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発明の名称 インクジェットヘッドの位置調整機構
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開2001−113679(P2001−113679A)
公開日 平成13年4月24日(2001.4.24)
出願番号 特願平11−295538
出願日 平成11年10月18日(1999.10.18)
代理人 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外4名)
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056 EA22 EA24 FA10 HA02 HA08 HA11 HA20 HA37 
発明者 柴野 誠 / 山本 晶 / 芳賀 満裕
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 キャリッジ上に固定されるインクジェットヘッドの位置調整を行うインクジェットヘッドの位置調整機構において、インクジェットヘッドのノズルプレート面に交差する方向に延在して形成されたガイドと、前記ガイドに沿って摺動可能なコマと、前記コマを前記ガイドに摺動させて前記交差する方向に移動させるコマ移動手段と、を有し、前記コマは前記交差する方向に移動することにより、前記インクジェットヘッドをノズルプレート面に沿った方向に移動させる、ことを特徴とするインクジェットヘッドの位置調整機構。
【請求項2】前記インクジェットヘッドを前記コマに対して前記ノズルプレート面に沿った方向から付勢する付勢手段を設けたことを特徴とするインクジェットヘッドの位置調整機構。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプリンタにおいて使用されるインクジェットヘッドを、インクジェットプリンタのキャリッジ上に固定する際の位置調整機構に関係している。
【0002】
【従来の技術】一般的にインクジェットプリンタは、記録媒体に直接印刷可能な上に、カラー印刷も容易に行うことが出来る。しかしながら、特に同一キャリッジに複数のインクジェットヘッドを搭載する場合には、各インクジェットヘッドが持っている機械的公差あるいは取り付け上の公差により、互いのノズル位置が理想とする位置に対して相対的にずれてしまい、良好な印刷品位を得ることが出来ない。従って、インクジェットヘッドをインクジェットプリンタのキャリッジ上に固定する際には高い精度で位置調整を維持しなければならない。またインクジェットヘッドは交換可能に構成されているので、インクジェットヘッドの交換毎に新たなインクジェットヘッドの位置調整を行う必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は前記事情の下でなされ、この発明の目的は、構成が簡単でありながら高い精度で位置調整を行うことが出来るインクジェットヘッドの位置調整機構を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述したこの発明の目的を達成する為に、この発明に従ったインクジェットヘッドの位置調整機構は、キャリッジ上に固定されるインクジェットヘッドの位置調整を行うインクジェットヘッドの位置調整機構において、インクジェットヘッドのノズルプレート面に交差する方向に延在して形成されたガイドと、前記ガイドに沿って摺動可能なコマと、前記コマを前記ガイドに摺動させて前記交差する方向に移動させるコマ移動手段と、を有し、前記コマは前記交差する方向に移動することにより、前記インクジェットヘッドをノズルプレート面に沿った方向に移動させる、ことを特徴としている。
【0005】上述した如く構成されたことを特徴とするこの発明に従ったインクジェットヘッドの位置調整機構においては、前記インクジェットヘッドを前記コマに対して前記ノズルプレート面に沿った方向から付勢する付勢手段を設けることが出来る。
【0006】
【発明の実施の形態】[試作例]まず最初に、この特許出願の出願人が本発明を想到するに至るまでに検討した試作例及び変形例について添付の図面中の図1の(A)乃至(E)を参照しながら詳細に説明する。
【0007】なおここで、図1の(A)は、本発明に従った試作例のインクジェットヘッドの位置調整機構が適用されているインクジェットヘッド及びキャリッジの組み合わせを示す正面図であり;図1の(B)は、図1の(A)のインクジェットヘッド及びキャリッジの組み合わせの底面図であり;図1の(C)は、図1の(A)のC−C線に沿った概略的な断面図であり;図1の(D)は、図1の(A)の試作例のインクジェットヘッドの位置調整機構の一部を拡大して概略的に示す図であり;そして、図1の(E)は、図1の(A)の試作例のインクジェットヘッドの位置調整機構の変形例を拡大して示す正面図である。
【0008】インクジェットヘッド10は細長い形状をしており、その+Z側に位置するノズル形成面10aには長手方向中心線に沿い一直線状に多数のインクジェットノズル開口10bが形成されている。なお、インクジェットノズル開口10bからインクを噴射させる機構及びインクジェットノズル開口10bにインクを供給する手段は、公知であるとともにこの発明の要旨とは無関係なので図1の(A)乃至(E)には示されていない。
【0009】インクジェットヘッド10の長手方向の一端部(+Y側の端部)の端面には、略V字状の正面形状をした切り欠き12が前記長手方向中心線上に形成されている。この切り欠き12の両側面12a,12aの夫々は、インクジェットヘッド10においてノズル形成面10aからノズル形成面10aとは反対側の面(−Z側の表面、即ち裏面)に向かうにつれV字状を小さくするよう前記端面に向かい傾斜したテーパ面により構成されている。
【0010】また、インクジェットヘッド10の長手方向の他端部(−Y側の端部)において+X側に位置している側面14は、前記長手方向中心線に沿い直線状に延出しているとともにノズル形成面10aからノズル形成面10aとは反対側の面(−Z側の表面、即ち裏面)に向かうにつれ+X方向に序々に張り出して傾斜したテーパ面により構成されている。
【0011】インクジェットヘッド10の長手方向の前記一端部と前記他端部には前記長手方向中心線を挟んだ反対側に捩子挿通孔10dが形成されている。捩子挿通孔10dには固定捩子16が挿通されていて、固定捩子16は前記一端部と前記他端部の−Z側に位置しているキャリッジのアルミニウム製の台座18の平坦な基準面18a上の所定の位置に形成されている捩子孔18bに螺合されている。
