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発明の名称 可撓性管状体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−221380(P2001−221380A)
公開日 平成13年8月17日(2001.8.17)
出願番号 特願2000−32075(P2000−32075)
出願日 平成12年2月9日(2000.2.9)
代理人
発明者 後藤 信弘 / 中谷 政史 / 石田 敬一
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 曲げ弾性率が、0.1〜1.3GPaの範囲にあるノルボルネン系ポリマー組成物よりなることを特徴する可撓性管状体。
【請求項2】 上記ノルボルネン系ポリマーが、そのモノマー成分として、ジシクロペンタジエンを含有してなる請求項1記載の可撓性管状体。
【請求項3】 上記ノルボルネン系ポリマー組成物が、可塑剤を含有してなる請求項1又は2記載の可撓性管状体。
【請求項4】 上記可塑剤が、リン酸エステル系可塑剤である請求項1〜3記載の可撓性管状体。
【請求項5】 曲げ弾性率が、0.1〜1.3GPaの範囲にあるノルボルネン系ポリマー組成物よりなる管状体基材中に、塑性変形部材が埋設されてなることを特徴する可撓性管状体。
【請求項6】 曲げ弾性率が、0.1〜1.3GPaの範囲にあるノルボルネン系ポリマー組成物よりなる管状体基材表面に、塑性変形部材が積層されてなることを特徴する可撓性管状体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性管状体に関し、更に詳しくは、可撓性、耐衝撃性、耐熱性に優れ、且つ、耐薬品性、サーマルリサイクル性にも優れた環境に優しく施工性の良好な可撓性管状体に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼管に比べ、耐蝕性に優れる配管材料として、プラスチック管が各種用途に使われてきた。過去、配管材料として用いられた鋼管の腐食により、飲料水をはじめ、移送流体を汚染したり、これら腐食により配管材料より分離した固形物が管路を閉塞したりする、所謂赤水問題として、利用者を大いに悩ましてきた問題も、我が国においては、昭和20年代には早くも、上記プラスチック管として、塩化ビニル樹脂管が、単独でもしくは鋼管をライニングする等して用いられ、一挙に解決し、水道管を始め各種耐食用途の主力管としての地位を得て今日に至っている。
【0003】上記塩化ビニル樹脂管は、耐蝕性に加えて、極めて優れた加工性を有し、曲げ加工や接着加工等の配管部材の加工性や施工性が極めて優れており、上述のように革新的に登場し、現在も主要管種として用いられているものであるが、今時、廃棄物処理等による環境問題によって、これらに代わってポリエチレン管が一部使用され、もしくは使用が検討されている。
【0004】ポリエチレン管は、軽量であり化学的に不活性でもあって優れた多くの性能を発揮し得るものではあるが、管を構成しているポリエチレンが結晶性樹脂であることから、押出成形等によって一旦管状体に成形されると、曲げ加工や接着加工等によって配管部材を加工することが、塩化ビニル樹脂管のように容易に行えるものではないという問題がある。
【0005】即ち、これらの材料を用いる配管系統には、例えば、上下水道配管や各種プラント配管であっても、地中配管と地上配管、多層階の建築物の配管、多種類の配管系統との交差、地形等々、水平曲げ、立上がり等による管路の方向変換が必ず必要となるのである。
【0006】然るに、ポリエチレン管を加熱して曲げ加工しようとすると、内側となる管壁が陥没する所謂偏平化が著しく、これを防ぐためには面倒な加工治具を必要とする等、極めて手間の掛かるものであり、且つ、得られた曲げ加工品も、その形状保存性によって時間の経過と共に加工前の形状に復元しようとする傾向が強く、経時安定性や信頼性に懸念があり、ましてや施工現場での加工は難しく、事前に加工工場において設計図書に基づく加工が行われなければならない等煩わしいものであった。
【0007】上述の問題を解決する試みとして、例えば、特開平9−196275号公報には、ポリエチレン樹脂等のオレフィン系樹脂よりなる管体を二次成形にて中途部を湾曲形成して成るベンド管において、管体の外周面の少なくとも湾曲した中途部における外周面に、ジシクロペンタジエン等のノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒を主材とする反応射出成形材料からなる補強層を被覆形成させるベンド管とその製造方法が開示されている。
