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発明の名称 配管補修材及び配管補修装置並びに配管補修方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−108180(P2001−108180A)
公開日 平成13年4月20日(2001.4.20)
出願番号 特願平11−290963
出願日 平成11年10月13日(1999.10.13)
代理人
発明者 北橋 直機
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 埋設本管が樹脂製内張り管によりライニングされた後に、この埋設本管とその外周部に接合された取付管との接合部に装着される樹脂製の配管補修材であって、上記内張り管の内周面に沿うサドル部と、このサドル部に一体形成され且つ取付管の内部に挿通される筒部とを備えており、上記サドル部には、このサドル部を加熱して内張り管の内周面に融着させるための加熱手段が設けられていることを特徴とする配管補修材。
【請求項2】 請求項1記載の配管補修材において、加熱手段は、サドル部に埋め込まれた電熱線であることを特徴とする配管補修材。
【請求項3】 請求項1または2記載の配管補修材において、筒部は外筒体と内筒体との2重管構造でなっており、上記外筒体がサドル部に一体形成されている一方、上記内筒体は、外筒体に対して取付管の延長方向に進退自在となっていることを特徴とする配管補修材。
【請求項4】 請求項3記載の配管補修材において、内筒体の先端縁の外周囲には、膨張状態となったときに取付管の内周面を押圧する水膨張性ゴム輪が設けられていることを特徴とする配管補修材。
【請求項5】 請求項1、2、3または4記載の配管補修材において、ポリエチレン製の内張り管に融着されるように、サドル部もポリエチレンで形成されていることを特徴とする配管補修材。
【請求項6】 埋設本管が樹脂製内張り管によりライニングされた後に、この埋設本管とその外周部に接合された取付管との接合部に樹脂製の配管補修材を装着するための配管補修装置であって、電熱線が埋め込まれ且つ内張り管の内周面に沿うサドル部とこのサドル部に一体形成され且つ取付管の内部に挿通される筒部とを備えた配管補修材が載置可能となっている一方、上記電熱線に給電を行う給電手段と、この給電手段により電熱線に給電が行われる際に、サドル部を内張り管の内周面に押圧する押圧手段とが備えられていることを特徴とする配管補修装置。
【請求項7】 請求項6記載の配管補修装置において、外筒体と内筒体との2重管構造でなる筒部の内筒体を、取付管の延長方向に前進させて取付管内に押し込む押し込み手段が備えられていることを特徴とする配管補修装置。
【請求項8】 埋設本管が樹脂製内張り管によりライニングされた後に、この埋設本管とその外周部に接合された取付管との接合部に樹脂製の配管補修材を装着する配管補修方法であって、内張り管の内周面に沿うサドル部と、このサドル部に一体形成され且つ取付管の内部に挿通される筒部とを備えた配管補修材を使用し、この配管補修材の筒部を取付管の内部に挿通させると共に、サドル部を内張り管の内周面に沿わせ、このサドル部を加熱して内張り管の内周面に融着させることを特徴とする配管補修方法。
【請求項9】 請求項8記載の配管補修方法において、筒部は外筒体と内筒体との2重管構造でなっており、上記筒部を取付管の内部に挿通させた後、内筒体を取付管の延長方向に前進させて取付管内に押し込む押し込み動作を行うことを特徴とする配管補修方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、埋設本管とその外周部に接合された取付管(枝管)との接合部の止水を行うための配管補修材及びこの配管補修材を利用した補修作業を行うための配管補修装置並びに上記配管補修材を使用した配管補修方法に係る。特に、本発明は、補修作業時間の短縮化と良好な止水性能の確保とを図るための対策に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、地中に埋設されている下水用等の管路が老朽化した場合には、この管路内面を樹脂製の内張り管によってライニングして管路を補強することが行われている。特に、埋設本管の外周部に取付管が接合されている場合、この両者の接合部では地盤変動などの影響により老朽化が進んでいることが多く、この接合部から漏水する虞れがある。このため、上記ライニング時には、この接合部に補修材を装着して止水を行っておく必要がある。
