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発明の名称 ラダー型マクラギの連結装置及び連結方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−214403(P2001−214403A)
公開日 平成13年8月7日(2001.8.7)
出願番号 特願2000−26633(P2000−26633)
出願日 平成12年2月3日(2000.2.3)
代理人 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外1名)
発明者 涌井 一 / 松本 信之 / 奥田 広之 / 浅沼 潔
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 一対のレールの下側に該レールの長手方向に向けてそれぞれ設けられる縦梁と、これらの縦梁をその長手方向に沿って所定間隔毎に互いに連結する複数の継材とを備え、前記継材が前記梁材より柔軟な構造にされているラダー型マクラギの端部を互いに連結するラダー型マクラギの連結装置であって、互いに対向する縦梁の各々の端面から挿入穴を形成し、両挿入穴内にまたがり連結棒が挿入され、上記挿入穴内に充填材が充填固化されていることを特徴とするラダー型マクラギの連結装置。
【請求項2】 上記連結棒の周囲にねじり加工が施されていることを特徴とする請求項1に記載のラダー型マクラギの連結装置。
【請求項3】 一対のレールの下側に該レールの長手方向に向けてそれぞれ設けられる縦梁と、これらの縦梁をその長手方向に沿って所定間隔毎に互いに連結する複数の継材とを備え、前記継材が前記梁材より柔軟な構造にされているラダー型マクラギを互いに連結するラダー型マクラギの連結方法であって、互いに対向する縦梁の各々の端面から互いに形成位置を一致させた挿入穴を形成し、上記各縦梁の端面を所定間隔隔てた状態で配置して一方の縦梁側の挿入穴内に連結棒を挿入し、この挿入穴に連通する充填材の注入孔から充填材を注入し、連結棒を充填材と共に他の縦梁の挿入穴に押し出して、連結棒を両縦梁にまたがるようにし、前記両縦梁間の隙間と両挿入穴とに充填材を充填して、前記連結棒と両縦梁の挿入穴にまたがるようにして固化した充填材とにより固定したことを特徴とするラダー型マクラギの連結方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レールの長手方向に梁高の低い適度の曲げ剛性を有する左右一対の縦梁と、この縦梁をレール直角方向に適当な間隔で相互に連結するために配置された継材とを備えたラダー型マクラギの連結装置及び連結方法に係るものであり、特に、簡単、かつ強固に連結することができるラダー型マクラギの連結装置及び連結方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は、横マクラギを用いた従来のバラスト道床式軌道の構成図である。同図において、1はレール、2は道床バラスト、3は締結装置、4は横マクラギを各々示している。従来のバラスト道床軌道はレール直角方向にモノブロックあるいはツーブロックの横マクラギ4を配置して軌きょうを構成し、列車荷重やレール長手方向及びレール直交方向の荷重を道床バラスト2との支圧、摩擦等によって支持する構造である。
【0003】横マクラギ4を用いた従来のバラスト道床式軌道は、列車荷重の繰り返しの影響を大きく受けるため軌道狂いが生じる傾向にある。その結果、列車の動揺が増大し、乗り心地を低下させてしまう。このため、常に軌道狂いの状態を的確に把握し、定期的に軌道狂いの生じた箇所を整備または改良する必要がある。
【0004】しかしながら、これらの整備や改良は依然として人力に負うところが大きく、特に作業が夜間になることが多く短時間で完了させる必要があるため、これに要する労力と費用は莫大なものとなる。また、保守作業に従事する作業者の高齢化と労働力不足が問題となっている今日では、保守作業を軽減できるような軌道構造の開発が望まれている。また、フランス国特許第76−22586号には、レールの長手方向に向けて配置される比較的短いマクラギが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の横マクラギを用いた軌道では、レール1を間欠的に支持するために道床圧力が局部的に大きくなり、列車荷重による車軸毎の繰り返しの影響を大きく受けて軌道狂いが生じる。この軌道狂いが大きくなると列車の動揺が増大し、乗り心地を低下させる。このため、定期的に保守作業を行なわなければならないという問題がある。