米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 機械工学 -> 株式会社ノーリツ

発明の名称 即時出湯装置の即時出湯制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−124356(P2001−124356A)
公開日 平成13年5月11日(2001.5.11)
出願番号 特願平11−306545
出願日 平成11年10月28日(1999.10.28)
代理人 【識別番号】100107445
【弁理士】
【氏名又は名称】小根田 一郎
【テーマコード(参考)】
3L073
5H323
【Fターム(参考)】
3L073 AA01 AA15 AB09 AC01 AC10 AD03 AD05 AD08 AE02 AE06 AE07 
5H323 AA31 BB04 BB20 CA05 CB02 CB10 CB42 DA01 DA06 DB15 DB28 EE01 FF01 GG27 JJ06 KK05
発明者 三宅 富雄
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 熱源手段から末端カランまでの間に内容積が未知の給湯配管が付設された給湯システムに対し、上記末端カランの開栓により即時出湯させるための即時出湯装置を上記給湯配管の下流端である末端カラン側位置に付設し、上記末端カランが出湯のために開栓されてから上記熱源手段からの出湯温度設定値の湯水が上記末端カランに到達するまでの間に出湯温度設定値近傍の湯水を上記末端カランから即時出湯させるよう出湯制御を行う即時出湯制御方法であって、上記出湯制御に先立ち、上記末端カランが開栓された際にその末端カランを通過する給湯配管内の湯水の水温と流量とを監視し、上記開栓の時点から上記水温が所定の変化を示すまでの経過時間内に通過した流量を積算することにより、上記熱源手段から末端カランまでの給湯配管の内容積の推定処理を行い、この推定処理により得られた推定値を給湯配管容積検出値として以後の出湯制御に用いるようにすることを特徴とする即時出湯装置の即時出湯制御方法。
【請求項2】 熱源手段から末端カランまでの間に内容積が未知の給湯配管が付設された給湯システムに対し、加熱手段が設けられ貯湯量が固有かつ既知の貯湯槽を備えた即時出湯装置を上記給湯配管の下流端である末端カラン側位置に付設し、上記末端カランが出湯のために開栓されてから上記熱源手段からの出湯温度設定値の湯水が上記末端カランに到達するまでの間に上記貯湯槽内の高温湯水と上記給湯配管内に残留する低温湯水とを混合手段により所定の混合比で混合することにより出湯温度設定値近傍の湯水を上記末端カランから即時出湯させるよう出湯制御を行う即時出湯制御方法であって、上記出湯制御に先立ち、上記末端カランが開栓された際に上記混合手段の手前位置の給湯配管内を通過する湯水の水温の変化と、上記末端カランを通過する流量とを監視し、上記開栓の時点から上記水温が所定の変化を示すまでの経過時間内に通過した流量を積算することにより、上記熱源手段から混合手段までの上記給湯配管の内容積の推定処理を行い、この推定処理により得られた推定値を給湯配管容積検出値として次回の出湯制御に用いるようにすることを特徴とする即時出湯装置の即時出湯制御方法。
【請求項3】 請求項2記載の即時出湯装置の即時出湯制御方法であって、出湯制御として、給湯配管容積検出値と、給湯配管内の低温湯水の水温とに基づいて、貯湯槽内の全貯湯量の高温湯水を使い切るまでの時間内に熱源手段からの出湯温度設定値の湯水が混合手段にまで到達するように加熱手段を作動制御することにより上記貯湯槽内の貯湯温度を変更調整するようにする、即時出湯装置の即時出湯制御方法。
【請求項4】 請求項2記載の即時出湯装置の即時出湯制御方法であって、出湯制御として、まず、給湯配管容積検出値と、給湯配管内の低温湯水の水温と、出湯温度設定値とに基づいて、貯湯温度を予め設定した貯湯温度上限値に変更制御したと仮定した場合に熱源手段からの出湯温度設定値の湯水が混合手段に到達するまでの時間内に貯湯槽内の全貯湯量の高温湯水を使い切る湯切れが発生するか否かの湯切れ判定処理を行い、次に、上記湯切れ判定処理において上記貯湯槽の湯切れが発生すると判定された場合には上記貯湯温度を貯湯温度上限値に変更制御する一方、その貯湯温度上限値の全貯湯量の高温湯水を使い切るまでの時間内に上記熱源手段からの出湯温度設定値の湯水が混合手段にまで到達するよう上記出湯温度設定値を強制的に低温側に変更設定する湯切れ防止制御を行うようにする、即時出湯装置の即時出湯制御方法。
【請求項5】 請求項4記載の即時出湯装置の即時出湯制御方法であって、湯切れ防止制御として、出湯温度設定値の変更設定値を初期設定値から高温側に徐々に変更させて貯湯槽内の全貯湯量の高温湯水を使い切る時点もしくは直近時点において上記出湯温度設定値に相当する温度値まで到達させるようにする、即時出湯装置の即時出湯制御方法。
【請求項6】 請求項4又は請求項5記載の即時出湯装置の即時出湯制御方法であって、末端カランからの必要出湯量として少量要求モードか多量要求モードかのいずれかを選択させる選択入力手段を設け、上記選択入力手段により少量要求モードが選択された場合には予め設定された出湯温度設定値により出湯制御を行う一方、上記選択入力手段により多量要求モードが選択された場合には湯切れ防止制御を行う、即時出湯装置の即時出湯制御方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給湯配管を介して熱源手段と離れた位置に設置された末端カランから開栓とほぼ同時に出湯温度設定値の湯水を出湯させるために用いられる即時出湯装置の即時出湯制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、給湯器が末端カランの開栓により作動されて出湯温度設定値の温度の湯水が給湯配管を通して末端カランから出湯された後、その末端カランの閉栓により給湯器の作動が停止されると、給湯配管内に残留する湯水は冷やされて出湯温度設定値よりも低温の低温湯水となる。このため、次に末端カランを開栓しても上記の低温湯水(例えば15℃程度)が出続けることになり、給湯器からの出湯温度設定値(例えば40℃)の湯水が末端カランに到達するまで待ち時間が生じることになる。これを解消して末端カランの開栓とほぼ同時にその末端カランから出湯温度設定値の湯水の出湯を可能とさせるために、種々の即時出湯装置の即時出湯制御方法が従来より知られている。
