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発明の名称 トンネル埋め戻し装置及びトンネル埋め戻し方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−234700(P2001−234700A)
公開日 平成13年8月31日(2001.8.31)
出願番号 特願2000−43378(P2000−43378)
出願日 平成12年2月21日(2000.2.21)
代理人 【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二 (外1名)
【テーマコード(参考)】
2D054
【Fターム(参考)】
2D054 AA05 AD20 BA05 BA25 BA28 CA03 DA12 
発明者 岡田 康則 / 池口 潤一 / 石田 喜久雄
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】外殻と、該外殻に設けられ、埋め戻すべきトンネル周囲の地盤を掘削自在な掘削手段と、前記外殻内に設けられ、前記トンネルのトンネル覆工が内部に挿入され得る内筒と、前記外殻の後方に埋め戻し材を打設自在な埋め戻し材打設手段と、を備えたトンネル埋め戻し装置において、前記内筒内に軸方向移動自在に設けられ、かつ前記内筒に挿入されたトンネル覆工の端部に対して軸方向に当接自在な当接部が形成された押圧部材と、前記押圧部材を前記内筒に対して軸方向に押圧駆動自在な押圧駆動手段と、を有して構成したトンネル埋め戻し装置。
【請求項2】前記当接部は前記内筒の内周に沿って環状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のトンネル埋め戻し装置。
【請求項3】前記当接部に、前記トンネル覆工の端部に対してシール当接するシール部材を設けたこと特徴とする請求項2記載のトンネル埋め戻し装置。
【請求項4】請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のトンネル埋め戻し装置を用いたトンネル埋め戻し方法において、前記埋め戻し材打設手段による前記外殻の後方における埋め戻し材打設時に、前記押圧駆動手段により前記押圧部材を前記内筒に挿入されたトンネル覆工の端部に対して軸方向に押圧当接させることにより、前記外殻の軸方向での移動を防止して、前記掘削手段が前記地盤に食い込むことを防ぐようにすることを特徴とするトンネル埋め戻し方法。
【請求項5】前記トンネル埋め戻し装置は請求項3記載のものを用い、前記掘削手段による地盤の掘削時に、前記押圧駆動手段により前記押圧部材を軸方向に押圧駆動して、前記シール部材を前記内筒に挿入されたトンネル覆工の端部に対して軸方向にシール当接させることを特徴とする請求項4記載のトンネル埋め戻し方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不要になったトンネルを好適に埋め戻すことのできるトンネル埋め戻し装置及びトンネル埋め戻し方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】使用されなくなった古いトンネルが、新たにトンネルを構築しようとする場所にあるような場合、該古いトンネルを埋め戻す工事を行うことが知られている。この工事は、シールド装置等を利用して古いトンネルの周囲を環状に掘削し、掘り出されたトンネル覆工を解体撤去し、前記古いトンネルのあった空間及び環状に掘削した空間を埋め戻し材で埋め戻す、という手順で行われている。なお、この工事で使用されるシールド埋め戻し装置及び、該工事の方法は、例えば特開平5−195700号公報等で開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述した埋め戻し装置では、後方に打設した埋め戻し材の圧力を受けて外殻が前方に押され、時には掘削機のカッタ等が切羽に食い込むことがあった。カッタ等が切羽に食い込むと、掘削開始時にはこの食い込みを解消してから掘削を行うことになるので作業の円滑性に支障を与えていた。
【0004】そこで本発明は上記事情に鑑み、掘削機のカッタ等が切羽に食い込むことを防止し、円滑な作業を実現するトンネル埋め戻し装置及びトンネル埋め戻し方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明のうち請求項1は、外殻(2)と、該外殻に設けられ、埋め戻すべきトンネル周囲の地盤(70)を掘削自在な掘削手段(7)と、前記外殻内に設けられ、前記トンネルのトンネル覆工(50)が内部に挿入され得る内筒(20)と、前記外殻の後方に埋め戻し材(60)を打設自在な埋め戻し材打設手段(15)と、を備えたトンネル埋め戻し装置(1)において、前記内筒内に軸方向移動自在に設けられ、かつ前記内筒に挿入されたトンネル覆工の端部(50a)に対して軸方向に当接自在な当接部(26a、26b)が形成された押圧部材(26)と、前記押圧部材を前記内筒に対して軸方向に押圧駆動自在な押圧駆動手段(25)と、を有して構成した。
