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発明の名称 制御弁
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−141086(P2001−141086A)
公開日 平成13年5月25日(2001.5.25)
出願番号 特願平11−317531
出願日 平成11年11月8日(1999.11.8)
代理人 【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信 (外1名)
【テーマコード(参考)】
3H045
3H056
3H059
【Fターム(参考)】
3H045 AA04 AA10 AA13 AA27 BA19 CA01 DA25 EA33 
3H056 AA09 BB01 BB47 CA07 CB05 CC12 CD01 CD03 CE01 GG03 GG04 GG13
3H059 AA12 BB06 CA17 CB04 CC02 CD03 CD11 CD12 CE04 CE05 EE01 EE13 FF05 FF12 FF15
発明者 東堂園 英樹
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 弁体の開閉動作を行なう移動部材と、周囲の圧力に応じた推力を発生して前記移動部材に付勢力を与えるベローズ組立体と、を備えた制御弁において、前記ベローズ組立体は、密閉された圧力室を形成するベローズコアと、ベローズコアの端部に固定される保持部材と、前記ベローズコアの外側に配置されると共に前記保持部材に設けられたフランジ部に当接してベローズコアを伸長方向に付勢するバネ部材と、を備えることを特徴とする制御弁。
【請求項2】 前記バネ部材は、コイルスプリングであることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
【請求項3】 前記移動部材に付勢力を与え、前記ベローズ組立体による付勢力と協働して弁体の開閉位置をバランス制御可能としたソレノイドを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の制御弁。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制御弁に関し、詳しくは制御弁に備えられたベローズ組立体の作動安定性と制御弁の制御特性を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術において、例えば車両の空調装置(いわゆるカーエアコン)の冷媒圧縮に用いられる可変容量型の圧縮機の出力制御を可能とする制御弁として用いられるソレノイドバルブがある。
【0003】このようなソレノイドバルブの基本的な構成と、圧縮機との接続及び流体の制御動作は、本出願人らによる特開平9−268973号公報に詳細が記載されているが、室内温度と相関のある圧縮機の吸入圧力(Ps)に応じ、吐出圧力(Pd)とクランク室圧(Pc)を連通させ、圧縮機の能力を可変させている。
【0004】図4は、従来技術の一例としての可変容量型の圧縮機を制御するソレノイドバルブの断面構成説明図である。
【0005】このソレノイドバルブ100は、概略ソレノイド部102とバルブ部103及びベローズ組立体110により構成されている。
【0006】ソレノイド部102は、概略円筒状のバルブボディ104の一方の端部に配置され、公知技術による一般的に使用されているものと同様のものであり、電流をコイル102aに供給して磁力を発生させ、スプリング112により反センタポスト102c側へと付勢されているプランジャ102bをセンタポスト102cへと引き付けることで、電流値に応じた大きさの付勢力(比例制御されたソレノイド吸引力)を発生可能としている。
【0007】バルブ部103は、バルブボディ104の内部に形成された弁室103aの中に弁体103bが配置され、この弁体103bは弁室103aに開口する弁座103cに接離するように、弁室103a内を軸方向に移動可能な構成となっている。また、弁体103bはセンタポスト102cの内筒部を通るソレノイド側ロッド102dと一体化され、プランジャ102bの付勢力が伝達される。
【0008】尚、バルブ部103の弁室103aにはポート103eが接続し、弁座103cにはポート103fが接続している。
