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発明の名称 クリップ装着器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−121861(P2001−121861A)
公開日 平成13年5月8日(2001.5.8)
出願番号 特願平11−301885
出願日 平成11年10月25日(1999.10.25)
代理人 【識別番号】100101188
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 義雄
【テーマコード(参考)】
2C017
【Fターム(参考)】
2C017 AA02 BA04 
発明者 川嶋 龍彦 / 根津 幹夫
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 綴じ幅を形成する背部と、この背部に連なって相対的に向き合う一対の挟持片部とを備え、常時は挟持片部の先端間が狭められるように形成されてこれを強制的に拡開することで挟持片部間に紙葉類を綴じ込み可能としたクリップ装着器において、先端側に紙葉類の差し込み口を備えた本体ケースと、前記差し込み口内に配置されて前記挟持片部間を拡開しながらクリップをガイドする一対の二股状分岐ばねと、前記二股状分岐ばねを保持する一対の保持体と、前記保持体と本体ケースとの間に配置されるとともに、常時は保持体を所定の相対位置に保持する板ばね部材と、前記本体ケース内に回転可能に収容されるとともに、サイズの異なる二種以上のクリップを前記二股状分岐ばねの基端側に向かって案内する複数の通路を備えたホルダー部材と、前記ホルダー部材と前記保持体との間に設けられた作動機構とを備え、前記ホルダー部材を回転させたときの前記作動機構の運動により、前記クリップの横幅サイズ毎に前記保持体の相対位置を変化させて前記二股状分岐ばねの相互離間幅を調整可能としたことを特徴とするクリップ装着器。
【請求項2】 前記作動機構は、前記ホルダー部材の先端に設けられたカム軸と、このカム軸に設けられたカムと、前記各保持体の内側に設けられて前記カムの外周面に接触するカム接触部とにより構成されていることを特徴とする請求項1記載のクリップ装着器。
【請求項3】 前記カムは、カム軸に沿って二箇所に設けられた二つのカムを含み、一方のカムが一方の保持体のカム接触部に接触するとともに、他方のカムが他方の保持体のカム接触部に接触して個々の保持体の位置を独立して調整することを特徴とする請求項2記載のクリップ装着器。
【請求項4】 前記板ばね部材は、本体ケース内に着座して当該本体ケースの軸方向と略直交する方向に横たわるベース面と、このベース面の両端から起立して上端間が次第に狭くなるように向けられた一対の起立傾斜面とを備え、前記起立傾斜面間に前記保持体の外側面が接した状態で当該保持体が前記ベース面上に配置されていることを特徴とする請求項1記載のクリップ装着器。
【請求項5】 前記一対の保持体と本体ケースとの間には、前記二股状分岐ばねの離間接近方向に沿って前記保持体を移動可能とするガイド機構が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のクリップ装着器。
【請求項6】 前記保持体は、前後方向に延びるばね収容部を備え、このばね収容部は、前記二股状分岐ばねの前後方向長さよりも長く設けられるとともに、当該二股状分岐ばねの外側端縁に略接するストッパ壁部を備えていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のクリップ装着器。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はクリップ装着器に係り、特に、単一のクリップ装着器を用いて綴じ幅の異なる複数サイズのクリップを選択的に押し出すことのできるクリップ装着器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、綴じ幅を形成する背部の両側に一対の挟持片部を設け、当該挟持片部の先端側が次第に狭められて紙葉等を綴じ込み可能とするばね性を備えた金属性のクリップが知られ、当該クリップは、専用のクリップ装着器を用いることによって利用可能となっている。
