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発明の名称 地盤削孔装置及び地盤削孔方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−317282(P2001−317282A)
公開日 平成13年11月16日(2001.11.16)
出願番号 特願2000−138897(P2000−138897)
出願日 平成12年5月11日(2000.5.11)
代理人 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
【テーマコード(参考)】
2D029
【Fターム(参考)】
2D029 DC01 PA07 PB03 PB05 PC02 PD02 
発明者 加藤 正敏 / レオンハルド ヴァイクスラー / 芦田 恵樹 / 藤木 大助
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 掘削孔の崩壊を防ぐためケーシング圧入機で地中に圧入されたケーシングチューブ内の内部地盤を掘削し排土を行なう地盤削孔装置において、移動式クレーンにより吊持され伸縮可能に構成された多段式筒部材と、この多段式筒部材の先端部に取り付けられる掘削ツールと、多段式筒部材を垂直軸まわりに回転可能に保持しケーシングチューブ上に載置される支持フレームと、その支持フレームに設けられ多段式筒部材を垂直軸まわりに回転させる駆動手段と、支持フレームとケーシングチューブを係合させて多段式筒部材の回転反力を支持する反力支持手段と、を備えてなることを特徴とする地盤削孔装置。
【請求項2】 上記掘削ツールが掘削バケットからなる請求項1記載の地盤削孔装置。
【請求項3】 上記支持フレームが、ケーシングチューブの上縁部に載置される固定フレームと、その固定フレームから垂直方向に配置された油圧シリンダを介して接続され、多段式筒部材の最外側筒部材を保持する可動フレームとから構成されている請求項1または2に記載の地盤削孔装置。
【請求項4】 上記反力支持手段が、ケーシングチューブの上縁部を挟んでロックする油圧クランプ装置からなり、ケーシングチューブの径方向にその取付位置を移動させることができるように構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の地盤削孔装置。
【請求項5】 上記多段式筒部材に、筒部材縮小時の衝撃を緩和するための緩衝機構が備えられている請求項1〜4のいずれかに記載の地盤削孔装置。
【請求項6】 ケーシング圧入機により掘削孔の崩壊を防ぐためのケーシングチューブを地中に圧入し、そのケーシングチューブ上に、移動式クレーンに吊持された請求項1記載の地盤削孔装置を載置し、ケーシングチューブと地盤削孔装置の支持フレームとを固定し、駆動手段によって多段式筒部材を垂直軸まわりに回転させつつ多段式筒部材を伸長させていくことにより、ケーシングチューブ内の内部地盤を掘削することを特徴とする地盤削孔方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オールケーシング工法に好適である地盤削孔装置及び地盤削孔方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物等の基礎杭を現場で構築するにあたっては、まず地盤に掘削孔を形成し、その掘削孔内に鉄筋かごを挿入し、コンクリートを流し込んでコンクリート杭を成形するいわゆる場所打ち杭工法が実施されている。この場所打ち杭工法としてはアースドリル工法、オールケーシング工法等の各種工法が知られている。
【0003】アースドリル工法は、円筒形回転バケットで素掘りを行い、または地盤安定液で孔壁を保護し掘削を行うものであり、粘土質のような比較的堅い地盤を掘削する場合に適している。
【0004】一方、オールケーシング工法は、地中にケーシングチューブを圧入しながらそのケーシング内を中掘りする工法であり、埋め立て地等の軟弱地盤であっても削孔を行うことができ、ケーシングチューブを継ぎ足せば杭の長尺化を図ることができ、深い支持層への打ち込みが可能である。しかも、地中に障害物があっても削孔が行えることから近年、多用されている工法である。
