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吊戸用下枠及び建築物の出入口構造 - 有限会社山内テクノ
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発明の名称 吊戸用下枠及び建築物の出入口構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−227247(P2001−227247A)
公開日 平成13年8月24日(2001.8.24)
出願番号 特願2000−303751(P2000−303751)
出願日 平成12年10月3日(2000.10.3)
代理人 【識別番号】100106220
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 正悟
【テーマコード(参考)】
2E011
2E036
【Fターム(参考)】
2E011 MA01 MA05 
2E036 RA08 RC02 TA01 TA03 TA05 TA06
発明者 山内 和延
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 建築物の出入口に介在する吊戸の開閉時に、吊戸の底部から下向きに突出するガイド部材の移動を案内する凹部を有する吊戸用下枠において、前記凹部を構成し且つ凹部内へ流入する雨水を排水する通水孔が形成された壁部を有する上部枠材と、上部枠材の通水孔から流入する雨水を枠外へ排水する排水孔が形成された壁部を有する下部枠材と、を備えることを特徴とする吊戸用下枠。
【請求項2】 上部枠材の凹部を構成する壁部の上端から、出入口と隣り合う少なくとも一方側又は他方側の床面に対して略面一となる上壁部が形成されている請求項1に記載の吊戸用下枠。
【請求項3】 下部枠材に対して上部枠材が着脱可能となっている請求項1又は請求項2に記載の吊戸用下枠。
【請求項4】 上部枠材を構成する壁部と下部枠材を構成する壁部によって閉空間を形成し、上部枠材の凹部を構成する壁部に該閉空間へ連通する通水孔を形成してある請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の吊戸用下枠。
【請求項5】 前記通水孔を覆う網材を前記壁部に取り付けてある請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の吊戸用下枠。
【請求項6】 出入口の一方側と他方側のうち水密性が要求される側にある上部枠材の上壁部に、前記閉空間へ連通する補助通水孔を形成してある請求項4又は請求項5に記載の吊戸用下枠。
【請求項7】 上壁部の裏面に補助通水孔を覆う網材を設けてある請求項6に記載の吊戸用下枠。
【請求項8】 吊戸が折戸であって、上壁部の補助通水孔は、出入口を閉じた状態の折戸どうしの連結部に対応する上壁部の部分に設けてある請求項6又は請求項7に記載の吊戸用下枠。
【請求項9】 通水孔が形成された上板部を有するグレージングを凹部内に設けてある請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の吊戸用下枠。
【請求項10】 グレージングが凹部に対して着脱自在となっている請求項9に記載の吊戸用下枠。
【請求項11】 下部枠材に、上部枠材の凹部を構成する壁部に設けた前記通水孔を通じて流入する雨水を溜める排水受け部を形成してある請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の吊戸用下枠。
【請求項12】 上部枠材がステンレス材の曲げ成形によって形成されている請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の吊戸用下枠。
