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発明の名称 水路用開閉装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−254344(P2001−254344A)
公開日 平成13年9月21日(2001.9.21)
出願番号 特願2000−62919(P2000−62919)
出願日 平成12年3月8日(2000.3.8)
代理人 【識別番号】100090620
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 宣幸
【テーマコード(参考)】
2D019
【Fターム(参考)】
2D019 AA59 
発明者 田中 全 / 奥原 武博 / 竹野 和生
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 水路開口部を扉体によって開放又は閉鎖する水路用開閉装置において、上記扉体として所定形状の板状のものを適用すると共に、上記扉体の全閉鎖状態からの全開放状態の移動軌跡が、垂直方向又は略垂直方向に沿って所定量だけ上動した後、水平方向に対する上記扉体の傾斜角が徐々に小さくなっていき、所定の傾斜角になったときに上記扉体を位置固定する軌跡であり、上記扉体の全開放状態からの全閉鎖状態の移動が、水平方向に対する上記扉体の傾斜角が徐々に大きくなっていき、傾斜角が垂直方向又は略垂直方向になった以降、垂直方向又は略垂直方向に沿って下動する軌跡であるように、上記扉体を移動させる扉体移動手段を有することを特徴とする水路用開閉装置。
【請求項2】 上記扉体が、上下方向に蝶番を介して連結された複数の所定形状の板状部材でなることを特徴とする請求項1に記載の水路用開閉装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水路用開閉装置に関し、例えば、用水の取り入れや悪水の排除や逆流防止のために、水路の連絡、遮断を行う樋門ゲート装置に適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】樋門ゲート装置1は、例えば、図2に示すように、河川堤防2の両側の水路3及び4を連通する暗渠5を開閉し得るものである。例えば、一方の水路3が河川本流であり、他方の水路4が用水の取り入れや悪水の排除のための支流である。そして、樋門ゲート装置1は、通常、開放されており、洪水時等、通常時とは異なる方向に暗渠5内を水が流れるような状況で閉鎖されるものである。
【0003】従来、樋門ゲート装置1の開閉機構としては種々のものがある。例えば、図3(A)に示すように平板の扉体6を鉛直方向に上下させて開閉するものや、図3(B)に示すように平板の扉体6を回動させて開閉するものや、図3(C)に示すように上下方向が円弧に沿っている扉体6を円弧状に上下させて開閉するもの等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図3(A)に示す平板の扉体6を鉛直方向に上下させて開閉する樋門ゲート装置1の場合、一般には、扉体6の上方に、上下動させるためのハンドル7等を有する操作台8がある。平板の扉体6を上下させるので、操作台8の位置は高く、そのため、堤防の土手には操作台8を設けられず、堤防と操作台8を結ぶ管理橋9が必要となっている。樋門ゲート1は、上述したように、洪水時等に閉鎖されるものであり、洪水時等に操作員が操作台8や管理橋9の上にいなければならないという課題がある。
【0005】かかる課題は、遠隔操作を可能とすることで解決できる。しかし、平板の扉体6を上下させるので、樋門ゲート装置1が大型化するという課題は残っている。また、遠隔操作しても、保守点検等のために、操作台8や管理橋9は必要であり、操作台8を指示する門柱10等も必要となっており、これらの高さが高くなっており、堤防脇に突出していて、景観を損なうという課題がある。さらに、門柱10や操作台8や管理橋9が水の流れに影響を与えるという課題もある。
【0006】また、図3(B)に示す平板の扉体6を回動させて開閉する樋門ゲート1の場合には、全開放時においても、閉鎖方向への負荷がかかり、扉体6の駆動源が故障し易く、また、扉体6が徐々に閉鎖する恐れがあるという課題がある。また、樋門ゲート1は、水流を連絡、遮断するものであり、土砂が一方の水路3と暗渠5とを連絡する開口部にたまることがある。この場合において、扉体6を回動させて閉鎖させても、土砂によって閉鎖が不十分になる恐れがある。これを避けようとすると、図3(B)に示すように、上記開口部部分に段差11を意図的に設けなければならない。
