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発明の名称 合成樹脂製シールリングの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−165313(P2001−165313A)
公開日 平成13年6月22日(2001.6.22)
出願番号 特願平11−354135
出願日 平成11年12月14日(1999.12.14)
代理人 【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
【テーマコード(参考)】
3J043
3J044
【Fターム(参考)】
3J043 AA02 AA12 AA16 BA05 CA12 CB13 DA10 DA11 
3J044 AA14 AA18 BA06 BC06 DA09 EA02
発明者 梅原 俊彦 / 瀧戸 雅章
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 円周方向に有端の合成樹脂製シールリング(3)の製造において、前記シールリング(3)の軸方向両端面(3a,3b)の突切り加工を内径側から外径側へ向けて行うことを特徴とする合成樹脂製シールリングの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等における回転軸、往復動軸あるいはピストン等に装着されてシールを行い、円周方向一箇所が分割された有端形状の合成樹脂製シールリングの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、回転軸、往復動軸あるいはピストン等の外周に装着されるシールリングとして、図3(A)に示されるように、円周方向一箇所が分割された有端リング形状のものが知られている。この種のシールリング100は、例えば摺動性に優れると共に適度な柔軟性を有するPTFE(四フッ化エチレン樹脂)等の合成樹脂材からなるものであって、円周方向両端部101,102が互いに密接し合うほぼ真円状をなし、内径が、装着対象の軸部等の外周面に形成されたリング溝の溝底の径と略同等に形成されている。したがってこのシールリング100の装着は、前記両端部101,102の間隔を開くようにして拡径変形させながら、その弾性による復元力で、前記リング溝内に外周側から嵌め込むことによって行われる。
【0003】ところが、合成樹脂製のシールリング100は、両端部101,102を互いに開くように拡径変形させると、装着前の真円形状に完全には戻らず、このため前記両端部101,102間が開いたまま、軸部のリング溝内から部分的に大きくはみ出してしまう。したがって、前記シールリング100を装着した軸部を相手側ハウジングの内周孔へ挿入する際に、前記内周孔の開口部にシールリング100の外周部が干渉し、シールリング100に大きな負荷が掛かるといった問題が指摘される。
【0004】また、このような問題を解決する技術が、例えば特許第2729886号公報に開示されている。この公報に開示された合成樹脂製シールリング100’も、四フッ化エチレン樹脂等からなるもので、予めその内径よりも小径のものに抱き付かせて加熱処理することによって、図3(B)に示されるように、両端部101,102よりも内側の部分103,104が交差するように癖付けされているものである。このため、前記両端部101,102の間隔を拡げながら軸部等のリング溝に装着すると、癖付けにより与えられた締め付け力で自身を前記リング溝の溝底に固定するので、組み込み性が向上するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公報に開示された従来のシールリング100’は、その製造において、有端リング形状への加工後に癖付けの工程が必要になるため、工数が増大し、コストの上昇を来す問題がある。また、前記癖付け工程においては、シールリング100’を楕円形状に固定させて変形を与えるため、装着状態においてほぼ完全な真円形状には復元されにくくなる。したがって装着対象のリング溝の溝底に全面が密着せず、癖付けをしないシールリングに比較してシール性能が低下する問題がある。
【0006】本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、その主な技術的課題とするところは、製造における工数を増大させることなく、組み込み性及びシール性に優れた有端形状の合成樹脂製シールリングを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】シールリングの装着過程での締め付け力の減少による円周方向両端部間の開きや、癖付け等に起因する非円形状への変形をなくすためには、シールリングに部分的な外力を加えることなく、拡径変形に対する復元力が補償されるようにする必要がある。そこで、このような技術的課題を有効に解決するための手段として、本発明に係る合成樹脂製シールリングの製造方法は、円周方向に有端の合成樹脂製シールリングの製造において、前記シールリングの軸方向両端面の突切り加工を内径側から外径側へ向けて行うものである。
【0008】筒状の材料から環状体を得る突切り加工は、通常、回転させた筒状体の外径側から内径側へ向けて突切り刃具を送って切削することにより行われるが、本発明においては、突切り加工を内径側から外径側へ向けて行うことによって、シールリングを縮径させる方向の内部応力を発生させる。この内部応力は、前記突切り刃具による内径側からの切削に伴って与えられる剪断作用に起因するものである。このため、前記内部応力は円周方向に対して均一に分布することになり、したがって、この方法により製造されたシールリングには円周方向一部に部分的な変形を生じることがない。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る合成樹脂製シールリングの製造方法の一実施形態を概略的に示すもので、図1(A)における符号1は、合成樹脂材を圧縮成形し、かつ焼成することにより得られた円筒体である。
【0010】円筒体1に使用される合成樹脂材の材質については特に限定されないが、好適な例として、代表的には、摩擦係数が著しく低いPTFE材料(テトラフルオロエチレン単体、又はテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロプロピルビニルエーテル等との共重合体)や、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等が挙げられる。
【0011】また、上記合成樹脂材に混合される充填材についても特に限定されず、例えばガラス繊維、ガラス粉末、炭素繊維、炭素粉末、無機ウィスカー(炭化珪素、窒化珪素、アルミナ粉末等)、金属粉末(銅、亜鉛、ニッケル、アルミニウム、黄銅、青銅等)、金属化合物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等)、合成樹脂粉末(ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリパラオキシベンゾイル等)等が挙げられる。
【0012】上記円筒体1は、突切り刃具2を用いた旋削によって突切り加工される。すなわち、円筒体1を軸心Oを中心として回転させ、その内周面に軸方向所定位置で突切り刃具2を当てて外径方向へ送ることによって、前記円筒体1が切りくずを発生しながら内径側から外径側へ向けて切削されて行き、所定の軸方向厚さtをもって切断される。そして、これにより得られた環状体の円周方向一部を、図1(B)に示されるように、前記突切り加工された軸方向両端面3a,3bと垂直に切断Cすることによって、円周方向に対して有端の合成樹脂製シールリング3が得られる。
【0013】上述の工程によって得られたシールリング3には、突切り加工を内径側から外径側へ向けて行ったことに起因して、内径側からの剪断作用による縮径方向の内部応力が円周方向に対して均一に与えられる。したがって、このシールリング3は、従来のように部分的な外力を加えて癖付けを施した場合と異なり、ほぼ真円状をなし、円周方向両端部31,32の互いの対向面同士が、適当な面圧で密接し合っている。なお、図1(B)の状態におけるシールリング3の内径φは、装着対象の軸部等の外周面に形成されたリング溝(図示省略)の溝底面の径とほぼ同等になるように形成される。
【0014】したがって、シールリング3の円周方向両端部31,32を開くようにしながら、このシールリング3を軸部等のリング溝に装着する過程で、シールリング3が強制的に拡径変形されることによる締め付け力の減少は、上述した突切り加工において与えられた縮径方向の内部応力によって補償される。このため、前記リング溝への装着後は、図1(B)に示される装着前の形状に容易に復元され、適当な締め付け力で自身を前記リング溝の溝底面に固定するので、組み込み性が向上する。しかも、前記内部応力が円周方向に対して均一に分布していることによって、装着状態においてほぼ真円状に復元され、全周が相手部材と良好な密接状態となるので、優れたシール性を発揮することができる。
【0015】また、軸方向両端面3a,3bに内径側からの剪断作用による縮径方向の内部応力を与えれば、どのような方法であっても上述の効果は得られるが、本発明においては、製造過程で内径側からの突切り加工によって前記内部応力を得るものであるため、有端リング形状への加工後に、内部応力を与えるための特別な工程を必要とせず、したがって工数の増加及びこれに伴う製造コストの上昇を来さない。
【0016】なお、図1(A)に示されるように、円筒体1の突切り加工を内径側から行うことで、合成樹脂材からなる円周方向有端形状のシールリングであれば、どのような材質のものでも上述の効果が得られるが、特に、結晶化度が小さい合成樹脂材であるほど、言い換えれば弾性、耐衝撃性、耐疲労性等に寄与する非晶部分の割合が大きいほど、顕著な効果が実現されることが、後述の実施例により確認されている。
【0017】また、図示の実施形態では、シールリング3の円周方向一箇所に形成される切断部分が、軸方向両端面3a,3bに対して垂直で、かつ径方向に延びる平面をなしているが、その切断形状は図示のものに特に限定されるものではなく、すなわち切断形状とは無関係に上記効果を得ることができる。
【0018】[実施例]粒径1〜100μmのカーボン粉末を混合した結晶化度56%、51%、及び43%の各PTFE材料を用いて、それぞれ内径が94.5mm、外径が103.5mmの円筒体を製作し、これら各円筒体を、軸方向厚さが3.0mmとなるように、内径側から外径側へ向けて突切り加工した。次に、前記突切り加工によって得られた環状体の円周方向一部を、軸方向両端面に対して垂直に切断することによって有端リング形状とし、その切断面を軸方向へ意図的にずらしたところ、図2(A)に示されるように、円周方向両端部が互いにクロスするように縮径したため、クロスした寸法をカット部の負のスキマ寸法として計測した。計測結果は下の表1のとおりであった。なお、結晶化度としては、DSC(示差走査熱量計)によって得られた数値を採用した。
【表1】

