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発明の名称 プリンタ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−260466(P2001−260466A)
公開日 平成13年9月25日(2001.9.25)
出願番号 特願2000−69904(P2000−69904)
出願日 平成12年3月14日(2000.3.14)
代理人 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
【テーマコード(参考)】
2C061
3F101
【Fターム(参考)】
2C061 AQ04 AR01 AS02 BB02 BB08 CP09 
3F101 FB15 FC11 FD01 FD08 LA07 LB03
発明者 石川 和英
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 用紙上に画像を形成する際にこの用紙を搬送する搬送経路を形成するための導電性部材で形成された平面方向に広がりを有するガイド部材と、導電性材料で形成され前記ガイド部材の平面方向と略平行な平面方向の広がりを有する外装部材と、前記ガイド部材と前記外装部材とに挾まれる空間に配置される回路基板と、を有し、前記ガイド部材と前記外装部材と前記回路基板とを接地したことを特徴とするプリンタ装置。
【請求項2】 前記ガイド部材は前記用紙が搬送される搬送経路の少なくとも一側部側において用紙送り方向の搬送経路を略円弧形状となすべく略円弧形状に形成された部分を有すると共に、前記外装部材に対して略垂直に設けられ前記ガイド部材の略円弧形状部分の近傍に配置された第2の外装部材を有し、この第2の外装部材と前記ガイド部材の略円弧形状部分とに挟まれる空間に第2の回路基板を配置し、前記第2の外装部材と前記ガイド部材と前記第2の回路基板を接地したことを特徴とする請求項1に記載のプリンタ装置。
【請求項3】 前記外装部材及び前記第2の外装部材は、導電性の金属で形成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一方に記載のプリンタ装置。
【請求項4】 前記ガイド部材は、導電性の金属で形成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一方に記載のプリンタ装置。
【請求項5】前記回路基板は、用紙送り又はインクリボン送りの少なくとも一方を制御する制御基板であり、前記第2の回路基板は、サーマルヘッド又は電源手段の少なくとも一方に接続されるパワー基板であることを特徴とする請求項2に記載のプリンタ装置。
【請求項6】 前記回路基板の略周縁部に前記回路基板に対して略垂直に立設され前記回路基板に接地されたシールド板を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載のプリンタ装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昇華型のサーマル転写プリンタ等のプリンタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ、カメラ一体型ビデオテープレコーダ及び電子スチルカメラ等からの映像をハードコピーする装置として、フルカラー化によって高精細な画像表示を可能にした感熱転写型のプリンタ装置が普及してきている。このような従来のプリンタ装置としては、特開平5−138905号公報(以下、文献1という)及び特開平11−157113号公報(以下、文献2)等に開示されたものがある。
【0003】ところで、携帯用のプリンタを実現するには、小型化が重要である。感熱転写型のカラープリンタは、複数色の転写のために用紙の複数回の往復送り動作が必要となり、往復送りのために用紙の搬送経路が必要となる。用紙を直線上に搬送すると、装置が大型化してしまう。そこで、用紙の搬送路の一部を円弧状に折り曲げることで小型化を達成している。
【0004】文献1の提案においては、プラテンローラの周囲に円弧状の搬送路部分を形成している。文献1では、記録紙トレイと排紙ガイドとが上下に設けられており、記録紙トレイから引き出された記録紙は、プラテンローラの周囲を回って、略U字状の搬送路を経由して排紙ガイドに導かれるようになっている。
