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発明の名称 画像記録装置とその記録方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−232783(P2001−232783A)
公開日 平成13年8月28日(2001.8.28)
出願番号 特願2000−48183(P2000−48183)
出願日 平成12年2月24日(2000.2.24)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【テーマコード(参考)】
2C056
2C057
【Fターム(参考)】
2C056 EA06 EA08 EB27 EB42 EC71 EC74 EC75 HA58 
2C057 AF25 AG44 AL36 AL37 AM28 BA03 BA14 CA10
発明者 有賀 俊直
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 インクを噴射するノズルを複数配列したノズル列を有する記録ヘッドを主走査方向に沿って走査させる主走査手段と、前記主走査毎に前記ノズル列の全体長より短い長さだけ、前記記録ヘッドとプリント媒体とを相対的に前記主走査方向と直交する副走査方向に走査させる副走査手段と、前記記録ヘッドの異なる複数のノズルが記録媒体上の同一ドットラインを走行するように、記録ヘッドを複数回走査させ、形成すべき画像に対応したノズルが記録媒体上にインクを噴射して、前記ドットライン上に画像を形成する記録制御手段と、前記ドットライン上の画像を形成する複数のノズルに対して画像データを分配する分配手段と、を有する画像記録装置において、前記分配手段は、前記複数のノズルに対する画像データの分配比率を当該複数のノズルの各濃度特性に応じて設定することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】 複数のドットラインで同一の画像濃度値を設定し、前記分配手段は前記画像濃度値に一致するように前記分配比率を設定することを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【請求項3】 前記濃度特性データに基づき、平均から求めた基準濃度値を設定するステップと、1つのドットラインについて複数のノズルからのインク噴射により画像を形成する際、前記基準濃度値に達するように、前記濃度特性データに基づいて複数のノズルに分配するデータの比率を算出するステップと、前記算出された分配比率に応じたマスクパターンを作成するステップと、前記マスクパターンに基づいて、記録ヘッドを移動させつつ、ノズルからインクを噴射させるステップと、からなることを特徴とする画像記録方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像記録装置に係り、特にインクを噴出させて記録を行うインクジェット方式の画像記録装置とその記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータや複写機、ワードプロセッサ等のOA(オフィス・オートメーション)機器が広く普及しており、これらの機器の出力装置として、画像形成(文字等を含む)する記録装置が用いられている。この画像記録装置の一種として、インクジェット方式により紙面上等にディジタル画像記録を行うインクジェット記録装置が急速に発展、普及している。さらに、OA機器の高機能化とともにカラー化が進み、これに伴なって様々なカラーインクジェット記録装置が開発されている。
【0003】一般に、インクジェット記録装置は、記録部(記録ヘッド)およびインクタンクを搭載するキャリッジと、記録紙を搬送する搬送部と、これらを制御する制御部とを備える。そして、複数の吐出口からインク液滴を吐出させる記録ヘッドを記録紙の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)にシリアル・スキャンさせ、一方で非記録時には一回の走査による記録幅に等しい量で間欠搬送するものである。
【0004】さらには、カラー対応のインクジェット記録装置の場合、複数色の記録ヘッドにより吐出されるインク滴の重ね合わせによるカラー画像を形成する。インクジェット記録装置において、インクを吐出させる方式としては種々あり、吐出口近傍にヒータ(電気/熱エネルギー変換体)を設け、このヒータに電気的な駆動信号を印加することによりインクを局所的に加熱して圧力変化を起こさせ、インクを吐出口から吐出させるバブルジェット方式や、ピエゾ素子等の電気圧力変換手段を用い、インクに機械的圧力を付与してインクを吐出させる方式が従来より知られている。
【0005】インクジェット記録方法は、記録信号に応じてインクを微少な液滴として吐出口から記録媒体上に吐出することにより文字や図形などの記録を行うものであり、ノンインパクト方式であるため騒音が少ないこと、ランニングコストが低いこと、装置が小型化しやすいこと、およびカラー化が比較的容易であること、などの利点を有していることから、コンピュータやワードプロセッサ等と併用され、あるいは別個で使用される複写機、プリンタ、ファクシミリ等の記録装置における画像形成(記録)手段として広く用いられている。
【0006】従来のインクジェット記録方法においては、インクのにじみのない高発色のカラー画像を得るためには、インク吸収層を有する専用コート紙を使用する必要があった。
【0007】しかし、近年はインクの改良等によりプリンタや複写機等で大量に使用される普通紙への印字適性を持たせた方法も実用化されている。さらには、トランスペアレンシフィルムや布、プラスチックシート等の様々な記録媒体への対応が望まれている。
【0008】このような要求に応えるため、インクの吸収特性が異なる記録媒体を必要に応じて選択した際に記録媒体の種類に係わりなく最良の記録が可能な記録装置の開発、および製品化が進められている。
【0009】また、記録媒体の大きさについても、宣伝広告用のポスターや衣類等の織布では、大サイズのものが要求されてきている。このようなインクジェット記録装置は、優れた記録装置として幅広い産業分野において需要が高まっており、より一層高品位な画像の提供が求められ、また更なる高速化への要求も一段と高まっていると言える。