とりわけ、列車荷重が一部に集中して応力集中が起きると、上述した軌道狂いが生じやすくなり、このような応力集中が生じないようにしたものが要望されている。そこで、この発明は、列車荷重の分散性を向上させることができると共に簡単、かつ強固に連結することができるラダー型マクラギの連結装置及び連結方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、一対のレール(例えば、実施形態におけるレール10)の下側に該レールの長手方向に向けてそれぞれ設けられる縦梁(例えば、実施形態における縦梁6)と、これらの縦梁をその長手方向に沿って所定間隔毎に互いに連結する複数の継材(例えば、実施形態における継材9)とを備え、前記継材が前記梁材より柔軟な構造にされているラダー型マクラギの端部を互いに連結するラダー型マクラギの連結装置であって、互いに対向する縦梁の各々の端面から挿入穴(例えば、実施形態における挿入穴33)を形成し、両挿入穴内にまたがり連結棒(例えば、実施形態における連結棒37)が挿入され、上記挿入穴内に充填材(例えば、実施形態におけるモルタルM)が充填固化されていることを特徴とする。
【0007】このように構成することで、レールの長手方向に配置され、軌きょうの曲げ剛性が高く、荷重の分散性に優れた縦梁の端部側におけるバラスト道床圧力を小さくすることが可能となると共に、連結棒及び固化した充填材によって物理的に互いに連結された隣接する縦梁が、一体となって列車荷重を分担して支持することが可能となる。
【0008】請求項2に記載した発明は、上記連結棒の周囲にねじり加工(例えば、実施形態におけるねじり加工部37A)が施されていることを特徴とする。このように構成することで、ねじり加工が施された部分に充填材が回り込むことで、固化した充填材と連結棒とを物理的に一体化することが可能となる。
【0009】請求項3に記載した発明は、一対のレールの下側に該レールの長手方向に向けてそれぞれ設けられる縦梁と、これらの縦梁をその長手方向に沿って所定間隔毎に互いに連結する複数の継材とを備え、前記継材が前記梁材より柔軟な構造にされているラダー型マクラギの連結方法であって、互いに対向する縦梁の各々の端面から互いに形成位置を一致させた挿入穴を形成し、上記各縦梁の端面を所定間隔隔てた状態で配置して一方の縦梁側の挿入穴内に連結棒を挿入し、この挿入穴に連通する充填材の注入孔(例えば、実施形態における連通孔36)から充填材を注入し、連結棒を充填材と共に他の縦梁の挿入穴に押し出して、連結棒を両縦梁にまたがるようにし、前記両縦梁間の隙間と両挿入穴とに充填材を充填して、前記連結棒と両縦梁の挿入穴にまたがるようにして固化した充填材とにより固定したことを特徴とする。このように構成することで、充填材の注入と、連結棒の所定位置へのセッティングをワンアクションで行なうことが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面と共に説明する。図1〜図6はこの発明の第1実施形態を示すものである。図1、図2に示すようにラダー型マクラギ5は左右一対の縦梁6を備えている。この縦梁6は従来の軌道保守と同様な手法でこう上できる程度の適度の曲げ剛性を有するものであり、プレストレストコンクリートにより形成されている。また、縦梁6は適度な曲げ剛性を確保するため、例えば、縦横比が2対5の角型断面構造に形成されている。
【0011】この縦梁6の端部側は一般部6Aに比較して表面形状が大きく形成されている。具体的には、一対の縦梁6の各々の端部には、他の縦梁6の端部に向かって延長し互いに接続し閉合する連結部7が設けられている。この連結部7により縦梁6の端部の接地面積が一般部6Aより大きくなり、バラスト道床圧力が低下するようになっている。また、この連結部7により縦梁6は各々の両端が閉合されて枠状に形成されたものとなる。尚、上記連結部7には図2に示すようにその内部に縦梁6をも貫通するPC鋼棒8が設けられている。
【0012】前記縦梁6には互いに縦梁6を所定間隔で隔てた状態で互いに連結するための継材9がレール10の直角方向に所定間隔をもって設けられている。継材9には細くて丈夫な円形断面の鋼管材が使用されている。図3に示すように、継材9は鋼管からなり、ラダー型マクラギ5の幅寸法から両端に必要な被り厚さを減じた長さを有するものである。縦梁6内には長手方向に沿ってプレストレス(圧縮応力)を与える複数のPC鋼より線11が互いに並行に設けられ、更に、これらPC鋼より線11と直交する方向に向けて、補強筋12が設けられている。また、前記継材9の近傍には、PC鋼より線11と補強筋12に加えて継材9との結合力を更に高めるための補強筋13が設けられている。この補強筋13は、継材9の上方及び下方から当該継材9を囲むように屈曲した形状に形成されている。
