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発明の名称 オイルシール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−165328(P2001−165328A)
公開日 平成13年6月22日(2001.6.22)
出願番号 特願平11−354136
出願日 平成11年12月14日(1999.12.14)
代理人 【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
【テーマコード(参考)】
3J006
【Fターム(参考)】
3J006 AE05 AE16 
発明者 神田 剛
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 相対回転する二部材(2)(7)のうちの一方の部材(2)に装着され、他方の部材(7)に摺動自在に密接するシールリップ(14)を備え、前記シールリップ(14)に密封流体(11)に対してポンピングをなすねじ溝(15)を設けたオイルシール(1)において、前記ねじ溝(15)に少なくとも一箇所以上の堰(16)を設けるとともに、前記ねじ溝(15)の内面(15c)を逆テーパー状に形成したことを特徴とするオイルシール。
【請求項2】 請求項1のオイルシールにおいて、堰(16)より密封流体(11)側に位置するねじ溝(15)の大気側内面(15c)を逆テーパー状に形成したことを特徴とするオイルシール。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密封装置の一種であるオイルシールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、図9に示すオイルシール51が知られており、以下のように構成されている。
【0003】すなわち先ず、当該オイルシール51を機器のハウジング52の軸孔53内周に装着するために金属製の取付環54が設けられており、この取付環54にゴム状弾性材製のシール部材55が加硫接着されている。このシール部材55は、取付環54の円筒部54aに被着されるとともに装着時に取付環54とハウジング52との間をシールする外周シール部56と、装着時に軸57の周面に摺動自在に密接するシールリップ58とを備えており、この外周シール部56とシールリップ58とが、取付環54のフランジ部54bの内側に設けられた連結部59を介して一体に成形されている。
【0004】また、取付環54のフランジ部54bとシール部材55の連結部59との間に樹脂製の第二シール部材60が非接着で挟み込まれており、この第二シール部材60にも、軸57の周面に摺動自在に密接するシールリップ61が設けられている。この樹脂製のシールリップ61は、上記したゴム製のシールリップ58の内周側に同じ方向へ向けて配置されており、またこの樹脂製シールリップ61の内周面に、密封流体62に対してポンピング作用をなすねじ溝63が設けられている。このねじ溝63は、樹脂製シールリップ61の先端部61aから基端部61bに至るまで連続した一本の溝として形成されており、よって樹脂製シールリップ61を軸57に外挿すると、このねじ溝63を介して樹脂製シールリップ61およびゴム製シールリップ58の間の空間64と大気側の空間65とが連通せしめられる。
【0005】上記構成を備えたオイルシール51は、ハウジング52の軸孔53内周に気密的に嵌着され、軸57の回転停止時には、ゴム製シールリップ58が軸57の周面に密接することによって密封流体62をシールする。また軸57の回転時にもゴム製シールリップ58が軸57の周面に摺動自在に密接することによって密封流体62をシールするが、密封流体62の一部がゴム製シールリップ58と軸57との摺動部を通過して両シールリップ58,61間の空間64に浸入し、更にねじ溝63に浸入するようなことがあると、ねじ溝63が軸57との相対回転に伴ってポンピング作用を奏し、このポンピング作用によって密封流体62を空間64側へ押し戻す。
【0006】したがって、上記構成のオイルシール51によれば、ねじ溝63の奏するポンピング作用によって優れたシール効果を発揮することが可能であるが、このオイルシール51には、なお、以下のような不都合がある。
【0007】すなわち、上記したように樹脂製シールリップ61の内周面に設けられたねじ溝63が両シールリップ58,61間の空間64と大気側の空間65とを連通させるように一本の連続した溝として形成されているために、このねじ溝63を設けた樹脂製シールリップ61の密封流体62側にゴム製シールリップ58を併設しないと、軸57の停止時に密封流体62がねじ溝63を伝って大気側へ漏洩してしまうことになる。したがって上記オイルシール51においては、ねじ溝63を設けたシールリップ61の密封流体62側に必ず第二のシールリップ58を設け、この第二のシールリップ58によって密封流体62がねじ溝63を伝って漏洩するのを防止しなければならない。