【0009】バルブボディ104のソレノイド部102とは反対側の他方の端部には、ベローズ組立体110が配置されている。
【0010】ベローズ組立体110は、内部を真空状態または一定圧として密封したベローズコア110aと、ベローズコア110aの両端部を保持するストッパ110b,ホルダ110cとベローズコア110aの内部で伸長して付勢力を与え、つぶれを防止するスプリング110dを備えている。
【0011】そして、ベローズ組立体110はベローズケース111の内部に収容されている。
【0012】ホルダ110cのソレノイド部102側に設けられた保持部110eには接続ロッド110gが接続し、周囲の圧力(吸入圧力Ps)に応答して伸縮するベローズコア110aが所定の長さ以上に伸長した場合に(吸入圧力Psが低下した場合)接続ロッド110gが弁体103bに当接して開弁方向の付勢力を与える。
【0013】従って、ソレノイド部102による閉弁方向の付勢力に対してベローズ組立体110による付勢力がバルブ103bを開弁する方向に加わり、バルブ103bの開閉制御(バランス制御)がなされ、吐出圧力Pdからクランクケース圧力Pcへの冷媒の流量制御が行われる。
【0014】尚、圧縮機の吸入圧力Ps、吐出圧力Pd、クランクケース圧力Pcに関しては、上記特開平9−268973号公報に詳細が記載されているのでここでは簡略的に説明する。
【0015】圧縮機の冷房能力の調整(吐出圧力Pd)においては、例えば、冷媒が気化して吸熱作用を伴うエバポレータを通過する冷風の吹き出し温度(冷風の吹き出し量及び冷却前の温度にも関係する)と圧縮機の冷媒の吸入圧力Psは相関関係を有することから(冷風温度が上がると吸入圧力Psは上昇し、冷風温度が下がると吸入圧力Psは下降する)、吸入圧力Psの変化を利用して圧縮機の出力(吐出圧力Pd)を調整するために角度が変化する斜板を所定の角度(斜板はクランクケース圧力Pcにより傾き角θが変化する)に設定する制御により行なわれている。
【0016】上記の構成のソレノイドバルブ100のバルブ部103の開弁時のバランス制御は、図5のバランス状態模式図を表わした以下の数式1を満足するように行われている。
【0017】但し、f0:ベローズ初期セット荷重(0又は吸入圧力Psの変化に応じて一定)
f1:スプリング112による付勢力F :ソレノイド推力A :ベローズ有効受圧面積B :接続ロッド110g部の受圧面積及び弁座103c部の受圧面積Pc:クランクケース圧力Pd:吐出圧力Ps:吸入圧力 f0−PsA+PsB−PdB−PcB+f1−F=0 (数式1)
である。
【0018】数式1において、閉弁時から開弁ポイントまでは、Pc=Psとなるため、開弁ポイントでは、Ps=(f0+f1−F)/A (数式2)
となる。
【0019】数式2において、各スプリングの付勢力及びソレノイド推力のバランスをとると、例えば図6に示す目標制御圧特性を得ることができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の構成では、図7に示されるように、ベローズコア110aの偏心やベローズコア110aの肉厚の偏り等によりベローズ組立体110に傾きが発生する虞がある。
【0021】例えば、ベローズ組立体110に角度αの傾きが発生すると、図8に示すように、ベローズ推力Fbは、軸方向にベローズ軸方向荷重Ff(=Fb・cosα)、直交方向(軸方向に直交する方向)にベローズ直交方向荷重Fs(=Fb・sinα)に分散される。
【0022】この傾きをバルブロッド(ソレノイド側ロッド102dと接続ロッド110g)により矯正しようとすると、ベローズ直交方向荷重Fsがバルブロッドの直交方向荷重(軸方向に直交する方向の荷重)となり、バルブロッドの摺動抵抗が増加してしまう。
【0023】この摺動抵抗は、図6におけるヒステリシスとなり、その結果、Ps制御圧力にヒステリシスが発生してしまう。