【0013】また、前記継材9の縦梁6への埋設部には継材6を囲むようにスパイラル状の補強筋14が設けられ、継材6と周囲のコンクリートとの結合力を高めるようになっている。更に、縦梁6には、ケーブル等を挿通するためのパイプ15が埋め込まれ、このパイプ15の周囲にはコンクリートとの結合力を高めるためのスパイラル状の補強筋16が設けられている。
【0014】前記継材9は図4に示すように、縦梁6に挿入される端部の外周面に半径方向外側に向かってリブ17が、またこのリブ17の上下面に小リブ18が設けられている。このリブ17は継材の回転力をコンクリートに伝達して荷重分担させ、小リブ18は継材9からの長手方向の力をコンクリートに伝達して荷重分担させるものである。また、前記継材9の端部を偏平につぶすことにより回転力及び引抜力に抵抗させることもできる。
【0015】尚、上記実施形態では円形断面からなる鋼管材を用いて、継材9の剛性と強度を何れの方向へも均一にしたが、特定方向への剛性と強度を高めることを目的にして角形断面やH型断面などの鋼材を用いるようにしても良い。
【0016】そして、このように構成されたラダー型マクラギ5の上に図5に示すようにレール10が敷設されている。同図において、19は道床バラストを示している。尚、この道床バラスト19に換えて、モルタル、ゴム、または合成樹脂、もしくはこれらの組み合わせにより構成することができる。
【0017】上記レール10は縦梁6の上面にレール10の長手方向に沿う複数箇所で互いに締結装置20を介して固定されている。これにより、レール10から作用する列車荷重を分散して支持し、荷重の繰り返しによる軌道狂いを減少させるようになっている。また、レール10と、縦梁6とが複合梁として作用するため軌きょうの曲げ剛性を増加させつつ、荷重を分散させて単位面積あたりのバラスト道床圧力を小さくすることができる。また、縦梁6自体はレール10の長手方向と直角な方向に対しては、縦梁6とこれが埋め込まれる道床バラスト19とがレール10の長手方向に連続的に接するため大きな横抵抗力を確保でき、軌道狂いを小さくすることができる。尚、縦梁6とレール10との間には、例えば、矩形状のゴム等からなる軌道パッド21が介装されている。
【0018】図6はレール10を縦梁6に固定する締結装置20の具体例を示している。縦梁6内には垂直に埋め込まれる鋳物製のインサート22が設けられ、インサート22にはレール10とほぼ平行な支持孔23が形成され、ここにクリップ24が挿入されている。このクリップ24は棒鋼を屈曲させてバネとして機能するようにしたもので、その一部を前記支持孔23に挿入することにより前記インサート22を介して縦梁6に固定されると共に縦梁6との間にレール10を挟んで支持する。尚、25は絶縁材である。
【0019】ここで、図2において、26はコンクリート製や鋼製の縦荷重抵抗板を示している、この縦荷重抵抗板26は縦梁6間に取り付けられ、レール10の長手方向への縦荷重に対する抵抗力が不足する場合を想定したものである。この縦荷重抵抗板26により、道床バラスト19中でのレール10の長手方向への移動に対する抵抗力の増大を図ることができる。尚、この縦荷重抵抗板26は縦梁6とほぼ同じ高さを有している。
【0020】次に、図7〜図9によって、ラダー型マクラギ5を連結するせん断接合装置について説明する。図7、図8において隣接するラダー型マクラギ5の互いに対向する縦梁6の各端部には、図7に示すように縦梁6の幅方向中央部分であって、図8に示すように上下方向中央部に、挿入穴33が形成されている。この各挿入穴33には上下方向につぶれた鋼管34が、挿入穴33の外壁を構成するように挿入固定されている。
【0021】前記縦梁6の一方の端部には挿入穴33を延長するように、挿入穴33より直径の小さな案内穴35が形成されている。この実施形態では図8の左側にこの案内穴35が形成されている。上記挿入穴33の挿入端には縦梁6の上面から連通孔36が形成され、この連通孔36は鋼管34内部と連通している。また、前記案内穴35の挿入端にも縦梁6の上面から案内穴35に連通する連通孔36が形成されている。そして、この両挿入穴33にまたがるようにして鋼棒である連結棒37が挿入され、前記連通孔36から供給されたモルタルMが両挿入穴33、案内穴35、連通孔36、及び、後述する目地38に充填され、両縦梁6、すなわちラダー型マクラギ5を連結するようになっている。
【0022】尚、上記連結棒37にはねじり加工部37Aが形成され、注入されたモルタルMとの結合力を高めるようになっている。また、連結棒37の長さは、ほぼ2つの挿入穴33の深さ寸法を有している。また、前記案内穴35は連結棒37を案内穴35に押し込んだ場合に、先端が縦梁6の端面から突出しない深さ寸法を有している。