【請求項13】 建築物の出入口に請求項1〜請求項12の何れか1項に記載の吊戸用下枠を設置する建築物の出入口構造であって、少なくとも前記出入口の入側か出側の一方側に前記吊戸用下枠と隣接して側溝を形成し、前記吊戸用下枠の下部枠材の排水孔を通じて雨水を該側溝へ排水するようにしてある建築物の出入口構造。
【請求項14】 一端が吊戸用下枠の下部枠材の排水孔に、他端が側溝に、それぞれ連通する管長の排水管を設けてある請求項13に記載の出入口構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引き戸や引き戸タイプの自動ドアや折戸等といった吊戸に使用する下枠と、その下枠を利用する建築物の出入口構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、引き戸や引き戸タイプの自動ドアや折戸等といった吊戸に使用される下枠10の一従来例である。この下枠10は、屋内側Xと屋外側Yを結ぶ建築物の出入口に設置されて吊戸dの開閉をガイドするためのもので、上部枠材11と下部枠材12とを互いに溶接して一体的に組み合わせて構成されている。上部枠材11には、屋内側Xの床面Fxと屋外側Yの床面Fyに対して面一に埋設された上壁部13が形成されている。また、上部枠材11には、下枠10の長手方向に沿って伸長する一対の縦壁部14間に凹部15が形成されていて、吊戸dの開閉時には吊戸dの下枠d1から下向きに突出するガイド部材d2が凹部15を構成する一対の縦壁部14に案内されて、吊戸dがスムーズに開閉される。このような吊戸用の下枠10は、例えばバルコニーと屋内の間に介在するサッシ下枠等とは異なり床面Fxおよび床面Fyに対して段差がないため、車椅子や高齢者や小さな子供にとって通行時の障壁にならず、医療施設、福祉施設、公共施設や教育施設などの建築物の出入口に多く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような図8で示す従来の下枠10は屋内側Xの床面Fxに対する水密性が低いという問題点があって、その使用が限られていた。即ち、屋外側Yの床面Fyから雨水が凹部15に流れてきても、凹部15が数cm程度の幅や高さしかない上に、ガイド部材d2が入り込んでいることもあって、雨水を貯水できる容量が極めて少なく、そのため直ぐに雨水が凹部15から溢れ出てきて屋内側Xの床面Fxへ浸水してしまうからである。従来はこうした水密性の低さがボトルネックとなって吊戸dについては、雨水が浸入してもさほど問題とならないような出入口、例えば自動ドアであればビル等の出入口、また折戸であればオープンテラス等の出入口や、風雨に直接曝されることがなく雨水の浸入自体が問題とならないような建築物の内部における出入口等に、その使用が限られていた。
【0004】こうした従来の吊戸用の下枠を背景になされたのが本発明であって、その目的は、吊戸の使用範囲を広げるべく水密性の高い吊戸用の下枠とそれを利用する建築物の出入口構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成すべく、本発明は、建築物の出入口に介在する吊戸の開閉時に、吊戸の底部から下向きに突出するガイド部材の移動を案内する凹部を有する吊戸用の下枠について、次のような上部枠材と下部枠材を備えるものとしてある。即ち、上部枠材は、前記凹部を構成し且つ凹部内へ流入する雨水を排水する通水孔が形成された壁部を有しており、下部枠材は上部枠材の通水孔から流入してくる雨水を枠外へ排水する排水孔が形成された壁部を有するものとして構成してある。
