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発明の名称 立坑の施工法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−207774(P2001−207774A)
公開日 平成13年8月3日(2001.8.3)
出願番号 特願2000−17366(P2000−17366)
出願日 平成12年1月26日(2000.1.26)
代理人 【識別番号】100089266
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 陽一
発明者 山田 惇人 / 片居木 功 / 魚住 雅孝 / 中田 雅夫 / 重盛 剛彦
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 坑底部から十分に離れた位置に設置した移動式分離床によって作業区域を坑底部側と上部側とに区分させ、坑底部側の掘削作業区域では掘削及び仮覆工作業を行うと共に、上部側の覆工作業区域では仮覆工された立坑内壁面に移動型枠を設置して覆工コンクリートを施工する覆工作業を行い、両作業区域で併行して同時施工を可能にしたことを特徴とする立坑の施工法。
【請求項2】 前記移動式分離床は、掘削作業区域で掘削したずりの排出通路を備え、立坑内へ昇降移動可能に懸吊されると共に、立坑内壁面に対して着脱可能に係止保持される請求項1に記載した立坑の施工法。
【請求項3】 前記掘削作業区域での掘削作業は、一度に発破掘削した発破掘削領域に対し、上層部の掘削・ずり出しと仮覆工を行った後に、下層部の掘削・ずり出しと仮覆工を行う請求項1又は2に記載した立坑の施工法。
【請求項4】 前記掘削作業区域での仮覆工は、仮覆工材の吹き付けによって行われる請求項1〜3のいずれかに記載した立坑の施工法。
【請求項5】 前記覆工作業区域で覆工作業は、前記移動式分離床の上部側に移動型枠を配備させ、当該移動式分離床上から立坑内壁面に対する移動型枠の着脱操作を行うと共に、移動型枠の上部側から打設ノズルによって覆工コンクリートを打設する請求項1〜4のいずれかに記載した立坑の施工法。
【請求項6】 前記覆工コンクリートの打設は、前記移動式分離床と移動型枠を上方へ移動させながら順打ち工法で行われる請求項1〜5のいずれかに記載した立坑の施工法。
【請求項7】 前記覆工コンクリートの打設は、前記打設ノズルを含むコンクリートの打設手段をスカフォード上に設置して行われる請求項5又は6に記載した立坑の施工法。
【請求項8】 前記移動式分離床と移動型枠は、前記スカフォードの下部側へ一体に装着させ、当該スカフォードと一体で立坑内を昇降移動させる請求項7に記載した立坑の施工法。
【請求項9】 前記移動式分離床と移動型枠は、前記スカフォードの下部側へ別体で装着させ、当該スカフォードと連係して立坑内を昇降移動される請求項7に記載した立坑の施工法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立坑を掘削してその内壁面を覆工する立坑の施工法であって、特に大口径長深度立坑を安全且つ能率良く施工するのに好適な立坑施工法に関し、例えば地下発電所や石油などの備蓄基地その他の地下設備の施工に利用できる。
【0002】
【従来の技術】この種の従来工法としては、例えば本件出願人が先に提案して特許第2797244号公報に開示されている立坑の施工法のように、坑底部に対する穿孔手段と覆工コンクリートの打設手段とをスカフォードに装備させ、このスカフォードを坑底部の僅か上方位置に懸吊させた状態にして掘削作業及び覆工作業とが隣接した位置で行われている。
【0003】そのために、掘削作業と覆工作業を同時に施工することが困難であり、仮に同時施工する場合には双方の作業者や機材及び資材が一個所に集中して混雑することで作業能率を低下させる恐れがあると共に、作業がスカフォードの位置に制約されるので掘削作業と覆工作業の進捗度を完全に一致させなければ作業ロスを発生することになる。
