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発明の名称 管の布設工法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−90866(P2001−90866A)
公開日 平成13年4月3日(2001.4.3)
出願番号 特願平11−266033
出願日 平成11年9月20日(1999.9.20)
代理人
発明者 中川 裕英 / 山根 歩 / 東 俊司 / 村田 雅信
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 既設管路内に単位長さの内管を順次挿入しつつ連結し既設管路内に新管路を布設する管の布設工法であって、内管挿入場所に設けられた作業用開口部に配置された該内管を順次連結しつつ既設管路内に挿入し、所定本数の内管が連結される毎に内管の内側から取り外し可能とされた内管挿入補助具を介して次の内管が挿入され、これに続いて更に内管を連結しつつ挿入し、これが繰り返され、挿入後の内管が作業用開口部に達したら新しい内管の挿入を停止し一番始めに挿入した内管挿入補助具を内側から外し、取り外された内管挿入補助具の奥側の内管の高さを調節しその管高さを固定し、内管と既設管との隙間に間仕切り壁を設け間仕切り壁の奥側に中込め剤を圧入し、中込め材が硬化後内管挿入補助具の長さだけ更に内管を挿入し、隣り合う内管同士を連結しこれを繰り返して新管路とされることを特徴とする管の布設工法。
【請求項2】 内管挿入補助具が、その前後に隣り合う内管に固定可能であり、かつ、内管挿入補助具の内側から取り外し可能で取り外し後に取り外された内管挿入補助具を内管の内側を通って作業用開口部まで搬送可能とされていることを特徴とする請求項1記載の管の布設工法。
【請求項3】 内管が、高さ調整具と高さ固定具と車輪とが設けられていることを特徴とする請求項1乃至2いずれか記載の管の布設工法。
【請求項4】 内管に設けられた高さ調整具が軸方向に移動可能な支持軸を介し内管内側から内管の高さを調節可能に支持される構造の治具であって、内管の作業用開口部に近い側に少なくとも1個以上設けられており、内管の底部管壁に設けられた貫通孔を貫通してその下端が既設管の上部内壁に当接されその上端が内管の上部内壁に当接された治具であり、高さ固定具が内部に中込め剤を圧入されてこれを保持できる治具であって、内管の上部近傍に少なくとも1個以上取り付けられており、その取付方法が内管の上部管壁に設けられた貫通孔を通して内管内側に開口部を持ち外側に向かって袋状になされており、開口部に中込め材の注入及び停止時に開閉される弁が設けられてなる治具であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の管の布設工法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管の布設工法に関しパイプインパイプ工法によりトンネル内配管であるシールド二次覆工や既設の老朽下水道管を更生する工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】下水道管が老朽化すると流水能が低下し、遂には土砂崩れによる閉塞が招来されるに至る。
【0003】従って、下水道管の使用が不能となる以前の適時に下水道管を更生する必要があり、その工法の一つとして老朽下水道管内に新管を挿入布設するパイプインパイプ工法が知られている。この場合、新管の内径を可能な限り既設の下水道管内径に等しくして従前の通水量を確保することが要求され、そのために、内管の外径を可能な限り既設管の内径に近づける努力がなされている。しかしながら、かかる既設下水管の条件下では既設管と新管との隙間が非常に狭くなり、既設下水道管内で内管を接続することが不可能である場合が多いため、内管を立坑内で接続しつつ既設の老朽下水道管内に挿入する工法が施用されている。