【0006】また請求項2は、前記当接部は前記内筒の内周に沿って環状に形成されていることを特徴とする。
【0007】また請求項3は、前記当接部に、前記トンネル覆工の端部に対してシール当接するシール部材(27)を設けたこと特徴とする。
【0008】また請求項4は、上記トンネル埋め戻し装置を用いたトンネル埋め戻し方法において、前記埋め戻し材打設手段による前記外殻の後方における埋め戻し材打設時に、前記押圧駆動手段により前記押圧部材を前記内筒に挿入されたトンネル覆工の端部に対して軸方向に押圧当接させることにより、前記外殻の軸方向での移動を防止して、前記掘削手段が前記地盤に食い込むことを防ぐようにすることを特徴とする。
【0009】また請求項5は、前記トンネル埋め戻し装置は請求項3記載のものを用い、前記掘削手段による地盤の掘削時に、前記押圧駆動手段により前記押圧部材を軸方向に押圧駆動して、前記シール部材を前記内筒に挿入されたトンネル覆工の端部に対して軸方向にシール当接させることを特徴とする。
【0010】なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0011】
【発明の効果】上記構成により請求項1及び請求項4では、埋め戻し材打設時に、押圧駆動手段により押圧部材をトンネル覆工の端部に対して軸方向に押圧当接させることにより、外殻の軸方向での移動を防止して、掘削手段が地盤に食い込むことを防ぐ。従って、従来のように掘削手段の食い込みを解消してから掘削を行うようなことは不要となり、円滑なトンネル埋め戻し作業が実現される。
【0012】また請求項2では、当接部は内筒の内周に沿って環状に形成されているのでトンネル覆工に対する押圧当接は全周的に行われる。これにより荷重の偏りなどが防止され、安定的に外殻を支持することができる。
【0013】また請求項3及び請求項5では、掘削時に、押圧駆動手段により押圧部材を軸方向に押圧駆動して、シール部材を内筒に挿入されたトンネル覆工の端部に対して軸方向にシール当接させるので、内筒とトンネル覆工との間におけるシールはこのシール当接により実現する。このシール当接は軸方向に押圧されて成るものであるから、内筒に対してトンネル覆工が軸方向に相対移動してもシール当接の位置がズレることはない。従って、シール部材とトンネル覆工の端部とのシール当接により、内筒とトンネル覆工との間におけるシールは良好に維持される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施形態を説明する。図1は本発明によるトンネル埋め戻し装置の一例を模式的に示す側断面図、図5は内筒付近の拡大側断面図である。地盤70中に位置しているトンネル埋め戻し装置1は、図1に示すような外殻2を有しており、外殻2は略円筒形に形成されていると共に前後両端が開口している。本実施形態では、外殻2は前側(図1左側)の前殻体2aと後側(図1右側)の後殻体2bとに2分割された中折れ式のものとなっており、前殻体2aと後殻体2bとは、軸方向に沿ってそれぞれ配置された複数の中折れジャッキ3(図1では断面位置の関係上1個のみ示す)により接続されている。即ち、各中折れジャッキ3を駆動させてラムの突出量を適宜制御することにより、前殻体2aに対して任意の角度をなすように後殻体2bの姿勢を制御することができる。なお本発明においては、外殻2が中折れ式であることは必須条件ではなく、外殻2を中折れしない一体的な円筒体で形成しても構わない。
【0015】前殻体2aの前端部(図1左端部)には、複数のカッタ7a及び該カッタ7aを外殻2と同軸状に回転駆動する図示しない駆動装置等からなる掘削機7が環状に配設されている。環状に配設された掘削機7の内側、従って前殻体2aの内部には、該前殻体2aより小径に形成された円筒状の内筒20が、適宜な支持部材を介して該前殻体2aと同軸状に挿入支持されている。内筒20の内周側には止水装置30が設けられている。この止水装置30は公知のものであり、図5に示すように内筒20の内周に沿って環状に設けられたワイヤブラシ31と、内筒20の内周に沿って環状に設けられたエアチューブ32と、を有している。このワイヤブラシ31は一端側(図の左側)が内筒20に蝶着され、他端側(図の右側)が回動自在になっている。またエアチューブ32には、加圧エアARを供給・解放自在な適宜なエア供給手段33が設けられている。