【0012】インクジェットヘッド10の長手方向の前記一端部と前記他端部の捩子挿通孔10dの直径は固定捩子16の軸部の直径よりは大きいが頭部の直径よりは小さい。この為に、固定捩子16を緩めれば、キャリッジの台座18の平坦な基準面18a上で、インクジェットヘッド10の前記一端部と前記他端部とを前記直径の差異分だけ+X,−X,+Y,−Yの方向に移動させることが可能であるとともに、+Z側の捩子挿通孔10dの端と固定捩子16の頭部における軸部側の端との間との距離だけ+Z,−Z方向に移動させることが可能である。また固定捩子16を締めれば、インクジェットヘッド10の前記一端部と前記他端部とキャリッジの台座18の平坦な基準面18a上に押圧して固定することが出来る。
【0013】インクジェットヘッド10の前記一端部に対応した台座18の平坦な基準面18aには、前記一端部の切り欠き12に隣接して捩子孔20が形成されており、捩子孔20には位置調整用捩子22の軸部が螺合されている。位置調整用捩子22の頭部の周面は軸部側の端から頂面側の端に向かうにつれて径が大きくなるような湾曲面又はテーパ面に成形されていて、この湾曲面又はテーパ面の一部または全部が前記一端部の切り欠き12の略V字形状のテーパ形状の側面12a,12aに当接している。
【0014】インクジェットヘッド10の前記他端部に対応した台座18の平坦な基準面18aには、前記他端部の直線状のテーパ形状の側面14に隣接して捩子孔24が形成されており、捩子孔24には位置調整用捩子26の軸部が螺合されている。位置調整用捩子26の頭部の周面は軸部側の端から頂面側の端に向かうにつれて径が大きくなるような湾曲面又はテーパ面に成形されていて、この湾曲面又はテーパ面の一部または全部が前記他端部のテーパ形状の側面14に当接している。
【0015】キャリッジはさらにインクジェットヘッド10の−X側の側面に沿い延出した側壁18bを備えており、側壁18bはインクジェットヘッド10の−X側の側面に当接してこれを+X方向に付勢する第1の付勢手段28を支持している。従って、固定捩子16が緩められた時には第1の付勢手段28の付勢力がインクジェットヘッド10の前記他端部の+X側のテーパ形状の側面14を対応する位置調整用捩子26の頭部の周面に押圧させる。この試作例では。第1の付勢手段28は板ばねにより構成されているが、ゴムのような弾性物質により形成されていることも出来る。
【0016】インクジェットヘッド10の他端部の端面は+X及び−X方向に直線状に延出している摺接面10cとして構成されていて、摺接面10cにはインクジェットヘッド10の他端部側のキャリッジの台座18に公知の固定手段、例えば固定ねじ、により固定されている第2の付勢手段29が当接している。第2の付勢手段29はインクジェットヘッド10を+Y方向に付勢している。従って、固定捩子16が緩められた時には第2の付勢手段29の付勢力がインクジェットヘッド10の前記一端部の端面の切り欠き12のV字形状でテーパ形状の1対の側面12aを対応する位置調整用捩子22の頭部の周面に押圧させる。この試作例では。第2の付勢手段29は板ばねにより構成されているが、ゴムのような弾性物質により形成されていることも出来る。
【0017】この試作例では、1対の位置調整用捩子22,26と、インクジェットヘッド10の前記一端部のV字形状でテーパ形状の1対の側面12aと、インクジェットヘッド10の前記他端部の+X側のテーパ形状の側面14と、第1及び第2の付勢手段28,29と、が、キャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の為の位置調整機構を構成している。
【0018】より詳細に説明すると:インクジェットヘッド10の前記一端部のV字形状でテーパ形状の1対の側面12aと、インクジェットヘッド10の前記他端部の+X側のテーパ形状の側面14と、は、インクジェットヘッド10のノズルプレート面10aに対して交差する(この試作例では略直交している)方向に延在しているガイドとして機能し;1対の位置調整用捩子22,26の頭部は上述したようにガイドとして機能するインクジェットヘッド10の前記一端部のV字形状でテーパ形状の1対の側面12aとインクジェットヘッド10の前記他端部の+X側のテーパ形状の側面14とに沿って摺動可能なコマとして機能し;そして1対の位置調整用捩子22,26の軸部と、第1及び第2の付勢手段28,29とが、コマとして機能する1対の位置調整用捩子22,26の頭部を上述したようにガイドとして機能するインクジェットヘッド10の前記一端部のV字形状でテーパ形状の1対の側面12aとインクジェットヘッド10の前記他端部の+X側のテーパ形状の側面14とに沿って摺動させ前記交差する(この試作例では略直交している)方向に移動させる。
【0019】上述した如く構成されていることを特徴とした試作例におけるキャリッジの台座18の基準表面18aに対するインクジェットヘッド10の位置調整方法について説明する。
【0020】まず最初はインクジェットヘッド10の1対の捩子挿通孔10dに1対の固定用捩子22,26を挿入し、さらにキャリッジの台座18の基準表面18aの1対の捩子孔18bに1対の固定用捩子16,16を螺合させ、1対の固定用捩子16,16を緩めた状態でキャリッジの台座18の基準表面18a上でインクジェットヘッド10が前述した如き限定された範囲内で移動可能となるよう仮止めしておく。この間にインクジェットヘッド10は、第1の付勢手段28及び第2の付勢手段29の発生する付勢力によりインクジェットヘッド10のノズル形成面10aに沿った相互に略直交する2方向(+X方向及び+Y方向)に付勢されている。
【0021】この状態でキャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10は、+Y方向及び−Y方向における位置を調整することが出来るし、そしてインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の位置調整用捩子22を回動中心とした傾き角を調整することが出来る。
【0022】キャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の+Y方向及び−Y方向における位置を調整するには、インクジェットヘッド10の前記一端部側(+Y方向側)の位置調整用捩子22を一方向または他方向に回転させることにより+Z方向または−Z方向に移動させる。
【0023】より詳細には、キャリッジの台座18の基準表面18a上でインクジェットヘッド10を−Y方向に移動させるには位置調整用捩子22が−Z方向に移動するよう位置調整用捩子22を回転させる。この結果として位置調整用捩子22の頭部の外周面がインクジェットヘッド10の前記一端部の切り欠き12の1対のテーパ状の側面12aを押圧し、インクジェットヘッド10は前記他端部側(−Y方向側)の第2の付勢手段29の付勢力に抗して−Y方向に移動する。
