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発明の名称 壁面仕上げ方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−193260(P2001−193260A)
公開日 平成13年7月17日(2001.7.17)
出願番号 特願2000−5302(P2000−5302)
出願日 平成12年1月5日(2000.1.5)
代理人 【識別番号】100073461
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 武彦
【テーマコード(参考)】
2E110
【Fターム(参考)】
2E110 AA26 AA42 AB04 AB15 AB22 BA12 CA04 DA03 DA12 DC21 DC36 DD15 GA24W GA33W GA33Y GB26W GB32W GB62Y 
発明者 吉田 繁夫 / 北川 聡 / 鳥居 昌良 / 中塚 英和
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】建築物の壁面にセラミック板を貼り付けて仕上げる壁面仕上げ方法であって、前記壁面のうち平面L字形の屈曲部を有する領域に前記セラミック板を貼り付ける際に、前記屈曲部の内周角部と外周角部との距離Aと予め設定された基準値Xとを比較し、A≧Xであれば下記の切欠工程(a) 、A<Xであれば下記の分割工程(b)を選択して実行する壁面仕上げ方法。
切欠工程(a) :予め矩形板状に製造されたセラミック板の原板を切り欠き、平面L字形の屈曲部を有する切り欠き板を作製して前記屈曲領域に貼り付ける。
分割工程(b) :前記屈曲領域を屈曲部を有しない複数の区画に分割し、各区画毎に分割されたセラミック板を貼り付ける。
【請求項2】前記基準値Xが、距離Aの異なる複数の切り欠き板を準備する工程と、各切り欠き板の単体での破壊荷重を測定する工程と、壁面に設計荷重が負荷されても切り欠き板が破壊されない距離Aを推定して基準値Xとする工程とを経て決定される請求項1に記載の壁面仕上げ方法。
【請求項3】前記セラミック板が、厚み10mmの発泡ガラスセラミック板であり、前記基準値Xが、40cmである請求項1に記載の壁面仕上げ方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁面仕上げ方法に関し、建築物の外壁などに、大型のタイル状をなすセラミック板を敷き詰めて仕上げる方法を対象にしている。
【0002】
【従来の技術】一般住宅などの建築物の外壁を、比較的大型のタイル状をなすセラミック外装板で仕上げる技術が知られている。
【0003】セラミック外装板を用いた壁面仕上げ構造は、耐候性に優れており、傷や汚れが付き難く、汚れの洗浄も容易であるなどの利点を有している。セラミック外装板で壁面を仕上げるには、コンクリートや鉄骨あるいは木材からなる壁駆体の表面に、合板や石膏ボードなどからなる下地パネルを敷き詰めて貼り付けた上に、接着剤を用いてセラミック外装板を接合する方法が採用されている。
【0004】セラミック外装板は、数10cm程度の一定寸法を有する矩形状をなし、この矩形状のセラミック外装板を上下左右に格子状に並べたり千鳥状に並べたりして施工する。
【0005】壁面に窓やドアなどの開口部が配置されている場合、セラミック外装板は開口部を避けて貼り付けられる。開口部の周辺では、規格寸法に作製されたセラミック外装板を、貼り付ける領域の寸法に合わせて短く切断したり一部を切り欠いたりする必要が生じる。開口部の角部では、矩形状のセラミック外装板の一部を小さな矩形状に切り欠いて、全体がL字形に屈曲した形状にすることが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】セラミック外装板の一部を切り欠くと、その部分の強度が低下して、負荷がかかったときに割れたりヒビが入ったりし易くなる。
