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発明の名称 建築構造物及び建築構造物の制震方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−73584(P2001−73584A)
公開日 平成13年3月21日(2001.3.21)
出願番号 特願平11−251115
出願日 平成11年9月6日(1999.9.6)
代理人 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
発明者 八木 毅 / 遠山 幸太郎 / 樫村 俊也 / 樋口 満 / 杉林 秀夫 / 高橋 賢司
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】外装材を取り付けることなく、柱、各階層を構成する梁及び床、及び基礎で構成され、固有周期が同じ高さの通常の建築構造物の固有周期より長くされた単一の主構造体と、各々柱、梁、床、及び外装材を有し、かつ相互に分離されて構成され、前記主構造体より固有周期が短くされた複数の副構造体と、を含み、前記副構造体の各々が前記主構造体の各階層を構成する梁に振動可能に剛接合された建築構造物。
【請求項2】前記主構造体を高張力鋼で構成し、前記副構造体を普通鋼で構成した請求項1の建築構造物。
【請求項3】前記主構造体の耐久年数を前記副構造体の耐久年数より長くした請求項1または2の建築構造物。
【請求項4】前記主構造体と前記副構造体との間に、前記主構造体と前記副構造体との相対変位を利用した減衰装置を介在させた請求項1〜3のいずれか1項の建築構造物。
【請求項5】外装材を取り付けることなく、柱、各階層を構成する梁及び床、及び基礎で構成され、固有周期が同じ高さの通常の建築構造物の固有周期より長くされた単一の主構造体の各階層を構成する梁の各々に、各々柱、梁、床、及び外装材を有し、かつ相互に分離されて構成され、前記主構造体より固有周期が短くされた複数の副構造体の各々を振動可能に剛接合し、前記主構造体及び副構造体を制震する建築構造物の制震方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築構造物及び建築構造物の制震方法に係り、特に、地震荷重等の外乱入力時の水平方向の振動を抑制した建築構造物及び建築構造物の制震方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地震力による構造物の振動や揺れを抑え、耐震性、居住性を高める目的で、構造物の下に積層ゴム等の免震装置を挿入して振動を絶縁する免震工法や、構造物の頂点部にその振動に共振する振動体等を設置し、この振動体で構造物に入力される振動エネルギーを消費する制震工法等が現在普及しつつある。
【0003】また、特許第2501648号公報には、柱と梁とから構成された大断面の主構造体、すなわち剛性が高い主構造体から懸垂する吊材に、この主構造体から構造的に切り離されかつ床と支持柱とからなる吊り構造体を吊り支持させた建築構造物が記載されている。この建築構造物では、主構造体と吊り構造体とが接合点において回転自由に接合されている。また、この吊り構造体は、吊り床を支持する吊材の上端と下端の両定着点間距離(すなわち、振り子長さ)を充分長くすることにより、吊り構造体の固有周期を主構造体の固有周期より相対的に長周期化させ、吊り床に発生する水平力を低減させるのものである。
【0004】この建築構造物では、内部空間と外部空間とを隔てる役割をする外装材を吊り構造体に取り付けると、吊り構造体の水平剛性が小さいことから、風荷重のような外乱に対して変形が大きくなり、居住性等に対して問題が生じ易いため、外装材は主構造体に取り付けることになる。
【0005】また、特公平5−2073号公報には、柱及び梁によって構成され、かつ外周に外装材(外壁)が取り付けられた主構造体の大架構の各層に、サスペンション材を介して小架構を懸垂させた免震制震構造物が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の技術では、いずれも主構造体に外装材を取り付けているため、高層化に伴って主構造体に生じる変形量が大きくなると外装材の追従性が困難になる。このため、主構造体の変形に対する外装材の追従性を良好にするために、主構造体の剛性を更に高くする必要があり、これによって地震により入力される振動エネルギーが大きくなる。また、建築物のコストが高くなる、という問題点がある。
