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発明の名称 出窓付壁面パネル体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−323583(P2001−323583A)
公開日 平成13年11月22日(2001.11.22)
出願番号 特願2000−141552(P2000−141552)
出願日 平成12年5月15日(2000.5.15)
代理人 【識別番号】100082669
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 賢三 (外2名)
【テーマコード(参考)】
2E002
2E162
【Fターム(参考)】
2E002 EC00 EC02 FA02 FB07 FB08 FB09 FB11 FB22 FB23 FB25 MA01 MA12 MA46 MA47 
2E162 BA02 BA03 BB00 CA24 CB01 CC01
発明者 村田 茂幸 / 川西 毅 / 渡辺 邦夫 / 田中 武司 / 水谷 一郎
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 出窓付壁面パネル体は、出窓付壁面パネル体の面内方向に配設されたパネル部と、パネル部から面外方向に跳ね出した出窓部とを備え、パネル部は、枠組状に形成されたパネル骨組部と、腰壁パネル部とを備え、出窓部は、パネル骨組部から片持ち構造で構成された出窓骨組部を備えている、ことを特徴とする出窓付壁面パネル体。
【請求項2】 請求項1に記載の出窓付壁面パネル体において、腰壁パネル部は、中空パネル部材、サッシ部材、平板パネル部材のいずれかで形成されている、ことを特徴とする出窓付壁面パネル体。
【請求項3】 請求項1に記載の出窓付壁面パネル体において、腰壁パネル部は、給排水、電気、空調機などの設備装置の配管、配線類などを内蔵している中空パネル部材で形成されている、ことを特徴とする出窓付壁面パネル体。
【請求項4】 請求項1に記載の出窓付壁面パネル体において、出窓骨組部は、線状構造部材を組み合わせて形成された、平面骨組または立体骨組によって片持ち構造を構成している、ことを特徴とする出窓付壁面パネル体。
【請求項5】 請求項1に記載の出窓付壁面パネル体において、出窓骨組部は、出窓側部の面状部材によって片持ち構造を構成している、ことを特徴とする出窓付壁面パネル体。
【請求項6】 請求項1に記載の出窓付壁面パネル体において、出窓骨組部は、片持ち梁によって片持ち構造を構成している、ことを特徴とする出窓付壁面パネル体。
【請求項7】 請求項1に記載の出窓付壁面パネル体において、地震時における壁面開口部の上下の層間水平変位への追従能を有する、ことを特徴とする出窓付壁面パネル体。
【請求項8】 請求項7に記載の出窓付壁面パネル体において、層間水平変位への追従能は、パネル部の弾性水平変形による第1水平変形能力、パネル部の両側端で縦方向に設けられたパネル間クリアランスによる第2水平変形能力、の少なくとも1つによって構成されている、ことを特徴とする出窓付壁面パネル体。
【請求項9】 請求項1に記載の出窓付壁面パネル体において、相対向する縦方向構造部材と、縦方向構造部材間に横架される上下の横方向構造部材とによって囲まれた壁面開口部に配設される、出窓付壁面パネル体であって、出窓付壁面パネル体と一般パネル体とを組み合わせて、壁面開口部を塞ぐ壁面構造体を形成している、ことを特徴とする出窓付壁面パネル体。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、集合住宅、または一戸建ての住宅の外壁として利用される出窓を有する出窓付壁面パネル体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、集合住宅では、外壁面に配置されたラーメン骨組と、そのラーメン骨組内に組み込まれたサッシ部材である一般パネル体によって、外壁は形成される。ラーメン骨組は、所定のスパン長で立設された複数の縦方向構造部材(例えば柱)と、所定の階高で架設された横方向構造部材(例えば梁)とによって構成されている。また、縦方向構造部材、横方向構造部材を鉄筋コンクリート造(以下、「RC造」と記す。)、または鉄骨鉄筋コンクリート造(以下、「SRC造」と記す。)のラーメン骨組とした場合、外壁をRC造壁体とする場合が多い。
【0003】図15は従来の1住戸分(1スパン、1階分)のバルコニー側の外壁面の正面図、図16は図15の出窓部分の縦断面図である。この壁面開口部Oは、所定の間隔で対向させて配設されている2本の縦方向構造部材Pと、上下階の横方向構造部材Cとによって区画される面で構成される。
【0004】壁面開口部O内には、複数(図15では3個)のサッシ部材である一般パネル体10が、スパン方向の左側から直列的に配置されていて(連窓配置)、一般パネル体10と右端の縦方向構造部材Pの間に、出窓Wが介在的に配置されている。出窓Wは、横方向構造部材Cと一体的に構築された腰壁Aの上辺と、上階の横方向構造部材Cの下辺との間の空間に取り付けられている。出窓Wと腰壁Aは、1個の矩形状の壁体を形成している。
