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発明の名称 ファイル
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−253189(P2001−253189A)
公開日 平成13年9月18日(2001.9.18)
出願番号 特願2000−73986(P2000−73986)
出願日 平成12年3月13日(2000.3.13)
代理人 【識別番号】100101188
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 義雄
【テーマコード(参考)】
2C017
【Fターム(参考)】
2C017 QB01 UC10 UC16 
発明者 後藤 博子
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 表表紙及び裏表紙を備えたファイル本体と、このファイル本体の内面側に固定された綴じ具とを備えたファイルにおいて、前記綴じ具は前記表表紙及び裏表紙の何れか一方の内面側に固定されるベース部材と、当該ベース部材との間に所定の綴じ込み空間を形成する綴じ板部材とを備え、前記表表紙及び裏表紙の何れか他方の内面側に、前記ファイル本体を閉塞した状態で前記他方の内面側と綴じ板部材との相対滑りを規制する滑り防止部を設けたことを特徴とするファイル。
【請求項2】 表表紙及び裏表紙を備えたファイル本体と、このファイル本体の内面側に固定された綴じ具とを備えたファイルにおいて、前記綴じ具は前記裏表紙に固定されるベース部材と、当該ベース部材との間に所定の綴じ込み空間を形成する綴じ板部材とを備えて構成され、前記表表紙の内面側に、前記ファイル本体を閉塞した状態で表表紙と綴じ板部材との相対滑りを規制する滑り防止部を設けたことを特徴とするファイル。
【請求項3】 前記滑り防止部は綴じ板部材の外形に応じて形成された凹部により構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のファイル。
【請求項4】 前記滑り防止部は綴じ板部材の外形に応じて形成された凹部により構成され、この凹部は表紙の外面側を隆起させた隆起部を設けることによって形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のファイル。
【請求項5】 前記隆起部は表表紙の上下方向に沿って延びる略長楕円形状に設けられていることを特徴とする請求項4記載のファイル。
【請求項6】 前記綴じ板部材はファイル本体の上下方向に沿って延びる板状の部材からなり、その上面が緩やかな曲面に形成されていることを特徴とする請求項1,2,3,4又は4記載のファイル。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はファイルに係り、更に詳しくは、綴じ具と表紙との相対的な滑りを規制して表紙の内面側を保護することのできるファイルに関する。
【0002】
【従来の技術】図13及び図14には、従来のファイルが示されている。この図において、ファイル100は、ファイル本体101と、当該ファイル本体101の内面側に設けられた綴じ具103とを備えて構成されている。ファイル本体101は、表表紙104と、この表表紙104に背表紙105を介して設けられた裏表紙106とにより構成され、当該裏表紙106の内面側に綴じ具103が図示しないリベットを介して固定されている。綴じ具103は、板状のベース部材107と、このベース部材107の二箇所位置に設けられた綴じ棒108と、前記ベース部材107に背部材109を介して屈曲可能に連なるとともに、前記綴じ棒108の先端を受け入れ可能な穴(図示せず)を有する綴じ板部材110と、この綴じ板部材110の面内に配置されて綴じ棒108の先端側に係脱する図示しない片状のスライド部材とにより構成されている。
【0003】前記ファイル100に書類等を綴じ込むときは、綴じ板部材110をベース部材107に対して略平行となるようにし、前記スライド部材を綴じ板部材110の長手方向に沿ってスライドさせることで、当該スライド部材に綴じ棒108の先端を引っ掛けてロックでき、これによって、書類を綴じ込み状態に保つことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このようなファイル100にあっては、図14に示されるように、ファイル本体101を閉塞した状態としたときに、ファイル本体101とベース部材107が固定されていない側、すなわち、表表紙104と綴じ板部材110とが、それらの合わせ面に沿って図中左右方向に相対的に滑る傾向があり、これによって表表紙104の内面側を部分的に傷つけてしまう不都合や、ベース部材107とファイル本体101との固定部分に負荷がかかるり過ぎるという不都合を招来する。
