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発明の名称 連鋳機用シール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−187970(P2001−187970A)
公開日 平成13年7月10日(2001.7.10)
出願番号 特願平11−372798
出願日 平成11年12月28日(1999.12.28)
代理人 【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
【テーマコード(参考)】
3J006
【Fターム(参考)】
3J006 AE15 CA05 
発明者 横山 正 / 中馬 謙一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 連鋳機におけるロールベアリング部の水・スケール用シールとして樹脂製シールリップを有することを特徴とする連鋳機用シール。
【請求項2】 連鋳機におけるロールベアリング部の水・スケール用シールとして樹脂製シール部材を有することを特徴とする連鋳機用シール。
【請求項3】 請求項1または2の連鋳機用シールにおいて、樹脂製シールリップまたはシール部材の成形材料がPTFE樹脂であることを特徴とする連鋳機用シール。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密封装置に係り、特に、鉄鋼分野ないし製鉄分野の連鋳機設備に用いられる連鋳機用シールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】連鋳機は、転炉や電気炉で作られた溶鋼を鋳型で冷やし、中で固まった鋼を鋳型の底から帯のように連続的に引き出して鋼片を作る装置であり、図15に示すように、鋼片を移送する移送路に多数のロール51を有し(図は一つのみを示している)、ロール51を回転自在に支持するベアリング52を有し、ベアリング52内に水やスケール等のダストが浸入しないように、またベアリンググリースが外部に漏洩しないように連鋳機用シール53を有している。
【0003】しかしながら、従来の連鋳機用シール53においては、その水・スケール用シールがゴム製のシールリップ54によって形成されているために、以下のような不都合を有している。
【0004】すなわち、水・スケール側55の高温や熱水または水蒸気等の影響によってゴム製のシールリップ54が早期に劣化して気泡が発生したり、加水分解現象(一部は炭化)が発生したりし、または、へたりによって締めしろが低下したりすることがある。したがって、そのシール機能が比較的短時間のうちに失われてしまい、比較的頻繁に新品と交換する必要等を生じている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑みて、連鋳機用シールにおける水・スケール用シールについて、その耐熱性ないし耐熱水性を向上させ、もって優れた耐久性を発揮することが可能なシールを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の請求項1による連鋳機用シールは、連鋳機におけるロールベアリング部の水・スケール用シールとして樹脂製シールリップを有することを特徴とし、また、本発明の請求項2による連鋳機用シールは、連鋳機におけるロールベアリング部の水・スケール用シールとして樹脂製シール部材を有することを特徴とするものである。
【0007】また、本発明の請求項3による連鋳機用シールは、上記した請求項1または2の連鋳機用シールにおいて、樹脂製シールリップまたはシール部材の成形材料がPTFE樹脂であることを特徴とするものである。
【0008】樹脂、特に、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂には一般に、ゴムと比較して耐熱性ないし耐熱水性が強い(高い)特性があり、このような特性を備えた材料を用いてシールを成形すれば、その耐久性を向上させることか可能となる。PTFEは、四弗化エチレン樹脂と称されることもある。請求項2のシール部材には、オイルシールとしてのシールリップの他に、スクィーズ状のパッキン等が含まれる。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0010】第一実施例・・・図1に示すシール1は、上記図15に示したような連鋳機におけるロールベアリング部に連鋳機用オイルシールとして装着される。図の左側が水・スケール側(ダスト側、大気側)55、右側がグリース側(ベアリング側)56である。