【0007】図3(C)に示す上下方向が円弧に沿っている扉体6を円弧状に上下させて開閉する樋門ゲート1の場合にも、堆積した土砂に対する課題がある。閉鎖時に、扉体6を下降させたとしても、その動きが円弧上であるため、図3(A)に示すような直線上の下降に比較して、土砂を破壊したり押しのけたりする力が弱い。また、扉体6が円弧状であって円弧上に案内しなければならないので、現場施工に高度の技術が必要となる。
【0008】本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、堆積された土砂が閉鎖に影響を与えるおそれが少なく、施工が容易である、しかも、小型である(外部から見える部分を少なくすることが可能である)水路用開閉装置を提供しようとしたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するため、本発明は、水路開口部を扉体によって開放又は閉鎖する水路用開閉装置において、上記扉体として所定形状の板状のものを適用すると共に、上記扉体の全閉鎖状態からの全開放状態の移動軌跡が、垂直方向又は略垂直方向に沿って所定量だけ上動した後、水平方向に対する上記扉体の傾斜角が徐々に小さくなっていき、所定の傾斜角になったときに上記扉体を位置固定する軌跡であり、上記扉体の全開放状態からの全閉鎖状態の移動が、水平方向に対する上記扉体の傾斜角が徐々に大きくなっていき、傾斜角が垂直方向又は略垂直方向になった以降、垂直方向又は略垂直方向に沿って下動する軌跡であるように、上記扉体を移動させる扉体移動手段を有することを特徴とする。
【0010】ここで、上記扉体が、上下方向に蝶番を介して連結された複数の所定形状の板状部材でなることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】(A)第1の実施形態以下、本発明による水路用開閉装置を樋門ゲート装置に適用した第1の実施形態を図面を参照しながら詳述する。ここで、図1が、第1の実施形態の樋門ゲート装置を示す概念構成図である。
【0012】図1において、第1の実施形態の樋門ゲート装置20も、水路21及び暗渠22間の開口部(水は適宜存在する)23を扉体24で開閉し得るものである。
【0013】この第1の実施形態の場合、扉体24を少なくとも開放(及び又は閉鎖)させるための駆動力は、複数(図1の場合は3個)の方向変換用滑車26a〜26cに掛け渡されているワイヤ25を介して、扉体24に伝達されるようになされている。
【0014】扉体24を少なくとも開放動作させるための主たる構成は、例えば、堤防の最上部に設けられている管理棟27内に設置されている。すなわち、管理棟27内には、ロック機能付モータ28と、このモータ28に対して、例えばチェーンやスプロケットの組でなる運動伝達機構(他の運動伝達機構で良いことは勿論である)31を介して接続され、モータ28の回転に応じて回転して、上記ワイヤ25を巻き取る巻取ドラム(巻取量によっては、プーリ的なものであっても良い)29が設けられている。
【0015】ここで、モータ28への電源供給はいずれの方法でも良い。例えば、電力会社が供給しているものを適用しても良い。しかし、モータ28は、堤防に設けられている管理棟27内に設置されているものであるので、電力会社が供給している電源を取り込むことが容易でない場合や、扉体24の閉鎖状態から開放状態の動作は、例えば、洪水等の気象異常が終了した直後等であって停電の恐れが高い場合であるので、発電機30を設けて、モータ28に対し、発電機30による発電電力を供給することが好ましい。
【0016】なお、図1では、省略しているが、管理棟27内には、モータ28に巻取り(扉体24の開放動作)を指示したり、扉体24の全開放状態でモータ28をロックさせることを指示したりする操作入力部を備えている。
【0017】ワイヤ25を介して開放動作がなされる扉体24は、開口部23が矩形形状及び円形状等の形状を問わず、例えば、図4に示すように、基本的には、矩形形状の1枚の平板で構成されている。なお、図4は、水路21から扉体24を見た概略正面図である。
【0018】扉体24の本体24aの下縁部24bは、例えば、図1に示すように、閉鎖動作時に、開口部23の下部に蓄積されている土砂や流木等を押しのけたり破断したりすべく、カッタ等の刃形状(鋭角形状)と同様な形状をしている。