【0010】一般に、カラーインクジェット記録方法は、シアン(C)、マゼンタ(M)及び、イエロー(Y)の3色のカラーインクを使用してカラー画像の形成を実現する。さらにこれらに、ブラック(K)を加えた4色のカラーインクを使用して、カラー画像形成を実現する。このようなカラー・インクジェット記録装置においては、キャラクタのみ印字するモノクロインクジェット記録装置と異なり、カラーイメージ画像(自然画像等)を記録するにあたっては、発色性や階調性、一様性など、様々な要素が必要となる。しかし、記録される画像の品位は記録ヘッド単体の性能に依存するところが大きい。
【0011】例えば、記録ヘッドの吐出口の形状のばらつき等の記録ヘッド製作工程時に生じるノズル毎の僅かな違いが、それぞれに吐出されるインクの吐出量や吐出方向の向きに影響を及ぼし、最終的に形成される記録画像の濃度ムラとして画像品位を劣化させる原因となる。
【0012】その結果として、ヘッド主走査方向に沿って周期的にエリアファクタ100%を満たせない“白”の部分(白スジ)が発生したり、逆に必要以上にドットが重なり合う部分(黒スジ)発生することとなる。これらの現象が通常人間の目で濃度ムラとして感知される。
【0013】そこで、これらの濃度ムラ対策としてマルチパス記録方式と呼ばれる方式が提案されている。
【0014】ここでは、簡単のために8ノズルからなる単一インク色ヘッドを用いた例を挙げて、図17(a)〜(c)を参照して、マルチパス記録(2パス)の一例を説明する。図17(a)に示す第1走査において、ノズル■〜■が黒色丸で示すドット(画素)を千鳥パターン状に記録し、記録幅の半分(4ドット幅)だけ紙送りを行う。
【0015】次に、図17(b)に示す第2走査において、ノズル■〜■が白色丸で示す別のドットを別の千鳥パターン(以下、本明細書中では逆千鳥パターンと記す)状に記録する。千鳥パターンと逆千鳥パターンは、相補的なパターンであるため、第1走査と第2走査により4ドット幅分の記録が完成される。尚、同時に、続く4ドット幅分に対して、ノズル■〜■による黒色丸が千鳥パターン状に記録される。
【0016】同様にして図17(c)に示す第3走査を行うことにより、8ドット幅分の記録が完成される。すなわち、順次4ドット単位の紙送りと千鳥/逆千鳥パターンの記録を交互に行うことにより、4ドット単位の記録領域を1スキャン毎に完成させていく。このようにして、1つのドットラインについて異なる2つのノズルを用いて記録することにより、ノズル形成精度の影響を排除し、濃度ムラを抑えた高品位な画像を形成することができる。また、マルチパス記録では、インクを乾かしながら記録していくといった効果も同時に達成できる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のカラーインクジェット記録装置において、図18は、ある記録ヘッドにおける各ノズル毎の画像濃度の一例を示す図である。ここでの記録ヘッドは、8個のノズルから構成されているものとし、横軸はノズル番号、縦軸は画像濃度の相対値を示している。
【0018】この図18において、理想的には各ノズルのインク噴射量は均一であることが好ましいが、課題として述べたように、製造ばらつきによる各ノズルでインク噴射量に差が発生し、図示されるように各ノズルで画像濃度にばらつきがでる。
【0019】具体的には、ノズル番号が増加するに伴い、画像増度が大きくなっている。このようなノズルを有する記録ヘッドで画像を形成した場合を図19を参照して説明する。横軸はドットラインの番号(画像の副走査方向の画像)を示し、縦軸は均一パターンを作図した場合の画像濃度を示す。
【0020】この図19において、1パス記録で画像を形成した場合には、1回目の走査の後、用紙を副走査方向に8ドットライン分だけ搬送し、2回目の走査を行う。このため、例えば第1,9,17…8n+1ドットラインにおける画像形成では第1ノズルが用いられ、第8,16,24…8nドットラインにおける画像形成では第8ノズルが用いられる。従って、図19に示すように、1パス記録の場合(図中では、黒色菱形)は8ドットライン毎にヘッドが持つ濃度特性がそのまま現れることになる。
【0021】次にマルチパス記録(2パス)で画像を形成した場合について説明する。1回目の走査(以下、n+1回目の走査をAスキャンと呼ぶ)ではヘッドの半分(5〜8ノズル)が画像形成領域に向き合った状態でマスクパターンAに従って、画像データを間引いて作図を行う。
【0022】その後、用紙を副走査方向に4ドットライン分だけ搬送し、2回目の走査を行う。2回目の走査(以下、n回目の走査をBスキャンと呼ぶ)では、マスクパターンAと相補的な関係になるマスクパターンBに従って、全てのノズルを用いて画像データを間引いて作図を行う。
【0023】この際、既にAスキャンで記録されている領域については補間記録を、まだ記録されていない領域については、間欠記録を行うことになる。このAスキャン及び、Bスキャンを繰り返すことで、第1,5,9,…,(4n+1)ドットラインは第1ノズル及び第5ノズルで、第4,8,12,…,(4n)ドットラインは第4ノズル及び第8ノズルで画像が形成される。
【0024】なお、図19において、Aスキャンによる画像濃度(黒色三角)と、Bスキャンによる画像濃度(白抜き菱形)とを示す。この2パス記録では、1つのドットラインに対してAスキャン、Bスキャンヘの画像データの振り分けが50%ずつであるため、1ドットラインにおけるA,Bスキャンの画像濃度は、それぞれ1/2となる。
【0025】従って、2パス記録における1ドットラインにおける画像濃度は、Aスキャン及びBスキャンの画像濃度の和となる。
【0026】図19では、このAスキャン及びBスキャンの画像濃度の和を”X”で示している。図19に示されるように、マルチパス記録(2パス)によれば、その画像濃度のばらつきが1パス記録に比べて小さくなるものの、それでもまだ用紙搬送量(4ドットライン分)に応じた幅毎に濃度ムラが発生する。
【0027】近年の高品質画像の要求は、非常に高く、このような濃度ムラの発生できる限り抑制しなければならない。