【0004】また、発破掘削を行う場合には他の作業を完全に中断させて作業者及びスカフォードを安全な場所へ避難させなければならないこと、発破掘削によって打設した直後で養生が不十分な覆工コンクリートが損なわれる恐れがあるので、その保護対策を十分に行う必要があること。
【0005】さらには、掘削作業と覆工作業の進捗度を完全に一致させるため及び、掘削した後に覆工するまでの地盤保持の点から過大な発破掘削ができないので、掘削作業の能率を向上させることができないこと、覆工作業は逆打ち工法に限定されて接合強度が高いことその他の利点を持つ順打ち工法を用いることができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、前記した従来工法の課題を解決し得る立坑の施工法を提供するが、その主たる目的は坑底部側での掘削作業と上部側での覆工作業とを併行作業によって安全且つ能率良く施工することを可能としたものであり、特に大口径で長深度の立坑構築に利用すると顕著な効果が発揮される。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による立坑の施工法は、坑底部から十分に離れた位置に設置した移動式分離床によって作業区域を坑底部側と上部側とに区分させ、坑底部側の掘削作業区域では掘削及び仮覆工作業を行うと共に、上部側の覆工作業区域では仮覆工された立坑内壁面に移動型枠を設置して覆工コンクリートを施工する覆工作業を行い、両作業区域で併行して同時施工を可能にした。(請求項1)
【0008】請求項1による立坑の施工法では、坑底部側での掘削作業と上部側での覆工作業とが、相互に干渉されることなく余裕のある作業空間で併行して同時施工を行うことができるので、作業の安全と能率の向上を図ることができると共に、双方の作業進捗度は厳密に一致させる必要はない。
【0009】また坑底部側で発破掘削を行う際に、移動式分離床の位置によっては上部側での覆工作業を必ずしも中断させずに続行が可能な場合もあり、中断する場合でもその間を利用して打設した覆工コンクリートの養生期間にしたり、作業者の休憩期間とすることで進捗度の調整を図ることができる。
【0010】さらに移動式分離床によって、上部側の覆工作業区域は坑底部側からの発破掘削による衝撃が緩和されると共に、坑底側の掘削作業区域に対しては上部側からの落下物などから保護することができ、且つ作業空間を分離させることによって換気や通気の効率を良くする効果もある。
【0011】請求項1の立坑の施工法における前記移動式分離床は、掘削作業区域で掘削したずりの排出通路を備え、立坑内へ昇降移動可能に懸吊されると共に、立坑内壁面に対して着脱可能に係止保持される形態を採ることができる。(請求項2)
【0012】請求項2による立坑の施工法では、移動式分離床を除去することなく掘削作業区域で掘削したずりをずりキブルなどによって排出することができ、移動式分離床は坑底部側の掘削作業に関係なく立坑内の所望位置で立坑内壁面に自立状態で係止保持させることができる。
【0013】請求項1又は2の立坑の施工法における前記掘削作業区域での掘削作業は、一度に発破掘削した発破掘削領域に対し、上層部の掘削・ずり出しと仮覆工を行った後に、下層部の掘削・ずり出しと仮覆工を行う形態を採ることができる。(請求項3)
【0014】請求項3による立坑の施工法では、上部側での覆工作業の進捗度に左右されることなく、而も近傍に未養生の覆工コンクリートがないので、一度の発破によって広範囲の(深い)掘削を行うことができ、時間を要する発破掘削の準備作業による遅れを一挙に挽回して作業能率の向上を図ることができると共に、発破掘削領域に対して上層部と下層部とに分割して掘削・ずり出しと仮覆工を行うことによって、地山に対する安定した支保を行うことができる。
【0015】請求項1〜3の立坑の施工法における前記掘削作業区域での仮覆工は、仮覆工材の吹き付けによって行われる形態を採ることができる。(請求項4)