【0005】横方向構造部材C(梁)をRC造で構築する場合、外壁である腰壁Aは現場打ち、またはプレキャストコンクリート板(PC板)などのRC造の非耐力壁として構築されることが多い。非耐力壁とは、長期鉛直荷重、地震力などの外力に対し、骨組構造体の耐力に構造設計上有効とされない壁を言い、室内と屋外を遮断する外壁面の機能上から構築されるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】出窓Wの下部にある腰壁Aは、横方向構造部材Cと一体化して構築された骨組構造体(躯体)の一部を構成するものである。したがって、出窓Wと腰壁Aを組み合わせた壁体は下記の問題点を有する。
【0007】(1)腰壁Aは建築計画上の住戸内の間取りに制約を与える。
腰壁Aは、出窓Wの構造、形状、配置及び住戸内の居室の間取りと密接な関係を有するので、各住戸プランの多様性に合わせて腰壁Aの配置、形状を変えざるを得ない。腰壁Aには、建築計画上の住戸計画から多様性、融通性が要請される。更に、居住者のライフサイクルの変化に対応して自由に間取りを変更できないかとの要請もある。しかし、腰壁Aを現場打ちのRC造、またはPC板とする場合、その構造上から腰壁Aを取り替えて、自由に間取りを変更することは難しい。
【0008】(2)出窓Wは、地震時における壁面開口部Oの上下の層間水平変位に追従する機能を充分に発揮し得ない。
出窓Wと腰壁Aを組み合わせた壁体は、地震時における骨組構造体の上下階の層間水平変位(壁の面内方向)に追従することができる構造でなければならない。
【0009】ラーメン骨組は、地震には大きな層間水平変位が生じる。しかも、出窓Wは、下方の腰壁A、上方の梁と一体化した接合を取らざるを得ない(図16参照)。出窓Wは、地震時に腰壁Aと一体化した骨組構造体と略同一の水平変形を生じ、窓ガラスなどの破損を生じ易い。腰壁Aは、接続している一般パネル体10にも損傷を与え、ドアー、窓の開閉に支障を来たし、防災避難上の難点となることもあり得る。腰壁Aは縦方向構造部材Pと一体化して構築された場合、縦方向構造部材Pの水平変形を拘束して、コンクリートのせん断破壊を生じさせ易い。
【0010】(3)腰壁A、出窓Wの施工性、経済性が悪い。
腰壁Aは、壁厚が薄い複雑な形状を成し、縦方向構造部材P、横方向構造部材Cと一体化して構築されるので、型枠の製作、コンクリートの打設(躯対工事)の施工性、経済性が悪くなる。出窓Wは、その形状の複雑性から施工現場にてサッシ枠、窓ガラスを組み立てて腰壁Aに取り付けられる。その作業能率は熟練したサッシ職人でも極端に悪い。したがって、腰壁A、出窓Wの施工は手間がかかり、工期の長期化や低品質化に繋がる虞がある。
【0011】この発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、骨組構造体(躯体)と一体化した非耐力壁によって腰壁を構築することなく、出窓を有する壁体を形成するので、住宅の自由な間取りの変更に対応することができる建築計画上の融通性に優れ、地震時の層間水平変位追従性能、施工性、経済性に優れた出窓を有する出窓付壁面パネル体を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明の出窓付壁面パネル体は、出窓付壁面パネル体の面内方向に配設されたパネル部と、パネル部から面外方向に跳ね出した出窓部とを備えている。そして、パネル部は、枠組状に形成されたパネル骨組部と、腰壁パネル部とを備え、出窓部は、パネル骨組部から片持ち構造で構成された出窓骨組部を備えている(請求項1)。
【0013】腰壁パネル部は、中空パネル部材、サッシ部材、平板パネル部材のいずれかで形成されている(請求項2)。
【0014】腰壁パネル部は、給排水、電気、空調機などの設備装置の配管、配線類などを内蔵している中空パネル部材で形成されている(請求項3)。
【0015】出窓骨組部は、線状構造部材を組み合わせて形成された、平面骨組または立体骨組によって片持ち構造を構成している(請求項4)。
【0016】出窓骨組部は、出窓側部の面状部材によって片持ち構造を構成している(請求項5)。
【0017】出窓骨組部は、片持ち梁によって片持ち構造を構成している(請求項6)。
【0018】出窓付壁面パネル体は、地震時における壁面開口部の上下の層間水平変位への追従能を有する(請求項7)。
【0019】層間水平変位への追従能は、パネル部の弾性水平変形による第1水平変形能力、パネル部の両側端で縦方向に設けられたパネル間クリアランスによる第2水平変形能力、の少なくとも1つによって構成されている(請求項8)。
【0020】相対向する縦方向構造部材と、縦方向構造部材間に横架される上下の横方向構造部材とによって囲まれた壁面開口部に配設される、出窓付壁面パネル体であって、出窓付壁面パネル体と一般パネル体とを組み合わせて、壁面開口部を塞ぐ壁面構造体を形成している(請求項9)。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を、複数階を有する集合住宅のバルコニー側の外壁に適用するものについて説明する。