【0003】その例として、加熱体を有する貯湯槽を末端カラン近傍に設け、この貯湯槽内の加熱湯水と給湯配管からの湯水とを混合させて所定温度にしたものを末端カランから出湯させるようにし、上記貯湯槽の設定温度を制御部により可変にしたもの(例えば特開昭62−116838号公報参照)、あるいは、給湯配管長さに関連した容積の小タンク(貯湯槽)を末端カラン近傍に設け、この小タンクに対しヒータ及び給湯配管長さに関連した貯湯温度に保つサーモスタットを設けて末端カランの開栓時にはその所定貯湯温度の湯水を先に出湯させるようにしたもの(例えば実公平1−34054号公報参照)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般的な給湯システムにおいては、一台の給湯器によりこれと離れた位置にある台所の流し場や洗面所等の数カ所の末端カランに給湯されるようになっており、その給湯器から各末端カランまでの間が数m〜10m以上の長さの給湯配管により接続されるのが通常である。このため、末端カラン側位置に予備加熱し得る貯湯槽を設けたとしても、上記給湯配管の長さ、つまり給湯配管の内容積、換言すると給湯配管内に残留した低温湯水の容量の大小如何によって、現実には貯湯槽内の貯湯の「湯切れ」あるいは「湯余り」が生じるおそれがある。
【0005】すなわち、上記貯湯槽は台所や洗面所等に設置するものであるため、余り大きいと設置し得ず、比較的コンパクトなサイズにせざるを得ないことになり、貯湯量は一定のものに制限される。その上、その貯湯温度も余り高温のものにすると設備の断熱構造の煩雑化や放熱による熱エネルギーロスを招くことになるため、貯湯温度上限値が一定のもの(例えば70〜80℃)に制限される。このため、貯湯槽の側はその貯湯量及び貯湯温度に対し制限がある一方、給湯配管の側は内部に残留する湯水の温度は時間経過により一定の低温度(例えば15℃)まで低下する上に給湯配管の長さ(内容積)が設置する住宅毎に異なり未知であるという事情が現実には存在する。
【0006】ここで、末端カランの開栓により貯湯槽内の高温湯水と、給湯配管内に残留する低温湯水とを合流させて混合し所定の出湯温度設定値(例えば40℃)の湯水を末端カランから即時出湯させる場合について考える。この場合、例えば給湯配管の長さが長い(残留水量が多い)と、貯湯温度を上記の上限値に調整設定したとしても即時出湯のために貯湯槽内の高温水温を混合させていくと給湯器から出湯温度設定値の湯水が上記の合流部に到達するまでに貯湯槽内の全貯湯量を使い切ってしまうという湯切れが生じることになる。逆に、給湯配管の長さが短い(残留水量が少ない)と、貯湯槽内の貯湯量の一部を消費しただけで給湯器から出湯温度設定値の湯水が上記の合流部に到達してしまい、わざわざ予備加熱させた貯湯が無駄に余るという湯余りが生じることになる。
【0007】これらの不都合は主として給湯配管の長さが未知であることに起因して生じるものであるが、即時出湯装置を特定の住宅毎に製造するのであれば給湯配管の長さが予め既知であるため、その給湯配管の長さに対応した貯湯量の貯湯槽を形成して設置すれば上記の不都合は生じない。つまり、上記の提案された従来技術の如く給湯配管の長さが既知であればその既知の長さに基づき必要容量の貯湯槽を形成して設置したりその貯湯温度の設定を行えば上記の不都合を回避することも可能となる。
【0008】しかしながら、上記の給湯配管の長さは給湯システムを設置する住宅毎に異なり、その住宅毎に対応する仕様の即時出湯装置を個々に受注生産するのは工業的生産活動としては一般的ではない。通常は、平均的な給湯配管長さに対応しつつ上記の各種制限範囲にある一種類もしくは数種類の固有の内容積の貯湯槽を前提とした一定仕様の即時出湯装置を予め大量生産し、これを給湯配管長さが未知である個別の給湯システムに組み込むことになる。そうすると、個々の住宅事情によっては上記の如き不都合が生じかねないおそれがある。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、給湯配管の長さが未知の給湯システムに組み込んでも湯切れもしくは湯余り等の不都合の生じない即時出湯装置の即時出湯制御方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、貯湯量が固有の貯湯槽を用いることを前提として、まず未知の値である給湯配管の内容積を推定し、次にこの推定値に基づき湯切れや湯余りが生じないように貯湯温度もしくは混合比の各制御を行えばよいこと、及び、給湯配管が極めて長く貯湯温度を上限値に設定しても湯切れが生じると判定される場合にはユーザー設定の出湯温度設定値を強制的に若干低めに変更設定することにより即時出湯機能をほぼ満足させつつ不都合発生を回避するようにすればよいこと、あるいは、そのような場合であってもユーザーの必要使用湯量が少なければ出湯温度設定値で即時出湯しても湯切れは発生しないこと等に着目してなされたものである。
【0011】具体的には、即時出湯装置の即時出湯制御方法に係る第1の発明は、熱源手段から末端カランまでの間に内容積が未知の給湯配管が付設された給湯システムに対し、上記末端カランの開栓により即時出湯させるための即時出湯装置を上記給湯配管の下流端である末端カラン側位置に付設し、上記末端カランが出湯のために開栓されてから上記熱源手段からの出湯温度設定値の湯水が上記末端カランに到達するまでの間に出湯温度設定値近傍の湯水を上記末端カランから即時出湯させるよう出湯制御を行う即時出湯制御方法を対象として以下の特定事項を備えるものである。すなわち、上記出湯制御に先立ち、上記末端カランが開栓された際にその末端カランを通過する給湯配管内の湯水の水温と流量とを監視し、上記開栓の時点から上記水温が所定の変化を示すまでの経過時間内に通過した流量を積算することにより、上記熱源手段から末端カランまでの給湯配管の内容積の推定処理を行い、この推定処理により得られた推定値を給湯配管容積検出値として以後の出湯制御に用いるようにするという特定事項を備える。
【0012】ここで、上記の「給湯システム」としては、例えば都市ガス等の気体燃料もしくは軽油等の液体燃料の燃焼熱、あるいは、電気ヒータもしくは発熱体への通電による発熱等を熱源として、入水された水道水等を出湯温度設定値まで加熱・昇温させて給湯配管に給湯するように構成されたものである。