【0005】プラテンローラの上方には、用紙の搬送路を挟んで、インク紙を収納したインクカセットが配設され、更に、インクカセットの上方に、サーマルヘッドを取り付けたヘッドアームが配設される。ヘッドアームを回転駆動して、インクカセットの開口で露呈したインク紙上からサーマルヘッドを下方に移動させ、サーマルヘッドをインク紙及び用紙を挟んでプラテンローラに圧接する。
【0006】サーマルヘッドの一面には発熱抵抗体が設けられており、サーマルヘッドに通電することにより、これらの発熱抵抗体は印字データに応じて適宜発熱し、インク紙を加熱する。これにより、インク紙に塗布された熱昇華性染料が昇華して記録紙に転写記録される。
【0007】ところで、文献1の提案では、記録紙の搬送経路として略U字状の搬送経路を形成することで、長手方向の長さを比較的短くすることができる。しかしながら、紙の剛性のために、U字状の紙の搬送経路は比較的厚くなり、装置の上下方向の厚さが厚くなって、十分に小型化されていない。
【0008】文献2においては、サーマルヘッドを小型化する技術が開示されている。しかしながら、文献1,2のいずれにおいても、装置内部の部分的な構成については開示されているが、小型軽量化するための具体的な内部構造配置ついては、具体的な何らの開示もない。
【0009】また、制御基板やパワー基板上に実装された高周波部品や高周波回路部分から発生する不要ノイズが装置外部に放射されてしまうことは当然防止されなければならない。これらの回路基板にそれぞれ専用のシールドケースを設けることによって不要ノイズ放射の問題を解決することができる。しかしながら、この解決方法では、装置自体が大型化してしまい、携帯性が損なわれることとなってしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、上述した従来のプリンタ装置においては、小型軽量化のための内部構造配置が考えられておらず、また、不要ノイズ輻射の問題を解決するためのシールドケースによって、装置が大型化してしまうという問題点があった。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、高周波放射ノイズの発生を防止する場合でも十分に小型軽量化を図ることができるプリンタ装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るプリンタ装置は、用紙上に画像を形成する際にこの用紙を搬送する搬送経路を形成するための導電性部材で形成された平面方向に広がりを有するガイド部材と、導電性材料で形成され前記ガイド部材の平面方向と略平行な平面方向の広がりを有する外装部材と、前記ガイド部材と前記外装部材とに挾まれる空間に配置される回路基板と、を有し、前記ガイド部材と前記外装部材と前記回路基板とを接地したものである。
【0013】本発明において、用紙を搬送するガイド部材は導電性部材で形成され、このガイド部材の平面方向と略平行な平面方向の広がりを有する外装部材も導電性材料で形成される。回路基板はこれらのガイド部材と外装部材とに挟まれる空間に配置され、ガイド部材、外装部材及び回路基板は接地される。これにより、回路基板からの不要輻射が防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1乃至図9は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は本発明の第1の実施の形態を示し、ケース内に収納するU字パス及び基板を説明するための分解斜視図、図2は図1中の基板を示す斜視図、図3は図2を背面側から見た斜視図、図4は機構部分を側面側から見た断面図、図5は全体の外観を示す斜視図、図6は装置の機構を示す斜視図、図7はU字パスを示す分解斜視図、図8及び図9は印刷時の動作を説明するための断面図であり、図4に対応したものである。
【0015】図5において、本体1は前面に設けた開口に記録紙カセット2を装着し、背面にバッテリ3を取り付ける。インクリボンカセット4は本体1側面に設けた開口から本体1内に装着させるようになっている。また、本体1には、メモリカード5を装着するためのスロット(図示せず)が設けられると共に、パーソナルコンピュータ等との接続用のコネクタ6を接続することができるようになっている。