【0003】公知のクリップ装着器は、手で握りしめることができる程度の軸状ケースの先端若しくは前端側に紙葉類の差し込み口と、当該差し込み口内でクリップの挟持片部を拡開させるように二股に分岐した金属製の左右一対の二股状分岐ばねと、この二股状分岐ばねを中間に介して前記差し込み口に通じるクリップの通路と、最先端にあるクリップの背部に接してこれを差し込み口より押し出し可能とする操作部とを備えて構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、公知のクリップ装着器は、特定の綴じ幅を備えたクリップ毎に対応して製造されたものが殆どであり、異なる綴じ幅を備えたクリップを利用するときには、当該クリップに適合するクリップ装着器を用いなければならない。このため、現在市販されているサイズの異なる各タイプのクリップを利用可能とするためには、少なくとも各タイプ毎に対応したクリップ装着器を購入しなければならず、経済的な負担を伴うという不都合がある。また、単一のクリップ装着器では、綴じ幅が種々変化する書類の綴じ込みに際して汎用性がなく、適用範囲が極めて制限的になるという不都合もある。
【0005】そこで、本出願人は、単一の操作部を用いてサイズの異なる複数種のクリップを任意に選択可能とし、当該選択されたクリップを前記操作部のスライド操作で押し出し可能とした汎用型のクリップ装着器を提案した(特開平11−268465号公報参照)。同クリップ装着器は、先端側に差し込み口を備えて軸方向に延びる本体ケースと、この本体ケース内に回転可能に配置されるとともに、サイズの異なるクリップを収容して前記差し込み口方向に延びる複数の通路を備えたホルダー部材と、前記差し込み口内に配置された一対の二股状分岐ばねと、これら二股状分岐ばねを保持する駒状の保持体とを備えて構成されている。
【0006】前記保持体は、本体ケースとの間に配置されたコイルばねによって二股状分岐ばねが最小のクリップ幅に応じた離間寸法位置に保たれるようになっている。そして、保持体の相対面には、中間及び最大のクリップの通過を許容する溝が形成されており、この溝をクリップが通過するときに二股状分岐ばねは、前記コイルばねの力に抗して離間し、クリップが通過した後に再び最小離間寸法位置に復帰するように設けられ、これにより、二股状分岐ばねを一対配置としても、サイズの異なるクリップを通過させて押し出すことが可能となっている。
【0007】しかしながら、既提案のクリップ装着器にあっては、前述したコイルばねを介して保持体を差し込み口内に装着するものであるため、その装着若しくは組み立て作業が若干複雑となり、また、保持体の姿勢安定化を通じた機構部分の品質向上若しくは故障原因の回避という点において改善の余地が残されていた。
【0008】
【発明の目的】ここに、本発明の目的は、二股状分岐ばねの保持体を極めて簡単に装着することができ、且つ、故障原因も回避して長期使用に耐え得る信頼性を備えたクリップ装着器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明は、綴じ幅を形成する背部と、この背部に連なって相対的に向き合う一対の挟持片部とを備え、常時は挟持片部の先端間が狭められるように形成されてこれを強制的に拡開することで挟持片部間に紙葉類を綴じ込み可能としたクリップ装着器において、先端側に紙葉類の差し込み口を備えた本体ケースと、前記差し込み口内に配置されて前記挟持片部間を拡開しながらクリップをガイドする一対の二股状分岐ばねと、前記二股状分岐ばねを保持する一対の保持体と、前記保持体と本体ケースとの間に配置されるとともに、常時は保持体を所定の相対位置に保持する板ばね部材と、前記本体ケース内に回転可能に収容されるとともに、サイズの異なる二種以上のクリップを前記二股状分岐ばねの基端側に向かって案内する複数の通路を備えたホルダー部材と、前記ホルダー部材と前記保持体との間に設けられた作動機構とを備え、前記ホルダー部材を回転させたときの前記作動機構の運動により、前記クリップの横幅サイズ毎に前記保持体の相対位置を変化させて前記二股状分岐ばねの相互離間幅を調整可能とする、という構成を採っている。