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発明の名称 鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法及び免震構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−295503(P2001−295503A)
公開日 平成13年10月26日(2001.10.26)
出願番号 特願2000−108955(P2000−108955)
出願日 平成12年4月11日(2000.4.11)
代理人 【識別番号】100090114
【弁理士】
【氏名又は名称】山名 正彦
発明者 木村 秀樹 / 岩下 敬三 / 春日 康博 / 木谷 宗一 / 木林 長仁 / 小山 富士夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】地震時にロッキング振動に伴う浮き上がりを生じさせて地震力を低減する建物の鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法であって、柱主筋を基礎コンクリートの上面から建物の浮き上がり量に応じた必要長さ分だけ突き出させ、前記基礎コンクリートの上面へ、当該鉄筋コンクリート造柱を支持し、当該鉄筋コンクリート造柱の水平方向の変位を拘束するに足る立ち上がり部を設けた底型枠兼用鋼板を載置し、前記柱主筋を前記底型枠兼用鋼板に設けた貫通孔へ貫通させて立ち上がらせ、前記底型枠兼用鋼板を、当該鉄筋コンクリート造柱に作用する上下方向の圧縮力を伝達できるようにスタッド等の定着用治具により基礎コンクリートへ定着させ、前記底型枠兼用鋼板における当該鉄筋コンクリート造柱の当接部分と柱主筋の立ち上がり部分に、それぞれ剥離材による縁切り処置を施し、前記底型枠兼用鋼板をベースに柱の配筋を行うと共に型枠を組立て、コンクリートを打設してロッキング振動に伴う浮き上がりを生じる鉄筋コンクリート造柱を構築することを特徴とする、鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法。
【請求項2】底型枠兼用鋼板は、基礎コンクリートへ埋め込んで定着させることを特徴とする、請求項1に記載した鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法。
【請求項3】基礎コンクリートの上面部と鉄筋コンクリート造柱の下面部に一致するダボ孔を設け、該ダボ孔に底型枠兼用鋼板を貫通するダボピンを嵌め込むことを特徴とする、請求項1又は2に記載した鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法。
【請求項4】底型枠兼用鋼板の上面に、衝撃緩衝用シートなどの衝撃緩衝材を設置することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載した鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法。
【請求項5】底型枠兼用鋼板の立ち上がり部の天端に衝撃緩衝材を設置し、その上に埋殺し型枠を組み立てて鉄筋コンクリート造柱を構築することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載した鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法。
【請求項6】地震時にロッキング振動に伴う浮き上がりを生じさせて地震力を低減する建物の鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構造であって、柱主筋が基礎コンクリートの上面から建物の浮き上がり量に応じた必要長さ分だけ突き出されていること、前記基礎コンクリートの上面に、当該鉄筋コンクリート造柱を支持し、当該鉄筋コンクリート造柱の水平方向の変位を拘束するに足る立ち上がり部を設けた底型枠兼用鋼板が載置され、前記柱主筋は前記底型枠兼用鋼板に設けられた貫通孔を貫通して立ち上がっていること、前記底型枠兼用鋼板は、当該鉄筋コンクリート造柱に作用する上下方向の圧縮力を伝達できるようにスタッド等の定着用治具により基礎コンクリートへ定着されていること、前記底型枠兼用鋼板における当該鉄筋コンクリート造柱の当接部分と柱主筋の立ち上がり部分は、それぞれ剥離材による縁切り処置が施され、ロッキング振動に伴う浮き上がり許容構造とされていることを特徴とする、鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構造。
