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地下構造物の構築方法 - ナショナル住宅産業株式会社
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発明の名称 地下構造物の構築方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−323485(P2001−323485A)
公開日 平成13年11月22日(2001.11.22)
出願番号 特願2000−140995(P2000−140995)
出願日 平成12年5月12日(2000.5.12)
代理人 【識別番号】100073461
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 武彦
【テーマコード(参考)】
2D047
【Fターム(参考)】
2D047 AA01 AB06 
発明者 赤崎 盛久 / 荒木 信之
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】コンクリート周壁で囲まれた地下構造物を構築する方法であって、地盤面において、前記地下構造物のコンクリート周壁に対応する周枠状をなし下端にクサビ状の刃先を有する刃先部を配置し、刃先部の上方には、コンクリート周壁に対応する隙間をあけて対向して配置され、それぞれ複数枚の型枠パネルを連結して構成される内型枠および外型枠からなるコンクリート型枠を立設する工程(a) と、前記コンクリート型枠にコンクリートを打設しコンクリート周壁を構築する工程(b) と、構築されたコンクリート周壁からコンクリート型枠を撤去する工程(d) と、コンクリート周壁の内側空間で地盤を掘削し、刃先部およびコンクリート周壁を沈下させる工程(e) と、を含む地下構造物の構築方法。
【請求項2】前記工程(a) が、刃先部として、下端に刃先を有する刃先枠と、刃先枠とは別部材からなり、刃先枠の上方に着脱自在に連結され、コンクリート型枠の内型枠および外型枠がその上端に連結される立上枠とからなる刃先部を配置し、前記工程(d) が、コンクリート型枠とともに刃先部の立上枠を撤去する、請求項1に記載の地下構造物の構築方法。
【請求項3】前記工程(a) が、刃先部として、下端に刃先を有する刃先枠と、刃先枠の上方に一体成形され、コンクリート型枠の内型枠および外型枠がその上端に連結される立上枠とからなる刃先部を配置する請求項1に記載の地下構造物の構築方法。
【請求項4】前記工程(e) で、コンクリート周壁の外表面を、刃先部の外形よりも内側に配置しておく請求項1〜3の何れかに記載の地下構造物の構築方法。
【請求項5】前記工程(e) のあとで、コンクリート周壁の内側空間に床面を施工する工程(f) をさらに含む請求項1〜4の何れかに記載の地下構造物の構築方法。
【請求項6】前記工程(d) と工程(e) の間で、前記コンクリート周壁の外面に塗布防水層を施工する工程(d-e) をさらに含む請求項1〜5の何れかに記載の地下構造物の構築方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下構造物の構築方法に関し、詳しくは、地表で予め構築された地下構造物に対して、地下構造物の内側空間の地盤を掘削することで地下構造物を沈下させて地下の所定位置に配置する、いわゆる潜函工法とも呼ばれる方法を対象にしている。
【0002】
【従来の技術】一般住宅に地下室を設ける場合のように、比較的に小規模な地下構造物を構築するには、地盤を広い範囲で掘削して地下空間を作ってから地下空間の内部で構造物を構築する方法は採用し難い。これは、予め掘削した地下空間で構造物を構築するには、構築する地下構造物に対して充分に広い地下空間を掘り下げておく必要があるのに対し、隣接地との間に余裕のない一般住宅地では、そのような広い空間を確保することが困難である。