このような構成によれば、板ばねを採用していることで、当該板ばねの組み付けが簡易なものとなり、製造効率を飛躍的に向上させることができる。また、作動機構による保持体の相対位置変化によって二股状分岐ばねの離間幅が調整されるため、本体ケースに対するホルダー部材の回転角度を変えるだけで二股状分岐ばねの位置をクリップのサイズに応じて自動的に調整することができる。そのため、本出願人による既提案のクリップ装着器のように、クリップの押し出しに際して、当該クリップの側端縁で二股状分岐ばねの離間幅を強制的に拡大させるものでなく、従って、クリップの押し出し動作に際してスムースなる前進移動を許容することができ、動作不良等を効果的に防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における作動機構は、前記ホルダー部材の先端に設けられたカム軸と、このカム軸に設けられたカムと、前記各保持体の内側に設けられて前記カムの外周面に接触するカム接触部とにより構成することが好ましい。このように構成すれば、作動機構をホルダー部材と一体化させて簡易なる構成とすることができる他、ホルダー部材の回転が保持体に直接伝達されるようになり、保持体の安定した動作を期待することができる。
【0011】また、前記カムは、カム軸に沿って二箇所に設けられた二つのカムを含み、一方のカムが一方の保持体のカム接触部に接触するとともに、他方のカムが他方の保持体のカム接触部に接触して個々の保持体の位置を独立して調整するように設けることが好ましい。このように構成することで、二股状分岐ばねの離間幅調整を行うに際し、保持体の相対移動量を等しく保つことでき、ひいては、クリップの先端左右両側に二股状分岐ばねを常に位置させることができる。
【0012】更に、前記板ばね部材は、本体ケース内に着座して当該本体ケースの軸方向と略直交する方向に横たわるベース面と、このベース面の両端から起立して上端間が次第に狭くなるように向けられた一対の起立傾斜面とを備え、前記起立傾斜面間に前記保持体の外側面が接した状態で当該保持体が前記ベース面上に配置される、という構成を採用するとよい。これにより、保持体をベース面上に乗せるだけの装着となり、且つ、保持体の位置を安定した姿勢に保つことができる。
【0013】また、前記一対の保持体と本体ケースとの間には、前記二股状分岐ばねの離間接近方向に沿って前記保持体を移動可能とするガイド機構を設けることが好ましい。このような構成とすれば、保持体の相対位置変化に際して、当該保持体の装着姿勢を確実に保ちつつスムースなる移動を達成することができる。
【0014】更に、前記保持体は、前後方向に延びるばね収容部を備え、このばね収容部は、前記二股状分岐ばねの前後方向長さよりも長く設けられるとともに、当該二股状分岐ばねの外側端縁に略接するストッパ壁部を備える、という構成も採用されている。このようなストッパ壁部を設けることで、二股状分岐ばねの先端側がクリップの押し出しときに外側に位置ずれすることを効果的に防止可能となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係るクリップ装着器の実施例を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書において、「前」、「前部」、「前端」等というときは、特に明記しない限り、図2に示される位置を基準としたクリップ装着器の左側(差し込み口側)について用いられ、「後」、「後部」、「後端」等は同図中右側について用いられる。また、「左」、「右」、「上」、「下」は、前記差し込み口側を正面としてクリップ装着器を見た場合の位置ないし方向について用いられる。