【0008】しかしながら、この第二のシールリップ58は上記したようにゴム製のシール部材55にその一部として設けられており、このシール部材55はシールリップ58の他に連結部59および外周シール部56を一体に備えて比較的大型の部品として成形されている。
【0009】したがって、上記オイルシール51においては、シールリップ58、連結部59および外周シール部56を一体に備えた大型のシール部材55が必須部品とされることから、オイルシール51全体の製品重量が比較的重いと云う不都合があり、また、この大型のシール部材55を成形するために多くのゴム材料が必要なことから、材料コストが比較的高いと云う不都合がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の点に鑑み、ねじ溝を設けたシールリップの密封流体側に第二のシールリップを設けなくても密封流体がねじ溝を伝って漏洩することがなく、もってオイルシールの構成部品から第二のシールリップないしこれを含む部品を省略することが可能であるとともに、密封流体側の圧力の上昇に応じてシールリップの他方の部材に対する押付け力を大きくすることができ、もって優れたシール性能を発揮することが可能なオイルシールを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるオイルシールは、相対回転する二部材のうちの一方の部材に装着され、他方の部材に摺動自在に密接するシールリップを備え、前記シールリップに密封流体に対してポンピングをなすねじ溝を設けたオイルシールにおいて、前記ねじ溝に少なくとも一箇所以上の堰を設けるとともに、前記ねじ溝の内面を逆テーパー状に形成したことを特徴とするものである。
【0012】また、本発明の請求項2によるオイルシールは、上記した請求項1のオイルシールにおいて、堰よりも密封流体側に位置するねじ溝の大気側内面を逆テーパー状に形成したことを特徴とするものである。
【0013】上記構成を備えた本発明の請求項1によるオイルシールのように、シールリップにねじ溝を設けると、このねじ溝の奏するポンピング作用によって密封流体を押し戻すことが可能となり、ねじ溝に少なくとも一箇所以上の堰を設けると、この堰の奏する堰止め作用によって相対回転の停止時に密封流体がねじ溝を伝って漏洩するのを防止することが可能となる。すなわち、ねじ溝を伝って油等の密封流体が洩れようとするのを、ねじ溝の一部に設けた堰によって堰き止めることによりシールするものである。
【0014】またこれに加えて、このオイルシールにおいては、ねじ溝の内面が逆テーパー状に形成されているために、この逆テーパー状の内面にねじ溝内の内圧が作用して、シールリップを他方の部材に押し付ける分力が発生し、この分力によってシールリップが他方の部材に強く押し付けらける。また、シールリップが他方の部材に強く押し付けられると、堰も他方の部材に強く押し付けられ、これらの押付け力は密封流体側の圧力の上昇に応じて大きくなる。したがって、このようにねじ溝の内面を逆テーパー状に形成することによって当該オイルシールのシール性能を一層向上させることか可能となり、例えば、高圧下でのエアーシール性が不足するときに、これを補うことが可能となる。
【0015】尚、このエアーシール性についての技術的内容は以下のようなものである。
【0016】すなわち、シールリップにねじ溝を設けた一般のオイルシールにおいて、シールリップが他方の部材に接触した状態で密封流体側の圧力が上昇すると、図10のグラフ図に示すようにエアー洩れ量の増加が認められることがあり、このときのシールリップの他方の部材との接触状態を確認すると、エアーがねじ溝に沿ってではなくスラスト方向に直に漏れる場合があり、これに対して、このスラスト方向のエアー漏れを防止するには、シールリップの他方の部材に対する密接力を増大させる必要がある。したがって、上記本発明の請求項1によるオイルシールのように、ねじ溝の内面を逆テーパー状に形成することによってシールリップの他方の部材に対する密接力を大きくすると、このスラスト方向のエアー漏れを有効に防止することが可能となる。逆テーパー状にするのは、密封流体に近くかつエアー漏れ経路に抗する配置となることから、請求項2に示すように、堰より密封流体側に位置するねじ溝の大気側内面とするのが好適である。
【0017】
【発明の実施の形態】つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