【0028】そこで本発明は、複数のノズル間で濃度特性(例えばインク噴射量)にばらつきがあったとしても、有効に濃度ムラの発生を抑制する画像記録装置とその記録方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために、インクを噴射するノズルを複数配列したノズル列を有する記録ヘッドを主走査方向に沿って走査させる主走査手段と、前記主走査毎に前記ノズル列の全体長より短い長さだけ、前記記録ヘッドとプリント媒体とを相対的に前記主走査方向と直交する副走査方向に走査させる副走査手段と、前記記録ヘッドのノズルが記録媒体上の同一ドットラインを走行するように複数回走査させ、形成すべき画像に対応したノズルが記録媒体上にインクを噴射して、前記ドットライン上に画像を形成する記録制御手段と、前記ドットライン上の画像を形成する複数のノズルに対して画像データを分配する分配手段と、を有する画像記録装置において、前記分配手段は、前記複数のノズルに対する画像データの分配比率を当該複数のノズルの各濃度特性に応じて設定する画像記録装置を提供する。
【0030】また上記画像記録装置は、複数のドットラインで同一の画像濃度値を設定し、前記分配手段は前記画像濃度値に一致するように前記分配比率を設定する。
【0031】さらに、前記濃度特性データに基づき、平均から求めた基準濃度値を設定するステップと、1つのドットラインについて複数のノズルからのインク噴射により画像を形成する際、前記基準濃度値に達するように、前記濃度特性データに基づいて複数のノズルに分配するデータの比率を算出するステップと、前記算出された分配比率に応じたマスクパターンを作成するステップと、前記マスクパターンに基づいて、記録ヘッドを移動させつつ、ノズルからインクを噴射させるステップとにより画像を記録媒体上に記録する画像記録方法を提供する。
【0032】以上のような構成の画像記録装置は、ドットライン上の画像を形成する複数のノズルに対して画像データを分配する分配手段は、複数のノズルの各濃度特性に応じて、それらのノズルに対する画像データの分配比率をそれぞれ設定する。また、前記画像記録装置における前記分配手段は、複数のドットラインで同一に設定された画像濃度値に一致するように分配比率を設定する、【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0034】図1は、本発明による第1の実施形態にかかる画像記録装置として、シリアルプリンタ形態のインクジェット記録装置の概念的な構成を示し説明する。
【0035】この記録装置は、主要構成部位として、インクを吐出して記録媒体2上に画像形成を行う記録ヘッド1と、送りローラ4及び搬送ローラ5を駆動して、記録媒体2を間欠送りする搬送モータ8と、記録ヘッド1を搭載する主走査キャリッジ3と、走査キャリッジ3の基準位置を定めるホームポジションセンサ9と、この主走査キャリッジ3を主走査ベルト10を介して矢印のA,Bの方向に走査させる主走査モータ6と、搬送される記録媒体2を吸着してガイドするプラテン7と、記録媒体2を検出するための給送ローラクラッチ11と、プラテン7上に設けられて記録媒体2を検知し位置制御、ジャム制御等に利用される検知センサ12と、記録媒体2上に形成されたテストパターンを照明する光源13と、照明されたテストパターンの記録濃度を読み取る読取りセンサ17と、読取りセンサ17や光源13をホルダ14に保持し、制御部15により制御される濃度むら読取りユニット21と、取られた読取り信号をデジタル信号化するA/D変換部16と、デジタル信号化された読取り信号を一時的に記憶する記憶部(RAM)19と、記録ヘッド1に対して吸引動作及びインクの予備吐出動作等を行う回復部20とが備えられている。
【0036】このように構成された記録装置について詳しく説明する。記録ヘッド1は、カラーインク毎に分かれており、シアン用記録ヘッド1C、マゼンダ用記録ヘッド1M、イエロー用記録ヘッド1Y、ブラック用記録ヘッド1Kから構成される。これらは、不図示のインクタンクからインクチューブを通じて、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの各色のインクが供給される。そして、記録ヘッド1C,1M,1Y,1Kへと供給されたインクは、後述する図2とほぼ同様の主制御部からの記録情報に応じた記録信号に対応して、記録ヘッドドライバ等によって駆動され、各記録ヘッドからインク滴が記録媒体2上へ吐出される。
【0037】搬送モータ8は、記録媒体2を間欠送りするための駆動源であり、送りローラ4、搬送ローラ5を回転駆動する。また主走査モータ6は、主走査キャリッジ3を主走査ベルト10を介して矢印のA,Bの方向(スキャン方向)に走査させるための駆動源である。これらの紙送りモータ8及び主走査モータ6は、正確な紙送り制御が必要なことから、パルスモータ等を採用している。そして記録媒体2が給送ローラ5に到達すると、給送ローラクラッチ11及び搬送モータ8がオンして、記録媒体2を搬送ローラ4に至るまでプラテン7上を搬送する。
【0038】この記録媒体2は、プラテン7上に設けられた検知センサ12によって検知され、得られたセンサ情報は、位置制御、ジャム制御等に利用される。そして、記録媒体2が搬送ローラ4に到達すると、給送ローラクラッチ11及び搬送モータ8をオフさせて、プラテン7の内側から図示していない吸引モータにより吸引動作が行なわれ、記録媒体2を画像記録領域となるプラテン7上へ密着させる。
【0039】そして、記録媒体2への画像記形成動作に先立って、ホームポジションセンサ9の位置に走査キャリッジ3を移動させて、次に、矢印Aの方向に往路走査を行い、所定の位置よりシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクを記録ヘッド1C〜1Kより吐出し画像記録を行う。所定の長さ分の画像記録を終了した後、走査キャリッジ3を停止し、逆に、矢印Bの方向に復路走査を開始させ、ホームポジションセンサ9の位置まで走査キャリッジ3を戻す。この復路走査の間、記録ヘッド1C〜1Kで記録した長さ分の紙送りを搬送モータ8により搬送ローラ4を駆動することにより矢印C方向に排紙する。
【0040】この実施形態では、記録ヘッド1C〜1Kは、ピエゾ素子等の電気圧力変換手段を用い、インクに機械的圧力を付与してインクを吐出させる方式のインクジェット記録ヘッドであり、256個の吐出口が各々にアセンブリされたものを4本使用している。走査キャリッジ3がホームポジションセンサ9で検知されるホームポジションに停止すると、回復装置20により記録ヘッド1の回復動作を行う。これは安定した記録動作を行うための処理であり、記録ヘッド1の吐出口内に残留しているインクの粘度変化等から生じる吐出開始時のむらを防止するために、休止時間,装置内温度,吐出時間等のあらかじめプログラムされた条件により、記録ヘッド1に対する回復装置20による吸引動作、インクの予備吐出動作等を行う処理である。以上説明の動作を繰り返すことにより記録媒体上全面に画像記録が行われる。
