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発明の名称 シールリング
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−141065(P2001−141065A)
公開日 平成13年5月25日(2001.5.25)
出願番号 特願平11−320223
出願日 平成11年11月10日(1999.11.10)
代理人 【識別番号】100085006
【弁理士】
【氏名又は名称】世良 和信 (外1名)
【テーマコード(参考)】
3J043
【Fターム(参考)】
3J043 AA16 BA08 CA03 DA01 DA02 
発明者 中岡 真哉
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】互いに相対回転自在に設けられた2部材間の環状隙間をシールするシールリングであって、前記2部材のうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着されるシールリングにおいて、一方の部材に設けられた環状溝の側壁面をシールする第1シール面と、他方の部材の前記環状溝に対向する表面をシールする第2シール面と、前記第1シール面に設けられ、密封流体側と非密封流体側とを連通する連通溝と、該連通溝に形成され、前記環状溝の溝底に向かうにつれて徐々に環状溝の側壁面との間が大きくなるテーパと、を備えることを特徴とするシールリング。
【請求項2】前記連通溝の側壁面は、第1シール面に対して略垂直であることを特徴とする請求項1に記載のシールリング。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに相対回転自在に設けられた2部材間の環状隙間をシールするためのシールリングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のシールリングは、たとえば、自動車の自動変速機等の油圧装置に用いられている。
【0003】以下、図7および図8を参照して、従来技術に係るシールリングについて説明する。ここで、図7は従来技術に係るシールリングの装着した状態を示す模式的断面図であり、図8は従来技術に係るシールリングの模式図であり、(a)は模式的一部平面図、(b)は(a)のbb断面図、(c)は(a)のc方向から見た側面図である。
【0004】図示のシールリング100は、軸孔が設けられたハウジング200と、この軸孔に挿入された軸300との間の環状隙間をシールするためのものであり、軸300に設けられた環状溝301に装着されて使用されるものである。
【0005】シールリング100は樹脂材料から形成されるもので、軸300に設けられた環状溝301の側壁面をシールするための第1シール面101と、ハウジング200に設けられた軸孔の内周面をシールするための第2シール面102と、を備えている。
【0006】そして、密封流体側Oから非密封流体側Aに向けて、図7中矢印P方向に圧力がかかると、シールリング1は非密封流体側Aに押圧されるため、第1シール面101は環状溝301の側壁面を押圧し、また、第2シール面102は環状溝301に対向するハウジング200に設けられた軸孔の内周面を押圧し、それぞれの位置でシールする。
【0007】このようにして、密封流体の非密封流体側Aへの漏れを防止していた。
【0008】ここで、密封流体は、例えば潤滑油であり、特に自動車の変速機に利用される場合にはATFを指している。
【0009】以上のようなシールリング100においては、特に軸300がアルミニウム合金等の軟質材であるような場合に、第1シール面101と環状溝301の側壁面との間の摩擦によって、両者がそれぞれ摩耗してしまっていた。
【0010】これは、第1シール面101と環状溝301の側壁面との間には、潤滑油による潤滑膜が形成されにくいためであり、特に、潤滑油中に存在する異物がこれらの間にかみ込まれた場合には摩耗が激しくなっていた。
【0011】このような摩耗を低減させるための技術として、密封流体である潤滑油を第1シール面101と環状溝301の側壁面との間に供給させるための溝を設けることによって、潤滑膜を形成させて耐摩耗性を向上させる技術が知られている(例えば、特開平9−96363号公開公報)。
【0012】すなわち、図8に示すように、第1シール面101に密封流体側Oと非密封流体側Aとを連通するための連通溝101aを設けることによって、密封流体側Oの潤滑油を連通溝101aに侵入させるようにして、第1シール面101が環状溝301の側壁面に対して摺接した際に、これらの間に潤滑膜を形成されて耐摩耗性の向上を図ったものである。