【0016】請求項4による立坑の施工法では、上部側で覆工コンクリートが施工されるまでの支保工として、モルタルなどによる仮覆工材の吹き付けを行うが、この仮覆工作業は型枠を用いたコンクリート打設による覆工とは異なって容易且つ短時間で行うことができ、特にこの吹き付けを本件出願人が別途に提案している遠心投射法によって行うと、粉塵やリバウンドのない状態で行うことができる。請求項1〜4の立坑の施工法における前記覆工作業区域で覆工作業は、前記移動式分離床の上部側に移動型枠を配備させ、当該移動式分離床上から立坑内壁面に対する移動型枠の着脱操作を行うと共に、移動型枠の上部側から打設ノズルによって覆工コンクリートを打設する形態を採ることができる。(請求項5)
【0017】請求項5による立坑の施工法では、移動型枠を設置する際の作業足場として移動式分離床を兼用させたものであり、覆工コンクリートを打設する打設ノズルは地上から個別に懸吊する形態及びスカフォードに予め装着する形態がある。
【0018】請求項1〜5の立坑の施工法における前記覆工コンクリートの打設は、前記移動式分離床と移動型枠を上方へ移動させながら順打ち工法で行われる形態を採ることができる。(請求項6)
【0019】請求項6による立坑の施工法では、順打ち工法又は逆打ち工法のいずれも可能ではあるが、順打ち工法を採ることによって、型枠による下方の押さえが容易となり、各覆工コンクリートの間に打ち継ぎ目を生ずることがなく、各覆工コンクリート間の接合強度が十分に得られる。
【0020】請求項5又は6の立坑の施工法における前記覆工コンクリートの打設は、前記打設ノズルを含むコンクリートの打設手段をスカフォード上に設置して行われる形態を採ることができる。(請求項7)
【0021】請求項7による立坑の施工法では、打設ノズルを含むコンクリートの打設手段をスカフォードに予め装着することによって、打設ノズルを所望の取付け位置に固定させた状態で能率良く正確にコンクリート打設を行うことができる。
【0022】請求項7の立坑の施工法における前記移動式分離床と移動型枠は、前記スカフォードの下部側へ一体に装着させ、当該スカフォードと一体で立坑内を昇降移動させる形態を採ることができる。(請求項8)
【0023】請求項8による立坑の施工法では、移動式分離床と移動型枠を個別に懸吊させる手段及び操作が不要であるから、取り扱いが容易で作業能率を向上させることができる。
【0024】請求項7の立坑の施工法における前記移動式分離床と移動型枠は、前記スカフォードの下部側へ別体で装着させ、当該スカフォードと連係して立坑内を昇降移動される形態を採ることができる。(請求項9)
【0025】請求項8による立坑の施工法では、請求項8の一体型に比べて取り扱いの容易性及び作業能率の点では劣るが、スカフォードの位置に左右されないで所望の位置に設置できるので、発破掘削の際などにその影響を回避し得る最も有効な位置に移動式分離床を設置させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明による立坑の施工法について、その好適な実施形態を示す添付図面に基づいて詳細に説明するが、図1〜4は本発明による立坑の施工法を概念的に説明し、図5〜8は本発明による立坑の施工法を実施する装置の主要部を説明し、図9〜12は本発明が適用された具体的な立坑の施工法を説明し、図13は実施装置の他の形態の主要部を説明する。
【0027】立坑の施工法では、坑口付近での立坑の施工は在来工法を用いて行うが、その後の施工では一度に施工する作業区域を一定の深度毎に区分させ、図1で施工概念図を示すように、各作業区域に対して掘削作業と覆工作業を順次繰り返しながら、最終深度の位置まで立坑1を上方から下方へ施工するようにしており、既に施工が完了した立坑1の前作業区域Aの次に現作業区域Bの施工を行った後に、新作業区域Cの施工に着手する。