【0003】この埋設本管と取付管との接合部を止水する補修材及び補修方法として従来より様々なものが提案されている。以下、それらを列挙する。
(1)ガラスマットにポリエステル樹脂等の水中硬化性樹脂を含浸させて成る補修材を使用し、この補修材を埋設本管の内面から取付管の内面に亘って押し付けた状態で一定時間放置することで水中硬化性樹脂を硬化させるようにしたもの(特開平6−10399号公報)。
(2)取付管に挿入する挿入管と、埋設本管の内面に当接するフランジ部とを一体成形したゴムなどの弾性材料により成る補修材を使用し、挿入管及びフランジ部に接着剤を塗布して補修剤を埋設本管と取付管との接合部に装着させるようにしたもの(特開昭63−167193号公報)。
(3)埋設本管の内面に沿うサドル部と、取付管に挿入する筒部とを一体成形した補修材を使用し、サドル部に接着剤を塗布して埋設本管の内面に接着させると共に、筒部の内部に拡径リングを設け、この拡径リングにより筒部を拡径させて取付管の内面に押し付け、これによって取付管と筒部との間の止水性能を確保するようにしたもの(特開平10−267182号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した各従来のものでは、以下に述べる課題があった。
【0005】先ず、上記(1)のものでは、含浸させた樹脂材料の性状のばらつきや、ポットライフのばらつき等を生じてしまう。また、樹脂が硬化するまでに要する時間が比較的長く、補修作業に長時間を要してしまう。更に、下水道管などの水場での施工に適用した場合、水分の影響により十分な接着性や水密性を得ることができない可能性が高い。加えて、水中硬化性樹脂として不飽和ポリエステル樹脂を使用した場合には、その独特のスチレン臭やアミン臭が発生してしまう。
【0006】また、上記(2),(3)のものでは、補修材を接着剤によって強固に接着させる必要があるが、下水道管などの水場に適用した場合の接着剤の信頼性を十分に確保することができず、十分な止水性能が得られない可能性がある。また、接着剤が硬化するまでに要する時間が比較的長いため補修作業に長時間を要してしまう。
【0007】このように、従来の補修材及び補修方法では、短時間で信頼性の高い止水性能を得ることはできていないのが実状である。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、埋設本管と取付管との接合部の止水を行うに際し、短時間で信頼性の高い止水性能を得ることができる配管補修材及び配管補修装置並びに配管補修方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】−発明の概要−上記目的を達成するために、本発明は、配管補修材自身を溶融して内張り管に一体化させるようにしている。これによって、水中硬化性樹脂や接着剤を使用することなしに、埋設本管と取付管との接合部に配管補修材を装着して、この部分に良好な止水性能が得られるようにしている。
【0010】−解決手段−具体的に、本発明が講じた第1の解決手段は、埋設本管が樹脂製内張り管によりライニングされた後に、この埋設本管とその外周部に接合された取付管との接合部に装着される樹脂製の配管補修材を前提とする。この配管補修材に対し、内張り管の内周面に沿うサドル部と、このサドル部に一体形成され且つ取付管の内部に挿通される筒部とを備えさせる。また、サドル部に、このサドル部を加熱して内張り管の内周面に融着させるための加熱手段を設けている。