【0016】図1には、本実施例で採用されるクリップの概略斜視図が示され、図2ないし図4には、クリップ装着器の外観斜視図、分解斜視図及び図2のA−A線に沿う拡大部分断面図がそれぞれ示されている。図1において、クリップ10は、綴じ幅Wを形成する板状の背部11と、この背部11の図中短寸幅方向両端に連なって相対的に向き合うように設けられるとともに、先端に向かって次第に接近する傾斜姿勢に設けられて先端間が狭められるように形成された一対の挟持片部12とを備えて構成されている。挟持片部12の先端横幅寸法L1は背部11の横幅寸法L2に対して左右両側に寸法差L3をそれぞれ形成するように若干長く設定されており、これにより、後述する二股状分岐ばねで挟持片部12の先端間を強制的に拡開できるとともに、二股状分岐ばねがクリップ10における背部11の押し出し方向への通過を阻害しないようになっている。なお、特に限定されるものではないが、本実施例では、外観形状が略相似形状をなす大、中、小三タイプのクリップ10が対象として用いられている。すなわち、綴じ幅に応じて左右幅が異なる三種のクリップ10(図10参照)が採用されている。
【0017】図2ないし図4に示されるように、クリップ装着器15は、全体形状が軸方向に延びて手で握ることのできる程度の円筒に近似した形状に設けられ、当該クリップ装着器15は、外側に位置する本体ケース16と、この本体ケース16内に収容されたホルダー部材17とを備えて構成されている。
【0018】前記本体ケース16は、前記ホルダー部材17を収容可能な内部空間を形成するように組み合わされる上下二分割型の上部ケース形成部材19及び下部ケース形成部材20とからなる。これらの各ケース形成部材19,20は、組み合わされた状態で、前部領域を除く内部に略円筒状の空間が形成されるようになっており、この空間内で前記ホルダー部材17を周方向に回転させることが可能に設けられている。本体ケース16の前部には、図示しない綴じ込み対象物である紙葉類としての書類を差し込み可能とする差し込み口21が形成されている。また、本体ケース16には、差し込み口21内の後部位置で左右対称位置に配置された一対の二股状分岐ばね23と、前記上部ケース形成部材19に設けられるとともに、前記軸方向、すなわちクリップ10の押出方向に沿って進退可能な単一の操作部24が設けられている。
【0019】前記上部ケース形成部材19は、図2及び図3に示されるように、差し込み口21の上片側を形成するように左右方向に延びる上前端部25と、この上前端部25よりも後方に連なる上部半円筒形状部26とを有し、この上部半円筒形状部26の上面部分に、前記操作部24を進退可能に移動させるためのスロット穴28が軸方向に沿って形成されている。スロット穴28において、前記軸方向に沿う左右の形成縁は一対のガイドレール部29,29とされており、各ガイドレール部29を上下より挟むようにして操作部24が脱落不能に支持されている。すなわち、操作部24は、前後方向略中央部が上方に突出した外観形状をなし、その後端側の上面部分に前記ガイドレール部29の上面に乗る上部片30と、この上部片30よりも下方位置に形成されるとともに、前記上部片30と共にガイドレール部29を上下方向から挟み込む下部片31とを備えた基部33と、この基部33より前方すなわち差し込み口21方向に向かって上方傾斜方向に延びる押圧操作面部34と、当該押圧操作面部34の先端から段部36を介して斜め下前方に向けられた押し込み片部37とを備えて構成されている。基部33には、後端を開放する割り溝39が形成されており、この割り溝39の隙間を狭めるように基部33を左右幅方向より摘んで弾性変形させることで、前記ガイドレール部29に操作部24が基部33位置にて装着可能となり、且つ、意図的な外力を加えない限り、不用意なる脱落が阻止されるようになっている。
【0020】前記押圧操作面部34は、その左右幅が前述した一対のガイドレール部29間の隙間寸法よりも大きく設定されており、当該押圧操作面部34を上方より押圧したときに、これの下限移動位置が規制される左右一対のストッパ段部36A,36Aを備えた形状に設けられている。この一方、押し込み片部37は、前記隙間寸法よりも小さく設定されて押圧操作面部34を下方に押し込んだときに、先端側がガイドレール部29間に落ち込むように設けられている。ここで、押し込み片部37の先端よりも僅かに基部33寄りの位置には、クリップ10の背部11に接触可能な爪片40が下向きに設けられている。
