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発明の名称 トンネルの突入・退出波低減構造、及びトンネルの突入・退出波低減方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−115795(P2001−115795A)
公開日 平成13年4月24日(2001.4.24)
出願番号 特願平11−293266
出願日 平成11年10月15日(1999.10.15)
代理人 【識別番号】100105108
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 洋一
発明者 飯田 雅宣 / 菊地 勝浩 / 福田 傑
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 トンネル坑口又はトンネル坑口に設けられる微気圧波緩衝工の適宜箇所に、トンネルの長手方向に対して45度から135度までの角度をなす円錐面又は平面の方向に展開するように設けられる鍔状のフランジ構造物を備え、トンネル内に突入する移動体により突入側トンネル入出端からトンネル外部へ放射される圧力波である突入波、又はトンネルから退出する移動体により退出側トンネル入出端からトンネル外部へ放射される圧力波である退出波を低減させることを特徴とするトンネルの突入・退出波低減構造。
【請求項2】 請求項1に記載されたトンネルの突入・退出波低減構造において、トンネルの長手方向に対して垂直な平面の方向への前記フランジ構造物の幅は、トンネルの内空断面の半径の少なくとも0.1倍以上の値に設定されることを特徴とするトンネルの突入・退出波低減構造。
【請求項3】 請求項1に記載されたトンネルの突入・退出波低減構造において、前記フランジ構造物は、前記トンネル坑口又は微気圧波緩衝工の入出端に配置されることを特徴とするトンネルの突入・退出波低減構造。
【請求項4】 請求項3に記載されたトンネルの突入・退出波低減構造において、トンネル覆工と前記フランジ構造物との間、又は前記微気圧波緩衝工と前記フランジ構造物との間には、前記トンネル覆工又は微気圧波緩衝工の断面が拡径して前記フランジ構造物に接続するホーン状のフランジ接続部が設けられることを特徴とするトンネルの突入・退出波低減構造。
【請求項5】 請求項1に記載されたトンネルの突入・退出波低減構造において、前記フランジ構造物は、前記微気圧波緩衝工の入出端よりも地山側に配置されることを特徴とするトンネルの突入・退出波低減構造。
【請求項6】 請求項5に記載されたトンネルの突入・退出波低減構造において、前記微気圧波緩衝工の入出端と前記フランジ構造物の設置位置の中間位置に、前記微気圧波緩衝工の一部を切り欠いて形成した1又は複数の開口部を備えることを特徴とするトンネルの突入・退出波低減構造。
【請求項7】 トンネル坑口又はトンネル坑口に設けられる微気圧波緩衝工の適宜箇所に、トンネルの長手方向に対して45度から135度までの角度をなす円錐面又は平面の方向に展開するように鍔状のフランジ構造物を設け、トンネル内に突入する移動体により突入側トンネル入出端からトンネル外部へ放射される圧力波である突入波、又はトンネルから退出する移動体により退出側トンネル入出端からトンネル外部へ放射される圧力波である退出波を低減させることを特徴とするトンネルの突入・退出波低減方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新幹線列車等の移動物体(以下、「移動体」という。)がトンネル内に突入する際に突入した入口(以下、「突入側トンネル入出端」という。)からトンネル外部へ放射される圧力波(以下、「突入波」という。)、又は移動体がトンネルから退出する際に退出した出口(以下、「退出側トンネル入出端」という。)からトンネル外部へ放射される圧力波(以下、「退出波」という。)を低減させるトンネルの突入・退出波低減構造、及びトンネルの突入・退出波低減方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6(A)に示すように、地山80に形成されたトンネル覆工81内のトンネル空間内に新幹線列車84がトンネル入出端E1から突入した場合には、新幹線列車84の進行方向前方(図6(A)における新幹線列車84の右方)となるトンネル内の空気は、圧縮・膨張される。これにより、図6(C)に示すような圧力値を示す空気の圧力波W1がトンネル内を図の右方向へ伝播し、トンネル入出端E2からトンネルの外部へ放射される。
