Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
建築物の制震構造 - 住友金属工業株式会社
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 固定構造物 -> 住友金属工業株式会社

発明の名称 建築物の制震構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−200656(P2001−200656A)
公開日 平成13年7月27日(2001.7.27)
出願番号 特願2000−10964(P2000−10964)
出願日 平成12年1月19日(2000.1.19)
代理人 【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
【テーマコード(参考)】
3J048
3J066
【Fターム(参考)】
3J048 AC06 BD05 EA38 
3J066 BA04 BB04 BC01 BD10 BF01 BG02
発明者 北濱 雅司 / 久保田 一男 / 鈴木 和夫 / 一色 太
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 複数の柱及び梁で構成した主要構造物又は耐力壁からなる主要構造物を、支持ブロックを介して基礎構造物に設置する建築物であって、前記支持ブロックに、主要構造物の水平移動を可能にしつつ鉛直荷重を基礎構造物に伝える支持部と、加わる水平力が一定値以下であれば弾性変形して主要構造物の水平移動を抑え、加わる水平力が一定値を超えると塑性変形して主要構造物の水平移動を許容する変形部とを備えたことを特徴とする建築物の制震構造。
【請求項2】 前記水平力の作用方向に平行な平行スリットと、水平力の作用方向に直交する直交スリットとの少なくとも一方を、前記変形部に備えたことを特徴とする請求項1記載の建築物の制震構造。
【請求項3】 前記変形部を、建築構造用圧延鋼材よりも低降伏点の低降伏点鋼若しくは超低降伏点鋼で構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の建築物の制震構造。
【請求項4】 前記基礎構造物と支持ブロックとの間を、すべり支承構造にしたことを特徴とする請求項1記載の建築物の制震構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築構造物の制震構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築構造物(建築物)は、耐震設計法に基づいて設計されてきた。耐震設計とは、頻繁に発生する中地震に対しては構造の各部は弾性的に対応させ、数十年に一度の大地震に対しては、構造物の塑性変形させることで対応させる設計法である。この様な耐震設計に基づく建築物は、大地震に見舞われると構造のかなりの部分が塑性変形するため、その修復に莫大な費用がかかり、変形の程度や発生部位によっては、継続使用が困難になることがある。
【0003】この様な課題を解決するために、例えば■特許第2516575号公報「フレーム組み込み型制震装置」や、■特公平2−62670号公報「構造物の免震装置」が提案されている。上記■の制震装置は、同公報の第2頁右欄第4行〜第7行の記載「本発明は、構造物(1)に生じる揺れが小さな内は、粘弾性ダンパ(6)が作用して揺れを吸収し、揺れが大きくなると弾塑性ダンパ(7)も作用して揺れを吸収するように作用する。」で説明される粘弾性ダンパ(6)並びに弾塑性ダンパ(7)を、同公報の第1図に示されるごとく壁(5)と梁(3,3)との間に配置したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記■の制震装置は、梁と柱とで囲った構造物の内部に粘弾性ダンパ(6)並びに弾塑性ダンパ(7)を配置したものであるが、同公報の第1図〜第5図では、壁(5)が粘弾性ダンパ(6)並びに弾塑性ダンパ(7)を介して梁(3,3)に連結されているため、壁(5)が構造物の剛性メンバーにはなっていない。すなわち、■の制震装置は、梁柱構造物には適用できるが、耐力壁パネルには適用することはできず、用途が限定される。
【0005】また、上記■の免震装置は、その公報の第1図に示される通り、地盤側基礎Aに積層ゴム支承1を載せ、積層ゴム支承1に建物基礎Bを載せ、且つこの建物基礎Bをヒステレテイツクダンパ2で地盤側基礎Aに繋ぎ、ヒステレテイツクダンパ2の円板部分を塑性変形させることで、免震を図るというものである。この様な■の免震装置は、基本的に積層ゴム支承1を介して建物基礎Bを支えているため、地震による水平力を受けると、長時間揺れが収らぬことになる。ゴムは剛性が低いからである。また、ゴムは天然ゴム、合成ゴムを問わずに時間と共に劣化するため、寿命は短く、地震の影響を受けるか否かに関係なく、定期的に交換しなければならず、そのための維持費が嵩む。