【0007】本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、主構造体の剛性を高くすることなく、低コストで地震荷重等の外乱入力時の水平方向の振動を抑制することができる建築構造物及び建築構造物の制震方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明の建築構造物は、外装材を取り付けることなく、柱、各階層を構成する梁及び床、及び基礎で構成され、固有周期が同じ高さの通常の建築構造物の固有周期より長くされた単一の主構造体と、各々柱、梁、床、及び外装材を有し、かつ相互に分離されて構成され、前記主構造体より固有周期が短くされた複数の副構造体と、を含んで構成し、前記副構造体の各々を前記主構造体の各階層を構成する梁に振動可能に剛接合したものである。
【0009】また、本発明の建築構造物の制震方法は、外装材を取り付けることなく、柱、各階層を構成する梁及び床、及び基礎で構成され、固有周期が同じ高さの通常の建築構造物の固有周期より長くされた単一の主構造体の各階層の梁の各々に、柱、梁、床、及び外装材を有し、かつ相互に分離されて構成され、前記主構造体より固有周期が短くされた複数の副構造体の各々を振動可能に剛接合し、前記主構造体及び副構造体に入力される振動エネルギーを低減させようとしたものである。
【0010】本発明の主構造体は、外装材を取り付けることなく、柱、各階層を構成する梁及び床、及び基礎で構成されている。主構造体が外装材を有していないことから、主構造体の剛性を高くし、層間変形量を制限する必要がなくなる。
【0011】通常の建築構造物の固有周期は、この建築構造物の高さの0.02〜0.03倍で表されるが、上記のように本発明の主構造体は、剛性を高くする必要がないことから、固有周期が同じ高さの通常の建築構造物の固有周期、すなわち主構造体の高さの0.02〜0.03倍より長くされ、固有周期が同じ高さの通常の建築構造物の固有周期より長周期化されている。一般に、固有周期を長くする程、建物に入力される振動エネルギーが小さくなることから、主構造体の固有周期は、可能な限り伸長させることが好ましい。
【0012】複数の副構造体の各々は、柱、梁、床、及び外装材を各々有し、かつ相互に分離されている。副構造体の柱の上端または下端のどちらか一方は、主構造体の各階層を構成する梁の各々に振動可能に剛接合されている。副構造体の各々は、その柱の下端または上端のどちらか一方が主構造体と分離され、主構造体の柱との間にクリアランスを形成して、かつ水平方向に振動可能な状態に取り付けられており、副構造体の柱の両端を主構造体に接合した場合と比較して、主構造体の固有周期を長期化することができる。また、副構造体は、主構造体より固有周期が短くされている。主構造体に剛接合することにより、副構造体の固有周期が長周期にならないようにされている。
【0013】本発明によれば、主構造体には外装材が設けられていないので、主構造体の変形制限が緩和され、主構造体の固有周期を長周期化しても外装材の追従性に関する問題は発生しない。また、主構造体の固有周期が通常の建築構造物の固有周期より長周期化されているので、地震荷重等の外乱により主構造体に入力される振動エネルギーは低減され、固有周期が主構造体に比べて短い副構造体への振動エネルギーの入力も小さくなる。また、副構造体の固有周期を短く、つまり剛性を高くしたので、副構造体の変形量は小さくなり、副構造体に取り付けられた外装材の追従性が良好になる。
【0014】本発明では、主構造体を高張力鋼で構成し、副構造体を普通鋼で構成することができる。主構造体を高張力鋼で構成することにより、柱及び梁の断面積を小さくして、固有周期をより長周期化することができる。
【0015】また、本発明では、主構造体の耐久年数を副構造体の耐久年数より長くすると効果的である。この場合、主構造体は、存続期間中の大きな外力に対して耐え得る断面性能を有するように構成し、副構造体は、比較的小さな外力に対してのみ耐え得る断面性能を有するように構成すればよい。これにより、主構造体を長期間(例えば、200年)建替えないようにし、副構造体のみを比較的短周期毎(例えば、20年毎)に建替えることにより、長期的なライフサイクルコストを考えた場合、従来の建物に比較してコストを低減することができると共に、大きな架構を有する主構造体を長期的に建替えないので建設廃棄物の排出量も低減することができる。更に、主構造体と副構造体の耐久年数の差異により、主構造体の耐力より副構造体の耐力を低く設定すれば、地震荷重等の外乱を受けた場合、副構造体は主構造体よりも早期に部材が降伏する。副構造体の部材の履歴減衰により、建築構造物に入力される振動エネルギーは吸収されることから、副構造体は主構造体にとって制震装置となる。
【0016】また、主構造体と副構造体との間に、主構造体と副構造体との相対変位を利用した減衰装置を介在させることにより、減衰装置の作用により主構造体及び副構造体の振動エネルギーを効果的に吸収することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態の建築構造物は、図1及び図2に示すように、単一の主構造体10と複数(本実施の形態では4個)の副構造体12A〜12Dとから構成されている。