【0008】上記公報に開示されているベンド管は、上記補強層によって二次成形にて中途部を湾曲形成して成るベンド部分が、二次成形前の状態に復元しようとするのを防止しようとするものである。しかしながら、上記するように、管体を二次成形にて中途部を湾曲する加熱曲げ加工工程と、このように複雑に湾曲したベンド部分の外周面に、反応射出成形材料を被覆して補強層を形成するという複雑な工程とを、複数工程にわたって実施しなければならない等、手間の掛かる煩わしい作業である上に、得られるベンド管は、可撓性は発現せず、仮に、狙いの曲率を外れた場合、上記補強層を一旦剥がして補修しなければならず、逆に、配管作業現場の仕様変更に対して臨機に対応することが実質的に出来ないものであった。
【0009】又、管表面に凹凸を設け、形状に一工夫した波付き管もあるが、こうした管は、製造工程が複雑になる上に、波付けによって管の肉厚に厚薄が生じ、工事等におけるツルハシ等の衝撃によって薄肉部の破損が懸念される。
【0010】ポリエチレン管は、更に高い耐熱性が求められることがあるが、例えば、架橋等による耐熱性の向上と融着接合による接合強度とは、拮抗する特性なので、耐熱性の向上は余り期待できない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事実に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、可撓性、耐衝撃性、耐熱性に優れ、且つ、耐薬品性、サーマルリサイクル性にも優れた環境に優しく施工性の良好な可撓性管状体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の可撓性管状体は、曲げ弾性率が、0.1〜1.3GPaの範囲にあるノルボルネン系ポリマー組成物よりなるものである。
【0013】請求項2記載の発明の可撓性管状体は、請求項1記載の可撓性管状体において、上記ノルボルネン系ポリマーが、そのモノマー成分として、ジシクロペンタジエンを含有してなるものである。
【0014】請求項3記載の発明の可撓性管状体は、請求項1又は2記載の可撓性管状体において、上記ノルボルネン系ポリマー組成物が、可塑剤を含有してなるものである。
【0015】請求項4記載の発明の可撓性管状体は、請求項1〜3記載の可撓性管状体において、上記可塑剤が、リン酸エステル系可塑剤であるものである。
【0016】請求項5記載の発明の可撓性管状体は、請求項1〜4記載の可撓性管状体において、曲げ弾性率が、0.1〜1.3GPaの範囲にあるノルボルネン系ポリマー組成物よりなる管状体中に塑性変形部材が埋設されてなるものである。
【0017】請求項6記載の発明の可撓性管状体は、請求項1〜4記載の可撓性管状体において、曲げ弾性率が、0.1〜1.3GPaの範囲にあるノルボルネン系ポリマー組成物よりなる管状体の表面に塑性変形部材が積層されてなるものである。
【0018】本発明においていう管状体とは、管、管継手、ホースを初めとする管状の物品はすべて含むものであって、その形状は、特に限定されるものでなく、例えば、断面円形筒状、三角形筒状、四角形筒状、・・・、多角形筒状等の管状体が挙げられる。
【0019】又、曲げ弾性率とは、JIS K 7171に準拠して測定される値であり、上記可撓性管状体を構成するノルボルネン系ポリマーを主成分とする組成物の弾性率を指すものである。
【0020】本発明におけるノルボルネン系ポリマーとしては、特に限定されるものではなく、1種以上のノルボルネン系モノマーを重合して得られるものである。上記ノルボルネン系モノマーとしては、2−ノルボルネン、ノルボルナジエン等の二環体、ジシクロペンタジエンやジヒドロジシクロペンタジエン等の三環体、テトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、フェニルテトラシクロドデセン等の四環体、トリシクロペンタジエン等の五環体、テトラシクロペンタジエン等の七環体、及びこれらのアルキル置換体(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル置換体等)、アルキリデン置換体(例えば、エチリデン置換体)、アリール置換体(例えば、フェニル、トリル置換体)は勿論のこと、エポキシ基、メタクリル基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン基、エーテル基、エステル結合含有基等の極性基を有する誘導体が挙げられる。これらは、単独で使用しても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