【0041】図1に示す濃度むら読取りユニット21は、制御部15により、各記録ヘッド1C〜1K毎に均一な画像信号を与えて記録媒体2上へ印字させたテストパターンを読取って、読取り信号を出力する。この実施形態では、ホルダ14を介して主走査ベルト10に固定され、プラテン7上で読取り動作を行う構成である。従って、記録ヘッド1と濃度むら読取りユニット21とは、移動に際して互いに所定の距離を保持しつつ連動する。
【0042】この距離は、濃度むら読取りユニット21が記録ヘッド1から生じうるインクミストの影響を受けない距離とするのがよい。しかし、その影響を有効に排除できるのであれば、濃度むら読取りユニット21をキャリッジ3に搭載してもよい。 そして、本実施形態では、テストパターンの記録された記録媒体2を光源13により照明し、各記録ヘッド1C〜1Kにより記録用紙上へ記録されたテストパターンの記録濃度を読取りセンサ17C,17M,17Y,17Kにより読取り、各読取りセンサにより読取られた各記録ヘッドによるテストパターン記録の読取り信号をA/D変換部16により、デジタル信号化した後、その読取り信号を一時的に記憶部(RAM)19に記憶する。
【0043】図2は、図1に示した画像記録装置における制御系の一構成例を示し、説明する。
【0044】この画像記録装置において、マイクロコンピュータ(CPU)からなり、後述する処理手順等に従って各構成部位を制御する主制御部31を備えている。
【0045】この主制御部31には、外部コンピュータやイメージリーダ等からなり、本記録装置に対して、記録に係る画像データや各種指令を供給するホスト装置32が設けられている。さらに、主制御部31には、以下の構成部位が接続される。
【0046】画像記録に伴う処理手順に対応したプログラム等の固定データを予め格納した第1メモリ部(ROM)33と、形成すべき画像データの一時保存領域や各種制御の過程で作業用に用いられる書き換え可能な記録領域を有する第2メモリ部(RAM)34と、ホスト装置32とのオンラインスイッチや記録開始の指令入力、濃度ムラ補正のためのテストパターン記録等の指令入力、さらには記録媒体の種類の情報入力等を与えるための指示入力部35と、記録媒体2の有無や搬送状態、インク残量の有無、その他の動作状態を検知するセンサ類36と、記録装置の各構成部位の動作状態や設定状態、異常発生の有無を報知するのに用いられる表示部37と、記録すべき画像データに対し、マルチパス作画時の各ノズルヘのデータの分配処理を行う画像処理部38とが接続されている。
【0047】そして、さらに記録ヘッド1の各インク吐出エネルギー発生素子を駆動するためのヘッドドライバ39と、記録ヘッド1及び濃度むら読取りユニット21を走査させるためのモータ6等を含む主走査制御機構部40と、記録媒体搬送系を駆動するモータ8の駆動部となる副走査制御機構部41と、前述した記憶部19が接続されている。この記憶部19には、前述したように、濃度むら読取りユニット21で読取られた各色信号をA/D変換部16でデジタル信号化して、この記憶部19に一時的に記憶する。
【0048】このような画像記憶装置による画像形成の動作について説明する。
(1)各ノズルの濃度プロファイルデータの作成図3乃至図6を参照して、各ノズルの濃度プロファイル(濃度特性)データの作成処理について説明する。ここで、主制御部31内において、濃度プロファイルデータ作成処理では、最初にパッチデータを作成する。まず、パッチデータ展開部によって、パッチデータ格納部に格納されたパッチデータを展開する。
【0049】このパッチデータの例を図4に示す。この図4に示す通り、パッチデータは濃度の薄いものから濃いものまで、16段階に分けられており、1つのパッチデータの縦サイズは1つの記録ヘッド、例えばブラック用記録ヘッド1Kのノズル列幅に対応した長さよりも大きなサイズとなっており、一様の濃度値をもつデータになっている。ここで、ノズル列幅よりも大きくしている理由は、読み取り時に特定ドットの読み取り濃度が隣接ドット濃度の影響を受けるためである。
【0050】パッチデータは、各色ブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)について4種類が格納されている。つまり、全部で4x16=64個格納されている。そして、パッチデータ展開部によって展開されたパッチデータは、2値化部に出力されて2値化処理が行われ、パッチデータに対する画像信号を生成する。この信号に基づき各記録ヘッド1K、1C、1M、1Yが駆動されて、記録媒体上に図4に示すようなテストパッチを2回以上の主走査で記録する。
【0051】次に、これらのテストパッチの画像を濃度むら読み取りユニット21により読み取る。この濃度むら読み取りユニット21は、前述したように記録ヘッド1近傍の主走査キャリッジ3に搭載してもよいし、別体のものであっても良い。
【0052】以下、説明を分かりやすくするために、以降はK用の1つのテストパッチの画像を読み取る例で説明する。
【0053】図5は、K用の16個のテストパッチのうち任意のテストパッチを読み取る概念図が図示されている。このテストパッチは、上述したように記録ヘッド1Kの256ノズル全部を使用して、その縦サイズがノイズ列幅(256ドット分)よりも大きくなるように、2回以上の主走査によって記録されたものであり、全ノズルの数に対応する256ドットラインが形成されている。
【0054】濃度むら読み取りユニット21による読み取りは、記録媒体2の給紙方向(図1の方向C)となる副走査方向、即ち、テストパッチのドットラインが延在する方向と直行する方向に沿って行われ、256個のドットラインそれぞれの画像読み取り信号を読み取る。ここで、副走査方向に沿って読み取りを行う理由は、濃度むら読み取りユニット21(ラインセンサ)の素子毎の感度特性を取り除くためである。
【0055】各ドットラインの画像読み取り信号は、演算部に入力され、各ドットラインにおける濃度値が演算され算出される。なお、ここで算出される濃度値は、各ドットラインにおける平均濃度を示すものであるが、当該ドットラインの画像は、それに対応する1つのノズルによって形成されるものであるから、算出される濃度値は、対応するノズルの濃度値と捉えることができる。
【0056】図5で示されるテストパッチにおける各ノズルの濃度値をグラフで示したのが図6である。図6の横軸はノズル番号、縦軸は濃度値を示している。記録ヘッド1Kの全ノズルの濃度値が算出されたならば、それらから全ノズルの平均濃度値を算出する。このようなノズル濃度値及び平均濃度を他の15個のテストパッチに対しても演算し、全部で16個のノズル濃度値を算出する。