【0019】扉体24の本体24aの左右の側縁にはそれぞれ、上下方向に離間して設けられている2個の案内用ローラ24cR1及び24cR2、24cL1及び24cL2が、扉体24の本体24aに対し、回動自在に設けられている。これら案内用ローラ24cR1及び24cR2、24cL1及び24cは、図5に示すように、案内通路部32aLやシール部32bL等を有する左右の案内レール32L、32Rを走行し得るものである。
【0020】各案内レール32L、32Rは、図1では図示を省略しているが、全閉鎖状態から全開放状態への開放動作時には、扉体24の位置が、24−1→24−2→24−3→24−4→24−5の順に変化するように、その上方が折曲又は湾曲されている。この第1の実施形態の場合、案内レール32L及び32Rの折曲又は湾曲方向は、水路21から遠ざかる方向である。
【0021】図1において、扉体24の位置24−2で開口部23は全開放状態となっているが、全開放状態で取り得る位置は位置24−5であるので、以下では、位置25−5を全開放状態での位置と呼ぶことにする。なお、図1における位置24−2〜24−4においては、扉体24の刃部分24bの図示を省略している。
【0022】ここで、開口部23の上方の土手部分は、扉体24の上述した位置変化を許容するようにな凹部空間(屋根や蓋等を有していても良い)33になっている。また、洪水等の特別な場合を除き、扉体24の全開放状態の位置24−5は、水路21の水面が通常程度の雨等で多少変化しても、水路21の水面より高い位置になるようになされている。
【0023】上述したワイヤ25は、扉体24の本体24aに対し、下側の案内用ローラ24cR1、24cL1と同じ高さの位置、又は、それらより低い位置に、しかも、水路21側の表面又は下縁部の表面側に、連結具24dによって取り付けられている。この取付け位置と、扉体24に最も近い位置の方向変換用滑車26cとの間のワイヤ25の部分は、上下方向に伸びている。
【0024】なお、図4では、1本のワイヤ25によって、扉体24を上下動させるものを示したが、複数本のワイヤによって、扉体24を上下動(開放、閉鎖)させるようにしても良い。
【0025】例えば、2本のワイヤを適用しても良い。2本のワイヤを用いる場合であれば、例えば、各ワイヤをそれぞれ案内レール32L及び32R内の全長又は一部を走行するようにし、かつ、扉体24の本体24aの左右の側面に連結するようにしても良い。2本のワイヤを用いる場合において、巻取ドラム(29)を2個設けるようにしても良く、また、2本のワイヤに共通に1個の巻取ドラム29を設け、この巻取ドラム29、又は、いずれかの方向変換用滑車26a、26b、26cの位置から2本のワイヤの走行経路を異なるようにしても良い。
【0026】また、図1では、方向変換用滑車26a〜26cやワイヤ29が土手の上に露出しているように記載しているが、実際上は、土手を歩く人の邪魔にならないように、また、景観を損なわないように、方向変換用滑車26a〜26cやワイヤ29は、土手に埋設された管材の中に設けられていることが好ましい。
【0027】この第1の実施形態の樋門ゲート装置20が、用水の取り入れや悪水の排除のために水路を連絡するという基本機能を発揮させている状態では、扉体24は、全開放状態の位置24−5をとる。
【0028】例えば、水路21の水かさがかなり増し、暗渠22内を水が通常とは異なる流れになるときには、操作員は、モータ28のロックを解除し、巻取ドラム29が自由に回転し得るようにする。このとき、扉体24の自重により、扉体24は、全開放状態の位置24−5から全閉鎖状態の位置24−1に徐々に位置を変化させる。すなわち、扉体24は下降する。
【0029】図1に示すように、この下降時において、扉体24は当初は水平に近い状態(例えば、水平からの傾斜角が15度程度)24−5にあり、この状態24−5から傾斜角が徐々に小さくなっていき(24−4、24−3、24−2)、扉体24の下縁部が開口部23の上部とほぼ同じ位置となった状態24−2で扉体24は垂直になり、そのまま垂直方向に沿って下動し、全閉鎖状態24−1になる。全閉鎖状態24−1は、扉体24の下縁部が水路21の底面と衝突することでとる状態であり、この際、土砂や流木等があっても押しのけたり破断したりする。
【0030】ここで、開口部23の開閉だけを考慮すれば、全開放状態での扉体24の位置を図1に示す位置24−2にすれば良い。しかし、このようにした場合、下降時の加速度として十分な加速度が得られず(水が下降の妨げとなっている)、土砂や流木等を押しのけたり破断したりすることが不十分なことも生じる。