【0028】各作業区域での施工に際しては、作業区域内に昇降移動及び立坑内壁面への係止保持が可能な移動式分離床2と、この移動式分離床2を作業足場にして組み立て及び解体が行われる移動型枠5とを連係状態で設け、これによって作業区域内を坑底部側の掘削作業区域3と上部側の覆工作業区域4とに区分させ、両作業区域3,4ではそれぞれの作業が同時進行状態で施工される。
【0029】掘削作業区域3側では、主として坑底部7を掘削して立坑内壁面に覆工材の吹き付けによる仮覆工11を行う掘削作業が、上方から下方への下向き作業として行われ、覆工作業区域4側では、主として仮覆工11された立坑内壁面に移動型枠5を設置して覆工コンクリート6を施工する覆工作業が、下方から上方への上向き作業として行われる。
【0030】作業区域は、従来工法であるショートステップ工法とは違って1ステップを比較的広く設定しており、この実施形態では例えば1ステップが20m程度とし、移動式分離床2を坑底部7の20m程度上方に設置させて覆工作業を上向き即ち順打ち工法で行っているが、下向きにした逆打ち工法も可能である。
【0031】但し、逆打ち工法の場合は、型枠による下方の押さえが難しいこと、各覆工コンクリート6の間に打ち継ぎ目を生ずること、各覆工コンクリート6間の接合強度が不十分になる恐れがあること、などの点から順打ち工法の方が望ましい。
【0032】移動式分離床2と移動型枠5は、詳細を後述する第1の実施形態のように、地上から昇降移動可能に吊り降ろしたスカフォードへ一体に装着させる構成の場合と、第2の実施形態のように、スカフォードから分離させて別体に構成させる場合とがあり、第2の実施形態ではスカフォード上から操作可能なウインチなどの懸吊手段を用いて単独で昇降移動可能に吊り降ろしている。
【0033】掘削作業区域3側での掘削作業は、図2で工程概念図を示すように、(1)坑底部7から所定深度で長孔の発破用穿孔8を行い、(2)発破用穿孔8に発破9を仕掛けて発破掘削を行った後に、(3)〜(6)のように発破掘削領域10の掘削・ずり出し及び仮覆工材の吹き付けを行って、前回施工した上部側の仮覆工11に連続する態様で仮覆工作業が行われる。
【0034】発破掘削領域10に対する掘削・ずり出し及び仮覆工材の吹き付け作業を行う際には、(3)まず発破掘削領域10の上半分10Aの掘削・ずり出しを行い、(4)上半分10Aの内壁面には仮覆工材としてモルタル11aの吹き付けを行い、(5)次に残り下半分10Bの掘削・ずり出しを行い、(6)下半分10Bの内壁面にモルタル11bを吹き付けるようにする。
【0035】掘削作業には、例えばANFO爆薬やNONEL雷管などを用いて、一度の発破で成る可く深い発破掘削領域10(例えば3m程度)を発破掘削できるようにすると共に、発破掘削領域10に対して上半分10Aと下半分10Bに分割して掘削・ずり出しを行う際には、上半分10Aのずり出し直後の内壁面が自立している間に仮覆工材のモルタルの吹き付け、初期強度が出たら直ちに下半分10Bの掘削・ずり出しを行う。
【0036】なお、発破の際は安全確保のために、移動式分離床2と移動型枠5及びスカフォードは発破の影響を受けない所望位置の立坑内壁面に係止保持させると共に、覆工作業区域4側の覆工作業を一時中断させて作業者を待避させることができ、また発破時の衝撃保護との厚さ確認のために、必要に応じてH鋼材などによる支保工を仮覆工11面に設けることもできる。
【0037】掘削作業区域3側で掘削作業において、軟弱地盤の場合には立坑内壁面に対してロックボルトその他の補強手段を設けて仮覆工11を施工すること、湧水に対する防水処理を施すことなど、NATM(ナトム)工法と同様な手段を用いることも可能であり、またモルタルの吹き付けに際しては、本件出願人が先に特願平10−357077号で提案した「立坑用ライニング装置」を用いると、粉塵が少なくて大口径にも適合させることができる。
【0038】また掘削作業区域3側での掘削作業は、覆工作業区域4側での覆工作業と並行して行われるので、その進捗度がほぼ近似するように予め作業工程を設定しておくことが望ましく、そのための対応として一度の発破9で型枠5の高さに等しい広範囲の発破掘削領域10を発破掘削して作業能率を向上させている。