【0011】当該連鋳機用シール1は先ず、ゴム製の外周シール部(焼付けゴム部とも称する)3を焼付け固定したゴム焼付け環(第一の金属環とも称する)2を有しており、このゴム焼付け環2のプレート部2aと先端部2bとの間に、水・スケール用シール(ダストシールとも称する)4としての樹脂製のシールリップ(樹脂リップまたはダストリップとも称する)5と、二つの金属環7,8の組み合わせよりなるグリース用シール保持部6とがカシメ固定されており、保持部6の内側にグリース用シール9としての樹脂製のシール部材(樹脂シールとも称する)10と、ゴム製のバックアップリング(ゴムリングとも称する)11とが装着されている。
【0012】ゴム焼付け環2は、筒状部2cの水・スケール側(以下、軸方向一端側または単に一端側とも称する)55に円環状のプレート部2aを一体成形するとともにグリース側(以下、軸方向他端側または単に他端側とも称する)56に同じく円環状のカシメ用先端部2bを一体成形したもので、筒状部2cの外周面とプレート部2aの一端側端面とに外周シール部3のゴムが焼付け固定されている。
【0013】保持部6の一方をなす金属環(第二の金属環とも称する)7は、ゴム焼付け環2の筒状部2cの内周側に配置された筒状部7aを有しており、この筒状部7aの他端側に円環状のプレート部7bが一体成形されている。
【0014】保持部6の他方をなす金属環(第三の金属環とも称する)8は、一方の金属環7の筒状部7aの内周側に配置された筒状部8aを有しており、この筒状部8aの一端側に円環状のプレート部8bが一体成形されている。
【0015】保持部6は、一方の金属環7のプレート部7bと他方の金属環8の筒状部8aおよびプレート部8bとによって囲まれた環状の収容部(収容空間とも称する)12を有しており、この収容部12にバックアップリング11が嵌着されるとともに、このバックアップリング11の内周側に環状のシール部材10が嵌着されている。断面矩形状をなすこのシール部材10は、その内周面をもってロールの軸部の周面に摺動自在に密接する。
【0016】シールリップ5は、ゴム焼付け環2と金属環7,8との間に挟持された環状の取付部5aを有しており、この取付部5aの内周側にリップ状のシール部5bが一体成形されている。このリップ状のシール部5bは一端側に曲げられて、その内周面をもってロールの軸部の周面に摺動自在に密接する。この樹脂製シールリップ5は、PTFE樹脂を成形材料として円環状ないし蛇の目状に成形されている。
【0017】上記構成を備えた連鋳機用シール1は、連鋳機のロールベアリング部に装着され、シールリップ5をもって水・スケール等のダストをシールするとともに、シール部材10をもってグリースをシールするものであり、水・スケール用シール4として従来のようにゴムではなくPTFE樹脂製のシールリップ5を備えているために、その材質上の特性から、優れた耐熱性および耐熱水性を発揮し、また優れた耐摩耗性を発揮する。したがって、これらの特性に基づいて、優れた耐久性ないしタフネス性を発揮する水・スケール用シール4を備えた連鋳機用シール1を提供することができる。
【0018】また、このように水・スケール用シール4の耐久性が高められるのに伴って、水・スケール側55の熱水等がこの水・スケール用シール4を通過してグリース用シール9の方へ浸入しにくくなるために、グリース用シール9のゴム製バックアップリング11が熱水等に曝されて早期に劣化するのを抑えることもできる。
【0019】樹脂製のシールリップ5は、単一のみならず、複数設けても構わない。
【0020】また、上記グリース用シール保持部6を断面略L字形を呈する二つの金属環7,8の組み合わせにより構成した点については、これを、図2に示すように、断面略コ字形を呈する一つの金属環30よりなる構成としても良い。この金属環30は筒状部30aの軸方向両側にそれぞれプレート部30b,30cを径方向内方に向けて一体成形したものである。
【0021】上記第一実施例に係る連鋳機用シール1は、その構成を以下の第二または第三実施例のように付加または変更することが可能である。
【0022】第二実施例・・・水・スケール用シール4であるシールリップ5が装着される箇所は高温となる箇所であるために、シールリップ5と相手軸との摺動部の潤滑が良くないと、シールリップ5や相手軸の摩耗が促進してしまう虞がある。したがって、これを防止すべく、図3に示すように、グリース側56からシールリップ5の背面側空間13に至るグリース流路14を設け、一部のグリースを摺動部潤滑剤としてシールリップ5と相手軸との摺動部に供給する。
【0023】グリース流路14は、以下のように構成されている。