【0006】そこで、本発明の目的は、梁柱構造と耐力壁パネル構造の何れにも適用することができ、且つ寿命の短いゴム系振動吸収材を使用せずに済む制震構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために請求項1は、複数の柱及び梁で構成した主要構造物又は耐力壁からなる主要構造物を、支持ブロックを介して基礎構造物に設置する建築物であって、前記支持ブロックに、主要構造物の水平移動を可能にしつつ鉛直荷重を基礎構造物に伝える支持部と、加わる水平力が一定値以下であれば弾性変形して主要構造物の水平移動を抑え、加わる水平力が一定値を超えると塑性変形して主要構造物の水平移動を許容する変形部とを備えたことを特徴とする。
【0008】地震により、大きな水平力が建築物に作用したときには、変形部を塑性変形させる。変形部が塑性変形を開始した時点で主要構造物に作用する水平力(水平反力)の増加が収る。従って、主要構造物は地震の大小に関係なく、弾性領域でのみ変形し、塑性変形や破壊に至る心配はない。なお、この間、主要構造物の鉛直荷重は支持部で支持させる。
【0009】請求項2は、水平力の作用方向に平行な平行スリットと、水平力の作用方向に直交する直交スリットとの少なくとも一方を、変形部に備えたことを特徴とする。スリットを開けることで変形部の剛性を調整することができるとともに、支持ブロックの軽量化を図ることができる。
【0010】請求項3は、変形部を、建築構造用圧延鋼材よりも低降伏点の低降伏点鋼若しくは超低降伏点鋼で構成したことを特徴とする。低降伏点鋼若しくは超低降伏点鋼を採用することで、主要構造物に先立って変形部を簡単に塑性変形させることができる。
【0011】請求項4は、基礎構造物と支持ブロックとの間を、すべり支承構造にしたことを特徴とする。基礎構造物にすべり支承構造にて支持ブロックを支承させ、この支持ブロックに主要構造物を載せることで、地震の際に主要構造物を円滑に水平移動させる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。図1は本発明に係る建築物の原理図であり、この建築物10は、下位の基礎構造物11に、複数個(この例では2個)の支持ブロック20,20を介して上位の主要構造物40を支持させる様にしたものであり、この構造単位をGaとする。ここで、主要構造物40は耐力壁パネルである。
【0013】この主要構造物40の上に、上位の主要構造物40Bを載せる場合には、下位の主要構造物40が基礎構造物(11)となり、この基礎構造物(11)に支持ブロック20,20を介して上位の主要構造物40Bを支える様にする。この構造単位をGbとする。従って、構造単位Gaに構造単位Gbを重ねることにより、高層建築物を構成することができる。
【0014】図2は本発明に係る支持ブロック(第1実施例)の分解斜視図であり、支持ブロック20は、基礎構造物11側にボルト21で取付ける変形部30と、この変形部30の周縁から立上げるコ字形状の支持部23と、この支持部23の上を塞ぐ上板24とからなる箱である。25は座金、26はナット、27はボルトである。
【0015】図3は本発明に係る支持ブロック(第1実施例)の取付図であり、基礎構造物11に支持ブロック20を載せ、座金25及びナット26で基礎構造物11側のボルト21に固定する。そして、この支持ブロック20に主要構造物40を載せ、ボルト27で上板24と結合する。
【0016】図4は図3の4−4線断面図であり、水平力が白抜き矢印の通りに作用するとすれば、この矢印に直交する様に開けた大スリット31,31を備え、結果としてボルト21を取付ける部分が細長いブリッジ部32となり、このブリッジ部32にも小スリット33,33を開けたところの変形部30を示す。この様に大小のスリット31,31,33,33は、プレス機で簡単に打ち抜くことができるので、その製造コストは嵩まない。ただし、スリット31,31,33,33をガス切断機で開けることは差支えない。
【0017】コ字断面の支持部23は鋼板をプレス曲げしたもの、市販のチャンネル、角パイプ、丸パイプを所定長さに切断したもの、平行に立てた2枚の板であってもよく、要は図3に示す通り、底の変形部30に対して上板24を平行に支える部材であれば、形状、種類は問わない。