【0013】上記の「即時出湯装置」としては、即時出湯制御を行うために給湯配管の内容積の値、あるいは、その内容積の値に基づいて演算される熱源手段から出湯温度設定値の湯水が末端カランまでに到達する時間の値等が必要となるものであればいずれの形式のものでもよく、例えば加熱手段を有して予備加熱可能な貯湯槽を給湯配管の末端カラン手前位置に直列に介在させて熱源手段から出湯温度設定値の湯水が末端カランに到達するまでの間に貯湯槽内の貯湯を末端カランに流出させるもの、その貯湯槽の貯湯と常温の水道水とを混合するもの、あるいは、上記の貯湯槽を後述の第2の発明における如く末端カランの手前位置において給湯配管と並列に設け貯湯槽内の高温湯水と給湯配管内の低温湯水とを混合手段により混合させるようにしたもの等を適用すればよい。
【0014】また、「水温と流量とを監視」するには水温センサ等の水温検出手段及び流量計等の流量検出手段を設けるようにすればよく、「経過時間内に通過した流量を演算する」には例えばCPU等を有するコントローラにおいて水温検出値及び流量検出値を受けてプログラム処理により積算を行うようにすればよい。
【0015】さらに、上記の「水温が所定の変化を示す経過時間」とは以下に説明する通りである。すなわち、末端カランの開栓により熱源手段が作動されてこの熱源手段から出湯温度設定値の湯水が給湯配管の上流端から末端カラン側である下流端側に向けて供給されるに伴い、それまで給湯配管内に残留していた残留湯水が略ピストンフロー状態となって末端カラン側へ押し出されることになる。そうすると、末端カランから流出する湯水の水温(図1の二点鎖線参照)は、上記熱源手段からの出湯温度設定値Tsu(例えば40℃)の給湯湯水が末端カランに到達する時点t3までの間に、上記残留湯水の温度Tbo(例えば15℃)でほぼ一定に移行した後、上記残留湯水の上流端部分と上記給湯湯水の下流端部分との境界範囲の先端部分が末端カランに到達する時点t1において急激に上昇することになる。そして、上記境界範囲の後端部分が上記末端カランに到達する時点t3において出湯温度設定値Tsuに至ることになる。従って、「水温が所定の変化を示す経過時間」とは、給湯配管内の残留湯水が末端カランから排出されて熱源手段からの出湯温度設定値の湯水が末端カランまで到達することにより、水温監視位置での水温が上昇変化を示すまでの経過時間のことであり、具体的には、上記の温度の変化曲線が急上昇に転ずる変曲点の時点t1までの経過時間、上記残留湯水の温度Tboに予め定めた温度しきい値αを加えた温度まで変化する時点t2までの経過時間、あるいは、出湯温度設定値TsuもしくはTsu近傍まで変化した時点t3までの経過時間のいずれかを採用すればよい。但し、上記の温度しきい値αは0<α<(Tsu−Tbo)により定義される値である。なお、上記の各時点t1,t2,t3までのいずれの経過時間を採用するかは通常口径の給湯配管を用いて予め試験することにより定めればよい。
【0016】また、即時出湯装置の即時出湯制御方法に係る第2の発明は、熱源手段から末端カランまでの間に内容積が未知の給湯配管が付設された給湯システムに対し、加熱手段が設けられ貯湯量が固有かつ既知の貯湯槽を備えた即時出湯装置を上記給湯配管の下流端である末端カラン側位置に付設し、上記末端カランが出湯のために開栓されてから上記熱源手段からの出湯温度設定値の湯水が上記末端カランに到達するまでの間に上記貯湯槽内の高温湯水と上記給湯配管内に残留する低温湯水とを混合手段により所定の混合比で混合することにより出湯温度設定値近傍の湯水を上記末端カランから即時出湯させるよう出湯制御を行う即時出湯制御方法を対象として以下の特定事項を備えるものである。すなわち、上記出湯制御に先立ち、上記末端カランが開栓された際に上記混合手段の手前位置の給湯配管内を通過する湯水の水温の変化と、上記末端カランを通過する流量とを監視し、上記開栓の時点から上記水温が所定の変化を示すまでの経過時間内に通過した流量を積算することにより、上記熱源手段から混合手段までの上記給湯配管の内容積の推定処理を行い、この推定処理により得られた推定値を給湯配管容積検出値として次回の出湯制御に用いるようにするという特定事項を備える。
【0017】ここで、上記第2の発明における「給湯システム」、「水温の変化と、流量とを監視」する手段、「流量を積算」する手段、及び、「水温が所定の変化を示すまでの経過時間」の各内容については、上記第1の発明において説明した内容と同じである。
【0018】上記の「加熱手段」としては、直接加熱するものや間接加熱するもの等のいずれを用いてもよい。直接加熱する例としては例えば貯湯槽内部に設置され通電により自己発熱する発熱体もしくは電気ヒータ等が挙げられ、間接加熱する例としては例えば熱源手段から供給される加熱湯水を循環させて貯湯槽内の湯水との熱交換により加熱する熱交換器が挙げられる。このような熱交換器に対しては、熱源手段による加熱湯水を室内暖房のために循環させる温水暖房機能が熱源手段に付加されている場合に、その循環路の一部から分岐させた加熱湯水を上記熱交換器に供給・循環させるようにすればよい。
【0019】上記の「混合手段」としては、貯湯温度の変更制御のみの場合には例えばユーザー設定の出湯温度設定値と連携して貯湯槽からの高温湯水と給湯配管からの低温湯水との両通水量を機械的に一定の混合比に規制するワックスサーモ型混合弁(サーマルバルブ)を用いればよく、また、貯湯温度の変更制御もしくは混合手段での混合比を変更制御する場合には例えば電動モータ等のアクチュエータの作動により弁開度を変更して貯湯槽の高温湯水と給湯配管の低温湯水との両流入量の混合比を変更し得るように構成された混合制御弁等を用いればよい。
【0020】さらに、上記の「給湯配管容積検出値として次回の出湯制御に用いる」とは、給湯配管の内容積の検出を即時出湯装置設置後の初期設定時に1回行い以後の出湯制御に用いるようにしてもよいし、給湯配管の内容積の検出を上記初期設定時及びその後の出湯制御の度に行い今回の積算値に基づく給湯配管容積検出値の更新・学習を行うようにしてもよい。学習を行う場合には、今回の積算値と前回までに記憶された積算値との平均化処理や今回の積算値が特異値である場合のキャンセル処理等を行い、今回得た学習更新値を次回の出湯制御に用いるようにすればよい。また、学習更新の条件として前回出湯から今回出湯までに所定の設定時間が経過していること等を付加するようにしてもよい。さらに、給湯システムが上記の水温及び流量の監視対象である即時出湯用末端カランの他に1もしくは2以上の末端カランを有している場合には、他の末端カランとの同時出湯時や、他の末端カランでの出湯直後の即時出湯用末端カランの出湯時等には学習更新をキャンセルするようにすればよい。