【0016】バッテリ3の前面には、ケース109後端に取り付けるための係合部92が形成され、係合部92側面の凹凸によってケース109後端に取り付けられるようになっている。バッテリ3は、ケース1内の回路部と電気的接続を行うための端子91が前面に形成されている。
【0017】図1に示すように、ケース109は上部ケース110及び下部ケース111を組み合わせて構成されるようになっており、上部ケース110及び下部ケース111間のケース109内に、U字パスを構成するU字ガイド11,12及び基板81,82が配設されるようになっている。ケース109は十分な強度の部材によって構成される。ケース109を構成する上部ケース110及び下部ケース111は、導電性金属又は導電性樹脂等の材料で形成される。U字ガイド11,12、基板81,82及びケース110,111は接地されるようになっている。
【0018】下部ケース111は、薄厚で上面が開口した箱状部材であり、強度等を考慮すると、導電性金属で形成した方がよい。上部ケース110は、下部ケース111の上面開口に対応して、底面が開口した深厚の箱状部材である。これらの上部及び下部ケース110,111は取付部112を利用して、例えばネジ止めされることによって、組み立てられる。なお、上部ケース110については、外観等を考慮して必ずしも導電性金属又は導電性樹脂等の材料で形成しなくてもよい。
【0019】次に、記録紙を搬送する機構部について説明する。
【0020】図6において、側面フレーム13,15、後部フレーム14,16並びに外側及び内側U字ガイド11,12は、ケース109内に収納されて筐体10を構成する。この筐体10内に、記録紙の搬送経路であるU字パスが形成されるようになっている。即ち、後述するように、筐体10前方に記録紙の給紙口及び排紙口を配置し、筐体10下側に記録紙の給排紙搬送路を形成し、筐体10後方に記録紙を折り曲げて筐体10上方まで搬送する円弧状の搬送路を形成して、U字パスを構成する。
【0021】図7に示すように、フレーム13乃至16及びU字ガイド11,12は金属又は導電性樹脂等で形成された板状部材である。筐体10内に挿入するための開口9を有する側面フレーム13と後部フレーム14とによって、筐体10の一側面が構成される。また、側面フレーム15と後部フレーム16とによって、筐体10の他方の側面が構成される。筐体10の背面は外側及び内側U字ガイド11,12によって構成される。
【0022】外側及び内側U字ガイド11,12は、金属板を曲げて、又は導電性樹脂で形成した円弧状の曲面を有し、この円弧状部分において相互に所定の間隔を有して配置される。U字ガイド11,12の円弧状部分の隙間によってU字パスの円弧状部分が形成される。U字ガイド11,12の円弧状部分が筐体10背面近傍に位置するように、U字ガイド11,12の両端部を略フレーム14,16のみに当接させて取り付ける。
【0023】剛性に優れた金属製又は導電性樹脂製の外側及び内側U字ガイド11,12の円弧状の両端部をフレーム13乃至16に一体的に取り付けることにより、筐体10を十分な強度で構成することができる。
【0024】外側U字ガイド11は、曲面で形成したU字パスの円弧状部分と、この曲面部分から前方に延出した平面部20とを有する。筐体10底面において、この平面部20はインクリボンカセット4の底面形状に合わせて若干傾斜した形状を有しており、インクリボンカセット4を筐体10内に装着した状態で、インクリボンカセット4底面と平面部20との間の隙間によって、筐体10後方底面におけるU字パスの略直線状部分を形成するようになっている。
【0025】外側U字ガイド11及び内側U字ガイド12は、記録紙の搬送経路を形成することから、ガイド11,12の表面はケース109の底面及び背面の略全域に対向した面を有する。
【0026】筐体10前方側には、図4に示すように、記録紙カセット2に収納された記録紙40を引き出すためのPAローラ41が設けられている。図6又は図4に示すように、側面フレーム15には、PAローラ41の回転軸に図示しないリンク機構を介して係合するギア30が設けられている。ギア30は、モータ29が正転することによって駆動されて、PAローラ41を回転させるようになっている。また、ギア30の回転はインクリボンカセット4のボビン42を回転させる回転軸にも伝達されるようになっている。PAローラ41とボビン42とは同時には駆動する必要はなく、モータ29を逆転することによって、インクリボンカセット4のボビン42を回転させて、インクリボン43(図8参照)を巻き上げるようになっている。