【0018】主構造体10は、下端部がコンクリート製の基礎14に固定されて平行に立設された複数本(本実施の形態では8本)の高張力鋼製の同一長さの柱10A〜10Hを備えている。主構造体10には、図2及び図3にも示すように、先端から基礎14に向かってある間隔に各階層を構成するための複数の梁で構成された複数の高張力鋼製の主構造体梁部16〜22が取り付けられている。さらに、複数の主構造体梁部には、各々床が取り付けられている。
【0019】各主構造体梁部16〜22は、同一構成であるため、主構造体梁部16を代表して図4を参照して説明すると、主構造体梁部16は複数の高張力鋼製の梁16A〜16Hを井桁状に組み合わせること等によって構成されている。この主構造体梁部16には、床29が取り付けられている。梁16A〜梁16Dは、柱10Aの先端と柱10Dの先端、柱10Dの先端と柱10Eの先端、柱10Eの先端と柱10Hの先端、及び柱10Eの先端と柱10Aの先端を各々連結しており、梁16E〜梁16Hは、柱10Bの先端と柱10Cの先端、柱10Cの先端と柱10Fの先端、柱10Fの先端と柱10Gの先端、及び柱10Gの先端と柱10Bの先端を各々連結している。また、梁16A、16Cと梁16F、16Hとは、井桁状に連結されており、この井桁の4つの連結部に副構造体を吊り下げるための副構造体接合部18A〜18Dが形成されている。
【0020】上記のように、主構造体には外装材は設けられておらず、主構造体の柱及び梁は高張力鋼で構成され、柱及び梁の各部材の断面(すなわち剛性)を小さくすることにより、固有周期が主構造体の高さの0.02〜0.03倍より長くされている。本実施の形態の場合、主構造体は、柱及び梁をSA440(60キロ級鋼)で高さが48.1m、固有周期が2.7秒程度になるように構成した。この固有周期は、更に長くすることもできる。
【0021】各主構造体梁部16〜22の各々には、副構造体接合部より、直下の主構造体梁部及び主構造体の柱との間にクリアランスを形成し、副構造体12A〜12Dの各々が水平方向に振動可能な状態に吊り下げられている。副構造体接合部において、副構造体は主構造体梁部に接合されている。また、副構造体の高さは、主構造体の高さより低いので、副構造体の固有周期は主構造体の固有周期より短くなっている。
【0022】副構造体は各々同一構成であり、図2及び図5に示すように、普通鋼(例えば、SN490)製の複数の柱24、普通鋼(例えば、SN400、またはSN490)製の複数の梁26、床28、及び外装材30を備えた3層構造で構成されている。各副構造体は、主構造体との間にクリアランスが形成されるように、吊り下げられることから構造的に相互に分離された状態で吊り下げられることになる。
【0023】本実施の形態では、主構造体の固有周期が通常の建築構造物の固有周期より長周期化され、地震荷重等の外乱により主構造体に入力される振動エネルギーは、低減され、固有周期の短い副構造体への振動エネルギーの入力も小さくなる。
【0024】なお、本実施の形態では、主構造体と副構造体との間、例えば、主構造体の柱と副構造体柱または梁との間に、主構造体と副構造体との相対変位を使用した減衰装置(例えば、パッシブ型ダンパー)を介在させることにより、更に安全性及び居住性を向上することができる。
【0025】本実施の形態では、主構造体の耐力を高張力鋼を用いることにより高耐力とし、地震等の外乱に対する余裕度を高めたので、主構造体の架構部及び基礎部の耐久年数を200年程度とし、副構造体の架構部の耐久年数を20年程度とすることができ、これによって建替等を考慮した長期的なライフサイクルコストを考えた場合、従来の建物に比較してコストを低減することができると共に、建設廃棄物の排出量も低減することができる。
【0026】更に、主構造体と副構造体の耐久年数の差異により、主構造体の耐力より副構造体の耐力を低く設定すれば、地震荷重等の外乱を受けた場合、副構造体は主構造体よりも早期に部材が降伏する。副構造体の部材の履歴減衰により、建築構造物に入力される振動エネルギーは吸収されることから、副構造体は主構造体にとって制震装置となる。
【0027】なお、上記の実施の形態では、副構造体を主構造体梁部の下面に剛接合して吊り下げた例について説明したが、主構造体梁部の上面に剛接合して、主構造体の柱及び直上の主構造体梁部との間にクリアランスを設けるようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、主構造体に外装材を取り付けていないので、主構造体の剛性を高くすることなく主構造体のコストを低減させて、地震荷重等の外乱により主構造体に入力する振動エネルギーを低減することができる、という効果が得られる。
【0029】また、本発明で、主構造体の耐久年数(地震等外乱による損傷確率を含む)を副構造体の耐久年数より長くするとことにより、従来の建物に比較して長期的なライフサイクルコストを低減することができる、という効果が得られる。




 

 


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