【0039】また、広範囲の発破掘削領域10に対しては、掘削・ずり出しの処理能力及び地山の安定保持の点などを考慮して、上層部と下層部とに分割して掘削・ずり出し及び仮覆工材の吹き付け作業を行っており、更に発破の際における覆工作業区域4側で作業中断時は、覆工コンクリート6の養生期間にして有効利用することが可能である。
【0040】掘削作業区域3側での掘削作業は、同様の繰り返しで大口径の立坑掘削を長深度まで進捗させていくが、仮覆工材の吹き付けによる仮覆工11は、覆工作業区域4側での覆工コンクリート6による覆工が行われる迄の支保工として機能し、発破掘削領域10を上下に分割して掘削・ずり出し及び仮覆工11を行うことで、一度に広範囲の発破掘削を可能とし、これにより掘削の作業能率を向上させて工期短縮に寄与することができる。
【0041】覆工作業区域4側での覆工作業は、図3で工程概念図を示すように、(1)仮覆工11された立坑1の内壁面を移動式分離床2を足場としてカメラ撮影などで計測してチェックし、(2)計測結果に基づいて必要な個所には補強用としてロックボルトなどによる周辺増しボルトを取り付け、(3)湧水個所などに対しては必要に応じて止水工などの補助工法を施す。
【0042】その後に、(4)仮覆工11した立坑1の内壁面の内側に移動型枠5を設置する型枠作業を行った後に、(5)打設ノズル12からコンクリートを打設して覆工コンクリート6による覆工作業が行われるが、この覆工作業は移動式分離床2と移動型枠5を所定の高さ範囲(例えば3m又は6m)の間を順次上方へ移動させながら行われる。
【0043】移動式分離床2には、図4で構造概念図を示すように、掘削作業区域3側からの掘削土砂類を排出するずりキブル用通路13と、坑底部7との間で作業者を移送させる伸縮自在の人用梯子14及び、換気風管や圧気或いは給水などの配管用通路15をそれぞれ備え、例えば足場板16にH形鋼などの鋼材を格子状にした補強枠材17を重合させて構成することができる。
【0044】覆工作業区域4側での覆工作業は、移動式分離床2を既に掘削作業区域3側で仮覆工11を施した立坑内壁面に係止保持させ、覆工作業区域4側ではスカフォード上及び移動式分離床2から移動型枠5を用いた覆工コンクリート6(6B)による覆工作業が、移動型枠5の位置を上方へ移動させながら前回施工済みの覆工コンクリート6(6A)の位置まで上向き作業として施工される。
【0045】スカフォードは、覆工作業に必要な機材や資材を装備させて作業足場として使用されると共に、掘削作業に必要な機材や資材を搬入又は搬出する際の中継基地として機能するが、特に移動式分離床2は移動型枠5を組立及び解体する際における作業足場として使用する他に、覆工作業区域4側からの落下物の阻止及び発破による衝撃を緩和する保護部材としても機能し、更には作業空間を上下に分離させることで換気や通気の効率を良くする機能もある。
【0046】次に、この立坑施工法の詳細を具体的な装置を参照しながら説明すると、図5〜12は第1の実施形態による立坑施工装置を用いた立坑施工法を示すものであり、この立坑施工装置では立坑1内を掘削作業区域3と覆工作業区域4とに区分させる移動式分離床2を構成する部分と、覆工作業区域4で覆工作業を行う移動型枠5の部分とを一体にしてスカフォード20を構成したものである。
【0047】スカフォード20は、図5で示すように4段にしたデッキ部21〜24と、3段目デッキ部23と4段目デッキ部24との間には移動型枠5を構成する覆工型枠25を装着させると共に、4段目デッキ部24が前記した移動式分離床2を構成し、スカフォード20中に移動式分離床2即ち4段目デッキ部24と移動型枠5即ち覆工型枠25が組み込まれた構成である。
【0048】1段目デッキ部21は、図6(a)で平面を示すように、ずりキブル用通路13として2機のずりキブルを並行運転させる通路26,26と、人用エレベータ用通路27と、覆工材として使用されるコンクリートをコンクリートキブルから受け取るホッパー28及び、配管用通路15となる切欠部29とを備え、更にスカフォード20を昇降作動させるウインチのワイヤガイド部30,30と、下段側のデッキ部への連絡用階段部31とが設けられている。
