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発明の名称 建設機械のガードカバー
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−11893(P2001−11893A)
公開日 平成13年1月16日(2001.1.16)
出願番号 特願平11−181860
出願日 平成11年6月28日(1999.6.28)
代理人 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司 (外2名)
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015 CA03 
発明者 野原 章 / 斎藤 誠 / 大谷 修
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 各種機器を収納した状態で建設機械の外装を構成する樹脂製ガードカバーにおいて、温度差によって面内応力が作用する応力付加部分を、熱座屈防止手段として凹凸状に形成したことを特徴とする建設機械のガードカバー。
【請求項2】 少なくとも1以上の凸条または凹溝を設けることにより前記凹凸状に形成されている請求項1記載の建設機械のガードカバー。
【請求項3】 複数の島状に形成された凸部または凹部を設けることにより前記凹凸状に形成されている請求項1記載の建設機械のガードカバー。
【請求項4】 階段状に形成された段差部を設けることにより前記凹凸状に形成されている請求項1記載の建設機械のガードカバー。
【請求項5】 平板部の板幅をb、ガードカバー板厚をt、座屈係数をkc、ポアソン比をν、線膨張係数をα、座屈温度を△Tとするとき、下記式によって得られるb/tが所定値以下となるように、前記ガードカバーに熱座屈防止手段を設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の建設機械のガードカバー。
b/t≦π{kc/24(1−ν2)α△T}0.5【請求項6】 前記凸条の高さ或いは凹溝の深さ、前記凸部の高さ或いは凹部の深さ、または前記段差部の段差が5〜10mmである請求項2〜5のいずれかに記載の建設機械のガードカバー。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ショベルやクレーン等の建設機械の外装を構成している樹脂製ガードカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11はガードカバーを有する従来の油圧ショベルの構成を示したものである。同図において油圧ショベルは下部走行体20上に上部旋回体21を旋回自在に搭載しており、その上部旋回体21における前方にフロントアタッチメント22を備え、側方にキャビン23を備えている。
【0003】上部旋回体21の外装カバーは、主にエンジン,油圧ポンプ,冷却装置等を保護するエンジンカバー24と、主に燃料タンク、作動油タンク、バッテリ等を保護するガードカバー25とから構成されている。
【0004】ガードカバー25は、従来はスチール製のものが主流であったが、点検を容易にするため、また、コストダウンを図るために、近年では軽量な樹脂製のものを採用することが多くなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の樹脂製ガードカバー25はスチール製のものに比べてヤング率が小さく且つ線膨張係数が大きいため、上板部25aが部分的に日差しに曝されると上板部25aとその他の部分(例えば前板部25bまたは側板部25c)との間に温度差が生じ、その結果、曲げ変形が起きて熱座屈が発生する。そこで、熱座屈を防止するためにはガードカバー25の板厚を増加しなければならず、板厚を増加した場合には樹脂製ガードカバーを採用するメリット、すなわち軽量化及びコストダウンが得られないという問題があった。
【0006】本発明は以上のような従来の樹脂製ガードカバーにおける課題を考慮してなされたものであり、熱座屈を発生することなく軽量化とコストダウンを図ることのできる建設機械のガードカバーを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、各種機器を収納した状態で建設機械の外装を構成する樹脂製ガードカバーにおいて、温度差によって面内応力が作用する応力付加部分を、熱座屈防止手段として凹凸状に形成した建設機械のガードカバーである。
