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発明の名称 粘性体壁ダンパーを利用した免震構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−40899(P2001−40899A)
公開日 平成13年2月13日(2001.2.13)
出願番号 特願平11−213562
出願日 平成11年7月28日(1999.7.28)
代理人 【識別番号】100090114
【弁理士】
【氏名又は名称】山名 正彦
発明者 木林 長仁
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】上下階の構造体からなる免震層に、粘性体を収容した平版型の粘性体容器と同容器内の粘性体中に浸漬された粘性抵抗板とから成る粘性体壁ダンパーを設置して構成される免震構造において、前記粘性体容器又は粘性抵抗板のいずれか一方が上下いずれかの構造体へ固定され、他方は、面外方向に略水平なレバー部材の一端部がいずれか一方の構造体に固定された支柱で水平方向回動自在に支持され、他端部は面外方向への移動が自在で面内方向への変形には追随するように他方の構造体へ設けられた手段とから構成された水平変形低減機構の前記レバー部材の途中位置へ連結されていること、を特徴とする粘性体壁ダンパーを利用した免震構造。
【請求項2】レバー部材の他端部を面外方向への移動が自在で面内方向への変形には追随させる手段は、前記レバー部材の他端部に鉛直に設けられたガイド軸と、該ガイド軸を中心に回転可能なローラと、該ローラを間に挟み他方の構造体へ面外方向に沿って設けられたガイドレールとより成るガイドローラ機構で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載した粘性体壁ダンパーを利用した免震構造。
【請求項3】粘性体容器又は粘性抵抗板のいずれか一方と、水平変形低減機構のレバー部材との連結位置は、レバー部材の長手方向の一端部側寄りに該レバー部材を略1:2乃至1:3程度の割合で内分する位置とされていることを特徴とする、請求項1に記載した粘性体壁ダンパーを利用した免震構造。
【請求項4】粘性抵抗板には面内方向に細長のガイド用溝孔が設けられ、粘性体容器には前記ガイド用溝孔を面外方向に貫通するガイドピンが設けられ、該ガイドピンには、平面的に見て、前記粘性抵抗板を前記粘性体容器の略中央に保持するスペーサーが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載した粘性体壁ダンパーを利用した免震構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建物の免震層において地震時の揺れを抑制ないし低減する免震構造、特には、上下階の構造体からなる免震層に、粘性体を収容した平版型の粘性体容器と同容器内の粘性体中に浸漬された粘性抵抗板とから成る粘性体壁ダンパーを設置して構成される免震構造の技術分野に属し、更に云えば、免震層と粘性体壁ダンパーとの取合いに水平変形低減機構を用いた免震構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上下階の構造体からなる免震層に、粘性体を収容した平版型の粘性体容器と同容器内の粘性体中に浸漬された粘性抵抗板とから成る粘性体壁ダンパーを設置して構成される免震構造は、例えば特公平5−22026号公報等に種々開示されて公知である。
【0003】■ 前記特公平5−22026号公報の第1図に開示された、粘性体壁ダンパーを利用した免震構造は、粘性体容器を下階の構造体へ、粘性抵抗板は上階の構造体へ、それぞれ両構造体の面外方向の層間変形時に水平軸回りに回転自在に軸着されている。この免震構造は、面外方向の層間変形時に粘性体壁ダンパーが回転しつつ追随変形可能であり、水平方向のみならず、鉛直方向にも減衰性能を発揮できると説明されている。