【0007】特に、前記したL字形の屈曲部分では、屈曲の内側になる隅部分に応力集中が発生し易く、この部分から割れやヒビが発生し易い。L字形の屈曲形状を、複数の矩形状に分割して、分割された小さな矩形状のセラミック外装板を作製し、この分割板を組み合わせてL字形の屈曲形状を構成すれば、局部的な強度の低下は生じ難い。しかし、この場合には、複数の分割片を作製して別々に貼り付けるという手間がかかる。外観的には、そこの部分だけ他の場所に比べて小さな矩形状が配置されることになるので、バランスが良くない。
【0008】そこで、実用的な強度あるいは耐久性に問題がない範囲では、前記したL字形の屈曲形状を有するセラミック外装板を使用し、強度や耐久性に問題が生じる可能性が高い個所では、前記した分割矩形状のセラミック外装板を使用することが考えられる。
【0009】しかし、建築現場で施工作業者がセラミック外装板を寸法取りする際にいちいち、セラミック外装板の外形状をもとに強度計算を行って、L字形の屈曲形状と分割矩形状の何れが好ましいのかを判断するのは、極めて煩雑で手間のかかる作業になる。
【0010】なお、建築物の設計の段階で、上記のような強度計算を含めたセラミック外装板の配置パターンを設計しておいても、実際の施工現場では、開口部の配置やセラミック外装板の貼り付け位置がずれることは避けられない。そのため、壁面に順次貼り付けられるセラミック外装板は、開口部の周辺で設計通りの寸法に収まらない場合も多い。
【0011】本発明の課題は、前記したセラミック外装板による壁面の仕上げ構造において、セラミック外装板の配置を簡単かつ適切に判断して迅速に施工できるようにすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の壁面仕上げ方法は、建築物の壁面にセラミック板を貼り付けて仕上げる壁面仕上げ方法であって、壁面のうち平面L字形の屈曲部を有する領域にセラミック板を貼り付ける際に、屈曲部の内周角部と外周角部との距離Aと予め設定された基準値Xとを比較し、A≧Xであれば下記の切欠工程(a) 、A<Xであれば下記の分割工程(b) を選択して実行する。
【0013】切欠工程(a) :予め矩形板状に製造されたセラミック板の原板を切り欠き、平面L字形の屈曲部を有する切り欠き板を作製して前記屈曲領域に貼り付ける。
分割工程(b) :前記屈曲領域を屈曲部を有しない複数の区画に分割し、各区画毎に分割されたセラミック板を貼り付ける。
【0014】〔壁面〕通常の一般住宅あるいは集合住宅などの建築物と同様の壁面に適用される。コンクリート構造、鉄骨構造、木質構造、これらの組み合わせ構造の何れでもよい。壁面は、外壁面であってもよいし、室内側の内壁面であってもよい。
【0015】壁面は、コンクリート構造などの壁駆体に、下地パネルを貼り付けたものであってもよい。下地パネルは、通常の壁面施工と同様のものが用いられ、合板、石膏ボード、繊維ボードなどを例示することができる。
【0016】〔セラミック板〕通常の壁面仕上げに利用されているセラミック板と同様のものが用いられる。セラミック板は、ガラスなどのセラミック材料を粉体や造粒粉体あるいはスラリー状にして板状に成形したあと焼成することによって製造される。
【0017】セラミック材料として発泡性の材料を使用すれば、発泡セラミックからなるセラミック板が得られる。セラミック板として、材料の異なる層が積層されたものを用いることもできる。例えば、強度などの基本的な特性を発揮する本体層と、表面の質感や特性を発揮する化粧層とが積層されたセラミック板が使用できる。セラミック板の表面に模様状に別の材料を埋め込んだものもある。
【0018】セラミック板は通常、一定の規格寸法を有する矩形の板状をなしている。予め、建築物の構造に合わせて、L字形やコ字形に製造されたものや、円弧状の外形を有するものなども使用できる。建築物の角部などでは、断面がL字形や円弧状になった立体形状のセラミック板が使用される場合もある。
【0019】本発明の壁面仕上げ方法は、比較的に大型のセラミック板に適用するのが好ましい。具体的には、セラミック板の差し渡し径のうち最も大きな方向の外径すなわち最大外径が300mm以上のものに適用するのが好ましい。矩形板状のセラミック板の場合、縦横何れもが300mm以上の長さを有するものに適用するのが好ましい。
【0020】セラミック板の厚みは、使用する材料や必要な強度特性などによって異なるが、通常は4〜50mmの範囲に設定され、好ましくは7〜20mm程度のものが用いられる。