【0021】上部半円筒形状部26の前後二箇所位置には、下向きに延びる連結片42が左右対称位置にそれぞれ設けられ、これらの各連結片42が下部ケース形成部材20の外周面部分に組み合わされることで、上下の各ケース形成部材19,20が相互に一体化可能となっている。また、上部半円筒形状部26の後方上部内面側には、図4に示されるように、コイルばね44の一端となる後端を引っ掛けるための後部突起45が設けられている一方、前記押圧操作面部34の下面側にはコイルばね44の前端を引っ掛けるための前部突起46が設けられ、これら突起45,46間にコイルばね44を掛け渡すことにより、操作部24は、常時は、図4中二点鎖線で示される位置を取り、押圧操作面部34を押圧したときに、同図中実線位置に変位可能となっている。また、押圧操作面部34を下方に押圧しながら前方へのスライド力を付与したときに、操作部24全体が実線位置を保った姿勢で所定距離前方に移動されてクリップ10を押し出すように作用する一方、前記押圧力及びスライド力を解除した時に、前記コイルばね44の引っ張り力によって、二点鎖線の位置に復帰するようになっている。
【0022】前記下部ケース形成部材20は、図3に示されるように、上部ケース形成部材19の上前端部25の下方に位置する下前端部48を有する下部半円筒形状部50を備えて構成されている。ここにおいて、前記上前端部25と下前端部48とにより前記差し込み口21が形成されている。また、前記下部半円筒形状部50における前後の左右外周面部分には、上部半円筒形状部26の連結片42が嵌め込まれる爪部52(図3参照)がそれぞれ形成されている。更に、下部半円筒形状部50の内面側において、前記下前端部48の内側領域内には、前後及び左右方向に向けられて上端高さ位置が略同一平面上に位置するリブ55が形成されている。このリブ55は、図3及び図4に示されるように、複数列の前後方向リブ56と、これと略直交する左右方向に延びるとともに、後述する保持体のガイド機構を構成する第1ないし第3の左右方向リブ57,58,59とにより構成されている。また、第3の左右方向リブ59の後方位置には、中央部が略円弧状に切り欠かれて前記ホルダー部材17の収容位置を決定する仕切壁60が形成され、この仕切壁60と第3の左右方向リブ59との間における下部ケース形成部材20の底壁61上に板ばね部材63が装着されるようになっている。
【0023】前記板ばね部材63は、図5ないし図7にも示されるように、前記底壁61上に着座して本体ケース16の軸方向と略直交する方向(図5中左右方向)に横たわる平面視長方形状のベース面64と、このベース面64の左右両端から若干湾曲しながら起立して上端間が次第に狭くなるように向けられた左右一対の起立傾斜面65とにより構成されている。ここで、ベース面64の中央部には、図3に示されるように、左右方向に延びるスリット穴66と、このスリット穴66を中間に挟む位置に設けられた前後一対の補強リブ67,67が形成されている。また、前記スリット穴66内には、前記下部ケース形成部材20の底壁61に形成された突条68が入り込むようになっており、これにより、板ばね部材63の装着位置が決定できるようになっている。
【0024】前記二股状分岐ばね23は、左右一対の保持体70を介してそれぞれ支持されている。これらの二股状分岐ばね23は、一枚のステンレス等からなる金属片を中間で折り曲げて形成されたもので、公知の二股状分岐ばねと実質的に同一のものが採用されている。従って、ここでは、その詳細な構造説明を省略する。
【0025】前記保持体70は、図5ないし図9に示されるように、相対する内面側の形状が僅かに相違する左右対称形状に設けられている。すなわち、前記板ばね部材63のベース面64上に乗る接地面部72と、この接地面部72から上方に立ち上がって前記板ばね部材63の起立傾斜面65上端部との接触面となる起立面部73と、当該起立面部73の上部に設けられて前後方向に延びるばね収容部74と、このばね収容部74の前半部下面側から下方に延びる前部垂下片部76と、当該前部垂下片部76のやや後方に位置して下端側に爪77が設けられたフック片部78と、このフック片部78の直後に設けられたカム接触部80とを備えて構成されている。
