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発明の名称 免震構造架構及びその構築工法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−123704(P2001−123704A)
公開日 平成13年5月8日(2001.5.8)
出願番号 特願平11−307683
出願日 平成11年10月28日(1999.10.28)
代理人 【識別番号】100090114
【弁理士】
【氏名又は名称】山名 正彦
【テーマコード(参考)】
2D046
【Fターム(参考)】
2D046 DA13 
発明者 岩下 敬三 / 木村 秀樹 / 春日 康博 / 木谷 宗一 / 相模 友行 / 結城 大作 / 谷口 元
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】アスペクト比が大きく地下階を有する建物とこれを支持する支持版とは浮き上がり可能に縁切りされており、同建物の地下外壁と、地盤に設けた山留め壁又は既存の地下外壁との間に、当該建物の水平方向への変位を拘束するが上下方向への変位は許容し、且つ変位時に減衰力を発揮するエネルギー吸収装置が設置されていることを特徴とする、免震構造架構。
【請求項2】エネルギー吸収装置は、高減衰ゴムを用いた積層ゴム又は粘弾性体等で構成されていることを特徴とする、請求項1記載の免震構造架構。
【請求項3】浮き上がり可能に縁切りされた建物の底面と支持版とに相互に嵌まり合う凸部と凹部が複数設けられていると共に、前記凹凸部の間隔の大きさで建物の浮き上がりの発生が調整されていることを特徴とする、請求項1又は2記載の免震構造架構。
【請求項4】地盤に設けた山留め壁又は既存の地下外壁の内側面に、水平方向への変位を拘束するが上下方向への変位は許容し、且つ変位時に減衰力を発揮するエネルギー吸収装置を先行して設置し、前記エネルギー吸収装置を埋設させる厚さの弾性部材を各エネルギー吸収装置の間へ敷設し、前記弾性部材及びエネルギー吸収装置のフランジをコンクリート型枠に代用して建物の地下外壁のコンクリート打設を行うことを特徴とする、免震構造架構の構築工法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アスペクト比が大きく、地震時のロッキング振動に伴う浮き上がり現象を発生する建物の転倒を防止しつつ、同建物に作用する地震力を低減させる免震構造架構及びその構築工法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、アスペクト比が大きく、地震時のロッキング振動に伴う浮き上がり現象を発生する建物の転倒を防止しつつ、同建物に作用する地震入力を低減させる免震構造架構の技術としては、例えば■実公平6−18996号公報、■特許第2631486号公報等に開示された発明が公知である。
【0003】前記■、■の従来技術はいずれも、図5Aのように建物1が水平方向に大きく変位することを許容する考えに立脚しており、上下方向にはできるだけ変位を生じさせないようにする考えである。建物1とこれを支持する支持版2との接点を上下方向に緊結した構成を基本としている。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、建物の高さと幅の比(アスペクト比)が大きい建物の場合、地震時の建物1の動きは、図5Bのように上下方向の変位を基本とするロッキング振動が支配的となり、免震装置aに大きな引張り軸力が作用する。そのため、上記従来技術■、■のように建物1と支持版2とを緊結した構造の場合は、免震装置a及び支持版2として前記の大きな引張り軸力に耐え得るものが必要となり、多数の棒状部材で結合したり、或いは転倒防止用の積層ゴム体を併用するほかない。
【0005】その上、建物1の柱及び基礎にも同様な引張り軸力が作用するから、当該柱及び基礎もそれなりに高強度な構造に構築する必要がある。
【0006】また、都市部の建物のように隣接する建物との間隔が少ない場合には、免震層が大変形を起こすと、地表部分において周辺の附属施設へ建物が衝突し二次災害を起こす危険性もある。
【0007】更に上記従来技術■、■の免震構造架構は、アスペクト比が大きく地下階を有する建物に応用した場合にも、前記した問題点は同様に存在する。
【0008】そこで、本発明の目的は、アスペクト比が大きく特に地下階を有する建物を対象とし、同建物の地下構造部分の構成を有効に生かし、従来技術とは逆に同建物の地震時のロッキング振動に伴う浮き上がり現象を利用して、同建物の転倒を防止しつつ、同建物に作用する地震入力を周辺の建物に悪影響を与えない限度の上下方向の変位によって低減させ、地震終了後に残留変位を生じさせない、免震構造架構及びその構築工法を提供することである。
【0009】本発明の他の目的は、支持版を支持する杭及び建物の柱に引張り軸力を発生させず、これらを含めた建物の地下構造部分の設計を簡略に行える、免震構造架構及びその構築工法を提供することである。
【0010】本発明の異なる目的は、既存建物の建て替えに際しては、当該既存建物の地下構造部分の一部をそのまま利用でき、施工の大幅な合理化が図れる、免震構造架構及びその構築工法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明に係る免震構造架構は、アスペクト比が大きく地下階を有する建物とこれを支持する支持版とは浮き上がり可能に縁切りされており、同建物の地下外壁と、地盤に設けた山留め壁又は既存の地下外壁との間に、当該建物の水平方向への変位を拘束するが上下方向への変位は許容し、且つ変位時に減衰力を発揮するエネルギー吸収装置が設置されていることを特徴とする。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の免震構造架構において、エネルギー吸収装置は、高減衰ゴムを用いた積層ゴム又は粘弾性体等で構成されていることを特徴とする。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の免震構造架構において、浮き上がり可能に縁切りされた建物の底面と支持版とに相互に嵌まり合う凸部と凹部が複数設けられていると共に、前記凹凸部の間隔の大きさで建物の浮き上がりの発生が調整されていることを特徴とする。