【0006】この下枠では、出入口の一方側又は他方側からガイド部材の移動を案内する凹部へ浸入する雨水は、凹部を構成する壁部に形成した通水孔を通じて、まず下枠部材へ排水される。そして、下枠部材を構成する壁部には流入する雨水を枠外へ排水する排水孔が形成されている。従って、凹部15の貯水容量を超える雨水がその内部に浸入すると雨水が溢れ出てしまうような従来の下枠10とは異なり(図8参照)、凹部の貯水容量を超える雨水が流入して来ても凹部から雨水を次々と下枠部材から排水できるため、該凹部を境にして出入口の一方側と他方側との間で止水することができる。こうした高い水密性が発揮される結果、雨水の浸入が問題とされるような出入口、例えば室内とバルコニーとを仕切る出入口であっても折戸等を使用することが可能となる。しかも、上記の結果、下枠を挟んで出入口の一方側か他方側の何れかの床面と他方の床面よりも一段高くして水密性を確保する必要がないから、出入口の下枠周りをフラット化することができる。また、上記凹部を構成する壁部に形成した通水孔については、それを覆う網材を取り付けておくと、該通水孔を通じて下部枠材に排水性能を阻害するゴミや石等の異物の流入を防ぐことが可能で、下枠の排水性能を維持することができる。
【0007】上記上枠部材については、凹部を構成する壁部の上端から出入口と隣り合う少なくとも一方側又は他方側の床面に対して略面一となる上壁部が形成されているものとして構成できる。
【0008】この下枠によれば、出入口の下枠について段差をなくすことができるため、下枠が車椅子や身障者、或いは高齢者や小さな子供にとって通行する際の障壁にならない。従って、雨水の浸入が問題とされる出入口に吊戸を使用する場合でも、下枠周りのバリアフリー化を実現できる。ここで、上部枠材の上壁部が床面に対して略面一になるとは、下枠が一方側と他方側の床面と完全に面一になる場合は勿論であるが、車椅子が通行する際に障壁とならない範囲での段差、即ち約20mm程度の範囲で段差がある場合も含む意味である。
【0009】上記下枠については、上部枠材を下部枠材と溶接やビス止め等により一体化したものとして構成できるが、下部枠材に対して上部枠材が着脱可能として構成してもよい。
【0010】即ち、上部枠材の凹部内には、雨水に紛れてゴミや土砂や石等といった下枠の排水性能を低下させる異物が紛れて流入してくることがある。こうした場合には、それを上部枠材の凹部や下枠部材から除去する必要があるが、上部枠材が下枠部材から取り外せれば、上部枠材の掃除や下部枠材の内部の掃除を簡単に行うことができる。また、これだけでなく、上部枠材に傷が付着したり変形したような場合には上部枠材を簡単に交換することができる。
【0011】上記下枠は、上部枠材を構成する壁部と下部枠材を構成する壁部によって閉空間を形成し、上部枠材の凹部を構成する壁部に該閉空間へ連通する通水孔を形成したものとして構成できる。
【0012】上部枠材の凹部に流入する雨水は、通常は、下枠部材に流れ込み排水孔を通じて下枠の枠外へ排水されるが、仮にこうした下枠の排水性能を越える多量の雨水が凹部に流入してきて凹部に雨水が貯溜するような事態が生じた場合であっても、上記下枠によれば、凹部を構成する壁部に設けた通水孔を通じて雨水を前記閉空間へ逃がすことができるから、凹部から雨水が浸み出ることを可及的に抑制できる。そして、この場合には、前記通水孔を覆う網材を前記壁部に取り付けておけば、凹部内に流入したゴミ等の排水性能を低下させる原因となる異物が前記閉空間へ入り込むことがなく、前記閉空間の貯水容量を大きいままにしておくことができ、前記閉空間の内部を掃除する頻度も少なくて済む。
【0013】また、前記下枠については、出入口の一方側と他方側のうち水密性が要求される側にある上部枠材の上壁部に、前記閉空間へ連通する補助通水孔を設けることができる。
【0014】これによれば、出入口のうち水密性が要求される一方側又は他方側の上壁部を通じて雨水が床面に浸入しようとしても、雨水は上壁部の補助通水孔から貯水空間としての前記閉空間へ流れ落ちるので、水密性が要求される側の該床面に対する水密性をより一層向上することができる。そしてこの場合には、上壁部の裏面に補助通水孔を覆う網材を取り付けておくと、ゴミ等の排水性能を低下させる原因となる異物が補助通水孔から流入することを抑えることができる。また、吊戸が折戸である場合には、上壁部の補助通水孔が閉じた状態の折戸どうしの連結部に対応する上壁部の部分に設けるようにするとよい。即ち、一般的な折戸の底部にはモヘア等の防水部材が取り付けてあるが、折戸どうしの連結部には折戸の構造上それを取り付けることができない。そのため、連結部に対応する上壁部の部分に補助通水孔を形成しておけば、折戸どうしの連結部から浸入する雨水を確実に補助通水孔へ導くことが可能で、さらに水密性を高めることができる。