【0004】パイプインパイプ工法においては、既設の老朽下水道管の内面がその老朽化のために高摩擦抵抗となっており、新管をそのまま圧入するには大きな圧入力を必要とし、作業の困難化、新管の座屈破断、老朽下水道管の破壊等が起こる可能性が高く、この問題を解消するの為に、例えば、実開昭62−41982号公報に開示されているように既設の老朽下水管の内径よりかなり小さい外径の内管を運搬台車を使用して挿入したり、内管に車輪付きバンドを巻着し、内管に外周方向に一定間隔ごとに車輪を取り付けて挿入作業の容易化を図っている。
【0005】この場合、内管外面と既設の老朽下水道管の内面との間に生じる隙間に、中込め材、例えば、モルタル等を注入し充填するが、この時に、内管が注入されたモルタル等で浮き上がり、内管頂上が既設の老朽下水道管の内側上面に接触してしまう。従って、その間がモルタルレスとなってしまい、これを防止するために内管に浮上りストッパ−を取り付けている。上記車輪付きバンド使用の場合は、新管の頂上側に位置する車輪が浮上りストッパ−としての役目を果たしている。
【0006】このように、従来のパイプインパイプ工法においては、既設老朽下水道管の内面と新管外側との間隔が浮上りストッパ−の高さによって制せられ、浮上りストッパ−の高さが一様である以上、新管の延設状態が既設老朽下水道管内面の頂上面に並行に追従することになる。この場合、既設管の内側管頂は老朽化による不等沈下や損傷等によって部分的に上がり下がりしており直線状とはなっていない場合が多く、従って既設管の管頂に平行に布設された新管は完全には直線状には布設されず上下方向に屈曲した状態で布設されることになる。
【0007】浮き上がりストッパーを可動とし、既設老朽下水管の内面と新管外面との間隔の変化に応じて変化させ、内管を一本づつ個々に勾配を出していく工法もあるが、特に、コンクリート製下水管の場合には硫化水素等による腐食が激しく、内径の維持はおろか剥落している場合が多く見られる。従って、この場合には、管一本単位での勾配調節ではほとんどの場合基準値を再現できないという欠点があった。
【0008】このように、従来の工法では、既設老朽下水道管において、管路の施工後での不等沈下等による屈曲のために、部分的に所定の自然流下勾配が保持されていないことが往々にしてあったが、下水管の勾配は、およそ3/1000以下に規定されており、従って、新管がかかる自然流下勾配を逸脱した老朽下水道管の内面に追従して延設される以上、依然として自然流下勾配の条件を満たし得ず、満足に既設の老朽下水道管を更生することができないという問題点があった。
【0009】また、一回の内管布設工事を比較的短距離にしなければならないため、セメント等の中込め剤の打設を頻繁に行わねばならず、工事期間が長くなり多くの手間がかかってしまうという問題があった。
【0010】また、特開平7−91567号公報には所定本数毎に新管の使用する内管に管受け部材、浮上防止ストッパーを取り付け、内管を既設管に降ろす所で挿入し、ジャッキ等で内管を押し込んで連結し新管路とする工法が開示されている。この工法でも、一定の長さに内管を布設したらそのたび毎に外管と内管との間にモルタル等の中込め材を注入し、その後、再び内管の挿入を続けて行いこれを繰り返していくが、一般に中込め材の打設間隔は中込め材の搬送の関係で最大でも100m程度であることから、この工法では100m以下のライン長の場合を対象としたものであると考えられる。
【0011】この工法では、浮き上がり防止方法として上下方向に伸縮可能な棒状体を構成管上部外側に固定し、必要な隙間を確保できるよう棒状体の突出長さを調節し、この棒状体の先端を既存老朽管の上部内壁に当ててつっかい棒として機能させている。又、管底面の高さ調節方法は車輪自体の高さを変更することで行っている。
