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発明の名称 建築仕上げ材およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−123643(P2001−123643A)
公開日 平成13年5月8日(2001.5.8)
出願番号 特願平11−304694
出願日 平成11年10月26日(1999.10.26)
代理人 【識別番号】100073461
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 武彦
【テーマコード(参考)】
2E110
4G019
4G052
【Fターム(参考)】
2E110 AA09 AA16 AA40 AA42 AA57 AA64 AB03 AB04 AB05 AB22 AB23 BA02 BA12 BA13 BA15 BA22 BA24 BB01 BB03 BB07 BB09 BD05 BD16 BD23 CA03 DA06 DA10 DA12 DB23 DC21 EA06 EA09 GA02W GA02X GA24W GA24X GA30W GA30X GA34W GA34X GA42W GA42X GA43W GA43X GB13W GB13X GB15W GB15X GB16W GB16X GB17W GB17X GB18W GB18X GB19W GB19X GB23W GB23X GB26W GB26X GB32W GB32X GB62W GB62X 
4G019 GA01
4G052 AB08
発明者 吉田 繁夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】建築物の仕上げ面を構成する建築仕上げ材であって、窯業材料の硬化物からなり、少なくとも一部に調湿材が配合され、全体形状が概略多角形盤状をなし、表面には間隔をあけて配置された複数のタイル状凸部とタイル状凸部の間に配置された溝状凹部と備え、相対向する側辺には互いに係合自在な構造で建築仕上げ材同士を連結する継手部を備える建築仕上げ材。
【請求項2】前記窯業材料の硬化物が、調湿材を含有する水硬性材料の硬化物である請求項1に記載の建築仕上げ材。
【請求項3】調湿材を含有する水硬性材料の硬化物からなり、概略多角形盤状をなし、前記継手部を有する基盤部と、その底部が前記基盤部に埋め込まれ、その上部が基盤部の表面から突出してタイル状凸部となり、調湿材を含有する調湿タイルとを備える請求項1に記載の建築仕上げ材。
【請求項4】前記調湿材が、粉粒炭、珪藻土、ゼオライト、セピオライト、シリカゲルからなる群から選ばれる何れか1種を含む請求項1〜3の何れかに記載の建築仕上げ材。
【請求項5】矩形盤状をなす表面のうち、少なくともタイル状凸部の表面に細粒状の石材が埋め込まれている請求項1〜4の何れかに記載の建築仕上げ材。
【請求項6】請求項1に記載の建築仕上げ材を製造する方法であって、建築仕上げ材の外形状に対応する型形状を有する成形型に、細粒状の石材が分散された水溶性膜形成液を塗工し、石材が分散された水溶性膜を形成する工程(a) と、成形型に窯業材料を注入し硬化させて、石材が分散された水溶性膜を表面に有する硬化物を得る工程(b) と、硬化物の表面の水溶性膜を水で洗い流し、表面に石材が埋め込まれた建築仕上げ材を得る工程(c) とを含む建築仕上げ材の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築仕上げ材に関し、詳しくは、建築物の室内壁面あるいは外壁の仕上げ施工に利用され、表面にタイル状の意匠を現出することができる建築仕上げ材とその製造方法を対象にしている。
【0002】
【従来の技術】住宅などの建築物において、壁面の仕上げ構造として、タイルを敷き詰める方法が知られている。壁面にモルタルなどの下地層を施工したあと、下地層の表面にモルタルなどを接合材にしてタイルを敷き詰めていく。タイルを縦横に整然と並べて配置するために目印になる細糸を張ることがある。タイル同士の間には一定の隙間いわゆる目地を形成し、目地にセメントなどを埋める。