【0005】このオールケーシング工法においては、全周回転式掘削機を用いてケーシングチューブを鉛直軸まわりに旋回させながら圧入する方法が一般的であり、ケーシングチューブ内の土は何らかの方法で掘削し、排出しなければならず、そのための道具として従来はハンマグラブが使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらハンマグラブは、ケーシングチューブ内の狭いスペースで一対の爪状部材を動かし中掘りした土をつかみ上げるものであるために、掘削、排土能率が低いという欠点がある。また、ハンマグラブでは、落下させて削孔を行う時に発生する騒音が大きいという問題があり、さらには掘削孔の底面を平らに整形することができないため、杭の心材となる鉄筋かごを安定して設置することができず、成形されるコンクリート杭の強度にばらつきの発生する虞れがある。また、掘削孔の底面に泥(スライム)が沈殿した場合には、ポンプを用いて吸い上げ作業を行わなければならず、作業工程が増えるという問題がある。
【0007】そこで、ハンマグラブに代えて掘削用スクリューヘッドをケーシングチューブ内に挿入し、掘削と排土を行うドリル方式が実用化されつつある。掘削用スクリューヘッドは、ベースマシンから起立させたリーダをガイドとして昇降させるように構成されており、従って、ドリル方式ではベースマシンを全周回転式掘削機に近接させて掘削が行われる。このドリル方式によれば、ハンマグラブに比べて掘削、排土能率を格段に向上させることができる。
【0008】ところが、上記ドリル方式では、ベースマシンを、全周回転式掘削機が設置される掘削ポイントに近づけて配置しなければならないため、ベースマシンと掘削ポイントとの間に不整地があったり、障害物があるような場合には削孔を行うことができないという問題がある。また、ベースマシンと掘削ポイントとの距離を広く取ることができないために全周回転式掘削機の口径が制約され、結果として大口径の掘削径を形成することができない。
【0009】また、掘削用スクリューヘッドの鉛直性はベースマシンの水平度に左右されるため、削孔を行うにあたり、予めベースマシンの水平度を確保すべくベースマシン用の地盤調整も必要になる。しかも、このベースマシンは削孔専用機であるため、鉄筋かごの吊り込みやケーシングチューブの継ぎ足しを行う場合のように吊り作業が必要とされる場合にはベースマシンを退避させて補助クレーンを搬入しなければならない。
【0010】本発明は以上のような従来の場所打ち杭工法における課題を考慮してなされたものであり、掘削ポイントの地盤状態に影響されず任意の掘削径で能率良く削孔を行うことができ、また、削孔専用機を必要とせずに削孔を行うことができ、また、削孔に係る作業工程を短縮することのできる地盤削孔装置及び地盤削孔方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、掘削孔の崩壊を防ぐためケーシング圧入機で地中に圧入されたケーシングチューブ内の内部地盤を掘削し排土を行なう地盤削孔装置において、移動式クレーンにより吊持され伸縮可能に構成された多段式筒部材と、この多段式筒部材の先端部に取り付けられる掘削ツールと、多段式筒部材を垂直軸まわりに回転可能に保持しケーシングチューブ上に載置される支持フレームと、その支持フレームに設けられ多段式筒部材を垂直軸まわりに回転させる駆動手段と、支持フレームとケーシングチューブを係合させて多段式筒部材の回転反力を支持する反力支持手段と、を備えてなる地盤削孔装置である。
【0012】請求項2の本発明は、上記掘削ツールが掘削バケットからなる地盤削孔装置である。
【0013】請求項3の本発明は、上記支持フレームが、ケーシングチューブの上縁部に載置される固定フレームと、その固定フレームから垂直方向に配置された油圧シリンダを介して接続され、多段式筒部材の最外側筒部材を保持する可動フレームとから構成されている地盤削孔装置である。
【0014】請求項4の本発明は、上記反力支持手段が、ケーシングチューブの上縁部を挟んでロックする油圧クランプ装置からなり、ケーシングチューブの径方向にその取付位置を移動させることができるように構成されている地盤削孔装置である。
【0015】請求項5の本発明は、上記多段式筒部材に、筒部材縮小時の衝撃を緩和するための緩衝機構が備えられている地盤削孔装置である。