【0022】通常、集合住宅の基準階の平面形式は片廊下方式が用いられ、1つの共用廊下に接して複数の住戸を配置し、各住戸を戸境壁で区画し、さらに各住戸にバルコニーを付設する。この平面形式の骨組構造体は、桁行方向の住戸と共用廊下またはバルコニーとの境界面に2つのラーメン骨組が対向して配置されている。ラーメン骨組は、所定のスパン長で立設された複数の縦方向構造部材(柱)と、所定の階高で架設された横方向構造部材(梁)とによって構成されている。
【0023】縦方向構造部材とは、壁面開口部の左右端で、縦方向を接続している構造部材を言い、柱、壁(耐力壁)などの構造部材の他に、柱と一体化された非耐力壁(袖壁)、スパン中間部で梁に立設されている非耐力壁(小壁)などをも含むものである。次に、横方向構造部材とは、壁面開口部の上下端で、横方向を接続している構造部材を言い、梁、床スラブの構造部材の他に、梁と一体化された非耐力壁(腰壁、たれ壁)をも含むものである。すなわち、壁面開口部の周囲に設けられている構造部材のうち、壁面開口部と縦方向に接続面を有するものを縦方向構造部材、横方向に接続面を有するものを横方向構造部材と呼称するもので、縦方向構造部材と横方向構造部材とは必ずしも独立した構造部材である必要はなく、縦方向構造部材と横方向構造部材とが一体化されたものでもよい。骨組構造体の耐力に有効な耐力構造部材である必要もない。
【0024】図1は1住戸分(1スパン、1階分)のバルコニー側の外壁の正面図である。壁面開口部Oは、所定の間隔で対向させて配設されている2本の縦方向構造部材Pと、上下階の横方向構造部材Cとによって区画される面で構成される。図1に示すように、壁面開口部Oは、横長矩形の正面形状(横方向の幅はOs、縦方向の高さはOh)である。ここで、縦方向構造部材Pは柱で、横方向構造部材Cは梁であって、壁面開口部Oは、柱、梁によって囲まれた1スパンで、1階分に相当する開口面を構成する。
【0025】壁面開口部O内には、図1の左側から、複数(図1では3個)の一般パネル体10、出窓付壁面パネル体1が直列的に配置されている(連窓配置)。出窓付壁面パネル体1は、一般パネル体10と右側の縦方向構造部材Pの間に配置されている。出窓付壁面パネル体1と一般パネル体10の高さは、ほぼ壁面開口部Oの高さ(Oh)と同一である。したがって、壁面開口部Oには、横方向構造部材Cと一体的に構築されたRC造の腰壁(非耐力壁)は設けられていない。一般パネル体10と出窓付壁面パネル体1を組み合わせて、全体で1個の壁面構造体を形成する。壁面構造体は、壁面開口部Oの正面形状に合わせて形成した1つの壁ユニットとして構成される。
【0026】次に、一般パネル体10は、壁面を構成する部材であればよく、サッシ部材の他に、中空パネル部材、パネル部材、PC部材、その他のものでもよいが、少なくともサッシ部材を備えているものが望ましい。そして、サッシ部材とは、金属製のサッシ窓枠、このサッシ窓枠内のガラス(金属製、木造のパネルでもよい。)を備えたパネル状の部材であり、サッシ外枠に囲まれた開口部に挿入されものであり、可動サッシ(ドアー、窓)、固定サッシ(はめ殺し窓)のいずれでもよい。
【0027】(実施形態1)図2〜図10に基づいて実施形態1を説明する。出窓付壁面パネル体1は、出窓付壁面パネル体1の面内方向に配設されたパネル部2と、パネル部2から面外方向に跳ね出した出窓部3から成る(図2、図3参照)。ここで、面内方向(スパン方向)とは、壁面開口部Oを構成する壁面内の鉛直面で、面外方向とは、面内方向に直交する鉛直面を言う。
【0028】パネル部2は、枠組状に形成されたパネル骨組部4と、腰壁パネル部21を備えている(図3、図4参照)。パネル部2は、矩形状の正面形状を成す面部材(パネル)で、高さ(図4のPh)は、ほぼ壁面開口部Oの高さ(図1、図4のOh)と略同一である。パネル部2の横幅(図4のPw)は任意に設定することができる。パネル部2は、腰壁パネル部21の上部に、出窓部3と連通するパネル開口部22を積層的に配置した形状を成す。腰壁パネル部21とパネル開口部22は、横幅が略同一な矩形の正面形状をなす。
【0029】パネル骨組部4は、相対向する縦枠41R,41Lと、この縦枠41R,41L間の上辺および下辺に横架された上枠42、下枠43とで形成されている(図3、図4参照)。パネル骨組部4は、矩形の正面形状を成すパネル部2の外周部に沿って、枠状の骨組(枠組)に形成されている。腰壁パネル部21の上辺には、中枠44が縦枠41R,41L間に横架されていて、パネル骨組部4の、正面形は、「日の字」状を成す。中枠44は、腰壁パネル部21、出窓部3を取り付けるために設けられるが、パネル骨組部4の力学的骨組という観点からは任意的要素である。パネル骨組部4は平面(二次元)骨組を構成する。骨組とは、線状構造部材を組み合わせて構成された架構(フレーム)を言う。縦枠41R,41L、上枠42、下枠43、中枠44は、任意断面形の線状構造部材で、材質は、骨組として所要の強度、剛性を有する、アルミニウム、鉄などの金属製で構成するのが一般的である。