【0015】上記下枠については、通水孔が形成された上板部を有するグレージングを上部枠材の凹部内に設けることができる。
【0016】これによれば、凹部内に雨水と共に流れ込むゴミ等はグレージングに引っ掛かるため、凹部の底側や下部枠材への流れ込みを抑制して排水性能が低下するのを抑えることができる。この意味では、グレージングの通水孔よりも小さな網目を有する網材を該通水孔を覆うように上板部の裏面に取り付けるようにすると一層効果的である。そして、グレージングが凹部に対して着脱自在としてあれば、グレージングを上部枠材から取り外して付着したゴミ等を簡単に掃除することができて便利である。
【0017】上記下枠部材については、上部枠材の凹部を構成する壁部に設けた前記通水孔を通じて流入する雨水を溜める排水受け部を形成したものとして構成することができる。
【0018】これによれば、上部枠材の凹部に流入する雨水を凹部だけでなく、下枠部材の排水受け部でも貯水することができるから、下枠全体で雨水の貯水容量を大きくすることができ、より一層の水密性能を発揮することができる。
【0019】以上の上部枠材については、寸法精度が出し易くコスト的にも有利なアルミ材の押出し成形を利用して形成できるが、特に店舗の出入口のような場所に使用するものについては傷が付き難く強度面でも優れるステンレス材の曲げ成形によっても形成することができる。
【0020】さらに本発明は、上述したような何れかの下枠を建築物の出入口に設置する建築物の出入口構造を提供する。即ち、本発明の出入口構造は、少なくとも前記出入口の入側か出側の一方側に前記吊戸用下枠と隣接して側溝を形成し、前記吊戸用下枠の下部枠材の排水孔を通じて雨水を該側溝へ排水するようにしてある。
【0021】この出入口構造によれば、上述した下枠が発揮する作用効果に加えて、下部枠材に溜まる雨水を排水孔を通じて貯水容量の大きな側溝へ流し出すことができるため、下部枠材の排水受け部に雨水が溜まることはなく、高い水密性を発揮することができる。その結果、上記出入口構造の具体例としては、バルコニーに側溝を設け出入口に上記下枠を使用した構造や、浴室内に側溝を設け出入口に上記下枠を使用した構造等として実現できる。したがって、従来から高い水密性が必要とされていた出入口であっても、開けた時の開放感の高い折戸や引き戸タイプのエンジンドア等といった吊戸を使用することが可能である。
【0022】そして、上記の出入口構造について、排水孔から雨水を下部枠材の外部へ排水するには、排水孔が側溝を構成する側壁に開口するようにして、排水孔から直接側溝に排水することができる。また、この他にも、一端が吊戸用下枠の下部枠材の排水孔に、他端が側溝に、それぞれ連通する管長の排水管を設けるようにしてもよい。これによれば、側溝と下枠が離間しているので、側溝に溜まる雨水が下枠の下方で浸み込むことを防ぐことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
【0024】第1実施形態(図1、図2)【0025】図1は第1実施形態による吊戸用の下枠の施工状態を示してある。なお、本例では“吊戸”として折戸dを例示し、折戸dの開閉時に、その下枠d1の底部から下向きに突出させた“ガイド部材”としてのガイドローラd2の移動を案内する折戸用の下枠1を示してある。その設置場所は、マンション等の建築物の室内である屋内側Xと、バルコニーである屋外側Yとを結ぶ出入口である。なお、他の実施形態でも同様に屋内側をXとし、屋外側をYとして、建築物の出入口に折戸1を適用した例を示してある。