【0026】前記ばね収容部74は二股状分岐ばね23の前後方向長さよりも長く設けられている。このばね収容部74は、二股状分岐ばね23の基端部23A領域を固定し、且つ、クリップ10の通過を許容する溝82を備えている一方、先端側が大きく開放して二股状分岐ばね23の前方領域を上下に十分に拡開させた状態で当該二股状分岐ばね23を収容できるようになっている。ここで、ばね収容部74は、二股状分岐ばね23の外側端縁に略接するストッパ壁部84を上下二箇所に備えた形状をなし、このストッパ壁部84によって二股状分岐ばね23の先端側が、クリップ10の押し出し時に外側に位置ずれすることがないように設けられている。
【0027】前記保持体70の前部垂下片部76は、図4に示されるように、前記下部ケース形成部材20の前端側(同図中左端側)に形成された第1及び第2の左右方向リブ57,58間に差し込まれるとともに、フック片部78は、その下端に設けられた爪77が前記第3の左右方向リブ59に形成されたスリット穴59Aに引っ掛けられるようにして脱落不能に装着される。ここで、保持体70は、図4中紙面直交方向に沿って所定量移動可能に設けられており、これにより、各保持体70は、相対位置を相互に離間接近する方向に移動可能となり、二股状分岐ばね23,23の離間接近を可能としてクリップ10の横幅サイズに応じた離間幅調整が行えるようになっている。ここにおいて、前記第1ないし第3の左右方向リブ57〜59、前部垂下片部76及びフック片部78とにより、保持体70のガイド機構が構成されている。
【0028】前記保持体70のカム接触部80は、図9に示されるように、右側のカム接触部80が左側のカム接触部80よりも寸法L4分だけ僅かに後方(図9中上方)にずれた位置となるように設けられている。これらの各カム接触部80の相対する端面には、切欠サイズが異なる上下二段の凹部90,91(図8参照)が形成されている。
【0029】前記ホルダー部材17は、図3及び図10ないし図13に示されるように、軸方向に延びる略三角柱状の通路形成軸93と、この通路形成軸93の外周側に装着されて略円筒の外形を形成するとともに、通路形成軸93の軸方向に沿って延びる第1ないし第3の通路形成蓋95,96,97と、これら第1ないし第3の通路形成蓋95〜97の後部に装着されるキャップ状の回転摘み筒99と、前記通路形成軸93の前端に一体的に突設された多角柱状のカム軸100と、このカム軸100の前端面に連なって形成された前部及び後部のカム102,103とを備えて構成されている。ここにおいて、前記カム軸100、前部及び後部のカム102,103並びに前記カム接触部80により作動機構が構成される。
【0030】前記第1ないし第3の通路形成蓋95〜97を通路形成軸93に装着した状態で、当該通路形成軸93の外面側には、最も大きいクリップ10の横幅サイズに応じた通路幅を備えた第1の通路105(図10(A)参照)と、中間のクリップ10の横幅サイズに応じた第2の通路106(図10(B)参照)と、最も小さいクリップ10の横幅サイズに応じた第3の通路107(図10(C)参照)とが形成される。ここで、特に限定されるものではないが、本実施例では、第1及び第2の通路105,106を形成する通路形成軸93の外面は平坦な面とされている一方、第3の通路107を形成する通路形成軸93の外面は、当該通路形成軸93の中心に向かって延びる二条の凹溝109を軸方向に備えた形状に設けられている。各通路105〜107の前端より若干後退した位置には、最先端のクリップ10の後退移動を規制して前記操作部24による空押し出しを防止するためのクリップ後退規制部110が形成されている。ここで、第1及び第2の通路105,106のクリップ後退規制部110は、図10及び図11に示されるように、通路面を僅かに隆起させた一条のリブを通路幅方向に形成することによって形成されており、第3の通路107におけるクリップ後退規制部110は、当該第3の通路107の幅方向二箇所に分散して設けられた突部により構成されている。