【請求項7】底型枠兼用鋼板は、基礎コンクリートへ埋め込み定着されていることを特徴とする、請求項6に記載した鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構造。
【請求項8】基礎コンクリートの上面部と鉄筋コンクリート造柱の下面部に一致するダボ孔が設けられ、該ダボ孔に底型枠兼用鋼板を貫通するダボピンが嵌め込まれていることを特徴とする、請求項6又は7に記載した鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構造。
【請求項9】鉄筋コンクリート造柱と底型枠兼用鋼板との間隙中に衝撃緩衝用シートなどの衝撃緩衝材が設けられていることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載した鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、地震時にロッキング振動に伴う浮き上がりを生じさせて地震力を低減する建物の鉄筋コンクリート造(以下、RC造という場合がある。)柱の柱脚部の免震構法及び免震構造の技術分野に属し、更に云えば、前記ロッキング振動に伴う浮き上がり許容構造をRC造柱の柱脚部で実施する免震構法及び免震構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アスペクト比が大きく、地震時のロッキング振動に伴う浮き上がり現象を発生する建物に作用する地震入力を低減させる免震構法及び免震構造の技術としては、例えば、実公平6−18996号公報、特許第2631486号公報(平成9年7月16日発行)等に種々開示されて公知である。
【0003】前記公報に開示された従来技術はいずれも、図5Aに示したように、建物aが水平方向に大きく変位することを許容する技術思想に立脚しており、上下方向にはできるだけ変位を生じさせないため、建物aとこれを支持する基礎bとの接点を上下方向に緊結した構造を基本としている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、アスペクト比が大きい建物の場合、地震時の建物の動きは、図5Bに示したように、上下方向の変位を基本とするロッキング振動が支配的となり、免震装置cに大きな引張り軸力が作用する。そのため前記従来技術のように建物aと基礎bとを緊結した構造の場合には、前記引張り軸力に耐える免震装置c及び基礎bが必要となり、多数の棒状部材で結合したり、或いは転倒防止用の積層ゴム体を併用するほかない。その上、建物aの柱にも同様な引張り軸力が作用するから当該柱もそれなりに高強度な構造に構築する必要がある。
【0005】また、都市部の建物のように隣接する建物との間隔が少ない場合には、免震層が大変形を起こすと地表部分において隣接する建物へ衝突し二次災害を起こす危険性もある。
【0006】ところで、近年、本出願人は、特願平11−42759号(平成11年2月22日付け出願)に開示しているように、アスペクト比が大きい建物とこれを支持する支持版との接点を上下方向に緊結せず、上下方向の変位を基本とするロッキング振動に伴う浮き上がり許容構造を実施する免震方法と免震構造を開発した。この原理思想は、出願明細書の段落[0017]〜[0021]と図面の図4に記載したとおりである。
【0007】しかしながら、前記ロッキング振動に伴う浮き上がり許容構造をRC造柱で実施した技術は、未だ開発されていない。
【0008】したがって、本発明の目的は、特にアスペクト比が大きい建物を対象とし、地震時のロッキング振動に伴う浮き上がり許容構造をRC造柱で実施することができる鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法及び免震構造を提供することである。
【0009】本発明の次の目的は、建物と基礎とを緊結しないで、建物への地震入力に対して建物の浮き上がりを許容して地震力の低減化を図る技術、そして、積層ゴム等の免震装置を使用する必要がなく、地震が終了したときには残留変位がない、鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法及び免震構造を提供することである。