【0011】この特定事項により、配管補修材を、埋設本管と取付管との接合部に装着する際には、取付管の内部に筒部を挿通させると共に、サドル部を内張り管の内周面に沿わせる。この状態で、加熱手段によりサドル部を加熱して内張り管の内周面に融着させる。これにより、配管補修材が内張り管に一体化され、埋設本管と取付管との接合部における止水性能が良好に得られる。また、この融着に要する時間は、水中硬化性樹脂や接着剤を使用して配管補修材を装着させる場合に比べて極めて短時間である。
【0012】第2の解決手段は、加熱手段を具体的に特定したものである。つまり、上記第1の解決手段において、加熱手段を、サドル部に埋め込まれた電熱線により構成している。
【0013】この特定事項により、電熱線への通電を行うのみでサドル部を加熱して内張り管の内周面に融着することができる。この電熱線を使用した場合、その埋設位置を適宜設定することにより、サドル部の内張り管に対する融着位置及び融着面積を任意に得ることが可能である。例えば、サドル部全体に亘って電熱線を埋め込んだ場合には、このサドル部全体を内張り管の内周面に融着することができて融着面積を十分に確保することが可能になる。また、電熱線を渦巻き状に配設するなどし、互いに隣り合う電熱線同士の間隔寸法(配設ピッチ)を狭く設定すれば、短時間のうちにサドル部を溶融温度まで加熱することができ、融着に要する時間の短縮化を図ることができる。
【0014】第3の解決手段は、止水性能の向上に鑑みられた筒部の改良に係るものである。つまり、上記第1または第2の解決手段において、筒部を外筒体と内筒体との2重管構造とする。外筒体をサドル部に一体形成する一方、内筒体を外筒体に対して取付管の延長方向に進退自在としている。
【0015】この特定事項により、取付管の内部に筒部を挿通した状態で、内筒体を外筒体に対して取付管の延長方向に伸長させる。これにより、筒部全体の長さ寸法が長くなり、取付管の内部に存在する筒部の長さ寸法を延長することができる。従って、埋設本管と取付管との接合部における止水性能が更に向上する。また、配管補修材を埋設本管内の所定位置(取付管の配設位置)まで搬送する際、内筒体を外筒体の内部に引き込んでおけば、筒部全体の長さ寸法が短くなり、埋設本管内での搬送が円滑に行える。つまり、筒部が埋設本管や内張り管に引っ掛かることなく所定値まで容易に搬送することが可能になる。
【0016】第4の解決手段は、筒部と取付管との間の止水性能の向上に鑑みてなされた改良に係る。つまり、上記第3の解決手段において、内筒体の先端縁の外周囲に、膨張状態となったときに取付管の内周面を押圧する水膨張性ゴム輪を設けている。
【0017】この特定事項により、配管補修材が装着された状態では、内筒体の先端縁と取付管の内周面との間には水膨張性ゴム輪が介在し、このゴム輪によって、内筒体の外周面と取付管の内周面との間からの漏水は確実に阻止される。特に、このゴム輪は水膨張性のものであるため、漏水に対する止水性能の信頼性は極めて高い。
【0018】第5の解決手段は、補修材の材料を特定したものである。つまり、上記第1、第2、第3または第4の解決手段において、ポリエチレン製の内張り管に融着されるように、サドル部もポリエチレンで形成している。
【0019】このように、サドル部を内張り管と同樹脂材料で形成したことにより、熱融着が良好に行われ、信頼性の高い止水性能が得られる。また、従来の不飽和ポリエステル樹脂を使用した場合にはスチレン臭やアミン臭が発生するといった課題があったが、本解決手段では、ポリエチレンを使用したことにより、この臭気に係わる課題を解消できる。
【0020】第6の解決手段は、上記第1の解決手段に係る配管補修材を利用した補修作業を行うための配管補修装置に関するものである。つまり、埋設本管が樹脂製内張り管によりライニングされた後に、この埋設本管とその外周部に接合された取付管との接合部に樹脂製の配管補修材を装着するための配管補修装置を前提とする。この配管補修装置は、電熱線が埋め込まれ且つ内張り管の内周面に沿うサドル部とこのサドル部に一体形成され且つ取付管の内部に挿通される筒部とを備えた配管補修材が載置可能となっている。また、配管補修装置に、電熱線に給電を行う給電手段と、この給電手段により電熱線に給電が行われる際に、サドル部を内張り管の内周面に押圧する押圧手段とを備えさせている。