【0027】記録紙カセット2の先端が当接する筐体10前端部には、記録紙カセット2の上端近傍から略水平に設けられた給紙ガイド51が配設されている。給紙ガイド51の上方には、下側排紙ガイド52に取り付けられた給排紙ガイド53が設けられている。更に、下側排紙ガイド52及び給排紙ガイド53の上方には上側排紙ガイド54が設けられている。下側排紙ガイド52、給排紙ガイド53及び上側排紙ガイド54は、前方に向かって若干上方に傾斜して設けられる。
【0028】給排紙ガイド53は、フィルム状の弾性部材であり、先端は給紙ガイド51に設けた開口55から給紙ガイド51の下方に延びて設けられる。記録紙40(図4、図8及び図9の一点鎖線)は、PAローラ41の回転によって引き出され、給紙ガイド51上面及び給排紙ガイド53の下面に案内されて搬送される。記録紙40先端が給排紙ガイド53下面を押し上げることによって、給排紙ガイド53先端が給紙ガイド51上面よりも上方に移動して、記録紙40が給紙ガイド51と給排紙ガイド53との間を筐体10後方側に搬送可能となる。
【0029】給紙ガイド51と給排紙ガイド53とによる記録紙40の搬送経路上にピンチローラ33及びグリップローラ34が設けられるようになっている。グリップローラ34は、側面フレーム13,15に取り付けられた軸36によって回動自在に軸支される。側面フレーム13,15にはカム31の揺動軸(図示省略)が取り付けられており、ピンチローラ33はカム31先端の軸32に回動自在に軸支される。
【0030】これらのピンチローラ33とグリップローラ34との間に、PAローラ41の回転によって記録紙40先端が搬送されるようになっている。ピンチローラ33は、記録紙40がピンチローラ33とグリップローラ34との間の位置まで搬送されると、カム31の揺動によって移動して、その表面で記録紙40をグリップローラ34の表面に圧接するようになっている。
【0031】グリップローラ34は、ステッピングモータ56によって回動される。グリップローラ34はピンチローラ33との間に記録紙40を圧接挟持した状態で、ステッピングモータ56の回転ステップ数だけ回転して、記録紙40を筐体10前後方向に搬送する。グリップローラ34及びピンチローラ33後方における記録紙40の搬送経路上にはプラテンローラ35の表面上部が位置する。プラテンローラ35の後方下側には、外側U字ガイド11の平面部20が配設されており、プラテンローラ35の上方及び後方上側にはインクリボンカセット4の底面が配置される。即ち、プラテンローラ35の後方では、上述したように、平面部20とインクリボンカセット4底面による搬送経路が形成される。
【0032】平面部20に対向する筐体10上面には、外側U字ガイド11の上端に取り付けられた上部ガイド板17(図7の二点鎖線、図4では図示省略)が設けられる。U字パスの円弧状部分を通過した記録紙40は、上部ガイド板17に案内されて、筐体10上部を前後方向に搬送されるようになっている。
【0033】記録紙40が印刷開始位置まで搬送された状態では、記録紙前端は、図8に示すように、ピンチローラ33及びグリップローラ34の前端近傍に位置する。この状態では、給排紙ガイド53の先端は給紙ガイド51の開口55から下方に延びている。印刷時には、記録紙40はピンチローラ33及びグリップローラ34によって前方に搬送される。この場合には、記録紙40は前端(筐体10の前方側)が給紙ガイド51先端と上側排紙ガイド54先端との間を通って、給排紙ガイド53上面を滑りながら、給排紙ガイド53及び上下排紙ガイド54,52間に案内されて筐体10前方に搬送されるようになっている。
【0034】本実施の形態においては、U字パスの円弧状部分を構成する外側及び内側U字ガイド11,12の曲率半径は、比較的小さく設定されている。外側及び内側U字ガイド11,12は、剛性の要求から金属材料が適している。円弧状部分の曲率半径を小さくすると、記録紙の剛性とU字ガイド11,12表面の滑り摩擦とのバランスを考慮する必要がある。即ち、滑り摩擦を小さくするほど曲率半径を小さくすることができ、より一層の小型化を実現することができる。