【0010】本発明の更なる目的は、建物のRC造柱に引張り軸力が発生しないため、その設計を簡略に行え、ひいては既存建物の建て替えに際して、基礎部の設計、施工の大幅な合理化を図れる、鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法及び免震構造を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明にかかる鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法は、地震時にロッキング振動に伴う浮き上がりを生じさせて地震力を低減する建物の鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法であって、柱主筋を基礎コンクリートの上面から建物の浮き上がり量に応じた必要長さ分だけ突き出させ、前記基礎コンクリートの上面へ、当該鉄筋コンクリート造柱を支持し、当該鉄筋コンクリート造柱の水平方向の変位を拘束するに足る立ち上がり部を設けた底型枠兼用鋼板を載置し、前記柱主筋を前記底型枠兼用鋼板に設けた貫通孔へ貫通させて立ち上がらせ、前記底型枠兼用鋼板を、当該鉄筋コンクリート造柱に作用する上下方向の圧縮力を伝達できるようにスタッド等の定着用治具により基礎コンクリートへ定着させ、前記底型枠兼用鋼板における当該鉄筋コンクリート造柱の当接部分と柱主筋の立ち上がり部分に、それぞれ剥離材による縁切り処置を施し、前記底型枠兼用鋼板をベースに柱の配筋を行うと共に型枠を組立て、コンクリートを打設してロッキング振動に伴う浮き上がりを生じる鉄筋コンクリート造柱を構築することを特徴とする。
【0012】請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法において、底型枠兼用鋼板は、基礎コンクリートへ埋め込んで定着させることを特徴とする。
【0013】請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法において、基礎コンクリートの上面部と鉄筋コンクリート造柱の下面部に一致するダボ孔を設け、該ダボ孔に底型枠兼用鋼板を貫通するダボピンを嵌め込むことを特徴とする。
【0014】請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載した鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法において、底型枠兼用鋼板の上面に、衝撃緩衝用シートなどの衝撃緩衝材を設置することを特徴とする。
【0015】請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載した鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法において、底型枠兼用鋼板の立ち上がり部の天端に衝撃緩衝材を設置し、その上に埋殺し型枠を組み立てて鉄筋コンクリート造柱を構築することを特徴とする。
【0016】請求項6に記載した発明にかかる鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構造は、地震時にロッキング振動に伴う浮き上がりを生じさせて地震力を低減する建物の鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構造であって、柱主筋が基礎コンクリートの上面から建物の浮き上がり量に応じた必要長さ分だけ突き出されていること、前記基礎コンクリートの上面に、当該鉄筋コンクリート造柱を支持し、当該鉄筋コンクリート造柱の水平方向の変位を拘束するに足る立ち上がり部を設けた底型枠兼用鋼板が載置され、前記柱主筋は前記底型枠兼用鋼板に設けられた貫通孔を貫通して立ち上がっていること、前記底型枠兼用鋼板は、当該鉄筋コンクリート造柱に作用する上下方向の圧縮力を伝達できるようにスタッド等の定着用治具により基礎コンクリートへ定着されていること、前記底型枠兼用鋼板における当該鉄筋コンクリート造柱の当接部分と柱主筋の立ち上がり部分は、それぞれ剥離材による縁切り処置が施され、ロッキング振動に伴う浮き上がり許容構造とされていることを特徴とする。
【0017】請求項7に記載した発明は、請求項6に記載した鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構造において、底型枠兼用鋼板は、基礎コンクリートへ埋め込み定着されていることを特徴とする。