【0021】本配管補修装置による配管補修動作では、先ず、配管補修装置上に配管補修材を載置する。配管補修装置を埋設本管の所定位置に設置した状態で、押圧手段により補修材を内張り管に向けて移動させ、取付管の内部に筒部を挿通させると共にサドル部を内張り管の内周面に押圧する。その後、給電手段により電熱線に給電を行い、サドル部を加熱溶融して内張り管の内周面に融着させる。これにより、配管補修材が内張り管に一体化され、埋設本管と取付管との接合部における止水性能が良好に得られる。
【0022】第7の解決手段は、配管補修材の筒部を改良したことに伴う配管補修装置の構成を具体化したものである。つまり、上記第6の解決手段において、外筒体と内筒体との2重管構造でなる筒部の内筒体を、取付管の延長方向に前進させて取付管内に押し込む押し込み手段を備えさせている。
【0023】この特定事項により、取付管の内部に筒部を挿通した状態で、内筒体を外筒体に対して取付管の延長方向に伸長させる際には、押し込み手段によって内筒体を取付管の延長方向に前進させる。これにより、埋設本管と取付管との接合部における止水性能を向上させるために、筒部の長さ寸法を延長させるための駆動源を配管補修装置に備えさせることが可能になる。
【0024】第8の解決手段は、上記第1の解決手段に係る配管補修材を使用した配管補修方法に関するものである。つまり、埋設本管が樹脂製内張り管によりライニングされた後に、この埋設本管とその外周部に接合された取付管との接合部に樹脂製の配管補修材を装着する配管補修方法である。この方法は、内張り管の内周面に沿うサドル部と、このサドル部に一体形成され且つ取付管の内部に挿通される筒部とを備えた配管補修材を使用する。この配管補修材の筒部を取付管の内部に挿通させると共に、サドル部を内張り管の内周面に沿わせ、このサドル部を加熱して内張り管の内周面に融着させるようにしている。
【0025】この方法によっても、上記第1の解決手段の場合と同様の作用を得ることができる。つまり、サドル部を加熱して内張り管の内周面に融着するため、短時間で、埋設本管と取付管との接合部を補修して良好な止水性能を得ることができる。
【0026】第9の解決手段は、埋設本管と取付管との接合部における止水性能を向上させるための方法に係わる。つまり、上記第8の解決手段において、筒部を外筒体と内筒体との2重管構造で成し、筒部を取付管の内部に挿通させた後、内筒体を取付管の延長方向に前進させて取付管に押し込む押し込み動作を行うようにしている。
【0027】これにより、上記第3の解決手段に係る作用が得られる配管補修方法を提供できる。つまり、筒部全体の長さ寸法を長くして、取付管の内部に存在する筒部の長さ寸法を延長し、埋設本管と取付管との接合部における止水性能の向上を図ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明を既設管路として下水管路の補修に適用した場合について説明する。特に、本形態では、比較的内径が小さな管路( 例えば埋設本管の内径が250mm)であって、管路内に人が入って作業することができないものに本発明を適用した場合について説明する。
【0029】−配管補修材の説明−先ず、埋設本管とその外周部に接合された取付管との接合部の止水を行うための補修材について説明する。
【0030】図1は、本形態に係る補修材1の一部を破断した斜視図である。この補修材1は、図2に示すように、埋設本管Iが樹脂製内張り管2によりライニングされた後に、この埋設本管Iと取付管IIとの接合部を補修して止水性能を確保するためのものである。
【0031】図1に示すように、補修材1は、サドル部3及び2重管構造でなる筒部4を備えている。