【0030】腰壁パネル部21は、従来技術でRC造の非耐力壁として構築されていたものを、面部材(パネル)として形成して、パネル部2に組み込んだものである(図2〜図4参照)。腰壁パネル部21は、矩形状の正面形状を成し、その外周部は、パネル骨組部4の、縦枠41R,41L、下枠43、中枠44に接合されている。腰壁パネル部21は、壁面開口部O内で壁面を構成するように配置されていて、面内方向には、所定の壁厚を有する直線状の水平断面形を成している。図6に示すように、腰壁パネル部21は、中空パネル部材として構成されているが、その壁厚は、任意に設定することができる。腰壁パネル部21の中空部(内部の空隙)内に、給排水、電気、空調機などの設備装置の配管、配線類などを組み込んでも良い。腰壁パネル部21は、中空パネル部材の他に、サッシ部材、平板パネル部材にしてもよい。腰壁パネル部21に、掃き出し窓、扉、収納部などを設けることもできる。
【0031】出窓部3は、パネル部2から屋外方向に跳ね出した凸部空間で、室内側はパネル部2のパネル開口部22と連通する(図3〜図6参照)。出窓部3の外面は、出窓前部34、出窓側部31R,31L、出窓底部32、出窓頂部33を形成する(図2参照)。出窓前部34の正面形状は、矩形(図5で、横幅はPw、高さはWh)を成す。出窓側部31R,31Lは、左右辺は鉛直方向に直線状、下辺は水平方向に直線状であるが、上辺は屋外方向に向かって斜め下方に傾斜している縦置き台形の外観を成す。出窓側部31R,31Lの上辺に傾斜面を設けたのは、雨仕舞のためである。出窓前部34、出窓側部31R,31L、出窓頂部33には、窓ガラスが組み込まれている。出窓底部32は、室内側から物を置くことができる底板が取り付けられている。出窓頂部33には換気ダクトなどの設備配管類を貫通するように設けることができる(図示省略)。
【0032】出窓部3は、パネル骨組部4から片持ち構造で形成された出窓骨組部5を備えている(図3、図7参照)。出窓骨組部5は、出窓部3の凸部空間を形成すると共に、出窓部3の自重(鉛直力)をパネル骨組部4の縦枠41R,41Lに伝達することができる片持ち構造で構成されている。片持ち構造とは、一端が固定支持され、他端が自由な構造部材(一種の梁状部材)の構造を言う。出窓骨組部5は片持ち構造に構成されているので、出窓部3の自重を支持するために上下の横方向構造部材Cと直接に接合する必要が無い。
【0033】出窓骨組部5は、出窓側部31R,31Lと出窓前部34の骨組によって構成される。出窓側部31R,31Lは、その外周部に沿って、屋外側の側辺の縦桟51R,51L、上辺の側部上桟55R,55L、下辺の側部下桟54R,54Lから成る、略「逆コの字状」の平面骨組を形成している(図3、図7参照)。側部上桟55R,55L、側部下桟54R,54Lの室内側端部はパネル骨組部4の縦枠41R,41Lと接合されている。2つの出窓側部31R,31Lは、出窓部3の横幅(図5のPw)の距離を置いて配置され、パネル骨組部4の縦枠41R,41Lから面外方向に跳ね出した片持ち構造に構成する。出窓側部31R,31Lは、その室内側端部はパネル骨組部4の縦枠41R,41Lに固定支持され、屋外側の先端は自由な片持ち構造となる。
【0034】側部上桟55R,55L及び側部下桟54R,54Lの室内側端部と縦枠41R,41Lとの接合をピン接合とすると、側部上桟55R,55L、側部下桟54R,54L、縦桟51R,51Lによって略「逆コの字状」の平面骨組に構成された出窓側部31R,31L全体によって片持ち構造を構成する。側部上桟55R,55L及び側部下桟54R,54Lと縦枠41R,41Lとの接合を剛接合とすると、側部上桟55R,55Lまたは側部下桟54R,54Lのみによって片持ち構造を構成する。出窓骨組部5は、枠組としての全体的構成(立体骨組)のみならず、一部の構造部材(桟)によって片持ち構造を構成することができる。
【0035】出窓前部34では、矩形状の正面形を成す出窓前部34の外周部に沿って、上辺に前部上桟53を、下辺に前部下桟52を配置することによって、平面骨組を形成している(図3、図5参照)。出窓骨組部5は、出窓前部34の骨組と出窓側部31R,31Lの骨組が一体化して、凸部空間を形成する立体(三次元)骨組を構成する。
【0036】出窓骨組部5を構成する、縦桟51R,51L、前部下桟52、前部上桟53、側部下桟54R,54L、側部上桟55R,55Lは、任意断面形、線状構造部材で良い。材軸線は、直線状、曲線状など自由に設定できる。その材質は、枠体として所要の強度、剛性を有する、アルミニウム、鉄などの金属製板で構成するのが一般的であるが、合成樹脂などで構成してもよい。
【0037】図7に基づいて、出窓部3の自重(鉛直力)をパネル骨組部4の縦枠41R,41Lに伝達する力学的機構を説明する。出窓骨組部5は、出窓前部34の骨組と出窓側部31R,31Lの骨組が一体化して、凸部空間を形成する立体的骨組を構成する。出窓側部31R,31Lの出窓骨組部5は、略「逆コの字状」の平面骨組を形成し、片持ち構造を構成する。