【0024】本発明は、上記した従来技術の問題を解決するものであり、その目的とするところは、制御弁に備えられたベローズ組立体の伸縮時の傾きを抑えて推力発生方向を安定させ、ベローズ組立体からの推力を受けるバルブロッドのスムーズな摺動動作を可能とし、よって制御動作のヒステリシスを抑えることの可能とする制御弁を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明の制御弁にあっては、弁体の開閉動作を行なう移動部材と、周囲の圧力に応じた推力を発生して前記移動部材に付勢力を与えるベローズ組立体と、を備えた制御弁において、前記ベローズ組立体は、密閉された圧力室を形成するベローズコアと、ベローズコアの端部に固定される保持部材と、前記ベローズコアの外側に配置されると共に前記保持部材に設けられたフランジ部に当接してベローズコアを伸長方向に付勢するバネ部材と、を備えることを特徴とする。
【0026】このように構成することにより、バネ部材が前記ベローズコアの外側に配置されるので、ベローズコアの倒れに抵抗するモーメントが大きく設定され、ベローズ組立体による推力の方向を定めることができる。
【0027】前記バネ部材は、コイルスプリングであることも好適であり、ベローズコアの外側を全周的に付勢しているので、ベローズコアのどの方向の倒れに対しても反力が働き、軸方向が一定となる。
【0028】前記移動部材に付勢力を与え、前記ベローズ組立体による付勢力と協働して弁体の開閉位置をバランス制御可能としたソレノイドを備えることも好適である。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、実施の形態の制御弁としてのソレノイドバルブ1の断面構成を説明する図である。このソレノイドバルブ1は、例えば、車両の空調装置に用いられる可変容量ポンプ(従来技術の項にて説明した圧縮機と同様のもの)の吸入圧Psの制御を行なうものとして用いられる。
【0030】吸入圧Psの制御は、可変容量ポンプの吐出圧Pdとクランク室圧Pcとを、吸入圧Psに応答する圧力応答手段としてのベローズ組立体10の付勢力とソレノイド部2のソレノイド推力とをバランスさせてバルブ部3を制御することにより結果的に行なわれる。
【0031】ソレノイドバルブ1は、概略ソレノイド部2とバルブ部3及びベローズ組立体10により構成されている。
【0032】ソレノイド部2は、円筒状のバルブスリーブであるバルブボディ4の一方の端部に配置され、電流をコイル2aに供給して磁力を発生させ、プランジャ2bをセンタポスト2cへと引き付けることで、電流値に応じた大きさの付勢力(ソレノイド推力)を発生可能としている。
【0033】尚、プランジャ2bとセンタポスト2cの対向面の形状は、比例制御に好適な形態とするために、プランジャが移動しても各電流ごとの推力の変化を抑えるような特性を得るために円錐形状としている。
【0034】プランジャ2bは、スリーブ2dの内周面が摺動支持部となり、スリーブ2dの内周面に沿って軸方向にガタのないスムーズな摺動が行われる。
【0035】バルブ部3は、バルブボディ4の内部に形成された弁室3aにバルブロッド5と一体化されている弁体3bを備え、この弁体3bは弁室3aに開口する弁座3cに接離するように、弁室3a内を軸方向に移動可能な構成となっている。
【0036】尚、バルブ部3の弁室3aにはバルブボディ4の周壁を貫通するポート3eが接続し、弁座3cには同じくポート3fが接続している。ポート3fには可変容量ポンプの吐出圧Pdが導入され、ポート3eは吐出圧Pdをバルブ部3により制御して得られるクランク室圧Pcとなっている。
【0037】弁体3bは、バルブボディ4の内筒部に摺動自在に配置される一体構成物としてのバルブロッド5の中央部の一部を縮径させた小径部5aに面する端面5bと弁座3cとの距離によって圧力/流量を制御する。
【0038】バルブロッド5の弁体3bよりもソレノイド部2側は、センタポスト2cの内筒部を貫通しプランジャ2bと接続している。
【0039】また、バルブロッド5は、弁体3bよりもベローズ組立体10側にバルブボディ4の内筒部4aが摺動支持部となる接続ロッド5eを有している。
【0040】バルブボディ4のソレノイド部2とは反対側の他方の端部には、ベローズケース11が取り付けられ、ベローズ組立体10がその中に収容配置されている。
【0041】図2はベローズ組立体10の拡大断面構成図であり、ベローズ組立体10は内部を真空状態または一定圧に密封した圧力室を備えるベローズコア10aと、ベローズコア10aの両端部を保持する保持部材としてのストッパ10b,ホルダ10cとベローズコア10aの外側に配置され、伸長して付勢力を与え、つぶれを防止するコイル状のスプリング10dを備えている。