【0057】図7は、記録ヘッド1Kの256ノズルのうち、0番目のノズルと全ノズル平均のデータを表したグラフである。共に、16個のテストパッチにおける濃度値を表している。図7の横軸は入力値を示し、印字させようとする単位面積当たりのドット数(濃度を印字ドットの数で制御しようとしているため)、縦軸は出力される(濃度むら読み取りユニット21により読み取られる)濃度値である。ここで、全ノズル平均では、100ドットを印字させれば、出力濃度値Aが得られる。しかしながら、0番目のノズルで100ドットを印字させても、出力される濃度値はA−αであり、濃度値Aには達しない。0番目のノズルで濃度値Aを得るためには、印字ドットを20ドット増やし、120ドットで印字させるように、その印字ドット数を補正しなければならない。このように、これらのデータ(0番目ノズルと全ノズル平均における16個分のテストパッチにおける入力値に対する出力濃度値)をもとに、0番目ノズルにおける印字ドット数に対して補正量を加えて、全ノズル平均に近似させる。
【0058】なお、0番目ノズルについてのみ説明したが、他のノズル、即ち、1〜255ノズルについても同様である。これら全256ノズルの全データは、濃度プロファイルデータとして作成しておき、予め第1メモリ部33に記憶させておく。
【0059】(2)分配比率の算出次に、第1メモリ部33に記憶されている濃度プロファイルデータに基づいて、全ノズルで画像濃度を平滑化するように、マルチパス時の各ノズルヘのデータの分配比率を算出する。なお、ここでは説明を簡単にするために記録ヘッド1Kのノズル数を8個とし、マルチパス記録の一例として、2パス記録を例として説明する。
【0060】この2パス記録における記録媒体2の搬送量は、図20と同様に、4ドットライン分である。従って、第1ドットラインの画像形成については、Aスキャンで第5ノズルが、Bスキャンで第1ノズルがそれぞれ担当することが既に分かっている。
【0061】従って、濃度プロファイルデータより、第1,5ノズルの濃度値と記録ヘッド1Kの全ノズルの平均濃度値を呼び出す。本実施形態では、次式を用いて各ノズルヘのデータの分配比率を算出する。
【0062】XA+(1−X)B=C …(1)
ここで、 A:Aスキャンにおけるノズルの濃度(ここでは第5ノズルの濃度(15))、B:Bスキャンにおけるノズルの濃度(第1ノズルの濃度(10))、C:記録ヘッド1Kの全ノズルの平均濃度(13.5)、X:Aスキャンにおけるノズルに分配するデータの比率(ここでは第5ノズルに分配するデータの比率)、(1−X):Bスキャンにおけるノズルに分配するデータの比率(ここでは、第1ノズルに分配するデータの比率)
上記(1)式を演算して、Xを算出することにより、第1,5ノズルヘのデータの分配比率を算出することができる(第1ノズル=0.375、第5ノズル=0.625)。
【0063】なお、第2〜8ドットラインについても同様に、Xを算出することにより、各ノズルヘのデータの分配比率を算出する。
【0064】図3は、この記録ヘッド1Kで全ドットラインに亘って、上記(1)式を満たすときのAの比率×及びBの比率(1−X)を表したものである。なお、上記(1)式はAスキャンとBスキャンが相補的な関係でドットを印字する場合の2パス記録に対して有効である。
【0065】マルチパス記録における画像データの間引きについては、上述したように画像データに各スキャンに対応するマスクパターンをかけて行っている。従って、マスクパターンを変更することにより、各スキャンヘのデータの分配比率を変更することが可能となる。
【0066】例えば、横方向16bit循環のマスクパターンの場合、ドットライン毎にマスクパターンを図8に示すように変更することで、17段階に分配比率を変更することができる。なお、図8に図示されるマスクパターンにおいては、各スキャンにおける(各ノズルによる)印字ドットが分散されるように設定されている。
【0067】これは、例えば濃度特性の低いノズルによる印字ドットが集中してしまったり、逆に濃度特性の高いノズルによる印字ドットが集中してしまったりすることで目立ってしまうドットライン方向の濃度ムラを抑制するためのものである。
【0068】この記録ヘッド1Kで2パス記録を行う際のマスクパターンは、図9に示す通りである。このように算出されたデータの分配比率に基づき、各ドットライン毎にマスクパターンを変更して、各ドットラインを担当するノズルを駆動させることで、全ドットラインに亘って濃度を均一化することができる。
【0069】なお、上記説明では、ブラック用記録ヘッド1Kについてのみ説明したが、当然、他の記録ヘッド1C、1M、1Yについても同様に全ドットラインに亘って濃度を均一化するように各ノズルの濃度特性に応じてマスクパターンを設定する。
【0070】次に第2の実施形態について説明する。本実施形態においても記録ヘッド1Kを例に挙げて説明することとし、他の記録ヘッド1C、1M、1Yについてはその説明を省略する。
【0071】本実施形態は、前述した(1)式の解が得られない場合に、記録媒体2の搬送量を変える例である。前述した第1の実施形態における記録ヘッド1及びマルチパス記録における搬送量等によれば、全ドットラインに亘って、上記(1)式の解が得られたが、A>C且つB>C、あるいはA<C且つB<Cの場合には解が得られない(解がO〜1の範囲に入らない)。
【0072】例えば、図10に示すような濃度特性を持つノズルからなる記録ヘッド1で第1の実施形態と同様な2パス記録を実施しようとした場合、第1ドットラインの画像を形成する第1ノズルと第5ノズルは、共に記録ヘッド1Kの全ノズルの平均濃度値よりも高く、A>C且つB>Cとなり、(1)式の解が得られない。
【0073】このような記録ヘッド1を用いる場合には、分配比率の設定の他に記録媒体2の搬送量の設定も合わせて行わなければならない。つまり、各ドットラインの画像を形成するノズルの組み合わせが最適になるように、その記録媒体2の搬送量を設定する。
【0074】そして、2パス記録であれば、各ドットラインは、2つのノズルの組み合わせによって画像が形成されるものであるから、組み合わせるノズルを、例えば、一方のノズルを全ノズル平均濃度より濃度特性が高いもの、他方のノズルを全ノズル平均濃度よりも濃度特性が低いものになるように、記録媒体2の搬送量を設定すれば、(1)式の解が得られることになる。