【0012】この場合には、内管の高さを既設老朽管の屈曲とは無関係に決めることが可能であるので勾配を規定に合致させて布設する事が可能である。しかるに、老朽化した既設管の内壁は一般に腐食が進んでいてわずかな力で損壊が生じ易く、このような車輪の上下で高さ調節を行いかつ棒状体で高さ固定を行う方法においては、棒状体が当接したピンポイントでは、設定された高さを安定して維持し続けることが難しく、従って、厳密に勾配を一定にすることは困難であった。しかも、前述のように比較的短距離の内管施工毎にこれを繰り返すことが必要であるため、やはり工事期間が長引き手間が多くかかるものであった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、老朽化した既設の下水道管をパイプインパイプ工法により、自然流下勾配をも含めて更生できる管の布設工法を提供することにあり、更に詳しくは、新管路の勾配を精密に設定でき、しかもその工事期間を短縮できる管の布設工法を提供する目的でなされたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明(発明1)の管の布設工法は、既設管路内に単位長さの内管を順次挿入しつつ連結し既設管路内に新管路を布設する管の布設工法であって、内管挿入場所に設けられた作業用開口部に配置された該内管を順次連結しつつ既設管路内に挿入し、所定本数の内管が連結される毎に内管の内側から取り外し可能とされた内管挿入補助具を介して次の内管が挿入され、これに続いて更に内管を連結しつつ挿入し、これが繰り返され、挿入後の内管が作業用開口部に達したら新しい内管の挿入を停止し一番始めに挿入した内管挿入補助具を内側から外し、取り外された内管挿入補助具の奥側の内管の高さを調節しその管高さを固定し、内管と既設管との隙間に間仕切り壁を設け間仕切り壁の奥側に中込め剤を圧入し、中込め材が硬化後内管挿入補助具の長さだけ更に内管を挿入し、隣り合う内管同士を連結しこれを繰り返して新管路とされることを特徴とする管の布設工法である。
【0015】請求項2に記載の発明の管の布設工法(発明2)は、内管挿入補助具が、その前後に隣り合う内管に固定可能であり、かつ、内管挿入補助具の内側から取り外し可能で取り外し後に取り外された内管挿入補助具を内管の内側を通って作業用開口部まで搬送可能とされていることを特徴とする発明1の管の布設工法である。
【0016】請求項3に記載の発明の管の布設工法(発明3)は、内管が、高さ調整具と高さ固定具と車輪とが設けられていることを特徴とする発明1乃至2いずれかの管の布設工法である。
【0017】請求項4に記載の発明の管の布設工法(発明4)は、内管に設けられた高さ調整具が軸方向に移動可能な支持軸を介し内管内側から内管の高さを調節可能に支持される構造の治具であって、内管の作業用開口部に近い側に少なくとも1個以上設けられており、内管の底部管壁に設けられた貫通孔を貫通してその下端が既設管の上部内壁に当接されその上端が内管の上部内壁に当接された治具であり、高さ固定具が内部に中込め剤を圧入されてこれを保持できる治具であって、内管の上部近傍に少なくとも1個以上取り付けられており、その取付方法が内管の上部管壁に設けられた貫通孔を通して内管内側に開口部を持ち外側に向かって袋状になされており、開口部に中込め材の注入及び停止時に開閉される弁が設けられてなる治具であることを特徴とする発明1乃至3のいずれかの管の布設工法である。
【0018】本発明の管の布設工法においては、使用される内管の材質は管本体に開口された貫通孔を繊維強化ポリエステル樹脂で補修して閉鎖できる材質ならば何でも良く、例えば、塩化ビニル、繊維強化ポリエステル樹脂等の合成樹脂;レジンコンクリート、繊維強化レジンコンクリート等の無機材料を併用した合成樹脂;鉄筋補強入りコンクリート等の無機材料製のものが適用される。
【0019】発明1及び2における内管挿入補助具は、その両端に隣り合う内管の端部に該内管挿入補助具を固定できるような固定具が設けられてあり、内管挿入補助具の構成部材は、内管の内側から分解が可能で、分解された構成部材は内管を通って作業用開口部まで搬送が可能な大きさまで分解がされるよう組み立てられていればその構造は特に定められるものではなく、例えば、鉄やステンレス等の金属や合成樹脂製の部材をボルトや嵌合によって組み合わされたもの等が挙げられる。