【0003】このようにして施工されたタイル仕上げ面は、パターン状に整然と配列されたタイルの意匠によって、美しい外観が得られる。室内壁面の仕上げ構造として、調湿機能を有する建材を用いる技術が知られている。調湿機能とは、施工環境の湿度状態によって、環境中の湿気を吸収保持したり放出したりして、環境湿度を一定範囲に維持する機能を意味している。
【0004】石膏ボードや木質壁材なども、ある程度の調湿機能は有しているが、さらに調湿機能を高めた建築仕上げ材として、調湿材を配合した石膏ボードがある。本発明の発明者らは、特願平11−89216号において、壁面に調湿材が配合された石膏ボードを施工したあと、その表面に同じく調湿材が配合されたタイルを貼り付けて仕上げる方法を提案している。石膏ボードおよびタイルに配合された調湿材が、極めて高い調湿機能を発揮することができる。
【0005】また、調湿材は、脱臭機能やガス吸着機能、静電気防止機能などを有するものがあり、建築仕上げ材にこれらの機能を付与することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記したタイル仕上げは、施工に熟練や技術を要するとともに、施工期間も長くかかるという問題がある。多数のタイルを正確に貼り付けていく作業は、極めて熟練を要し、作業者の技術力によって仕上がりに大きな差が生じる。また、タイルを貼り付ける前に、平滑な下地層を施工しておいたり、タイルを貼り付けたあとで目地作業が必要になるなど、それぞれに技術力を要するたくさんの工程を経なければならない。タイルを貼り付けたあと、タイルが完全に接合固定されるまで、次の作業工程に移れず生産性が悪い。
【0007】本発明の課題は、従来のタイル仕上げ施工の問題点を解消し、施工が簡単で良好な仕上がりを有するタイル状の仕上げ面が得られる建築仕上げ材を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる建築仕上げ材は、建築物の仕上げ面を構成する建築仕上げ材であって、窯業材料の硬化物からなり、少なくとも一部に調湿材が配合され、全体形状が概略多角形盤状をなし、表面には間隔をあけて配置された複数のタイル状凸部とタイル状凸部の間に配置された溝状凹部と備え、相対向する側辺には互いに係合自在な構造で建築仕上げ材同士を連結する継手部を備える。
【0009】〔建築物の仕上げ面〕住宅等の各種建築物において、外観上の表面に配置される仕上げ面に適用される。具体的には、従来、一般的にタイル仕上げが行われていた建築構造のほか、その他の建築物の外壁および内壁、床、天井の何れにも適用できる。
〔窯業材料の硬化物〕各種の建築材料に利用されている窯業材料の硬化物が使用される。窯業材料としては、セメントや石膏、漆喰などの水和硬化によって硬化する水硬性材料が取扱い易い。粘土やセラミックのように成形後に焼成する焼成用材料も使用できる。ケイ酸カルシウムや石綿スレート、気泡コンクリート、木毛セメント、パルプセメントなども使用できる。
【0010】窯業材料に調湿材を配合しておくことで、調湿機能の高い硬化物が得られる。例えば、石膏の硬化物は、焼石膏にガラス繊維などの骨材を配合し、水で混練したあと、所定形状に成形し、脱水、乾燥、養生などの工程を経て製造される。石膏を含む成形材料に調湿材を配合しておくことで、調湿機能を高めることができる。
【0011】〔調湿材〕通常の建築材料用の調湿材が使用できる。但し、窯業材料の硬化物の製造あるいは性能を阻害しない材料が好ましい。また、窯業材料の硬化物の製造工程で、調湿材としての機能が低下し難い材料が好ましい。調湿材として、各種の天然木材からなる通常の炭や活性炭、食品,パルプ,紙などの廃棄物を炭化処理した、いわゆる炭類が用いられる。食品廃棄物は、人体に対する安全性に優れている。食品廃棄物として、コーヒー、茶、おから、食物等を用いることができる。炭の成分としてフェライトを含むものは、静電気防止や電磁波吸収の機能を発揮できる。例えば、切符やテレホンカード、磁気テープなどを焼却して得られる炭はフェライトを多量に含み、好ましいものとなる。パルプスラッジ炭も好適である。