【0075】図10における記録ヘッド1Kでは、記録媒体2の搬送量を6ドットライン幅分と2ドットライン幅分の繰り返しに設定することにより、A>C且つB>C、あるいはA<C且つB<Cの条件を満たさなくなり、(1)式を用いて分配比率を設定することができる。なお、8ノズルの記録ヘッドで2パス記録を行う場合、AスキャンからBスキャン時へ移行する際の記録媒体2の搬送量とBスキャンからAスキャン時へ移行する際の記録媒体2の搬送量(ドットライン数)との組み合わせは、1+7、2+6、3+5、4+4、5+3、6+2、7+1の7通りあるので、この中からA>C且つ8>C、あるいはA<C且つB<Cの条件を満たさない記録媒体2の搬送量の組み合わせを抽出して設定する。
【0076】仮に、上記全ての記録媒体2の搬送量の組み合わせにおいて、A>C且つB>C、あるいはA<C且つB<Cの条件を満たしてしまうドットラインが発生する場合において、このような条件を満たしてしまうドットラインの発生が最も少ない記録媒体2の搬送量を抽出することが好ましい。
【0077】図11に示すフローチャートを参照して、第2の実施形態における記録媒体2の搬送量の組み合わせの抽出について説明する。
【0078】まず、主走査において、AスキャンからBスキャンヘ移行する際の記録媒体2の搬送量(ドットライン数)AHL、BスキャンからAスキャンヘ移行する際の記録媒体2の搬送量(ドットライン数)BHL、ループカウンタLPCの初期値、ノズル数Nを設定する。ここでは、記録ヘッド1Kを8ノズルとして想定しているので、N=8、AHL=4、BHL=4、LPC=0と設定する(ステップS1)。
【0079】次に、AHL=4、BHL=4の場合において、上記(1)式を演算し、解が得られないライン数を算出する(ステップS2)。
【0080】次に、ステップS2で検出したライン数が”0”であるか否かを判断する(ステップS3)。この判断で”0”であれば(YES)、記録媒体2の搬送量を4ドットラインに決定する(ステップS4)。しかし、解が得られないラインがある場合には(NO)、LPCのカウント値の2進値の最下位ビットが”0”か否かを判断する(ステップS5)。
【0081】この判断で、カウント値が”0”で、最下位ビットが”0”であるため(YES)、AHLは4+1=5、BHLは8−5=3とし(ステップS6)、LPCのカウント値をインクリメントし(ステップS7)、LPCが8か否かを判断する(ステップS8)。
【0082】ここで、LPCのカウント値が8に達していないので(NO)、ステップS2に戻り、再度AHL=5、BHL=3、LPC=1の条件で(1)式を演算し、解が得られないライン数を算出する。仮に、解が得られないライン数が存在する場合には、LPCのカウント値が”1”、そして、その2進値の最下位ビットが”0”でないため、ステップS9において、AHL及びBHLを演算する(AHLは4−1=3、BHLは8−3=5)。
【0083】上記ステップS2〜ステップS7は、LPC=8に達するまで行われ、LPC=8に達したならば、解が得られないライン数が最小のAHL、BHLを抽出し、記録媒体2の搬送量を決定する。
【0084】なお、あるドットラインの画像濃度特性を判断する上で、AHL=X、BHL=Yの組み合わせとAHL=Y、BHL=Xの組み合わせが等価である場合には、図11を簡略化した図12に従ったシーケンスを採用してもよい。ここでは、特徴部分のみを説明する。
【0085】この図12のフローチャートでは、ステップS3で解が得られないライン数が0でなければ(NO)、LPCをインクリメントして(ステップS11)、AHLはN/2+LPC、BHLはN/2−AHLとし(ステップS12)、ステップS8において、LPCのカウント値が8に達したか否かを判断する。以降は、図11のシーケンスと同様である。
【0086】次に、第3の実施形態について説明する。
【0087】本実施形態においても記録ヘッド1Kを例に挙げて説明することとし、他の記録ヘッド1C、1M、1Yについてはその説明を省略する。
【0088】本実施形態は、前述した(1)式の解が得られない場合に、記録媒体2に記録する際に、重ね打ちを行う第1の例である。この実施形態は、いかなる記録媒体2の搬送量の組み合わせを採用しても、いずれかのドットラインにA<C且つB<Cの条件を満たしてしまう場合に対して、上記(1)式ではなく下記(2)式を用いて分配比率を算出するものである。
XA+YB=C …(2)
ここで、 A:Aスキャンにおけるノズルの濃度、B:Bスキャンにおけるノズルの濃度、C:全ノズルの平均濃度、X:Aスキャンにおけるノズルに分配するデータの比率(ここでは、定数0.5と仮定)、Y:Bスキャンにおけるノズルに分配するデータの比率とする。
【0089】例えば、図13に示す濃度特性を持つノズルからなる記録ヘッド1Kで2パス記録を行おうとした場合、記録媒体2の搬送量をどのように設定しても、A<C且つB<Cの条件を満たしてしまうドットラインが発生してしまう。
【0090】ここでは、第2ドットラインの画像を形成するノズルが第2ノズルと第6ノズルの場合について説明する。
【0091】各ノズルの濃度プロファイルデータより、第2ノズルと第6ノズルによる画像濃度が共に記録ヘッド1Kの全ノズルの平均濃度よりも低いことは既に判明している。従って、この場合の分配比率の算出には、(1)式ではなく(2)式を用いて算出する。
【0092】本実施形態では、Aスキャンにおけるノズルに分配するデータ比率を予め0.5と設定しており、Aスキャンにおいて第6ノズルを、Bスキャンにおいて第2ノズルを用いる場合、(2)式に当てはめると、Y=0.61が算出される。この結果に基づき各々のノズルに関するマスクパターンを作成すると、図14に示すようになる。
【0093】なお、図14に示されるBスキャンのマスクパターンは、Y=0.61に基づき分配比率0.625として作成されているが、図8に示した分配比率0.625のマスクパターンとは異なる。
【0094】図14に示すBスキャンのマスクパターンは、分配比率0.5のマスクパターンを基調に印字ドットを増加させて作成している。
【0095】図14からも分かるように、2つのマスクパターンによって第2ドットラインの画像を形成すると重複して打たれる画素が2つ現れる(以下、重複ドットと呼ぶ)。つまり、(2)式を用いることで、重複ドットの形成を許可し、当該重複ドットを形成することにより、画像濃度を高め平均濃度値に近づけようとするのが本実施形態の特徴である。