【0031】前記第1ないし第3の通路形成蓋95〜97は、部分的に形状若しくは寸法上の相違があるだけで、実質的に同一の構成部品となっている。これらの通路形成蓋95〜97の幅方向両端は、通路形成軸93の三角柱の各頂点領域に嵌まる対応形状に設けられている。また、図3及び図11に示されるように、各通路形成蓋95〜97には、前端中央部から通路形成軸93と略平行に延びるスリット112が形成されており、このスリット112内に前記操作部24の押し込み片部37が位置して当該押し込み片部37の前後方向の移動を許容するように設けられている。なお、図11に示されるように、スリット112の左右両側内面には、クリップ10の背部11における幅方向二箇所に接する突部115,115が形成されており、これらの突部115は、前記クリップ後退規制部110と相互に作用して最先端に位置するクリップ10の後退移動を規制するようになっている。
【0032】前部カム102及び後部カム103は、図11に示されるように、通路形成軸93の回転中心Pに対してそれぞれ偏った位置に設けられている。これらのカム102,103は、前端面から見て、タマゴ形状に近似した外形をなし、その外周面が前記カム接触部80の内方端に接触するように設けられている。具体的には、前部カム102は図9中左側に位置する保持体70のカム接触部80の内方端に接する一方、後部カム103は、同図中右側に位置する保持体70のカム接触部80の内方端に接するように設けられ、これにより、各カム102,103は、それぞれ独立して各保持体70の離間接近方向における相対移動量を前記中心Pに対して等しく調整するようになっている。各カム102,103及びこれに接する各カム接触部80は、前述した上部ケース形成部材19のスロット穴28に対して、各通路形成蓋95〜97のスリット112が一致した位置、すなわち、クリップ10を押し出し可能な位置で、通路形成軸93の回転が一時的に保持される回転抵抗を付与可能とする対応形状に設けられている。従って、あるサイズのクリップ10を押し出し可能な位置にセットしたときに、ホルダー部材17が不用意に回転してしまうようなことはない。
【0033】前記回転摘み筒99には、その前端における周方向三箇所に切欠部99Aが設けられている。この回転摘み筒99は、切欠部99内に前記通路形成蓋95〜97の後部外周面に形成された突起113が嵌合する状態で装着される。回転摘み筒99の後端面側には、図12及び図13に示されるように、前記通路105〜107と同一線上に開通するクリップ10の挿入口116が三箇所に形成されている。また、回転摘み筒99は、各挿入口116に対応して各二箇所に軸方向に延びるスリット117を備えており、これらのスリット117によって、図13中右端が自由端となる弾性変形可能な片部材118として形成されている。ここで、前記挿入口116の径方向開通幅は、クリップ10の背部11の上下幅よりも僅かに小さく設定されており、当該クリップ10を強制的に押し込んだときに、前記片部材118が前記開通幅を一時的に拡大する方向に弾性変形してクリップ10の押し込みを許容するようになっている。従って、挿入口116より押し込まれたクリップ10が挿入口116から脱落することはない。
【0034】次に、本実施例に係るクリップ装着器15の使用方法について説明する。
【0035】先ず、前述したように、第1ないし第3の通路105〜107内に、それぞれの通路に対応したサイズのクリップ10が収容されているものとし、クリップ装着器15全体を一方の手で握るとともに、他方の手に綴じ込もうとする書類が持たれているものとする。また、前記差し込み口21に対し、最小のクリップ10を受容した第3の通路107が連なっている状態にあるものと仮定する。この場合には、図5に示されるように、前部及び後部のカム102,103が上下方向に長くなる姿勢を取り、左右一対の保持体70,70が最も接近した位置となってこれに保持された各二股状分岐ばね23,23の相互離間幅を最小クリップ10に対応した位置に設定される。
【0036】今、差し込み口21に書類を差し込むとともに、クリップ装着器15における操作部24の押圧操作面部34を、例えば、親指で押圧しながら前方へのスライド力を付与すると、操作部24の爪片40が最先端に位置するクリップ10の背部11外面を押圧するように作用する。すると、クリップ10の挟持片部12,12の先端間に形成されている僅かな隙間内に二股状分岐ばね23の基部が入り、更なる前方への押し出しにより、挟持片部12,12間が次第に拡開するように変形される。そして、クリップ10が二股状分岐ばね23を通過した瞬間に、拡開された挟持片部12,12間に書類の端縁が挟み込まれ、当該挟持片部12,12の弾性復元力で当該書類に綴じ込み力が付与される。