【0012】炭が微細な粉粒状の炭であれば、窯業材料に配合し易く、硬化物の特性を損なうことなく、炭が有する機能を十分に発揮できる。粉粒炭として、粒径2mm以下のものが好ましく、0.5mm以下がより好ましい。粒径が大きすぎると、建築仕上げ材の表面の平滑性が劣ったり、セラミックタイルに含有させると、焼成工程で粉粒炭の一部が焼失したときにできる燃え滓の穴が目立って外観が悪くなる。
【0013】粉粒炭としては、バランスの採れた調湿性能と脱臭性能を発揮させるという点を考慮すると、たとえばその平均細孔半径が1.5〜100Åで比表面積が50〜600m2/gのもの、好ましくはその平均細孔半径が10〜50Åで比表面積が100〜300m2/gのものが使用される。粉粒炭は、窯業材料に対して50重量%以下の割合で配合されているのが好ましい。粉粒炭の配合量が少なすぎると調湿効果などの粉粒炭が有する機能が十分に発揮できず、粉粒炭の配合量が多すぎると、窯業材料の硬化物製造が行い難くなり、壁面仕上げ材の強度などの特性にも悪影響を与え、壁面仕上げ材の表面に炭の黒さが目立って外観性が悪くなる。
【0014】上記した炭類を、セラミックタイルに配合しておく場合、焼成工程で焼失することを防止するために、炭類を還元雰囲気に維持して焼成を行うことが有効である。また、焼成温度を比較的に低い温度に設定することも有効である。炭以外にも各種の無機調湿材を用いることができる。無機調湿材としては、通常の建築材製造に用いられている各種の調湿材料が使用できる。多孔性の無機材料が調湿性に優れたものとなる。例えば、ゼオライト、セピオライトを包含する多孔質鉱物や、アタバルジャイト、モンモリロナイト、ゾノトライト、活性白土を包含する粘土鉱物、珪藻土、シリカゲル、アロフェン、イモゴライトなどが挙げられる。珪藻土として、稚内珪藻土が好ましい。これらの材料を、単独あるいは複数種を組み合わせて使用できる。粉粒炭に珪藻土やゼオライトを組み合わせると、特に調湿性の高い珪藻土やゼオライトの特性と、特にガス吸着性の高い粉粒炭の特性とを相乗的に発揮させることができる。
【0015】無機調湿材の粒径は6mm以下程度のものが用いられ、粉粒炭と同程度のものが好ましい。無機調湿材としてバランスの採れた調湿性能と脱臭性能を発揮させるには、例えば平均細孔半径が20〜100Åで比表面積が20〜200m2/gのもの、好ましくは20〜60Åで比表面積が20〜200m2/gのものが使用される。
【0016】無機調湿材の形状は、粉末状および/または粒状であれば、不定形、球状、棒状、楕円球状などいずれでも良い。粉粒炭と無機調湿材とを組み合わせることで、バランスのとれた調湿性能および脱臭性能が発揮できる。例えば、無機調湿材は調湿性が高く、特定のガスに対する吸着性にも優れている場合があるが、生活環境に存在する多数の悪臭成分あるいは有害ガス成分を全て一つの無機調湿材で吸着することは難しい。これに対し、粉粒炭は、吸着ガス成分に対する選択性があまりなく、ほとんど全てのガス成分を有効に吸着することができる。粉粒炭と無機調湿材とを組み合わせることで、湿度変化に対する迅速な対応と吸湿容量の増大という、1種類の調湿材では実現困難な機能を発揮させることができる。
【0017】無機調湿材と粉粒炭との合計量に対する粉粒炭の割合は、20〜80重量%であることが好ましい。粉粒炭の割合が80重量%を越えるときには、吸湿した水分をなかなか放出せず、調湿性能の欠如をきたし、結露発生などの問題が生じる。粉粒炭の割合が20重量%未満では、粉粒炭に顕著な効果である、脱臭効果や地球に対するマイナスイオン効果、人間に対する健康的な環境の維持効果などの改善が行い難い。
【0018】粉粒炭および無機調湿材のいずれか一方または両方に、日本工業規格Z8801で規定する5mmの篩を通過するものを用いることができる。
〔建築仕上げ材の全体構造〕前記した窯業材料を所定形状に成形し硬化させることで、所望形状の建築仕上げ材が得られる。窯業材料を成形硬化したあと、切削などの後加工を行って建築仕上げ材を得ることもできる。