【0018】図1は、当該実施例に係るオイルシール1の装着前の状態を示す半裁断面図である。図2は、ねじ溝15を設けたシールリップ14の正面図であって図1におけるA方向矢視図であり、このシールリップ14を図2のB−B線で裁断した状態が図1に描かれており、C−C線で裁断した状態が図3に描かれている。図4は図2の一部拡大図である。また、図5はは当該オイルシール1の装着状態を示す半裁断面図であり、その要部を拡大したところが図6および図7に描かれている。また、図8は図6におけるD−D線断面図である。
【0019】当該実施例に係るオイルシール1は先ず、当該オイルシール1を機器のハウジング2(図5参照)の軸孔3内周に装着するための金属製の取付環4を備えており、この取付環4にゴム状弾性材製のシール部材(第一シール部材とも称する)5が加硫接着されている。このシール部材5は、取付環4の円筒部4aの外周面および軸方向端面に被着されるとともに装着時に取付環4とハウジング2との間をシールする外周シール部6と、装着時に軸7(図5参照)の周面に摺動自在に密接するシールリップ8とを備えており、この外周シール部6とシールリップ8とが、取付環4のフランジ部4bの外側端面に被着された連結部9を介して一体に成形されている。但し、このシールリップ8は、上記従来技術におけるゴム製のシールリップ58とは違って、装着時に大気側の空間10(図5参照)から密封流体11(図5参照)側へダスト等の異物が侵入しないようにするダストシールであって、取付環4のフランジ部4bの内周側に配置されており、後記する樹脂製のシールリップ14とは装着時に軸方向反対側を向くことになる。
【0020】取付環4の円筒部4aの内周側であってフランジ部4bの内側に、樹脂製の第二シール部材12が設けられている。この第二シール部材12は、四弗化エチレン樹脂(PTFE)等の所定の樹脂を成形材料として平板状であってかつ蛇の目状に成形されており、その外周寄りの基端部12aを取付環4の円筒部4aの内周側に所定の締め代をもって嵌着することにより取付環4に対して固定されている。基端部12aと取付環4のフランジ部4bとの間には、第一シール部材5に一体成形されるとともにフランジ部4bの内側端面に被着された内側シール部13が設けられており、この内側シール部13によって第二シール部材12と取付環4との間がシールされる。尚、第二シール部材12の取付環4に対する固定手段は、嵌着の他、接着等であっても良く、その固定手段は特に限定されず、図示しない専用の固定部材を用いるものであっても良い。
【0021】第二シール部材12の内周寄りの部分はシールリップ14とされており、このシールリップ14の自由状態における外側端面14aに、密封流体11に対してポンピング作用をなすねじ溝(ネジ溝部とも称する)15が設けられている。図2に示すように、このねじ溝15は、シールリップ14の内周端部14bから外周端部14cに至る連続した一本のスパイラル状の溝として形成されており、このねじ溝15のスパイラルの途中に、溝を形成しておらず、よってねじが途中で途切られた形状ないし構造の堰(シールダム部とも称する)16が所要数設けられている。図では、ねじ溝15一周分の間に、この堰16が四箇所等配状に設けられており、各堰16はシールリップ14の外側端面14aに対して面一状に形成されている。また、ねじ溝15は、堰16よりも外径側(装着時における大気側)は断面三角形に形成されているが、堰16よりも内径側(装着時における密封流体側)は、図7に拡大して示すように、密封流体側内面15a、底面15bおよび大気側内面15cを備えた断面四角形に形成されており、密封流体側内面15aは外側端面14aに対して直角に形成されているが、大気側内面15cは外側端面14aに対して所定の角度(鈍角)θ(90°<θ<180°)を備えた逆テーパー状に形成されている。したがって、この部分において、ねじ溝15は一種の蟻溝である。
【0022】図5および図6の装着状態図に示すように、当該オイルシール1がハウジング2の軸孔3内周に嵌着されると、外側端面14aにねじ溝15を設けたシールリップ14は軸7に外挿されて軸7によってラッパ状に広げられる。シールリップ14の内周端部14bは機内側すなわち密封流体11側を向き、よって外側端面14aが内周面となって軸7の周面に密接する。ねじ溝15はシールリップ14の内周端部14bから外周端部14cまで設けられているので、その途中に堰16が設けられていなければ、このねじ溝15を介して密封流体11を封入した機内側空間と大気側空間10とが連通せしめられるが、堰16が設けられているために、この連通はその途中で途切られた状態にある。したがって、軸7の回転停止時、ねじ溝15のポンピングが作用していない状態で密封流体11の一部がねじ溝15を伝って大気側に流れても、この流れは堰16によってねじ溝15の途中で堰き止められる。したがって、軸7の回転停止時、密封流体11が大気側へ漏洩するのを防止することができ、しかも、ねじ溝15を設けた唯一のシールリップ14によって密封流体11をシールすることができる。