【0038】図7に示すように、出窓側部31R,31Lの屋外側先端に作用する、鉛直力(図7のV)によって、出窓側部31R,31Lと縦枠41R,41Lとの接合部には水平力(図7のVh)が作用する。この水平力はパネル骨組部4の縦枠41R,41Lには部材中間荷重として働くので、縦枠41R,41Lには、面外方向の曲げモーメント(図7のMy)が生じる。鉛直力(図7のV)は、出窓側部31R,31Lの出窓骨組部5、縦枠41R,41Lを介して、縦枠41R,41Lの上下端の取付部材6に水平反力(図7のRh)として作用する。上下端の水平反力(図7のRh)の作用方向は逆方向である。出窓部3の鉛直力(図7のV)は、最終的には、取付部材6を介して横方向構造部材Cに、鉛直反力(図7のRv)と、水平反力(図7のRh)に置換される。
【0039】図8に基づいて、パネル骨組部4と横方向構造部材Cの接合を説明する。パネル骨組部4は、上枠42、下枠43の位置で複数(図4では、2個づつ)の取付部材6によって横方向構造部材Cに接合されている。
【0040】図8(a),(b)は出窓付壁面パネル体1の上側の取付状態およびスライド状態を示す説明図である。図8において、7は鉄筋、6は鉄筋7によって横方向構造部材Cに取り付けられている取付部材を示す。この取付部材6には、室外側下端に横方向構造部材Cの方向へ溝6aが設けられ、室内側中央部に上側へ開放した溝6bが横方向構造部材Cの方向へ設けられている。そして、上枠42の上端部分は、上側へ開放する形状で、室外側上端に溝6aと相対的に移動可能に係合する係合突条42aが横方向構造部材Cの方向に室内側へ向けて設けられ、室内側上端に溝6bと相対的に移動可能に係合する係合突条42bが横方向構造部材Cの方向に室外側へ向けて設けられている。
【0041】取付部材6と上枠42との間の面内方向の接合は、係止片の摩擦力、図示を省略したモルタルによって、取付部材6に発生する水平力が小さい段階で外れず、ピン接合部6Pを形成する。しかし、上記した水平力が大きくなると、両者は滑動し、スライド接合部6Sに変化する。両者が相対的に移動できるスライド手段は、上枠42の係合突条42a,42bと、取付部材6の溝6a,6bとに限定されるものでなく、両者が相対的に移動できる構成であれば、他の構成であってもよい。なお、説明を省略するが、出窓付壁面パネル体1の下辺にも同様な取付部材6が設けられている。
【0042】図9、図10に基づいて地震時における出窓付壁面パネル体1の面内方向の上下階の層間水平変位に追従する機能を構造力学的モデルで説明する。出窓付壁面パネル体1の面内方向での変形は、鉛直変形、水平変形、回転変形の3種類に分類される。ここで、水平変形および鉛直変形が拘束され、回転変形が自由な接合部をピン接合部6P、水平変形および回転変形が自由で鉛直変形が拘束された接合部をスライド接合部(ローラー接合部)6Sと言う。このピン接合部6P、スライド接合部6Sは、力、変形という構造力学的モデルの概念であり、接合部の具体的な構造を捨象したものである。そして、出窓付壁面パネル体1は正面視矩形であるので、横方向が水平方向、縦方向が鉛直方向と同意義である。
【0043】出窓付壁面パネル体1と横方向構造部材Cとの接合部について説明する。出窓付壁面パネル体1は取付部材6によって上下階の横方向構造部材C(梁)に複数個所、例えば上下辺でそれぞれ2個所ずつで固定されている。接合個所および数は任意に選定することができる。
【0044】出窓付壁面パネル体1の上辺に、最初はピン接合部6Pであるが層間変形の変化に応じてスライド接合部6Sに変化することができる、2個の可変性接合部を配置する。下辺では全ステップに亘ってピン接合部6Pである2個の不変性接合部を配置する。この可変性接合部、不変性接合部は構造力学的なモデルでの分類であり、取付部材6を機能からみたものである。なお、上辺を不変性接合部、下辺を可変性接合部としてもよい。
【0045】出窓付壁面パネル体1と縦方向構造部材P、一般パネル体10との接合部について説明する。なお、出窓付壁面パネル体1と縦方向構造部材P(柱)との間、出窓付壁面パネル体1と一般パネル体10との間では、縦方向に構造力学的な接合部が設けられていない。出窓付壁面パネル体1と一般パネル体10、または出窓付壁面パネル体1と縦方向構造部材P相互間では、縦方向で自由に変形することができるので、出窓付壁面パネル体1、一般パネル体10は個別にせん断変形、回転変形をすることができる。
【0046】出窓付壁面パネル体1の層間水平変位追従機能は、下記の2つの水平変形能力で構成される。第1水平変形能力は、パネル部2に生じる弾性水平変形による水平変形能力である。第2水平変形能力は、パネル部2の両側端で縦方向に設けられたパネル間クリアランス8による壁面内水平変形能力である。