【0004】■ 前記公報の第2図には、粘性体容器を下階の構造体へ鉛直姿勢に固定し、粘性抵抗板は上階の構造体へ面外方向に固定したガイドビームへスリーブを利用してスライド自在に接続された免震構造が開示されている。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】従来技術■、■の粘性体壁ダンパーを利用した免震構造はともに、粘性体壁ダンパーの面内方向への層間変形をそのまま粘性抵抗板へ伝達する構造であるが故に、大地震が発生した場合に下記する致命的な問題点があった。
【0006】a)大地震が発生した場合、粘性体壁ダンパーの面内方向への層間変形は20〜50cm程度、相対速度は50〜100cm/s程度に達する。よって、粘性抵抗板の変形も20〜50cm程度、相対速度も50〜100cm/s程度に達する。このような大きな層間変形及び相対速度は、粘性抵抗板の面内方向の前側に粘性体の盛り上がりを発生させ、逆に後側に粘性抵抗板と粘性体との境界層の剥離による渦(後流)を発生させ、該渦中(粘性体中)に空気が取り込まれる結果、前記境界層に抵抗ゼロ領域が点在し、粘性体壁ダンパーの減衰性能が大幅に低減する虞があった。ちなみに、粘性体壁ダンパーの面内方向への減衰性能を恒久的に安定して発揮できる適用領域は、一般に層間変形が15cm程度、相対速度が30cm/s程度までと云われている。
【0007】また、前記大地震が発生した場合の層間変形を考慮すると、粘性体容器の面内方向のクリアランスを少なくとも左右に50cm程度は設ける必要があり、粘性体容器の大型化を招き、その分コストが嵩むという問題もあった。
【0008】その他、前記従来技術■、■の粘性体壁ダンパーを利用した免震構造はそれぞれ、下記する問題点があった。
【0009】b)従来技術■の場合、粘性体壁ダンパーが面外方向の層間変形に追随変形可能であるが故に、面外方向の変形時には粘性体壁ダンパー自身がそれなりの角度に傾斜し、粘性体容器から粘性体が溢れ出る虞があった。また、粘性体壁ダンパーが傾斜するということは、粘性体容器と粘性体抵抗板とが鉛直方向にも相対変位を生ずるということであり、両者は鉛直方向変位が可能な構成に組み立てねばならないので、製作が面倒である。
【0010】c)従来技術■の場合は、粘性体壁ダンパーを鉛直姿勢に固定して設けているので、上記b)の問題点は解消されている。しかし、一般的に上下階の構造体の層間変形は、面内方向と面外方向の所謂2軸方向の限りではなく、両方向を合成した「捻れ変形」が生ずることも往々にある。その場合には、地震力によってガイドビームが変形し、動作不能に陥る虞がある。
【0011】したがって、本発明の目的は、面内方向の減衰性能を、大きな層間変形及び相対速度が発生した場合でも恒久的に安定して効率よく発揮することができる粘性体壁ダンパーを利用した免震構造を提供することにある。
【0012】本発明の次の目的は、粘性体壁ダンパーの垂直姿勢を保持したまま面外方向へも移動でき、いわゆる捻れ変形に対しても自在性を有する粘性体壁ダンパーを利用した免震構造を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る粘性体壁ダンパーを利用した免震構造は、上下階の構造体からなる免震層に、粘性体を収容した平版型の粘性体容器と同容器内の粘性体中に浸漬された粘性抵抗板とから成る粘性体壁ダンパーを設置して構成される免震構造において、前記粘性体容器又は粘性抵抗板のいずれか一方が上下いずれかの構造体へ固定され、他方は、面外方向に略水平なレバー部材の一端部がいずれか一方の構造体に固定された支柱で水平方向回動自在に支持され、他端部は面外方向への移動が自在で面内方向への変形には追随するように他方の構造体へ設けられた手段とから構成された水平変形低減機構の前記レバー部材の途中位置へ連結されていることを特徴とする。
【0014】請求項2に記載した発明に係る粘性体壁ダンパーを利用した免震構造は、請求項1に記載したレバー部材の他端部を面外方向への移動が自在で面内方向への変形には追随させる手段は、前記レバー部材の他端部に鉛直に設けられたガイド軸と、該ガイド軸を中心に回転可能なローラと、該ローラを間に挟み他方の構造体へ面外方向に沿って設けられたガイドレールとより成るガイドローラ機構で構成されていることを特徴とする。