【0096】尚、この第3の実施形態では、(2)式のXを初期設定値0.5としたが、この数値は、適宜設定されるものである。また、XではなくYについて初期設定値としても良い。また、2つのノズルの駆動の割合を均等にするために、次の(2)’式を用いてもよい。
XA+XB=C …(2)’この式を用いることにより、2つのノズルの駆動割合が等しくなり、どちらか一方だけが多く駆動され経時変化が著しくなるといったことを防ぐことができる。A、Bスキャン共に平均濃度Cよりも低いため、平均濃度Cに達するには重複ドットが必要となることは既に述べた。その場合、(1)Aスキャン(例えば濃度の高いノズル)の分配比率を高める、(2)Bスキャン(例えば濃度の低いノズル)の分配比率を高める、(3)両者を同じ分配比率にする、の3種類考えられるので、用途に応じて使い分けることが好ましい。
【0097】この(1)の場合には重複ドットの数が増えるので、Aスキャンによる画像濃度とBスキャンによる画像濃度との差が小さくなる。このためインクジェットプリンタがコンピュータグラフィックス用途や、主にベタ画像を作成する用途に対して使用するのが好ましい。
【0098】また、(2)の場合には重複ドットの数が減り、作成された画像をミクロ的に見たとき、画像のざらつき感が目立たない。このため、自然画で高画質の画像を作成する用途や、記録ヘッドの性能が良い場合に対して使用するのが好ましい。なお、本実施形態では、いかなる記録媒体2の搬送量の組み合わせを採用しても、いずれかのドットラインについて、A<C且つB<Cの条件を満たしてしまう場合に対する課題解決方法として説明したが、当然ながら、記録媒体2の搬送量の組み合わせによっては、上記条件を満たさない場合であっても本実施形態に記載の課題解決方法を適用できることは言うまでもない。
【0099】次に第4の実施形態について説明する。本実施形態においても記録ヘッド1Kを例に挙げて説明することとし、他の記録ヘッド1C、1M、1Yについてはその説明を省略する。
【0100】本実施形態は、前述した第1の実施形態において、(1)式の解が得られない場合に、平均に近い方のノズルにデータを全て分配するものである。即ち、本実施形態も前述した第3実施形態と同様に、いかなる記録媒体2の搬送量の組み合わせを採用しても、いずれかのドットラインについて、A<C且つB<Cの条件を満たしてしまう場合に対しての解決方法であり、Aスキャン及びBスキャンが相補的にドットを記録する場合において、記録ヘッド1Kの全ノズルの平均濃度値により近い方の濃度特性を持つノズルに全てのデータを分配するというものである。
【0101】図13に示す濃度特性を有する記録ヘッドで、Aスキャンで第6ノズルを、Bスキャンで第2ノズルを用いて第2ドットラインの画像を形成する場合を例に挙げて説明する。
【0102】第2ノズル及び第6ノズルは、共に平均濃度値よりも濃度特性が低いことが濃度プロファイルデータより判明している。よって、この場合、(i)第2ノズルと第6ノズルの濃度特性を比較し、より平均濃度値に近い方のノズルを選択し、(ii)第2のノズルの濃度特性と平均濃度値とを比較→差分α、第6ノズルの濃度特性と平均濃度値とを比較→差分β、差分αと差分βとを比較しどちらが小さいかを演算し、小さい方のノズルを選択することで、当該ノズルに全てのデータを分配する。
【0103】この記録ヘッドでは、第2ノズルの方がより平均濃度値に近いため、第2ドットラインにおける画像形成では第2ノズルのみで行われる。なお、第2ドットラインの画像形成におけるマスクパターンは、図8に示した最上段のマスクパターンと同様である。
【0104】次に第5の実施形態について説明する。
【0105】本実施形態においても記録ヘッド1Kを例に挙げて説明することとし、他の記録ヘッド1C、1M、1Yについてはその説明を省略する。
【0106】本実施形態は、前述した第1の実施形態において、(1)式の解が得られない場合に、記録媒体2に記録する際に、重ね打ちを行う第2の例である。
【0107】この実施形態では、A>C且つB>Cの条件を満たしてしまうドットラインに対して、(1)式のCを全ノズルの平均濃度値とせず、Aスキャンにおけるノズルの濃度値とBスキャンにおけるノズル濃度値との平均濃度として分配比率を算出しようとするものである。
【0108】図10に示す濃度特性をもつノズルからなる記録ヘッド19で、4ドットラインずつ記録媒体2を搬送しながら2パス記録を行う場合について説明する。
【0109】まず、濃度プロファイルデータより、第1ノズルと第5ノズルの組み合わせ、第4ノズルと第8ノズルの組み合わせが、A>C且つB>Cの条件を満たすことが判明する。
【0110】次にどちらのノズルの組み合わせがより濃度特性が高いか判断する。この場合、第1ノズルと第5ノズルの組み合わせがより濃度特性が高い(1+5=濃度値32、4+8=濃度値31)。
【0111】次に、第1ノズルの濃度値と第5ノズルの濃度値の平均濃度値C’を算出する。算出された平均濃度値C’(=16)は(1)式の全ノズルの平均濃度値Cと置き換えられ(C=C’)、(1)式に基づいて分配比率が算出され(ここでは、平均をとったので、分配比率はそれぞれ0.5ずつ)、第1ドットラインの画像形成用のマスクパターンを設定することができる(図8参照)。
【0112】なお、他のドットラインの画像を形成するための各ノズルに対して分配されるデータの比率の算出については、例えば(2)式や(2’)式を用いて行われるが、当該算出式においてはC=C’である。
【0113】一例として、第2ドットラインの画像の作成についてデータの分配比率を(2’)式を用いて算出する方法について説明する。
【0114】第2ドットラインは、第2ノズル及び第6ノズルによって画像が形成される。上記(2’)式に第2ノズル及び第6ノズルの濃度値を当てはめると、分配比率は両者共にX=0.76となる。
【0115】そして、Aスキャンにおける第6ノズル、Bスキャンにおける第2ノズルにそれぞれ0.76ずつデータを分配するようなマスクパターンを作成し、重複ドットを形成することにより(マスクパターンは、図15を参照)、第1ドットラインとほぼ同じ画像濃度が得られる。
【0116】また、他のドットラインについても上述した方法により、分配比率を算出し、それに応じたマスクパターンを設定することで、第1ドットラインとほぼ同じ画像濃度が得られ、全ドットラインに亘って均一な画像濃度が得られる。
【0117】なお、本実施形態では、全ノズルの平均濃度Cではなく、最も濃度特性の高いノズルの組み合わせによる2つのノズルの平均濃度C’を全ドットラインの基準濃度として設定したが、これに限定されるものではない。
