7が備えられており、すなわち、磁極部材6の一端側は磁石2のN極側に固定されており、磁極部材7の一端側は磁石2のS極側に固定されており、これら一対の磁極部材6,7により磁石2を挟んだ状態で外筒13の内周側に形成された環状溝内に設置されている。
【0052】ここで、比較例においては、磁極部材6,7は中空の円板形状であり、上記実施の形態では、磁極部材は、その断面形状(軸芯を通るように切断した断面形状)がL字形状であったのに対して、比較例では、その断面形状がI字形状となっており、磁極部材6,7の先端面(固定された側とは反対側の先端面)は、摺接する側の部材である内筒14の外周表面に対して対向している。
【0053】そして、これら磁石2,磁極部材6および磁極部材7によって形成される磁場分布にしたがって、磁性流体8が内筒14の外周表面に摺接するように保持され、磁石2,磁極部材6,磁性流体8および磁極部材7によって磁気回路が形成される。
【0054】その他の基本的構成等については、上述の実施の形態と同様である。
【0055】次に、上記実施の形態および比較例に基づいて作製した試料について、図2および図5を参照して説明する。図2は本発明の実施の形態に基づいて作製した往復動シールの試料の模式図であり、図5は比較例に基づいて作製した往復動シールの試料の模式図である。
【0056】図2に示すように、本実施の形態に基づく試料においては、磁極部材3,5は、その外径が30mm,内径が27mm,幅0.2mmとし、磁石2の軸方向(往復動方向)の幅を0.7mmとし、また、内筒14の外周表面と磁極部材3,5の内周面との隙間が0.1mmとなるように設定した。
【0057】一方、図5に示すように、比較例に基づく試料においては、磁極部材6,7は、その外径が30mm,内径が27mm,幅0.2mmとし、磁石2の軸方向(往復動方向)の幅を0.7mmとし、また、内筒14の外周表面と磁極部材6,7の内周先端面との隙間が0.1mmとなるように設定した。
【0058】以上のような試料に基づいて、シール性等を試験したところ、シール性を維持するのに必要な磁性流体の量は、本実施の形態に係る試料では約20μlと少量で良いのに対して、比較例に基づく試料の場合には、約40μl以上必要とした。
【0059】また、磁性流体の飽和磁化を40mT,磁石を最大エネルギ積64〜72KJ/m3のSm系プラスチック磁石とした場合に、シール耐圧を測定したところ、比較例に係る試料の場合には約5.05×103Paであるのに対して、本発明の実施の形態に係る試料の場合であって、図2に示すような磁極部材の先端断面が矩形状の場合には、約9.09×103Paであり、また、特に図示はしないが、先端が先細で、その先端を摺接させる部材(内筒14)側に偏らせるように配置させた試料の場合には、約1.01×104Paであり、耐圧性にも優れていることが確認できた。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、一対の磁極部材の先端面同士を対向させることによって、対向面間の磁束を効率的に集中させて、この位置に磁性流体を保持するようにしたので、少量の磁性流体により耐圧性にも優れたシール性を可能とすると共に、磁性流体により摺動させることで、摺動抵抗の低減と省スペース化が可能となる。
【0061】磁極部材の他端側の先端の断面形状を円弧状としたり、磁極部材の他端側の先端が先端に向かうにつれて細くなる先細形状とすることによって、磁束をより集中させることができ、より一層少量の磁性流体でシール性を維持できる。
【0062】また、磁極部材の他端側の先端が2部材のうち他方の部材側に偏るように配置させることで、磁束を他方の部材側に偏らせることができ、より一層少量の磁性流体でシール性を維持できる。




 

 


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