【0024】これとは逆に、キャリッジの台座18の基準表面18a上でインクジェットヘッド10を+Y方向に移動させるには位置調整用捩子22が+Z方向に移動するよう位置調整用捩子22を回転させる。この結果として位置調整用捩子22の頭部の外周面がインクジェットヘッド10の前記一端部の切り欠き12の1対のテーパ状の側面12aに対する押圧力を減少させ、インクジェットヘッド10は前記他端部側(−Y方向側)の第2の付勢手段29の付勢力により+Y方向に移動する。
【0025】キャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の位置調整用捩子22を回動中心とした傾き角を調整するには、インクジェットヘッド10の他端部側(−Y方向側)の位置調整用捩子26を一方向または他方向に回転させることにより+Z方向または−Z方向に移動させる。
【0026】より詳細には、キャリッジの台座18の基準表面18a上でインクジェットヘッド10をインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の位置調整用捩子22を回動中心として図1の(A)における時計回り方向に移動させるには、位置調整用捩子26が−Z方向に移動するよう位置調整用捩子26を回転させる。この結果として位置調整用捩子26の頭部の外周面がインクジェットヘッド10の前記他端部のテーパ状の側面14を押圧し、インクジェットヘッド10は前記他端部側(−Y方向側)の第1の付勢手段28の付勢力に抗して前記一端部側(+Y方向側)の位置調整用捩子22を回動中心として前記他端部を−X方向に移動させる。
【0027】これとは逆に、キャリッジの台座18の基準表面18a上でインクジェットヘッド10をインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の位置調整用捩子22を回動中心として図1の(A)における反時計回り方向に移動させるには、位置調整用捩子26が+Z方向に移動するよう位置調整用捩子26を回転させる。この結果として位置調整用捩子26の頭部の外周面がインクジェットヘッド10の前記他端部のテーパ状の側面14を押圧する力が減少し、インクジェットヘッド10は前記他端部側(−Y方向側)の第1の付勢手段28の付勢力により前記一端部側(+Y方向側)の位置調整用捩子22を回動中心として前記他端部を+X方向に移動させる。
【0028】上述した如くしてキャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の+Y方向及び−Y方向における位置及びインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の位置調整用捩子22を回動中心とした傾き角が調整された後は、1対の固定用捩子16を締め付け、キャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の位置を固定する。
【0029】以上、詳述したことから明らかなように、この試作例では、極めて簡素な構成でキャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の位置の調整を行うことが出来る。
【0030】なおこの試作例では、図1の(A),(B),そして(C)に2点鎖線で示す如く、インクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)及び他端部側(−Y方向側)のキャリッジの台座18にインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の1対のテーパ状の側面12a及び他端部側(−Y方向側)のテーパ状の側面14と対向して位置調整用捩子22の頭部の外周面を受ける位置調整用捩子支持部材32を設けるよう変形させることが出来る。
【0031】インクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の位置調整用捩子支持部材32において位置調整用捩子22の頭部の外周面が接触する側面は+X方向及び−X方向に直線状に延出しているとともに、+Z方向及び−Z方向にも直線状に延出しており、位置調整用捩子22がインクジェットヘッド10の前記一端部の切り欠き12の1対のテーパ状の側面12aを介して受けるインクジェットヘッド10の前記他端部側(−Y方向側)の第2の付勢手段29の付勢力により+Y方向に湾曲することを防止し、キャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の+Y方向及び−Y方向における位置調整の精度が低下することを効果的に防止する。
【0032】またインクジェットヘッド10の他端部側(−Y方向側)の位置調整用捩子支持部材32において位置調整用捩子26の頭部の外周面が接触する側面は+Y方向及び−Y方向に直線状に延出しているとともに、+Z方向及び−Z方向にも直線状に延出しており、位置調整用捩子26がインクジェットヘッド10の前記他端部のテーパ状の側面14を介して受けるインクジェットヘッド10の前記他端部側(−Y方向側)の第1の付勢手段28の付勢力により+X方向に湾曲することを防止し、キャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10のインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の位置調整用捩子22を回動中心とした傾き角の調整の精度が低下することを防止する。
【0033】さらに、図1の(D)及び(E)に2点鎖線で示す如く、インクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)及び他端部側(−Y方向側)の夫々の位置調整用捩子支持部材32′において対応する位置調整用捩子22または26の頭部の外周面が接触する側面をV字形状の横断面を有した溝のように構成すると、位置調整用捩子支持部材32′による上述した如き位置調整用捩子22または26の湾曲防止機能を向上させることが出来る。
【0034】[第1の実施の形態]次に、本発明に従ったインクジェットヘッドの位置調整機構の第1の実施の形態について添付の図面中の図2の(A)乃至(E)を参照しながら詳細に説明する。