【0026】下枠1は、上部枠材2と下部枠材3で構成され、これらは何れも精度が出易くコストも比較的低廉なアルミ材の押し出し成形によって、それぞれ長手方向に沿って同一断面形状として一体形成されている。
【0027】上部枠材2には、折戸dの開閉時に下枠d1に設けた防水・防塵用のモヘアd3の摺動を受けると共に、屋内側Xの床面Fxと屋外側Yのバルコニーの床面Fyに対して略面一に設置される二つの上壁部21が形成されている。従って、車椅子や身障者、或いは高齢者や小さな子供にとって通行の障壁となるような段差がないので、難なく安全に行き来することができる。なお、屋内側Xの上壁部21については、床面Fxよりも低くしてあるが、これは折戸dから落ちてくる結露水や屋外側Yの床面Fyから浸入してくる雨水が屋内側Xの床面Fxに浸み出ないようにするための水返し高さを与えるためのものである。そして、その屋内側Xの上壁部21には、その長手方向に沿って所定の間隔で複数の補助通水孔21aが形成されていて、上述のような結露水や屋外側Yの床面Fyから浸入してくる雨水を補助通水孔21aを通じて下枠1の内部に落とし込むことができるようにしてある。この補助通水孔21aは、出入口を閉じた状態の折戸dどうしの連結部(図示略)に対応する屋内側Xの位置に形成されている。なお、本例では示していないが、この上壁部21の裏面に補助通水孔21aを覆ってゴミや土砂や石などを捕捉するための1.5〜2.0mm程度の網目を有する網材を取り付けるようにしてもよい。また、上壁部21の屋内側Xと屋外側Yの各端部には、下向きに伸長する取付脚部21bが形成されている。
【0028】各上壁部21の対向する端部には、下向きに伸長する一対の縦壁部22が形成されている。縦壁部22どうしは、ガイドローラd2が丁度入り込める程度の間隔をもって対向している。また、各縦壁部22には、支持凹部22aが内向きに突設されていて、後述するグレージング4の取付箇所となっている。屋内側Xの支持凹部22aの下には、縦壁部22の長手方向に沿って所定の間隔で補助通水孔22bが形成されており、上壁部21の補助通水孔21aから流入した雨水はこの補助通水孔22bを流通して縦壁部22の間に集水される。
【0029】各側壁部22の下端のやや上には底壁部23が形成されていて、この底壁部23と前述した一対の縦壁部22によって凹部24が構成される。底壁部23には、その長手方向に沿って所定の間隔で複数の通水孔23aが形成されていて、屋外側Yから凹部24に流入する雨水は、そこから下部枠材3へ排水される。なお、本例では図示してないが、該通水孔23aを覆うように、ゴミ等を捕捉するための1.5〜2.0mm程度の網目を有する網材を底壁部23の上面又は裏面に取り付けてもよい。また、底壁部23には、折戸dの開閉時や、人や物の通行によって生じる上部枠材2のがたつきを抑えるべく、下部枠材3に固定するための締結ボルト6の挿通孔(図示略)が穿設されている。
【0030】下部枠材3は、躯体のスラブG1から突出するアンカー部材G2に溶着した固定部材G3を介して固定されている。下部枠材3には、一対の上縦壁部31が形成されていて、各上縦壁部31の上端には上部枠材2の取付脚部21bが係入される支持凹部31aが形成されている。そして、上縦壁部31は中間壁部32と繋がっていて、上部枠材2を下部枠材3に取り付けた状態で、下部枠材3を構成する屋内側Xの上縦壁部31と中間壁部32、及び、上部枠材2を構成する上壁部21と縦壁部22で構成される閉断面によって“閉空間”としての補助排水受け部5を形成している。
【0031】下縦壁部33の内側面には、締結ボルト6の螺合孔(図示略)が穿設してある矩形状のピース7を差し込むための凹壁部33aが形成されている。そのうち凹壁部33aの上面は、上部枠材2の縦壁部22の下端を支持する支持面となっている。また、屋外側Yの下縦壁部33には、その長手方向に沿って所定の間隔で排水孔33bが形成されていて、一対の下縦壁部33の間に流入した雨水はここから下部枠材3の外部に排水できるようになっている。