【0032】サドル部3は、ポリエチレン製であって、埋設本管Iにライニングされた内張り管2の内面に沿うように湾曲加工された円盤状の部材である。このサドル部3の外径寸法は取付管IIの内径寸法よりも十分に大きく設定されている。例えば、取付管IIの内径寸法が150mmであるのに対し、サドル部3の外径寸法は250mmに設定されている。また、サドル部3の厚さ寸法は3mmに設定されている。このサドル部3の中央には取付管IIの内径寸法に略一致した径寸法を有する開口31が形成されている。
【0033】サドル部3の特徴としては、加熱手段としての電熱線32が埋設されていることにある。この電熱線32は、線径が0.6mmであって体積抵抗が0.49Ω/m2 の銅ニッケル合金で形成され、サドル部3の中心回りに渦巻き状に配設されている。詳しくは、この電熱線32は、1.8mmのピッチで渦巻き状に15巻きされている。この場合の総抵抗値は11.17Ωとなっている。サドル部3の下面には、電熱線32の両端に繋がる図示しない一対の接続端子が設けられている。この接続端子には、後述する補修装置5に備えられた給電手段としてのアダプタ51が接続され、このアダプタ51から給電されるようになっている。この給電により電熱線32が発熱し、サドル部3全体を加熱する構成となっている。
【0034】尚、この電熱線32の配設状態としては多条巻きを採用してもよい。この場合、各条の電熱線32に対して給電が可能となるように接続端子及びアダプタを変更する必要がある。
【0035】筒部4は、取付管IIの内部に挿通されるものであって、外筒体41と内筒体42との2重管構造でなっている。これら外筒体41及び内筒体42は共にポリエチレン製である。
【0036】外筒体41は、外径寸法が、取付管IIの内径寸法に略一致した円筒体であって、上記サドル部3の開口31の縁部に融着されている。また、この外筒体41の肉厚寸法は6mmに設定されている。
【0037】内筒体42は、上記外筒体41に対して軸心方向(図1における上下方向)にスライド可能に挿通されている。この内筒体42の高さ寸法は、外筒体41の高さ寸法に略一致している。このため、内筒体42の後退位置(図2に示すように外筒体42内に入り込んだ状態)では筒体4全体の高さ寸法は外筒体41の高さ寸法に略一致する。これに対し、内筒体42の前進位置(図4に示すように外筒体41から伸長した状態)では筒体4全体の高さ寸法は外筒体41の高さ寸法と内筒体42の高さ寸法との和に略等しくなる構成となっている。
【0038】内筒体42の先端部(上端部)の外周囲には水膨張性のゴム輪43が装着されている。内筒体42の先端部の外周面には全周に亘って凹溝44が形成されており、ゴム輪43は、この凹溝44に嵌め込まれている。このゴム輪43は、例えば幅が約10mmの板状またはリップ付の波型形状で形成されており、水膨張率が約2倍の材料が使用されている。また、このゴム輪43の膨張状態における外径寸法は取付管IIの内径寸法よりも僅かに大きく(例えば、取付管IIの内径寸法よりも5mmだけ大きい155mm)設定されている。このため、筒部4が取付管IIに挿通された状態では、ゴム輪43の外周面が取付管IIの内周面に押圧され、筒部4と取付管IIとの間の水密性が良好に確保されるようになっている。
【0039】また、内筒体42の基端部の外周囲にはOリング45が装着されている。内筒体42の基端部の外周面には全周に亘って凹溝46が形成されており、Oリング45は、この凹溝46に嵌め込まれている。このOリング45により外筒体41と内筒体42との間の水密性が良好に確保されるようになっている。
【0040】−補修装置の説明−次に、上記補修材1を利用した補修作業を行うための補修装置5について説明する。
【0041】図2は、補修装置5を埋設本管I内に位置させた状態を示している。この補修装置5は、ベース部6、油圧シリンダ7、押圧手段としての押圧板8を備えている。以下、各部について説明する。
【0042】ベース部6は、ライニングされた内張り管2の内面形状に略沿うように円弧状に湾曲された底板61を備えている。この底板61は、内張り管2の内面と略等しい曲率半径を有している。つまり、この底板61を内張り管2の内面に当接させた状態では、補修装置5が埋設本管I内で安定的に設置されるようになっている。また、この底板61の下面は「ソリ」としての役目をし、埋設本管I内での補修装置5の移動(図2における紙面鉛直方向の移動)が円滑に行われるようになっている。