【0003】この際、トンネル外部へ放射される波W2は、突入時の微気圧波と呼ばれ、図6(D)に示すように、圧力のピーク値a、bを持つ低周波の圧力波であり、ほぼ無指向性であり、トンネル入出端E2の周辺において衝撃的な低音として聴取されたり、民家等のガラス窓等の物体に振動を与える場合がある。
【0004】一方、図7(A)に示すように、地山80に形成されたトンネル覆工81内のトンネル空間内を走行していた新幹線列車84がトンネル入出端E2から外部へ退出した場合には、新幹線列車84の進行方向後方(図7(A)における新幹線列車84の左方)となるトンネル内の空気は、圧縮・膨張される。これにより、図7(C)に示すような圧力値を示す空気の圧力波W4がトンネル内を図の左方向へ伝播し、トンネル入出端E1からトンネルの外部へ放射される。
【0005】この際、トンネル外部へ放射される波W5は、退出時の微気圧波と呼ばれ、図7(B)に示すように、圧力のピーク値e、fを持つ低周波の圧力波であり、ほぼ無指向性であり、トンネル入出端E1の周辺において衝撃的な低音として聴取されたり、民家等のガラス窓等の物体に振動を与える場合がある。
【0006】上記した微気圧波を防止するため、従来は、トンネル入出端(トンネル坑口)E1、E2から外部方向にフード状(筒状)の構造物(以下、「微気圧波緩衝工」という。後述する84を参照。)を設けていた。このような微気圧波緩衝工により、新幹線列車84のトンネルへの突入時又は退出時のトンネル内空気の圧縮・膨張作用は緩和され、トンネル入出端からトンネル外部へ放射される微気圧波の発生、又は微気圧波により発生した低周波音や振動のレベルが抑えられていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のトンネルにおいては、図6(A)に示すように、地山80に形成されたトンネル覆工81内のトンネル空間内に新幹線列車84がトンネル入出端E1から突入した場合には、新幹線列車84の進行方向後方(図6(A)における新幹線列車84の左方)のトンネル外部へ、空気の圧力波W3が放射される。
【0008】この圧力波W3は、図6(B)に示すように、圧力のピーク値c、dを持つ波であり、微気圧波W2とは正のピークと負のピークが逆転している。以下、この圧力波W3を「突入波」という。突入波W3は、通常は微気圧波よりも弱い圧力波であり、指向性を有しており、トンネル入出端E1を挟んで地山80の側、例えば位置P11における圧力値の方が、トンネル外部側の圧力値よりも高くなっている。
【0009】また、図7(A)に示すように、地山80に形成されたトンネル覆工81内のトンネル空間内を走行していた新幹線列車84がトンネル入出端E2から外部へ退出した場合には、新幹線列車84の進行方向前方(図7(A)における新幹線列車84の右方)のトンネル外部へ、空気の圧力波W6が放射される。
【0010】この圧力波W6は、図7(D)に示すように、圧力のピーク値g、hを持つ波であり、微気圧波W5とは正のピークと負のピークが逆転している。以下、この圧力波W6を「退出波」という。退出波W6は、通常は微気圧波よりも弱い圧力波であり、指向性を有しており、トンネル入出端E2を挟んで地山80の側、例えば位置P12における圧力値の方が、トンネル外部側の圧力値よりも高くなっている。
【0011】上記した微気圧波緩衝工により微気圧波対策は実効が上がってきたが、突入波は新幹線列車のトンネル突入時に突入側トンネル入出端からトンネル外部に向けて直接放射され、また退出波は新幹線列車のトンネル退出時に退出側トンネル入出端からトンネル外部に向けて直接放射される波であり、微気圧波のようにトンネル内を伝播して反対側の入出端から放射される波ではないため、従来の微気圧波緩衝工は、突入波と退出波については低減効果は小さい。近年、新幹線列車の高速化が進むにつれ、上記した突入波、退出波の影響が増大しており、特にトンネル坑口又は微気圧波緩衝工の入出端よりも地山側に存在する民家等への有効な低減対策が必要となっている。