【0021】以上の第2の発明は、以下に一例として示す如き即時出湯制御装置により実現される。すなわち、給湯配管内の湯水の温度を検出する給湯配管水温検出手段と、上記末端カランからの出湯流量を検出する出湯流量検出手段と、上記熱源手段から混合手段までの給湯配管の内容積を検出する給湯配管容積検出手段とを備え、上記給湯配管容積検出手段として、出湯流量検出手段による出湯流量検出値を積算する流量積算部と、給湯配管水温検出手段による水温検出値の変化を監視する水温変化監視部と、上記流量積算部に対し積算実行指令を上記出湯流量検出手段により末端カランからの出湯開始が検出された時点に出力する一方、積算停止指令を上記水温変化監視部により水温検出値が所定の変化を示す時点に出力する積算指令部とを備え、上記流量積算部に積算された積算値に基づいて給湯配管の内容積を検出するように構成された即時出湯制御装置である。
【0022】上記の第2の発明においては、貯湯槽の内容積が固有である一方、上記推定処理を行うまでは給湯配管の内容積が未知であるため、通常の出湯制御を行うだけでは不都合の発生予測が上記推定処理を行って初めて把握される場合がある。このような種々の場合に対処するために、上記給湯配管容積検出値に基づく出湯制御として以下のような種々の特定事項を付加するようにしてもよい。
【0023】第1の特定事項は、出湯制御として、給湯配管内容積検出値と、給湯配管内の低温湯水の水温とに基づいて、貯湯槽内の全貯湯量の高温湯水を使い切るまでの時間内、例えば使い切る時点もしくは直近時点に熱源手段からの出湯温度設定値の湯水が混合手段にまで到達するように加熱手段を作動制御することにより上記貯湯槽内の貯湯温度を変更調整する制御を行うことである。これは、特に湯余りが生じると予測される場合に、貯湯温度を貯湯温度上限値よりも低温側に変更調整されて給湯配管内の残留湯水の量に対応した貯湯温度とされるため、貯湯槽での予備加熱のための熱エネルギーの低減化、放熱による熱エネルギー損失の低減化を図り得る点で有効となる。
【0024】このような制御を実現するための即時出湯制御装置としては、以下のようなものが例示される。すなわち、熱源手段から混合手段までの給湯配管の内容積を検出する給湯配管容積検出手段と、上記給湯配管内の湯水の温度を検出する給湯配管水温検出手段と、上記末端カランからの出湯流量を検出する出湯流量検出手段と、上記貯湯槽内の湯水の温度を検出する貯湯温度検出手段と、上記加熱手段の作動を制御することにより上記貯湯槽内の湯水の貯湯温度が所定温度になるように変更制御する貯湯温度制御手段とを備え、上記貯湯温度制御手段として、入力設定された出湯温度設定値、上記給湯配管容積検出手段による給湯配管内容積検出値、上記給湯配管水温検出手段による給湯配管水温検出値、貯湯温度検出手段による貯湯温度検出値、及び、予め設定された貯湯槽内容積値とに基づいて、上記貯湯槽内の全貯湯量の高温湯水を使い切ることになる時間が上記熱源手段からの出湯温度設定値の湯水が給湯配管を通して混合手段にまで到達するのに要する時間よりも等しいか長くなるために必要な貯湯温度目標値を演算する貯湯温度演算部と、貯湯槽内の湯水がこの貯湯温度演算部により演算された貯湯温度目標値になるように上記加熱手段の作動制御を行う加熱作動制御部とを備えるような即時出湯制御装置である。
【0025】第2の特定事項は、出湯制御として、まず、給湯配管内容積検出値と、給湯配管内の低温湯水の水温と、出湯温度設定値とに基づいて、貯湯温度を予め設定した貯湯温度上限値に変更制御したと仮定した場合に熱源手段からの出湯温度設定値の湯水が混合手段に到達するまでの時間内に貯湯槽内の全貯湯量の高温湯水を使い切る湯切れが発生するか否かの湯切れ判定処理を行い、次に、上記湯切れ判定処理において上記貯湯槽の湯切れが発生すると判定された場合には上記貯湯温度を貯湯温度上限値に変更制御する一方、その貯湯温度上限値の全貯湯量の高温湯水を使い切るまでの時間内に上記熱源手段からの出湯温度設定値の湯水が混合手段にまで到達するよう上記出湯温度設定値を強制的に低温側に変更設定する湯切れ防止制御を行うようにすることである。これは、特に湯切れが生じると予測される場合に、出湯温度設定値を強制変更することにより、正確には出湯温度設定値よりも低温の湯水が出湯されるもののユーザーに対し実用上の不快さを与えないような即時出湯機能を実現しつつ湯切れ発生の回避を図り得る点で有効となる。
【0026】このような湯切れ防止制御を実現するための即時出湯制御装置としては、以下のようなものが例示される。すなわち、熱源手段から混合手段までの給湯配管の内容積を検出する給湯配管容積検出手段と、上記給湯配管内の湯水の温度を検出する給湯配管水温検出手段と、上記末端カランからの出湯流量を検出する出湯流量検出手段と、上記貯湯槽内の湯水の温度を検出する貯湯温度検出手段と、加熱手段の作動制御により貯湯槽内の湯水を貯湯温度設定値まで加熱する貯湯温度制御手段と、上記混合手段による貯湯槽内の高温湯水と給湯配管内に残留する低温湯水との混合比を変更調整して末端カランからの出湯温度が出湯温度設定値になるように混合比制御を行う混合比制御手段と、貯湯槽内の貯湯温度が予め設定した貯湯温度上限値であると想定した場合に、末端カランの開栓後に上記熱源手段からの出湯温度設定値の湯水が上記混合手段に到達するまでの時間内に貯湯槽内の全貯湯量の高温湯水を使い切る湯切れが発生するか否かを判定する湯切れ判定手段と、この湯切れ判定手段により湯切れが発生すると判定された場合に、貯湯槽内の貯湯温度設定値を上記貯湯温度上限値にする一方、その貯湯温度上限値の全貯湯量の高温湯水を使い切るまでの時間内に上記熱源手段からの出湯温度設定値の湯水が上記混合手段にまで到達する出湯温度として演算により求めた出湯温度演算値を上記混合比制御手段に対し出湯温度設定値に代えて混合比制御の温度設定値として出力設定する湯切れ防止制御手段とを備えるような即時出湯制御装置である。