【0019】建築仕上げ材を複数の部材で分割構成し、個々の分割部材を窯業材料の硬化物で製造したあと、分割部材同士を組み立て接合して建築仕上げ材を得ることができる。一部の分割部材を製造したあと、残りの分割部材を成形する際に成形型に先に製造された分割部材を配置しておき、残りの分割部材の成形と同時に先に製造された分割部材と一体化させることもできる。複数の分割部材からなる建築仕上げ材の場合、そのうちの一部の分割部材に調湿材を含有させておけばよい。勿論、全ての分割部材に調湿材を含有させても構わない。
【0020】建築仕上げ材の形状は、全体が概略多角形盤状をなす。具体的には、正方形、長方形、六角形などが採用できる。建築仕上げ材を面方向に順次並べて配置し易い形状が好ましい。建築仕上げ材の寸法は、製造および施工の取扱いに適したものが好ましく、通常は、最大径が10〜90cm角程度の範囲に作製される。建築仕上げ材の厚みは、用途や要求性能によっても異なるが、通常は5〜30cmの範囲に設定される。
【0021】〔タイル状凸部と溝状凹部〕建築仕上げ材の表面には、間隔をあけて配置された複数のタイル状凸部とタイル状凸部の間に配置された溝状凹部と備える。この表面形状は、従来の通常のタイル仕上げ施工における表面外観と共通するものである。タイル状凸部は、一般的なタイルの形状を採用することができる。平面形状は、矩形のほか、円形や半円形、長円形、三角形、六角形その他の形状が採用できる。建築仕上げ材の表面に配置されるタイル状凸部の数は、建築仕上げ材およびタイル状凸部の寸法形状によって決まるが、通常は、1枚の建築仕上げ材に対してタイル状凸部を最低2個所に配置するほか、縦横2個所づつの合計4個所あるいはそれ以上の多数個所に配置することもできる。
【0022】溝状凹部の形状は、タイル状凸部の形状によって違ってくるが、幅が一定の直線帯状をなすもののほか、場所にとって幅が変化するものや曲線状をなすものも採用できる。
〔継手部〕建築仕上げ材同士を面方向に順次連結するための構造である。各種の建築部材において、建築部材同士を連結するために採用されている継手構造を用いることができる。
【0023】建築用の継手構造としては、あいじゃくり構造、あり継ぎ構造、かま継ぎ構造、ほぞ継ぎ構造などが挙げられる。建築仕上げ材の相対向する側辺には、互いに係合自在な対になる形状構造の継手部が配置される。その結果、同じ形状の建築仕上げ材を面方向に並べていくと、隣接する建築仕上げ材の側辺には必ず対になる係合自在な継手部が配置されることになる。
【0024】〔基盤部とタイルの組み合わせ〕建築仕上げ材を、タイル状凸部を形作るタイル部材と、タイル部材を支持して建築仕上げ材の全体構造を構成する基盤部とで構成することができる。タイル部材は、通常の建築用タイルが使用できる。タイル部材は、粘土などのタイル材料を成形し焼成して製造される。タイル部材の表面に釉薬を施して焼成すれば、表面に釉仕上げ層を有するタイル部材が得られる。タイル部材として着色されたものを用いることもできる。
【0025】タイル部材として、調湿タイルが使用できる。
〔調湿タイル〕基本的には、調湿材を原料にして、バインダーとして粘土質材料を加配したものをプレスした後、焼成することによって得られる。このような焼成タイルを、調湿セラミックタイルとも呼ぶ。
【0026】また、調湿材と常温硬化可能な石膏、セメント等のバインダーとを用いて、プレス成形、鋳込み成形などで成形し、硬化させて得られる不焼成タイルも使用できる。調湿タイルは、比較的小さな矩形状など板片状をなし、通常のタイル部材と同様の形状が採用できる。調湿タイルの表面に、透湿性のある釉仕上げ層や着色層を形成しておくことができる。
【0027】〔基盤部〕タイル部材を支持する基盤部は、前記した窯業材料を成形し硬化させて得られる。基盤部をタイル部材と同様に焼成によって製造することもできる。基盤部には、タイル部材を収容するための凹部や段部を有するとともに、溝状凹部および継手部を有している。
【0028】基盤部とタイル部材を一体的に接合するには、接着剤やセメント、モルタルなどを介して基盤部にタイルを接合してもよいし、釘などの金具を用いて固定してもよいし、窯業材料で基盤部を成形する際の成形型にタイル部材を配置しておき、基盤部の成形と同時にタイル部材と一体接合することもできる。