【0013】また、上記連通溝101aを設けることにより、潤滑膜の形成だけでなく、潤滑油中に存在する異物や摩耗により生じた摩耗粉が、第1シール面101と環状溝301の側壁面との間にかみ込まれないように非密封流体側Aに排出させる機能を持たせることで、より一層耐摩耗性の向上を図ったものである。
【0014】なお、連通溝101aの断面形状は矩形とするのが一般的と考えられ、特開平9−96363号公開公報では、成形時に生ずるバリの除去を考慮すると、この溝の側壁面とシール面とのなす角βが、鈍角、即ち、90°を越えて180°未満、好ましくは、120°〜135°とする技術が開示されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0016】上述した従来技術に係るシールリングにおいては、連通溝101aを設けることによって、耐摩耗性が向上するとはいうものの、完全に摩耗を防止するものではないため、ある程度の余裕を持たせて溝幅や溝の深さを設定する必要があるが、シール性能を維持するためには、連通溝101aからの潤滑油のリーク量をある程度に抑える必要があり、そのためには、溝幅や溝の深さをできるだけ小さくしなければならない。
【0017】従って、経時的に摩耗が進行することによって、連通溝への経路が遮断されて、連通溝への潤滑油の供給がなされなくなって、異常摩耗が生じてしまうという不具合が発生していた。
【0018】この点について、図9を参照して、さらに詳しく説明する。図9は従来技術に係るシールリングについて、長期使用により摩耗が進行した状態を示す模式的断面図である。
【0019】図9に示すように、環状溝301の側壁面は、第1シール面101が摺接される部分のみが摩耗するため、摩耗した分だけ、シールリング100は、環状溝301の側壁面の元の位置よりも内部側へと押し込まれていくことになる。
【0020】従って、連通溝101aの底面が、環状溝301の側壁面の摩耗されていない面まで達すると、図9中矢印Xに示すように、連通溝101aへの経路が遮断されることになり、潤滑油の供給がなされなくなるのである。
【0021】本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、シール性能を維持しつつ、耐摩耗性の一層の向上を図ったシールリングを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明にあっては、互いに相対回転自在に設けられた2部材間の環状隙間をシールするシールリングであって、前記2部材のうちの一方の部材に設けられた環状溝に装着されるシールリングにおいて、一方の部材に設けられた環状溝の側壁面をシールする第1シール面と、他方の部材の前記環状溝に対向する表面をシールする第2シール面と、前記第1シール面に設けられ、密封流体側と非密封流体側とを連通する連通溝と、該連通溝に形成され、前記環状溝の溝底に向かうにつれて徐々に環状溝の側壁面との間が大きくなるテーパと、を備えることを特徴とする。
【0023】従って、経時的に摩耗が進行した場合であっても、テーパを設けた分だけ、連通溝の遮断を防止できる。
【0024】前記連通溝の側壁面は、第1シール面に対して略垂直であるとよい。
【0025】これにより、かかる側壁面の第1シール面に対する角度が鈍角である場合に比較して、経時的に第1シール面の摩耗が進行したとしても、連通溝の断面積の変化度合いを抑制できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0027】図1〜図6を参照して、本発明の実施の形態に係るシールリングについて説明する。
【0028】まず、図1および図2を参照して、本発明の実施の形態に係るシールリングの全体構成等について説明する。
【0029】図1は本発明の実施の形態に係るシールリングの模式図であり、(a)は模式的平面図であり、(b)はその一部拡大図であり、(c)は(b)のcc断面図であり、(d)は(b)のd方向から見た側面図である。
【0030】また、図2は本発明の実施の形態に係るシールリングの装着した状態を示す模式的断面図である。
【0031】本実施の形態に係るシールリング1は、図2に示すように、互いに相対回転自在に設けられた2部材間の環状隙間、すなわち、軸孔が設けられたハウジング60と、この軸孔に挿入された軸70との間の環状隙間をシールするためのものであり、軸70に設けられた環状溝71に装着されて使用されるものである。
【0032】シールリング1は、概略、一方の部材としての軸70に設けられた環状溝71の側壁面71aをシールするための第1シール面3と、他方の部材としてのハウジング60に設けられた軸孔の内周面をシールするための第2シール面4と、を備えている。