【0027】上記の湯切れ防止制御においては、出湯温度設定値の変更設定値を初期設定値から高温側に徐々に変更させて貯湯槽内の全貯湯量の高温湯水を使い切る時点もしくは直近時点において上記出湯温度設定値に相当する温度値まで到達させるようにする制御を行うようにしてもよい。これは、特に湯切れ対策として出湯温度設定値の強制変更を行ったとしても、強制変更制御される変更設定値の初期設定値からユーザーが元々設定した出湯温度設定値まで徐々に昇温変更されるため、ユーザーに対し違和感を生じさせないようにし得る点で有効となる。
【0028】以上の湯切れ防止制御について具体的に例示すると、熱源手段からの出湯温度設定値の湯水が混合手段に到達するまでの間を例えば図1に示すように出湯温度演算値に対応する温度Ts1(例えば37℃)のままで即時出湯を継続させるようにしてもよいし、あるいは、上記出湯温度演算値よりも低温側に設定した温度設定値Ts2(例えば35℃)を初期値として上記出湯温度設定値Tsu(例えば40℃)まで混合比制御の温度設定値を徐々に昇温変更させるようにしてもよい(図1の点線参照)。
【0029】第3の特定事項は、上記のいずれかの湯切れ防止制御において、末端カランからの必要出湯量として少量要求モードか多量要求モードかのいずれかを選択させる選択入力手段を設け、上記選択入力手段により少量要求モードが選択された場合には予め設定された出湯温度設定値により出湯制御を行う一方、上記選択入力手段により多量要求モードが選択された場合には上述のいずれかの湯切れ防止制御を行うようにすることである。これは、ユーザーが必要とする出湯量が出湯温度設定値となるように給湯配管内の低温湯水と混合したとしても貯湯槽内の貯湯量内で出湯し得るような少量の場合には出湯温度をユーザー設定の出湯温度設定値のままで出湯制御を行う一方、ユーザーが必要とする出湯量が上記の如き出湯温度設定値となるような出湯制御を行うと貯湯槽内の湯切れが生じるような多量の場合には上述のような湯切れ防止制御を行うようにするものである。これにより、ユーザーの使用目的に応じて適切な出湯制御が行い得るようになる。
【0030】なお、上記の選択入力手段として、少量要求モードか多量要求モードのいずれか一方を標準要求モードとして予め設定しておき、この標準要求モードと異なる要求モードに変更したい場合にのみユーザーに変更選択を行わせるようにしてもよい。具体的には、上記の選択入力手段として、少量要求モードと多量要求モードとの2種類の選択スイッチを設け、ユーザーに選択的にON操作を行わせるように構成してもよいし、あるいは、少量要求モードか多量要求モードのいずれか一方を標準要求モードとして予め設定しておき、この標準要求モードと異なる要求モードに変更したい場合にのみユーザーに切換スイッチによる切換操作を行わせるように構成してもよい。さらに、上記2種類の選択スイッチを設ける場合には学習部を上記選択入力手段に連携させ、両選択スイッチの操作頻度の高い方の要求モードを標準要求モードとして設定する構成を採用してもよい。
【0031】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係る即時出湯装置の即時出湯制御方法によれば、給湯配管の長さが種々異なりその長さが未知である給湯システムに対し固有かつ同じの仕様の即時出湯装置を適用する場合であっても、出湯制御に先立ち上記未知の給湯配管の内容積を効果的に検出することができ、その検出値に基づき出湯制御を適正に行うことができるようになる。特に、即時出湯装置が貯湯量として固有の値に形成された同じ仕様の貯湯槽を有するものであっても、貯湯槽内の全貯湯量を即時出湯のために効率よく使用することができ、かつ、連続使用,大量使用もしくは給湯配管長さが長い場合であっても湯切れの発生を確実に防止することができる一方、上記給湯配管長さが短い場合であっても湯余りの発生を防止して省エネルギー化を図ることができるようになる。また、選択入力手段を設けて混合比制御を行うことにより、ユーザーの要求に応じて適切な即時出湯制御を行うことができ、給湯配管の内容積に比して貯湯槽の貯湯量がたとえ小さいものであっても湯切れの発生を確実に防止して連続かつ大量の即時出湯が可能になる上に本来は大貯湯量の貯湯槽が必要なところその貯湯槽のコンパクト化をも実現することができるようになる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0033】<第1実施形態>図2は、本発明の第1実施形態に係る即時出湯制御方法を実現するための即時出湯制御装置を示す。この第1実施形態は、給湯器を熱源手段とし給湯配管の長さが未知の給湯システム2に対し、貯湯槽を有する即時出湯ユニット(即時出湯装置)3を付加したものである。
【0034】上記給湯システム2は、熱交換器21と、この熱交換器21に対し水道水を供給する入水配管22と、燃料の供給を受け燃焼熱により上記熱交換器21内の入水を加熱する燃焼器23と、上記熱交換器21において加熱された湯水を末端カラン24に給湯する給湯配管25とを備えている。そして、上記給湯システム2は、給湯用コントローラ26により給湯作動制御されるようになっており、末端カラン24がユーザーにより開栓されて作動の基準となる最低作動流量以上の流量を検出することにより、上記燃焼器23の燃焼作動制御及び入水配管22からの入水作動が行われ、図示省略のリモートコントローラに対しユーザーが入力設定した出湯温度設定値まで加熱した湯水を給湯配管25を通して末端カラン24に出湯させるようになっている。この場合、上記熱交換器21と、燃焼器23ととが熱源手段27を構成することになる。
【0035】上記即時出湯ユニット3は、末端カラン24手前の給湯配管25に対し介装されたものであり、加熱手段としての電気ヒータ31を付設した貯湯槽32と、分岐部33で分岐させて給湯配管25から湯水を上記貯湯槽32の一端に流入させる流入配管34と、上記貯湯槽32内の貯湯を貯湯槽32の他端から流出させる流出配管35と、上記給湯配管25の一部であって上記分岐部33よりも下流側に延びて上記貯湯槽32をバイパスする給湯バイパス配管36と、この給湯バイパス配管36及び上記流出配管35の両下流端と連通されて両者36,35からの湯水を混合比可変に混合する混合手段としての混合制御弁37と、この混合制御弁37及び上記電気ヒータ31の各作動制御を行う即時出湯用コントローラ(即時出湯制御装置)4とを備えている。
【0036】上記混合制御弁37は給湯バイパス配管36及び流出配管35の両側位置にそれぞれモータ駆動される弁(例えば電磁比例弁)を備え、各弁の弁開度を変更することにより両配管36,35からの各湯水を所定の混合比で混合して接続配管38に流出させるようになっている。