【0035】ここで、図2の(A)は、前記第1の実施の形態のインクジェットヘッドの位置調整機構が適用されているインクジェットヘッド及びキャリッジの組み合わせを示す正面図であり;図2の(B)は、図2の(A)のインクジェットヘッド及びキャリッジの組み合わせの底面図であり;図2の(C)は、図2の(A)のC−C線に沿った概略的な断面図であり;図2の(D)は、図2の(A)の第1の実施の形態のインクジェットヘッドの位置調整機構の一部を拡大して概略的に示す図であり;そして、図2の(E)は、図2の(A)の第1の実施の形態のインクジェットヘッドの位置調整機構の着脱自在な連結機構を拡大して示す斜視図である。
【0036】なお第1の実施の形態の構成部材において前述の試作例の構成部材と同じものには前述の試作例の対応する構成部材を指摘していた参照符号と同じ参照符号で指摘し、詳細な説明は省略する。
【0037】この実施の形態が前述の試作例と異なっているのは、インクジェットヘッドの位置調整機構の構成である。
【0038】この実施の形態のインクジェットヘッドの位置調整機構では、インクジェットヘッド10の前記一端部側(+Y方向側)の切り欠き12の1対のテーパ状の側壁12aの下方のキャリッジの台座18の基準表面18aと、インクジェットヘッド10の前記他端部側(−Y方向側)のテーパ状の側壁14の下方のキャリッジの台座18の基準表面18aと、に+Z方向及び−Z方向に延出した回転支柱30,32が取り付けられている。回転支柱30,32の夫々の−Z方向の端部は対応する台座18により自身の回転中心線の回りに回転自在となるよう支持されている。
【0039】回転支柱30,32の夫々において台座18から+Z方向に突出している端部の外周面には雄捩子30a,32aが形成されていて、+Z方向の端面には+Z方向に突出し回転支柱30,32の夫々の直径方向に延出した係合突起30b,32bが形成されている。
【0040】係合突起30b,32bの夫々には、摘み部材34,36の底面において夫々の直径方向に延出して形成されている係合凹所34a,36aを着脱自在に取り付けることが出来る。摘み部材34,36の夫々の外周面からは外方フランジ34b,36bが摘み部材34,36の夫々の直径方向の外方に向かい張り出しており、外方フランジ34b,36bの表面には周方向に複数の目盛り34c,36cが設けられている。
【0041】回転支柱30,32の夫々の雄捩子30a,32aには真鍮製のコマ部材38が螺合されている。インクジェットヘッド10の前記一端部(+Y方向の端部)の切り欠き12の1対のテーパ状の側面12aまたはインクジェットヘッド10の前記他端部(−Y方向の端部)のテーパ状の側面14に接触したコマ部材38の外周面の一部は、+Z方向側の端面から−Z方向側の端面へと向かうにつれて序々に外径を減少させる湾曲面又は球面の一部のような形状に整形されている。また、インクジェットヘッド10の前記一端部(+Y方向の端部)の切り欠き12の1対のテーパ状の側面12aまたはインクジェットヘッド10の前記他端部(−Y方向の端部)のテーパ状の側面14とは反対側に位置しているコマ部材38の外周面の部分は、平坦な摺接面38aに整形されている。
【0042】インクジェットヘッド10の前記一端部(+Y方向の端部)及びインクジェットヘッド10の前記他端部(−Y方向の端部)に対応しているキャリッジの台座18の基準表面18aからは+Z方向にコマ支持部材40,42が突出している。
【0043】インクジェットヘッド10の前記一端部(+Y方向の端部)に対応しているキャリッジの台座18のコマ支持部材40は、対応する回転支柱30のコマ部材38の摺接面38aと接触するコマ支持表面40aを有している。このコマ支持表面40aは、対応するコマ部材38の摺接面38aと平行であり、−X方向及び+X方向に直線状に延出しているとともに−Z方向及び+Z方向にも直線状に延出している。
【0044】インクジェットヘッド10の前記他端部(−Y方向の端部)に対応しているキャリッジの台座18のコマ支持部材42は、対応する回転支柱32のコマ部材38の摺接面38aと接触するコマ支持表面42aを有している。このコマ支持表面42aは、対応するコマ部材38の摺接面38aと平行であり、−Y方向及び+Y方向に直線状に延出しているとともに−Z方向及び+Z方向にも直線状に延出している。
【0045】この実施の形態では:1対の回転支柱30,32,1対のコマ部材38,そして1対の摘み部材34,36の組み合わせと;インクジェットヘッド10の前記一端部(+Y方向の端部)の切り欠き12の1対のテーパ状の側面12aと;インクジェットヘッド10の前記他端部(−Y方向の端部)のテーパ状の側面14aと;第1及び第2の付勢手段28,29と;が、キャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の為の位置調整機構を構成している。
【0046】より詳細に説明すると:インクジェットヘッド10の前記一端部のV字形状でテーパ形状の1対の側面12aと、インクジェットヘッド10の前記他端部の+X側のテーパ形状の側面14と、は、インクジェットヘッド10のノズルプレート面10aに対して交差する(この実施の形態では略直交している)方向に延在しているガイドとして機能し;1対のコマ部材38は上述したようにガイドとして機能するインクジェットヘッド10の前記一端部のV字形状でテーパ形状の1対の側面12aとインクジェットヘッド10の前記他端部の+X側のテーパ形状の側面14とに沿って摺動可能なコマとして機能し;そして、1対の回転支柱30,32の雄捩子30a,32aと、第1及び第2の付勢手段28,29とが、コマとして機能する1対のコマ部材38を上述したようにガイドとして機能するインクジェットヘッド10の前記一端部のV字形状でテーパ形状の1対の側面12aとインクジェットヘッド10の前記他端部の+X側のテーパ形状の側面14とに沿って摺動させ前記交差する(この実施の形態では略直交している)方向に移動させる。
【0047】上述した如く構成されていることを特徴とした第1の実施の形態におけるキャリッジの台座18の基準表面18aに対するインクジェットヘッド10の位置調整方法について説明する。
【0048】まず最初はインクジェットヘッド10の1対の捩子挿通孔10d(図1の(B)参照)に1対の固定用捩子16,16を挿入し、さらにキャリッジの台座18の基準表面18aの1対の捩子孔18b(図1の(B)参照)に1対の固定用捩子16,16を螺合させ、1対の固定用捩子16,16を緩めた状態でキャリッジの台座18の基準表面18a上でインクジェットヘッド10が前述した如き限定された範囲内で移動可能となるよう仮止めしておく。この間にインクジェットヘッド10は、第1の付勢手段28及び第2の付勢手段29の発生する付勢力によりインクジェットヘッド10のノズル形成面10aに沿った相互に略直交する2方向(+X方向及び+Y方向)に付勢されている。