【0008】請求項2の本発明は、少なくとも1以上の凸条または凹溝を設けることによって上記凹凸状に形成されている建設機械のガードカバーである。
【0009】請求項3の本発明は、複数の島状に形成された凸部または凹部を設けることによって上記凹凸状に形成されている建設機械のガードカバーである。
【0010】請求項4の本発明は、階段状に形成された段差部を設けることによって上記凹凸状に形成されている建設機械のガードカバーである。
【0011】請求項5の本発明は、平板部の板幅をb、ガードカバー板厚をt、座屈係数をkc、ポアソン比をν、線膨張係数をα、座屈温度を△Tとするとき、下記式によって得られるb/tが所定値以下となるように、ガードカバーに熱座屈防止手段を設けてなる建設機械のガードカバーである。
【0012】
b/t≦π{kc/24(1−ν2)α△T}0.5請求項6の本発明は、凸条の高さ或いは凹溝の深さ、凸部の高さ或いは凹部の深さ、または段差部の段差が5〜10mmである建設機械のガードカバーである。
【0013】本発明における平板部とは、凹凸状の熱座屈防止手段が形成されていないガードカバー部分を示し、フラットな板部に限らず、小さな曲率を持って形成された板部も本発明の平板部に含まれる。
【0014】請求項1の本発明に従えば、ガードカバーの一部が部分的に日射され他の部位との間で温度差が生じた場合、熱座屈防止手段としてガードカバー上に凹凸状に形成された部分が温度差による面内応力を小さくし、熱座屈の発生を防止する。
【0015】請求項2の本発明に従えば、ガードカバーに形成された凸条または凹溝が、面内応力が作用する平板部分を仕切ってその長さを短くし熱座屈の発生を防止する。
【0016】請求項3の本発明に従えば、ガードカバーに形成された凸部または凹部が、面内応力が作用する平板部分を分割してその長さを短くし熱座屈の発生を防止する。
【0017】請求項4の本発明に従えば、ガードカバーに形成された段差部が、面内応力が作用する平板部分を仕切ってその長さを短くし、熱座屈の発生を防止する。
【0018】請求項5の本発明に従えば、面内圧縮によってガードカバーが曲げ変形する限界を、板幅と厚さの比b/tで把握することができるため、ガードカバーに設ける熱座屈防止手段の配置を容易に設計することができる。
【0019】請求項6の本発明に従えば、凸条を比較的浅く、または凹溝を比較的低く形成すればよいため、熱座屈防止手段を例えば回転成形またはブロー成形によってガードカバーに一体成形することができる。なお、本発明の熱座屈防止手段は熱座屈の防止を目的とするものであり、ガードカバー全体の曲げ剛性を高めることを目的とするものではない。従って、凸条の高さまたは凹溝の深さは具体的には5〜10mm程度あれば充分である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明に係るガードカバーを油圧ショベルに適用した場合を示したものである。同図において、1は下部走行体であり、2は上部旋回体、3はその上部旋回体2の前部に備えられたフロントアタッチメント、4はエンジンカバー、5はキャビンである。6は本発明の特徴部であるガードカバーであり、その内部に燃料タンク、作動油タンク、バッテリ等の機器が収納されている。
【0022】上記ガードカバー6は、上板部6aとその上板部6aから前下がりに傾斜して旋回プレート7に連絡する前板部6bと、上板部6a及び前板部6bから折り曲げられサイドカバー8と連絡する側板部6cとを有し、機器点検時にはヒンジ9を支点として矢印A方向に開くことができるようになっている。また、上記上板部6aには上部旋回体2の前後方向に向けて、熱座屈防止手段としての複数の凸条6dが平行に形成されている。
【0023】上記複数の凸条6dの構成について説明するにあたり、まずガードカバー上板部6aに生じる熱座屈について説明する。
【0024】図2は従来のフラットなガードカバー上板部に生じる熱座屈を示したものである。同図(a)に示す長方形を、ガードカバー25の上板部25a(図11参照)の一部とみなす。日射による部分的な昇温によりその上板部25aに対して二方向(図中x方向及びy方向)に面内圧縮荷重が作用し臨界値に達すると、上板部25aの平面状態が不安定になり、面外変形状態である熱座屈が発生する。ここに、上板部25aにおける平板部の寸法を、幅b、長さa(a≧b)、厚さtとすると、座屈が生じるときの座屈温度△Tは、二方向の圧縮を受ける幅bの正方形平板25a′の座屈強度で決まり、下記式(1)で与えられる。