【0118】例えば、最も濃度特性の高いノズルの濃度値を基準にしてもよい。この場合には、全ドットラインについて重複ドットが形成されることになる。
【0119】一般的に、マルチパス記録では、1パス記録に比べて濃度が低下してしまう現象が生じるが、このように全ドットラインについて重複ドットが形成されることで、全ドットラインの濃度を上げることができるので、マルチパス記録においては好適であるといえる。
【0120】次に変形例について説明する。
【0121】前述した各実施形態では、マルチパス記録における2パス記録を主体に説明してきたが、3回以上のパスによって記録を行う場合にも適用できることはいうまでもない。
【0122】例えば、4パスで記録を行う場合には、次の(3)式を用いて分配比率を算出する。
【0123】
WA+XB+YC+ZD= … (3)
ここで、W:Aスキャン時の分配比率、X:Bスキャン時の分配比率、Y:Cスキャン時の分配比率、Z:Dスキャン時の分配比率、:平均濃度上記(3)式を例えば(3’)式に置き換える。
【0124】
WA+(1−W)B=0.5YC+(1−Y)D=0.5 … (3’)
X=(1−W)
Z=(1−Y)
上記(3’)式を演算することで各スキャンにおけるデータの分配比率を容易に算出することができる。なお、上記(3’)式では、AスキャンとBスキャン、CスキャンとDスキャンとをセットで算出するようにしたが、例えば、ドットライン上における印字ドットの配列が図16に示すようであった場合には、AスキャンとCスキャン、BスキャンとDスキャンとをセットとする次の(3”)式によって分配比率を算出すればよい。
【0125】
WA+(1−W)C=0.5XB+(1−X)D=0.5 …(3”)
Y=(1−W)
Z=(1−X)
尚、本発明の画像記録装置は、バブルジェット方式を用いたインクジェット記録装置においても容易に適用できる。また、本発明の画像記録装置は、スループットの関係上、特にマルチパスの中でも2パス記録に対して、効果的である。つまり、濃度ムラを抑制するためにパス数を増やすことが考えられるが、これによりスループットが低下してしまう場合がある。2パス記録は、スループットは向上するものの濃度ムラが顕著に発生する。従って、本発明を2パス記録に適用することにより、濃度ムラを抑制しつつ、高いスループットを実現することができる。
【0126】以上の実施形態について説明したが、本明細書には以下のような発明も含まれている。
【0127】(1)インクを噴射するノズルを複数配列したノズル列を有する記録ヘッドを主走査方向に沿って走査させる主走査手段と、前記主走査毎に前記ノズル列の全体長より短い長さだけ、前記記録ヘッドとプリント媒体とを相対的に前記主走査方向と直交する副走査方向に走査させる副走査手段と、前記記録ヘッドの異なる複数のノズルが記録媒体上の同一ドットラインを走行するように、記録ヘッドを複数回走査させ、形成すべき画像に対応したノズルが記録媒体上にインクを噴射して、前記ドットライン上に画像を形成する記録制御手段と、前記ドットライン上の画像を形成する複数のノズルに対して画像データを分配する分配手段と、を有する画像記録装置において、前記分配手段は、前記複数のノズルに対する画像データの分配比率を当該複数のノズルの各濃度特性に応じて設定することを特徴とする画像記録装置。
【0128】(2)複数のドットラインで同一の画像濃度値を設定し、前記分配手段は前記画像濃度値に一致するように前記分配比率を設定することを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
【0129】(3)前記同一の画像濃度値は、前記記録ヘッドにおける全ノズルの平均濃度値であることを特徴とする上記(2)項記載の画像記録装置。
【0130】(4)前記同一の画像濃度値は、同一ドットライン上の画像を形成する複数の異なるノズルの組み合わせのうち、そのノズルの組み合わせの平均濃度が最も高い値であることを特徴とする上記(2)項記載の画像記録装置。
【0131】(5)前記分配手段は、同一ドットラインの画像が2つのノズルで形成される場合に、第1のノズルの濃度特性をA、第2のノズルの濃度特性をB、記録ヘッドにおける全ノズルの平均濃度値をC、第1のノズルの分配比率をX、第2のノズルの分配比率を(1−X)としたとき、XA+(1−X)B=Cを満たすように第1ノズルおよび第2ノズルに対する画像データの分配比率を設定することを特徴とする(2)項記載の画像記録装置。
【0132】(6)前記分配手段は、ドットライン上の画像を形成する複数のノズルの組み合わせの平均濃度値が前記同一の画像濃度値よりも低い場合に、ドットライン上の同一位置に同一の画像データを複数形成するように、分配比率を設定することを特徴とする前記(3)項記載の画像記録装置。
【0133】(7)前記分配手段は、ドットライン上の画像を形成する複数のノズルがいずれも前記記録ヘッドにおける全ノズルの平均濃度値よりも低い場合に、当該平均濃度値により近い濃度特性を有するノズルに当該ドットライン上の画像データを全て分配するように分配比率を設定することを特徴とする前記(3)項記載の画像記録装置。
【0134】(8)インクを噴射するノズルを複数配列したノズル列を有する記録ヘッドを主走査方向に沿って走査させる主走査手段と、前記主走査毎に前記ノズル列の全体長より短い長さだけ、前記記録ヘッドとプリント媒体とを相対的に前記主走査方向と直交する副走査方向に走査させる副走査手段と、前記記録ヘッドの異なる複数のノズルが記録媒体上の同一ドットラインを走行するように前記記録ヘッドを複数回走査させ、形成すべき画像に対応したノズルが記録媒体上にインクを噴射して、前記ドットライン上に画像を形成する記録制御手段と、前記ドットライン上の画像を形成する複数のノズルに対して画像データを分配する分配手段と、を有する画像記録装置において、前記副走査手段は、主走査毎の副走査量を複数のノズルの各濃度特性に応じて設定することを特徴とする画像記録装置。
【0135】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、複数のノズル間で濃度特性(例えばインク噴射量)にバラツキがあったとしても、有効に濃度ムラの発生を抑制することが可能な画像記録装置とその記録方法を提供することができる。




 

 


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