【0018】ところで、変形部30に大小のスリット31,31,33,33を開けたのは、剛性を下げる、具体的にはブリッジ部32を容易に塑性変形させることを目的としたものである。この結果、後述の図7に示す通り、ブリッジ部32は塑性変形するが、塑性変形させる上では、次の表1で示す建築構造用圧延鋼材(JISG 3136)、低降伏点鋼又は極低降伏点鋼で構成することが望ましい。
【0019】
【表1】

【0020】実施例1の建築構造用圧延鋼材は、SN400B(JIS G 3136)であり、C(炭素)の含有量を0.2重量%以下とし、降伏点又は0.2%耐力が235〜355N/mm2である鋼材である。実施例2の低降伏点鋼は、C(炭素)の含有量を0.1重量%以下とした低炭素鋼材であり、降伏点又は0.2%耐力は205〜245N/mm2である鋼材である。実施例3の極低降伏点鋼は、C(炭素)の含有量を0.02重量%以下とした極低炭素鋼材であり、降伏点又は0.2%耐力は80〜120N/mm2である鋼材である。
【0021】図5は建築構造用圧延鋼材、低降伏点鋼、極低降伏点鋼の降伏点又は0.2%耐力を示すグラフであり、表1の降伏点又は0.2%耐力の数値をグラフにしたものである。実施例1(建築構造用圧延鋼材SN400B)に比べて、実施例2(低降伏点鋼)の降伏点は下り、実施例3(極低降伏点鋼)の降伏点は大幅に小さいことがわかる。降伏点を超えると部材は塑性変形するため、実施例2は実施例1より小さな剪断応力で塑性変形し、実施例3は実施例2より小さな剪断応力で塑性変形することになる。地震エネルギーを塑性変形で吸収させることができるので、エネルギー吸収性能は実施例3が最高で、以下、実施例2、実施例1と続く。そこで、変形部30は、低降伏点鋼又は極低降伏点鋼が望ましく、極低降伏点鋼が最良であると言える。
【0022】図6は本発明に係る建築物の作用図であり、地震に伴なって、白抜き矢印の様な水平力が主要構造物40に作用すると、主要構造物40を支えている左右の支持ブロック20,20にも水平力が作用する。図7は図6の7−7線断面図であり、支持ブロック20に過大な外力が作用し、それの変形部30に一定以上(弾性限度以上)の外力が作用すると、ブリッジ部32がくの字に塑性変形する。この結果、コ字状の支持部23は図右へδだけ移動する。図6に戻って、左右の支持ブロック20,20がδ,δだけ右へ移動する。主要構造物40はδだけ移動した上に、さらにΔだけ変形する。
【0023】ここで重要なことは、基礎構造物11−変形部30−支持部23−主要構造物40の順で、4つの要素が直列に繋がっており、変形部30に発生する水平反力と同じ大きさの水平力(剪断力)が主要構造物40に作用するということである。例えば、変形部30がゴムの様に軟らかくて発生する水平反力が小さければ、主要構造物40に加わる水平力は同様に小さくなり、それのたわみΔは小さくなる。このことを次図で説明する。
【0024】図8(a)〜(c)は変形部材並びに主要構造物に作用する水平力とたわみの関係を示すグラフである。(a)は主要構造物における水平力とたわみの関係を示し、降伏荷重Pfまでは水平力に比例してたわみΔが発生することを示す。(b)は変形部における水平力とたわみの関係を示し、降伏荷重Pdまでは水平力に比例してたわみδが発生するが、これを超えると塑性変形領域となり、たわみは増加するが、応力は横這いになるため、グラフが水平になる。
【0025】変形部を低降伏点鋼若しくは極低降伏点鋼で構成すれば、Pd<Pfの関係を容易に保つことができ、このPd<Pfが本発明の前提となる。(b)及び(a)に書き加えた矢印■,■,■に示すごとく、(a)では縦軸の(Pd)に対応して、たわみΔ1が発生するが、水平反力はこれ以上増加しない。そこで、(a)でのグラフはPd以上を細線で示した。
【0026】(c)は変形部と主要構造物とを組み合わせてなる建築物(図1の構造単位Gaに相当)の水平力とたわみの関係を示し、(a)のグラフと(b)のグラフを合成したものに相当する。すなわち、水平力Pdまではたわみ(Δ+δ)は比例的に増加するが、Pdで水平力(正しくは水平反力)が頭打ちとなりたわみのみが増加する。
【0027】この説明から明らかなごとく、(a)の主要構造物は弾性変形領域での変形にとどまり、塑性変形ないしは破損に至らないことになる。すなわち、本発明の制震装置を採用すれば、仮に大地震に遭遇しても、支持ブロックの変形部のみが大きく変形するが、支持ブロックの支持部は変形せずに主要構造物を支え、且つ主要構造物も破損しない。支持ブロックのみを交換するだけで復旧が可能となり、大地震による被害を最小限度に留めることができる。