【0024】すなわち、図3および図4に示すように、保持部6の一方の金属環7のプレート部7bおよび筒状部7aの周方向所定箇所に切欠部15を設けるとともに、この切欠部15と連通するように他方の金属環8に貫通穴16を設け、グリース側56から切欠部15、貫通穴16および収容部12を経由してシールリップ5の背面側空間13に至るグリース流路14を形成する。
【0025】一般に、ベアリング部すなわちグリース側56においては、一定時間で定量のグリース供給が行なわれ、このグリース供給時、ベアリング部に圧力(給脂圧)が発生するために、この圧力がグリース流路14を通ってシールリップ5に背圧として作用し、シールリップ5が若干開き、若干のグリースがシールリップ5と相手軸との間を通って外側の水・スケール側55にリークする。したがって、シールリップ5と相手軸との摺動部に常時または定期的に適度の潤滑が供給されることになり、よってシールリップ5の摩耗を減少させることができるとともに相手軸の摩耗の促進を防止することができる。
【0026】また、シールリップ5および相手軸間におけるグリースのリーク方向が、水・スケール等のダストの侵入方向と逆方向となるために、ダストが侵入しにくくなり、よって耐ダスト性ないしシール性を一層向上させることができる。
【0027】切欠部15および貫通穴16の形状、大きさ、形成箇所または数等は、特に限定されるものではない。この第二実施例に係る連鋳機用シール1の他の構成および作用効果は、上記第一実施例と同じである。
【0028】尚、上記グリース用シール保持部6を断面略L字形を呈する二つの金属環7,8の組み合わせにより構成した点については、これを、図5に示すように、断面略コ字形を呈する一つの金属環30よりなる構成としても良い。この金属環30は筒状部30aの軸方向両側にそれぞれプレート部30b,30cを径方向内方に向けて一体成形したものであり、この金属環30に切欠部15および貫通穴16が纏めて設けられている。
【0029】第三実施例・・・シールリップ5は、その外周部の取付部5aにおいてゴム焼付け環2と金属環7,8との間に挟持固定されるが、相手軸に対する緊迫力が高い場合に相手軸と共廻りしてしまうことがあり、このようなことがあると、シールリップ5とゴム焼付け環2または金属環7,8とが摺動して摩耗が発生し、シール性が低下してしまう虞がある。したがって、これを防止すべく、図6および図7に示すようにシールリップ5に相対する一方の金属環7の筒状部7aの端部に鋸状の突起(係合部とも称する)17を設け、この突起17をシールリップ5の樹脂に食い込ませることにより、シールリップ5と金属環7の間に強靭な結束力を生じさせる。
【0030】鋸状の突起17の形状、大きさ、形成箇所または数等は特に限定されないが、この突起17はこれを金属環7の全周に亙って均一に設けるのが好ましい。突起17は金属環7のプレス工程で付けても、後工程で付けても構わない。また、この鋸状の突起17による回り止め構造は、単一または複数の樹脂リップと単一または複数の金属環とで構成され、樹脂リップと金属環とが相対する構造を有する全ての連鋳機用シールに適用することが可能である。この第三実施例に係る連鋳機用シール1の他の構成および作用効果は、上記第一実施例と同じである。
【0031】尚、上記グリース用シール保持部6を断面略L字形を呈する二つの金属環7,8の組み合わせにより構成した点については、これを、図8に示すように、断面略コ字形を呈する一つの金属環30よりなる構成としても良い。この金属環30は筒状部30aの軸方向両側にそれぞれプレート部30b,30cを径方向内方に向けて一体成形したものであり、この金属環30に鋸状の突起17が設けられている。
【0032】第四実施例・・・図9に示すシール1は、上記図15に示したような連鋳機におけるロールベアリング部に連鋳機用オイルシールとして装着される。図の左側が水・スケール側(ダスト側、大気側)55、右側がグリース側(ベアリング側)56である。
【0033】当該連鋳機用シール1は先ず、ゴム製の外周シール部(焼付けゴム部とも称する)3を焼付け固定したゴム焼付け環(第一の金属環とも称する)2を有しており、このゴム焼付け環2のプレート部2aと先端部2bとの間に、水・スケール用シール(ダストシールとも称する)4としての第一の樹脂製のシールリップ(樹脂リップまたはダストリップとも称する)5と、スペーサとしての金属環(第二の金属環とも称する)18と、グリース用シール9としての第二の樹脂製のシールリップ(樹脂リップまたはグリースリップとも称する)19と、リップ押え環としての金属環(第三の金属環とも称する)20とがこの順番に一列に並んでカシメ固定されている。