【0003】また、掘り下げた地下空間に構造物を構築するための作業設備などを運び込んだり、地下空間の壁面が崩れないように補強をしたり、地下構造物が構築されたあとで地下構造物の外側の地下空間を埋め戻すなど、作業の手間が非常に多くかかり、施工コストも増大する。上記のような問題を解消する方法として、潜函工法(ケーソン工法)が提案されいる。この方法は、地表で函状のコンクリート型枠を組み立て、その内部にコンクリートを打設したあと、コンクリート型枠の内部空間で地盤を掘削することで、打設されたコンクリートとともにコンクリート型枠を自重によって所定の深さ位置まで沈下させる。コンクリート型枠の構築およびコンクリートの打設を地表で実行できるため、作業性が良い。コンクリート型枠の外形よりも外側には広い空間を必要とせず、周囲の地盤に特別な土留対策を講じなくてもよいので、隣接地との余裕が少ない場合でも施工が可能になる。
【0004】上記潜函工法による地下構造物の構築技術の具体例は、特開平10−82061号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の潜函工法を用いた地下構造物の構築技術では、地下構造物を構成するコンクリートの周壁部分とその両側に配置された鋼板などからなるコンクリート型枠とが一体となって地下構造物の周壁を構成することになる。したがって、地下構造物を構築するごとに、新たなコンクリート型枠を用いる必要があり、コンクリート型枠の分だけ地下構造物の施工コストも増大する。なお、従来の潜函工法におけるコンクリート型枠は、その下端に地盤に食い込んで沈下させるための刃先構造が設けられているため、沈下工程を行う前にはコンクリート型枠を撤去することはできない。また、コンクリート型枠をコンクリート周壁とともに地盤内に沈下させてから、地盤内においてコンクリート型枠だけを撤去する作業は、極めて困難であり、実用的ではない。
【0006】本発明の課題は、前記した潜函工法による地下構造物の構築技術において、作業の能率化、および、施工コストの低減を図ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる地下構造物の構築方法は、コンクリート周壁で囲まれた地下構造物を構築する方法であって、地盤面において、地下構造物のコンクリート周壁に対応する周枠状をなし下端にクサビ状の刃先を有する刃先部を配置し、刃先部の上方には、コンクリート周壁に対応する隙間をあけて対向して配置され、それぞれ複数枚の型枠パネルを連結して構成される内型枠および外型枠からなるコンクリート型枠を立設する工程(a) と、コンクリート型枠にコンクリートを打設しコンクリート周壁を構築する工程(b) と、構築されたコンクリート周壁からコンクリート型枠を撤去する工程(d) と、コンクリート周壁の内側空間で地盤を掘削し、刃先部およびコンクリート周壁を沈下させる工程(e) とを含む。
【0008】〔地下構造物〕一般住宅用における地下室その他の地下構造物に適用できる。住宅の居室、収納スペース、娯楽室、機器設置空間、防災避難施設など、利用目的を合わせて、地下構造物の寸法形状や細部構造は変更される。住宅以外の各種建築物や土木施設における地下構造物にも適用できる。地下構造物には少なくともコンクリート周壁を備える。コンクリート周壁は、通常の建築構造物における周壁と同様の材料および構造を備えることができる。コンクリート周壁には必要に応じて鉄筋を配筋しておくことができる。コンクリート周壁の平面形状、矩形が一般的であるが、多角形のもの、円形などの曲線部分を有するものなどでもよい。
【0009】〔コンクリート型枠〕コンクリート周壁を構築するには、コンクリート型枠が使用される。コクリート型枠の基本的な構造は、通常の壁面構築用のコンクリート型枠と共通している。コンクリート型枠には、コンクリート周壁の内面と外面を規定する内型枠および外型枠を有する。内型枠と外型枠との間の空間にコンクリートを打設し硬化させることでコンクリート周壁が構築される。コンクリート周壁の全体あるいはコンクリート周壁の1面を、1枚の内型枠あるいは外型枠で構成することもできるし、内型枠および外型枠をそれぞれ、複数枚の型枠パネルを連結して構成することもできる。