【0023】また、機器の作動に伴って軸7が回転すると、ねじ溝15にポンピングが作用し、ねじ溝15に浸入した密封流体11を機内側へ押し戻す矢印x方向の力が作用する(図6参照)。したがって、ねじ溝15の奏するこのポンピング作用によって密封流体11を機内側へ押し戻し、これにより密封流体11が大気側へ漏洩するのを防止することができる。また、この軸7の回転時には、軸7の偏心とシールリップ14の偏心による挙動の位相差によって堰16と軸7との間に動的な隙間が発生するために、ねじ溝15の奏するポンピング作用はその性能が、堰16を設けていない従来のものと殆ど変わるところがない。したがって、軸7の回転時についても、ねじ溝15を設けた唯一のシールリップ14によって密封流体11をシールすることができる。
【0024】以上のように、当該オイルシール1によれば、軸7の停止時および回転時を問わず、ねじ溝15を設けた唯一のシールリップ14によって密封流体11を充分にシールことが可能である。したがって、ねじ溝15を設けたシールリップ14の密封流体11側に第二のシールリップを設けなくても密封流体11がねじ溝15を伝って漏洩することがなく、もってオイルシール1の構成部品から第二のシールリップないしこれを含む部品を省略することが可能である。したがって、この第二のシールリップないしこれを含む部品を省略し得た分、当該オイルシール1の重量を軽量化することができ、材料コストの点でも有利な製品を提供することができる。
【0025】またこれに加えて、当該実施例に係るオイルシール1においては、堰16よりも内径側(装着時における密封流体11側)に位置するねじ溝15の大気側内面15cが逆テーパー状に形成されているために、図7に示したように、この逆テーパー状の内面15cにねじ溝15内の内圧pが作用することによりシールリップ14を軸7に押し付ける分力が発生し、この分力によってシールリップ14が軸7の周面に強く押し付けらける。また、シールリップ13が軸7の周面に強く押し付けられると、堰16も軸7の周面に強く押し付けられ、これらの押付け力は密封流体11側の圧力の上昇に応じて大きくなる。したがって、このようにねじ溝15の内面15cを逆テーパー状に形成することによって当該オイルシールのシール性能を一層向上させることか可能となり、上記したような高圧下でのエアーシール性を向上させることができる。尚、図8に示したように、ねじ溝15内に位置する堰16の端面16a(特に密封流体側端面)を逆テーパー状に形成しても、やはり堰16を軸7の周面に強く押し付けることができる効果がある(この堰16の端面16aもねじ溝15の内面の一部である)。
【0026】また、当該実施例におけるオイルシール1の形状ないし構造も単なる例示であって、本発明の技術的範囲には、ねじ溝15を備えた様々な種類のリップシールが含まれる。シールリップ14は装着前からラッパ状に広げられたものであっても良く、その材質は樹脂以外のゴム等であっても良い。また、堰16よりも外径側のねじ溝15の断面形状を図では三角形としたが、半円形、矩形または台形等としても良い。
【0027】
【発明の効果】本発明は、以下の効果を奏する。
【0028】すなわち先ず、上記構成を備えた本発明の請求項1によるオイルシールにおいては、ねじ溝に少なくとも一箇所以上の堰が設けられているために、この堰の奏する堰止め作用によって相対回転の停止時に密封流体がねじ溝を伝って漏洩するのを防止することが可能であり、ねじ溝を設けたシールリップの密封流体側に第二のシールリップを設けなくても、密封流体がねじ溝を伝って漏洩するのを防止することが可能である。したがって、オイルシールの構成部品から第二のシールリップないしこれを含む部品を省略することができ、これにより製品重量の軽量化および材料コストの低減化等を実現することができる。
【0029】また、ねじ溝の内面が逆テーパー状に形成されているために、密封流体側の圧力の上昇に応じて、シールリップの他方の部材に対する押付け力および堰の他方の部材に対する押付け力を大きくすることができ、これにより高圧下におけるエアーシール性等についてのシール性能を一層向上させることができる。
【0030】またこれに加えて、上記構成を備えた本発明の請求項2によるオイルシールにおいては、密封流体に近くかつエアー漏れ経路に抗する配置となる堰よりも密封流体側のねじ溝の大気側内面が逆テーパー状に形成されているために、エアー漏れを一層有効に防止することができる。




 

 


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