【0034】ゴム焼付け環2は、筒状部2cの水・スケール側(以下、軸方向一端側または単に一端側とも称する)55に円環状のプレート部2aを一体成形するとともにグリース側(以下、軸方向他端側または単に他端側とも称する)56に同じく円環状のカシメ用先端部2bを一体成形したもので、筒状部2cの外周面とプレート部2aの一端側端面とに外周シール部3のゴムが焼付け固定されている。
【0035】金属環18は、所定の厚さ(軸方向幅)を有するように断面矩形の円環状に成形されている。
【0036】金属環20は、ゴム焼付け環2の筒状部2cの内周側に配置された筒状部20aを有しており、この筒状部20aの一端側に円環状のプレート部20bが一体成形されている。
【0037】水・スケール側55のシールリップ5は、ゴム焼付け環2と金属環18との間に挟持された円環状の取付部5aを有しており、この取付部5aの内周側にリップ状のシール部5bが一体成形されている。このリップ状のシール部5bは一端側に曲げられて、その内周面をもってロールの軸部の周面に摺動自在に密接する。この樹脂製のシールリップ5は、PTFE樹脂を成形材料として円環状ないし蛇の目状に成形されている。
【0038】また、グリース側56のシールリップ19は、金属環18と金属環20との間に挟持された円環状の取付部19aを有しており、この取付部19aの内周側にリップ状のシール部19bが一体成形されている。このリップ状のシール部19bは他端側に曲げられて、その内周面をもってロールの軸部の周面に摺動自在に密接する。このグリース側56のシールリップ19はこれも、PTFE樹脂を成形材料として円環状ないし蛇の目状に一体成形されている。
【0039】上記構成を備えた連鋳機用シール1は、連鋳機のロールベアリング部に装着され、水・スケール側55のシールリップ5をもって水・スケール等のダストをシールするとともに、グリース側56のシールリップ19をもってグリースをシールするものであり、水・スケール用シール4として従来のようにゴムではなくPTFE樹脂製のシールリップ5を備えているために、その材質上の特性から、優れた耐熱性および耐熱水性を発揮し、また優れた耐摩耗性を発揮する。したがって、これらの特性に基づいて、優れた耐久性ないしタフネス性を発揮する水・スケール用シール4を備えた連鋳機用シール1を提供することができる。
【0040】また、この連鋳機用シール1においては、水・スケール用シール4のみでなくグリース用シール9もPTFE樹脂製のシールリップ5,19のみによって形成されているために、この分、更に耐熱性および耐熱水性が高められていると云うことができる。したがって、この点からも、優れた耐熱性および耐熱水性を発揮し、優れた耐久性ないしタフネス性を発揮する連鋳機用シール1を提供することができる。
【0041】シールリップ5,19の形状、方向、取付構造または数等は特に限定されるものではない。外周シール部3は、これを省略して、金属嵌合タイプとすることが可能である。
【0042】上記第四実施例に係る連鋳機用シール1は、その構成を以下の第五実施例のように付加または変更することが可能である。
【0043】第五実施例・・・樹脂製シールリップ5,19の相手軸に対する緊迫力を増大または調整するために、図10に示すように、シールリップ5,19のリップ部5b,19bの外周側にガータスプリング21を嵌着する。図の例では、グリース側56のシールリップ19にガータスプリング21が嵌着されているが、水・スケール側55のシールリップ5にガータスプリングを嵌着しても良く、また双方のシールリップ5,19にガータスプリングを嵌着するようにしても良い。
【0044】第六実施例・・・図11に示すシール1は、上記図15に示したような連鋳機におけるロールベアリング部に連鋳機用オイルシールの水・スケール用シール4として装着される。図の右側が水・スケール側(ダスト側、大気側)55、左側がグリース側(ベアリング側)56である(上記第一実施例等とは向きが反対である)。
【0045】当該連鋳機用シール1は先ず、ゴム製の外周シール部(焼付けゴム部とも称する)3を焼付け固定したゴム焼付け環(金属環とも称する)2を有しており、このゴム焼付け環2の水・スケール側55に、水・スケール用シール(ダストシールとも称する)4としての第一の樹脂製のシールリップ(樹脂リップまたはダストリップとも称する)5が配置されており、グリース側56に、同じく水・スケール用シール4としての第二の樹脂製のシールリップ22が装着されている。
【0046】ゴム焼付け環2は、筒状部2cの水・スケール側(以下、軸方向一端側または単に一端側とも称する)55に円環状のプレート部2aを一体成形したものであり、その全面に外周ゴム部3のゴムが焼付け固定されている。したがって、このゴム焼付け環2は外周ゴム部3のゴムの中に埋設されている。