【0032】34は底壁部で、この底壁部34と下縦壁部33とで形成される内側が排水受け部35を形成している。この排水受け部35に溜まる雨水は、基端側を排水孔33bに溶接固定してある基本パイプp1と、この基本パイプp1の先端側に周着した延長パイプp2とを通じて、延長パイプp2の先端から側溝8へ排水される。
【0033】グレージング4には、図2で示すように、上部枠材2の一対の縦壁部22の間にちょうど入り込める幅サイズの上板部41と、その長手方向に沿う両縁から下向きに伸長する取付脚部42とが形成されていて、上部枠材2に対して着脱自在となっている。上板部41には、図2(a)で示すように、その長手方向Zに沿う所定の間隔で通水孔41aが形成されており、その裏面には通水孔41aを覆う網材43が取り付けられている。このグレージング4を設けてあるのは、側壁部22の間に雨水と共に流入して下枠1の排水性能を低下させる要因となるゴミや土砂や石などが入り込まないようにするためである。このため網材43としては、1.5〜2.0mm程度の網目を有するものを利用している。そして、網材43の上にゴミ等が溜まった場合には、上下方向で可動な取っ手44を掴んで持ち上げて上部枠材2から取り外し掃除をすればよく、これと併せて上部枠材2の底壁部23の上も掃除できる。なお、上記のような取っ手44に代えて、図2(b)のような持ち手45をグレージング4の端末側に設けるようにしてもよい。
【0034】さて、以上のような下枠1の施工方法の概要の一例を次に説明する。下枠1の長手方向に沿ってスラブG1から複数突出しているアンカー部材G2に固定部材G3を溶接し、固定部材G3に下枠1を固定する。そして、スラブG1上にアスファルト防水G4を所定厚で敷設してから、下枠1の下側と屋内側Xに防水モルタルG5を打設する。次いで、基本パイプp1に対する延長パイプp2の重なり長さを調整して延長パイプp2の先端側を若干露出させる状態で下枠1の屋外側Yに防水モルタルG6を打設すると共に、下枠1の下部枠材3の屋外側Yの下縦壁部33に面して防水シールG7を塗設する。これによって下縦壁部33の排水孔33bの周囲が水密にシールされると共に、防水モルタルG6の脇に側溝8が形成され、側溝8の上には通水孔を有するグレージング8aが設置される。
【0035】次に、上記実施形態の作用効果を説明する。
【0036】下枠1は、上部枠材2と下部枠材3とが別体とされ、下枠1の施工後であっても締結ボルト6を介して着脱可能となっている。そのため、アルミ材質の上部枠材2に傷が付いたり、変形したりして劣化した場合でも交換作業が容易で、下部枠材3の内部も手軽に掃除できる。
【0037】上部枠材2と下部枠材3を組み合わせると、各枠材2,3を構成する壁部21,22,31,32によって“閉空間”としての補助排水受け部5が形成され、屋内側Xの縦壁部22には補助通水孔22bが形成されている。従って、排水受け部35から雨水が溢れてきても、溢れた雨水は補助通水孔22bを通じて補助排水受け部5へ逃がすことができ、排水受け部35や凹部24の貯水容量を補う貯水空間として利用できる。つまり、この下枠1によれば、凹部24を含めて屋内側Xの上壁部21の下にある枠内をすべて貯水空間として利用することができる。この意味では、更に下枠1の貯水容量を多くするために、上部枠材2の屋外側Yの縦壁部22にも通水孔を設けておき、上部枠材2を構成する屋外側Yの上壁部21と縦壁部22、及び、下部枠材3を構成する屋外側Yの上縦壁部31と中間壁部32によって、もう一つ“閉空間”としての補助排水受け部を形成するようにしてもよい。この下枠によれば、凹部24も含めて上部枠材2と下部枠材3の組み合わせによって形成される枠内全体を貯水空間として利用することができる。
【0038】上部枠材2の上壁部21の補助通水孔21aは、閉じた状態の折戸どうしの連結部に対応する屋内側Xの位置に形成してある。そのため、モヘアd3等の防水部材を取り付けることができない折戸dどうしの連結部から浸入する雨水を補助通水孔21aへ流し込むことが可能で、屋内側Xに対する水密性をさらに高めることができる。なお、補助通水孔21aについては、上記連結部だけでなく、勿論上壁部21の長手方向にわたる長孔として、又は、上壁部21の長手方向に沿って断続的に配置した複数の孔として形成してもよい。