【0037】ここで、用いるクリップ10を最小サイズのものから中間サイズのものとする場合、ホルダー部材17の回転摘み筒99を摘んで所定角度(本実施例では略120度)回転させることとなる。これにより、前部及び後部のカム102,103は、図6に示されるように、前記位置より略120度回転して傾斜した姿勢をとる。このとき、各カム102,103の外周面部分は、前記板ばね部材63の起立傾斜面65のばね力に抗してカム接触部80の内方端に当接しつつ保持体70を開く方向に移動させることとなり、同時に、中間サイズのクリップ10の左右幅に対応した離間幅に左右一対の二股状分岐ばね23,23が相対的に離れ、これによって、前述と同様の作用により、中間サイズのクリップ10の押し出しが行える状態となる。
【0038】なお、最大サイズのクリップ10を押し出す場合には、ホルダー部材17を更に略120度回転させればよい。これにより、図7に示されるように、各保持体70,70は、前記起立傾斜面65のばね力に更に抗して相対位置が最も離れた位置となって最大幅のクリップ10に対応した位置に二股状分岐ばね23を離間させることとなる。
【0039】従って、このような実施例の構成によれば、単一の操作部24を用いた構成としても、綴じ幅の変化に応じて任意のサイズのクリップを選択して所定の綴じ込み作業を行うことができるという効果を得る。
【0040】なお、本発明におけるクリップ装着器10は、図示構成例に限定されるものでなく、複数種のサイズに応じたクリップの押し出しができればよく、従って、通路形成数は、適宜増加、減少することができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ホルダー部材と保持体との間に作動機構を設け、この作動機構の運動により、クリップの横幅サイズ毎に前記保持体の相対位置を変化させて前記二股状分岐ばねの相互離間幅を調整可能としたから、板ばねを採用していることで、当該板ばねの組み付けが簡易なものとなり、製造効率を飛躍的に向上させることができる。また、作動機構による保持体の相対位置変化によって二股状分岐ばねの離間幅が調整されるため、本体ケースに対するホルダー部材の回転位置を変えるだけで二股状分岐ばねの位置をクリップのサイズに応じて自動的に調整することができる。
【0042】また、前記作動機構は、前記ホルダー部材の先端カム軸に設けられたカムと、前記各保持体の内側に設けられたカム接触部とにより構成したから、ホルダー部材の回転が保持体に直接伝達されこととなり、保持体の安定した相対移動を期待することができる。
【0043】更に、前記カムを二つのカムによって構成し、個々のカムが各保持体のカム接触部に接触する構成としたから、二股状分岐ばねの離間幅調整を行うに際し、各クリップのサイズに応じて二股状分岐ばねが所定の回転中心に対して等しく相対移動するようになり、クリップの通過を許容しつつ挟持片部の拡開動作を確実なものとすることができる。
【0044】また、前記板ばね部材は、ベース面の両端から起立して上端間が次第に狭くなるように向けられた一対の起立傾斜面により構成され、この起立傾斜面間に前記保持体の外側面が接した状態で当該保持体を前記ベース面上に配置する構成としたから、保持体の位置を安定した姿勢に保つことができ、組み立て時の作業も容易となる。
【0045】更に、二股状分岐ばねの離間接近方向に沿って保持体を移動可能とするガイド機構を設けた構成によれば、保持体の相対位置変化に際して、がたつくことなく保持体をスムースに移動させることができる。
【0046】また、前記保持体のばね収容部にストッパ壁部を設けた構成によれば、クリップの押し出しときに、二股状分岐ばねの先端側が外側に位置ずれすることを効果的に防止することができる。




 

 


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