【0016】請求項6の本発明は、ケーシング圧入機により掘削孔の崩壊を防ぐためのケーシングチューブを地中に圧入し、そのケーシングチューブ上に、移動式クレーンに吊持された請求項1記載の地盤削孔装置を載置し、ケーシングチューブと地盤削孔装置の支持フレームとを固定し、駆動手段によって多段式筒部材を垂直軸まわりに回転させつつ多段式筒部材を伸長させていくことにより、ケーシングチューブ内の内部地盤を掘削する地盤削孔方法である。
【0017】本発明に使用する移動式クレーンとしては、下部走行体上に上部旋回体を搭載しブームを起伏させるクローラクレーン、伸縮ブームを備えたホイールクレーン、タワークレーンが好適であるが、これに限らず、軌道上を走行する走行クレーンであってもよい。
【0018】請求項1の本発明に従えば、地盤削孔装置を移動式クレーンで吊り下げてケーシングチューブに設置できるようにし、地盤削孔装置の支持フレームに設けた駆動手段により多段式筒部材の先端部に取り付けた掘削ツールを自立駆動で垂直軸まわりに回転させ、掘削時の回転反力を反力支持手段を介してケーシングチューブに支持させたため、専用の削孔機を必要とせず、しかも、掘削ポイントの地盤状態に影響されず任意の掘削径で能率良く削孔を行うことができる。
【0019】請求項2の本発明に従えば、ケーシングチューブ内で中掘りされた土砂を効率良く排出することができる。
【0020】請求項3の本発明に従えば、油圧シリンダのロッドを伸縮させることにより、可動フレームに保持されている多段式筒部材を昇降させることができるように構成したため、例えば多段式筒部材をクレーンで吊り下げ、ケーシングチューブ上に移動させて地盤削孔装置をセッティングする場合は、ケーシングチューブ上に待機させた地盤削孔装置についてワイヤロープの巻き解きを行うことなくロッドを伸長させるだけでケーシングチューブ上に地盤削孔装置を降ろすことができ、また、ケーシングチューブ上に地盤削孔装置を載置して固定した後は、掘削ツールを地盤から引き離す場合にロッドを縮小させれば、ワイヤロープで巻き上げる場合よりも確実且つ安全に掘削ツールを地盤から離脱させることができる。
【0021】請求項4の本発明に従えば、支持フレームに設けられた油圧クランプ装置でケーシングチューブの上縁部を挟み込み、掘削ツールの回転反力を支持するように構成したため、掘削トルクを高めることができ、また、地盤削孔装置とケーシングチューブの固定及び固定解除が簡便に行える。また、油圧クランプ装置の取付位置を、ケーシングチューブの径方向に移動させることができるように構成したため、ケーシングチューブの口径が異なっても一台の地盤削孔装置で対応することができる。
【0022】また、多段式筒部材の最内側筒部材はケーシングチューブ内に隠れてしまうため、その縮小動作を外側から確認することはできない。従って、最内側筒部材が縮小して最外側筒部材内に完全に格納されたときにショックとともに縮小動作が停止することになる。そこで、請求項5の本発明に従えば、筒部材の縮小時に衝撃を緩和するための緩衝機構を備えたため、多段式筒部材にダメージを与えることなく安全に縮小させることができる。
【0023】請求項6の本発明に従えば、ケーシング圧入機により掘削孔の崩壊を防ぐためのケーシングチューブを地中に圧入し、そのケーシングチューブ上に上記構成を有する地盤削孔装置を載置し、ケーシングチューブの上縁部に地盤削孔装置の支持フレームを固定させると、掘削ツールの回転反力をケーシングチューブで支持させることができる。従って、この状態で駆動手段を駆動させ多段式筒部材を垂直軸まわりに回転させつつ多段式筒部材を伸長させると、ケーシングチューブ内の内部地盤を掘削することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0025】図1は、本発明に係る地盤削孔設備の全体構成を示したものである。同図において、地盤削孔設備1は、ケーシングチューブ2を地中に圧入する従来公知のケーシング圧入機3と、そのケーシング圧入機3に装着されたケーシングチューブ2上に載置される地盤削孔装置4とから主として構成されている。
【0026】上記ケーシング圧入機3は、ケーシングチューブ2を高トルクで全旋回させながら地中に対し垂直方向に押し込んで掘削孔の崩壊を防止するものであり、水平に設置されるベースフレーム5に、昇降フレーム6を昇降させるための昇降シリンダ7を複数立設させている。
【0027】昇降フレーム6には複数の油圧モータ8が配設されており、遊星減速機9を介しケーシングチューブ2を垂直軸まわりに旋回させるようになっている。なお、ベースフレーム5には図示しないウエイトが搭載され、掘削時におけるケーシングチューブ2の回転反力を制止することができるようになっている。