【0021】上記ノルボルネン系モノマーの内、特に、ジシクロペンタジエンは入手の容易さ、反応性及び得られるポリマーの耐衝撃性等の物性バランスが優れている点で好適に用いられる。上記ジシクロペンタジエンの融点は34℃程度であるので、融点以上に加熱した状態で成形型に導入すれば良い。
【0022】上記ノルボルネン系モノマー重合手段は、特に限定されるものではないが、例えば、メタセシス重合触媒による開環メタセシス重合等が挙げられる。又、得られるノルボルネン系ポリマーは、耐衝撃性及び耐熱性の観点から架橋していることが好ましく、架橋ノルボルネン系ポリマーは少なくとも3環体以上のノルボルネン系モノマーを含む1種類以上のノルボルネン系モノマーをメタセシス重合触媒により、開環メタセシス重合させることにより得ることができる。
【0023】又、上記ノルボルネン系モノマーの1種以上と共に開環重合可能なシクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロオクテン、シクロドデセン等の単環シクロオレフィン或いはインデン、クマロン、クマロンーインデン系コモノマーのようなメタセシス重合活性を有する環状モノマー等を、本発明の目的を逸脱しない範囲で使用することができる。
【0024】又、メタセシス重合触媒としては、タングステン、モリブデン、タンタル、ルテニウム、レニウム、オスミウム、チタン等のハロゲン化物、オキシハロゲン化物、酸化物、有機アンモニウム塩等が挙げられる。プロセスとして空気中で重合を行う必要がある場合には、空気中での経時安定性に優れる触媒を選択すれば良い。具体的には、下記一般式(1)のルテニウムカルベン触媒や一般式(2)のルテニウムビニリデン触媒が好ましい。
【0025】
【化1】

【0026】
【化2】

【0027】[式中、R1 及びR2 は、互いに独立に、水素、炭素数2〜20のアルケニル或いはアルケニルオキシ、炭素数1〜20のアルキル、アリール或いはアリールオキシ、炭素数1〜20のカルボキシレート、炭素数1〜20のアルコキシ、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル、炭素数1〜20のアルキルチオ(これらは、炭素数1〜5のアルキル、ハロゲン、炭素数1〜5のアルコキシによって、又は炭素数1〜5のアルキル、ハロゲン、炭素数1〜5のアルコキシによって置換されたフェニルによって必要に応じて置換されていても良い)、フェロセン誘導体を意味し、X1 及びX2 は、お互いに独立に、任意の所望のアニオン性配位子を意味し、L1 及びL2 は、お互いに独立に、任意の所望の中性電子供与体を意味し、そして、X1 、X2 、L1 及びL2 の二個又は三個は、更にまた、一緒に多座キレート化配位子を形成しても良い。]
【0028】より好ましい触媒の構造は一般式(1)及び一般式(2)において、R1 及びR2 は、互いに独立に、水素、メチル、エチル、フェニル、フェロセニル、又はメチル、エチル、フェニルもしくはフェロセニルによって必要に応じて置換されたビニルであり、X1 及びX2 は、互いに独立に選ばれたCl又はBrであり、L1 及びL2 は、互いに独立に、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン及びトリシクロヘキシルホスフィンの群から選ばれた触媒である。
【0029】上記メタセシス触媒の添加量は触媒の活性によって異なるので、一概には言えないが、余り少ないと重合速度が低くなり、余り多いと得られるポリマーの分子量がちいさくなるので、好ましくは、全モノマーに対して1/5〜1/5000000モル当量である。
【0030】又、本発明で用いられるノルボルネン系モノマー組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、充填材、補強材、発泡剤、消泡剤、揺変性付与剤、帯電防止剤、分子量調整剤、高分子改質剤、難燃剤、顔料、染料、着色剤、エラストマー等の種々の添加剤を配合することができる。