【0047】第1水平変形能力について説明する。図9は層間水平変位が少ない第1水平変形能力における出窓付壁面パネル体1の変形状態を示し、出窓付壁面パネル体1の上下辺に複数のピン接合部6Pが形成されている。パネル骨組部4の水平剛性は低く、しかも、パネル部2は、腰壁パネル部21の上部にパネル開口部22を積層的に配置した形状を成しているので、パネル部2の全体の弾性水平剛性は低い。パネル骨組部4の上枠42、下枠43が横方向構造部材C(骨組構造体)に固定されているので、パネル部2は、パネル開口部22の正面形状が矩形から平行四辺形になるせん断変形を起こす。腰壁パネル部21のせん断変形量はパネル開口部22の水平変形量より小さくなるので、パネル部2は、腰壁パネル部21とパネル開口部22の境界面で屈曲した平行四辺形に変形する。第1水平変形能力は、パネル部2の弾性水平変形によって、上下階の層間水平変位に追従することができる能力である。
【0048】第2水平変形能力について説明する。図10は第2水平変形能力における出窓付壁面パネル体1の変形状態を示す。第1水平変形能力を越えて層間水平変位が漸増すると、上辺のピン接合部6Pに生じている水平力が大きくなる。取付部材6を介して横方向構造部材Cとパネル骨組部4の上枠42との間が、図8(b)に示すように滑動する。上辺のピン接合部6Pがスライド接合部6Sに変化するので、出窓付壁面パネル体1にはそれ以上の水平力が伝達されず、水平変形も増加することがない。出窓付壁面パネル体1は、両端のパネル間クリアランス8が閉塞するまで滑動する。第2水平変形能力は、出窓付壁面パネル体1と縦方向構造部材P、または出窓付壁面パネル体1と一般パネル体10との接合部で、縦方向に設けたパネル間クリアランス8により、面内方向の上下階の層間水平変位に追従する能力であり、上辺のスライド接合部6Sによる機構である。
【0049】この発明の第1実施形態によれば、出窓付壁面パネル体1の面内方向水平変形能力は第1水平変形能力、第2水平変形能力を総計したものであり、優れた面内方向の水平変形能力を有するものとなる。
【0050】なお、第1水平変形能力、第2水平変形能力を必ずしも全て備える必要はなく、設計上必要とされる層間変形角(=層間変形/階高)に応じて2つの水平変形能力から適宜、選択して組み合わせることができる。また、必ずしも第1水平変形能力の後に第2水平変形能力のステップに移行する機構とする必要はなく、第1水平変形能力と第2水平変形能力とが混在して同時に存在する機構として捉えてもよい。
【0051】面内方向の水平変形能力を層間変形角で表現すると、通常の設計では、層間変形角が1/300までサッシ部材としての性能低下がないこと、1/150までサッシ部材が破損しないことが要求されることがある。取付部材6にスライド接合部機能を付加した簡単な構成にも拘わらず、例えば性能低下の限界を1/100、破損限界を1/50にすることが容易に可能であり、面内方向水平変形能力を飛躍的に向上させることができる。
【0052】一般パネル体10の層間水平変位追従機能については、出窓付壁面パネル体1と同様である。一般パネル体10の層間水平変位追従機能は、下記の2つの水平変形能力で構成される。第1水平変形能力は、一般パネル体10が有する弾性変形による壁面内水平変形能力である。一般パネル体10であるサッシ部材は、サッシ外枠とサッシ部材との間、サッシ窓枠とガラスとの間に設計上必要とされる所定の隙間によって、弾性変形を生じる。第2水平変形能力は、一般パネル体10の両側端に縦方向へ設けられたパネル間クリアランス8による壁面内水平変形能力である。
【0053】(構造的特徴)さらに、上記実施形態1の構造的特徴について説明する。
(1)出窓付壁面パネル体1は、パネル部2と出窓部3を組み合わせて構成される(図1〜図6参照)。
(2)パネル部2は、従来技術でRC造の非耐力壁として配置されていたものを面部材(パネル)として形成した腰壁パネル部21を組み込んでいる。
【0054】(3)出窓部3の出窓骨組部5は、出窓部3の自重(鉛直力)をパネル骨組部4に伝達することができる片持ち構造で構成されている(図3、図7参照)。出窓部3は、自重を支持するために上下の横方向構造部材Cと直接には接合されていない。上下階の横方向構造部材Cの水平変形、鉛直変形は、パネル部2を介して出窓部3に伝達するだけである。出窓部3の出窓底部32下方に、下部開放空間Sd(図6参照)を形成する。出窓部3の自重を支持する構造部材が横方向構造部材Cから設けられていないので、下部開放空間Sdは障害物の無い空間を形成する。下部開放空間Sdに家事用シンク、収納庫などを出窓部3から吊り下げることができる。家事用シンク、収納庫などの自重も、出窓骨組部5の片持ち構造で支持される。
(4)出窓付壁面パネル体1は、パネル部2の上下辺の取付部材6によって、上下階の横方向構造部材Cと接合されている(図4参照)。
【0055】(5)出窓付壁面パネル体1は、面内方向、面外方向共、地震時の層間水平変位に追従する機能は一般パネル体10と同一である(図9、図10参照)。出窓付壁面パネル体1の出窓骨組部5は片持ち構造に構成されているので、出窓部3の自重を支持するために上下の横方向構造部材Cと接合されていない。出窓付壁面パネル体1の面内方向は、パネル部2のみが上下の横方向構造部材Cと接合されている。したがって、図1に示す、出窓付壁面パネル体1と一般パネル体10とを組み合わせて形成した壁面構造体において、出窓を有する出窓付壁面パネル体1は、面内方向、面外方向の層間水平変位に追従する機能は、出窓が無い一般パネル体10と同一になる特徴を有する。