【0035】この理由から、本実施の形態においては、外側U字ガイド11と内側U字ガイド12とが対向する面には、有機系のコーティング材18,19を塗布するようになっている。また、上述したように、金属で構成したU字ガイド11,12をフレーム13乃至16と一体的に接続することにより、装置自体の剛性を確保している。
【0036】また、本実施の形態においては、記録紙40の搬送経路であるU字パスに囲まれた範囲内に、インクリボンカセット4、ヘッド71等が収納されるようになっている。内側U字ガイド12の前面には、平板状の支持部材61が後部フレーム14,16に固定されている。支持部材61には一対の軸受け62が固定されており、軸受け62にはカム軸22が回動自在に設けられている。また、支持部材61にはモータ24も取り付けられており、モータ24の回転はカム軸22に取り付けたギア25に伝達されるようになっている。
【0037】また、内側U字ガイド12の前端側には軸受け63が固定されており、この軸受け63にはアーム65のアーム軸66が揺動自在に取り付けられている。アーム65は略L字形状であり、支持部材61に取り付けた付勢部材28によって、筐体10後方に付勢されて、上方後端がカム23のカム面に当接するようになっている。モータ24の回転に伴ってカム23が回転することにより、カム面に沿ってアーム65の上方後端が前後方向に移動し、アーム65はアーム軸66を中心に揺動する。なお、アーム軸66はL字状の一端に位置し、上方後端はL字状の屈曲部に位置する。アーム65の前端(L字状の他端)にはサーマルヘッド71が固定されており、サーマルヘッド71の下面には発熱抵抗体72が記録紙40の搬送方向に垂直な方向(筐体10の横方向)に配列されている。
【0038】アーム65の位置はカム23の回転に応じて3段階に変化する。即ち、アーム65上方後端が最も筐体10後方側に位置する場合には、サーマルヘッド71は最も上方に位置し、ヘッド71上面は筐体10上面に近接する(以下、アーム65及びヘッド71のこのような位置を待機位置という)。逆に、アーム65上方後端が最も筐体10前方側に位置する場合には、サーマルヘッド71は最も下方に位置し、ヘッド71の下面はプラテンローラ35表面に当接する(以下、この位置を印刷位置という)。
【0039】筐体10底面側に形成した記録紙の給排紙搬送路の上方であって、アーム65の下方にはインクリボンカセット4が配置されるようになっている。インクリボンカセット4は、インクリボン43の供給部73と巻取部74とを有しており、印刷時には、記録紙40の搬送に合わせて、供給部73のボビン75に巻回されたインクリボン43を巻取部74のボビン42に巻取るようになっている。インクリボンカセット4は供給部73と巻取部74との間に、インクリボン43を露呈させた開口76(図5参照)を有している。
【0040】インクリボンカセット4はサーマルヘッド71が待機位置に位置するときに、筐体10内に挿入されて装着されるようになっている。サーマルヘッド71は、印刷前において記録紙40をピンチローラ33及びグリップローラ34によって搬送するときには、待機位置と印刷位置との中間の位置(以下、パーシャル位置という)に位置するようになっている。そして、サーマルヘッド71は、記録紙40が所定のスタート位置に位置し記録を開始する場合には、印刷位置に位置するようになっている。印刷位置では、サーマルヘッド71は、発熱抵抗体72がインクリボン43及び記録紙40を挟んでプラテンローラ35を圧接する状態となる。
【0041】アーム65の屈曲部分は、インクリボンカセット4の供給部73形状に対応した形状になっており、アーム軸66が筐体10底面側の内側U字ガイド12前端近傍で、インクリボンカセット4後端に近接した位置に位置する場合でも、アーム65が供給部73に当たることなく、アーム65を前傾させて印刷位置に移動させることができる。インクリボンカセット4は、後端の供給部73が内側U字ガイド12の前端近傍に位置し、前端の巻取部74が筐体10前面近傍に位置して筐体10前後方向に配設され、垂直方向に占有する部分は小さい。従って、インクリボンカセット4を、薄型のU字パスに囲まれた部分に収納することが容易となる。更に、サーマルヘッド71を移動させるアーム65の形状及びアーム軸66の取付位置等も、薄型のU字パス内への収納を可能にするものとなっている。