【0018】請求項8に記載した発明は、請求項6又は7に記載した鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構造において、基礎コンクリートの上面部と鉄筋コンクリート造柱の下面部に一致するダボ孔が設けられ、該ダボ孔に底型枠兼用鋼板を貫通するダボピンが嵌め込まれていることを特徴とする。
【0019】請求項9に記載した発明は、請求項6〜8のいずれか1項に記載した鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構造において、鉄筋コンクリート造柱と底型枠兼用鋼板との間隙中に衝撃緩衝用シートなどの衝撃緩衝材が設けられていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態及び実施例】図1と図2は、請求項1記載の発明にかかる鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法の実施形態を示している。この鉄筋コンクリート造柱1の柱脚部の免震構法は、地震時にロッキング振動に伴う浮き上がりを生じさせて地震力を低減する建物を構築するために実施される。
【0021】先ず、柱主筋2を基礎コンクリート3の上面から建物の浮き上がり量に応じた必要長さ分だけ突き出させる。次に、前記基礎コンクリート3の上面へ、当該RC造柱1を支持し、当該RC造柱1の水平方向の変位を拘束するに足る立ち上がり部4aを設けた底型枠兼用鋼板4を載置し、前記柱主筋2を前記底型枠兼用鋼板4に設けた貫通孔(図示省略)へ貫通させて立ち上がらせる。前記底型枠兼用鋼板4を、当該RC造柱1に作用する上下方向の圧縮力を伝達できるようにスタッド8等の定着用治具により基礎コンクリート3へ定着させる。前記底型枠兼用鋼板4における当該RC造柱1の当接部分と柱主筋2の立ち上がり部分に、それぞれ剥離剤の塗布(図示省略)、剥離用シート9の張り付け等の剥離材による縁切り処置を施す。前記底型枠兼用鋼板4をベースに主筋6と帯筋7で柱の配筋を行うと共に型枠5を組立て、コンクリートを打設してロッキング振動に伴う浮き上がりを生じる鉄筋コンクリート造柱を構築する(請求項1記載の発明)。
【0022】前記柱主筋2は、図2に示したように、前記底型枠兼用鋼板4の立ち上がり部分4aの内側面近傍位置に沿ってバランス良く計8本突き出させている。なお、柱主筋2の本数はこれに限定されず、前記RC造柱1に作用する水平方向のせん断力を基礎コンクリート3へ確実に伝達できる本数とする。また、前記柱主筋2の突き出し高さは前記ロッキング振動による建物の設計浮き上がり高さより高く設定して実施している。
【0023】前記底型枠兼用鋼板4は、前記ロッキング振動に伴う浮き上がり時に支持点となる場合でも、RC造柱1からの上載荷重に耐えられ、しかもRC造柱1の落下衝撃力にも耐えられる強度とされ、床レベルに設置されている。なお、前記RC造柱1に作用する水平方向のせん断力を更に確実に基礎コンクリート3へ伝達させるべく、前記底型枠兼用鋼板4を基礎コンクリート3中に埋め込み定着させて実施しても良いし(請求項2記載の発明)、図4A,Bに示したように、前記底型枠兼用鋼板4の略中央部に、基礎コンクリート3の上面部とRC造柱1の下面部に一致するダボ孔12を設け、該ダボ孔12に前記底型枠兼用鋼板4を貫通するダボピン11を嵌め込んで実施しても良い(請求項3記載の発明)。
【0024】前記底型枠兼用鋼板4における当該RC造柱1の当接部分と柱主筋2の立ち上がり部分に施す剥離材による縁切り処置は、前記底型枠兼用鋼板4については剥離剤を塗布することにより行い、柱主筋2の立ち上がり部分については剥離用シート9を張り付けることにより実施している。なお、縁切り処置はこれに限定されず、剥離剤の塗布のみで行っても良いし、剥離用シート9の張り付けのみで行っても良い。もちろん、前記底型枠兼用鋼板4については剥離用シート9を張り付けることにより行い、柱主筋2の立ち上がり部分については剥離剤を塗布することにより行っても良い。
【0025】もちろん、前記剥離材による縁切り処置は、前記剥離用シート9の張り付け、剥離剤の塗布に限定されない。前記柱主筋2の立ち上がり部分については、その全体を覆う鞘管(図示省略)をかぶせて実施しても略同様の効果を奏することができる。前記底型枠兼用鋼板4については、後述する衝撃緩衝用シート13などの衝撃緩衝材を設置しても略同様の効果を奏することができる。
【0026】また、底型枠兼用鋼板4の上面には、RC造柱1における上下方向の落下衝撃力を緩和する衝撃緩衝用シート13などの衝撃緩衝材を設置している(請求項4記載の発明)。前記衝撃緩衝材には、厚さが数cm程度の積層ゴムシート、或いは鉛板などを使用する。