【0015】請求項3に記載した発明に係る粘性体壁ダンパーを利用した免震構造は、請求項1に記載した粘性体容器又は粘性抵抗板のいずれか一方と、水平変形低減機構のレバー部材との連結位置は、レバー部材の長手方向の一端部側寄りに該レバー部材を略1:2乃至1:3程度の割合で内分する位置とされていることを特徴とする。
【0016】請求項4に記載した発明に係る粘性体壁ダンパーを利用した免震構造は、請求項1に記載した粘性抵抗板には面内方向に細長のガイド用溝孔が設けられ、粘性体容器には前記ガイド用溝孔を面外方向に貫通するガイドピンが設けられ、該ガイドピンには、平面的に見て、前記粘性抵抗板を前記粘性体容器の略中央に保持するスペーサーが設けられていることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態、及び実施例】図1〜図3は、請求項1〜4に記載した発明に係る粘性体壁ダンパーを利用した免震構造の実施形態を示している。
【0018】この免震構造1は、上下階の構造体2、3からなる免震層4に、粘性体5を収容した平版型の粘性体容器6と同容器6内の粘性体5の中に浸漬された粘性抵抗板7とから成る粘性体壁ダンパー8を設置して実施される。
【0019】前記粘性体容器6は、下階の構造体3へ取付梁9を介してボルト止め等の手段で鉛直姿勢に固定されている。前記粘性抵抗板7は、面外方向に略水平な前記レバー部材12の一端部12aが下階の構造体3に固定された支柱13でピン連結により水平方向回動可能に支持され、他端部12bは面外方向への移動が自在で面内方向への変形には追随するように上階の構造体2へ設けられた手段14とから構成された水平変形低減機構10の前記レバー部材12の途中位置へ取付梁11を介してピン連結されている。なお、前記構成とは逆に、前記粘性抵抗板7を上階の構造体2へ固定し、前記粘性体容器6を前記水平変形低減機構10のレバー部材12の途中位置へ連結して実施しても良い。また、前記支柱13を上階の構造体2へ固定し、前記手段14を下階の構造体3へ設けて実施しても良い(請求項1)。
【0020】前記手段14として、ガイドローラ機構14が好適に実施される。該ガイドローラ機構14は、前記レバー部材12の他端部12bに鉛直に設けられたガイド軸15と、該ガイド軸15を中心に回転可能なローラ16と、該ローラ16を間に挟み前記上階の構造体2へ面外方向に沿って設けられた2列のガイドレール19、19とより成る(請求項2)。なお、前記ガイドレール19、19は、前記レバー部材12の面内方向への移動に際し、干渉を生じない配置に設けられている。
【0021】前記レバー部材12に対する取付梁11(粘性抵抗板7)のピン連結位置は、前記レバー部材12の一端部12a側寄りに該レバー部材12を略1:2(La:Lb)に内分する位置とされる。なお、該ピン連結位置はこれに限定されず、所望の減衰性能を十分に発揮し得る範囲で設定され、例えば略1:3に内分する位置でピン連結しても良い(請求項3)。
【0022】本実施形態では、図3に示したように、粘性体壁ダンパー8の面内方向に、水平変形を低減するために必要な間隔を確保した4体の水平変形低減機構10が互い違いにバランス良く配設されている。なお、前記水平変形低減機構10の個数は4体に限定されず、所望の減衰性能を十分に発揮し得る個数で実施される。
【0023】したがって、上記構成の粘性体壁ダンパー8を利用した免震構造1によれば、面内方向に層間変形が発生した場合、前記水平変形低減機構10のレバー部材12が、その一端部12aを中心に水平方向に回動するに伴い前記粘性抵抗板7へ前記層間変形を伝達する。該層間変形は、前記レバー部材12のアーム長さ比(La/La+Lb)に応じて低減されて前記粘性抵抗板7へ伝達される。よって、前記層間変形が20〜50cm程度、相対速度が50〜100cm/s程度の大地震が発生した場合、本実施形態による免震構造1は、アーム長さ比(La/La+Lb)は1/3より、水平変形量を6〜17cm程度、最大相対速度を17〜33cm/s程度に抑えることができる。また、前記アーム長さ比を1/4として実施すれば、水平変形量を5〜13cm程度、最大相対速度を13〜25cm/s程度に抑えることができる。