【0031】上記 充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、クレー、タルク、マイカ、カオリン、フライアッシュ、モンモリロナイト、ガラスバルーン、シリカバルーン、熱膨張性塩化ビニリデン粒子等が挙げられる。上記補強材の種類としては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維等の有機繊維が挙げられる。
【0032】上記エラストマーとしては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共集合体、EPDM、エチレン−酢酸ビニル共集合体及びこれらの水素化物が挙げられる。
【0033】上記ノルボルネン系ポリマー組成物の曲げ弾性率を0.1〜1.3GPaにする手段は、特に限定されるものではないが、例えば、以下に示される方法が挙げられる。
1)ジシクロペンタジエンのような三環体以上の架橋性ノルボルネン系モノマーとノルボルネンのような二環体の非架橋性ノルボルネン系モノマーを共集合させ、その混合比率によって弾性率を設計する方法。
【0034】2)置換基を導入した三環体以上のノルボルネン系モノマーと未置換の三環体以上のノルボルネン系モノマーを共重合させる方法。
3)三環体以上のノルボルネン系モノマーと共に開環重合可能なシクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロオクテン、シクロドデセン等の単環シクロオレフィン或いは非架橋性のメタセシス重合性モノマー等を混合して共重合させる方法。
4)架橋性モノマーに可塑剤を混合して重合する方法。
5)架橋性モノマーにプロセスオイルを混合して重合する方法。
【0035】上記ノルボルネン系ポリマー組成物は、可塑剤を含有してなるものであってもよい。上記可塑剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジノニル(DNP)等のフタル酸エステル、オレイン酸ブチルやグリセリンモノオレイン酸エステルのような脂肪族一塩基酸エステル、アジピン酸ジブチルやセバシン酸ジブチルにような脂肪族二塩基酸エステル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートのような二価アルコールエステル、アセチルリシノール酸ブチル、アセチルクエン酸トリブチルのようなオキシ酸エステルあるいは塩素価パラフィン、塩素化ビフェニル、ジノニルナフタリン、o−トルエンスルホンエチルアミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、ショウノウ、アビエチン酸メチル等が挙げられる。添加量としては、ノルボルネン系モノマーに対して5〜200重量%が好ましく、更に好ましくは10〜100重量%である。5重量%以下では可撓性がさほど向上せず、200重量%以上であると、機械物性が大幅に低下してしまう。
【0036】又、上記可塑剤としては、プロセスオイル類があげられる。これらのプロセスオイル類としては、パラフィン系、ナフテン系、アロマ系(芳香族系)があり、DCPDと同じ炭化水素系材料であることから、相溶性に優れ、可塑化効率が良好である。添加量としては、ノルボルネン系モノマーに対して5〜200重量%が好ましく、更に好ましくは10〜100重量%である。5重量%以下では可撓性がさほど向上せず、200重量%以上であると、機械物性が大幅に低下してしまう。
【0037】更に、上記可塑剤としては、リン酸エステル系可塑剤が挙げられる。上記リン酸エステル系可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシル等が挙げられる。上記ノルボルネン系ポリマーは炭化水素系のポリマーで可燃性であるので、リン酸エステル系可塑剤を配合することにより、本発明の可撓性管状体に難燃性を付与することができ、難燃性が必要とされる管及び継手等に展開することが可能となる。
【0038】上記リン酸エステル系可塑剤の添加量としては、ノルボルネン系モノマーに対して5〜200重量%が好ましく、更に好ましくは10〜100重量%である。5重量%以下では可とう性も難燃性もさほど向上せず、200重量%以上であると機械物性が大幅に低下してしまう。