【0010】型枠パネルは、鋼板や木質材料、合成樹脂材料などを用いて、所定の矩形状などに作製され、型枠パネル同士をボルトで締結するなどして、必要な面積および形状の内型枠および外型枠を構成する。コンクリート型枠の内部には、コンクリート周壁を補強するための鉄筋を配筋することができる。外型枠と内型枠との間隔を保持するセパレータや補強部材を配置しておくこともできる。配管や配線などの設備部材を設置しておくこともできる。
〔刃先部〕コンクリート周壁の平面形状に対応する周枠状をなしている。下端には、クサビ状の刃先を有する。刃先の形状は、地盤への沈下がスムーズに行えるものであれば良く、通常の潜函工法の場合と同様の構造が採用できる。
【0011】刃先の具体的形状として、先端が尖ったクサビ状のものが好ましい。断面三角形状で、外面側に垂直辺が内面側に斜辺が配置することができる。刃先部は、鋼板などの金属材料やセラミック材料で構成することができる。鋼板をプレス成形して刃先部の断面形状を形成することができる。刃先部とコンクリート型枠との連結は、ボルトなどの締結手段が採用できる。刃先部とコンクリート型枠とが着脱自在に連結されていれば、コンクリート周壁が構築されたあとで、コンクリート型枠だけを撤去することができる。刃先部の外形が、刃先部の上方に構築されるコンクリート周壁の外面よりも外側に張り出すようにしておくと、コンクリート周壁の沈下工程において、コンクリート周壁と地盤との接触あるいは摩擦抵抗を少なくして沈下をスムーズに行える。また、刃先部が地盤と接触しながら沈下することで、コンクリート周壁の沈下を刃先部が案内することになり、コンクリート周壁が大きく傾いたり偏ったりすることが防げる。
【0012】刃先部を、下端に刃先を有する刃先枠と、刃先枠とは別部材からなり、刃先枠の上方に着脱自在に連結され、コンクリート型枠の内型枠および外型枠がその上端に連結される立上枠とで構成できる。立上枠は、刃先枠とコンクリート型枠との形状寸法の違いを吸収して、刃先枠とコンクリート型枠とをスムーズに連結する。立上枠にはコンクリート型枠に対する連結手段を設けておく。コンクリート周壁からコンクリート型枠を撤去するときに、立上枠も撤去すれば、コンクリート周壁とともに地盤に埋設されるのは先端の刃先枠だけになり、立上枠は再利用することが可能になる。
【0013】立上枠と刃先枠とは、前記した鋼板などのプレス成形によって一体成形しておくこともできる。この場合は、立上枠と刃先枠との連結構造が不要になり、刃先部の構造が簡略化される。但し、コンクリート周壁とともに刃先部の全体が地盤に埋設されることになる。刃先部の構造として、上端が開口し刃先枠の先端付近まで連通する空間を備えておけば、コンクリート型枠に打設したコンクリートが刃先部の内部空間に充填される。その結果、比較的に薄い鋼板などで構成された刃先部であっても、コンクリートの充填によって補強され、充分な耐圧力や耐変形性を持たせることができる。
【0014】〔コンクリート型枠の立設〕地下構造物の施工現場で、地表の地盤面あるいは地表よりも少し掘り下げた地盤面にコンクリート型枠を設置する。コンクリート型枠を設置する前に、地盤面に刃先部を配置する。刃先部の刃先を地盤面に当接させる。沈下工程を行う前に刃先が地盤に食い込むのを防止するため、刃先あるいは刃先の周辺の刃先部に支持部材を配置しておくことができる。刃先部に、支持部材で支えるための段差部や支持部材の当接構造を備えておくことができる。
【0015】コンクリート型枠を構成する型枠パネルの下端に予め刃先部が取り付けられたものを用いることもできる。施工現場とは別の場所で、地下構造物の1面分あるいは一定面積分のコンクリート型枠および刃先部を組み立てておき、この組み立てられたコンクリート型枠を施工現場まで運搬して使用することもできる。コンクリート型枠には、鉄筋の配筋やセパレータの取り付けなど、通常のコンクリート壁面の施工と同様の部材を用いたり、同様の作業工程を実施することができる。コンクリート型枠の設置作業を容易にするために、足場を構築しておくことができる。
【0016】〔コンクリート周壁の構築〕コンクリート型枠にコンクリートを打設すれば、コンクリート型枠の内部形状に対応するコンクリート周壁が形成される。コンクリートが硬化するまで、所定の期間、養生を行うことができる。コンクリート型枠とともに刃先部の内部にもコンクリートを打設することができる。