【0028】なお、ケーシング圧入機4は、上記した全周回転式のものに限らず、揺動式のものであってもよい。
【0029】地盤削孔装置4は、多段式筒部材としての伸縮式ケリーバ10と、その伸縮式ケリーバ10の下部を収容するとともにケーシングチューブ2の上縁部に設置される支持フレーム11とを備えており、伸縮式ケリーバ10の上端は移動式クレーン(以下クレーンと呼ぶ)12から巻き解かれるワイヤロープ13に吊り下げられている。
【0030】伸縮式ケリーバ10における最内側ケリーバ(最内側筒部材)の下端には円筒形の掘削バケット(掘削ツール)14が取り付けられている。この掘削バケット14は、その先端(底面)に取り付けられた複数の掘削ビットにより岩盤等を掘削し、バケット内部に掘削した土砂を収納する従来公知のものである。
【0031】なお、掘削バケット14の底面には開閉蓋14a(図2参照)が備えられており、上面にはその開閉蓋14aを開くための操作棒14bが突出している。この操作棒14bの上端には当接板14cが備えられ、この当接板14cが後述する外装筒部111aの下縁111eと当接すると、操作棒14bが下降し、開閉蓋14bを閉じ状態に保持しているラッチ機構(図示しない)の係合が解除され、掘削バケット14内の土砂の自重で開閉蓋14aが開き、土砂の排出が行われるようになっている。
【0032】図2は地盤掘削装置4の構成を拡大して示したものである。
【0033】同図において、伸縮式ケリーバ10の下部を収容している支持フレーム11は、ケーシングチューブ2の上縁部に載置される固定フレーム111と、その固定フレーム111から垂直方向に配置された油圧シリンダ112を介して接続され、伸縮式ケリーバ10の外筒10aを保持している可動フレーム113とから構成されている。この可動フレーム113には後述する内装筒部120が一体に垂下されている。
【0034】固定フレーム111は、内装筒部120が挿入される外装筒部111aと、その外装筒部111aの上部及び中央部にそれぞれ形成された上環状部111b及び下環状部111cとを有し、その下環状部111cから平面視十字状に脚部111dが延設され、その脚部111dのうちの対向する一対の脚部に反力制止手段としてのクランプ装置114が備えられている。
【0035】クランプ装置114は、脚部111d下面に取り付られるクランプブロック114aを有し、そのクランプブロック114aに形成されたコ字状の隙間内にケーシングチューブ2の上縁部2aを挿入するようになっている。
【0036】このクランプブロック114aにはコ字状隙間内を矢印B方向に進退するプッシャ114bが備えられ、このプッシャ114bはクランプブロック114aに固定された油圧シリンダ114cのロッド114dを伸縮させることによって進退するようになっている。
【0037】プッシャ114bを進出させると、ケーシングチューブの上縁部2aがクランプ装置114によって把持され、固定フレーム111とケーシングチューブ2が固定される。この逆に、プッシャ114bを後退させると、ケーシングチューブの上縁部2aの把持が解除され、固定フレーム111とケーシングチューブ2との固定が解除される。
【0038】各クランプ装置114は、脚部111cの下面に形成されたガイドレール111c′に沿って矢印B方向に往復移動できるように構成されており、ケーシングチューブ2の口径に合わせてクランプ位置を調整することができるようになっている。
【0039】図3は図2のA−A矢視平面図を示したものである。同図において、一対のクランプ装置114と直交する方向における下環状部111cには、一対のケリーバガイド115,115が対向して配置されている。
【0040】このケリーバガイド115は、上環状部111bと下環状部111cとにそれぞれ配設されており、内装筒120の筒軸方向に形成されている凸条120a,120aに係合して内装筒120の昇降動作をガイドするようになっている。
【0041】詳しくは、ケリーバガイド115は、凸条120aをその両側から挟む一対のローラ115a,115aと、そのローラ115aを支持する軸受金具115bとから構成されている。