【0037】上記貯湯槽32には貯湯の貯湯温度を検出する貯湯温度検出手段41が設けられ、上記給湯バイパス配管36には給湯配管内の湯水の水温を検出する給湯配管水温検出手段42が設けられ、混合手段37から混合後の湯水を末端カラン24に出湯させる接続配管38には混合後の出湯温度を検出する出湯温度検出手段43と、混合後の出湯流量を検出する出湯流量検出手段44とがそれぞれ設けられている。そして、貯湯温度検出値Tpが上記貯湯温度検出手段41から、給湯バイパス配管36内の給湯配管水温検出値Tbが上記給湯配管水温検出手段42から、出湯温度検出値Tsが上記出湯温度検出手段43から、及び、出湯流量検出値Qが上記出湯流量検出手段44からそれぞれコントローラ4に出力されるようになっている。なお、上記の貯湯温度検出手段41や給湯配管水温検出手段42は例えばサーミスタ等により構成すればよい。
【0038】上記コントローラ4は、図3に示すように給湯配管容積検出手段5と、貯湯温度制御手段6と、混合比制御手段7とを備えている。
【0039】上記給湯配管容積検出手段5は、給湯配管水温検出手段42からの水温検出値Tbに基づいて給湯配管バイパス配管36での水温変化を監視する水温変化監視部51と、この水温変化監視部51からの情報に基づいて後述の流量積算部53に対し積算実行指令及び積算停止指令を出力する積算指令部52と、その積算実行指令から積算停止指令までの間に上記出湯流量検出手段44から出力される出湯流量検出値Qを積算する流量積算部53とを備え、この流量積算部53により積算された積算値をそのままあるいはその積算値に若干の割り増しを行って給湯配管容積検出値Vhとして貯湯温度制御手段6に出力するようになっている。
【0040】また、上記貯湯温度制御手段6は、貯湯槽32内の全貯湯量の高温湯水を使い切ることになる時間が給湯システム2からの出湯温度設定値Tsuの湯水が給湯配管25及び36を通して混合制御弁37にまで到達するのに要する時間よりも等しいかわずかに長くなるために必要な貯湯温度目標値Tptを演算により求める貯湯温度演算部61と、貯湯槽32内の貯湯が上記貯湯温度目標値Tptになるように電気ヒータ31の作動制御を行う加熱作動制御部62とを備えている。
【0041】さらに、上記混合比制御手段7は、混合制御弁37において混合後の湯水がユーザーが例えばリモートコントローラ等の出湯温度設定手段45により設定した出湯温度設定値Tsuになるように上記混合制御弁37での混合比制御を行うようになっている。
【0042】以下、上記給湯配管容積検出手段5及び貯湯温度制御手段6での各制御についてフローチャートを参照しつつ説明する。
【0043】上記給湯配管容積検出手段5では、図4に示すように、まず、出湯条件を満足するか否かの判定を行い、満足しなければ給湯配管容積の推定処理をキャンセルする一方、満足すれば次ステップ以降の給湯配管容積についての推定処理を行う(ステップS1)。上記出湯条件とは、即時出湯ユニット3が設けられた末端カラン24以外の他の末端カラン(図2において図示省略)で出湯中ではないこと、及び、この他の末端カランでの前回の出湯あるいは上記末端カラン24での前回の出湯から設定時間が経過していることである。つまり、給湯配管25及び給湯バイパス配管36内の残留湯水が給湯配管容積の検出処理に必要な水温変化を生じる程度に出湯温度設定値よりも低温側に冷めていることを条件に給湯配管容積の検出処理を行うことにしている。
【0044】次に、末端カラン24が開栓されたか否か、すなわち、出湯流量検出手段44からの出湯流量検出値Qがゼロではなくてある値に変わったか否かにより出湯中であるか否かの判定を行い(ステップS2)、出湯中でなければ給湯配管容積の検出処理をキャンセルする一方、出湯開始(出湯中)であれば積算指令部52から流量積算部53に対し積算実行指令を出力して出湯流量検出手段44からの出湯流量検出値Qの積算(積分)を行う(ステップS3)。
【0045】そして、給湯配管水温検出手段42からの水温検出値Tbが設定値Tbrを超えたか否かの判定を行い(ステップS4)、設定値Tbrを超えていなければステップS2に戻り出湯中か否かの判定と流量積算の実行とを設定値Tbrを超えるまで繰り返し、上記水温検出値Tbが設定値Tbrを超えれば上記積算指令部52から流量積算部53に対し積算停止指令を出力して流量積算部53での流量積算を停止する(ステップS5)。
【0046】最後に、流量積算部53での流量積算値(積算実行指令から積算停止指令までの時間範囲での出湯流量検出値の積分値)を給湯配管25及び36の給湯配管容積検出値Vhとし(ステップS6)、この今回の給湯配管容積検出値Vhについての更新処理を行い、処理後の値を学習値Vhとして記憶すると共に貯湯温度制御手段6に出力する(ステップS7)。上記更新処理は、記憶されている前回の学習値Vhとの偏差が設定範囲であることを条件にそのまま置換するもしくは平均化処理を行うようになっている。
【0047】一方、上記貯湯温度制御手段6では、図5に示すように、まず、加熱スイッチがON状態か否かの判定を行い、OFF状態であれば貯湯温度制御をキャンセルする一方、ON状態であれば次ステップ以降の貯湯温度制御を行う(ステップS11)。上記加熱スイッチは即時出湯ユニット3に設けられているものであり、ユーザーのスイッチ操作により貯湯槽32内の貯湯の予備加熱を行うか否かを選択し得るようになっている。
【0048】次に、貯湯温度演算部61において貯湯温度目標値Tptの演算を行う(ステップS12)。この演算の原理は以下の通りである。
【0049】予め記憶設定された貯湯槽32の容量をVp(リットル)、混合制御弁37において給湯バイパス配管36側からの混合流量をQb(リットル/分),流出配管35側からの混合流量をQp(リットル/分)とすると、まず、貯湯槽32の全貯湯量を使い切って湯切れが発生するまでの所要時間tf(秒)と、給湯配管25を通して熱交換器21から出湯温度設定値Tsの湯水が混合制御弁37に到達するまでの所要時間ta(秒)とは下記の式(1)及び式(2)により表される。
【0050】
tf=(Vp/Qp)×60 …(1) ta={(Vh+Vp)/Q}×60={(Vh+Vp)/(Qb+Qp)}×60 …(2)ここで、湯切れが発生しないようにするための条件は、tf≧taとなればよい。これに上記式(1)及び式(2)を代入すると、(Vp/Qp)≧{(Vh+Vp)/(Qb+Qp)}