【0049】この状態でキャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10は、+Y方向及び−Y方向における位置を調整することが出来るし、そしてインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の回転支柱30上のコマ部材38の外周面の湾曲部の中心を回動中心とした傾き角を調整することが出来る。
【0050】キャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の+Y方向及び−Y方向における位置を調整するには、インクジェットヘッド10の前記一端部側(+Y方向側)の回転支柱30の+Z方向の端面の係合突起30bに摘み部材34の係合凹所34aを係合させ、摘み部材34を回転支柱30とともに一方向または他方向に回転させることにより対応するコマ部材38を+Z方向または−Z方向に移動させる。
【0051】より詳細には、キャリッジの台座18の基準表面18a上でインクジェットヘッド10を−Y方向に移動させるにはインクジェットヘッド10の前記一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材38を−Z方向に移動させるよう摘み部材34を回転支柱30とともに回転させる。この結果として、回転支柱30に対応するコマ部材38の外周面の湾曲部がインクジェットヘッド10の前記一端部の切り欠き12の1対のテーパ状の側面12aを押圧し、インクジェットヘッド10は前記他端部側(−Y方向側)の第2の付勢手段29の付勢力に抗して−Y方向に移動する。
【0052】これとは逆に、キャリッジの台座18の基準表面18a上でインクジェットヘッド10を+Y方向に移動させるにはインクジェットヘッド10の前記一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材38を+Z方向に移動させるよう摘み部材34を回転支柱30とともに回転させる。この結果として、回転支柱30に対応するコマ部材38の外周面の湾曲部がインクジェットヘッド10の前記一端部の切り欠き12の1対のテーパ状の側面12aを押圧する力を弱め、インクジェットヘッド10は前記他端部側(−Y方向側)の第2の付勢手段29の付勢力により+Y方向に移動する。
【0053】キャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材38の外周面の湾曲部の中心を回動中心とした傾き角を調整するには、インクジェットヘッド10の他端部側(−Y方向側)の回転支柱32の+Z方向の端面の係合突起32bに摘み部材36の係合凹所36aを係合させ、摘み部材36を回転支柱32とともに一方向または他方向に回転させることにより対応するコマ部材38を+Z方向または−Z方向に移動させる。
【0054】より詳細には、キャリッジの台座18の基準表面18a上でインクジェットヘッド10をインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材38の外周面の湾曲部の中心を回動中心として図2の(A)における時計回り方向に移動させるには、回転支柱32に対応したコマ部材38が−Z方向に移動するよう摘み部材36とともに回転支柱32を回転させる。この結果として回転支柱32に対応したコマ部材38の外周面の湾曲部がインクジェットヘッド10の前記他端部のテーパ状の側面14を押圧し、インクジェットヘッド10は前記他端部側(−Y方向側)の第1の付勢手段28の付勢力に抗して前記一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材38の外周面の湾曲部の中心を回動中心として前記他端部を−X方向に移動させる。
【0055】これとは逆に、キャリッジの台座18の基準表面18a上でインクジェットヘッド10をインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材38の外周面の湾曲部の中心を回動中心として図2の(A)における反時計回り方向に移動させるには、回転支柱32に対応したコマ部材38が+Z方向に移動するよう摘み部材36とともに回転支柱32を回転させる。この結果として回転支柱32に対応したコマ部材38の外周面の湾曲部がインクジェットヘッド10の前記他端部のテーパ状の側面14を押圧する力が減少し、インクジェットヘッド10は前記他端部側(−Y方向側)の第1の付勢手段28の付勢力により前記一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材38の外周面の湾曲部の中心を回動中心として前記他端部を+X方向に移動させる。
【0056】上述した如くしてキャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の+Y方向及び−Y方向における位置及びインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材38の外周面の湾曲部の中心を回動中心とした傾き角が調整された後は、1対の固定用捩子16を締め付け、キャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の位置を固定する。
【0057】以上、詳述したことから明らかなように、この第1の実施の形態では、極めて簡素な構成でキャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の位置の調整を行うことが出来る。
【0058】[第2の実施の形態]次に、本発明に従ったインクジェットヘッドの位置調整機構の第2の実施の形態について添付の図面中の図3の(A)乃至(E)を参照しながら詳細に説明する。
【0059】ここで、図3の(A)は、前記第2の実施の形態のインクジェットヘッドの位置調整機構が適用されているインクジェットヘッド及びキャリッジの組み合わせを示す正面図であり;図3の(B)は、図3の(A)のインクジェットヘッド及びキャリッジの組み合わせの底面図であり;図3の(C)は、図3の(A)のC−C線に沿った概略的な断面図であり;図3の(D)は、図3の(A)の第2の実施の形態のインクジェットヘッドの位置調整機構の一部を拡大して概略的に示す図であり;そして、図3の(E)は、図3の(D)のインクジェットヘッドの位置調整機構のコマ部材の拡大された断面図である。