【0042】なお、脚部111eの下面には、ケーシングチューブの上縁部2aに係合し得るV字溝を備えた固定金具111fが備えられている(図4参照)。また、図2において上環状部111bには左右にブラケット111b′が張り出されており、このブラケット111b′に、上記油圧シリンダ112のロッド112aが連結されている。油圧シリンダ112のチューブ112bは、可動フレーム113に固定されている。
【0043】可動フレーム113には、図4に示すように2基の油圧モータ116,116が搭載されており、同図のC−C矢視平面を示した図5に示すように、油圧モータ116の出力軸116aに固定された駆動ギア116bが、伸縮式ケリーバの外筒10aに固定されている環状のギア10dと歯合し、伸縮式ケリーバ10を垂直軸まわりに回転させるようになっている。なお、117,117は地盤削孔装置1を搬送する際にフックが取り付けられるピンである。
【0044】図2において、伸縮式ケリーバ10は3段式の入れ子構造をなし、ワイヤロープ13を繰り出すことにより内装された中間ケリーバ(図示しない)、最内側ケリーバ(最内側筒部材)10cを順次伸長させるものであり、最内側ケリーバ10cの下端に掘削バケット14が取り付けられている。
【0045】最内側ケリーバ10cの下端と掘削バケット14との間には従来公知のコイルばね121、自在継手122及び緩衝機構123が介設されている。
【0046】コイルばね121は、削孔時においてケーシングチューブ2内の掘削バケット14が受ける衝撃を、油圧モータ116等の動力部に伝達しないようにするためのものである。自在継手122は、掘削バケット14の振れを許容して削孔を円滑にするためのものである。
【0047】緩衝機構123は、本実施形態において付加されたものであり、伸縮式ケリーバ10が縮小されて最内側ケリーバ10cが最外側ケリーバ10a内に格納されるときのショックを吸収して装置にダメージを与えないようになっている。
【0048】すなわち、伸縮式ケリーバ10の最内側ケリーバ10cはケーシングチューブ2内に隠れた状態で伸縮動作するため、格納されるタイミングを外側から確認することはできない。従って、最内側ケリーバ10cが完全に格納されたときにショックとともに縮小動作が停止することになる。
【0049】そこで、本実施形態では、最内側ケリーバ10cが最外側ケリーバ10a内に完全に格納されるときに固定フレーム111と衝突することになる停止板124に圧縮コイルばね123aを取り付け、最内側ケリーバ10c格納時のショックを吸収できるように構成している。
【0050】次に上記構成を有する地盤削孔設備1による削孔工程を図6〜図13を参照しながら説明する。
【0051】図6(a)において、まず、削孔ポイントにケーシング圧入機3を設置し、クレーン12の主ワイヤロープ13を巻き解き、圧入機3に対してケーシングチューブ2の吊り込みを行う。このとき、地盤削孔装置4は同じクレーン12の補助ワイヤロープ13aに吊り下げられ、且つ、引き寄せワイヤロープ13bをウインチで巻き取ることにより、ブーム12aに沿った位置に退避されている。すなわち、クレーン12を通常の吊り作業に使用することができる。
【0052】次に、ケーシング圧入機3にケーシングチューブ2が装着され削孔準備が完了すると、図6(b)に示すように、ケーシングチューブ2を地中に圧入する。ケーシングチューブ2の圧入が、地盤に応じた所定深さの位置まで進んだ所で、補助ワイヤロープ13aを巻き上げつつ引き寄せワイヤロープ13bを巻き解くことにより、ケーシングチューブ2の開口部D上に地盤削孔装置4を配置する。
【0053】次に図7(c)に示すように、地盤削孔装置4をケーシングチューブ2の上縁部に載置し、クランプ装置114を用いて地盤削孔装置4を固定する。次に同図(d)に示すように、地盤削孔装置4に搭載されている油圧モータ116を駆動させて掘削バケット14を自立駆動させ、主ワイヤロープ13を巻き解いてケーシングチューブ2内を中掘りする。
【0054】次に、図8(e)に示すように、掘削バケット14を引き上げて開閉蓋14aを開き、その内部に取り込まれた土砂を排出する。なお、この時、引き寄せワイヤロープ13bは、排土時において掘削バケットを旋回させる際に、遠心力による地盤削孔装置4の振れを防止するように機能する。
