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発明の名称 額縁材の固定構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−323736(P2001−323736A)
公開日 平成13年11月22日(2001.11.22)
出願番号 特願2000−146332(P2000−146332)
出願日 平成12年5月18日(2000.5.18)
代理人 【識別番号】100107560
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 惣一郎
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011 LB02 LB07 LC03 LD02 LD03 LD04 LD07 LE07 LE16 
発明者 増山 新作 / 大井 一輝
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 室内側に木質材を備える枠に額縁材を固定する額縁材の固定構造であって、枠材は額縁材の端面との対峙部と、対峙部に対して枠の面内方向の内側に設けた木質材と、額縁材の固定金具とを備え、木質材が対峙部よりも室内側に突設して木質材と対峙部とで段状に形成しており、固定金具は、断面略L字形状の弾性を有する板材であって、L字の一片が対峙部に係止し、他片が額縁材の背面に当接し、額縁材の室外側端部を木質材と板材の他片で挟持していることを特徴とする額縁材の固定構造。
【請求項2】 固定金具は、板材の他片が山形に加工してあり、山形の頂部を木質材の背面に当接していることを特徴とする請求項1に記載の額縁材の固定構造。
【請求項3】 固定金具は、板材の他片の一部に躯体固定部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の額縁材の固定構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内側に木質材を備えるサッシ枠等の枠に額縁材を固定する額縁材の固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、アルミニウム合金製或いは硬質塩化ビニル製等のサッシ枠において、サッシ枠には室内側に額縁材を固定している。従来、額縁材を固定する場合、サッシ枠の室内側に張り出した取付ひれ部を設けておいて、その取付ひれ部で額縁材をねじ止めしている。
【0003】また、木質材を室内側に設けたサッシ枠にあっては、額縁材はその木質材に直接的に取付けられずに開口に納められた状態で設け、取合部をほぞ構造或いは重合構造にして固定しているものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、木質材を室内側に設けたサッシ枠において、額縁材の固定構造では、木質材はそりが生じ易く、木質材と額縁材との間に隙間が発生し易い。このため、外観を害し、断熱効果等にも影響を与えるという不都合がある。更に、隙間の解消に取合部をほぞ構造或いは重合構造とした場合、それぞれの取付に隠し釘などを採用するため、複雑で手間がかかるものとなる。
【0005】本発明は、上述した事情に鑑みたものであり、室内側に木質材を備える枠において、枠と額縁材との隙間を防止でき且つ施工が容易な額縁材の固定構造の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1の発明は、室内側に木質材を備える枠に額縁材を固定する額縁材の固定構造であって、枠材は額縁材の端面との対峙部と、対峙部に対して枠の面内方向の内側に設けた木質材と、額縁材の固定金具とを備え、木質材が対峙部よりも室内側に突設して木質材と対峙部とで段状に形成しており、固定金具は、断面略L字形状の弾性を有する板材であって、L字の一片が対峙部に係止し、他片が額縁材の背面に当接し、額縁材の室外側端部を木質材と板材の他片で挟持していることを特徴とする。