〔コンクリート型枠の撤去〕コンクリート周壁が充分に硬化すれば、コンクリート型枠を撤去することができる。コンクリート型枠とともに刃先部の立上枠を撤去することもできる。
【0017】コンクリート型枠が撤去されたあとのコンクリート周壁に、地下構造物の施工や仕上げに必要な作業工程を施しておくことができる。地盤に沈下させた状態では困難であったり手間のかかる作業工程を実施しておくのが好ましい。コンクリート周壁の外面に防水処理を行うことができる。防水処理として、塗工防水剤を塗工して塗工防水層を形成しておくことができる。
〔コンクリート周壁の沈下〕コンクリート周壁の内側空間で地盤を掘削するには、コンクリート周壁の内側空間に、比較的小型のショベル車などの土木機械を搬入して掘削作業を行ってもよいし、コンクリート周壁の外側に、大型の土木機械を配置し、ショベル腕などの作業機構だけをコンクリート周壁の内側空間に挿入して掘削作業を行うこともできる。
【0018】地盤の掘削は、地盤と接触している刃先部の刃先よりも内側の領域で全周にわたって均等に地盤を掘削する。刃先部の刃先の近傍で地盤が掘削されれば、刃先に加わっている刃先部およびコンクリート周壁の自重によって、刃先が地盤に食い込み沈下していく。コンクリート周壁の全周における沈下量を監視しながら、地盤の掘削位置あるいは掘削量を調整するのが好ましい。刃先部およびコンクリート周壁の沈下は、刃先部およびコンクリート周壁の外面が外側に存在する地盤の内面との間で滑りながら進行する。このとき、刃先部の外形がコンクリート周壁の外面よりも外側に張り出していれば、刃先部の沈下によって堀り下げられた地盤の内面とコンクリート周壁との接触が少なくなったり摩擦抵抗が小さくなったりするので、刃先部とコンクリート周壁の沈下がスムーズに行われる。また、地盤に沿って移動する刃先部がコンクリート周壁の沈下を案内して、コンクリート周壁の傾きや偏りを防ぐ。
【0019】コンクリート周壁が所定の深さ位置まで沈下すれば、地盤の掘削による沈下作業は終了する。
〔地下構造物の仕上げ〕コンクリート周壁が所定の位置に配置されたあと、地下構造物の仕上げに必要な各種の作業工程が行われる。コンクリート周壁の内側空間に床面を施工することができる。床面の施工は、通常の地下構造物と同様の材料および施工方法が適用できる。例えば、栗石層と捨てコンクリート層と床コンクリート層とで床面を構成することができる。床面とコンクリート周壁との接合部に、水膨張型シール材などで防水処理を施しておくことができる。
【0020】地下構造物の上方には、通常の建築構造を構築することができる。
【0021】
〔発明の詳細な説明〕
【0022】
【発明の実施形態】図1〜図5は、地下構造物の構築方法を段階的に示している。
〔刃先部の設置〕図1に示すように、地表の地盤Eの上に、刃先部10を配置する。刃先部10は鋼板をプレス成形して作製されており、構築する地下構造物の外形状に沿って上端が開口した周枠状をなしている。刃先部10の断面形状において、下端にはクサビ状に尖った刃先枠12を有し、刃先枠12の外面側は垂直辺、内面側は傾斜辺になっており、傾斜辺よりも内側に平坦な水平辺を有する。刃先枠12の上部には、内外で対向する垂直辺で構成される立上枠14を有する。平坦な地盤Eの上に刃先部10を安定して配置させるために、刃先枠12の内側の水平辺の下方には、木材などからなる支持台30が配置されている。
【0023】〔コンクリート型枠の立設〕刃先部10の上方に、コンクリート型枠を構成する外型枠22と内型枠24とが立設される。外型枠22、内型枠24は、基本的には通常のコンクリート打設用の型枠と同様の材料および構造を有するものが用いられる。具体的には、鋼板などで構成された型枠パネルをボルトなどで連結して1面の型枠を構成する。外型枠22と内型枠24の間にコンクリートを打設する隙間が形成される。外型枠22と内型枠24の間には、両者の間隔を維持するためのセパレータや補強部材が配置されることがある。必要に応じて、補強用の鉄筋が配筋される。地下構造物の仕上げや使用に必要な構造や部材を予めコンクリート型枠に取り付けておくこともできる。