【0025】
△T=kcπ2/{24(1−ν2)α}・(t/b)2 ……(1)
ここに、kc:座屈係数、ν:ポアソン比、α:線膨張率また、上記座屈温度△Tはガードカバー25における座屈対象部位とその他の部位との温度差を示しており、日射を受けるガードカバー25の各部位の表面温度(例えば日射を受ける上板部25aの表面温度と日射を受けない前板部25bの表面温度)を観測し、算出することにより得ることができる。なお、ガードカバー25全体が均一に昇温する場合は、熱座屈が発生しないことは言うまでもない。
【0026】上記式(1)によれば、座屈温度△Tを上げるには、線膨張係数αの小さい材料(例えばスチール等)を選択するか、板厚tを大きくするか、または板幅bを小さくする選択肢がある。しかしながら、本発明は樹脂製ガードカバーを使用し、且つ板厚tを増加させないことを前提とするものであるため、板幅bを小さくして座屈温度△Tを高めるものとする。
【0027】すなわち、座屈対象の板幅bを小さくするほど正方形平板25a′の座屈強度を高めることができるため、ガードカバーの上板部に複数の凸条または凹溝を付与し、ガードカバーにおけるフラットな上板部をその凸条または凹溝を用いて仕切れば正方形平板25a′の板幅bを小さくすることができ、結果として座屈強度を高めることが可能になる。
【0028】図3は13.5TONクラスの油圧ショベルに適用されるガードカバーについて板厚と座屈温度の関係を解析したグラフであり、図4は6TONクラスの板厚と座屈温度の関係を解析したグラフである。
【0029】図3において、R1は従来のフラットなガードカバーにおいて上板部6aが部分的に昇温するという苛酷な条件での板厚・座屈温度特性を示し、この場合の座屈温度△T=20℃における板厚tの許容下限値は3.4mmとなる。
【0030】また、R2は従来のフラットなガードカバーにおいて上板部6aと前板部6bがともに昇温される場合を参考に示したものであり、上板部6aが部分的に昇温される場合と比べて座屈の条件が緩和されることを示している。
【0031】同様に、図4においてR5は従来のフラットなガードカバーにおいて上板部6aが部分的に昇温する条件での板厚・座屈温度特性を示し、この場合の上記座屈温度△T=20℃における板厚tの許容下限値は2.6mmとなる。
【0032】また、R6は従来のフラットな前板部6bが部分的に昇温される場合を参考に示したものであり、上板部6aの昇温に比べると座屈の条件が緩和されることを示している。
【0033】また、上記図3及び図4に示される条件での座屈係数kcは、式(1)にカバーの寸法及び物性値を代入して逆算すると80〜120と推定できる。
【0034】次に、上記式(1)を変形することにより下記式(2)を得る。
【0035】
b/t≦π{kc/24(1−ν2)α△T}0.5 ……(2)
回転成形またはブロー成形によってガードカバーを成形する場合に使用する樹脂をポリエチレン樹脂とすると、ポリエチレン樹脂の線膨張係数αは1×10-4、ポアソン比νは0.35である。また、屋外実験を行った結果、ガードカバーには少なくとも座屈温度△T=20℃以上の温度差が生じることが確認されている。
【0036】そこで、上記した座屈係数kc、ポアソン比ν、線膨張係数α、座屈温度△Tの値を式(2)に代入して計算を行った結果、限界の幅厚比b/t≒170(所定値)が得られる。ただし、座屈係数kcは安全率を見込んで120を選択した。
【0037】上記算出された幅厚比b/tで上板部6aに凸部または凹部を帯状に形成した(図5参照)場合の板厚・座屈温度特性を図3のR3及びR4に示す。R3は凸部の高さまたは凹部の深さを5mmに設定した場合の板厚・座屈温度特性を示し、R4は同じく10mmに設定した場合の板厚・座屈温度特性を示している。
【0038】また、凸部の高さまたは凹部の深さについては5mm以上確保すれば本発明の効果を奏することができ、また10mmでは板厚4.0mmで座屈温度△Tが飽和する。従って、凸部の高さまたは凹部の深さは5〜10mmの範囲に設定することが好ましい。しかしながら、凸部または凹部がガードカバー6上で目立たないようにする必要がある場合には、その高さまたは深さを5mmに設定することが好ましい。