が得られ、これを整理すると下記の条件式(3)が得られる。
【0051】(Qb/Qp)≧(Vh/Vp) …(3)一方、混合制御弁37の前後での流量についての平衡式は、Q=Qb+Qp …(4)となり、熱量についての平衡式は、Q×Ts=(Qb×Tb)+(Qp×Tp) …(5)となる。式(4)を式(5)に代入して、混合制御弁37での混合比(Qb/Qp)として整理すると、3種類の温度により混合比を表す下記の式(6)が得られる。
【0052】
(Qb/Qp)=(Tp−Ts)/(Ts−Tb) …(6)この式(6)を上記式(3)に代入すると、下記の基本関係式(7) が得られる。
【0053】
(Tp−Ts)/(Ts−Tb)≧(Vh/Vp) …(7)従って、貯湯槽32内の全貯湯量Vpの高温湯水を使い切ることになる時間tfが熱交換器21において燃焼器23により加熱されて出湯設定値Tsuの湯水が給湯配管25,36を通して混合制御弁37にまで到達するのに要する時間taよりも等しいか長くなるために必要な貯湯温度目標値Tptについては、上記基本関係式(7) 中の「Ts」を「Tsu」に、「Tp」を「Tpt」にそれぞれ置換しTptについて整理すると、下記の貯湯温度目標値Tptの必要条件式(8)が得られることになる。
【0054】
Tpmax≧Tpt≧(Vh/Vp)・(Tsu−Tb)+Tsu …(8) 但し、Tpmaxは貯湯温度上限値であり、例えば80℃が設定されている。
【0055】上記の貯湯温度演算部61では上記必要条件式(8) に基づいて貯湯温度目標値Tptが定められ、原則としてはtf=taとなるTpt、すなわち、下記の式(9) により演算されるTptが貯湯温度目標値として設定される。
【0056】
Tpt=(Vh/Vp)・(Tsu−Tb)+Tsu …(9)そして、この貯湯温度目標値Tptに基づいて加熱作動制御部62により電気ヒータ31の作動制御を行う。すなわち、貯湯温度検出値Tpが貯湯温度目標値Tptよりも低ければ電気ヒータ31をON作動して貯湯槽32内の湯水を加熱し(ステップS13及びS14)、貯湯温度検出値Tpが貯湯温度目標値Tptと等しいか高くなれば上記電気ヒータ31をOFF作動する(ステップS13及びS15)。
【0057】なお、上記の時間taの経過あるいは給湯配管水温検出手段42による水温検出値Tbが出湯温度設定値Tsuとなれば、即時出湯制御を終了させて給湯システム2による出湯制御に委ねる。すなわち、混合制御弁37の流出配管35側の弁開度を閉に変更し給湯バイパス配管36側の弁開度を全開にして給湯配管25からの湯水をそのまま末端カラン24から出湯させるようにする。
【0058】以上により、貯湯槽32内の貯湯温度を貯湯温度上限値に画一的に設定すると湯余りを生じることになるような場合に、その貯湯温度上限値よりも低い貯湯温度(貯湯温度目標値Tpt)に変更しても、湯切れの発生を確実に防止しつつ湯余りの発生を回避して省熱エネルギー化を図ることができるようになる。
【0059】<第2実施形態>図6は第2実施形態に係る即時出湯制御方法を実現するための即時出湯制御装置を示す。この第2実施形態は、第1実施形態と同様構成の給湯システム2に対し、第1実施形態とは異なる構成要素を付加した即時出湯ユニット(即時出湯装置)8を適用したものである。以下、第1実施形態と同様構成要素には第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0060】上記即時出湯ユニット8は末端カランとして電子カラン39と、即時出湯用コントローラ8とを有している。
【0061】上記電子カラン39は開閉栓切換スイッチ391と、少量の出湯を行う第1出湯モード(少量要求モード)を選択する第1選択スイッチ392と、多量の出湯を行う第2出湯モード(多量要求モード)を選択する第2選択スイッチ393とを備えている。そして、ユーザーが必要出湯量として第1出湯モードを選択して上記第1選択スイッチ392を押圧操作した後に開閉栓切換スイッチ391を1度押圧操作すると開栓して予め設定された少量だけの出湯を行った後に自動的に開閉切換されて閉栓する一方、ユーザーが必要出湯量として第2出湯モードを選択して上記第2選択スイッチ393を押圧操作した後に開閉栓切換スイッチ391を1度押圧操作すると開栓し、開閉栓切換スイッチ391を再度押圧操作して閉栓するまで多量の出湯が継続するようになっている。つまり、洗面所等に即時出湯ユニット8が設置された場合に、手洗い等のためには上記第1出湯モードを選択する一方、洗髪等のためには上記第2出湯モードを選択し得るようになっている。なお、上記の第1選択スイッチ392と第2選択スイッチ393とが選択入力手段を構成している。また、上記の第1出湯モードによる出湯量は、ユーザー設定による出湯温度設定値Tsuで即時出湯しても貯湯槽32の貯湯量及び貯湯温度との関係で湯切れが確実に生じないように十分に対応し得る出湯量以下の値に設定されている。
【0062】上記コントローラ9は、図7に示すように、第1実施形態と同様構成の給湯配管容積検出手段5と、混合比制御手段10と、貯湯温度制御手段11と、湯切れ判定手段12と、湯切れ防止制御手段13とを備えている。
【0063】上記混合比制御手段10は、湯切れ防止制御手段13から出力される温度設定値を出湯温度目標値Tstとし、混合制御弁37から接続配管38に流出される湯水の温度が上記出湯温度目標値Tstとなるように流出配管35からの高温湯水と、給湯バイパス配管36からの低温湯水との混合比を変更調整するようになっている。
【0064】上記貯湯温度制御手段11は、湯切れ判定手段12により湯切れが発生しないと判定された場合に貯湯温度目標値の演算を行う第1実施形態と同様の貯湯温度演算部61及び加熱作動制御部62に加えて、上記湯切れ判定手段12により湯切れが発生すると判定された場合に湯切れ防止制御手段13から出力される貯湯温度設定値を貯湯温度目標値Tptとして設定する貯湯温度設定部63を備えている。