【0012】本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、トンネル坑口等における突入波や退出波を低減し得るトンネルの突入・退出波低減構造、及びトンネルの突入・退出波低減方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明に係るトンネルの突入・退出波低減構造は、トンネル坑口又はトンネル坑口に設けられる微気圧波緩衝工の適宜箇所に、トンネルの長手方向に対して45度から135度までの角度をなす円錐面又は平面の方向に展開するように設けられる鍔状のフランジ構造物を備え、トンネル内に突入する移動体により突入側トンネル入出端からトンネル外部へ放射される圧力波である突入波、又はトンネルから退出する移動体により退出側トンネル入出端からトンネル外部へ放射される圧力波である退出波を低減させることを特徴とする。
【0014】上記のトンネルの突入・退出波低減構造において、好ましくは、トンネルの長手方向に対して垂直な平面の方向への前記フランジ構造物の幅は、トンネルの内空断面の半径の少なくとも0.1倍以上の値に設定される。
【0015】また、上記のトンネルの突入・退出波低減構造において、好ましくは、前記フランジ構造物は、前記トンネル坑口又は微気圧波緩衝工の入出端に配置される。
【0016】また、上記のトンネルの突入・退出波低減構造において、好ましくは、トンネル覆工と前記フランジ構造物との間、又は前記微気圧波緩衝工と前記フランジ構造物との間には、前記トンネル覆工又は微気圧波緩衝工の断面が拡径して前記フランジ構造物に接続するホーン状のフランジ接続部が設けられる。
【0017】また、上記のトンネルの突入・退出波低減構造において、好ましくは、前記フランジ構造物は、前記微気圧波緩衝工の入出端よりも地山側に配置される。
【0018】また、上記のトンネルの突入・退出波低減構造において、好ましくは、前記微気圧波緩衝工の入出端と前記フランジ構造物の設置位置の中間位置に、前記微気圧波緩衝工の一部を切り欠いて形成した1又は複数の開口部を備える。
【0019】また、本発明に係るトンネルの突入・退出波低減方法は、トンネル坑口又はトンネル坑口に設けられる微気圧波緩衝工の適宜箇所に、トンネルの長手方向に対して45度から135度までの角度をなす円錐面又は平面の方向に展開するように鍔状のフランジ構造物を設け、トンネル内に突入する移動体により突入側トンネル入出端からトンネル外部へ放射される圧力波である突入波、又はトンネルから退出する移動体により退出側トンネル入出端からトンネル外部へ放射される圧力波である退出波を低減させることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明の一実施形態であるトンネルの突入・退出波低減構造の構成を示す図である。また、図2は、図1に示すトンネルの突入・退出波低減構造のさらに詳細な構成を示す図である。
【0022】図1、2に示す実施形態では、トンネルの突入・退出波低減構造10は、フランジ構造物11を備えている。フランジ構造物11は、地山80に形成されたトンネル覆工81の坑口から外部に向けてフード状に設けられた微気圧波緩衝工82の先端(入出端)に取り付けられている。フランジ構造物11は、微気圧波緩衝工82の入出端位置P0(図2(A)参照)において、トンネルの長手方向に対して垂直な平面11aの方向に展開する鍔状の構成を有している。
【0023】上記のような構成を有するトンネルの突入・退出波低減構造10の作用について、図3を参照しつつ説明する。図3(A)に示すように、まず、トンネル(トンネル中心からの半径50ミリメートルの断面)とフランジ構造物(トンネル中心からの半径200ミリメートルの断面)の模型を作成した。そして、時速420キロメートルに相当する速度の模型列車をトンネル内に突入させる模型実験を、フランジ構造物(トンネル中心からの半径200ミリメートルの断面)があるトンネル模型の場合と、フランジ構造物が無いトンネル模型の場合について行った。