【0005】また、ファイル100を持ち運びするときに、背表紙105領域が手の平に納まるようにして掴むことが多い。この場合、前述した相対的な滑りが表表紙104と綴じ板部材110との間に起きることで、ファイル100を不用意に落下させてしまう原因ともなる。
【0006】
【発明の目的】本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、ファイル本体の内面と綴じ板部材との相対的な滑りを規制できるようにし、ファイル本体の内面側を傷付けることのないファイルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明は、表表紙及び裏表紙を備えたファイル本体と、このファイル本体の内面側に固定された綴じ具とを備えたファイルにおいて、前記綴じ具は前記表表紙及び裏表紙の何れか一方の内面側に固定されるベース部材と、当該ベース部材との間に所定の綴じ込み空間を形成する綴じ板部材とを備え、前記表表紙及び裏表紙の何れか他方の内面側に、前記ファイル本体を閉塞した状態で前記他方の内面側と綴じ板部材との相対滑りを規制する滑り防止部を設ける、という構成を採っている。このような構成によれば、ファイル本体の内面側に擦れによる傷付きを防止できるとともに、持ち運びの際におけるファイル本体と綴じ板部材との相対位置安定化を図って落下原因を解消することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】具体的には、本発明は、表表紙及び裏表紙を備えたファイル本体と、このファイル本体の内面側に固定された綴じ具とを備えたファイルにおいて、前記綴じ具は前記裏表紙に固定されるベース部材と、当該ベース部材との間に所定の綴じ込み空間を形成する綴じ板部材とを備え、前記表表紙の内面側に、前記ファイル本体を閉塞した状態で表表紙と綴じ板部材との相対滑りを規制する滑り防止部を設ける、という構成を採っている。
【0009】前記滑り防止部は、綴じ板部材の外形に応じて形成された凹部により構成することが好ましい。このような凹部を設けることで、当該凹部に綴じ板部材が受容されることとなり、表表紙と綴じ板部材とが面方向に擦れ合うことを効果的に防止することができる。
【0010】また、前記凹部は表紙の外面側を隆起させた隆起部を設けることによって形成するとよい。これにより、隆起部を跨ぐような状態でファイルを手で掴んだときに、当該隆起部に指の腹が乗って引っ掛かり抵抗を生ずるようになり、ファイルを持ち運ぶときの滑りを防止することができる。特に、ファイル本体を樹脂シートにより形成した場合には、ファイル本体に対して手が滑り易い傾向が強いため一層効果的となる。なお、前記隆起部を表表紙の上下方向に沿って延びる略長楕円形状に設けることが好ましく、これにより、背表紙を跨ぐように手でファイルを持ったときに、指の腹が接触する領域を広く確保することができる。
【0011】更に、前記綴じ板部材はファイル本体の上下方向に沿って延びる板状の部材からなり、その上面が緩やかな曲面に形成される、という構成を採ることが好ましい。このようにすれば、表紙の内面側への傷付きを効果的に防止できる一方、隆起部の外面も曲面となってファイルを持ち易くすることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0013】図1には、本実施例に係るファイルを閉じた状態の概略斜視図が示され、図2には、ファイルを開いた状態の要部概略斜視図が示されている。これらの図において、ファイル10は、表表紙11と、この表表紙11に背表紙12を介して連なる裏表紙13とを備えたファイル本体15と、裏表紙13の背表紙12に近接した位置に配置された合成樹脂製の綴じ具17とを備えて構成されている。
【0014】前記綴じ具17は、図3ないし図12に示されるように、ベース部材20と、このベース部材20に一体的に設けられた綴じ部材としての綴じ棒21と、前記ベース部材20の前記背表紙23側端部に設けられた背部材23を介して連なる綴じ板部材24と、この綴じ板部材24に装着されたスライド部材26と、ベース部材20と背部材23との間に設けられた角度規制手段28とを備えて構成されている。
【0015】前記ベース部材20は、裏表紙13の上下方向(天地方向)に沿って延びる長片状の板状をなし、その長手方向両側に固定用穴30が形成されている。このベース部材20は、図6に示されるように、固定用穴30と裏表紙13とを貫通するリベット31によって固定されるようになっている。
【0016】前記綴じ棒21は、前記固定用穴30に隣接した位置で、ベース部材20の長手方向二箇所位置に設けられている。これらの綴じ棒21,21は、ベース部材20に一体に設けられており、上端に向かうに従って若干縮径するテーパ状をなす外形に設けられている。各綴じ棒21,21の上端部外周側には、ベース部材20の長手方向に沿う溝状の切欠部21A,21Aがそれぞれ対称位置に形成されている。