【0039】本発明の可撓性管状体を成形するプロセスとしては、特に限定されるものではないが、例えば、RIM成形、注型、引抜き、RI等の一般的なFRP成形法への展開が可能であり、製品形状、生産性等から最適なプロセスを選定すれば良い。又、配合面から可撓性と耐衝撃性、耐熱性の両立が難しい場合には、可撓性を付与したい部位を薄くしたり、管状体の表面に溝を設けても良い。構造面と配合を組み合わせて、管状体としても必要性能に応じて、最適な設計を行えば良い。
【0040】本発明の可撓性管状体は、図1に示されるように、ノルボルネン系ポリマー組成物からなる管状体基材1内に塑性変形部材2が埋め込まれてなるものであってもよく、図2に示されるように、塑性変形部材2がノルボルネン系ポリマー組成物からなる管状体基材1の表面に一体的に積層されて形成されていてもよい。
【0041】上記塑性変形部材としては、鉄やアルミニウム等の金属類や結晶性の低いプラスチック部材が挙げられる。塑性変形部材を埋め込む場所及び塑性変形部材の形状、厚さについては、必要とされる管状体の性能に応じて適宜設定すれば良い。又、塑性変形部材の埋め込み方法としては、型内に予め塑性変形部材をセットしておいて、ノルボルネン系モノマーをメタセシス重合触媒と共に型内に導入し、成形型内で重合させることにより、簡単に埋め込み一体化させることができる。ノルボルネン系ポリマー組成物との接着性を高めるために、上記塑性変形部材に予めプライマー処理やサンディング処理等の表面処理が施されてもよい。
【0042】図1に示された可撓性管状体は、管状体基材1の管軸と内部に埋設される塑性変形部材2の螺旋軸が一致するように螺旋状の塑性変形部材2を埋設されてなるものであるが、上記埋設される螺旋状の塑性変形部材2は、1本であってもよく、2本以上を適宜配置して複数螺旋を構成して埋設されてもよい。又、上記塑性変形部材2は、完全に管状体基材1内に埋設されていてもよいが、可撓性管状体の外周面もしくは内周面に塑性変形部材2の一部が露出するものであってもよい。
【0043】図2に示された可撓性管状体は、管状体基材1の外周面に、その管軸に沿って複数条のリボン状塑性変形部材2を縦縞模様を描いて積層してなるものであるが、上記積層される塑性変形部材2は、管状体基材1の外周面ではなく、内周面であってもよく、又、両表面であってもよい。
【0044】又、上記管状体基材1の表面に積層される塑性変形部材2の形状及びそれらが積層されて描かれる表面模様は、特に限定されるものではなく、上記縦縞模様の他、例えば、横縞模様、螺旋模様、ランダム模様等が挙げられる。
【0045】更に、上記塑性変形部材2は、管状体基材1表面に、積層面が一致するように単に重ね合わされた積層形態であってもよいが、部分的に凹凸状に管状体基材1内に陥入させた積層形態であってもよい。
【0046】上記ノルボルネン系ポリマーはポリエチレン樹脂のような結晶性樹脂ではないので、曲がった状態を塑性変形により或る程度保持することができるというメリットがある。しかし、更に形状保持性能を高めたい場合には、図1に示されるように、塑性変形部材2を管状体1内に埋め込むことにより達成できる。又、ノルボルネン系ポリマー組成物からなる管状体1の肉厚が薄い等の理由により、塑性変形部材2を埋め込むことが困難な場合には、図2に示されるように、塑性変形部材2を管状体1表面一体化することにより形状保持性能を高めることができる。
【0047】本発明によれば、弾性率が特定範囲のノルボルネン系ポリマー組成物を管状体に適用することにより、ポリエチレン管に比べて可撓性、耐熱性に優れ、ツルハシ衝撃にも耐え得る耐衝撃性を有する管状体を提供することができる。又、ノルボルネン系ポリマーは非晶性樹脂であり、ポリマーの特性としてゴム的な性質を有することから、曲げ弾性率が低い領域では或る程度の塑性変形性を有し、曲げた状態を保持することができる。更には、リン酸エステル系可塑剤を配合することにより、難燃性も向上させることができる。
【0048】又、ノルボルネン系ポリマー組成物からなる管状体に塑性変形部材を埋設もしくは積層して一体化することにより、塑性変形性を或る程度保持させながら形状保持性を兼備えた施工性に優れた管状体を提供することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】(実施例1)ノルボルネン型モノマーとして、ジシクロペンタジエン100重量部を用い、先ずアロマ系プロセスオイル(アロマ系成分35%、ナフテン系成分36%、パラフィン系成分29%)15重量部を配合した。更に、トルエン200重量部にビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド10重量部を溶解させた溶液を、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド〔メタセシス重合触媒〕のジシクロペンタジエンに対するモル比が1/10000になるように、40℃で混合撹拌し、60℃に温調した注型用型(肉厚3mm、内径100mm、長さ1mの管状体成形用)に流し込み、10分後に脱型を行い、可撓性管状体を得た。尚、トータルの成形時間は15分であった。