【0056】実施形態1の構造的特徴がもたらす効果について説明する。
(1)出窓付壁面パネル体1はパネル部2と出窓部3を組み合わせて構成されるので、出窓部3の外観、構造、出窓骨組部5の骨組を自由に選択することができる。パネル部2は、出窓部3の無い一般パネル体10と類似の構造とすることができる。パネル部2と出窓部3を工場で一体的に製作することができる。パネル部2と出窓部3を別個に工場で製作して施工現場で組み合わせても良い。
【0057】(2)パネル部2は腰壁パネル部21を組み込んでいるので、従来技術で出窓を設置するために構築されたRC造非耐力壁である腰壁は不要である。従来技術の種々の問題点を解消することができる。第一に、建築計画上の住戸内の間取りの自由性、融通性が高まる。各住戸の平面プランの多様性、居住者のライフサイクルの変化に対応して自由に間取りを変更することができる。第二に、地震時における上下階の層間水平変位に追従する機能を充分に発揮する。第三に、施工現場で簡単に取り付けられる。熟練したサッシ職人でなくても、施工現場で簡単に取り付けられるので作業能率は向上する。工期短縮、高品質化が図られる。
【0058】(3)出窓付壁面パネル体1と一般パネル体10とを組み合わせて、壁面開口部Oを塞ぐ壁面構造体を形成することができる(図1参照)。壁面構造体は、柱、梁によって囲まれた1スパン1階分に相当する、大きな壁面開口部Oの正面形状に合わせた壁体を構成することができる。
【0059】(実施形態2)図11、図12は実施形態2を示す。実施形態1と異なるのは、パネル部2のパネル開口部22の上にたれ壁パネル部23を配置したこと、出窓側部31R,31Lの全面に板体を取り付けて出窓骨組部5を構成したことである。
【0060】出窓部3の高さを小さくすることによって、パネル部2は、腰壁パネル部21、パネル開口部22、たれ壁パネル部23が積層的に配置された矩形状の正面形を成す。たれ壁パネル部23は、腰壁パネル部21と同様に、たとえば、中空パネル部材の他に、窓ガラス部材、平板パネル部材などにすることができる。換気ダクトなどの設備配管類をたれ壁パネル部23を貫通するように設けることができる。出窓側部31R,31Lの板体は、薄い金属製の板体が望ましいが、繊維補強コンクリート板、木造、ガラス、合成樹脂などの板体を使用しても良い。出窓側部31R,31Lは面状(パネル状)の片持ち構造になるので、線状の部材を組み合わせた、略「逆コの字状」の骨組に比べて、剛性、耐力が大きくなる利点を有する。出窓骨組部5は、その全体的構成のみならず、一部の構造部材によって片持ち構造を構成することができるので、出窓部3の外観を自由に変化させられる。
【0061】(実施形態3)図13、図14は実施形態3を示す。実施形態1と異なるのは、パネル部2に、たれ壁パネル部23(パネル開口部22の上)、袖壁パネル部24(パネル開口部22の両側)を設けたこと、出窓底部32の下に片持ち梁56を設けたことである。
【0062】たれ壁パネル部23、袖壁パネル部24を設けることによって、出窓部3の正面形状を小さくし、室内から見た出窓部3の美観を変化させたり、パネル部2に設備配管類、収納スペース、凹凸部などを設けることができる。出窓骨組部5は、単一材の片持ち梁56のみによって出窓部3の自重を支持する片持ち構造を構成する。出窓骨組部5を立体骨組、平面骨組で構成する場合に比べて、出窓部3の外観形状、材質を選定する自由性が拡大する。たとえば、出窓部3の凸部空間を窓ガラスのみで形成することができる。
【0063】上記した実施形態は、複数階を有する建築物を例にして説明したが、一戸建ての住宅にも適用できる。一戸建ての住宅の構造種別は、木造、鉄骨造、RC造などでも良い。
【0064】上記した実施形態はいずれもこの発明を集合住宅のバルコニー側の外壁に適用した例であるが、この発明はこれに限定されるものではなく、集合住宅のその他の外壁(例えば、共用廊下側の外壁)、居住空間内の内壁に適用し得る。そして、集合住宅の基準階の平面形式は片廊下方式に限定されず、中廊下方式、中空コアー方式、雁行方式などであってもよい。
【0065】また、建物の用途も集合住宅に限定されず、事務所、ホテルなどの用途の建物の構造物にも幅広く適用でき、建物の階数も低層から高層に亘る広範囲に適用することができる。この発明は、新築の建築物のみならず、既存の建築物の改修壁面構造体にも幅広く適用できる。
【0066】出窓付壁面パネル体の正面形状を矩形にした例で説明したが、これに限定されるものではなく、この発明は任意の正面形状、壁厚さの出窓付壁面パネル体に適用し得る。また、出窓付壁面パネル体と一般パネル体を組み合わせた壁面構造体について説明したが、出窓付壁面パネル体のみで構成することができる。
【0067】出窓付壁面パネル体は、パネル部を壁面開口部の寸法に合わせて形成され、工場で予め製作された後で施工現場に搬入され、建築物の壁面開口部にそのまま取り付けられることが一般的である。しかし、この発明はこれに限定されず、施工現場で部材を製作しながら壁面開口部に取り付けて出窓付壁面パネル体を形成してもよい。