【0042】なお、カム軸22にはアーム65を変位させるカム23とは別体のカム26が取り付けられている。このカム26のカム面はリンク27に当接し、カム面の動きはリンク27及び図示しない連結棒を介してカム31を揺動させるようになっている。即ち、モータ24の回転によって、ヘッド71及びピンチローラ33が変位するようになっている。
【0043】本実施の形態においては、図4及び図1に示すように、U字パスを構成する外側U字ガイド11の平面部20の底面側にプリンタ装置の制御を行う制御基板81を配置し、外側U字ガイド11の円弧状部分の背面側に、電源電流の制御及びサーマルヘッド71の発熱制御等の大電流が流れる回路を集中させたパワー基板82を配置するようになっている。
【0044】これらの基板81,82上には、制御用のIC85、各種コネクタ88,89、その他の図示しない各種回路部品等が搭載されており、各搭載部品同士は基板81,82上に形成された配線パターン86によって接続されている。基板81,82上には高周波部品及び高周波回路も搭載されている。
【0045】制御基板81は、下部ケース111の上面と略同様の大きさであり、下部ケース111上に近接して配置される。パワー基板82は、制御基板81後端に立設されて、制御基板81表面に垂直する方向にパターン面が設けられる。基板81,82上に設けた配線パターン同士の接続は、コネクタ87a,87bによって行われるようになっている。
【0046】制御基板81とパワー基板82とは、側面側から見ると略L字形状に構成される。この形状によって、基板81,82は、外側U字ガイド11の円弧状部分とケース109の背面及び平面部20とケース109の底面との間の隙間を利用して配設される。
【0047】即ち、制御基板81を下部ケース111内に収納し、制御基板81上にU字ガイド11,12を配置する。上述したように、U字ガイド11,12は、ケース109の底面及び上面の略全域に対向する面を有しているので、制御基板81は、金属製等のU字ガイド11の底面と金属製等の下部ケース111の上面及び側面とに挟まれた空間内に配置される。
【0048】そして、上部ケース110を下部ケース111に組み付けて、U字ガイド11,12、制御基板81及びパワー基板82をケース内に収納するようになっている。これにより、パワー基板82は、外側U字ガイド11の円弧状部分の外面と上部及び下部ケース110,111の背面及び後端側面との間に挟まれた空間内に配置される。
【0049】上部及び下部ケース110,111並びにU字ガイド11,12は、金属製又は導電性樹脂等によって構成して基板81,82と共に接地しているので、これらの部材によるシールド効果は高く、制御基板81及びパワー基板82からの不要なノイズの輻射が防止される。
【0050】パワー基板82の下端中央には後方側から見てコ字状の切り欠きが形成され、この切り欠きには電池切片ブロック83が設けられる。電池切片ブロック83は、背面に3つの電池切片84を有し、これらの切片84はパワー基板の電源配線(図示省略)に接続されるようになっている。この電池切片ブロック83は、下部ケース111又はフレーム等に、図示しない支持部材によって固定されるようになっている。
【0051】基板81,82をケース109内に収納した状態で、電池切片ブロック83の電池切片84は、ケース109背面に設けた開口(図示省略)からケース109後方に露呈するようになっている。バッテリ3をケース109後端に取り付けることにより、バッテリ3前面に設けた端子91とケース109から露呈した電池切片84とが当接して、バッテリ3と基板81,82との電気的な接続が行われるようになっている。
【0052】この場合には、電池切片84と端子91と電気的な接合を向上させるために、端子91で電池切片84を前方側に押圧することになるが、電池切片ブロック83は、十分な強度を有する下部ケース111に固定されているので、バッテリ3の押圧力によって基板81,82にストレスが与えられることはない。
【0053】また、電池切片ブロック83は、パワー基板82の切り欠き部に配置される。即ち、パワー基板82の平面方向の空き空間を利用して電池切片ブロック83を配置しているので、高密度実装の点から有利である。