【0047】外周ゴム部3の一端側端面に突起部23が軸方向一方に向けて一体成形されるとともに、この突起部23が、この突起部23に対応して第一の樹脂製シールリップ5に設けられた穴部24に嵌め込まれており、これにより第一の樹脂製シールリップ5がゴム焼付け環2および外周ゴム部3に対して非接着で取り付けられている。突起部23および穴部24は所要数が等配状に設けられている。
【0048】第一の樹脂製シールリップ5は、装着時にゴム焼付け環2および外周ゴム部3とハウジング57のフランジ部(内向きフランジ部)57aとの間に挾まれる円環状の取付部5aを有しており、この取付部5aの内周側にリップ状のシール部5bが一体成形されている。このリップ状のシール部5bは一端側に曲げられてその内周面をもってロールの軸部58の周面に摺動自在に密接する。この樹脂製シールリップ5は、PTFE樹脂を成形材料として円環状ないし蛇の目状に成形されている。
【0049】第二の樹脂製シールリップ22は、ゴム焼付け環2のプレート部2aの他端側において外周ゴム部3のゴムに加硫接着された円環状の取付部22aを有しており、この取付部22aの内周側にリップ状のシール部22bが一体成形されている。このリップ状のシール部22bは一端側に曲げられて、その内周面をもってロールの軸部58の周面に摺動自在に密接する。この樹脂製シールリップ22は第一の樹脂製シールリップ5と同様に、PTFE樹脂を成形材料として円環状ないし蛇の目状に成形されている。
【0050】上記構成を備えた連鋳機用シール1は、連鋳機のロールベアリング部に装着されて、第一および第二のシールリップ5,22をもって水・スケール等のダストをシールするものであり、水・スケール用シール4として従来のようにゴムではなくPTFE樹脂製のシールリップ5,22を備えているために、その材質上の特性から、優れた耐熱性および耐熱水性を発揮し、また優れた耐摩耗性を発揮する。したがって、これらの特性に基づいて、優れた耐久性ないしタフネス性を発揮する水・スケール用シール4を備えた連鋳機用シール1を提供することができる。
【0051】また、この連鋳機用シール1には、その構成部品点数が少ないと云う特徴がある(外周シール部3を焼き付けたゴム焼付け環2、ならびに第一および第二のシールリップ5,22の三部品のみにより構成されている)。
【0052】突起部23の形状、大きさ、形成箇所または数等は特に限定されないが、この突起部23はこれを外周ゴム部3の全周に亙って均一に設けるのが好ましい。
【0053】上記第六実施例に係る連鋳機用シール1は、その構成を以下の第七または第八実施例のように付加または変更することが可能である。
【0054】第七実施例・・・上記第六実施例の連鋳機用シール1において、穴部24に差し込まれた突起部23はシールリップ5の反対側に突出してその先端部が抜止め部とされるが、シールリップ5をハウジング57のフランジ部57aの端面に突き合わせる都合からしてこの突起部23の先端部が邪魔になる場合には、図12に示すように、突起部23を短めに形成することにより、突起部23全部が穴部24内に収まるようにすると良い。この第七実施例に係る連鋳機用シール1の他の構成および作用効果は、上記第六実施例と同じである。
【0055】第八実施例・・・上記第六実施例の連鋳機用シール1において、第一のシールリップ5のリップ状のシール部5bの外周面とハウジング57のフランジ部57aの内周面との間の環状スペースにスケール等が堆積して固着すると、摺動部全体の面圧が高くなり、シールリップ5の摩耗が促進し、しいては水・スケール等のダストが摺動部に噛み込み易くなり、耐ダスト性ないしシール性が低下してしまう虞がある。したがって、これを防止すべく、図13に示すように、シールリップ5のリップ長さLをハウジング57の厚さAよりも大きく設定し(L−A≧0)、シールリップ5の先端部をハウジング57の端面57bよりも水・スケール側55に突出させる。シールリップ5のリップ長さLはシールリップ5のリップ状のシール部5bの装着状態における軸方向長さであり、ハウジング57の厚さAはフランジ部57aの軸方向長さである。
【0056】そして、このようにシールリップ5の先端部をハウジング57の端面57bよりも水・スケール側55に突出させると、シールリップ5のリップ状のシール部5bの外周面とハウジング57のフランジ部57aの内周面との間のスペース25にスケール等が堆積固着しても、シールリップ5がハウジング57より突き出た部分についてはスペースが開放されているために、スケールが堆積しにくくなる。したがって、良好な耐ダスト性ないしシール性を維持することができる。