【0020】即ち、本発明の内管挿入補助具は、内管が連結されつつ既設管に挿入され中込め剤を注入する所定の長さまで既設管に挿入される毎に既に挿入された内管とそれに続く内管との間に配置されて、更に続く内管が連結されつつ挿入されこれが繰り返される。挿入された内管の最終端が作業用開口部に達したら内管の挿入が停止され、一番最初に挿入された内管挿入補助具が内管の内側から分解され取り外される。従って、取り外された後には内管挿入補助具の長さ分だけの空間が生じることになる。
【0021】この空間は、内管と既設管との間の隙間に中込め材を圧入する時に、中込め材が流出しないよう設けられる間仕切り壁を設置するための作業用空間として使用される。その空間は通常約1m程度の長さがあれば間仕切り壁設置工事の作業が実施可能であるが、現場の状況によっては作業の容易さ等を考慮して適宜長くしたり短くしたりする事ができる。従って、内管挿入補助具の長さは特に定められたものではなく施工現場毎に最適な長さが決められれば良い。
【0022】このように、通常は内管挿入補助具は短尺であるので、内管挿入補助具の一端を内管の内部に挿入して支持されるようにしておけば必ずしも車輪が取り付けられている必要はない。但し、内管挿入補助具の長さが長くその重量が内管の端部に掛かって内管が損傷等する恐れがある場合には、車輪を取り付けておいた方が好都合である。
【0023】本発明に使用される内管には、高さ調整具と高さ固定具と車輪とが設けられている。高さ調節具は内管の勾配を決定するために用いられ、具体的には、既設管路内に連結して挿入された内管の管頂高さを該高さ調整具によって精密にするものであり、その構造はレベル計測量によって管頂高さを計測する為の測量用目盛りを備えた計測棒を上下させることにより内管の高さを調節可能な構造であれば良く、特に限定されるものではない。
【0024】高さ調節具の構造は、内管に設けられた高さ調整具が軸方向に移動可能な支持軸を介し内管内側から内管の高さを調節可能に支持される構造の治具であって、内管の作業用開口部に近い側に少なくとも1個以上設けられており、内管の底部管壁に設けられた貫通孔を貫通してその下端が既設管の上部内壁に当接されその上端が内管の上部内壁に当接された治具である。
【0025】具体的には、例えば、外側に雄ねじが設けられた棒状体と内側面に雌ねじが設けられた筒状体とからなり、該棒状体は該筒状体にねじ込まれ、筒状体は内管底部壁面を貫通してその下端が既設管底面に当接されており、棒状体の上端は内管の上部内壁面に当接しており、該棒状体には外側面にレベル計測用目盛りが付されており、該筒状体には筒状体を回転させる取っ手が取り外し可能に仮固定して設けられており、該取っ手を回転させて棒状体を上下させて高さ調節を行うようにされてものがある。なお、棒状体の上下移動は必ずしもねじ式のものである必要はなく、口径の大きな内管を用いる場合には、油圧式のものを用いても良い。
【0026】高さ調節具の取付位置は特に厳密には制限されないが、単位長さの内管の中央から作業用開口部に近い側の端部近傍であれば、内管の高さ調節を行うときに螺子の調節可能ストロークが大きくなるので、調節をより精密に行われることが可能となりなお好都合である。
【0027】高さ固定具は、中込め材充填時に内管が浮き上がって高さ調整具によって設定された内管高さが変化してしまうことを防ぐ為に用いられ、具体的には、中込め材の圧入の前に内管上部と既設管管頂との間に生じている隙間を部分的に中込め材等によって埋める為に用いられるものであり、その構造は少量の中込め材等を小塊状態で該隙間に固定できる構造であれば良く、特に限定されるものではない。
【0028】なお、ここで言う中込め材とは、例えば、急結剤、流動補助剤等を添加したセメントコンクリート、セメントミルク、エアーモルタル等の無機材料;エポキシ、ウレタン等の合成樹脂やこれらの発泡体等、圧入する際には流動性を有し、圧入後は速やかに硬化し圧縮強度の高い材料であれば良い。また、高さ固定具に圧入される材料と内管と既設管との隙間に充填される材料とは同じものであっても同じものでなくてもかまわないが、コストや手間を考慮すると、セメント系の材料が好適に用いられる。。
【0029】高さ固定具の構造は、内部に中込め剤を圧入されてこれを保持できる治具であって、その形状が袋状であり、その取付方法が内管の上部管壁に設けられた貫通孔を通して内管内側に開口部を持ち、外側に向かって袋状になされており、開口部に中込め材の注入及び停止時に開閉される弁が設けられてなる治具である。