【0016】以上のように構成された止水装置30は図5に示すように2つ設けられており(なお図1乃至図4では簡略表示のため1つのみ図示している)、これら止水装置30、30は内筒20の軸方向に適宜な間隔をあけて並んで配置されている。更に、上述した前側(図の左側)の止水装置30よりも内筒20の軸方向に適宜な間隔をあけた前側の位置には、内筒20の外周側に設けられた公知のチューブ止水装置40を有している。該チューブ止水装置40は、内筒20の内周に沿って環状に設けられたエアチューブ41を有している。またエアチューブ41には、加圧エアARを供給・解放自在な適宜なエア供給手段42が設けられている。
【0017】前記掘削機7の後方(図1及び図5中右側)では、内筒20の外周と前殻体2aの内周との間を基本的に閉鎖する形で壁部材6が環状に設けられている。また、坑外等から掘削用の泥水を圧送する送泥管、或いは掘削時に発生する泥水を坑外等に搬送する排泥管等である泥水搬送管11が、内筒20の内部を貫通して前殻体2a内に複数本導入されており、各泥水搬送管11の先端側は前記壁部材6を貫通して掘削機7の近傍に配置されている。
【0018】また、外殻2の前殻体2aの内部には油圧式の押さえジャッキ25が複数設けられている。各押さえジャッキ25はラム25aを前方に向け、前殻体2aの内周に沿った形で円環状に配列設置され(図1乃至図4では断面位置の関係上1本のみ図示されている)、シリンダ側が適宜な支持部材を介して前殻体2aに固定されている。なお押さえジャッキ25のラム25aは内筒20の内部に位置している。更に、内筒20の内部には該内筒20と同心環状の台座リング26が、該内筒20の内周面に対してシール状態を形成した形で略ぴったりと挿嵌されて設けられており、該台座リング26は内筒20の内周に対して摺動し、該内筒20の軸方向に移動自在となっている。そして該台座リング26は、前記複数の押さえジャッキ25のラム25aの先端(図の左側)に接合されている。また台座リング26の前側部26a(図5の左側)には、ゴム等からなるシール部材27が該台座リング26に沿って環状に設けられている。なお台座リング26は、上述した2つの止水装置30よりも後側(図の右側)に配置されている。
【0019】一方、外殻2の後殻体2bの内部には、図1に示すように、ラム9aを後方に向けた複数の油圧ジャッキ9が、該後殻体2bの内周に沿った形で円環状に配列設置され(図1乃至図4では断面位置の関係上1本のみ図示されている)、シリンダ側が適宜な支持部材を介して後殻体2bに固定されている。また、後殻体2bの内部で前記油圧ジャッキ9の後側には隔壁10が、該後殻体2bの内部を軸方向(図1の左右方向)に遮断する形で、しかも該後殻体2bに対して軸方向に移動自在に設けられている。また、坑外等から所定の埋め戻し材60を外殻2内に圧送し、前記隔壁10の後方(図1右側)に打設自在な公知の埋め戻し材打設手段15が複数設けられている。
【0020】また、内筒20内には地盤70より掘り出され露出したトンネル覆工50が挿入されている。本実施形態ではトンネル覆工50は所定のセグメント長Wをもつ複数のセグメントリング51を組合わせて形成されたものを示している。このトンネル覆工50の前側(図の左側)は内筒20及び外殻2を抜けて未掘削の地盤70内に伸びている。
【0021】トンネル埋め戻し装置1及び埋め戻すべきトンネルのトンネル覆工50は、以上のような構成を有するので、該トンネル埋め戻し装置1により既設のトンネルを埋め戻すには、まず、立坑等からトンネル覆工50の外側の地盤70を手堀り又は機械堀りによって掘削し、トンネル埋め戻し装置1を、掘削機7の前端にトンネル覆工50の端部を近接させる形で設置する。
【0022】トンネル埋め戻し装置1がトンネルに対して設置されると、以下のようにして該トンネルを埋め戻してゆく。即ち、図1の状態から複数の油圧ジャッキ9を図1の矢印A方向に駆動し、図2の状態へと隔壁10を後方に駆動する。隔壁10は立坑内等に設置されている図示しない反力部材を後方に押圧し、その反力で外殻2が図1の矢印B方向(前方)に移動駆動される。外殻2が前方に移動駆動される状態では、該外殻2と共に前方に移動駆動される掘削機7がカッタ7aを駆動しており、これにより掘削機7は前方の地盤70を掘削する。この掘削により、地盤70に埋設されていたトンネル覆工50は掘り出されて露出され、内筒20内に順次挿入されて来る。なおこの掘削では泥水搬送管11により、掘削機7側に泥水を圧送し、掘削機7の前方の切羽に噴射する。また該切羽で発生した泥水は泥水搬送管11により坑外に搬送する。