【0060】なお第2の実施の形態の構成部材において前述の試作例の構成部材と同じものには前述の試作例の対応する構成部材を指摘していた参照符号と同じ参照符号で指摘し、詳細な説明は省略する。さらに、第2の実施の形態の構成部材において前述の第1の実施の形態の構成部材と同じものには前述の第1の実施の形態の対応する構成部材を指摘していた参照符号と同じ参照符号で指摘し、詳細な説明は省略する。
【0061】この実施の形態が前述の第1の実施の形態と異なっているのは、インクジェットヘッドの位置調整機構の構成の一部である。
【0062】この実施の形態のインクジェットヘッドの位置調整機構では、インクジェットヘッド10の前記一端部側(+Y方向側)に対応したキャリッジの台座18に回転自在に支持されている回転支柱30の雄捩子30a及びインクジェットヘッド10の前記他端部側(−Y方向側)に対応したキャリッジの台座18に回転自在に支持されている回転支柱32の雄捩子32aに螺合されているコマ部材50が2つの部品により構成さされている。
【0063】詳細に説明すると、コマ部材50はインクジェットヘッド10の前記一端部(+Y方向の端部)の切り欠き12の1対のテーパ状の側面12aまたはインクジェットヘッド10の前記他端部(−Y方向の端部)のテーパ状の側面14に接触した湾曲した外周面の一部を有する真鍮製のコマ本体50aと、コマ本体50aの前記外周面の一部とは反対側に位置しコマ本体50aに対応する回転支柱30の雄捩子30aまたは回転支柱32の雄捩子32aに螺合した捩子部50bと、で構成されている。
【0064】コマ本体50aの前記外周面の一部は、+Z方向側の端面から−Z方向側の端面へと向かうにつれて序々に外径を減少させる湾曲面又は球面の一部のような形状に整形されている。また、コマ本体50aにおいて前記外周面の一部とは反対側に位置した端面には係合凹所50cが形成されている。
【0065】捩子部50bにおいてコマ本体50aの側の端面にはコマ本体50aの係合凹所50cに摺動自在に嵌合された係合突起50dが形成されている。
【0066】捩子部50bにおいてコマ本体50aとは反対側の端部の両側面52は+Z方向及び−Z方向に直線状に延出しているとともに+Y方向及び−Y方向にも直線状に延出している平坦面に整形されていて、またインクジェットヘッド10の前記他端部(−Y方向の端部)側の捩子部50bの両側面52は+Z方向及び−Z方向に直線状に延出しているとともに+X方向及び−X方向にも直線状に延出している平坦面に整形されている。
【0067】インクジェットヘッド10の前記一端部(+Y方向の端部)及びインクジェットヘッド10の前記他端部(−Y方向の端部)に対応しているキャリッジの台座18の基準表面18aからは+Z方向にコマ支持部材54,56が突出している。
【0068】コマ支持部材54,56において対応する捩子部50bに対面した表面には、対応する捩子部50bの両側面52が挿入され、両側面52と同じ方向に延出した1対の案合面54aまたは56aを有した凹所が形成されている。コマ支持部材54,56の凹所の1対の案合面54aまたは56a上では、前記凹所に挿入された対応する捩子部50bの両側面52が摺動することが出来る。
【0069】またこの実施の形態ではインクジェットヘッド10の前記一端部(+Y方向の端部)の端面が+X方向及び−X方向に直線状に延出しているとともに+Z方向の表面から−Z方向の表面に向かうにつれて序々に+Y方向に張り出したテーパ状の案内面58として整形されていて、このテーパ状の案内面58にインクジェットヘッド10の前記一端部(+Y方向の端部)側のコマ部材50のコマ本体50aの外周面の湾曲した部分が接触している。
【0070】さらにこの実施の形態ではインクジェットヘッド10の前記一端部(+Y方向の端部)においてキャリッジの台座18の基準表面18aに対面した底面に−Z方向に突出した係合突起60が形成されており、またキャリッジの台座18の基準表面18aには係合突起60を受け入れる細長い案内溝62が形成されている。案内溝62は+Y方向及び−Y方向に係合突起60の直径よりも長く直線状に延出しており、+X方向及び−X方向における幅が係合突起60の直径と同じに設定されている。
【0071】なお、インクジェットヘッド10の前記一端部(+Y方向の端部)の底面に案内溝62を形成し、キャリッジの台座18の基準表面18aに係合突起60を形成しても良い。
【0072】この実施の形態では:1対の回転支柱30,32,1対のコマ部材50,そして1対の摘み部材34,36の組み合わせと;インクジェットヘッド10の前記一端部(+Y方向の端部)のテーパ状の側面58と;インクジェットヘッド10の前記他端部(−Y方向の端部)のテーパ状の側面14aと;第1及び第2の付勢手段28,29と;インクジェットヘッド10の前記一端部(+Y方向の端部)の底面及びキャリッジの台座18の基準表面18aのいずれか一方の案内溝62と前記底面及び基準表面18aのいずれか他方の係合突起60との組み合わせと;が、キャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の為の位置調整機構を構成している。
【0073】より詳細に説明すると:インクジェットヘッド10の前記一端部のテーパ形状の側面58と、インクジェットヘッド10の前記他端部の+X側のテーパ形状の側面14と、は、インクジェットヘッド10のノズルプレート面10aに対して交差する(この試作例では略直交している)方向に延在しているガイドとして機能し;1対のコマ部材50は上述したようにガイドとして機能するインクジェットヘッド10の前記一端部のテーパ形状の側面58とインクジェットヘッド10の前記他端部の+X側のテーパ形状の側面14とに沿って摺動可能なコマとして機能し;そして、1対の回転支柱30,32の雄捩子30a,32aと、第1及び第2の付勢手段28,29と、インクジェットヘッド10の前記一端部(+Y方向の端部)の底面及びキャリッジの台座18の基準表面18aのいずれか一方の案内溝62と前記底面及び基準表面18aのいずれか他方の係合突起60との組み合わせと、が、コマとして機能する1対のコマ部材50を上述したようにガイドとして機能するインクジェットヘッド10の前記一端部のテーパ形状の側面58とインクジェットヘッド10の前記他端部の+X側のテーパ形状の側面14とに沿って摺動させ前記交差する(この試作例では略直交している)方向に移動させる。
【0074】上述した如く構成されていることを特徴とした第2の実施の形態におけるキャリッジの台座18の基準表面18aに対するインクジェットヘッド10の位置調整方法について説明する。