【0030】上記袋状の高さ固定具の材質は、強度が高く弾力性に富み、中込め材を圧入したときに破袋せず、かつ、既設管の管壁形状に追随して変化し、なおかつ、中込め材が硬化する際の温度変化や容積変化に対し圧入時の形状を変化させないものであれば何でも良く、例えば、弾力性と強度に優れた帆布等の布;合成ゴム、天然ゴム、あるいはこれらをコーティングした布等が挙げられる。
【0031】高さ固定具は内管の上部に少なくとも1個以上取り付けられている。高さ固定具は中込め材を充填したときに内管が浮き上がることを防止するためのものであり、既設管の上部内壁が大きく損傷している場合等で高さ固定具1個では高さが安定して維持できない場合には、2個以上を使用するようにされれば良い。
【0032】なお、高さ固定具は内管上部に加え内管下部にも設けられていても良い。この場合には、内管は上下の高さ固定部によって挟持されることになるので、中込め材の圧入時に移動する恐れがより少なくなる利点がある。
【0033】高さ固定具に設けられた弁は中込め材の注入及び停止時に開閉されて使用される。即ち、セメント等の中込め材を圧入する時に中込め材の輸送管の端部を接続して弁を開放し、内管を所定の高さに固定できるだけの量の中込め材が圧入されたらこれを閉鎖し、高さ固定具に圧入された中込め材が流出しないようにして硬化するまで放置するためのものである。
【0034】中込め材が硬化した後で弁は取り外され、外された後に残された貫通孔は高さ調節具が取り付けられていた貫通孔とともに、例えば、繊維強化ポリエステル樹脂等をハンドレイアップして補修され、内管の内壁が平滑に修正される。
【0035】内管に取り付けられた車輪は、できるだけ小さい方がよい。これは、内管の高さ調節を行った結果、万一、内管底部の高さが車輪の外径以下になってしまって高さ調節が不可能となり、所定の管路勾配が取れなくなる恐れを減少させるためである。
【0036】(作用)このように、本発明の管の布設工法では内管挿入補助具を使用することによって連続して長距離の内管を布設して、その後で単位長さ毎に間仕切り壁を設けて中込め材を注入できるので、セメント等の打設工事が一気に実行可能となり、工事期間が短く、しかも長距離の管布設工事が可能となる。
【0037】また、高さ固定具が弾力性を持った強靱な袋状であるため、これにセメント等を圧入した時に既設管内壁に広い面積で当接する事になり、既設管内壁に多少の損傷があっても安定して高さを維持することが可能である。
【0038】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、非限定的な実施例の図面を参照しながら説明する。図1は本発明の内管挿入補助具の一例を示した説明図であり、図2はそれを用いて内管を挿入する手順を示した説明図である。
【0039】図1において、内管挿入補助具Cは内管Aの端面A1に当接して内管Aを押し込む角パイプ製当て棒1が、角パイプ製の枠棒2にボルト11で接続され矩形形状に組み立てられる。矩形の4隅近傍には、角パイプ製のテンション棒3が枠棒2にボルト21で接続されている。更に、当て棒1には矩形の4隅近傍に内管挿入補助具Cを内管Aに接続するための角パイプ製の支持棒4がボルト41で接続されている。なお、この支持棒4は内管挿入補助具Cの両側に設けられている。
【0040】このように組み立てられた内管挿入補助具Cは、その支持棒4を先に既設管B内に配置された内管Aに支持棒4を差し込まれて支持され、もう一方の支持棒4はこれに続けて連結される内管Aに挿入されて既設管B内に挿入される。
【0041】所定の場所に到達した内管挿入補助具Cは、内管の内側から各ボルト11,21,41がスパナ等で取り外され、角パイプ状の部材に分解され内管内を通って搬出される。
【0042】内管挿入補助具を用いて内管を既設管に挿入する手順を図2に示す。図2(a)は内管挿入補助具の前後に内管が連結されて挿入された図、図2(b)は内管挿入補助具が外されて作業用空間ができた図、図2(c)は外された内管挿入具の前後の内管を連結した図をそれぞれ示す。