【0031】そのため、全開放状態での扉体24の位置を図1には示していないが、位置24−2よりそのまま垂直方向に高い位置にすることも考えられる。しかし、このようにした場合、土手の表面より高い位置まで案内レール32L及び32Rが突出し、景観を損なうだけでなく、土手を歩いたりする人がさわったりして故障させる可能性も高くなる。
【0032】そのため、この第1の実施形態においては、全開放状態での扉体24の位置を位置24−2より高い位置24−5とし、開口部23の閉鎖が始まる直前の位置24−2で十分な下降加速度を得ると共に、全開放状態での扉体24の位置を扉体24がほぼ水平となっている位置24−5にして、景観を損なうことを防止したり、無関係な人が扉体等に触れることを防止したりする。
【0033】再び、水路21の流れが安定してくると、操作員は、モータ28を回転させる。これにより、巻取ドラム29も回転して、ワイヤ25が徐々に巻き取られていき、扉体24も全閉鎖状態の位置24−1から徐々に上昇し、位置24−2、24−3、24−4等を経由して全開放状態での位置24−5になる。
【0034】この上昇時において、扉体24の表面側でワイヤ25と連結しているため、位置24−2に至るまでの垂直方向に沿った上昇でも、扉体24には、その上縁部が水路21から離れる方向への力が働いており、位置24−2に至った以降、扉体24の上縁部が滑らかに扉体24が水平になる移動を行う。
【0035】なお、構成の説明では省略していたが、扉体24が全開放状態の位置24−5に至ったときに、それ以上、蓋体24を移動させないストッパ機構が設けられていても良い。このストッパ機構は、案内レール32L及び32Rに設けられていても良く、また、扉体24の上縁部に直接接するようなものであっても良く、さらには、巻取ドラム29の回転量(言い換えると、モータ28の回転量、ワイヤ25の巻取量)で規制するものであっても良い。
【0036】以上のような開放動作によって、扉体24が全開放状態の位置24−5になると、操作員は、モータ28のロック機構を働くようにさせ、全開放状態の位置24−5を維持させる。なお、モータ28や巻取ドラム29に機械式あるいは電気式のリミット装置などを関連付けて設けておき、その出力によって自動的にモータ28のロック機構を働かせるようにしても良い。
【0037】上記第1の実施形態の樋門ゲート装置20によれば、扉体24の閉鎖時の位置変化が24−5→24−4→24−3→24−2→24−1のようであるので、下降加速度として十分なものが得られ、堆積された土砂や流木等が閉鎖に影響を与えるおそれが少ない。このような大きい下降加速度を得るようにしても、全開放状態での扉体24はほぼ水平であるので、外部から見える部分を少なくすることができ、言い換えると、小型なものとできる。
【0038】また、扉体24が平板状のものであって、案内レール32L及び32Rも直線部分が長く、直線部分側で固定されるので、施工も容易である。
【0039】(B)第2の実施形態次に、本発明による水路用開閉装置を樋門ゲート装置に適用した第2の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0040】ここで、図6が、第2の実施形態の樋門ゲート装置を示す概念構成図であり、図1との同一、対応部分には同一符号を付して示している。図7は、第2の実施形態の扉体41の構成及び移動軌跡の説明図である。
【0041】図6及び図7において、第2の実施形態の樋門ゲート装置40は、第1の実施形態の樋門ゲート装置20に比較して、開口部23を閉鎖し得る扉体41の構成が異なっている。
【0042】第2の実施形態の扉体41は、2枚の平板部材42−U及び42−Lを蝶番43(図6では図示を省略しており、図7にのみ示している)によって上下方向に連結した構造を有する。扉体41を構成する2枚の平板部材42−U及び42−Lは、ほぼ同一の矩形形状をしている。上側の平板部材42−Uの下縁部及び下側の平板部材42−Lの上縁部には図示は省略しているが、硬質ゴムや軟質樹脂等でなる密接部材が設けられており、閉鎖動作での両平板部材42−U及び42−Lの接触時の衝撃などを緩衝でき、全閉鎖状態で十分な閉鎖性を達成できるようになされている。
【0043】下側の平板部材42−Lの下側は、図6に示すように、土砂や流木等を押しのけたり破断したりするための刃構造(図7では図示を省略;符号略)となっている。下側の平板部材42−Lの左右の側面のそれぞれには、上下方向に離間して設けられている2個の案内用ローラ42−LR1及び42−LR2(図示せず)、42−LL1及び42−LL2(図7にのみ図示)が、平板部材42−Lの本体に対し、回動自在に設けられている。