【0017】前記背部材23は、肉薄なヒンジ部34を介してベース部材20と一体に設けられ、これにより、背部材23は、ヒンジ部34位置を支点として屈曲可能となっている。
【0018】前記綴じ板部材24は、肉薄なヒンジ部35を介して背部材23の自由端に屈曲可能に連設されている。この綴じ板部材24は、前記ヒンジ部35に連なって長手方向幅が次第に広がる平面形状に設けられた基部37と、この基部37に連なるとともに、ファイル本体15の上下方向、すなわち、長手方向に延びる平面視略長楕円形状の保持部38とを備えて構成されている。この保持部38は、図7及び図8に示されるように、その上面が緩やかな曲面を表出するように基部37の上面より上方に位置する形状に設けられている一方、下面も同様の曲面をなして基部37の下面よりも下方に位置する厚みに設けられている。
【0019】前記保持部38の下面側(内面側)には、当該保持部38の長手方向に沿って延びる左右一対の保持溝40,40が形成され、当該保持溝40,40にスライド部材26がスライド可能に装着されている。また、保持部38の略中央部は、当該保持部38を貫通する操作窓41が形成され、この操作窓41内にスライド部材26の一部が表出するようになっている。
【0020】前記スライド部材26は、綴じ板部材24とは異なる色を備えた樹脂成形品によって構成され、前記保持部38の保持溝40内に受容される段部43を左右両側(短寸幅方向両側)に備えた形状に設けられている。このスライド部材26は、その略中央部に設けられた操作部45と、長手方向両側に設けられて前記綴じ棒21の先端側に設けられた切欠部21A,21Aに係脱可能な穴46,46を備えて構成されている。操作部45は、スライド部材26を保持部38に装着したときの上面側に設けられており、当該保持部38に装着された状態で、前記操作窓41内に位置するようになっている。この操作部45は、緩やかな曲面で面位置が皿状に陥没した形状をなし、その中央部に、指掛け凸条48を備えた形状とされている。また、前記穴46,46は、前記綴じ棒21の上部直径よりも大きな円形穴部46Aと、この円形穴部46Aに連なるとともに、前記綴じ棒21の上部直径よりも小さい幅に設定されて前記切欠部21A,21Aに引っ掛かるスリット穴部46Bとにより形成されている。なお、図4に示されるように、スライド部材26の上面側となる面において、穴46の周辺領域は凹状部50とされ、この凹状部50内に綴じ棒21の上端部が位置するようになっている。
【0021】また、図4、図11及び図12に示されるように、前記スライド部材26の上面側にはスリット溝51が形成されている。この一方、前記綴じ板部材24の保持部38下面側には、スリット溝51内に位置する突起52が形成され、これにより、スライド部材26のスライド領域がスリット溝51の長さに規制され、ひいては、スライド部材26が長手方向に脱落することがないようになっている。なお、スライド部材26は、前記スライド領域の何れの位置にあっても、保持部38の面内に位置する長さに設定されている。
【0022】前記角度規制手段28は、ベース部材20の内面すなわち図中上面に設けられた起立片55と、前記背部材23の内面側に設けられた凸部56とにより構成されている。起立片55は、その起立角度がベース部材20の面に対して略直角をなすように設定されているとともに、ベース部材20の長手方向に沿って延びる形状に設けられている。この一方、凸部56は背部材23の長手方向に沿う二箇所に設けられ、これにより、背部材23がベース部材20に対して略直角姿勢となったときに、凸部56,56が起立片55にそれぞれ接触して背部材23と起立片55とが平行となるように設けられている。
【0023】前記ファイル本体15において、表表紙11の内面側には、当該表表紙11の上下方向に沿って延びる平面視略長楕円形状の滑り防止部60が形成されている。この滑り防止部60は、前記綴じ板部材24における保持部38の外形に略対応して緩やかな曲面状に設けられた凹部61により構成されている。この凹部61は、表表紙11の外面側に隆起部63を設けることによって形成されている。ここで、凹部61若しくは隆起部63の長手方向長さは、前記綴じ板部材24の長手方向長さよりも長く形成されているが、短寸方向の幅は、保持部38の幅に略一致するように設けられ、これにより、表表紙11を閉じた状態としたとき、すなわち、図1に示されるようにファイル本体15を閉じた状態としたときに、凹部61内に保持部38の上面側曲面部分が収まるようになっている(図9参照)。
【0024】次に、前記実施例における綴じ具の使用要領について説明する。