【0043】既設管Bには予め内管Aに取り付けられた車輪14を案内するレール15が敷かれ、内管Aは作業用開口部を通ってレール15の上に配置される。一定の本数の内管Aが連結されて既設管B内に挿入されたら内管挿入補助具Cが連結され、これに続いて更に内管Aが連結され、これが繰り返されて既設管B内に新管が仮布設され、作業用開口部まで到達したら内管の挿入を停止する。
【0044】一番最初の内管挿入補助具Cを上述の手順で内管Aの内側から分解し、分解された内管挿入補助具Cの部材は内管Aを通って作業用開口部まで搬出される。従ってこのときに分解された内管挿入補助具Cの長さに相当する空間が出来ることになり、この空間を利用して奥側の内管Aの高さ調節及び高さ固定を行い、続いて間仕切り壁を設置し中込め剤を圧入して新管の一部を完成させる。
【0045】その後、手前側の内管Aを押し込み、一部完成した新管に続く内管Aを連結し、これを繰り返して全ての新管を完成させ新管路とする。
【0046】図3は高さ調節具Dの一例を示した説明図である。高さ調節具Dは筒状支柱5と筒状支柱5の上端に固定され、かつ内面が雌ねじとされた回転ハンドル7と外周が全長に渡って雄ねじとされ、かつ回転ハンドル7を貫通してねじ込まれて下部を筒状支柱5の中に挿入された計測棒6とから構成され、筒状支柱5は内管Aの底部に設けられた貫通孔A2を貫通して既設管Bの底面に当接され、計測棒6は回転ハンドル7の中にねじ込まれた反対側の先端が内管Aの管頂部に当接されて全体として内管Aを支持可能とされている。
【0047】筒状支柱5には上端に計測棒6を上下移動させるための回転ハンドル7が設けられている。回転ハンドル7は短筒状の本体の外側に取っ手8が突出して設けられ、回転ハンドル7の本体の内周面は全面に渡って雌ねじとされている。この回転ハンドル7は筒状支柱5の上端に固定されており、内周面の雌ねじに計測棒6が回転ハンドル7の上下に突出してねじ込まれ、計測棒6の一端は筒状支柱5の中に挿入され、計測棒6の他の一端は内管Aの上部管頂に当接されている。回転ハンドル7を取っ手8で回転させることにより既設管Bの底部に押し当てられて上下方向に移動不能とされた筒状支柱5が回転し、回転ハンドル7の雌ねじによって、計測棒6が上下移動する。
【0048】本実施例の場合には、回転ハンドル7にのみ雌ねじを設け、回転ハンドル7と筒状支柱5とは固定して一体とされ、回転ハンドル7を回転して一体化された筒状支柱5を回転させようとすると筒状支柱5の本体を既設管Bの底面に当接して上下移動不能に当接してあるので、筒状支柱5は上下に移動せずに回転し、従ってこれにねじ込まれた計測棒6が上下に移動させるようにしてあるが、筒状支柱5の内面に螺子を設けて、該筒状支柱5に直接計測棒6をねじ込むようにしても良い。
【0049】筒状支柱5及び計測棒6にはそれぞれ既設管B又は内管Aに当接する端部に平板状のあて板10及び11が設けられても良い。あて板10及び11は、既設の老朽下水道管Bの底面又は内管Aの上部内壁に筒状支柱5の下端又は計測棒6の上端部がピンポイントで当接して、既設管Bの底面と内管Aの上部内壁を支持した時に、当接点に過大な荷重が掛かって既設管Bや内管Aの当接された部分が破損することを防ぐ為に設けられるものである。このあて板10及び11は最初から筒状支柱5や計測棒6の各端部に取り付られていても良いし実際に高さ調節を行うときに当接部に当てても良い。
【0050】計測棒6には、レベル計による高さ測量用の計測目盛り9が設けられている。従って、内管Aの勾配は高さ調節具Cのねじを回転させることで微調節が可能であるので、精密なレベル計測量によって厳密に決定することができるのである。
【0051】図4は高さ固定具Eの一例を示した説明図である。高さ固定具Eは内面ゴム引きの帆布性の袋状体12であり、内管Aに開けられた貫通穴A3の内管Aの内側面に開口部を持ち、内管Aの外側面に袋状体12を設けたものである。