【0021】〔セラミック板の貼り付け施工〕セラミック板は、壁駆体あるいは下地パネルの表面に対して接着剤を用いて貼り付けられる。接着剤としては、通常の建築用の接着剤が使用できる。
【0022】壁面へのセラミック板の配置パターンは、外観意匠性などを考慮して設定される。縦横に整然と列状に並べることもできるし、上下の列が半分ずつ食い違った千鳥状に並べることもできる。その他にも各種の模様状に配置することができる。寸法や形状の異なる複数種類のセラミック板を組み合わせれば、さらに複雑な配置パターンを構成することもできる。
【0023】セラミック板同士は、互いの端辺を突き合わせた状態で密接させて取り付けることもできるが、互いの端辺に沿って一定幅の隙間をあけておき、この隙間に目地仕上げを施すことができる。
【0024】目地仕上げは、ペースト状の目地剤を充填したり、予め樹脂やゴムで成形された目地材を配置することで行われる。目地仕上げを行うことで、隣接するセラミック外装体同士の凹凸を目立たなくしたり面方向における変形を吸収したりすることができる。
【0025】〔L字形の屈曲領域〕壁面の構造、特に開口部の配置構造によって、セラミック板を貼り付ける領域が、平面L字形の屈曲部を有する場合が生じる。
【0026】具体的には、矩形状を有する開口部の外周四隅で、水平辺と垂直辺の両方にまたがってセラミック板を貼り付ける場合がある。壁面に部分的に突出する段差部分や棚状の部分が存在する場合、このような構造部分の角部にも同様の領域が発生する。セラミック板の配置パターンによっては、壁面の端部などに残った領域が前記のようなL字形の屈曲部になることがある。
【0027】但し、前記屈曲領域が、定寸のセラミック板よりも広ければ、定寸のセラミック板をそのまま貼り付ければよい。したがって、屈曲領域が、定寸のセラミック板よりも狭い領域である場合に、本発明の方法が適用される。
【0028】〔切欠工程(a) 〕予め矩形板状に製造されたセラミック板の原板を矩形状に切り欠き、平面L字形の屈曲部を有する切り欠き板を作製する。
【0029】原板は、屈曲領域以外の通常の壁面に貼り付けられるセラミック板である。矩形板の一部を矩形状に切り欠けば、切り欠いた部分の外周辺にL字形の屈曲部が形成される。
【0030】切り欠き部を、矩形状のセラミック板の角部に配置すれば、切り欠いたあとのセラミック板は、全体がL字形をなすものになる。切り欠き部を、矩形状のセラミック板の側辺の途中に配置すれば、切り欠いたあとのセラミック板は、全体がC字形をなすものになる。この場合、L字形の屈曲部が対向する2個所に形成されることになる。
【0031】切り欠き板を前記したL字形の屈曲部を有する領域に貼り付ければ、この領域に対するセラミック板の貼り付けが完了する。
〔分割工程(b) 〕屈曲領域を屈曲部を有しない複数の区画に分割し、各区画毎に分割されたセラミック板を貼り付ける。
【0032】分割されたセラミック板の形状は、屈曲部を有しなければ、矩形状のほか、台形状や多角形状なども採用できる。通常は、L字形の屈曲領域を、屈曲部分で分割して2枚の矩形状のセラミック板で構成するが簡単である。屈曲部分の内周の角部と外周の角部とを結ぶ傾斜線で両側に分割すれば、2枚の台形状をなすセラミック板でL字形の屈曲領域を構成することができる。
【0033】〔切欠工程(a) と分割工程(b) の選択〕屈曲領域の寸法形状をもとに、切欠工程(a) と分割工程(b) の何れか一方を選択して実行する。
【0034】屈曲領域において、屈曲部の内周角部と外周角部との距離Aを測定する。これは、通常の物差しや巻き尺などを使用すればよい。基準値Xは、予め設定されており、施工指図書に記載しておいたり、セラミック板あるいはその包装体などに表示しておくことができる。
【0035】前記距離Aと基準値Xとを比較し、A≧Xであれば切欠工程(a) 、A<Xであれば分割工程(b) を選択する。したがって、施工作業者は、屈曲領域の形状全体を測定したり強度計算などの複雑な操作を行うことなく、前記距離Aの測定と基準値Xとの比較を行うだけで、適切な作業工程が切欠工程(a) であるのか分割工程(b) であるのかを迅速かつ確実に選択することができる。
【0036】〔基準値X〕切欠工程(a) と分割工程(b) とを選択するための基準値Xは、セラミック板の強度特性、施工後にセラミック板に加わる負荷の大きさなどを考慮して適切な値を設定する。