【0043】また、底板61には油圧シリンダ7,7の設置部となる基板62が備えられている。この基板62は、底板61に向かって延びる脚部63を備え、この脚部63の下端が底板61に接続されることにより底板61上に立設されている。この基板62上には上記アダプタ51が設置されている。
【0044】油圧シリンダ7は、上記基板62の上面の2箇所に設置されている。これら油圧シリンダ7,7は、油圧ロッド71,71の進退方向(図3の上下方向)が互いに平行となるように配置されている。これら油圧シリンダ7,7には図示しない油圧供給管が接続されている。この油圧供給管によって各油圧シリンダ7,7に油圧を供給することにより、各油圧ロッド71,71が同期して前進する(図3の矢印参照)一方、油圧を解除することにより、各油圧ロッド71,71が同期して後退するようになっている(図2参照)。
【0045】押圧板8は上記底板61と同様の形状で成っている。つまり、内張り管2の内面形状に沿うように円弧状に湾曲されている(内張り管2の内面と略等しい曲率半径を有している)。また、この押圧板8の内周側面(図3における下側面)には、上記油圧シリンダ7,7の油圧ロッド71,71が連結されている。従って、図2に示す状態において、油圧シリンダ7を作動させると、油圧ロッド71の前進に伴って押圧板8が埋設本管Iの内面に向かって移動する構成となっている(図3の矢印参照)。
【0046】また、上記各油圧ロッド71,71の内部には、この油圧ロッド71,71に対して油圧などの手段により進退移動自在な押し込み手段としての押し込みピン72,72が挿通されている。押し込みピン72,72は、押圧板8を貫通し、この押圧板8よりも上方へ伸長可能となっている。この押し込みピン72,72の位置は、図2に示すように、押圧板8上に補修材1が載置された状態において内筒体42の下面に対向する位置に設定されている。つまり、図2及び図3に示すように後退位置にある押し込みピン72,72が前進することによって、図4に示すように、内筒体42を上方に移動させる構成となっている。
【0047】−補修動作の説明−次に、上記埋設本管Iをライニングする動作及び埋設本管Iと取付管IIとの接合部を補修する動作について説明する。
【0048】(埋設本管Iのライニング動作)先ず、埋設本管Iを内張り管2によりライニングする際には、先ず、ポリエチレンにより円筒状に形成された内張り管2を「C」型に変形させた状態(断面積を小さくした状態)で、埋設本管Iの内部に引き込む。この引き込みは例えば周知のウインチによる牽引等により行われる。その後、内張り管2を蒸気により加熱すると共に内張り管2内部に圧縮空気を送り込む。この加熱動作及び空気の供給動作は周知の加熱加圧装置が使用される。これにより、内張り管2は、元の円筒形状に復元すると共に、埋設本管Iの内面にライニングされる。
【0049】(接合部の補修動作)上記ライニング動作の後、補修材1及び補修装置5を使用した上記接合部の補修動作を行う。以下、この補修動作を、図2〜図5を用いて説明する。
【0050】この補修動作を開始する前に、上記ライニングされた内張り管2のうち取付管IIに対向する部分を削除しておく。つまり、内張り管2に開口21を形成することにより、埋設本管I内部と取付管II内部とを連通させておく。
【0051】上記接合部の補修動作では、先ず、図2に示すように、補修装置5の油圧ロッド71及び押し込みピン72を共に後退させた状態(引き込んだ状態)で押圧板8上に補修材1を載置する。その後、この補修装置5を、補修材1のサドル部3の外径よりも大径の図示しないマンホールから埋設本管I内に設置する。この補修装置5にはロープが繋がっており、このロープにより補修装置5を所定位置まで牽引する。この牽引は、ロープの端部を上記のものとは異なるマンホールから取り出しておき、人力またはロープの巻取り装置によって行われる。また、埋設本管I内部に、図示しないTVカメラを設置しておき、このTVカメラからの画像を地上のモニタに表示させることにより、埋設本管I内での補修装置5の位置を認識しながら、この牽引動作を行う。