【0023】この図1の状態から図2の状態までの工程では、複数の押さえジャッキ25によりラム25aを図1の矢印C方向(後方)に引き戻しており、これにより台座リング26が内筒20内で後方に移動されている。台座リング26に設けらえたシール部材27は、図5に示すように内筒20に挿入されているトンネル覆工50の端部50aに当接している。即ち、上述した外殻2の移動により内筒20にトンネル覆工50が挿入されて来る動きに合わせて、複数の押さえジャッキ25の駆動により台座リング26が後方に移動されるようになっている。但し、台座リング26のシール部材27とトンネル覆工50の端部50aとの間の当接圧が所定の大きさを保ち、シール当接となるように押さえジャッキ25の駆動が制御されている。
【0024】なお、2つの止水装置30ではエア供給手段により加圧エアARが抜かれており、チューブ止水装置40でもエア供給手段42により加圧エアARが抜かれている。このため各止水装置30ではワイヤブラシ31とトンネル覆工50との間の押圧がなされず、チューブ止水装置40でもエアチューブ41とトンネル覆工50との間の押圧がなされない。つまり、止水装置30やチューブ止水装置40による内筒20とトンネル覆工50との間でのシールは解除されている。このシール解除によりワイヤブラシ31やエアチューブ41等が、これらに対して移動しているトンネル覆工50に強く摩擦して破損するといった問題が解消される。一方、台座リング26のシール部材27とトンネル覆工50の端部50aとが所定の当接圧で当接し、これらの間にシール状態を形成しているので(また台座リング26と内筒20との間も上述したようにシール状態を形成しているので)、内筒20とトンネル覆工50との間が良好にシールされている。
【0025】つまり、上記掘削において切羽で発生した泥水は外殻2の前端付近よりトンネル覆工50と内筒20の間に進入する。しかし、台座リング26と内筒20との間及び、該台座リング26のシール部材27とトンネル覆工50との間は、ともにシールされているので、上記泥水は該台座リング26等を超えて後方、即ち外殻2内部の作業スペースに進入することはない。また、シール部材27はトンネル覆工50に対して軸方向に押圧されているので、これらの当接箇所ではズレ等が生じない。これによりシール状態についての信頼性が高く、またシール部材27の破損が少なく耐久性に優れる。
【0026】こうして油圧ジャッキ9が1ストローク分の駆動を完了し、図2に示す状態になると、押さえジャッキ25のラム25aは殆どいっぱいに引っ込んだ状態となり、その分、内筒20には掘り出されたトンネル覆工50が、該引っ込んだラム25aの位置まで挿入された。本実施形態では押さえジャッキ25のストロークはセグメントリング51の1セグメント長Wと等しく(或いはこれより大きく)、従って台座リング26は図1から図2の状態に移行する間に1セグメント長W(或いはこれより大きく)後方に移動した。
【0027】この状態で、2つの止水装置30ではエア供給手段によりエアチューブ32に加圧エアARを供給し、チューブ止水装置40でもエア供給手段42によりエアチューブ41に加圧エアARを供給する。これにより図2及び図6に示すように、各止水装置30ではワイヤブラシ31の後端側がエアチューブ32によりトンネル覆工50に押圧され、これらワイヤブラシ31とトンネル覆工50との間でシール状態が形成される。また、チューブ止水装置40でもエアチューブ41がトンネル覆工50に押圧されてシール状態が形成される。なお、図2の状態では内筒20に対してトンネル覆工50が停止しているので、ワイヤブラシ31やエアチューブ41とトンネル覆工50との間で摺動が生じず、シール状態の信頼性が確保できる。また、強い摩擦によりワイヤブラシ31やエアチューブ41等が破損するようなこともない。
【0028】こうして内筒20とトンネル覆工50との間のシールを止水装置30、30及びチューブ止水装置40により形成しておいて、前記押さえジャッキ25のラム25aの押さえを解除し、台座リング26のシール部材27によるシールを解除する。その後、図2に示すように内筒20に挿入されたトンネル覆工50を1セグメント長W分だけ解体する。解体したトンネル覆工50は既設トンネル内部を利用して適宜坑外に搬出する。トンネル覆工50についての1セグメント長W分の解体が完了すると、図3に示すように押さえジャッキ25のラム25aを図3の矢印D方向に突出させて、図7に示すように、台座リング26のシール部材27でトンネル覆工50の端部50aを所定の当接圧で押さえる。
【0029】次いで図3の状態から図4の状態に示すように、埋め戻し材打設手段15を介して埋め戻し材60を隔壁10の後方に打設する。打設と共に、油圧ジャッキ9を図4の矢印E方向に逆駆動して隔壁10を前方に戻す。こうして隔壁10を図4の状態まで戻すことにより、該隔壁10の戻しに応じた空間が埋め戻し材60によって充填される。この際には、隔壁10の後方に打設された埋め戻し材60の圧力により外殻2は前方に大きな力を受ける。しかし、上述した複数の押さえジャッキ25により台座リング26が前方に押圧され、該台座リング26の前側部26aが(シール部材27を挟んで)トンエル覆工50の端部50aに押圧当接し、該トンネル覆工50から軸方向の反力を受け得るようになっているので、打設した埋め戻し材60により外殻2を前方に押す力は押さえジャッキ25及び台座リング26を介してトンネル覆工50で支持され、外殻2が不用意に前方に移動するようなことが防止されている。これにより掘削機7のカッタ7aが前方の切羽に食い込んでしまうといった不都合を回避できる。