【0024】その結果、トンネル外部の箇所Q1における圧力(単位:パスカル)の測定値として図3(B)のグラフを、また、トンネル外部の箇所Q2における圧力(単位:パスカル)の測定値として図3(C)のグラフを得た。なお、Q1の位置は、トンネル中心線から500ミリメートルで、かつフランジ構造物のなす平面の延長上の位置であり、Q2の位置は、トンネル中心線から500ミリメートルで、かつフランジ構造物のなす平面から500ミリメートルの位置である。
【0025】図3(B)、図3(C)から、模型実験では、フランジ構造物のなす平面よりトンネル側では、突入波の圧力値は、フランジ構造物を設けた場合(図3(B)及び図3(C)における実線の曲線)の方が、フランジ構造物を設けない場合(図3(B)及び図3(C)における破線の曲線)よりも低減されることがわかる。また、突入波の圧力低減の度合いは、トンネルの奥側(地山側)の方(図3(C)参照)が大きい。退出波についても、突入波と同様のことが成立すると考えられる。
【0026】したがって、図2(A)に示すトンネルの突入・退出波低減構造10の場合には、フランジ構造物のなす平面11aより地山80に近い位置、例えば図2(A)における位置P1での突入波、あるいは退出波の圧力値が低減される。このため、図1に示すように、フランジ構造物11のなす平面より地山80に近い位置にある民家83への突入波、又は退出波の低減対策となる。
【0027】フランジ構造物11による突入波、退出波の圧力値低減効果の理由は、突入波、退出波が、トンネル入出端から地山へ向かう指向性を有しており、フランジ構造物11が突入波、退出波の指向性を変化させたためである、と考えられる。
【0028】フランジ構造物11の突入波、退出波に対する圧力値低減効果は、トンネルの長手方向に対して垂直な平面11aの方向へのフランジ構造物11の幅、すなわち図2(A)、図2(B)におけるB1の値により変化する。一般に、フランジ構造物の幅B1の値が大きいほど突入波・退出波低減効果があると考えられる。図3の実験の場合には、フランジ構造物の幅は150ミリメートルであり、トンネルの内空断面の半径50ミリメートルに対し、3倍となっている。
【0029】他のシミュレーションの計算結果等から判断すると、トンネルの内空断面の半径、例えば、図2(A)、図2(B)の場合にはトンネル上半部の半径Rの少なくとも0.1倍以上の値であれば、すなわち、B1≧0.1×Rの条件であれば、突入波、退出波の圧力値低減に有効であると考えられる。
【0030】また、フランジ構造物11の突入波、退出波に対する圧力値低減効果は、トンネルの長手方向へのフランジ構造物11の厚み、すなわち図2(A)におけるT1の値にはほとんど依存しない。図2(A)に示すような板状の構造であってもよいし、フランジ構造物の厚みT1の値が、フランジ構造物の幅B1の値と同程度となるような厚い構造物であってもよい。フランジ構造物の厚みT1の値は、フランジ構造物の幅B1の値よりも大きくなってもよく、フランジ構造物が、微気圧波緩衝工82の入出端位置P0からトンネル坑門構造物81aの位置まで達するような長い構造物となってもよい。
【0031】本発明のトンネルの突入・退出波低減構造は、他の構成によっても実現可能である。図4(A)は、上記の実施形態とは異なる他の実施形態の構成を示した図である。図4(A)に示すトンネルの突入・退出波低減構造20は、異なるフランジ構造物21を備えている。フランジ構造物21は、微気圧波緩衝工82の先端の入出端位置P0に取り付けられており、入出端位置P0において、トンネルの長手方向に対して角度θをなす面21aの方向に展開する鍔状の構成を有している。
【0032】図4(A)に示す実施形態は、フランジ構造物21のなす面21aより地山80に近い位置、例えば図4(A)における位置P2での突入波、あるいは退出波の圧力値を低減することができる。
【0033】この場合、面21aは、微気圧波緩衝工82の外縁の形状が円弧の場合には円錐面となり、微気圧波緩衝工82の外縁の形状が直線の場合には平面となる。
【0034】また、角度θは、45度から135度までの角度であれば、突入波、退出波の圧力値低減に効果を挙げることができる。