【0037】具体的には、切欠工程(a) で用いるL字形の切り欠き板が、実用的な使用条件で破壊される可能性が有るか否かを判断する。建築物の設計上、実用的に壁面に加わることを想定しなければならない負荷の大きさを設計荷重Tとする。また、セラミック板に負荷することができる荷重の大きさを許容荷重T0 とする。
【0038】許容荷重T0 が設計荷重T以上であれば、セラミック板は破壊されることはないと判断できる。セラミック板を壁面に施工して荷重を加えたときに、セラミック板が破壊される荷重すなわち破壊荷重をもとに許容荷重T0 が求められる。
【0039】許容荷重T0 は、破壊荷重であってもよいが、通常は、破壊荷重を予め決められた安全率Sで割った値に設定される。安全率Sは、1.0〜2.0の範囲で設定することができる。
【0040】距離Aの切り欠き板について、許容荷重T0 が設計荷重T以上であれば、切欠工程(a) が採用できる。許容荷重T0 が設計荷重Tを下回っていれば、分割工程(b) を採用しなければならない。許容荷重T0 が設計荷重Tと同じになるときの距離Aが基準値Xになる。
【0041】したがって、距離Aが異なる多数の切り欠き板について、前記した許容荷重T0 の測定を行い、許容荷重T0 =設計荷重Tのときの距離Aを基準値Xとすればよい。
【0042】基準値Xは、セラミック板の材質、厚みなどの特性条件によって異なってくる。例えば、セラミック板が厚み10mmの発泡ガラスセラミック板の場合、基準値Xを40cmに設定することができる。
【0043】許容荷重T0 の決定については、切り欠き板を実際の壁面に施工して荷重負荷試験を行う代わりに、切り欠き板の単体で荷重負荷試験した結果から求めることができる。
【0044】例えば、距離Aが異なる複数の切り欠き板に対して、引張試験装置を使って、切り欠きを引き裂く方向に引張荷重を加えるなどして、単体での破壊荷重を求めることができる。この単体破壊荷重は、前記した施工状態での実際上の破壊荷重とは異なるが、互いに比例して変化する。
【0045】特定の距離Aで、前記実際上の破壊荷重あるいは許容荷重T0 と、切り欠き板単体での破壊荷重が判れば、許容荷重T0 と単体破壊荷重との相関関係を求めることができる。この相関関係をもとにして、距離Aの異なる切り欠き板に対しても、単体破壊荷重から許容荷重T0 を推定することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】図1および図2に示す実施形態は、住宅の外壁にセラミック板による仕上げ施工を行った場合を示す。
【0047】図2に示すように、鉄骨やコンクリートなどからなる壁駆体20の表面に、合板などからなる下地パネル22を貼り付け、下地パネル22の表面に、点状に配置された接着剤からなる接着剤部12でセラミック板10を貼り付けていく。
【0048】セラミック板10は、厚み10mmの発泡ガラスセラミック板である。図1に示すように、1面の壁面に対して、横長矩形のセラミック板10が横方向に並べて貼り付けられ、セラミック板10の列を複数段に積み重ねていく。上下のセラミック板10の列は、セラミック板10の位置が左右で長さの半分づつずれており、いわゆる千鳥状に配置されることになる。
【0049】なお、図では、セラミック板10が密接して配置されているように表示されているが、セラミック板10同士の継ぎ目部分には目地隙間が設けられて目地仕上げが行われる。
【0050】壁面には、窓などを構成するための開口部Wが設けられる。開口部Wの位置にはセラミック板10は貼り付けない。図1の場合、開口部Wの左右の下角部分では、矩形状のセラミック板10の上隅部分を矩形に切り欠いた、L字形の切り欠き板10aを用いる。
【0051】図3(a) は、L字形の切り欠き板10aの詳細構造を示している。矩形状をなすセラミック板10すなわち原板を、矩形状10bに切り欠いて、L字形の切り欠き板10aにしている。切り欠き板10aのL字形に屈曲した部分において、内周の角部12と、これに対向する外周の角部14とを直線的に図った距離Aが想定される。
【0052】図1では、開口部Wの左右下側の切り欠き板10aは何れも、距離Aが、予め設定された基準値X=40cmよりも長くなっている。したがって、何れの領域でも切り欠き板10aを適用するのが好ましいことになる。