【0030】なお、図6の破線に示すように、台座リング26の前端部26aに前方に突出した突起部26bを形成しておき、上述したように台座リング26を介してトンネル覆工50より軸方向の反力を受ける際には、該突起部26bにより主に荷重を受けるようにしてもよい。これにより多大な荷重でシール部材27が破損するといった不都合を防止することができる。
【0031】こうして図4に示すように油圧ジャッキ9が1ストローク分の戻し駆動を完了し、後殻体2bの後端側内部への埋め戻し材60の打設を完了し、該打設した埋め戻し材60を所定の強度を発現させるまで固結させる。以降、上述した手順を繰り返してトンネルの埋め戻しを進めていく。即ち、上記打設した埋め戻し材60を固結させた後、油圧ジャッキ9を駆動して隔壁10を後方に駆動する(図1)。但し、隔壁10は固結した前記埋め戻し材60を後方に押圧することになり、その反力で外殻2が前方に移動駆動される。外殻2の移動駆動と共に、掘削機7及び泥水による前方の地盤70の掘削を行う。この外殻2の移動及び掘削工程では、上述したように内筒20とトンネル覆工50との間のシールを台座リング26のシール部材27により行う。
【0032】油圧ジャッキ9が1ストローク分の駆動を完了すると、押さえジャッキ25を引き戻し、内筒20内のトンネル覆工50を1セグメント長W分だけ解体する(図2乃至図3)。この工程では、上述したように内筒20とトンネル覆工50との間のシールを止水装置30、30及びチューブ止水装置40により行う。その後、押さえジャッキ25により台座リング26をトンネル覆工26側に当接させる。そして図3乃至図4に示すように、隔壁10を前方に戻すと共に、該隔壁10の後方に埋め戻し材60を打設する。上述したようにこの工程では、押さえジャッキ25及び台座リング26を介してトンネル覆工50に対して反力を得ることにより外殻2の前方への移動を阻止する。そして油圧ジャッキ9が1ストローク分の戻し駆動を完了し、埋め戻し材60の打設を完了し、該打設した埋め戻し材60を所定の強度を発現させるまで固結させる。
【0033】以降、上述したように、隔壁10で固結した埋め戻し材60を後方に押圧し、その反力で外殻2を前方に移動駆動させつつ、掘削機7及び泥水により前方の地盤70を掘削し、内筒20に挿入したトンネル覆工50を解体し、隔壁10を前方に戻しつつ、その後方に埋め戻し材60を打設する手順、打設した埋め戻し材60を固結させる手順を順次繰り返すことによりトンネルの埋め戻しを完了する。
【0034】以上のように本実施形態では、シール部材27を内筒20に挿入されたトンネル覆工50の端部50aに対して軸方向にシール当接させるので、内筒20とトンネル覆工50との間におけるシールは、上述したシール部材27とトンネル覆工50の端部50aとのシール当接により実現する。このシール当接は軸方向に押圧されて成るものであるから、内筒20に対してトンネル覆工50が軸方向に相対移動してもシール当接の位置がズレることはない。従って、シール部材27とトンネル覆工50の端部50aとのシール当接により、内筒20とトンネル覆工50との間におけるシールは良好に維持される。
【0035】また埋め戻し材60の打設時には、押さえジャッキ25で台座リング26を介してトンネル覆工50を軸方向に押圧することにより、シール部材27或いは突起部26b等を介して、外殻2のトンネル覆工50に対する軸方向の移動を防止し、カッタ7aやウォータージェットのノズル等が地盤の切羽へ食い込まないようにできる。つまり、従来のようにこれら掘削手段の切羽への食い込みを解消するといった作業を行わなくても済むため、トンネル埋め戻し作業における円滑性は大幅に向上する。
【0036】また、台座リング26及びシール部材27及びこれらをトンネル覆工50に押さえる押さえジャッキ25は、シールのための手段と、外殻2を支持するための手段を兼用しているが、シール機能をもつ手段と、支持機能をもつ手段とを別個に設けてもよい。
【0037】また上述した実施形態では、掘削手段として掘削機7を例示したが、掘削手段としてカッタを用いないウォータージェット等を採用することも可能である。




 

 


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