【0024】したがって、本発明に係る粘性体壁ダンパー8を利用した免震構造1は、前記粘性抵抗板7の面内方向への減衰性能を恒久的に安定して発揮できる適用領域の限界値(層間変形15cm程度、相対速度30cm/s程度)に十分に抑えることができるので、大地震が発生した場合でも、減衰性能を恒久的に安定して効率良く発揮することができる。それに伴い、粘性体容器6の面内方向のクリアランスをその分小さくすることができるので経済的である。また、面内方向と面外方向の2軸方向を合成したいわゆる捻れ変形に対しても略平行四辺形状に変位することによりフレキシブルに対処できるので、前述した従来技術のように動作不能に陥る虞は一切無く、恒久的に適正な減衰性能を発揮することができる。
【0025】一方、面外方向に層間変形が発生した場合には、前記ガイドローラ機構14による面外方向への自在性より、前記粘性体壁ダンパー8及び水平変形低減機構10は上階の構造体2に対し鉛直姿勢を保持しつつ平行移動するのみで前記層間変形は前記粘性抵抗板7へ一切伝達されない。よって、粘性体容器6から粘性体5が溢れ出ることは皆無である。
【0026】次に、請求項4に記載した発明は、前記免震構造1の免震性能を更に効率良く発揮させるために実施されるもので、前記粘性抵抗板7には面内方向に細長のガイド用溝孔17がバランス良く6箇所設けられ、前記粘性体容器6には前記ガイド用溝孔17を面外方向に貫通するガイドピン18が個々のガイド用溝孔17に対応してやはり計6個設けられ、前記ガイドピン18には、平面的に見て、粘性抵抗板7を粘性体容器6の略中央に保持するスペーサー20が設けられている。
【0027】よって、本発明に係る粘性体壁ダンパー8を利用した免震構造1は、鉛直変位をせず、水平変位のみして減衰性能を更に確実に効率良く発揮するのである。
【0028】なお、前記ガイド用溝孔17の面内方向の長さは、上下階の構造体2、3の層間変形の最大値を許容する長さに設定されている。前記スペーサー20は、各ガイドピン18毎に設ける必要はなく、全体として平面的に見て、粘性抵抗板7を粘性体容器6の略中央に保持できる配置で実施すれば足りる。また、前記ガイド用溝孔17及びガイドピン18の個数も前記6個に限らないことはもちろんである。
【0029】
【本発明が奏する効果】本発明に係る粘性体壁ダンパーを利用した免震構造は、下記の効果を奏する。
【0030】(1)大地震が発生した場合に生じる大きな層間変形及び相対速度を、水平変形低減機構により1/3乃至1/4程度に低減させて粘性抵抗板へ伝達することができるので、減衰性能を恒久的に安定して発揮できる適用範囲の限界値に十分に抑えることができ、その結果、減衰性能を恒久的に安定して効率良く発揮することができる。それに伴い、粘性体容器の面内方向のクリアランスをその分小さくすることができるので、経済的である。
【0031】(2)面内方向と面外方向の2軸方向を合成したいわゆる捻れ変形に対しても略平行四辺形状に変位することによりフレキシブルに対処できるので、前述した従来技術のように動作不能に陥る虞は一切無く、恒久的に適正な減衰性能を発揮することができる。
【0032】(3)面外方向に層間変形が発生した場合には、ガイドローラ機構による面外方向への自在性より、粘性体壁ダンパー及び水平変形低減機構は、上階の構造体に対し鉛直姿勢を保持しつつ平行移動するだけなので、粘性体容器から粘性体が溢れ出ることは皆無である。
【0033】(4)粘性抵抗板に面内方向に細長のガイド用溝孔が設けられ、前記粘性体容器に前記ガイド用溝孔を面外方向に貫通するガイドピンが設けられ、該ガイドピンは、平面的に見て、粘性抵抗板を粘性体容器の略中央に保持するスペーサーが設けられているので、鉛直変位をせず、水平変位のみして減衰性能を発揮するので効率的である。




 

 


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