【0054】次に、このように構成された実施の形態の作用について図4、図8及び図9を参照して説明する。図4は記録紙の給紙開始直後の状態を示し、図8は印刷開始時の状態を示し、図9は印刷途中の状態を示している。
【0055】ヘッド71が待機位置に位置する状態で、インクリボンカセット4を筐体10内に装着する。記録紙カセット2内には記録紙40が収納されており、記録紙カセット2は、筐体10前面にセットされているものとする。
【0056】印刷開始前は、ヘッド71は待機位置に位置し、ピンチローラ33も上方に位置する。ここで、メモリカード5等から読み出した印字データに従った印刷を指示するものとする。そうすると、モータ29が回転し、ギア30を介してPAローラ41に回転力が伝達される。PAローラ41が回転すると、その摩擦力によって、記録紙40先端が給紙ガイド51上面に引き出される。PAローラ41の回転によって記録紙40は搬送され、図4に示すように、記録紙40先端が給排紙ガイド53を押し上げて、筐体10後方に進行する。
【0057】PAローラ41の回転によって記録紙40先端がピンチローラ33とグリップローラ34相互間に到達すると、図示しないセンサによって記録紙40の移動が検出されて、PAローラ41への回転力伝達が停止されると共に、カム31の回転に応じてピンチローラ33がグリップローラ34との間に記録紙40を圧接挟持する。
【0058】次に、ステッピングモータ56が回転を開始し、グリップローラ34が定速で回転を開始する。これにより、ピンチローラ33及びグリップローラ34間に挟まれた記録紙40は、筐体10後方に搬送され、先端がインクリボンカセット4底面を滑りながら、インクリボンカセット4底面及び平面部20に案内されて、筐体10後方に進行する。
【0059】筐体10後端近傍において、記録紙40は外側U字ガイド11及び内側U字ガイド12相互間における円弧状の搬送経路に導かれて、向きが上方に変化し、更に、筐体10上端側において前方側に変化する。
【0060】記録紙40の搬送経路を形成する外側及び内側U字ガイド11,12の向かい合った面は、コーティング材18,19が塗布されて滑り摩擦係数が小さくなっている。従って、上述したように、外側及び内側U字ガイド11,12の曲率半径が小さいにも拘わらず、記録紙40は、スムーズに円弧状のU字パス内を搬送されて、向きが変化する。
【0061】記録紙40が記録開始位置に到達したことを図示しないセンサによって検出すると、ステッピングモータ56による記録紙の搬送が停止される。次に、モータ24の回転によってカム23が回転し、アーム65が前傾してヘッド71は印刷位置に移動する。図8はこの状態を示しており、サーマルヘッド71の発熱抵抗体72によってインクリボン43及び記録紙40がプラテンローラ35表面に圧接されている。
【0062】次いで、サーマルヘッド71の発熱抵抗体72に印字データに基づく通電が行われる。これにより、インクリボン43に塗布されている熱昇華性染料が昇華して記録紙40に転写される。サーマルヘッド71に対する発熱制御及び電源電流制御等は、基板82上の回路によって行われる。これらの回路が基板82上に集中しており、これらの回路に流れる大電流の経路は最短に構成される。
【0063】発熱抵抗体72によって記録紙幅方向の所定ライン数の印刷が行われると、ステッピングモータ56の回転によってグリップローラ34が回転して、ピンチローラ33及びグリップローラ34相互間に挟まれた記録紙40が筐体10前方側に搬送される。なお、モータ29の回転は図示しない伝達機構を介してインクリボンカセット4の巻取側ボビン42に伝達されるようになっており、記録紙40の搬送に合わせてインクリボン43も搬送されて、サーマルヘッド71の前端から上方に向きを変えて進行し巻取部74に巻取られる。以後、同様に、サーマルヘッド71による印刷と記録紙40及びインクリボン43の搬送とが繰返されて印刷が行われる。
【0064】印刷開始時には、給排紙ガイド53の先端は給紙ガイド51上面よりも下方に位置する。ピンチローラ33及びグリップローラ34によって記録紙40が筐体10前方に搬送されると、記録紙40は前端部が給排紙ガイド53に案内されて斜め上方に滑りながら進行する。こうして、記録紙40は下側及び上側排紙ガイド52,54に案内されて、筐体10前面から記録紙カセット2上に搬送される(図9参照)。第1色目の記録終了時においても、記録紙40の端部は、ピンチローラ33及びグリップローラ34に圧接挟持された状態である。