【0044】上側の平板部材42−Uの左右の側面のそれぞれの上方側には、1個の案内用ローラ42−UR(図示せず)、42−UL(図7にのみ図示)が、平板部材42−Uの本体に対し、回動自在に設けられている。
【0045】蝶番43は、例えば、2軸蝶番等を適用することが好ましい。すなわち、扉体41による全閉鎖状態において、上側の平板部材42−Uの下縁部及び下側の平板部材42−Lの上縁部の接触がその全面で均一な力で接触するような構造のものを適用することが好ましい。
【0046】ワイヤ25は、例えば、下側の平板部材42−Lの下側の案内用ローラ42−LR1及び42−LL1と同じ位置又はそれより低い位置に図示しない連結具によって取り付けられている。
【0047】以上のように、第1の実施形態に比較して扉体41の構造が異なるので、図示しない案内レール(図4の32L及び32R参照)の構造も第1の実施形態のものとは異なっている。
【0048】図7における扉体41の位置41−2は、扉体41が下側の平板部材42−Lの高さ分だけ上昇している位置を示している。言い換えると、開口部23をほぼ半分だけ開放している位置を示している。全閉鎖状態から全開放状態への扉体41の移動では、図6における全閉鎖状態の位置41−1から、位置41−2→41−3→41−4を経由して全開放状態の位置41−5に達するように、扉体41が位置変化するようになされている。すなわち、このような移動を達成するように、案内レール(32L及び32R)が構成されている。
【0049】勿論、扉体41の全開放状態から全閉鎖状態への移動では、この逆の位置変化を行う。
【0050】なお、図7では、扉体41の全開放状態の位置41−5において、2枚の平板部材42−R及び42−Lの水平方向に対する傾斜角が異なり、蝶番43が開いているものを示している。この場合には、蝶番43の部分に塵埃などが貯まって閉鎖動作が良好にできない恐れがある。そのため、屋根などの塵埃除けを設けるようにしても良い。また、扉体41の全開放状態の位置(41−5参照)において、蝶番43が閉じて2枚の平板部材42−R及び42−Lの水平方向に対する傾斜角が同じになるようにしても良い。
【0051】この第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0052】この第2の実施形態は、開口部23の面積が大きい場合に特に有効なものである。開口部23の面積が大きい場合、当然に扉体の面積も大きなものとなり、扉体の重量もかなり大きくなる。
【0053】このような状況において、1枚の平板で構成されている扉体を適用しようとした場合、運搬等が対応できないことも生じ、また、第1の実施形態のように上方の位置で水平方向に位置変化させるととしても、全閉鎖状態での位置がかなり高い位置とならざる得ない。
【0054】一方、開口部23の面積が大きい場合、第2の実施形態のように、2枚の平板で構成された扉体41を適用した場合には、運搬時においては、扉体41を構成する各平板を単位に行うことができる。また、上昇時を例に言えば、1枚の平板分の高さだけ垂直に上昇させた位置から水平方向への傾斜変化を開始でき、全開放状態での位置を低くすることができる。
【0055】ここで、扉体41の下降時において、垂直方向に沿って直線的に扉体41が移動する部分が扉体41の高さのほぼ半分になっているが、扉体41自体の高さが高いので、また、扉体41自体の重量が重くなっているので、十分な下降加速度が得られる。
【0056】(C)他の実施形態本発明による扉体の移動軌跡(その軌跡を達成する構成)は、上記各実施形態のものに限定されるものではない。
【0057】例えば、図8に示すように(図8では図6や図7と同一符号を付している)、扉体41が、その位置が高くなるに従って、水路21側に向かうように湾曲するものであっても良い。また例えば、図9に示すように、扉体50が、上昇時を例に表現して、全閉鎖状態の位置50−1から、開口部の高さ分だけ垂直方向に沿って上昇し、その位置50−2になると回動又は揺動して、ほぼ水平方向に近い傾斜を有する全開放状態での位置50−3になるようなものであっても良い。
【0058】要は、扉体の全閉鎖状態からの全開放状態の移動軌跡が、垂直方向に沿って所定量だけ上動した後、水平方向に対する扉体の傾斜角が徐々に小さくなっていき、所定の傾斜角になったときに扉体を位置固定する軌跡であり、扉体の全開放状態からの全閉鎖状態の移動が、水平方向に対する扉体の傾斜角が徐々に大きくなっていき、傾斜角が垂直方向又は略垂直方向になった以降、垂直方向又は略垂直方向に沿って下動する軌跡であれば良い。