【0039】また、図4に示すR7〜R10は、上板部6aに高さ10mmの凸条(図5参照)または深さ10mmの凹溝を、長さ及び本数を変えて形成した場合の板厚・座屈温度特性を示したものである。図中、“(長)”は上板部6aから前板部6bに渡って凸条または凹溝を形成したものであり、“(短)”は上板部6aのみに凸条または凹溝を形成したものである。
【0040】図4に示すように、凸条または凹溝の長さ及び本数は板厚・座屈温度特性に影響を与えず、従って少なくとも1本の凸条または凹溝を形成すれば熱座屈を防止することができる。
【0041】図5〜図10は本発明のガードカバーの実機適用例を示したものである。
【0042】図5はガードカバーの上板部6aに凸条6dを形成したものであり、同図(a)は平面図、同図(b)は図5(a)のC−C断面図、同図(c)はガードカバー6への適用例を示した斜視図である。
【0043】図5(a)に示すように、上板部6aに凸条6dを形成することにより、座屈強度の対象となる正方形平板の板幅bを小さくしている。この場合、凸条6dは1本であっても熱座屈防止効果を奏することができるが、図5(a),(b)に示すように2本、または図5(c)に示すようにガードカバーの上板部6a上に3本若しくはそれ以上平行して形成することもできる。
【0044】図6はガードカバーの上板部6aに凸部6eを島状に形成したものであり、同図(a)は平面図、同図(b)は図5(a)のB−B断面図である。
【0045】この構成では上板部6a上に複数の長方形状の凸部6eを隆起形成して座屈強度の対象となる正方形平板の板幅bを小さくしている。なお、上記凸部6eは同一形状の凹部に代えることができる。
【0046】図7は前方に向けて先細りとなっているガードカバー6に対する本発明の適用例を示したものであり、同図(a)は平面図、同図(b)は図7(a)のD−D断面図である。この場合、上板部6aの形状に対応して長さの異なる凸条6f,6f′を平行して形成するとともに、正方形平板が形成される側の凸条6f′を他方の凸条6fよりも長くすることが好ましい。
【0047】図8はガードカバーの上板部6aに凹溝6gを形成したものであり、同図(a)は平面図、同図(b)は図8(a)のE−E断面図である。この場合、上板部6aに複数本の凹溝6gを平行して形成し、正方形平板の板幅bを小さくしている。
【0048】図9はガードカバーの上板部6aを段差部材6hで構成したものであり、同図(a)は平面図、同図(b)は図9(a)のF−F断面図である。この場合、上板部6aを階段状に形成し、正方形平板の板幅bを小さくしている。
【0049】また、図10はガードカバーの上板部6aと前板部6bに跨がって凸条6iを形成したものである。この構成によれば、上板部6aと前板部6bの一部が昇温するような場合であってもガードカバー6に生じる熱座屈を防止することができる。
【0050】なお、本発明の熱座屈防止手段は、上記上板部6aや前板部6bに限らず、例えば側板部6c等、ガードカバー6において熱座屈が生じる任意の部位に適用することができる。
【0051】また、本発明のガードカバーは、上記実施形態では燃料タンク、作動油タンク、バッテリ等を保護するカバーへの適用例を示したが、これに限らず、例えばエンジンカバー等の他のガードカバーにも適用することができる。
【0052】また、本発明は、上記実施形態の油圧ショベルに限らずクレーン等の上部旋回体にも適用することができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、請求項1の本発明によれば、熱座屈の発生を防止してガードカバーの軽量化とコストダウンを図ることができる。
【0054】請求項2の本発明によれば、ガードカバーに形成される複数の凹溝または凸条によって熱座屈が防止される。
【0055】請求項3の本発明によれば、ガードカバーに複数島状に形成される凸部または凹部によって熱座屈が防止される。
【0056】請求項4の本発明によれば、ガードカバーが階段状に形成されることにより、熱座屈が防止される。
【0057】請求項5の本発明によれば、ガードカバーが熱座屈する限界を幅厚比b/tで把握することができるため、熱座屈防止手段の配置を容易に設計することができる。
【0058】請求項6の本発明によれば、凸条を比較的浅く、または凹溝を比較的低く形成すればよいため、例えば回転成形またはブロー成形よってガードカバーに一体成形することができ、しかも外観の見栄えを損なうことがないという利点がある。




 

 


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