【0033】また、図中5は合口であり、図示の例では特殊ステップカットの場合を示しているが、その他、ステップカット,ストレートカット,エンドレスカット,バイアスカットなどでも良い。
【0034】そして、密封流体側Oから非密封流体側Aに向けて、図2中矢印P方向に圧力がかかると、シールリング1は非密封流体側Aに押圧されるため、第1シール面3は環状溝71の側壁面71aを押圧し、また、第2シール面4はハウジング60に設けられた軸孔の内周表面であって、環状溝71に対向する部分を押圧し、それぞれの位置でシールする。
【0035】以上のように、密封流体の非密封流体側Aへの漏れを防止するものである。
【0036】なお、本実施の形態における密封流体は、潤滑性を有する流体を意味し、以下の説明では、その一例として潤滑油として説明する。
【0037】本実施の形態に係るシールリング1においては、第1シール面3に密封流体側Oと非密封流体側Aとを連通するための連通溝2を設けている。
【0038】なお、図示の例では、第1シール面3の裏側の面にも、少しずれた位置に連通溝2を設けているが、これは、シールリング1の装着方向によっては、いずれの面がシール面として利用される(いずれの面が第1シール面3となる)か分からないため、装着の便宜を図るために両面に設けたものである。
【0039】そして、この連通溝2の底にはテーパ21が設けられている。
【0040】このテーパ21は、図2に示すように、装着状態において、環状溝71の溝底71bに向かうにつれて徐々に環状溝71の側壁面71aとの間が大きくなるように形成されたものである。
【0041】このようにテーパ21を設けたことによって、図3に示すように、長期使用により環状溝71の側壁面71aや第1シール面3の摩耗が進行して、シールリング1が環状溝71の側壁面71aの元の位置よりも内部側へと押し込まれて、連通溝2の底面が、環状溝71の側壁面71aの摩耗されていない面まで達したとしても、流路Rが確保される。
【0042】従って、連通溝2への潤滑油の供給を維持することができ、耐摩耗性のより一層の向上を図ることができる。
【0043】また、摩耗が進行した場合でも、潤滑油の供給を確保できることから、連通溝2の断面積(テーパ21を形成していない部分の断面積)を必要以上に大きくする必要がないため、リーク量を抑えることができ、シール性能を維持することができる。
【0044】ここで、シール性能を維持するためには、連通溝2の底から環状溝71の側壁面71aまでの間隔が狭い部分を確保する必要がある。
【0045】従って、上述したテーパ21は、シールリング1を装着した状態において、環状溝71内に収まるようにするのが望ましい。
【0046】ここで、連通溝2についてさらに詳しく説明する。
【0047】連通溝2の幅は0.05〜0.35mmとし、望ましくは0.1〜0.2mmとすると良い。
【0048】また、連通溝2のテーパ21が設けられていない部分の深さ(図1(c)中寸法A)は、0.05〜0.35mmとし、望ましくは0.1〜0.2mmとすると良い。
【0049】また、テーパ21の長さ(図1(c)中寸法B)は、シールリングの肉厚(図1(c)中寸法C)に対して10〜90%、望ましくは30〜90%、さらに望ましくは50〜70%とすると良い。
【0050】また、テーパ21の角度(図1(c)中角度α)は、90°以上180°未満とし、望ましくは160°〜177°とすると良い。
【0051】また、連通溝の側壁面の第1シール面3に対する角度(図1(c)中角度β)は、90°以上120°未満、望ましくは92°〜100°とすると良い。このように略垂直とすることによって、摩耗が進行する場合でも溝の断面積の変化度合いを抑制できるため、潤滑油のリーク量を安定させて、シール性能を安定化させることが可能となる。
【0052】また、連通溝の本数は1〜3本程度で良いが、これはシールリングの直径によって適宜設定すれば良い。
【0053】また、図4に示すように、第1シール面3自体にも、連通溝2の底に設けたテーパ21と同様に、テーパ31を設けることができる。
【0054】これにより、潤滑油の引き込み効果を増大させることができ、摺動トルクをより一層低減させることが可能となる。
【0055】なお、このテーパ31の長さはシールリングの肉厚(図中d)に対して30〜50%とすると良い。
【0056】また、連通溝の配置は、勿論、図示のものに限定されることはなく、例えば、少ない本数で第1シール面3全体にまんべんなく潤滑油を供給するというような狙いで、図5(a)に示す連通溝2aのように2本をX状に交差させたり、図5(b)に示す連通溝2bのようにリングの中心から真っ直ぐに伸びる方向ではなく、所定角度を持たせるようにしても良い。