【0035】また、図4(A)に示すトンネルの突入・退出波低減構造20の突入波、退出波に対する圧力値低減効果は、トンネルの長手方向に対して垂直な平面の方向への突入・退出波低減構造20の幅、すなわち図4(A)におけるB2の値により変化する。B2の値の条件については、図1、2に示す実施形態におけるB1の条件と同様である。
【0036】本発明のトンネルの突入・退出波低減構造は、さらに他の構成によっても実現可能である。図4(B)は、上記の実施形態以外の他の実施形態の構成を示した図である。図4(B)に示すトンネルの突入・退出波低減構造30は、異なるフランジ構造物31と、フランジ接続部32を備えている。
【0037】フランジ接続部32は、微気圧波緩衝工82の先端の入出端位置P0に取り付けられている。フランジ接続部32は、ホーン状に形成されており、その一端(図4(B)における右端)は微気圧波緩衝工82と同一の断面となっているが、外方へ向かうにつれて断面が連続的に拡径する。
【0038】また、フランジ接続部32の他端(図4(B)における左端)には、フランジ構造物31が取り付けられている。フランジ構造物31は、トンネルの長手方向に対して垂直な平面31aの方向に展開する鍔状の構成を有している。
【0039】図4(B)に示す実施形態は、フランジ構造物31のなす面31aより地山80に近い位置、例えば図4(B)における位置P3での突入波、あるいは退出波の圧力値を低減することができる。図4(B)に示すトンネルの突入・退出波低減構造30の突入波、退出波に対する圧力値低減効果は、図1、2に示すトンネルの突入・退出波低減構造10の突入波、退出波に対する圧力値低減効果よりも大きい。
【0040】図4(B)に示すトンネルの突入・退出波低減構造30の突入波、退出波に対する圧力値低減効果は、トンネルの長手方向に対して垂直な平面31aの方向への突入・退出波低減構造30の幅、すなわち図4(B)におけるB3の値により変化する。B3の値の条件については、図1、2に示す実施形態におけるB1の条件と同様である。
【0041】本発明のトンネルの突入・退出波低減構造は、さらに他の構成によっても実現可能である。図5(A)は、上記の実施形態以外の他の実施形態の構成を示した図である。図5(A)に示すトンネルの突入・退出波低減構造40は、フランジ構造物41を備えている。フランジ構造物41は、微気圧波緩衝工82の入出端位置P0よりも地山80側に配置されている。フランジ構造物41は、トンネルの長手方向に対して垂直な平面41aの方向に展開する鍔状の構成を有している。
【0042】図5(A)に示す実施形態は、フランジ構造物41のなす平面41aより地山80に近い位置、例えば図5(A)における位置P4での突入波、あるいは退出波の圧力値を低減することができる。
【0043】図5(A)に示すトンネルの突入・退出波低減構造40の突入波、退出波に対する圧力値低減効果は、トンネルの長手方向に対して垂直な平面41aの方向へのフランジ構造物41の幅により変化し、図1、2に示す実施形態におけるB1の条件と同様である。
【0044】本発明のトンネルの突入・退出波低減構造は、さらに他の構成によっても実現可能である。図5(B)は、上記の実施形態以外の他の実施形態の構成を示した図である。図5(B)に示すトンネルの突入・退出波低減構造50は、上記したトンネルの突入・退出波低減構造40において、微気圧波緩衝工82の入出端位置P0とフランジ構造物41の設置位置の中間の位置に、微気圧波緩衝工82の一部を切り欠いて開口部53を形成したものである。開口部53は、1個でもよいし、2以上の複数でもよい。
【0045】図5(B)に示す実施形態50は、図5(A)に示す実施形態40の突入波・退出波低減効果に加え、開口部53の効果により、微気圧波低減効果をさらに向上させることができる。
【0046】なお、上記したフランジ構造物11、21、31、41は、新幹線等の列車の先頭部がトンネル内に突入する場合、列車の後尾部がトンネルから退出する場合の圧力波の低減対策のほか、列車編成の中間部で断面形状が変わる箇所、例えば、2階建て車両、パンタグラフカバーを有する車両、2つの編成の列車が連結された場合の併合部等がトンネルに突入・退出する場合に発生する圧力波の低減対策としても有効である。