【0075】まず最初はインクジェットヘッド10の1対の捩子挿通孔10d(図1の(B)参照)に1対の固定用捩子16,16を挿入し、さらにキャリッジの台座18の基準表面18aの1対の捩子孔18b(図1の(B)参照)に1対の固定用捩子16,16を螺合させ、1対の固定用捩子16,16を緩めた状態でキャリッジの台座18の基準表面18a上でインクジェットヘッド10が前述した如き限定された範囲内で移動可能となるよう仮止めしておく。この間にインクジェットヘッド10は、第1の付勢手段28及び第2の付勢手段29の発生する付勢力によりインクジェットヘッド10のノズル形成面10aに沿った相互に略直交する2方向(+X方向及び+Y方向)に付勢されている。
【0076】この状態でキャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10は、+Y方向及び−Y方向における位置を調整することが出来るし、そしてインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材50のコマ本体50aの外周面の湾曲した部分とインクジェットヘッド10のテーパ状の側面58との接点を回動中心とした傾き角を調整することが出来る。
【0077】キャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の+Y方向及び−Y方向における位置を調整するには、インクジェットヘッド10の前記一端部側(+Y方向側)の回転支柱30の+Z方向の端面の係合突起30b(図2の(E)参照)に摘み部材34の係合凹所34a(図2の(E)参照)を係合させ、摘み部材34を回転支柱30とともに一方向または他方向に回転させることにより対応するコマ部材50を+Z方向または−Z方向に移動させる。
【0078】より詳細には、キャリッジの台座18の基準表面18a上でインクジェットヘッド10を−Y方向に移動させるにはインクジェットヘッド10の前記一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材50を−Z方向に移動させるよう摘み部材34を回転支柱30とともに回転させる。この結果として、回転支柱30に対応するコマ部材50のコマ本体50aの外周面の湾曲部がインクジェットヘッド10の前記一端部のテーパ状の側面58を押圧し、インクジェットヘッド10は前記他端部側(−Y方向側)の第2の付勢手段29の付勢力に抗して−Y方向に移動する。
【0079】これとは逆に、キャリッジの台座18の基準表面18a上でインクジェットヘッド10を+Y方向に移動させるにはインクジェットヘッド10の前記一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材50を+Z方向に移動させるよう摘み部材34を回転支柱30とともに回転させる。この結果として、回転支柱30に対応するコマ部材50のコマ本体50aの外周面の湾曲部がインクジェットヘッド10の前記一端部のテーパ状の側面58を押圧する力を弱め、インクジェットヘッド10は前記他端部側(−Y方向側)の第2の付勢手段29の付勢力により+Y方向に移動する。
【0080】キャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材50のコマ本体50aの外周面の湾曲部とインクジェットヘッド10のテーパ状の側面58との接点を回動中心とした傾き角を調整するには、インクジェットヘッド10の他端部側(−Y方向側)の回転支柱32の+Z方向の端面の係合突起32b(図2の(E)参照)に摘み部材36の係合凹所36a(図2の(E)参照)を係合させ、摘み部材36を回転支柱32とともに一方向または他方向に回転させることにより対応するコマ部材50を+Z方向または−Z方向に移動させる。
【0081】より詳細には、キャリッジの台座18の基準表面18a上でインクジェットヘッド10をインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材50のコマ本体50aの外周面の湾曲部とインクジェットヘッド10のテーパ状の側面58との接点を回動中心として図3の(A)における時計回り方向に移動させるには、回転支柱32に対応したコマ部材50が−Z方向に移動するよう摘み部材36とともに回転支柱32を回転させる。この結果として回転支柱32に対応したコマ部材50のコマ本体50aの外周面の湾曲部がインクジェットヘッド10の前記他端部のテーパ状の側面14を押圧し、インクジェットヘッド10は前記他端部側(−Y方向側)の第1の付勢手段28の付勢力に抗して前記一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材50のコマ本体50aの外周面の湾曲部とインクジェットヘッド10のテーパ状の側面58との接点を回動中心として前記他端部を−X方向に移動させる。
【0082】これとは逆に、キャリッジの台座18の基準表面18a上でインクジェットヘッド10をインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材50のコマ本体50aの外周面の湾曲部とインクジェットヘッド10のテーパ状の側面58との接点を回動中心として図3の(A)における反時計回り方向に移動させるには、回転支柱32に対応したコマ部材50が+Z方向に移動するよう摘み部材36とともに回転支柱32を回転させる。この結果として回転支柱32に対応したコマ部材50のコマ本体50aの外周面の湾曲部がインクジェットヘッド10の前記他端部のテーパ状の側面14を押圧する力が減少し、インクジェットヘッド10は前記他端部側(−Y方向側)の第1の付勢手段28の付勢力により前記一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材50のコマ本体50aの外周面の湾曲部とインクジェットヘッド10のテーパ状の側面58との接点を回動中心として前記他端部を+X方向に移動させる。
【0083】上述した如くしてキャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の+Y方向及び−Y方向における位置及びインクジェットヘッド10の一端部側(+Y方向側)の回転支柱30に対応するコマ部材38の外周面の湾曲部とインクジェットヘッド10のテーパ状の側面58との接点を回動中心とした傾き角が調整された後は、1対の固定用捩子16を締め付け、キャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の位置を固定する。
【0084】以上、詳述したことから明らかなように、この実施の形態では、極めて簡素な構成でキャリッジの台座18の基準表面18a上におけるインクジェットヘッド10の位置の調整を行うことが出来る。