【0052】補修装置5が取付管IIに対向する位置に到達した時点で牽引を止める。これにより、図2に示すように、補修装置5と取付管IIとが対面した状態になる。また、補修装置5が埋設本管Iの管路中心を回転中心として回転できるようにしておけば、補修装置5と取付管IIとの周方向の位置合わせをより正確に行うことができる。更に、ロープによる牽引に代えて、補修装置5を自走式に構成して埋設本管I内を走行させ、取付管IIに対面する位置で走行を停止するようにしてもよい。
【0053】この状態で、先ず、油圧シリンダ7に油圧を供給する。この油圧の供給に伴い各油圧ロッド71,71が同期して前進する。これにより、図3に示すように、補修材1の筒部4が取付管IIの内部に挿入されると共に、サドル部3が内張り管2の内面に当接する。この状態で油圧の供給を停止し、アダプタ51からサドル部3内の電熱線32に給電を行う。この給電により、電熱線32が発熱してサドル部3が加熱される。この加熱により、サドル部3の一部が溶融して内張り管2の内面に融着する。これにより、内張り管2と補修材1とが一体化される。この融着が完了すると電熱線32への給電を停止する。このサドル部3の融着に要する時間は例えば120秒であって、補修材1を短時間で上記接合部に装着することができる。
【0054】この融着動作の後、または、この融着動作と同時に、押し込みピン72,72を前進させる。これにより、図4に示すように、押し込みピン72,72が内筒体42の下端面を上方に押し上げ、これによって、内筒体42が外筒体41から伸長し、取付管IIの奥側(図中上側)に向かって移動する。押し込みピン72,72が最も伸長した状態(図4に示す状態)では、内筒体42の下端部と外筒体41の上端部との間にOリング45が介在すると共に、内筒体42の上端部に設けられたゴム輪43が取付管IIの内面に当接している。これにより、内筒体42と外筒体41との間及び内筒体42と取付管IIとの間の水密性がそれぞれ良好に確保されることになる。
【0055】以上の動作の後、油圧ロッド71及び押し込みピン72を共に後退移動させる。これにより、図5に示すように、上記接合部に補修材1を装着させた状態で、この補修材1と補修装置5とを分離させる。
【0056】このようにしてライニング動作及び補修動作を行った後、その他の箇所にも同様のライニング動作及び補修動作が必要な場合には、上記と同様にして各所の補修を行う。その後、補修装置5を図示しないマンホールを経て埋設本体Iから取り出して作業が終了する。
【0057】図6は、埋設本体Iと取付管IIとの接合部に補修材1が装着された状態を示す図5におけるVI-VI 線に対応した位置における断面図である。この図に示すように、埋設本体Iと取付管IIとの間に隙間Aが生じている場合であっても補修材1により漏水は阻止されることになる。
【0058】−実施形態の効果−以上説明したように、本形態では、補修材1のサドル部3に埋設された電熱線32への給電により、サドル部3を加熱して内張り管2の内周面に融着させている。このため、補修材1の装着作業を短時間で行うことができ、補修作業の迅速化を図ることができる。また、サドル部3と内張り管2とが一体化されるため、埋設本管Iと取付管IIとの接合部における止水性能を良好に得ることができる。特に、内張り管2及び補修材1は共に同材料のポリエチレン製であるため、熱融着が良好に行われ、極めて信頼性の高い止水性能を得ることができる。従来の不飽和ポリエステル樹脂を使用した場合にはスチレン臭やアミン臭が発生するといった課題があったが、本実施形態では、ポリエチレンを使用したことにより、この臭気に係わる課題を解消でき、作業者に不快感を与えることがない。