【0047】なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0048】例えば、上記記載においては、移動体の例として、新幹線列車等を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、トンネルに高速で突入、又はトンネルから高速で退出する移動物体であればどのようなものであってもよく、他の移動体、例えば磁気浮上式鉄道列車、他の形式の浮上式鉄道列車、高速の自動車等であってもよい。
【0049】また、上記各実施形態においては、トンネルの突入・退出波低減構造を微気圧波緩衝工(例えば82)の適宜箇所に設置する例について説明したが、本発明はこれには限定されず、トンネルの突入・退出波低減構造は他の位置に設置してもよく、例えばトンネル坑口、すなわち図1、2、3、4におけるトンネル坑門構造物81aに設置してもよい。すなわち、図4(B)に示す実施形態30に対応するケースでは、トンネル覆工81又はトンネル坑門構造物81aにフランジ接続部32を取り付け、フランジ接続部32の外方にフランジ構造物31を設置することになる。このような構成によっても、トンネル坑口より地山に近い位置での突入波、あるいは退出波の圧力値を低減することができる。
【0050】また、図5(B)に示す実施形態においては、微気圧波緩衝工(例えば82)の入出端とフランジ構造物(41)の設置位置の中間位置に、微気圧波緩衝工の一部を切り欠いた開口部(例えば53)を設ける例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成、例えば、フランジ構造物(例えば41)と地山(例えば80)の中間位置に、微気圧波緩衝工の一部を切り欠いた開口部(53を参照)を設けるようにしてもよい。あるいは、図5(B)の構成に加えて、フランジ構造物(例えば41)と地山(例えば80)の中間位置に、微気圧波緩衝工の一部を切り欠いた開口部(53を参照)を設け、フランジ構造物の入出端側と地山側の両方に開口部を設けるようにしてもよい。このような構成によっても、フランジ構造物の効果を発揮させることができる。
【0051】また、上記の開口部については、窓のように不連続状に配置する開口部のほか、微気圧波緩衝工の入出端からトンネルの奥側へ向けて連続的に切り欠いたスリット状の開口部であってもよい。また、スリット状の開口部の場合、スリットの切欠の幅が一定であってもよいし、スリットの切欠の幅を途中で変化させてもよい。
【0052】また、上記各実施形態に示した構成以外のフランジ構造物であってもよい。例えば、トンネルの長手方向に複数の鍔状部材を並べるようにしてもよい。また、フランジ構造物の一方又は両方の表面に1又は複数の凹凸部、例えば、点状の凹凸部、波状の凹凸部等を設けるようにしてもよい。あるいは、フランジ構造物に1又は複数の貫通孔を設けてもよい。
【0053】また、図4(B)に示す実施形態においては、微気圧波緩衝工(例えば82)の入出端位置に取り付けられ、外方へ向かうにつれて断面が連続的に拡径するホーン状のフランジ接続部(例えば32)を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成のフランジ接続部、例えば、トンネル覆工とフランジ構造物との間、又は微気圧波緩衝工とフランジ構造物との間に設けられ、トンネル覆工又は微気圧波緩衝工の断面が階段や段差等のように不連続的に拡径してフランジ構造物に接続するホーン状のフランジ接続部であってもよい。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、トンネル坑口又は微気圧波緩衝工の適宜箇所に鍔状のフランジ構造物を設けることにより、フランジ構造物が突入波、退出波の指向性を変化させ、フランジ構造物より地山に近い位置での突入波、又は退出波の圧力値を低減させることができる、という利点を有している。




 

 


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