【0085】なおこの実施の形態においては、コマ部材50がコマ本体50aと捩子部50bとにより構成されていて、しかもコマ本体50aと捩子部50bとは係合突起50dと係合凹所50cとの組み合わせにより摺動自在に連結されている。そして、係合突起50dの先端と係合凹所50cの低面との間には隙間が生じている。従って、このような構成のコマ部材50は、回転支柱30,32の回転中心からの回転支柱30,32の雄捩子30a,32aの夫々の偏心の影響を補正することが出来る。
【0086】[第3の実施の形態]次に、本発明に従ったインクジェットヘッドの位置調整機構の第3の実施の形態について添付の図面中の図4の(A)乃至(C)を参照しながら詳細に説明する。
【0087】ここで、図4の(A)は、前記第3の実施の形態のインクジェットヘッドの位置調整機構が適用されているインクジェットヘッド及びキャリッジの組み合わせを示す正面図であり;図4の(B)は、図4の(A)のインクジェットヘッド及びキャリッジの組み合わせの底面図であり;そして図4の(C)は、図4の(A)のC−C線に沿った概略的な断面図である。
【0088】なお第3の実施の形態の構成部材において前述の試作例及び第1及び第2の実施の形態の構成部材と同じものには前述の試作例及び第1及び第2の実施の形態の対応する構成部材を指摘していた参照符号と同じ参照符号で指摘し、詳細な説明は省略する。
【0089】この実施の形態の構成の大部分は前述の第2の実施の形態の構成の大部分と同じであり、異なっているのはインクジェットヘッド10の一端部(+Y側の端部)の端面に、テーパ状の案内面58に代わり前述の第1の実施の形態におけるテーパ状の1対の側面12aを有しているV字形状の横断面の切り欠き12が形成されていることである。
【0090】上述した如く構成されていることを特徴とした第3の実施の形態におけるキャリッジの台座18の基準表面18aに対するインクジェットヘッド10の位置調整方法は、前述の第1の実施の形態におけるキャリッジの台座18の基準表面18aに対するインクジェットヘッド10の位置調整方法と同じである。
【0091】第3の実施の形態が第1の実施の形態と異なっているのは、コマ部材50の構成であるが、このコマ部材50の構成は第2の実施の形態において示されておりその作用や利点についても第2の実施の形態において充分に説明されている。
【0092】上述した第1乃至第3の実施の形態は、前述した試作例に比べて、台座18に位置調整用捩子22,26を螺合させる捩子孔を形成する必要がない。第1乃至第3の実施の形態は回転支柱30,32の−Z方向の端部を回転自在に保持する為の孔が必要であるが、このような孔は捩子孔に比べると遥かに容易に、かつ精密な工作精度で形成することが出来る。また、回転支柱30,32の+Z方向の端部に形成する雄捩子30a,32aは前述した試作例で使用している位置調整用捩子22,26の雄捩子に比べると、コマと捩子部の偏心(即ち、前述した試作例では位置調整用捩子22,26の雄捩子に対するコマとして機能する頭部の偏心であり、前述した第1乃至第3の実施の形態の夫々では、回転支柱30,32の雄捩子30a,32aに対するコマ部材38,50の偏心)を考慮する必要がなく、容易に安価に形成することが出来る。
【0093】なお、以上説明した試作例や第1乃至第3の実施の形態の夫々では、インクジェットヘッド10の一端部(+Y側の端部)の切り欠き12のテーパ状の1対の側面12aまたはテーパ状の側面58,そして他端部(−Y側の端部)のテーパ状の側面14の傾斜を、前述したのは逆にしても、前述したのと同様の効果を得ることが出来る。上記逆とは即ち、一端部(+Y側の端部)の切り欠き12のテーパ状の1対の側面12aまたはテーパ状の側面58においてはインクジェットヘッド10の+Z側の表面から−Z側の表面に向かうにつれて内方、即ち−Y方向、に序々に引っ込むよう傾斜することであり、また他端部(−Y側の端部)のテーパ状の側面14においてはインクジェットヘッド10の+Z側の表面から−Z側の表面に向かうにつれて内方、即ち−X方向、に序々に引っ込むよう傾斜することである。
【0094】以上詳述した試作例及び第1乃至第3の実施の形態についての記載から、本願の発明は、以下のようにも記載することが出来る。
【0095】1.キャリッジ上に固定されるインクジェットヘッドの位置調整を行うインクジェットヘッドの位置調整機構において、インクジェットヘッドのノズルプレート面に交差する方向に延在して形成されたガイドと、前記ガイドに沿って摺動可能なコマと、前記コマを前記ガイドに摺動させて前記交差する方向に移動させるコマ移動手段と、を有し、前記コマは前記交差する方向に移動することにより、前記インクジェットヘッドをノズルプレート面に沿った方向に移動させる、ことを特徴とするインクジェットヘッドの位置調整機構。
【0096】2. 前記インクジェットヘッドを前記コマに対して前記ノズルプレート面に沿った方向から付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする前記1項に記載のインクジェットヘッドの位置調整機構。
【0097】3.前記コマ移動手段は、前記キャリッジに形成された捩子孔に螺合される捩子を含んでいることを特徴とする前記1項または2項に記載のインクジェットヘッドの位置調整機構。
【0098】4.前記コマは前記捩子の頭部により構成されていることを特徴とする前記3項に記載のインクジェットヘッドの位置調整機構。
【0099】5.前記コマ移動手段は、前記キャリッジに回動可能に保持された捩子部材を含んでいることを特徴とする前記1項または2項に記載のインクジェットヘッドの位置調整機構。
【0100】6.前記コマは前記捩子部材に螺合されていて、前記捩子部材の回動により前記捩子部材に沿い移動することを特徴とする前記5項に記載のインクジェットヘッドの位置調整機構。
【0101】7.前記コマは、前記捩子部材に螺合され、前記捩子部材の回動により前記捩子部材に沿い移動する第1の部材と、第1の部材に係合されて第1の部材とともに移動し、前記ガイドに摺動して前記交差する方向に移動する第2の部材と、を含んでいる、ことを特徴とする前記5項に記載のインクジェットヘッドの位置調整機構。
【0102】8.前記コマの第1の部材と第2の部材とは前記ノズルプレート面に沿った方向において隙間を伴い係合されている、ことを特徴とする前記7項に記載のインクジェットヘッドの位置調整機構。
【0103】
【発明の効果】以上詳述したことから明らかなように、この発明に従ったインクジェットヘッドの位置調整機構によれば、簡単な構成でありながら高い精度で位置調整を行うことが出来る。




 

 


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