【0055】次に同図(f)及び図9(g)に示すように、ケーシングチューブ2内の掘削、排土を繰り返しながらケーシングチューブ2を地中に圧入していく。このように、ケーシングチューブ2の圧入工程とそのチューブ内の地盤の掘削とを交互に行うことにより、削孔が行われる。すなわち、全周回転式掘削機によるケーシングチューブ圧入と、ケーシングチューブ内の中掘りとが別の動力源によって行われるため、全周回転式掘削機或いは地盤削孔装置4に負荷が集中しない。
【0056】このため、全周回転式掘削機が過負荷運転されることがなく、また、クランプ装置114によるクランプ部分の滑りが防止され、さらにまた、全周回転式掘削機や地盤削孔装置4において破損等の削孔不具合が発生しない。それにより、従来のオールケーシング工法に比べ、安定した削孔作業を連続して行うことができる。しかも、全周回転式掘削機の掘削トルクを高めるべくその規模を大きくする必要がないため、既存の全周回転式掘削機を使用して削孔を行うことができる。
【0057】図10(h)は、土質に応じてハンマグラブ20を使用する場合を示したものである。本実施形態では削孔専用機を使用せず、通常のクレーンを使用しているため、例えば粘土質の地盤については地盤削孔装置4を一旦、退避させておき、ハンマグラブ20による削孔、排土を割り込ませることもできる。すなわち、ハンマグラブ20或いは岩盤破壊用重垂(チゼル)の併用も可能になる。
【0058】このようにして所定の深さに形成された掘削孔内に図11(i)に示すように鉄筋かご21を挿入する。
【0059】次に、図12(j)に示すようにトレミー管22をセットし、コンクリートミキサー車23で掘削孔内にコンクリートを流し込む。なお、図中24は地盤中の支持層を示している。
【0060】次に、図13(k)に示すように、ケーシングチューブ2とトレミー管22を抜去して杭が完成する。
【0061】なお、本発明において、掘削ツールとして上記実施形態では掘削バケットを用いて説明したが、この掘削ツールは、地盤の掘削或いは地下構造物を貫通させるための削孔用として用意される各種の掘削ツールを使用することができる。具体的には、コアバレルまたはドリリングバケット等のように円筒形の先端縁部に掘削歯を配置した掘削ツール、カッタービットやラウンドビット等のようにドリルの先端部にカッタービットを配置した掘削ツール、杭底部をスカート状に拡径する拡幅ビットを備えた掘削ツール等を使用することができる。
【0062】このような掘削ツールを備えた地盤削孔装置によれば、ケーシングチューブの上端部に固定して鉛直性を確保した状態でクレーンのワイヤロープを巻き取りまたは巻き解くことにより上記掘削ツールを移動させるため、ケーシングチューブ内での掘削ツールの昇降速度を速くすることができる。従って、リーダ形式の地盤削孔装置に比べ、削孔作業の効率を高めることができる。また、装置の設置が簡単に行えるという利点がある。これらの掘削ツールを用い、オールケーシング工法と組み合わせれば、効率の良い削孔作業が行える。
【0063】また、本発明において、駆動手段としての油圧モータを駆動させる油圧源は、クレーンの上部旋回体から取ることができるが、これに限らず、ケーシング圧入機から取ることもでき、さらにまた、それらと別個に配置された油圧源から取るように構成することもできる。
【0064】また、本発明において反力支持手段は、上記実施形態では油圧クランプで構成したが、これに限らず、図14に示すような係合機構を利用することもできる。同図に示す係合機構は、伸縮式ケリーバ10を収容している外装筒部111aから放射状に複数のアーム部材30を延設し、そのアーム部材30を、アーム部材30と対応してケーシングチューブ側に設けられたアーム係合部材31に係合させることにより、掘削バケット14の回転反力を支持するようにしたものである。
【0065】アーム係合部材31は鉤状に折り曲げられた金具からなり、このアーム係合部材31は、ケーシングチューブ2の上端部にボルト32で締め付け固定された環状輪の外周壁に固定されている。
【0066】この構成によれば、外装筒部111aを降ろして矢印D方向に若干回転させるだけで地盤削孔装置とケーシングチューブ2とを固定することができるため、掘削バケット14の回転反力を支持するための反力支持構造を極めて簡単な構成とすることができる。しかも油圧クランプのように動力源も油圧シリンダも必要としないため、コストダウンを図ることが可能になる。
【0067】また、本発明の地盤削孔装置は、上記実施形態に示したオールケーシング工法に適用することが好ましいが、これに限らず、リバースサーキュレーションドリル工法やアースドリル方法にも適用することができる。