【0007】この請求項1に記載の発明では、枠材の対峙部に固定金具の一片を係止し、対峙部に額縁材の室外側端面を対峙させ、固定金具の他片と木質材との間に額縁材を装着する。額縁材の室外側端部では、その背面に固定金具の他片が当接し、対峙部よりも室内側に突設する木質材と固定金具の他片とで挟持される。従って、額縁材は木質材と固定金具の他片とにより、枠に簡単に保持され、しかも額縁材の背面は固定金具の他片により押圧されるので、木質材と額縁材との間に間隙が生じ難い。額縁材を、対峙部よりも室内側に突設する木質材と固定金具の他片との間に挿入することにより、容易に位置決めでき且つ施工し易い。更に、従来のように枠材に取り付けひれを設けたり、ほぞ構造或いは重合構造を取合部に設ける必要がないので、更に施工が容易である。尚、対峙部に固定金具を係止する手段は、ねじ、嵌合、及び接着等が用いられ、簡単に係止できる。また、本明細書において、枠は、サッシ枠に限らず、ドア枠、その他の建物の開口に設けられるものを含む。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、固定金具は、板材の他片が山形に加工してあり、山形の頂部を木質材の背面に当接していることを特徴とする。
【0009】この請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の作用効果を奏するとともに、山形の頂部を木質材の背面に当接させることにより、額縁材を木質材に向けて弾性的に押圧するにあたり、額縁材の嵌め込みによる挟持がスムーズにできしかも額縁材の保持力を高めることができる。
【0010】更に、木質材と額縁材とは圧接するので、室内側の木質材と額縁材とに隙間が生じ難いとともに、額縁材の反りの防止を高めることができる。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の板材において、固定金具は、板材の他片の一部に躯体固定部を備えることを特徴とする。
【0012】この請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の作用効果を奏するとともに、固定金具は、他片に躯体固定部を設けることにより、サッシの固定箇所を躯体に集約することができ、更に、施工が容易である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態に係る額縁材の固定構造について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係るサッシに設けられた額縁材の固定構造の横断面図であり、図2は図1に示す固定窓側の縦断面図であり、図3は図1に示す開閉窓側の縦断面図であり、図4は本実施の形態の額縁材の固定構造が示された下枠材の横断面図であり、図5は枠材における取付金具を示す図であり(a)は平面図、(b)は側面図であり、図6は方立の横断面図であり、図7は額縁材の固定構造に用いられる固定金具の斜視図であり、図8は方立に用いる取付金具の図であり、(a)は平面図、(b)は側面図であり、図9及び図10は他の実施の形態にかかる固定金具の斜視図である。
【0014】本実施の形態にかかる額縁材の固定構造を説明する前にかかる構造に用いられるサッシ1について簡単に説明する。
【0015】サッシ1は、方立7を介して開閉窓3と固定窓5とを連設している連窓サッシである。サッシの枠9は、室外側にアルミニウム合金製の室外枠11、室内側に木質材の室内枠13を備え、アルミニウム合金製の室外枠11と木質材の室内枠13との間に中間枠15が設けられており、中間枠15は樹脂製であり、例えば、硬質塩化ビニル樹脂でできている。
【0016】室内枠13を木質材とすることにより、室内の断熱性を高めるとともに木質基調のインテリア性を付与するものである。また、アルミニウム合金製の室外枠11と木質の室内枠13との間に樹脂製の中間枠15を設けることにより、室外枠11では結露が発生し易いため、室外枠11で発生した結露水を樹脂製の中間枠15が受け、結露水が室内枠13の木質材に浸潤し木質材が腐食するのを防止している。更に、室外枠11と室内枠13との間に樹脂製の中間枠15を設けることにより断熱性を高めている。
【0017】枠9は、上枠材17、下枠材19、及び図1に示す左右竪枠材21を四方組みしてねじ止めにより、組み立てている。各枠材17、19、21は室外側からアルミニウム合金形材23、樹脂形材25及び木質材27をこの順序で配置し、固定している。
【0018】次に、各枠材17、19、21の構成について説明する。室内側に設けた木質材27には、室側面に取付金具29がねじ31により固定されている。取付金具29は、一端部にねじ固定部32と樹脂形材25との係止部33とを備えており、係止部33は断面略コ字形の鉤状に形成されている。取付金具29の他端部は、略直角の折り曲げ部34が形成されている。