〔化粧層〕建築仕上げ材の表面に化粧層を設けることができる。化粧層は、建築仕上げ材の本体部分の材料とは違う表面質感や色、模様、特性を与えることができる。
【0029】化粧層の材料および作製方法は、通常の窯業材料からなる建材における化粧層の形成技術が適用される。タイル部材における表面の釉仕上げも化粧層に含まれる。建築仕上げ材とは組成の異なる窯業材料を用いて化粧層を構成することもできる。
〔石材による化粧層〕建築仕上げ材の表面に配置する化粧層として、細粒状の石材を用いることができる。石材は天然石であってもよいし、ガラスやセラミックを粉砕したものであってもよい。
【0030】石材の粒径や形状は、意匠効果や表面特性などを考慮して選択すればよいが、通常は、石材の平均粒径を0.2〜5mmの範囲に設定する。石材の形状は、球状のもののほか、球を変形させた曲面立体形状のもの、角のある不定形状のものなども用いられる。石材は、建築仕上げ材の表面に隙間無く配置されていてもよいが、建築仕上げ材に含有された調湿材の調湿機能を有効に発揮させるには、石材同士の間に通気可能な隙間を設けておくのが好ましい。この隙間を通じて、湿気が出入りできる。
【0031】建築仕上げ材の表面に石材を固定するには、接着剤を用いることができる。例えば、建築仕上げ材の表面に接着剤層を塗工したあと接着剤層の上に石材を散布すればよい。接着剤として、透湿性を有する接着剤を使用すれば、建築仕上げ材に含有された調湿材の機能を損なうことが少ない。
〔石材化粧層の作製方法〕石材による化粧層を能率的に作製する方法として以下の方法がある。
【0032】窯業材料を成形する際に用いる成形型の型面に、石材を分散させた水溶性膜形成液を塗工する。水溶性膜形成液は、アクリル樹脂等の水溶性樹脂エマルジョンや水溶性糊剤など、石材が配合された状態で膜形成能を有するとともに、形成された膜が水で溶ける性質を有するものである。成形型の型面には、石材が分散された状態の水溶性膜が形成される。このとき、石材の一部が水溶性膜の表面に露出するようにしておく。具体的には、石材と水溶性膜形成液との配合割合を適切に設定することで、石材の一部を水溶性膜から露出させることができる。
【0033】そのあと、成形型に窯業材料を注入して硬化させる。硬化物を成形型から型外しすれば、建築仕上げ材が得られる。この工程は、通常の窯業材料からなる硬化物の製造工程と同様である。建築仕上げ材の表面には、石材が分散された水溶性膜が付着している。建築仕上げ材の表面に水を噴射したり流下させたりして水を接触させると、水溶性膜が水に溶けて建築仕上げ材の表面から流れ落ちて除去される。
【0034】しかし、石材は、少なくとも一部が建築仕上げ材に埋め込まれた状態になっているので、水溶性膜とともに脱落することはなく、建築仕上げ材の表面に固着したままになる。その結果、建築仕上げ材の表面に、石材が分散して固着した化粧層が形成される。石材の間には水溶性膜が除去されたあとに隙間が生じ、この隙間を通じて、建築仕上げ材に湿気が流通することができる。
【0035】
【発明の実施形態】〔建築仕上げ材〕図1および図2に示す建築仕上げ材は、水硬性材料の硬化体からなる基盤部と調湿タイルとの組み合わせ構造を有する。建築仕上げ材10のほぼ全体を占める基盤部12は、石膏に珪藻土などの調湿材を配合して得られた水硬性スラリーを成形したあと、脱水、乾燥、養生などの工程を経て得られたものであり、周囲の湿度環境によって、湿気や水分を吸収したり放出したりする調湿機能を有している。基盤部12は、平面形状がほぼ正方形状をなし厚みのある盤状をなしている。基盤部12の上面には、縦横に合計4枚の調湿タイル20が埋め込まれている。
【0036】調湿タイル20は、前記同様の調湿材と粘土などのタイル原料を成形し、焼成することによって製造される。調湿タイル20の形状は、通常のタイルと同様の矩形板状をなしている。調湿タイル20は、下部が基盤部12の上面に埋め込まれ、上部の一部だけが基盤部12の表面よりも上方に突出している。基盤部12の表面のうち、調湿タイル20同士の間にできる隙間は、平面十字形をなす溝状凹部15になっている。