【0028】ところで、本発明では変形部の剛性を厳密に管理する必要がある。変形部を孔(スリット)なしの平板で構成した場合には、平板の剛性は板厚、板幅などによって決まるが、板幅は主要構造物の壁厚により制限され、板厚は市販品を採用するならば細かな寸法を指定することはできない。この点、水平力の作用方向に平行若しくは直交するスリットを開ければ、剛性を自由に調節することができ、製造コストもそれほど嵩まない。各種のスリットを設けた変形部の例を次に説明する。
【0029】図9(a)〜(e)は図4の変更例図である。(a)は、変形部30に比較的幅の広いブリッジ部32を残すように、左右2個の大スリット31,31を開け、且つブリッジ部32に合計6個の小スリット33・・・・・・は複数個を示す。以下同様。)を開けたものである。図左から右へ水平力が作用するので、大スリット31と小スリット33はともに水平力に直交する直交スリットである。
【0030】(b)は、小スリット33・・・を菱形開口にしたものである。(c)は、小スリット33・・・をく字状の開口にしたものである。(d)は、X字状のブリッジ部32を残すために、4個の三角形スリット34・・を開口したものである。
【0031】(e)は、H形状のブリッジ部32を残すために、左右の大スリット31,31(水平力に直交する直交スリット)及び上下の大スリット35,35(水平力に平行な平行スリット)を開け、且つブリッジ部32にも水平力に直交する小スリット33・・・及び水平力に平行な小スリット36・・・を開けたことを特徴とする。以上に述べた(c)、(d)及び(e)は図面左から右(又は右から左)への外力の他、図面上から下(又は下から上)への外力を受けたときにも変形し得る。すなわち、(c)、(d)及び(e)は二方向の地震揺れに対応し得る構造であると言える。
【0032】なお、スリット31,33,35,36はプレス機に取付けたパンチで打ち抜き形成できるため、加工コストを抑えることができる。ただし、ガス切断機でスリット31,33,35,36を開けることは差支えない。
【0033】図10は本発明に係る支持ブロック(第2実施例)の分解斜視図であり、図2の上板をも変形部にした変更例を示す。すなわち、この支持ブロック20B(第1実施例と区別するために必要に応じて英文字を添える。以下同様。)は、基礎構造物11側にボルト21で取付ける下部変形部30と、この変形部30の周縁から立上げるコ字形状の支持部23と、この支持部23の上に取付ける上部変形部30とからなる。25は座金、26はナット、27はボルトである。
【0034】この例では1個の支持部23に上下2個の変形部30,30を設けたので、変形量を2倍まで増やすことができる。なお、下部変形部30を非変形部材(単なる底板)に変更することもできる。従って、1個の支持部23の上にのみ変形部30を設ける(図2参照)、上下に変形部30,30を設ける(図10参照)、下のみに変形部を設けることの何れであってもよい。
【0035】図11は本発明に係る支持ブロック(第3実施例)の分解斜視図であり、この支持ブロック20Cは、基礎構造物11に載せ、ボルト21、座金25及びナット26で固定する底板51と、白抜き矢印の通りに作用する水平力に平行に配置する変形部52と、この変形部52に添える4枚の支持部53と、上板54とからなり、これらを溶接で一体化したブロックである。このブロックは、H形鋼にフランジの倒れを防止するスティフナを設けたものとほぼ同形となり、スティフナが支持部53、ウェブが変形部52に相当する。
【0036】図12(a),(b)は支持ブロック(第3実施例)の作用説明図である。(a)は、支持ブロック20Cの底板51をボルト21、座金25及びナット26で基礎構造物11に固定し、支持ブロック20Cの上板54に主要構造物40を載せ、ボルト27で固定した組立姿を示す。(b)において、白抜き矢印の通りに大きな水平力が作用したとすると、変形部52が塑性変形し、基礎構造物11に対して主要構造物40がδだけ右に移動する。これで主要構造物40の損傷を回避することができる。支持部53,53は若干倒れる(図面では強調して描いたが、弾性限度内の変形に留る。)が主要構造物40を支える役割は果たす。
【0037】前記変形部52は、支持部53に先立って塑性変形させる必要があるので、上述した低降伏点鋼若しくは極低降伏点鋼で構成することが望ましい。