【0027】前記主筋6は、図1Aに示したように、平面的に見て、前記柱主筋2の本数及び配置と同一の本数及び配置で、図1Bに示したように、前記柱主筋2の直上位置に配設される。なお、前記主筋6の本数及び配置はこれに限定されない。
【0028】前記帯筋7は、前記主筋6に対しては、図1Aに示したように、通例通り前記主筋6を取り囲むように配筋され、前記柱主筋2に対しては、図2に示したように、該柱主筋2を外装する剥離用シート9を取り囲むように配筋されている。また、前記帯筋5は、図1Bに示したように、構造設計上、RC造柱1の柱脚部分を密に配することが好ましい。
【0029】ちなみに、前記鉄筋コンクリート造柱1の柱部分を埋殺し型枠5により構築する場合は、底型枠兼用鋼板4の立ち上がり部4aの天端に衝撃緩衝材10を設置し、その上に埋殺し型枠5を組み立てて鉄筋コンクリート造柱を構築する(請求項5記載の発明)。
【0030】上述した免震構法により構築した鉄筋コンクリート造柱1の柱脚部の免震構造は、柱主筋2が基礎コンクリート3の上面から建物の浮き上がり量に応じた必要長さ分だけ突き出されている。前記基礎コンクリート3の上面に、当該鉄筋コンクリート造柱1を支持し、当該鉄筋コンクリート造柱1の水平方向の変位を拘束するに足る立ち上がり部4aを設けた底型枠兼用鋼板4が載置され、前記柱主筋2は前記底型枠兼用鋼板4に設けられた貫通孔を貫通して立ち上がっている。前記底型枠兼用鋼板4は、当該鉄筋コンクリート造柱1に作用する上下方向の圧縮力を伝達できるようにスタッド8等の定着用治具により基礎コンクリート3へ定着されている。前記底型枠兼用鋼板4における当該鉄筋コンクリート造柱1の当接部分と柱主筋2の立ち上がり部分は、それぞれ剥離剤の塗布、剥離用シート9の張り付け等の剥離材による縁切り処置が施され、ロッキング振動に伴う浮き上がり許容構造とされている(請求項6記載の発明)。
【0031】また、鉄筋コンクリート造柱1と底型枠兼用鋼板4との間隙中に衝撃緩衝用シート13などの衝撃緩衝材が設けられている(請求項9記載の発明)。
【0032】よって、上記免震構造は、前記剥離材による縁切り処置により、図3に示したように、RC造柱1は地震時のロッキング振動の際にこれを支持する底型枠兼用鋼板4と切り離して浮き上がり現象を生じさせることができる。また、前記底型枠兼用鋼板4を基礎コンクリート3へスタッド8により強固に定着させているので、図3に示したように、前記ロッキング振動に伴うRC造柱1の浮き上がり時に底型枠兼用鋼板4が上方にずり動くことは一切ない。
【0033】したがって、地震時にロッキング振動が生じると、前記RC造柱1がこれを支持する底型枠兼用鋼板4から切り離されて、図3に示したように、上下方向に変位し、それに伴い建物重心が上下に動き、もって地震により建物に入るエネルギーを消費させるのである。
【0034】以上要するに、上記免震構造は、前記RC造柱1に作用する上下方向の圧縮力は前記底型枠兼用鋼板4を介して基礎コンクリート3へ確実に伝達させ、水平方向のせん断力は前記柱主筋2を介して基礎コンクリート3へ確実に伝達させるが、上下方向の引張り力は基礎コンクリート3へ一切伝達させない構造とされている。
【0035】なお、図示は省略するが、隣合うRC造柱1同士の間隔は、設計浮き上がりが発生する地震の大きさに応じて調整する。
【0036】
【本発明が奏する効果】請求項1〜9に記載した発明に係る鉄筋コンクリート造柱の柱脚部の免震構法及び免震構造によれば、従来技術のように免震ゴムなどの免震装置を使用しないで、アスペクト比が大きい建物の免震化を実現でき、そうした装置類の設置を前提とする免震層は殆ど零に近く縮小化でき、建物の有効利用度が高くなる。しかも地震が終了したときには残留変位が発生しない。
【0037】地震時に建物の浮き上がりが発生すると、同建物に作用する地震力はそれ以上に増加しない。従って、建物に作用する地震力の上限を定めることが可能となり、想定地震以上に大きい地震が作用した場合にも、建物の損傷を一定のレベル以下にできる。
【0038】建物の柱に引張り軸力が作用しないので、その検討の必要がなく、柱の設計を簡略化できる。
【0039】既存建物を建て替える場合には、既存の基礎及び下部躯体も残して、その上に接点を設けて新築建物を構築することにより、基礎部の設計や施工の大幅な合理化を図れる。




 

 


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