【0053】なお、開口部Wの左右下側の切り欠き板10aが貼り付けられる領域において、距離Aが基準値X=40cmよりも短い場合には、切り欠き板10aを使用しない。この場合は、図3(b) に示すように、矩形状をなす2枚の分割板10m および分割板10n を組み合わせて、L字形の領域に貼り付ける。分割板10m 、10n は、1枚の標準寸法のセラミック板10すなわち原板から切り取って作製することができる。分割板10m と分割板10n との隣接個所にも必要に応じて目地隙間を設け、目地仕上げが施される。
【0054】〔C字形の切り欠き板〕図4に示す実施形態は、前記実施形態とは形状の異なる切り欠き板10c である。
【0055】切り欠き板10c は、平面形が概略C字形をなしている。矩形状をなすセラミック板10の原板に対して、一方の長辺に沿って小さな矩形状の切り欠き10bを形成している。C字形の切り欠き板10c は、L字形の部分が上下対象形状で連結された構造とも言える。
【0056】上下のL字形をなす屈曲部分で、内周の角部12と外周の角部14とを結ぶ距離Aが、切り欠き板10c を用いるか図示しない分割板を用いるかの判定基準となる。
【0057】図4の場合は、A≧40cmとなるので、何れの屈曲個所でも切り欠き構造を採用することができる。上下の屈曲個所のうち、一方あるいは両方で、A<40cmになれば、その部分については分割構造を採用することになる。
【0058】〔基準値Xの決定〕前記実施形態において、基準値X=40cmを決定する方法を説明する。
<切り欠き板の単体荷重負荷試験>図3(a) に示すL字形の切り欠き板10c を作製した。切り欠きの大きさを変えて距離Aが異なる複数の試験品を作製した。
【0059】試験品の切り欠き板10c に対して、図3(a) の対角線方向PQに引張力を加えて破壊試験を行った。引張力は、切り欠きの底である内周の角部12を広げる方向に作用する。
【0060】図5は、破壊試験によって切り欠き板10c にクラックが発生したときの荷重すなわち単体破壊荷重と距離Aとの関係を示すグラフである。このグラフによれば、距離Aと単体破壊荷重とは、ほぼ仮想直線Gで表される比例関係にあることが判る。
【0061】<施工状態の荷重負荷試験>図1に示す壁面構造を施工し、施工状態での荷重負荷試験を行った。但し、開口部Wの形状寸法は前記した実施形態とは異なる。壁面の設計荷重Tは1300kgであった。
【0062】試験の結果、開口部Wの下隅部分の切り欠き板10a にクラックが発生した時点の荷重は、680kgであった。このときの、切り欠き板10a の距離A1 は、23.2cmであった。
【0063】<基準値Xの決定>前記図5のグラフにおいて、距離A1 に対応する単体破壊荷重T1 を求めると、46.9kgになる。
【0064】前記設計荷重1300kgでも、切り欠き板10a に破壊が生じないためには、1300/680×46.9≒90kgの単体破壊荷重T2 が必要になる。単体破壊荷重T2 に対応する距離A2 は、36.7cmになる。
【0065】したがって、基準値X=36.7cm以上に設定すれはよいことになる。基準値X=40cmに設定しておけば十分に余裕がある。なお、上記基準値Xは、切り欠き板10a の厚みが10mmの場合である。そこで、切り欠き板10a すなわちセラミック板10として厚み13mmのものを用いれば、設計荷重に対して(13/10)2 =約1.7倍の安全率を持たせることができる。これは、セラミック板10の強度は、厚みの2乗に比例して増加することによる。
【0066】
【発明の効果】本発明の壁面仕上げ方法は、L字形の屈曲部を有する領域にセラミック板を貼り付けて仕上げる際に、屈曲部の内周角部と外周角部との距離Aと基準値Xとを比較するだけで、適切な作業工程が切欠工程(a) であるか分割工程(b) であるかを決定することができる。
【0067】その結果、施工状況に合わせて最も適切な作業工程を簡単かつ確実に選択して、セラミック板による壁面仕上げ施工の能率向上や耐久性向上を図ることができる。




 

 


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