【0057】また、連通溝の断面形状についても、図6(a)に示すような矩形あるいは台形である必要はなく適宜設定すれば良いが、上述のように、断面積の変化度合いを抑制できるようにするのが望ましく、例えば、図6(b)に示すように、断面が6角形とすることも好適である。
【0058】そして、シールリング1を構成する材料としては、耐熱性樹脂と充填材からなる樹脂組成物を適用することができる。
【0059】ここで、耐熱樹脂としては、例えば、ポリシアノアリールエーテル系樹脂(PEN),ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等の芳香族ポリエーテルケトン樹脂,芳香族系熱可塑性ポリイミド樹脂,ポリアミド4−6系樹脂,ポリフェニレンサルファイド系樹脂,ポリテトラフロロエチレン系樹脂などの耐熱性,耐燃性,耐薬品性に優れ、優れた機械的性質を示す樹脂が挙げられる。
【0060】なお、充填材は、材料の機械的強度の向上、耐摩耗性の向上、低摩擦特性の付与等を目的に配合されるものであり、特に限定するものではない。
【0061】
【実施例】以下、上記実施の形態に基づく、より具体的な実施例について説明する。
【0062】まず、シールリング1の成形材料として、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(住友化学製品ビクトレックスPEEK 150G、熱変形温度152℃),アミノシラン処理をして使用されたガラスビーズ(ユニオン硝子製品UB−47L,平均粒径75μm)をそれぞれ85重量%,15重量%の混合割合として、各成分をヘンシェルミキサを用いて均一に混合し、更に押出機を用いて400℃で融解混合した後に、ペレタイザで造粒したものを用いた。
【0063】そして、上記材料を用いて、射出成形により、図1に示す形状のシールリングを得た。
【0064】また、合口は特殊ステップカットとし、シールリングの高さを2.01mm,肉厚を1.91mm,外径を47.5mmとした。
【0065】また、連通溝の幅を0.15mm,その深さ(テーパを形成していない部分)を0.15mm,テーパの長さを1mm,テーパ角度(上記図1(c)に示す角度α)を約174°,連通溝の側壁面のシール面に対する角度(上記図1(d)に示す角度β)を約110°とし、連通溝の本数は両面にそれぞれ1本づつ20°ずらして形成した。
【0066】以上のように形成したシールリングと、本実施例のシールリングとは連通溝が設けられていない点でのみ異なるシールリング(比較例)について、次のような耐久試験を行って、摩耗量や耐久試験前後のリーク量を比較した。
【0067】耐久試験は、温度120℃の環境の下、潤滑剤としてオートマチック・トランスミッション用オイルを使用して、油圧1.3MPaとし、軸の回転数を4000rpmで144hの耐久試験を行った。
【0068】なお、ハウジングとなるシリンダの材質はS45C、軸の材質はADC12を使用した。
【0069】以上の耐久試験により得られた結果を図10に示す。図10では、上部に、シールリング側面(第1シール面)の摩耗量,軸溝側面(環状溝の側壁面)の摩耗量,耐久試験中のリーク量について、それぞれ本実施例と比較例の試験結果について表に示し、下部に、試験前後のリーク量をグラフに示した。
【0070】試験結果から分かるように、本実施例のものは比較例と比べて、摩耗量が少なく、リーク量も安定している。
【0071】なお、これまで説明した実施の形態および実施例では、軸側に環状溝を設けて、この環状溝内にシールリングを装着させる構成について示したが、ハウジング側に環状溝を設けて、そこにシールリングを装着させるような構成についても同様に適用することができる。
【0072】すなわち、この場合には、シールリングの第1シール面をハウジングに設けた環状溝の側壁面に押圧させて、第2シール面を軸の外周面に押圧させるようにして、連通溝に設けるテーパについては、上記実施の形態等に示したものと同様に環状溝の溝底に向かうにつれて徐々に環状溝の側壁面との間が大きくなるように構成すれば良い。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、連通溝にテーパを設けたことによって、経時的に摩耗が進行した場合でも、連通溝への密封流体の供給を確保することができ、シール性能を維持しつつ、耐摩耗性の一層の向上を図ることができる。
【0074】また、連通溝の側壁面を、第1シール面に対して略垂直とすれば、経時的に第1シール面の摩耗が進行したとしても、連通溝の断面積の変化度合いを抑制でき、シール性能を安定化することができる。




 

 


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