【0038】図13は本発明に係る支持ブロック(第4実施例)の分解斜視図であり、共通部分は図11の符号を流用して詳細な説明は省略するが、この支持ブロック20Dは、変形部52に縦長スリット55・・・を開けたことを特徴とする。変形部52の剛性を厳密に管理する必要がある。剛性は一般に板厚、高さ、長さなどで決まる。そのうちで高さは建築物に与える寸法的影響が大きいことから自由に変更することはできず、板厚は市販品を使用する場合には細かく寸法を変更することはできない。この様な制約はスリット55を設けることで解消することができ、このスリット55の長径、短径、開口面積、数を変更することで、剛性を自由に調節することができる。従って、スリット55の長径、短径、開口面積、数は必要に応じて決めればよく、図示はしないが横長のスリットであっても差支えない。加えて、変形部材52の軽量化を図ることもできる。
【0039】なお、スリット55・・・はプレス機に取付けたパンチで打ち抜き形成できるため、加工コストを抑えることができる。ただし、ガス切断機でスリット55・・・を開けることは差支えない。
【0040】図14は図3の変更実施例を示す図であり、基礎構造物11にレール板57を載せ、このレール板57に摩擦係数の小さな樹脂シート58を敷き、その上に変形部30、支持部23及び上板24からなる支持ブロック20を載せ、この支持ブロック20に主要構造物40を載せたものであり、地震の際、レール板57上を支持部23が滑るため、主要構造物40は円滑に横移動させることができる。
【0041】この移動を促すには、摩擦係数を小さくすればよく、樹脂シート58は低摩擦材(例えば四フッ化エチレン板)で構成する。さらには、レール板57の上面及び支持部23の下面を平滑に仕上げること並びに錆びにくいステンレス鋼とすることが望ましい。すなわち、この実施例は、支持部23と基礎構造物(レール板57)との間を「すべり支承構造」にした例である。
【0042】図15は図1の変更実施例図であり、主要構造物40が、下梁41、柱42,42、上梁43からなる梁柱構造物であることを特徴とする。その他の符号は図1のものを流用する。すなわち、建築物10は、下位の基礎構造物11に、支持ブロック20,20を介して主要構造物40を支える様にした構造物を1つの構造単位としたものであり、この構造単位をGaとする。
【0043】この主要構造物40の上に、上位の主要構造物40Bを載せる場合には、下位の主要構造物40が基礎構造物(11)となり、この基礎構造物(11)に支持ブロック20,20を介して上位の主要構造物40を支える様にした構造物を1つの構造単位とし、この構造単位をGbとする。従って、構造単位Gaに構造単位Gbを重ねることにより、高層建築物を構成することができる。
【0044】以上に述べた通り本発明は、梁柱構造と耐力壁パネル構造の何れにも適用することができる。そして、寿命の短いゴム系振動吸収材を使用せずに、鋼材で支持部並びに変形部を構成したので、揺れ時間を短縮することができる。
【0045】尚、実施例では主要構造物40を支える支持ブロック20の数を2個としたが、主要構造物40の大きさ、長さに応じて決めればよく、個数は自由に決定して差支えない。
【0046】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮する。請求項1では、地震により、大きな水平力が建築物に作用したときには、変形部を塑性変形させる。変形部が塑性変形を開始した時点で主要構造物に作用する水平力(水平反力)の増加が収る。従って、主要構造物は地震の大小に関係なく、弾性領域でのみ変形し、塑性変形や破壊に至る心配はない。なお、この間、主要構造物の鉛直荷重は支持部で支持させる。従って、請求項1によれば寿命の短いゴム系振動吸収材を使用せずに、鋼材で支持部並びに変形部を構成したので、揺れ時間を短縮することができるとともに、この制震構造を梁柱構造のみならず耐力壁パネル構造にも適用できるため、用途が限定されず、使い勝手が良くなる。
【0047】請求項2は、水平力の作用方向に平行な平行スリットと、水平力の作用方向に直交する直交スリットとの少なくとも一方を、変形部に備えたことを特徴とし、スリットを開けることで変形部の剛性を調整することができるとともに、支持ブロックの軽量化を図ることができる。従って、設計が容易で、軽くてコンパクトな制震構造を提供することができる。
【0048】請求項3は、変形部を、建築構造用圧延鋼材よりも低降伏点の低降伏点鋼若しくは超低降伏点鋼で構成したことを特徴とし、低降伏点鋼若しくは超低降伏点鋼を採用することで、主要構造物に先立って変形部を簡単に塑性変形させることができるので、主要構造物の損傷を有効に防ぐことができる。
【0049】請求項4は、基礎構造物にすべり支承構造にて支持ブロックを支承させ、この支持ブロックに主要構造物を載せることで、地震の際に主要構造物を円滑に水平移動させる。従って、主要構造物が損傷する心配はない。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013