【0019】樹脂形材25は、木質材27との対峙側に係止部33に嵌合固定する係合部35が形成されており、取付金具29に嵌合固定するようになっている。この樹脂形材25には、アルミニウム合金形材23との係止部37及びねじ止め部39が設けられており、この係止部37にアルミニウム合金形材23が係止し、且つねじ41によりねじ固定されている。また、樹脂形材25には開閉窓3の障子に当接するタイト材43の取付溝45が形成されている。
【0020】樹脂形材25には、木質材27に当接するひれ部40を一体に設けており、木質材27と樹脂形材25との間に間隙が生じるのを防止して、外観の向上を図っている。ひれ部40は樹脂形材25に一体形成しており、別体の張り出し材等で覆う必要がない。
【0021】アルミニウム合金形材23は、樹脂形材25の係止部37に係合し、ねじ41により樹脂形材25に止められている。次に、方立7には、上述した上下竪枠材17、19、21と同様に室内側から木質材27、樹脂形材25及びアルミニウム合金形材23が一体に取付られており、木質材27と樹脂形材25とは、取付金具29及びねじ64により嵌合固定されている。この取付金具29は、木質材27との固定側は平坦に形成されている。樹脂形材25とアルミニウム合金形材23とは嵌合固定されており、樹脂形材25に係止された嵌合部65にアルミニウム合金形材23の係止片67が通し込みにより嵌合するようになっている。嵌合部65は、互いに向き合う側に開口した断面略コ字形状の溝部になっており、係止片67は外側に向けて突設し、嵌合部65に嵌合されている。また、木質材27の見付け方向の寸法Lは、樹脂形材25の対面する見付け面の寸法Rよりもわずかに大きくなっており、更にアルミニウム合金形材23の見付け面よりも大きくなっており、室内側から樹脂材25及びアルミニウム合金形材23を見え難くしているので、室内側からの外観がよい。
【0022】開閉窓3は、その上下竪框69、71、73に本発明の枠材が用いられており、各框69、71、73は、上述した枠材17、19、21と同様に室内側から木質材27、樹脂形材25及びアルミニウム合金形材23が一体に取付られており、木質材27と樹脂形材25とは、ねじ31により固定されている。尚、樹脂形材25とアルミニウム合金形材23とには、ガラス用タイト材79が跨って係止されている。
【0023】次に、本発明の額縁材の固定構造について詳しく説明する。樹脂形材25には、躯体62側(開口部外側)に額縁材取付部47が設けられる。従って、樹脂形材25の額縁材取付部47及び木質材27とで、枠材19は室内側から見て階段状をなしている。そして、額縁材取付部47には、固定金具51を介して額縁材53が固定されている。枠材19の木質材27は額縁材53の内側面に当接し、枠材19側としての額縁材取付部47の対峙面には額縁材53の端面(見付面)が固定金具51を介して当接されている。
【0024】固定金具51は、断面略L字形状に形成した板材でできており、L字の一側部(一片)に断面くの字型の嵌着部55が形成されている。また、嵌着部55には2個の係止片59が切出し形成されている。一方、額縁材取付部47には略凹状の嵌合部49が形成され、金具51の嵌着部55は嵌合部49に嵌着するようになっている。一側部と略直角をなす他側部(他片)の一部は山形に折り曲げ加工された押圧部57が形成され、山形の頂部58は額縁材53を配する際のその背面に当接し、押圧部57の横には躯体62に固定するための躯体固定部61が設けられている。この固定金具51は、弾性を有する鋼板でできている。従って、係止片59は額縁材取付部47の嵌合部49の内側に係止され、押圧部57は額縁材53の背面に位置する。また躯体固定部61にはねじ孔60が設けられ、額縁材53に隣接する躯体62にねじ固定されるようになっている。
【0025】この額縁材53の固定金具51は、押圧部57の頂部58が額縁材53をその背面から室内側に向けて押圧することにより、竪枠材17、19、21に固定している木質材27に額縁材53を当接させて保持するものであり、額縁材53は押圧部57と木質材27とにより挟持される。このように、額縁材53は押圧部57の頂部58により背面側を押圧されるので、額縁材53と木質材27との間に隙間を作らずに簡単に取付できる。しかも、固定金具51は、躯体固定部61を躯体62に固定する構成であるから、固定箇所を躯体62に集約でき、施工し易い。
【0026】尚、図7に示す固定金具51にあっては、押圧部57を他側部の一部に形成したが、図9に示すように、固定金具91の他側部全体をくの字状の押圧部92としても良い。このような固定金具91にあっても固定金具51と同様な作用効果を奏する。