【0019】[比較例]上記実施例で用いたものと同様の、結晶化度の異なるPTFE材料で製作した各円筒体を、軸方向厚さが3.0mmとなるように、外径側から内径側へ向けて突切り加工した。次に、前記突切り加工によって得られた各環状体の円周方向一部を、軸方向両端面に対して垂直に切断することによって有端リング形状としたところ、図2(B)に示されるように、カット部(円周方向両端部)が互いに開いたため、そのスキマ寸法を正の値として計測した。計測結果は下の表2のとおりであった。
【表2】

【0020】上述の計測結果から明らかなように、外径側から内径側へ向けて突切り加工することによって得られた比較例1〜3は、切削時の剪断作用が外周側に働くことにより、円周方向一部を切断した時に拡径してカット部にスキマを生じたのに対し、内径側から外径側へ向けて突切り加工することによって得られた実施例1〜3は、切削時の剪断作用が内周側に働くことにより縮径力が与えられることが、負のスキマの発生により確認された。
【0021】また、上記表1,2によると、PTFEの結晶化度が小さいものほどカット部スキマ寸法の絶対値が大きくなっていることがわかる。したがって本発明の効果は、非晶部分の割合が大きいほど、顕著であることが確認された。
【0022】
【発明の効果】本発明に係る合成樹脂製シールリングの製造方法によると、軸方向両端面の突切り加工を内径側から外径側へ向けて行うことによって、シールリングを縮径させる方向の内部応力が与えられるため、軸部等のリング溝への組み込み性に優れた合成樹脂製シールリングを提供することができる。また、本発明の製造方法により得られるシールリングには、前記内部応力が円周方向に対して均一に分布しているため、円周方向一部に部分的な変形を生じないほぼ真円状態で装着されてシール性の向上を図ることができ、しかも、これらの効果を、工数を増大させることなく実現することができる。




 

 


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