【0050】得られた可撓性管状体を手で曲げてみた所、良好な可撓性が確認できた。又、曲げた形状から簡単に形状が復元しなかった。同じ組成の平板の曲げ試験をJIS K 7055に準拠して行ったところ、曲げ弾性率は0.5GPaであった。
【0051】(実施例2)
モノマー:ジシクロペンタジエンメタセシス重合触媒:ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド可塑剤:フタル酸ジ−2−エチルヘキシルノルボルネン型モノマーとしては、ジシクロペンタジエン100重量部を用い、先ずフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(以下DOPとする)を60重量部配合した。更に、トルエン200重量部にビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド〔メタセシス重合触媒〕10重量部を溶解させた溶液を、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリドのジシクロペンタジエンに対するモル比が1/10000になるように、40℃で混合撹拌し、60℃に温調した注型用型(実施例1で用いたものと同じ)に流し込み、10分後に脱型を行い、可撓性管状体を得た。尚、トータルの成形時間は15分であった。得られた可撓性管状体を手で曲げてみた所、良好な可撓性が確認できた。又、曲げた形状から簡単に形状が復元しなかった。同じ組成の平板の曲げ試験をJIS K 7055に準拠して行ったところ、曲げ弾性率は0.7GPaであった。
【0052】(比較例)高密度ポリエチレン(MFR=0.20)を200℃で押出成形し、肉厚3mm、内径100mm、長さ1mのポリエチレン管を得た。得られたポリエチレン管を手で曲げてみたが、僅かしか曲がらす、力を抜くと元の形状にすぐに復元した。得られたポリエチレン管を110℃のオイル槽に15分間浸漬し、22.5度の曲率の雌雄型に挟み込み、プレス成形にて賦型し、冷却した。得られたベンド管を手で曲げようとしても、変形しなかった。更に、ベンド加工したポリエチレン管をRIM成形型にセットし、帝人メトン社製ジシクロペンタジエン(商品名:メトン)を反応射出成形し、ベンド部にのみ被覆した。トータルの成形時間は40分であった。
【0053】上記実施例1及び実施例2で用いたメタセシス重合組成物及び比較例のポリエチレン管と同じ配合で、各々厚さ3mmの平板を作成した。得られた平板について、耐熱性及び耐衝撃性を以下に示す方法で測定した。測定結果は表1に示した。
【0054】1.耐熱性:JIS K 7207に準拠し、熱変形温度(荷重条件:18.5kg/cm2 )を測定した。
【0055】2.耐衝撃性:JIS K 7110に準拠し、ノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。
【0056】
【表1】

【0057】表1からも判るように、実施例1及び実施例2の可撓性管状体は、熱変形温度、アイゾット衝撃強度において高密度ポリエチレンよりも優れ、実成形品の可撓性評価により、良好な可撓性を有することが確認できた。
【発明の効果】本発明の可撓性管状体は、上述のように構成されているので、可撓性、耐熱性、耐衝撃性に優れた管状体を提供することができる。又、ノルボルネン系ポリマーは、炭化水素系ポリマーであることから、良好な耐薬品性を有しているので、耐薬品性が要求されえる用途、例えば化学プラント配管への展開も可能である。更に、炭化水素系ポリマーであることから、燃やしても有毒ガスが発生せず、サーマルリサイクル性に優れる。
【0058】又、ノルボルネン型ポリマーは振動減衰性に優れ、施工後の耐震性も良好である。更に、ジシクロペンタジエンのような架橋ノルボルネン系ポリマーは非常に破断し難いことから埋設管としての信頼性も高い。




 

 


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