【0024】刃先部10とコンクリート型枠22、24とは、ボルトなどの取り外し可能な連結手段を用いて連結しておく。
〔コンクリートの打設〕図2に示すように、外型枠22および内型枠24で構成されるコンクリート型枠の内部に、コンクリート周壁を構築するためのコンクリートが打設される。コンクリート型枠の下部は、上端が開口した刃先部10で塞がれている。打設されたコンクリートの一部は刃先部10の内部にも充填される。打設したコンクリートが充分に硬化するまで、一定の期間、養生しておく。
【0025】〔コンクリート型枠の撤去〕図3に示すように、構築されたコンクリート周壁42から外型枠22および内型枠24を撤去する。刃先部10は残しておく。刃先部10の上部にコンクリート周壁42が一体的に接合された状態になる。コンクリート周壁42から撤去した外型枠22および内型枠24は再利用することができる。コンクリート周壁42の外表面に、塗工防水層22を形成する。塗工防水層22は、通常のコンクリート壁面に適用される塗工防水剤を用いる。
【0026】〔コンクリート周壁の沈下〕図4に示すように、コンクリート周壁42の内側空間で地盤Eを掘削する。刃先部10を支えていた支持台30は取り外しておく。地盤Eの掘削は、まず、コンクリート周壁42の外側の地表に配置された大型のショベル車(図示せず)で、コンクリート周壁42の内側空間のうちの中央部分の地盤Eを掘り下げる。つぎに、コンクリート周壁42の内部に小型のショベル車60を搬入して、周辺部分の刃先部10に近い地盤Eを取り除く。小型ショベル車60の代わりに手作業で掘削する場合もある。
【0027】刃先部10の近傍の地盤Eが掘削されると、刃先部10とその上に構築されたコンクリート周壁42とは、その自重によって沈下していく。刃先部10の下端に存在するクサビ状に尖った刃先枠12が地盤Eに食い込むようにして、全体の沈下を先導することになる。刃先部10の周辺で地盤Eを掘削する際には、コンクリート周壁42の全周において均等に土砂を取り除いて、コンクリート周壁42が傾いたり偏ったりせずに均等に沈下するように注意するのが好ましい。コンクリート周壁42が所定の深さまで沈下し、ショベル車60などを撤去すれば、地盤Eにコンクリート周壁42で構成される地下構造物が構築されたことになる。
【0028】〔地下構造物〕図5に示すように、地盤Eの地下にコンクリート周壁42が配置されたあとで、コンクリート周壁42の内側の底部に、地下構造物の底面を施工することができる。地下構造物の底面は、栗石層74と捨てコンクリート層72および床コンクリート層70とで構成されている。コンクリート周壁42の下端に存在する刃先部10は、地下構造物の底面部分に埋め込まれたままにしておけばよい。地下構造物の底面には、必要に応じて、地下水の浸入を阻止する構造を設けたり、排水設備を設けたりすることができる。コンクリート周壁42の外表面には塗工防水層50が配置されているので、地下構造物の内部への浸水は確実に阻止することができる。
【0029】コンクリート周壁42の上方には、通常の建築物と同様にして地上部分の壁面構造や床構造その他の上部構造が構築される。
〔刃先部の詳細構造:沈下前〕図6は、刃先部とその周辺部分の詳細構造を示しており、前記図2の工程段階における状態を示している。刃先部10の刃先枠12は、断面三角形のクサビ部12aと、クサビ部12aの内側(コンクリート周壁の内部側)に配置された平坦面を有する段差部12bとを備えている。段差部12bの下に支持台30を配置することで、刃先部10を安定に支持しておける。
【0030】刃先枠12とその上方の立上枠14とは、上下に嵌合自在に組み合わせられており、ボルトなどで着脱自在に締結されている。立上枠14の下方は刃先枠12の幅と同じ幅で垂直に延びている。立上枠14の上方では、内側部分に張り出す段差部14aを有する。段差部14aの下方と地盤Eとの間にジャッキ36を配置することで、刃先部10とその上方のコンクリート型枠22、24および打設されたコンクリート40を安定して支持することができる。ジャッキ36と支持台30の下面と地盤Eとの間には皿板32を配置して、地盤Eにめり込まないようにしている。