【0049】2段目デッキ部22と3段目デッキ部23は、ほぼ同様の構成であって、図6(b)で平面を示すように(括弧内の数字は3段目デッキ部)、1段目デッキ部21の通路26に整合する通路32(33)と、通路27に整合する通路34(35)と、切欠部29に整合する切欠部36(37)と、連絡用階段部31に整合する連絡用階段部38(39)とを備えている。
【0050】2段目デッキ部22と3段目デッキ部23との相違点は、2段目デッキ部22では上端がホッパー28に連通された覆工材の打設ノズル12、即ちコンクリートシュート40の中間部が挿通されるのに対し、3段目デッキ部23ではコンクリートシュート40の下端に形成した打設口41が外周側の4個所に開口されている点である。
【0051】4段目デッキ部24は、図7で平面を示すように、1〜3段目デッキ部21,22,23の通路26,32,33に整合するキブル通路42と、1〜3段目デッキ部21,22,23の連絡用階段部31,38,39に整合する連絡用階段部44及び、伸縮作動してスカフォード20を立坑1の内壁面に係止保持させる係止保持用のジャッキ45とを備え、1〜3段目デッキ部との間は4本の支柱43を介して一体に連結される。
【0052】移動型枠5即ち覆工型枠25は、3段目デッキ部23と4段目デッキ部24との間に配備されるが、図8で平面を示すように、複数の分割片(図示の実施形態では2分割)25A,25bが、連結片25Cとリンク部材48を介して連結されたリング状に形成されると共に、各支柱43に対しては拡縮用のジャッキ46,47を介して連結されている。
【0053】覆工型枠25は、拡縮用のジャッキ46,47を伸長させると図8(a)で示すように、各分割片25A,25bの両端部が連結片25Cを介して接合すると真円状に形成され、拡縮用のジャッキ46,47を縮短させると図8(b)で示すように、連結片25Cがリンク部材48を介して内側へ移動すると共に、分離された各分割片25A,25bが縮径された状態になる。
【0054】従って、覆工コンクリート6を打設する際には、覆工型枠25を図8(a)の状態にして型枠の設置を行い、次の覆工コンクリート6を打設する際には、一旦図8(b)の状態にしてスカフォード20を隣接上部に吊り上げた後に、再度覆工型枠25を図8(a)の状態にして型枠の設置を行うようにし、これらの操作は移動式分離床2を構成する4段目デッキ部24上から作業者の遠隔操作によって行われる。
【0055】次に、第1の実施形態による立坑施工装置を用いた立坑施工法について、図9〜12に基づいて具体的に説明すると、図9の状態は掘削作業区域3側ではシャフトジャンボなどの穿孔手段49を用いて、坑底部7に対する発破用穿孔8が行われ、その後に発破用穿孔8に仕掛けた発破9による発破掘削作業が行われる。
【0056】覆工作業区域4側では、少なくとも発破掘削作業中は新たに打設した覆工コンクリート6の養生が行われており、掘削作業区域3側の作業者は吊り梯子及び連絡用階段部44を用いてスカフォード20へ移動した後に、ライダー50で案内された人用エレベータ(マンキブル)51を用いて地上に待避して休息する。
【0057】図10の状態は、掘削作業区域3側では発破掘削のずりを電動バックホーなどの掘削機52とずりキブル53を用いて掘削・ずり出し作業が行われるが、ずり出し作業はライダー54でそれぞれ案内された2機のずりキブル53,53を交互に用いて能率良く行われ、その間を利用して覆工作業区域4側では新たに打設した覆工コンクリート6の養生が引き続き行われる。
【0058】図11の状態は、掘削作業区域3側では引き続いて掘削・ずり出し作業が行われ、覆工作業区域4側では養生が終わった覆工コンクリート6の上部に新たなコンクリート打設を行う覆工作業が行われ、そのためにスカフォード20を吊り上げて覆工型枠25を新たなコンクリート打設位置に設置し直し、覆工材キブル55からホッパー28にコンクリートを供給し、打設ノズル12であるコンクリートシュート40を介して先端の打設口41から打設する。