【0068】リバースサーキュレーションドリル工法は、掘削孔内に張った水の静水圧を利用して孔壁の自立、保護を行ない回転ビットで掘削し、循環水の逆還流によって土砂を排出するものであり、この場合、地盤削孔装置を、地中に打ち込まれるスタンドパイプの上縁部に固定して掘削を行うことができる。
【0069】一方、アースドリル工法に適用する場合、地盤削孔装置を、地中に建て込まれる表層ケーシングの上縁部に固定して掘削を行うことができる。
【0070】また、ケーシングチューブの上縁部にはキャップ部材を嵌合させてクランプ装置によるクランプ時の変形を防止することが好ましい。このキャップ部材はケーシングチューブを継ぎ足す時に取り外す必要があるが、高所作業を伴わないために取り外しは容易に行える。
【0071】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、請求項1の本発明によれば、地盤削孔装置を移動式クレーンで吊り下げてケーシングチューブに設置できるようにし、地盤削孔装置の支持フレームに設けた駆動手段により多段式筒部材の先端部に取り付けた掘削ツールを自立駆動で垂直軸まわりに回転させ、掘削時の回転反力を反力支持手段を介してケーシングチューブに支持させたため、専用の削孔機を必要とせず、しかも、掘削ポイントの地盤状態に影響されず任意の掘削径で能率良く削孔を行うことができる。
【0072】また、移動式クレーンに吊り下げられた地盤削孔装置は、例えば引き込み用のワイヤロープを巻き取ることによってブームフット側に退避させることができ、その間、移動式クレーンは、ケーシング圧入機に対するケーシングチューブの吊り込みや掘削孔に対する鉄筋かごの吊り込み等のクレーン作業を行うことが可能になり、クレーンの稼働率を高めることができる。
【0073】請求項2の本発明によれば、ケーシングチューブ内で中掘りされた土砂を効率良く排出することができる。
【0074】請求項3の本発明によれば、油圧シリンダのロッドを伸縮させることにより、可動フレームに保持されている多段式筒部材を昇降させることができるように構成したため、例えば多段式筒部材をクレーンで吊り下げ、ケーシングチューブ上に移動させて地盤削孔装置をセッティングする場合は、ケーシングチューブ上に待機させた地盤削孔装置についてワイヤロープの巻き解きを行うことなくロッドを伸長させるだけでケーシングチューブ上に地盤削孔装置を降ろすことができ、また、ケーシングチューブ上に地盤削孔装置を載置して固定した後は、掘削ツールを地盤から引き離す場合にロッドを縮小させれば、ワイヤロープで巻き上げる場合よりも確実且つ安全に掘削ツールを地盤から離脱させることができる。
【0075】請求項4の本発明によれば、支持フレームに設けられた油圧クランプ装置でケーシングチューブの上縁部を挟み込み、掘削ツールの回転反力を支持するように構成したため、掘削トルクを高めることができ、また、地盤削孔装置とケーシングチューブの固定及び固定解除が簡便に行える。また、油圧クランプ装置の取付位置を、ケーシングチューブの径方向に移動させることができるように構成したため、ケーシングチューブの口径が異なっても一台の地盤削孔装置で対応することができる。
【0076】また、多段式筒部材の最内側筒部材はケーシングチューブ内に隠れてしまうため、その縮小動作を外側から確認することはできない。従って、最内側筒部材が縮小して最外側筒部材内に完全に格納されたときにショックとともに縮小動作が停止することになる。そこで、請求項5の本発明によれば、筒部材の縮小時に衝撃を緩和するための緩衝機構を備えたため、多段式筒部材にダメージを与えることなく安全に縮小させることができる。
【0077】請求項6の本発明によれば、ケーシング圧入機により掘削孔の崩壊を防ぐためのケーシングチューブを地中に圧入し、そのケーシングチューブ上に上記構成を有する地盤削孔装置を載置し、ケーシングチューブの上縁部に地盤削孔装置の支持フレームを固定させると、掘削ツールの回転反力をケーシングチューブで支持させることができる。従って、この状態で駆動手段を駆動させ多段式筒部材を垂直軸まわりに回転させつつ多段式筒部材を伸長させると、ケーシングチューブ内の内部地盤を掘削することができる。




 

 


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