【0052】内管Aに開けられた貫通穴A3には取り外し可能に設けられた弁13が設けられ、弁13にはその内管Aの内側に中込め材輸送管14を接続する管接続口131が設けられ、その内管Aの外側には上記高さ固定具Dの開口部を取り付ける袋取付口15が設けられている。袋取付口15は袋状体12である高さ固定具Eを確実に取り付けられ、かつ中込め材が硬化後取り外すことが出来る構造であれば特にその構造は限定されることはない。同様に管接続口131の接続方法も限定されるものではなく、弁13の取付方法も限定されるものではない。
【0053】高さ調節具Dによって高さを調節された内管Aは高さ固定具Eによってその高さを維持される。高さ固定作業は、中込め材を圧入する長さにある内管挿入補助具Cが取り外され作業用となされた空間を使って行われる。その方法は、まず、内管Aが設定された高さに調節された後、弁14に設けられた管受け口131に中込め材輸送管14が接続され、弁13が開放され中込め材が袋状体12に圧入される。管高さは高さ調節具Dによって一定に保たれているので、中込め材が袋状体12に充填されて、内管Aと既設管Bとの隙間で必要な大きさの小塊状になったら弁13を閉じ中込め材の硬化を待つ。中込め材が硬化後、袋状体12を弁13から取り外し、弁13を内管Aから取り外してその後を繊維強化ポリエステル樹脂等で塞ぎ、内管Aの内面をなめらかに補修する。この状態で、間仕切り壁を取り付け、高さ調節具Dを取り外し、取り外した後の貫通穴A2を繊維強化ポリエステル樹脂等で塞ぎ、内管Aの内壁をなめらかに補修する。その後、中込め材を間仕切り壁の奥側に注入し硬化させる。
【0054】この場合、内管Aの底部にも高さ固定具Eを設けて同様の操作を行うと、内管Aは上下を既設管B内の所定に高さに固定された状態となり、中込め材の圧入時にその高さが狂いにくく、勾配を更に厳密なものとすることが出来る。
【0055】このようにして、高さを調節された内管が中込め材によって完全に固定され、管路とされた後、作業用開口部から続く内管が挿入され、完成された管路に連結され、これが繰り返されて新管路とされる。
【0056】(施工例1)内径1000mm、長さ400mのコンクリート製既設下水道管路中に、内管として、外径800mm、長さ4mの繊維強化レジンコンクリート製管の下部外側に車輪を下部に貫通穴をそれぞれ設けて、これに図3(a)に示す高さ調節具を上部に貫通孔を設けてこれに図4に示す高さ固定具を取り付け、このようにされた内管を連結しつつ挿入し、連結数が20本毎に、長さ1mの鉄アングル製で内管内側から分解可能に組み立てられた四角フレーム構造の内管挿入補助具を介して、更に内管を連結し、これを繰り返して長さ400mの新管路を仮設した。
【0057】最初に挿入された内管挿入補助具を内側から外し、高さ調節を行い、高さ固定具にセメントモルタルを圧入し、硬化後間仕切り壁を設置し、その奥側にセメントモルタルを圧入し、硬化後手前の内管を挿入して連結し、これを繰り返して既設管路内全長に渡り新管路を布設した。
【0058】この施工例においては、従来の一管づつ既設管路内の狭いところで接続してゆく管路布設工法の2倍以上、日進量にして40〜60mの施工速度で工事を行うことができ、一回の施工長さが上記従来工法の100m程度を大幅に上回ることができた。
【0059】また、木製高さ調節具で一本づつの内管の高さを調節しながら連結していく従来工法と比較して、80m仮設後にまとめて各管の高さ調節を行い管勾配を調整することで、従来工法では1時間の調整時間を要したのに対し本施工例では、約5分で調整作業を完了できた。
【0060】
【発明の効果】上述のように、本発明の既設管の中に新管路を布設する工法によれば、内管の内側から取り外し可能な内管挿入補助具を使用することにより一気に長距離の新管路を布設できるばかりでなく、順次中込め材で新管路を固定できるので工事期間を短縮する事が可能となる。更に、計測目盛り付き計測棒でねじ方式で内管の高さを微調節し、レベル計計測で勾配を決定し、この高さを袋状高さ固定具で固定して中込め材を圧入するので、精密な管勾配を持つ新管路とする事が可能となる。




 

 


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