【0031】立上枠14の上方で外側部分は、少し内側に凹んだ凹入部14bを有する。凹入部14bの内面位置と立上枠14の下方側の内面位置との間には段差Wが設けられている。立上枠14の上部には、内側および外側の端部にそれぞれ内型枠24、外型枠22が連結される。コンクリート型枠22、24および立上枠14の内側空間には、Pコーン27とセパレータ28を取り付けて両側の部材間の間隔を保持したり、鉄筋26を配置したりしている。
【0032】コンクリート型枠22、24の内側にコンクリート40を打設すると、コンクリート型枠22、24の下端から刃先部10の内部までコンクリート40が充填される。
〔刃先部の詳細構造:沈下後〕図7は、地下構造物が構築された段階での刃先部10の近傍部分の構造を表している。前記図5の段階に相当する。刃先部10のうち立上枠14は、コンクリート型枠22、24とともに撤去しており、刃先枠12だけが残っている。刃先枠12の段差部12bの下には、栗石層74を施工する前に支持台38を配置しておき、刃先枠12とその上部構造を安定して支持できるようにしている。支持台38の下には地盤Eに埋め込んだ状態で、より大きな支持台34を配置している。その結果、地下構造物の自重あるいはその上に構築される建築物の自重によって刃先枠12がさらに地盤Eに食い込むことが防止される。
【0033】刃先枠12の上方に配置されるコンクリート周壁42のうち、立上枠14の内部で形付けられた部分と、それよりも上方で外型枠22で形付けられた部分との間には、立上枠14の外形に対応する段差Wが形成されている。このような段差Wを設けておくことで、コンクリート周壁42を地盤E内に沈下させる際には、立上枠14に対応する部分だけが地盤Eと接触し、上方のコンクリート周壁42の全体は地盤Eと接触し難くなる。その結果、コンクリート周壁42の沈下中に加わる地盤Eの抵抗力が軽減され、コンクリート周壁42の沈下がスムーズかつ迅速に行われることになる。また、コンクリート周壁42の外表面に形成された塗工防水層50が地盤Eとの摩擦抵抗で剥がれてしまうことも防止できる。
【0034】コンクリート周壁42のうち、立上枠14の段差部14aで形付けられた段差部42aは、床コンクリート層70とL字形に噛み合わされた構造になっているので両者の一体性が高まる。コンクリート周壁42に埋め込まれた鉄筋26は、床コンクリート層70に埋め込まれた鉄筋26と連結されて、両者の結合強化を図っている。さらに、コンクリート周壁42と床コンクリート層70との接合面には水膨張型シール材76を配置しており、両者の隙間における遮水性を高めている。立上枠14やコンクリート型枠22、24の内部に装着されていたPコン227やセパレータ28のうち、コンクリート周壁42の構築後に除去可能な部分や不必要な部分は除去しておく。除去したあとに残る穴はセメントやコンクリートで埋めておくことができる。これらのコンクリート周壁42の施工が完了したあとで塗工防水層50を施工する。
【0035】コンクリート周壁42と周囲の地盤Eとの間に隙間があいている場合には、土砂を埋め戻したり、コンクリートを流し込んだりして、隙間を埋めておくことができる。
【0036】
【発明の効果】この発明にかかる地下構造物の構築方法は、地盤面でコンクリート型枠にコンクリートを打設してコンクリート周壁を構築したあと、コンクリート周壁からコンクリート型枠を撤去した状態で、コンクリート周壁の内側空間における地盤の掘削を行ってコンクリート周壁を沈下させる。コンクリート型枠が存在しない状態のコンクリート周壁を沈下させるので、コンクリート周壁の取り扱いが容易である。沈下が終わってから地下でコンクリート型枠を外す面倒な作業も要らない。コンクリート周壁の外側にコンクリート型枠が存在しない分だけ、地下構造物の占有面積が狭くなり、隣接する建物などへの影響も少なくできる。地表でコンクリート周壁から取り外したコンクリート型枠は、次の施工現場へと容易に搬送して、直ちに再使用することができる。




 

 


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