【0065】インクリボン43としては、例えば、イエロー、シアン及びマゼンタ等のインクが所定の順序で循環的に塗布されているものを使用する。この場合には、第1色目(例えばシアン)の記録が終了すると、ステッピングモータ56の回転によってグリップローラ34が回転し、記録紙40はU字パス内を筐体10後方に搬送され、第1色目の記録開始位置と同一位置まで搬送される。また、記録紙40への第2色目(例えばイエロー)の転写が可能な位置まで、モータ29の回転によってインクリボン43を移動させる。
【0066】第2色目の印刷も第1色目と同様に行われる。以後、同様にして、第3色目(例えばマゼンタ)及びラミネートコート層の転写記録が行われる。ラミネートコート層の記録が終了すると、記録紙40は、グリップローラ34の回転力によって筐体10前方側に排出される。
【0067】このように、本実施の形態においては、U字パスの円弧状部分を剛性に優れた金属材料の外側及び内側U字ガイド11,12で構成すると共に、U字ガイド11,12の記録紙搬送面を有機系のコーティング材18,19でコーティングして摩擦係数を低くしていることから、円弧状部分の曲率半径を小さくした場合でも記録紙40のスムーズな搬送を可能にすることができる。また、U字パスの底面と下部ケース111との間の隙間に制御基板81を配置し、U字パスの背面と上部及び下部ケース110,111との間の隙間にパワー基板82を配置しており、これにより、装置の小型化、薄型化を達成している。そして、上部及び下部ケース110,111並びにU字ガイド11,12を金属製又は導電性樹脂等の材料によって形成し、制御基板81を下部ケース110とU字ガイド12とによって囲まれた空間に収納しているので、制御基板81からの不要ノイズ輻射を防止することができ、パワー基板82を上部及び下部ケース110,111とU字ガイド12とによって囲まれた空間に収納しているので、パワー基板82からの不要ノイズ輻射も防止することができる。
【0068】図10は本発明の第2の実施の形態を示す斜視図である。図10において図2と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施の形態は制御基板81上にシールド板120を設けた点が第1の実施の形態と異なるのみであり、他の部分については図示を省略する。
【0069】図10に示すように、制御基板81の縁辺部には、接地されたシールド板120が立設されている。制御基板81を下部ケース110内に収納し、制御基板81上にU字ガイド11,12が配設されることは第1の実施の形態と同様である。
【0070】このように構成された実施の形態においては、制御基板81からの不要輻射が一層軽減される。下部ケース111は金属製であっても問題はないが、上部ケース110については、外観等を考慮して金属製であるとは限らない。従って、制御基板81の上方及び下方においては、金属製等のU字ガイド11,12及び下部ケース111によってシールドされているが、側面方向にはケース109によるシールドだけではシールド効果が低いことが考えられる。
【0071】しかし、本実施の形態においては、制御基板81の側面方向には基板81に搭載されている回路部品を囲むように、シールド板120が立設されているので、制御基板81の全方向に亘って十分なシールド効果が得られる。
【0072】このように、本実施の形態においては、第1の実施の形態よりも一層シールド効果が高い。
【0073】なお、第2の実施の形態においては、シールド板120を制御基板81の上面の縁辺全周に設けたが、不要ノイズを発生する回路部品及び高周波回路等を囲むように制御基板81の一部にシールド板を立設するようにしてもよいことは明らかである。更に、シールド板を制御基板81の底面側に立設してもよく、上面及び底面の両方に立設してもよい。基板82についても同様である。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、高周波放射ノイズの発生を防止する場合でも十分に小型軽量化を図ることができるという効果を有する。




 

 


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