【0059】また、筒部4を2重管構造とし、補修材1を埋設配管I内で搬送する際には内筒体42を外筒体41内に引き込んでおき、補修材1を装着する際には、内筒体42を伸長させて取付管IIの内部に押し込んでいる。このため、上述したように、取付管IIの内部に存在する筒部4の長さ寸法を長く確保することができて、埋設本管Iと取付管IIとの接合部における止水性能の向上を図ることができる。また、補修材1を埋設本管I内の所定位置まで搬送する際には筒部4の長さ寸法が短くなっており、これに伴って補修材1の高さ寸法を短くしておくことができ、埋設本管I内での搬送を円滑に行うことができる。つまり、筒部4が埋設本管Iや内張り管2に引っ掛かり難くなり、搬送が容易である。
【0060】−他の実施形態−上述した実施形態では、管路内に人が入って作業することができない比較的内径が小さな管路に本発明を適用した場合について説明した。本発明は、これに限らず、如何なる大きさの管路に対しても適用することが可能である。但し、埋設本管Iの内径や取付管IIの内径に応じて、補修材1のサドル部3や筒部4の形状は変更しておく必要がある。
【0061】また、電熱線32の配設状態は、上述したものに限らない。つまり、電熱線32の埋設位置を適宜設定することにより、サドル部3の内張り管2に対する融着位置及び融着面積を任意に得ることが可能である。例えば、サドル部3全体に亘って電熱線32を埋め込んだ場合には、このサドル部3全体を内張り管2の内周面に融着することができて融着面積を十分に確保することが可能になる。また、電熱線32の配設ピッチを狭く設定すれば、更に短時間でサドル部3を溶融温度まで加熱することができ、融着に要する時間の更なる短縮化を図ることができる。
【0062】更に、内張り管2及び補修材1の材料としてはポリエチレンに限るものではない。但し、この両者は同一材料で形成することが望ましい。
【0063】筒部4は、必ずしも二重管構造で構成しておく必要はない。単管で構成したり三重管以上で構成してもよい。
【0064】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、以下のような効果が発揮される。
【0065】請求項1、請求項6及び請求項8記載の発明では、配管補修材のサドル部を溶融して内張り管に一体化させるようにしている。これによって、水中硬化性樹脂や接着剤を使用することなしに、埋設本管と取付管との接合部に配管補修材を装着して、この部分での止水性能が得られるようにしている。このため、補修材の装着作業を短時間で行うことができ、作業の迅速化を図ることができる。従って、補修箇所が複数所に及ぶ場合であっても全ての箇所を補修するために要する時間を大幅に短縮化することが可能となる。また、補修材を装着した状態では、サドル部と内張り管とが融着により一体化されているため、埋設本管と取付管との接合部における止水性能を良好に得ることができ、信頼性の高い補修を行うことができる。
【0066】請求項2記載の発明によれば、電熱線への通電といった比較的簡単な動作でサドル部を内張り管の内周面に融着することができ、良好な作業性を得ることができる。また、電熱線の埋設位置を適宜設定することにより、サドル部の内張り管に対する融着位置及び融着面積を任意に得ることが可能であるため、補修材の形状などの設計自由度の向上を図ることができる。
【0067】請求項3、請求項7及び請求項9記載の発明では、筒部を2重管構造としたことにより、取付管の内部に存在する筒部の長さ寸法を長く確保することができて、埋設本管と取付管との接合部における止水性能の向上を図ることができる。また、補修材を埋設本管内の所定位置まで搬送する際の筒部の長さ寸法を短くすることができるので、埋設本管内での補修材の搬送を円滑に行うことができ、作業性の向上を図ることができる。
【0068】請求項4記載の発明によれば、内筒体の先端縁の外周囲に水膨張性ゴム輪を設けている。このため、内筒体の外周面と取付管の内周面との間からの漏水を確実に阻止することができる。その結果、配管補修材の信頼性の更なる向上を図ることができる。




 

 


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