【0037】基盤部12の4方の側辺のうち、一つの角部を挟んだ2辺には、基盤部12の厚みの下半分側で外側に突出する下継手部18を有する。残りの角部を挟んだ2辺には、基盤部12の厚みの上半分側で外側に突出する上継手部16を有する。図1に示すように、上継手部15と下継手部18とで基盤部12の厚みを上下に2分割した構造を有している。また、図2に示すように、上継手部16と下継手部18とは互いに対向する側辺に配置されている。
【0038】上記のような基盤部12に調湿タイル20が埋め込まれた構造の建築仕上げ材を製造するには、水硬性材料で基盤部12を成形する際の成形型に、予め調湿タイル20を配置しておき、その上に水硬性材料を流し込んで成形すれば、水硬性材料が硬化して基盤部12が形成されると同時に調湿タイル20が一体的に接合される。また、調湿タイル20が挿入される凹部を有する基盤部12を作製したあと、基盤部12の凹部に調湿タイル20を埋め込み接着剤などで固定する方法も適用できる。
【0039】〔建築仕上げ材の施工〕図3に示すように、壁面の構造部材や下地部材からなる支持面30に、建築仕上げ材10が敷き詰められる。隣接して配置された建築仕上げ材10同士は、側辺に有する上継手部16と下継手部18とが上下に互いに重なるように組み合わせられて連結される。建築仕上げ材10の対向する側辺には互いに連結自在な上継手部16と下継手部18とが配置されているので、同形状の建築仕上げ材10を水平方向に並べれば、隣接する側辺には必ず対になる継手部16、18が配置される。
【0040】建築仕上げ材10は、支持面30に対してモルタルなどの結合材を介して固定される。建築仕上げ材10同士の接合面も接着剤などで封止することができる。建築仕上げ材10が施工された壁面の外観は、調湿タイル20が縦横に一定の隙間をあけて等間隔で配置された状態になる。調湿タイル20によるタイル状凸部14とその間の溝状凹部15とが立体的な意匠を構成し、いわゆるタイル仕上げ壁面と同様の美麗な外観を呈するものとなる。通常のタイル仕上げのように、タイルの位置決めや目地仕上げなどの複雑な熟練を要する作業工程は不要であるから、効率的かつ低コストにタイル状の壁面仕上げが可能になる。
【0041】さらに、建築仕上げ材10が施工された室内環境が高湿になると、湿気は調湿タイル20および調湿材を含有する基盤部12の両方に吸収されるので、室内環境が過剰な高湿状態になることが防止される。さらに、室内環境が乾燥してくると、調湿タイル20および基盤部12に吸収保持されていた水分が放出されることで、室内環境が過剰に乾燥することも防止される。室内環境は常に一定の湿度範囲に維持され、良好な調湿機能が発揮される。
【0042】特に、焼成製造された調湿タイル20は、吸放湿速度が大きく、石膏の硬化物からなる基盤部12は吸湿保持容量が大きいという特徴がある。そこで、両者を組み合わせることで、湿度変化に対する迅速な応答と充分な調湿容量を確保することができる。
〔調湿タイルを使用しない場合〕図4に示す実施形態は、調湿タイルを使用しない建築仕上げ材である。
【0043】前記図1および図2の実施形態では調湿タイル20が存在していた部分を、基盤部12と同じ材料で一体成形している。すなわち、石膏に珪藻土などの調湿材を配合して得られた水硬性スラリーから、成形、脱水、乾燥、養生などの工程を経て、建築仕上げ材10の全体形状を一体的に形成している。建築仕上げ材10の外観形状には、前記実施形態と同様に、タイル状凸部14、溝状凹部15、上継手部16および下継手部18がそれぞれ配置されている。建築仕上げ材10の平面形状は、前記図2と共通しており、詳しい図示を省略する。
【0044】上記の建築仕上げ材10は、調湿タイルの製造工程や、水硬性スラリーの成形型に調湿タイルを配置しておく作業などが不要になるため、生産性が向上し、コストも低下する。但し、建築仕上げ材10の全体が同じ材料になるので、調湿タイルの質感や特性を利用することはできない。タイル状凸部14の表面に着色をしたり、タイル状凸部14の表面と溝状凹部15の表面粗さを変えたりすることで、タイル状凸部14と溝状凹部15とに外観状のコントラストを付ければ、意匠性が向上する。