【0059】ここで、閉鎖時での移動軌跡と開放時の移動軌跡とは、逆の軌跡の関係である必要はない。例えば、閉鎖時と開放時とで上方側において異なる案内レール部分を適用して移動軌跡を変えることができる。
【0060】閉鎖時における水平方向に対する傾斜角を徐々に小さくするには、局所的に見て、傾斜角が大きくなることも含む表現とする。同様に、開放時における水平方向に対する傾斜角を徐々に大きくするには、局所的に見て、傾斜角が小さくなることも含む表現とする。案内レールの局所が波状になっているような場合には、このようなことも生じる。
【0061】また、上記各実施形態においては、扉体が平板状(平坦な板状部材)のものを示したが、本発明は、扉体の上述した移動軌跡に特徴があり、扉体の形状は板状のものであれば任意である。すなわち、扉体は、平坦な板状部材に限定されず、例えば、曲面や屈折面形状の板状部材(断面が円弧状や屈折した角のある形状)でも良く、板状部材の表面に凹凸があるものでも良い。ここでの板状にはパネル状のものも含まれる。
【0062】さらに、上記各実施形態においては、モータ28によって、扉体24、41を上昇させる駆動力を得ているものを示したが、人力を上昇駆動力とするものであっても良い。例えば、巻取ドラム29に、操作員が回転させる回転ハンドルの力を倍力機構を介して伝達してワイヤ25を巻き取るようにしても良い。さらに、モータ28や巻取ドラム29の位置も扉体に近い位置であっても良い。さらにまた、扉体24、41に直接力を与えるものもワイヤ25に限定されるものではなく、チェーンや油圧シリンダ等の他の部材を適用しても良いことは勿論である。
【0063】また、扉体24、41に駆動力を与える構成を、扉体24、41のそばに設けた場合(そばでなくても良いが)において、扉体24、41の開放動作や閉鎖動作をリモコンシステムによって指示するようにしても良い。
【0064】なお、上記各実施形態においては、開放状態からの下降は、扉体の自重によるものを示したが、下降時にも下降方向への駆動力を動作の全期間又は初期期間において印加するようにしても良い。
【0065】さらに、上記各実施形態においては、扉体を構成する平板の枚数が1枚又は2枚のものを示したが、3枚以上であっても良い。
【0066】さらにまた、上記各実施形態においては、開放、閉鎖対象の開口部23が、その外形が閉じたものであったが、例えば、上方が開いている溝的な開口部であっても良い。
【0067】また、上記各実施形態においては、モータ28への電力供給を発電機31や電力会社からのものを示したが、これに限定されるものではない。その一例として、蓄電池を用いた蓄電装置が適用でき、この場合、例えば、太陽電池や風力発電機水力発電機等の自然エネルギーを電気エネルギーに変換するものにより蓄電する。但し、扉体の重量はかなりのものであるので、変化された電気エネルギーを蓄積する蓄電装置の容量は大きいことを要する。樋門ゲート装置の場合、開放動作が実行されるのは1年に1、2回程度であるので、単位時間当たりの自然エネルギー/電気エネルギーの変換効率が低くても、蓄電装置の容量が大きければ、開放動作に必要な電力を十分に提供することができる。
【0068】さらに、上記各実施形態においては、本発明による水路用開閉装置を樋門ゲート装置に適用したものを示したが、本発明はこれに限定されず、水路開口部を開放、閉鎖する水路用開閉装置に広く適用することができる。例えば、工場などからの廃水(環境汚染を考慮した処理後の水)を河川や海に戻す出入口の開閉装置としても、本発明を適用することができる。また、取扱う液体も水に限定されるものではない。なお、特許請求の範囲では、「水路」という表現を用いているが、この場合をも含むものである。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明の水路用開閉装置によれば、扉体として所定形状の板状のものを適用すると共に、扉体の全閉鎖状態からの全開放状態の移動軌跡が、垂直方向に沿って所定量だけ上動した後、水平方向に対する扉体の傾斜角が徐々に小さくなっていき、所定の傾斜角になったときに扉体を位置固定する軌跡であり、扉体の全開放状態からの全閉鎖状態の移動が、水平方向に対する扉体の傾斜角が徐々に大きくなっていき、傾斜角が垂直方向又は略垂直方向になった以降、垂直方向又は略垂直方向に沿って下動する軌跡であるように、扉体を移動させる扉体移動手段を有するので、堆積された土砂や流木などが閉鎖に悪影響を与えるおそれがが少なく、施工が容易な、しかも、開口部面積に比して小型である装置を提供できる。




 

 


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