【0057】第九実施例・・・図14に示すシール1は、上記図15に示したような連鋳機におけるロールベアリング部に連鋳機用オイルシールの水・スケール用シール4として装着される。図の右側が水・スケール側(ダスト側、大気側)55、左側がグリース側(ベアリング側)56である(上記第一実施例等とは向きが反対である)。
【0058】当該連鋳機用シール1は先ず、ゴム製の外周シール部(焼付けゴム部とも称する)3を焼付け固定したゴム焼付け環(金属環とも称する)2を有しており、このゴム焼付け環2のグリース側56に、水・スケール用シール4としての樹脂製のシールリップ5が装着されている。
【0059】ゴム焼付け環2は、筒状部2cの水・スケール側(以下、軸方向一端側または単に一端側とも称する)55に円環状のプレート部2aを一体成形したものであり、その全面に外周ゴム部3のゴムが焼付け固定されている。したがって、このゴム焼付け環2は外周ゴム部3のゴムの中に埋設されている。
【0060】樹脂製のシールリップ5は、ゴム焼付け環2のプレート部2aの他端側において外周ゴム部3のゴムに加硫接着された円環状の取付部5aを有しており、この取付部5aの内周側にリップ状のシール部5bが一体成形されている。このリップ状のシール部5bは一端側に曲げられて、その内周面をもってロールの軸部58の周面に摺動自在に密接する。この樹脂製シールリップ5は、PTFE樹脂を成形材料として円環状ないし蛇の目状に成形されている。
【0061】また、ゴム焼付け環2に焼き付けられた外周シール部3の内周部に、径方向内方に向けて環状のゴム突起部26が一体成形されており、このゴム突起部26がその内周部において、装着状態にあるシールリップ5のリップ状のシール部5bの外周面に接触して、外周シール部3とシールリップ4のリップ状のシール部4bとの間のスペースに充填されている。
【0062】上記構成を備えた連鋳機用シール1は、連鋳機のロールベアリング部に装着され、シールリップ5をもって水・スケール等のダストをシールするものであり、水・スケール用シール4として従来のようにゴムではなくPTFE樹脂製のシールリップ5を備えているために、その材質上の特性から、優れた耐熱性および耐熱水性を発揮し、また優れた耐摩耗性を発揮する。したがって、これらの特性に基づいて、優れた耐久性ないしタフネス性を発揮する水・スケール用シール4を備えた連鋳機用シール1を提供することができる。
【0063】また、この連鋳機用シール1においては、上記したように外周シール部3とシールリップ5のリップ状のシール部5bとの間のスペースを埋めるゴム突起部26が設けられているために、このスペースにスケール等が堆積固着するのを防止することが可能となり、これによりシール性を維持することができる。すなわち外周シール部3とシールリップ5のリップ状のシール部5bとの間にスペースがあると、このスペースにスケールが堆積し固着してシールリップ5の摺動部の面圧が大きくなり、シールリップ5や相手軸58の摩耗が促進してシール性が低下する虞があるのに対し、これを未然に防止することができる。
【0064】尚、上記構成は、ゴム突起部26と相手軸58との間にシールリップ5を挟み込むことになることから、自由状態におけるゴム突起部26の内径寸法をd、軸径をD、シールリップ5の厚さをtとして、d<D+2tを充足し、これによりゴム突起部26に所定の大きさの締めしろを持たせるのが好ましい。
【0065】また、このようにゴム突起部26に所定の締めしろを持たせると、或る程度の使用期間を経てシールリップ5にへたり現象が発生して締めしろが低下したときに、ゴム突起部26がバックアップ作用を奏し、よって締めしろが低下するのを実質的に押えることができる効果もある。
【0066】ゴム突起部26の断面形状は特に限定されないが、上記スペースをできるだけ多くに亙って外部と遮断するものであることが好ましい。
【0067】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。
【0068】すなわち、上記構成を備えた本発明の各請求項による連鋳機用シールにおいては、連鋳機におけるロールベアリング部の水・スケール用シールとして樹脂製シールリップまたは樹脂製シール部材が用いられ、また、この樹脂製シールリップまたはシール部材の成形材料がPTFE樹脂とされているために、その材質上の特性を活かして、シールの耐熱性ないし耐熱水性を向上させることができる。したがって、優れた耐久性を発揮し、優れたシール性を長時間に亙って維持する鋳機用シールを提供することができる。




 

 


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