【0042】ベローズコア10aは蛇腹状の筒状部材であり、両端部がストッパ10b,ホルダ10cの嵌合部10b1,10c1にロー付け等により密封性を保つように接合固定されている。
【0043】ストッパ10bは、ベローズケース11の開口部11aに縮径部となる嵌め込み部10b2により固定される。尚、ストッパ10bの固定の際にベローズ組立体10の軸方向は、基本的にバルブロッド5の軸方向と同軸となるようにベローズ組立体10の姿勢が定められている。
【0044】ホルダ10cには、ベローズコア10aよりも大径となるフランジ部10c2が設けられ、スプリング10dの一端が当接し、その付勢力を受ける受圧部となっている。また、ベローズコア10aとは反対側の端部には、接続ロッド5eの先端部が緩く嵌まり込む嵌合凹部10c3が設けられている。
【0045】スプリング10dの他端は、ベローズケース11に当接し、開口部11aの周囲の段部11bにより位置決めされている。
【0046】ベローズ組立体10は、ベローズコア10aの周囲に導入される圧力(吸入圧Ps)に応答して伸縮して推力を発生するもので、嵌合凹部10c3に当接する接続ロッド5e(バルブロッド5)を介して弁体3bに付勢力を与えている。
【0047】ベローズコア10aの外側に配置されるスプリング10dを備えることで、ベローズコア10aの倒れに抵抗するモーメントが大きく設定され、ベローズ組立体10による推力の方向を定めることができる。
【0048】従って、ベローズ組立体10からの推力を受けるバルブロッド5のスムーズな摺動動作を可能とし、よってソレノイドバルブ1の制御動作のヒステリシスを抑えることが可能となる。
【0049】スプリング10dがコイル状であることにより、ベローズコア10aの外側(フランジ部10c2)を全周的に付勢しているので、ベローズコア10aのどの方向の倒れに対しても反力が働き、よりベローズ組立体10の推力の発生方向を一定とすることが可能となる。
【0050】図2において、ベローズコア10aの平均半径D1(軸心からの距離)にベローズコア10aの傾きによる荷重Fcが発生すると、軸心にモーメントM1が、M1=Fc・D1のように発生する。
【0051】この時、スプリング10dには、傾きへの反力によるモーメントM2が、M2=Fsp・D2のように発生する(Fsp:スプリングの反力,D2:スプリングの平均半径)。
【0052】上記のモーメントM1,M2が釣り合う(Fc・D1=Fsp・D2)ことで、ベローズコア10aの傾きを矯正することが可能となる。M2は、D2が大きい程大きくなるので、スプリング10dをベローズコア10aの内側に配置するよりも、外側に配置したほうがより効果的である。
【0053】図3は、従来技術の構成であり、スプリング110dをベローズコア110aの内側に配置している。この場合にはFc・D1>Fsp・D3となり易く(Fsp:スプリングの反力,D3:スプリングの平均半径)、ベローズコア10aの傾き矯正を十分に行なうことが困難となる。
【0054】尚、Fspはスプリングのセット荷重f0及びバネ定数により決定されるが、圧力設定上から過大なものとすることが不可能であり、スプリングの平均半径を本実施の形態のようにD2(D2>D3)とすることで、ベローズコア10aの傾き矯正力を高めることが可能となる。
【0055】図1及び図2に示されるように、スプリング10dをベローズコア10aの外側に配置することで、容易にスプリングの平均半径を大きくすることができ、ベローズコア10aの傾きを効果的に防止することが可能である。
【0056】尚、この実施の形態では、制御弁がソレノイドを備えたものとして説明を行なったが、ソレノイドを備えていない構成の制御弁に対しベローズ組立体10を適用しても良い。
【0057】
【発明の効果】上記のように説明された本発明によると、制御弁に備えられたベローズ組立体の伸縮時の傾きを抑えて推力発生方向を安定させ、ベローズ組立体からの推力を受けるバルブロッドのスムーズな摺動動作を可能とし、よって制御動作のヒステリシスを抑えることが可能となり、制御弁の作動特性が向上する。
【0058】バネ部材がコイルスプリングであることで、ベローズコアの外側を全周的に付勢しているので、ベローズコアのどの方向の倒れに対しても反力が働き、安定した傾き矯正が行われる。




 

 


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