【0065】上記湯切れ判定手段12は、貯湯槽32内の貯湯温度が予め設定した貯湯温度上限値Tpmax(例えば80℃)であると想定した場合に、電子カラン39の開栓後に熱源手段27からの出湯温度設定値Tsuの湯水が混合制御弁37に到達するまでの時間ta内に貯湯槽32内の全貯湯量Vpの高温湯水を使い切る湯切れが発生するか否かを判定するようになっている。具体的には、前述の基本関係式(7)において「Tp」を「Tpmax」に置換し、給湯配管水温検出手段42からの給湯配管水温検出値Tb、出湯温度検出手段43からの出湯温度検出値Ts、給湯配管容積検出手段5からの給湯配管容積検出値Vh及び予め記憶設定された貯湯槽32の容量Vpをそれぞれ数値代入した場合に、左辺の値と右辺の値との大小関係により判定する。すなわち、左辺の値が右辺の値よりも大きいか等しくて基本関係式(7) が成立すれば湯切れは発生せず、逆に左辺の値が右辺の値よりも小さくて基本関係式(7) が成立しなければ湯切れが発生することになる。
【0066】そして、湯切れ防止制御手段13は、上記湯切れ判定手段12から湯切れが発生するとの判定結果を受けて、上記貯湯温度制御手段11に対し貯湯温度設定値として貯湯温度上限値Tpmaxを出力する一方、混合比制御手段10に対し混合比制御の基準となる基準出湯温度設定値Tstとしてユーザーが選択入力した出湯モードに応じて互いに異なる値を出力するようになっている。すなわち、第1選択スイッチ392からのON信号(第1出湯モード信号:M=I)を受けてユーザー設定の出湯温度設定値Tsuを基準出湯温度設定値Tstとして混合比制御手段10に対し出力する一方、第2選択スイッチからのON信号(第2出湯モード信号:M=II)を受けて所定の出湯温度演算値Ts1を上記混合比制御手段10に対し出力するようになっている。
【0067】上記出湯温度演算値Ts1は、貯湯温度上限値Tpmaxの全貯湯量の高温湯水を使い切るまでの時間内に熱源手段27からの出湯温度設定値Tsuの湯水が混合制御弁37にまで到達し得るためには混合制御弁37により混合された混合後湯水の温度を何度にすればよいかとの観点から演算により求めたものである。具体的には、上記の基本関係式(7) において「Ts」を「Ts1」に置き換え、そのTs1について整理すると、下記の出湯温度演算値Ts1についての必要条件式(10)が得られることになる。
【0068】
Ts1≦(Tp・Vp+Tb・Vh)/(Vp+Vh) …(10)原則としてこの必要条件式(10)の左右両辺が等しくなる場合の出湯温度演算値Ts1が演算により求められて混合比制御手段10に対し出力される。
【0069】次に、上記コントローラ9の制御について図8に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0070】なお、図8のフローチャートの前段階において、給湯配管容積検出手段5による給湯配管容積の検出が前述の図4のフローチャートに基づき行われ、その給湯配管容積検出値Vh等に基づき湯切れ判定手段12による湯切れ判定が上記基本関係式(7) が成立するか否かにより行われる。そして、湯切れが発生しないと判定された場合には、第1実施形態と同様に混合比制御手段10における混合比制御の基準となる基準出湯温度設定値Tstとしてユーザー設定の出湯温度設定値Tsuが設定されるとともに、貯湯温度制御手段11において貯湯温度演算部61により湯余りが生じないような貯湯温度目標値Tptの演算処理と、この貯湯温度目標値Tptに基づく電気ヒータ31の加熱作動制御とが第1実施形態と同様に行われる。
【0071】逆に、上記湯切れ判定手段12により湯切れが発生すると判定された場合には、貯湯温度制御手段11の貯湯温度設定部63に対し貯湯温度目標値Tptとして貯湯温度上限値Tpmaxを設定し、その貯湯温度目標値Tptに基づく電気ヒータ31の加熱作動制御を加熱作動制御部62により行う一方、図8のフローチャートに入る。まず、出湯流量検出手段44からの出湯流量の検出が有るか否か、すなわち、出湯量検出値がゼロからある値に変わったか否かにより電子カラン39が開栓されたか否かの判定を行う(ステップS21)。
【0072】次に、開栓されていなければ以後の即時出湯制御をキャンセルする一方、開栓されたのであれば第1もしくは第2のいずれかの選択スイッチ392,393からのON信号に基づきユーザーが第1もしくは第2のいずれの出湯モードを選択したかの判定を行う(ステップS22)。そして、第1出湯モード(M=I)が選択されていれば基準出湯温度設定値Tstとしてユーザーが設定した出湯温度設定値Tsuを設定する(ステップS23)。
【0073】逆に、第2出湯モード(M=II)が選択されていれば湯切れが生じないようにするための出湯温度演算値Ts1の演算を上記必要条件式(10)に基づいて行い(ステップS24)、その出湯温度演算値Ts1を基準出湯温度設定値Tstとして設定する(ステップS25)。
【0074】そして、混合制御弁37により混合された後の出湯温度が上記のステップS23もしくはステップS26で設定された基準出湯温度設定値Tstになるように上記混合制御弁37に対する混合比制御を行う(ステップS26)。この混合比制御は、前述の式(6)中の「Ts」を上記の「Tst」に置き換えることにより混合比「Qb/Qp」を演算し、この混合比の値になるように上記混合制御弁37における給湯バイパス配管36及び流出配管35の各側の弁開度を変更調整することにより行う。
【0075】なお、本第2実施形態における即時出湯制御においても、給湯配管水温検出手段42からの給湯配管水温検出値Tsがユーザー設定の出湯温度設定値Tsuになったら、すなわち、熱源手段27から出湯温度設定値の湯水が混合制御弁37の入口位置まで到達すれば、その混合制御弁37の流出配管35側の弁開度を閉にし給湯バイパス配管36側の弁開度を全開にして即時出湯制御を終了し、以後は給湯システム2側の給湯制御に移行する。
【0076】以上の第2実施形態によれば、湯切れが発生しないと判定(予測)された場合には湯余りが生じないように貯湯温度を貯湯温度上限値よりも低温側に変更して湯切れも湯余りも生じない効率のよい即時出湯を行うことができる一方、湯切れが発生すると判定(予測)された場合にはユーザ設定の出湯温度設定値を低温側に強制的に変更した即時出湯を行うことにより湯切れ発生を確実に防止しつつユーザーの要求する即時出湯を実用上支障のない範囲で満足させることができ、即時出湯機能として利便性を高めることができる。しかも、ユーザーが要求する必要出湯量を選択可能とすることにより、湯切れの生じない範囲では湯余りによる熱エネルギーの損失発生を回避しつつユーザーが要求する出湯温度設定値の通りに即時出湯し得る一方、湯切れ発生の予測範囲であっても湯切れ発生を確実に防止しつつ実用的な即時出湯を実現し得ることになる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013