【0068】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれば、下記の効果を有する。
(1)出窓付壁面パネル体はパネル部と出窓部を組み合わせて構成されるので、出窓部の外観、構造、出窓骨組部の骨組を自由に選択することができる。パネル部は、出窓部の無い一般パネル体と類似の構造とすることができる。工場でパネル部と出窓部を一体化して製作するのが一般的であるが、パネル部と出窓部を別個に製作して施工現場で組み合わせても良い。
【0069】(2)パネル部は腰壁パネル部を組み込んでいるので、RC造の非耐力壁である腰壁を構築する必要が無い。従来技術の種々の問題点を解消することができる。第一に、建築計画上の住戸内の間取りの自由性、融通性が高まる。各住戸の平面プランの多様性、居住者のライフサイクルの変化に対応して自由に間取りを変更することができる。第二に、地震時における上下階の層間水平変位に追従する機能を充分に発揮する。第三に、施工現場で簡単に取り付けられる。熟練したサッシ職人でなくても、施工現場で簡単に取り付けられるので作業能率は向上する。工期短縮、高品質化が図られる。
【0070】(3)出窓部の出窓骨組部は、出窓部の自重(鉛直力)をパネル骨組部に伝達することができる片持ち構造で構成されているので、出窓部の自重を支持する構造部材が横方向構造部材から設けられていない。出窓付壁面パネル体の面内方向は、パネル部のみが上下の横方向構造部材と接合されている。したがって、出窓付壁面パネル体は、面内方向、面外方向共、地震時の層間水平変位に追従する機能は一般パネル体と同一とすることができる。更に、出窓部の出窓底部の下方に、下部開放空間を形成するので、下部開放空間を利用して、家事用シンク、収納庫などを出窓部から吊り下げることができる。
【0071】請求項2の発明によれば、出窓部との納まり構造、室内側からの使用方法等の観点から、腰壁パネル部の構造、材料などを自由に選択、変更、取り替えをすることができる。腰壁パネル部に、掃き出し窓、扉、収納部などを設置することもできる。
【0072】請求項3の発明によれば、腰壁パネル部の中空部(内部の空隙)を利用して給排水、電気、空調機などの設備装置の配管、配線類などを工場で予め内蔵して製作することができる。施工現場で配管、配線類などを腰壁パネル部に組み込んでも良い。配管、配線類が室内外の壁面から露出せず、修理、取り替えなどが容易である。
【0073】請求項4の発明によれば、線状構造部材を使用して出窓部の凸部空間に合わせて、出窓骨組部の枠組を自由に構成することができる。出窓骨組部は、枠組としての全体的構成(立体骨組)のみならず、出窓側部の平面骨組によって片持ち構造を構成することができる。骨組の構成の自由性が高い。
【0074】請求項5の発明によれば、出窓側部の全面に板体を取り付けて出窓骨組部を構成することができる。出窓側部の板体は、薄い金属製の板体が望ましいが、繊維補強コンクリート板、木造、ガラス、合成樹脂などの多種類の板体を使用しても良い。出窓部の外観特異性、使用する材料の質感などは、デザイン上の利点となる。出窓側部は面状の片持ち構造になるので、線状の部材を組み合わせた、平面骨組に比べて、剛性、耐力が大きくなる利点を有する。
【0075】請求項6の発明によれば、出窓骨組部を単一材の片持ち梁のみによって片持ち構造を構成する。出窓骨組部を立体骨組、平面骨組で構成する場合に比べて、出窓部の外観形状、材質を選定する自由性が更に、拡大する。たとえば、出窓部の凸部空間を窓ガラスのみで形成することができる。
【0076】請求項7の発明によれば、地震時に、出窓付壁面パネル体が破損、脱落せず、出窓部の窓ガラスも破損することがない。出窓付壁面パネル体の地震時の層間水平変位に追従する機能は、面内方向、面外方向共、一般パネル体と同一になる。
【0077】請求項8の発明によれば、出窓付壁面パネル体の面内方向水平変形能力は第1水平変形能力、第2水平変形能力を総計したものであり、優れた面内方向の水平変形能力を有するものとなる。なお、第1水平変形能力、第2水平変形能力を必ずしも全て備える必要はなく、設計上必要とされる層間変形角に応じて2つの水平変形能力から適宜、選択して組み合わせることができる。取付部材にスライド接合部機能を付加した簡単な構成にも拘わらず、面内方向水平変形能力を飛躍的に向上させることができる。
【0078】請求項9の発明によれば、壁面構造体は、柱、梁によって囲まれた1スパン1階分に相当する1個の大きな面材(パネル)となる。壁面構造体は一般パネル体と出窓を有する出窓付壁面パネル体の2種類の部材で構成される。出窓付壁面パネル体、一般パネル体は、着脱自在に横方向構造部材に接合されているので、その組み合わせ方法のバリエーション、取り替え、修繕が容易である。出窓付壁面パネル体によって、従来技術の非耐力壁に内在している種々の欠点を解消し、出窓が有する特徴を活用して、美観、利便性優れた快適な室内空間を提供することができる。この発明は高性能多機能を有し、施工性、経済性に優れた壁面構造体を提供することができる。




 

 


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