【0014】請求項4記載の発明に係る免震構造架構の構築工法は、地盤に設けた山留め壁又は既存の地下外壁の内側面に、水平方向への変位を拘束するが上下方向への変位は許容し、且つ変位時に減衰力を発揮するエネルギー吸収装置を先行して設置し、前記エネルギー吸収装置を埋設させる厚さの弾性部材を各エネルギー吸収装置の間へ敷設し、前記弾性部材及びエネルギー吸収装置のフランジをコンクリート型枠に代用して建物の地下外壁のコンクリート打設を行うことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施形態及び実施例】図1及び図4は、請求項1、2に記載した発明に係る免震構造架構の実施形態をそれぞれ示している。
【0016】この免震構造架構は、図1に示したように、アスペクト比が例えば3倍以上に大きい地下階を有する建物1の底面が、これを支持する支持版2との間で浮き上がり可能に縁切りされている。両者はその接点(支持点)を含めて上下方向には一切緊結されていない。そして、前記建物1の地下外壁3と、地盤4に設けた山留め壁5との間には、図2に詳細を示したように、建物1の水平方向への変位を拘束するが上下方向への変位は許容し、且つ変位時に減衰力を発揮するエネルギー吸収装置として複数体の高減衰ゴムを用いた積層ゴム6…が横向きの姿勢で等間隔に設置されている。
【0017】前記エネルギー吸収装置は、山留め壁5に作用する水平方向の土水圧を建物1の地下外壁3へ伝達させつつ、前記建物1の地下外壁3の上下方向の変位は拘束しない性能のものであり、高減衰ゴムを用いた積層ゴム6の代わりに、粘弾性体(粘弾性ダンパー)その他のものを設置して実施することも可能である。前記エネルギー吸収装置としての積層ゴム6の断面形状や設置形態等についても、図示した例に限定されない。
【0018】本発明の原理思想は、要するに、アスペクト比が大きく地下階を有する建物1とこれを支持する支持版2との間は上下方向に緊結せず、同建物1の地下外壁3と、地盤4に設けた山留め壁5(又は後述する既存の地下外壁5’)との間に、高減衰ゴムを用いた積層ゴム6…等のエネルギー吸収装置を設置して、地震時に浮き上がりが生じ易い構造とすることである。積層ゴム6…等のエネルギー吸収装置によって建物1を上下方向の変位を許容することにより、建物1の重心が上下に動き、もって地震により当該建物1に入った振動エネルギーを消費させる結果となる。前記積層ゴム6…等のエネルギー吸収装置が発揮する減衰力の大きさを調節することで、建物1の底面と支持版2との衝突時の衝撃を許容範囲内に設定することができる。
【0019】さらに図3に例示したように、浮き上がり可能に縁切りされた建物1の底面と支持版2とに、相互に嵌まり合う凸部と凹部から成る接点(支持点)9を、縦方向及び横方向それぞれに少なくとも2点以上設け、同接点(凹凸部)9、9の間隔Lの大きさを変化させることで、地震時のロッキング振動による建物1の浮き上がりの発生を調整することも可能である(請求項3記載の発明)。具体的には前記接点(凹凸部)9、9の間隔Lの大きさを小さくすると、建物のアスペクト比がより大きい場合と同等な支持状態となり、建物1の浮き上がりの変位量が通常の支持状態に比して大きくなる。
【0020】なお、地盤4の耐力が不足し、杭が必要であれば、支持版2の下に、図1に破線で示した杭支持部8を構築し支持させればよい。
【0021】次に、上記免震構造架構の構築工法(請求項4記載の発明)を図2に基いて説明する。
【0022】先ず、地盤4に設けた山留め壁5の内側面に上記したエネルギー吸収装置としての複数体の高減衰ゴムを用いた積層ゴム6…を先行して横向きの姿勢で等間隔に設置する。
【0023】続いて、前記積層ゴム6…を埋設させる厚さで、且つその上下方向への変形動作を阻害しない程度に弾性な発泡ポリスチレンボード等の弾性部材7…を各積層ゴム6…の間へ敷設し、前記弾性部材7…及び積層ゴム6…のフランジをコンクリート型枠(捨て型枠)に代用して地下外壁3のコンクリート打設を行い、上記免震構造架構が図2に示したように構築される。
【0024】次に、図4は、アスペクト比が大きい建物の建て替え時に本発明の免震構造架構及びその構築工法を実施する要領を示している。
【0025】先ず、既存建物の解体工事において、既存の支持版2及び外周を山留め壁5に囲まれた既存の地下外壁5’は残しておく。新築建物1は、前記地下外壁5’の内側へ建築する。新築建物1と前記既存の支持版2との間は、上記実施形態と同様、その接点(支持点)を含めて浮き上がり可能に絶縁されている。そして、図2に示したように、新築建物1の地下外壁3と、前記既存の地下外壁5’との間に、エネルギー吸収装置としての高減ゴムを用いた積層ゴム6…を設置する。
【0026】本実施形態では、既存の地下外壁5’及び既存の支持版2をそのまま利用するので、地下構造部分の施工を非常に簡便に行える。
【0027】
【本発明が奏する効果】請求項1〜4に記載した発明に係る免震構造架構及びその構築工法は、アスペクト比が大きく地下階を有する建物の地下構造部分の構成を有効に生かし、従来技術とは逆に、同建物の地震時のロッキング振動に伴う浮き上がり現象を利用して、同建物の転倒を防止しつつ、同建物に作用する地震入力を周辺の建物に悪影響を与えない限度の上下方向の変位により低減させ、地震終了後には残留変位を生じさせない優れた構成である。
【0028】また、支持版を支持する杭及び建物の柱に引張り軸力が発生しないため、これらを含めた建物の地下構造部分の設計を簡略に行える。
【0029】さらに、既存建物の建て替えに際しては、当該既存建物の地下構造部分の一部をそのまま利用でき、施工の大幅な合理化も図れる。




 

 


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