【0027】次に、上記サッシの組み立て方法を簡単に説明する。まず、上下左右竪枠材(枠材)17、19、21を製造する。これらの各枠材17、19、21は、木質材27に取付金具29をねじ固定し、取付金具29の係止部33に樹脂形材25の係合部35を嵌合して固定する。そして、樹脂形材25にアルミニウム合金形材23を係止し、ねじ41により固定する。このようにして、嵌合及びねじ固定のみにより、木質材25付きの枠材17、19、21を製造する。尚、方立7も同様に製造する。
【0028】枠9の組み立ては、上述した各上下左右竪枠材17、19、21を四方組みし、各アルミニウム合金形材27をねじ85により固定する。これにより、室内側を木質材25とし、室外側をアルミニウム合金形材23とし、木質材25とアルミニウム合金形材23との間を樹脂形材25とした3層構造の枠9が製造できる。建物開口部へのサッシ1の施工時には、枠9を開口部に固定するとともに、額縁材53を取り付ける。尚、額縁材53は、四方組して一体にしたものを枠9に取り付ける。
【0029】この額縁材53の取付においては、樹脂形材25の額縁材取付部47における嵌着部55に固定金具51を嵌める。固定金具51は、額縁材取付部47の嵌合部49に係止片59を嵌め、躯体固定部61を躯体62にねじ止めする。次に、嵌合部49から室内側に突設する木質材27と固定金具51の押圧部57との間に額縁材53の室外側端を挿入するようにして配置する。これにより、額縁材53をセットすると、固定金具51の断面略くの字形状の押圧部57の頂部58が額縁材53の背面を室内側に向けて押圧する。額縁材53の端部は木質材27と固定金具51の押圧部57の頂部58とに挟持固定される。また、額縁材53の背面は、固定金具51の押圧部57の頂部58により弾性を持って常に押圧される。
【0030】本実施の形態によれば、額縁材53の躯体62開口への取付の際に、いわゆる枠材の木質材25との境の取合部において隙間が生じない。また隠し釘等を使用しない簡単な構造となっている。このため手間のかからない施工ができる。また施工後における木質材に隙間などが生じず外観が十分に維持される。
【0031】本発明は、上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0032】例えば、木質材27の室内側の面を段差形成して、木質材27のみを額縁材53に接続しても良い。また、固定金具51を嵌着関係により、樹脂形材25に着接したが、ねじ等の止め具を使用したり、接着材により着接しても良い。
【0033】固定金具51は、図10に示す固定金具95であってもよい。固定金具95は固定金具51と同様に、断面略L字状に折り曲げ加工したものである。他側部96には躯体62へのねじ止め部99が形成されている。このような構成の固定金具95は、図7に示す固定金具51と同様に躯体固定部61を躯体62に固定する構成であるから、固定箇所を躯体62に集約でき、施工し易い。
【0034】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、サッシにおける額縁材の固定構造において、額縁材は、その背面に当接する固定金具の他片と、室内側に突設する木質材とで挟持される構成であるから、額縁材は枠に簡単に保持され、しかも額縁材の背面は固定金具の他片により押圧されるので、木質材と額縁材との間に間隙が生じ難い。
【0035】額縁材は、対峙部よりも室内側に突設する木質材と固定金具の他片との間に挿入することにより、容易に位置決めでき且つ施工し易い。
【0036】特に、従来のように枠材に取り付けひれを設けたり、ほぞ構造或いは重合構造を取合部に設ける必要がないので、更に施工が容易である。
【0037】請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の効果を奏するとともに、木質材の背面に当接する固定金具の他片を山形に加工しているので、額縁材を木質材に向けて弾性的に押圧するにあたり、額縁材の嵌め込みによる挟持がスムーズにでき、しかも額縁材の保持力を高めることができる。
【0038】更に、木質材と額縁材とは圧接するので、室内側の木質材と額縁材とに隙間が生じ難いとともに、額縁材の反りの防止を高めることができ、額縁材と木質材との間に隙間が生じ難い。
【0039】請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の効果を奏するとともに、他片に躯体を固定するための躯体固定部を設けることにより、サッシの固定箇所を躯体に集約することができ、施工が容易である。




 

 


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