【0039】グレージング4には取っ手44を備えている。従って、一対の縦壁部22どうしの間隔が16mm前後の狭小な幅しかなくても簡単に着脱できる。
【0040】上記実施形態では、上部枠材2がアルミ材質のものを例示したが、店舗の出入口のように、人や物の行き来が多い出入口に使用すると、傷が沢山付着したり、場合によっては変形する虞もある。そのため、以下の各実施形態では、少なくとも上部枠材2を、傷が付きにくく剛性は高いステンレス材質のもので構成した例を示す。なお、以下の各例では、上述した構成要素と機能が同じものについては同一の符号を用いて重複説明を省略する。
【0041】第2実施形態(図3)【0042】図3に示す下枠1は、上部枠材2とグレージング4が第1実施形態と異なるだけで、他の構成については第1実施形態と同様である。上部枠材2は、ステンレス材の曲げ成形によって形成されるため、第1実施形態の上部枠材2のようなグレージング4の支持凹部22aを形成できない。そのため、本例のグレージング4は、取付脚部42を長めとして形成してある。また、屋内側Xの取付脚部42には、上部枠材2の縦壁部22の補助通水孔22bに連通する通水孔42aを貫通形成してある。これによって、補助排水受け部5に流入する雨水を凹部24へ排水することができる。なお、この例では、取付脚部42に通水孔42aを形成したが、図2(c)で示すように、上板部41の長手方向Zで断続するように部分的に取付脚部42を形成し、取付脚部42が上部枠材2の補助通水孔22bと面しないものとして構成することもできる。
【0043】第3実施形態(図4)【0044】図4の下枠1は、上部枠材2と下部枠材3の双方ともに前述の実施形態のものとは相違している。上部枠材2はステンレス材の曲げ成形によって形成されており、それを構成する各縦壁部22と底壁部23には、それぞれ通水孔22b,23aと各通水孔22b,23aを覆う網材25を設けてある。なお、21aは補助通水孔である。
【0045】下部枠材3はアルミ材の押し出し成形によって形成されており、その上端の内向きフランジ36に取付ピース37がネジ止めされている。そして、この内向きフランジ36の下側には、“閉空間”としての補助排水受け部5が形成されている。その下側には、中間仕切壁38の長手方向に沿って断続的に配列した通水孔38aを介して連通する排水受け部35が形成されている。
【0046】中間仕切壁38には、固定ピース38bが所定の間隔でネジ止めされており、この固定ピース38bを介して上部枠材2が下部枠材3に対して着脱可能として固定されるようになっている。
【0047】排水受け部35を構成する下縦壁部33には排水孔33bが形成されていて、ここに、管端に形成されている取付フランジp3を介して基本パイプp1がネジ止めにより連結されている。そして基本パイプp1の先端側には、先端が側溝(図示略)に届く管長の延長パイプp2を周着してある。
【0048】以上のような本例の下枠1によれば、第1実施形態の下枠1による作用効果に加えて、上部枠材2の底壁部23と固定ピース38bとが面接触しているため、上部枠材2に比較的大きな荷重が作用してもしっかりと下部枠材3で下支えすることができる。また、第1実施形態の下枠1と比較して、屋内側Xと屋外側Yにそれぞれ補助排水受け部5を有するので、下枠1の貯水容量をより大きくとることができる。さらに、排水受け部35の貯水容量も大きくとることができる。
【0049】第4実施形態(図5)【0050】図5の下枠1は、第3実施形態の下枠1の上部枠材2の形状を変更して補助排水受け部5の貯水容量をさらに大きくするとともに、第3実施形態の下枠部材3に取り付けた取付ピース37(図4参照)を使用しない例である。