【0023】次に、連結棒37によるラダー型マクラギ5の接合作業手順について説明する。まず、図9に示すようにラダー型マクラギ5を、その端部に所定間隔の目地38を確保した状態で敷設する。このとき、案内穴35が設けられた挿入穴33、厳密には鋼管34内に、連結棒37を挿入し案内穴35まで入れておく。次いで、案内穴35に連通する連通孔36からモルタルMを注入する。すると、連結棒37は注入されるモルタルMにより案内穴35から移動し、挿入穴33を経て他の縦梁6の挿入穴33の底部まで押しこまれる。このとき、連結棒37は縦梁6の端部間をまたがるようにして両挿入穴33に挿入された状態となる。つまり、モルタルMの注入作業を行なえばワンアクションで連結棒37を短時間で簡単にセッティングできるのである。
【0024】そして、前記連通孔36から注入されるモルタルMは、挿入穴33、目地38、他の連通孔36を満たして充填される。したがって、この状態でモルタルMが固化すると、連結棒37及び周囲のモルタルMにより、また連通孔36内に充填されたモルタルM自体によりに縦梁6、つまりラダー型マクラギ5は物理的に一体化される。このとき、連結棒37にねじり加工部37Aが設けられているため、この部分における抜け方向の力に対抗できるので、両者の結合強度を高めることができる。これにより隣接するラダー型マクラギ5の相対的沈下に対抗することができ、ラダー型マクラギ5の結合強度は高まる。
【0025】上記実施形態によれば、基本的に縦梁6とレール10との複合梁として曲げ剛性を持つことができる。したがって、軌きょうの曲げ剛性を増加させ荷重を分散させ単位面積当たりのバラスト道床圧力を小さくすることができる。また、レール10が敷設された平面におけるレール10の長手方向に直角な方向に対しては、縦梁6と道床バラスト19とがレール10の長手方向に対して連続的に接するため、大きな横抵抗力を確保して、軌道狂いを小さくすることができる。また、レール10が長手方向に荷重を受けた場合には、前記連結部7及び前記縦荷重抵抗板26と道床バラスト19とにより大きな抵抗力で対抗することができる。
【0026】そして、上記縦梁6には互いに端部が接続された連結部7が設けられていることにより、端部における単位面積当たりのバラスト道床圧力を一般部6Aと同等に小さくすることができる。したがって、列車荷重の繰り返しにより沈み易い縦梁6の端部における軌道狂いを少なくすることができる。そして、PC鋼棒8により補強された連結部7によって、縦梁6は枠状の一体構造となるため、縦梁の長手方向(X方向)での縦梁変位の抑制機能を連結部7にも持たせることが可能となる。このように構成することで、一般部及び端部ともに、バラスト道床圧力の低減など所要の支持機能を合理的かつ経済的に実現可能な新形式レール支承体を構成できる。
【0027】また、連結棒37及び周囲のモルタルMにより、及び連通孔36内で固化するモルタルM自体により縦梁6、つまりラダー型マクラギ5は物理的に一体化されるため、例えば、ラダー型マクラギ5に作用した荷重を隣接するラダー型マクラギ5に確実に荷重分担することができる。よって、列車荷重の分散性を更に高めることができる。勿論、前述した連結部7により、縦梁6の端部におけるバラスト道床圧力を低下させると共に各縦梁6の間においても互いに荷重分担を行なわせることができることから、連結されたラダー型マクラギ5全体としても、列車荷重を分散して支持することができるものとなる。
【0028】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記載した発明によれば、レールの長手方向に配置され、軌きょうの曲げ剛性が高く、荷重の分散性に優れた縦梁の端部側におけるバラスト道床圧力を小さくすることが可能となると共に、連結棒及び固化した充填材によって物理的に互いに連結された隣接する縦梁が、一体となって列車荷重を分担して支持することが可能となるため、軌道全体として列車荷重を分散して支持でき、その結果、列車荷重の繰り返しによる軌道狂い、とりわけ縦梁の端部における軌道狂いを少なくすることができるという効果がある。
【0029】請求項2に記載した発明によれば、ねじり加工が施された部分に充填材が回り込むことで、固化した充填材と連結棒とを物理的に一体化することが可能となるため、縦梁の結合強度を高めることができる効果がある。
【0030】請求項3に記載した発明によれば、充填材の注入と、連結棒の所定位置へのセッティングをワンアクションで行なうことが可能となるため、縦梁の連結作業を短時間で行なうことができる効果がある。




 

 


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