【0059】ホッパー28はずりキブル53の通路を妨げないように配置し、コンクリートシュート40は打設空間へコンクリートを均一に供給できるように、少なくとも4本以上の複数を設けることが望ましく、またスカフォード20の安定化のために必要に応じて安定化用のジャッキ56を上段側のデッキ部(図示では3段目デッキ部23)に設けることもできる。
【0060】図12の状態は、掘削作業区域3側では掘削・ずり出し作業が終了した後に、掘削機52の先端に吹き付けノズル57を取り付けて、新たに掘削した立坑内壁面に対する仮覆工11が行われるが、その仮覆工材となるモルタルの供給は覆工材キブル55によって行われ、スカフォード20のデッキ部(図示では3段目デッキ部23)に載置させた吹き付け用のホッパー58からマテリアルホース59を介して吹き付けノズル57に移送される。
【0061】掘削作業区域3側の掘削作業に必要な機材は、例えば穿孔手段49として使用するシャフトジャンボなどは折り畳み式にして、スカフォード20を中継させて搬入させることが出来るが、掘削機52として使用する電動バックホー52などの大型機材は一旦スカフォード20を地上に引き上げた後に、別途の懸吊装置を用いて搬入させる。
【0062】次に、第2の実施形態による立坑施工装置について、図13に基づいて具体的に説明すると、立坑施工装置は図5で示した第1の実施形態によるスカフォード20から、立坑1内を掘削作業区域3と覆工作業区域4とに区分させる移動式分離床2を構成する部分即ち4段目デッキ部42と、覆工作業区域4で覆工作業を行う移動型枠5の部分即ち覆工型枠25を分離させて構成したものである。
【0063】スカフォード60は、3段にした各デッキ部21〜23を備えているが、これらの各デッキ部21〜23は、3段目デッキ部23に伸縮作動してスカフォード20を立坑1の内壁面に係止保持させる係止保持用のジャッキ61を設けた点を除くと、第1の実施形態の場合と同様の構成であるから、同様の構成には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0064】移動型枠5を構成する覆工型枠62は、例えば既に施工済みで十分な強度のある上部側の覆工コンクリート6に、ウインチなどの懸吊手段63を取り付けてワイヤ64で昇降移動可能に吊り下げ、この懸吊手段63を1段目デッキ部21から操作するようにできるが、他にスカフォード60にウインチなどの懸吊手段63を取り付けることもできる。
【0065】吊り足場兼用の移動式分離床2を構成する移動式分離床65は、スカフォード60からワイヤ66を介してウインチ68によって吊り下げると共に、水平方向に伸縮作動して仮覆工11又は覆工コンクリート6に係止保持させる伸縮ジャッキ67を備え、スカフォード60側から伸縮梯子などを介して作業者が乗り移り、覆工型枠62の装着作業を行うことができる。
【0066】移動式分離床65と覆工型枠62との関係は、移動式分離床65がスカフォード60に取り付けたウインチなどの懸吊手段68によって、スカフォード60の直下位置と覆工型枠62の直下位置との間を昇降移動され、その途中で覆工型枠62内を通過できるように構成されており、型枠の組立及び解体作業を行う際には移動式分離床65を覆工型枠62の直下位置に移動させて使用する。
【0067】上記した立坑施工装置を用いた第2の実施形態の場合にも、その立坑施工法は先に説明した第1の実施形態の場合とほぼ同様に行われるが、第1の実施形態との相違は、分離構成した移動式分離床65と覆工型枠62をスカフォード60の昇降移動とは別に操作しなければならない点であり、そのために第1の実施形態の場合に比べて操作が煩雑になって作業能率を低下させる恐れがある。




 

 


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