【0045】〔石材化粧層付きの建築仕上げ材〕図5に示す実施形態は、表面に化粧層を有する建築仕上げ材である。建築仕上げ材10は、基本的な形状構造は前記図3の実施形態と同様に、全体を石膏および調湿材を含む水硬性スラリーで一体成形されたものである。建築仕上げ材10の表面には、化粧層58を有する。化粧層58は、タイル状凸部14と溝状凹部15および上継手部16の表面に配置され、下継手部18の表面には配置されていない。
【0046】化粧層58は、細粒状の石材54が、建築仕上げ材10の表面に一部を埋め込まれた状態で一面に配置されている。石材54同士の間には隙間があいている。上記構造の建築仕上げ材10は、石材54による化粧層58が外観意匠性を高める。また、床面などの仕上げ施工に用いた場合、石材54による凹凸が滑り止めの機能を果たす。石材54の間の隙間は、建築仕上げ材10と外界との間で湿気を通過させることができ、建築仕上げ材10に含有される調湿材の調湿機能を良好に発揮させる。
【0047】〔石材化粧層付き建築仕上げ材の製造〕図6〜図8は、前記した化粧層付き建築仕上げ材を製造する方法を示す。図6に示すように、建築仕上げ材10の表面形状に対応する型面を有する成形型40を用意する。成形型40には、タイル状凸部14に対応する凹部42、溝状凹部15に対応する凸部44、下継手部18に対応する段部46および上継手部16に対応する段部48がそれぞれ設けられている。
【0048】この成形型40の型面に、吹き付けノズル52などを用いて、石材54を水溶性アクリル樹脂エマルジョンなどの水溶性の膜形成液56に分散配合してなる液剤を吹き付け塗工する。型面には、一定の厚みを有する塗工層50が形成される。図7に示すように、成形型40の内部に、建築仕上げ材10の成形材料10aを流し込む。成形材料10aは、石膏や調湿材を含有するスラリー状をなしている。なお、成形型40には、建築仕上げ材10のうち上継手部16の下面形状を成形するための追加型49が取り付けられる。
【0049】成形材料10aが塗工層50と接触する個所では、塗工層50の表面に配置された石材54の凹凸形状に沿って成形材料10aが配置される。成形材料10aの水分が塗工層50の水溶性アクリル樹脂エマルジョン56に含まれる水分と混ざったり、水溶性アクリル樹脂エマルジョン56を溶解させたりするので、水溶性アクリル樹脂エマルジョン56の一部、特に表層部分が除去されて、石材54が直接に成形材料10aと接触する個所が出来る。成形材料10aの一部は石材54同士の隙間にも入り込む。
【0050】この状態で、脱水、乾燥、養生などの工程を行い、成形材料10aを硬化させて、建築仕上げ材10を得る。図8に示すように、成形された建築仕上げ材10は、タイル状凸部14、溝状凹部15および上継手部16の表面に塗工層50が配置されている。塗工層50の上から、噴射ノズル62などを用いて水を吹き付ける。塗工層50を含まれる水溶性アクリル樹脂エマルジョン56は水で洗い流されてしまう。石材54は、建築仕上げ材10に一部が埋め込まれた状態になっているので、水で洗い流されることはなく、建築仕上げ材10と一体化されたままである。
【0051】その結果、前記した図5に示す構造の建築仕上げ材10が得られる。建築仕上げ材10の表面には石材54からなる化粧層58が形成されることになる。上記製造方法では、タイル状凸部14などの複雑な凹凸形状を有する建築仕上げ材10の表面に、石材54からなる化粧層58を均等かつ確実に形成することができる。基本的な製造工程は通常の水硬性材料による建築材の成形製造と共通しているので、生産性にも優れている。
【0052】
【発明の効果】本発明の建築仕上げ材は、従来は技術的に難しく手間とコストがかかっていたタイル状の仕上げ面を、極めて簡単かつ効率的に得ることができる。しかも、調湿材を含有していることで、施工環境の湿度を一定の範囲に制御する調湿機能を発揮することができる。




 

 


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