【0025】書類等が綴じられた状態では、綴じ具17は、図11に示されるように、スライド部材26のスリット穴部46Bに綴じ棒21の上部が入り込み、切欠部21Aにスリット穴部46Bの形成縁が引っ掛かったロック状態となる。
【0026】綴じ具17のロック状態を解除する場合には、綴じ板部材24の中央部に表出している操作部45に指先を当てがい、スライド部材26を図11中右側にスライド操作して綴じ棒21の上部を円形穴部46A内に位置させればよい。この際、操作部45は、スライド部材26の操作窓41から色違いで見えるため、操作部45位置を容易に認識することができる。また、操作部45には、凸条48がスライド部材26のスライド方向と直交する方向に延びているため、スライド操作力を確実に及ぼしめることができ、楽な操作感を得ることができる。
【0027】このようにしてスライド部材26と綴じ棒21との引っ掛かり(ロック)を解除することにより、綴じ板部材24を上方に開くことができ、これにより、書類等の加除を行うことができる。この際、綴じ具17の背部材23は、図9に示される直立位置から、図10に示される傾斜姿勢に変位できることとなり、これによって、加除整理空間を大きく確保することができる。
【0028】綴じ板部材24を開いた状態から再び綴じ込み位置にセットする場合には、綴じ板部材24を指先で摘み、図10中右側に移動させればよい。この移動は、ベース部材20の面に設けられた起立片55に前記背部材23の凸部56が接した位置まで許容される。この位置で、綴じ板部材24を、前述したヒンジ部35位置を支点として図10中時計方向に回転させると、スライド部材26の円形穴部46Aと綴じ棒21の上端部との相対位置が丁度一致するようになり。図8に示されるように、綴じ棒21の上端面が保持部38の内面に突き当たる位置まで挿入される。そして、この状態で、スライド部材26の操作部45を前述と反対方向に操作することで、再びロック位置に設定することができる。
【0029】なお、ファイル本体15を閉じた状態としたとき、すなわち、図1及び図9に示される状態としたときには、表表紙11の内面側に形成された凹部61内に閉じ板部材24の保持部38が受容される状態となる。従って、この状態で、表表紙11に図9中左右方向への力が作用しても、表表紙11と綴じ板部材24との相対的な滑り動作は規制されることとなる。また、この状態で、ファイル15の背表紙12を跨ぐようにファイル10を手で持つと、指の腹が表表紙11の隆起部63上に乗るようになり、従って、手とファイル10との滑りを生じ難くして当該ファイル10を持ち運ぶことができる。
【0030】なお、前記実施例では、滑り防止部60を構成する凹部61が表表紙11に形成された場合を図示、説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、綴じ具17のベース部材20を表表紙11に固定することも可能であり、この場合には、裏表紙13に凹部61を形成すればよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ファイル本体を構成する表表紙及び裏表紙の何れか一方の内面側に、綴じ具を構成する綴じ板部材との相対滑りを規制する滑り防止部を設けたから、ファイル本体の内面側に擦れによる傷付きを防止することができる。しかも、持ち運びの際におけるファイル本体と綴じ板部材との相対位置を安定化させることができるので、不用意にファイルを落下させてしまうという虞も有効に回避することができる。
【0032】また、滑り防止部として、綴じ板部材の外形に応じた凹部を表表紙の内面側に設けたから、当該凹部に綴じ板部材が受容されることとなり、表表紙と綴じ板部材とが面方向に擦れ合うことを効果的に防止することができる。
【0033】更に、本発明は、表表紙の外面側を隆起させた隆起部を設けることによって凹部を形成する構成としたから、隆起部を跨ぐような状態でファイルを手で掴んだときに、当該隆起部に指の腹が乗って引っ掛かり抵抗を生ずるようになり、ファイルを持ち運ぶときの滑りも防止することができる。特に、ファイル本体を樹脂シートにより形成した場合に一層効果的となる。また、前記隆起部を表表紙の上下方向に沿って延びる略長楕円形状に設けて凹部を形成した場合には、背表紙を跨ぐように手でファイルを持ったときに、指の腹が接触する領域を広く確保することができる他、表紙の一部領域に立体部分が表出してデザイン的にも斬新性に富む優れたファイルを提供することができる。
【0034】また、綴じ板部材を板状の部材として上面を緩やかな曲面とした構成では、表紙の内面側への傷付きを効果的に防止し、且つ、隆起部の外面を曲面としてファイルを持ち易くすることができる。




 

 


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