【0051】第5実施形態(図6)【0052】図6の下枠1は、上部枠材2だけでなく下部枠材3もステンレス材の曲げ成形によって形成した例であり、本例の上部枠材2は下部枠材3に対して設置前に溶接により一体化して構成されている。従って、上部枠材2、下部枠材3ともに剛性が高く、人や物の往来が頻繁な出入口に設置しても変形したり、傷が付きにくいというメリットがある。
【0053】第6実施形態(図7)【0054】図7の下枠1は、上部枠材2と下部枠材3の双方をアルミ材の押し出し成形によって形成されたもので、上部枠材2は下部枠材3に対してネジ(図示略)を介して着脱可能として構成してある。なお、上部枠材2と下部枠材3については、ステンレス材の押し出し成形によって形成することもできる。
【0055】上部枠材2には、屋内側Xの床面と屋外側Yの床面と略面一である一対の上壁部21と、各上壁部21の対向端から下向きに垂下してあってガイドローラd2の移動を案内する一対の縦壁部22と、縦壁部22の下方にある底壁部23と、が形成されている。そして本例の下枠1では、一対の縦壁部22と底壁部23によって凹部24が形成されるようになっている。底壁部23には、その長手方向の異なる位置に2種類の貫通孔がそれぞれ複数個形成されている。その一つは凹部24内に流入する雨水を下部枠材3に流出させるための通水孔23aで、他の一つは上部枠材2を下部枠材3に固定するためのネジ孔(図示略)である。25は底壁部23の通水孔23aを覆うように取り付けた網材である。
【0056】下部枠材3には、上部枠材2が載置される支持突壁31bを有する上縦壁部31と、中間仕切壁38と、屋外側Yに排水孔33bが形成してある下縦壁部33と、底壁部34が形成されている。中間仕切壁38には、その長手方向に渡って複数の通水孔38aが貫通形成されていて、上部枠材2から流入する雨水は、通水孔38aを通じて排水受け部35に流入してから、排水孔33bと2本のパイプp1,p2を通じて枠外に排水されることになる。また、中間仕切壁38には、上部枠材2を下部枠材3にネジ止めするためのネジの螺合孔(図示略)が貫通形成されていて、上部枠材2はネジ(図示略)を介して下枠部材3に固定される。なお、中間仕切壁38に螺合孔を設けなくとも、例えば底壁部34と中間仕切壁38との間に、図4で示す固定ピース38bを介在させて上部枠材2と下部枠材3を固定することもできる。この場合には、底壁部34と固定ピース38b(図4参照)のネジ孔どうしが近接するためネジ止め作業を楽に行うことができる。さらに、中間仕切壁38には、通水孔38aを覆う網材38cがネジ止めしてある(図示略)。なお、本例の下枠部材3では、屋内側Xの上縦壁部31の上端が屋外側Yの上縦壁部31よりも若干高くしてあり、上部枠材2の屋内側Xの上壁部21との間に約5mm程度の段差ができるようにしてある。この段差は、折戸dから垂れ落ちる結露水や屋外側Yから浸入してくる雨水に対する水返し用の段差である。
【0057】
【発明の効果】本発明の吊戸用下枠によれば、吊戸のガイド部材を受ける凹部に雨水が浸入してきても、上部枠材から下部枠材を通じて下枠外に排水することができるため、従来のように凹部から雨水が溢れ出て屋内側に浸み出ることがない。従って、雨水の浸入が問題とされるような出入口であっても吊戸を使用できるようになり、従来に比べて吊戸の設置場所が限定されず、吊戸の適用範囲を大きく広げることができる。
【0058】この結果、例えば吊戸として折戸を使用する場合には、開放感の高い折戸をマンション等の建築物の室内とバルコニーを仕切る出入口に設置することも可能となる。また、風当たりの強いマンション等の建築物の高層階であっても、室内とバルコニーを仕切る出入口に折戸を使用することも可能となる。そして、これら例示した以外にも、設置場所の屋内・屋外を問わず水密性が問題とされるような建築物の他の出入口について吊戸を使用できるようになる。




 

 


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